(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158060
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】駆動ユニット
(51)【国際特許分類】
B60K 17/02 20060101AFI20221006BHJP
B60K 17/12 20060101ALI20221006BHJP
B60K 17/16 20060101ALI20221006BHJP
B60L 15/20 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B60K17/02 F
B60K17/12
B60K17/16 E
B60L15/20 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062688
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000149033
【氏名又は名称】株式会社エクセディ
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】河原 裕樹
【テーマコード(参考)】
3D039
3D042
5H125
【Fターム(参考)】
3D039AA03
3D039AB01
3D039AC36
3D042AA06
3D042AB01
3D042BE01
3D042CB01
5H125AA01
5H125BA00
5H125BE05
5H125FF01
(57)【要約】
【課題】コンパクト化が可能な駆動ユニットを提供する。
【解決手段】駆動ユニットは、回転電機と、第1流体継手と、差動装置とを備えている。第1流体継手は、回転電機から出力された動力を作動流体を介して伝達するように構成されている。差動装置は、第1流体継手と同軸に配置されている。差動装置は、一対の駆動輪の差動回転を可能にするように構成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の駆動輪を回転駆動させる駆動ユニットであって、
回転電機と、
前記回転電機から出力された動力を作動流体を介して伝達するように構成された第1流体継手と、
前記第1流体継手と同軸に配置され、一対の駆動輪の差動回転を可能にするように構成された差動装置と、
を備える、
駆動ユニット。
【請求項2】
前記回転電機は、前記第1流体継手及び前記差動装置と同軸に配置される、
請求項1に記載の駆動ユニット。
【請求項3】
前記回転電機からの動力を減速するように構成された減速機、又は前記回転電機からの動力を変速するように構成された変速機をさらに備える、
請求項1または2に記載の駆動ユニット。
【請求項4】
前記減速機又は変速機は、前記第1流体継手及び前記差動装置と同軸に配置される、
請求項3に記載の駆動ユニット。
【請求項5】
前記減速機又は変速機は、動力伝達経路において、前記回転電機と前記第1流体継手との間に配置される、
請求項3又は4に記載の駆動ユニット。
【請求項6】
前記減速機又は変速機は、動力伝達経路において、前記第1流体継手と前記差動装置との間に配置される、
請求項3又は4に記載の駆動ユニット。
【請求項7】
前記回転電機から出力された動力の回転方向を切り替えるように構成された前後進切替装置をさらに備える、
請求項1から6のいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項8】
前記前後進切替装置は、前記第1流体継手及び前記差動装置と同軸に配置される、
請求項7に記載の駆動ユニット。
【請求項9】
前記前後進切替装置は、動力伝達経路において、前記第1流体継手と前記差動装置との間に配置される、
請求項7又は8に記載の駆動ユニット。
【請求項10】
前記差動装置は、軸方向において、前記回転電機と前記第1流体継手との間に配置される、
請求項1から9のいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項11】
前記回転電機は、前記第1流体継手に対して径方向外側に配置される、
請求項1から10のいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項12】
前記回転電機は、前記差動装置に対して径方向外側に配置される、
請求項1から10のいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項13】
前記第1流体継手及び前記差動装置と別軸に配置されるカウンターシャフトをさらに備え、
前記カウンターシャフトは、動力伝達経路において、前記第1流体継手と前記差動装置との間に配置される、
請求項1から12のいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項14】
前記カウンターシャフトは、前記第1流体継手からの動力を減速又は変速して前記差動装置に伝達するように構成される、
請求項13に記載の駆動ユニット。
【請求項15】
前記回転電機は、前記第1流体継手と別軸に配置される、
請求項1から12のいずれかに記載の駆動ユニット。
【請求項16】
前記減速機又は前記変速機は、前記回転電機と同軸に配置される、
請求項3に従属する請求項15に記載の駆動ユニット。
【請求項17】
前記第1流体継手及び前記差動装置と同軸に配置される第2流体継手をさらに備え、
前記第1流体継手は、前記差動装置から出力された動力を作動流体を介して第1駆動輪へと伝達するように構成され、
前記第2流体継手は、前記差動装置から出力された動力を作動流体を介して第2駆動輪へと伝達するように構成される、
請求項1から16のいずれかに記載の駆動ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動ユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、トルクコンバータを有する電気自動車が提案されている。例えば、特許文献1に記載の電気自動車の駆動ユニットは、電気モータ、トルクコンバータ、及びディファレンシャルギヤを有している。電気モータからの動力は、トルクコンバータによってトルク増幅される。そして、トルクコンバータによってトルク増幅された動力は、ディファレンシャルギヤを介して各駆動輪へと伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような駆動ユニットをコンパクト化したいという要望がある。そこで、本発明の課題は、コンパクト化が可能な駆動ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある側面に係る駆動ユニットは、一対の駆動輪を回転駆動させるように構成されている。駆動ユニットは、回転電機と、第1流体継手と、差動装置とを備えている。第1流体継手は、回転電機から出力された動力を作動流体を介して伝達するように構成されている。差動装置は、第1流体継手と同軸に配置されている。差動装置は、一対の駆動輪の差動回転を可能にするように構成されている。
【0006】
この構成によれば、第1流体継手と差動装置とを同軸に配置することによって、コンパクト化することができる。
【0007】
好ましくは、回転電機は、第1流体継手及び差動装置と同軸に配置される。
【0008】
好ましくは、駆動ユニットは、減速機又は変速機をさらに備える。減速機は、回転電機からの動力を減速するように構成されている。変速機は、回転電機からの動力を変速するように構成されている。
【0009】
好ましくは、減速機又は変速機は、第1流体継手及び差動装置と同軸に配置される。
【0010】
好ましくは、減速機又は変速機は、動力伝達経路において、回転電機と第1流体継手との間に配置される。
【0011】
好ましくは、減速機又は変速機は、動力伝達経路において、第1流体継手と差動装置との間に配置される。
【0012】
好ましくは、駆動ユニットは、前後進切替装置をさらに備える。前後進切替装置は、回転電機から出力された動力の回転方向を切り替えるように構成されている。
【0013】
好ましくは、前後進切替装置は、第1流体継手及び差動装置と同軸に配置される。
【0014】
好ましくは、前後進切替装置は、動力伝達経路において、第1流体継手と差動装置との間に配置される。
【0015】
好ましくは、差動装置は、軸方向において、回転電機と第1流体継手との間に配置される。
【0016】
好ましくは、回転電機は、第1流体継手に対して径方向外側に配置される。
【0017】
好ましくは、回転電機は、差動装置に対して径方向外側に配置される。
【0018】
好ましくは、駆動ユニットは、カウンターシャフトをさらに備える。カウンターシャフトは、第1流体継手及び差動装置と別軸に配置される。カウンターシャフトは、動力伝達経路において、第1流体継手と差動装置との間に配置される。
【0019】
好ましくは、カウンターシャフトは、第1流体継手からの動力を減速又は変速して差動装置に伝達するように構成される。
【0020】
好ましくは、回転電機は、第1流体継手と別軸に配置される。
【0021】
好ましくは、減速機又は変速機は、回転電機と同軸に配置される。
【0022】
好ましくは、駆動ユニットは、第2流体継手をさらに備える。第2流体継手は、第1流体継手及び差動装置と同軸に配置される。第1流体継手は、差動装置から出力された動力を作動流体を介して第1駆動輪へと伝達するように構成されえいる。第2流体継手は、差動装置から出力された動力を作動流体を介して第2駆動輪へと伝達するように構成されている。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、駆動ユニットをコンパクト化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本実施形態に係る駆動ユニットについて図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明において、軸方向とは、ディファレンシャルギヤ4の回転軸Oが延びる方向である。また、径方向とは、回転軸Oを中心とした円の径方向である。
【0026】
<駆動ユニット100>
図1に示すように、駆動ユニット100は、電気モータ(回転電機の一例)2、第1トルクコンバータ(第1流体継手の一例)3、及びディファレンシャルギヤ4(差動装置の一例)を備えている。軸方向において、電気モータ2とディファレンシャルギヤ4との間に、第1トルクコンバータ3が配置されている。すなわち、軸方向において、電気モータ2,第1トルクコンバータ3、ディファレンシャルギヤ4の順で配置されている。
【0027】
駆動ユニット100は、電気自動車に搭載されている。なお、駆動ユニット100は、ハイブリッド自動車に搭載されていてもよい。駆動ユニット100は一対の駆動輪101を回転駆動するように構成されている。
【0028】
<電気モータ2>
電気モータ2は、第1ステータ21及びロータ22を有している。第1ステータ21は、フレーム又はハウジングなどに固定されている。第1ステータ21は回転不能である。
【0029】
ロータ22は、回転軸Oを中心に回転可能である。ロータ22は、第1ステータ21に対して径方向内側に配置されている。すなわち、電気モータ2は、インナーロータ型である。なお、電気モータ2は、アウターロータ型であってもよい。なお、ロータ22は、ドライブシャフト103に対して、相対回転可能である。
【0030】
電気モータ2は、ディファレンシャルギヤ4と同軸に配置されている。すなわち、電気モータ2の回転軸は、ディファレンシャルギヤ4の回転軸Oと実質的に同一線上に配置されている。なお、電気モータ2の回転軸とは、ロータ22の回転軸である。
【0031】
<第1トルクコンバータ3>
第1トルクコンバータ3は、作動流体(例えば作動油)を介して、電気モータ2から出力された動力を伝達するように構成されている。第1トルクコンバータ3は、ディファレンシャルギヤ4と同軸に配置されている。すなわち、第1トルクコンバータ3の回転軸は、ディファレンシャルギヤ4の回転軸Oと実質的に同一線上に配置されている。第1トルクコンバータ3は、ドライブシャフト103に対して、相対回転可能である。
【0032】
第1トルクコンバータ3は、カバー31、インペラ32、タービン33、及び第2ステータ34を有している。
【0033】
カバー31は、電気モータ2からの動力が伝達される。カバー31は、電気モータ2のロータ22に取り付けられている。カバー31は、電気モータ2のロータ22と一体的に回転する。なお、カバー31とロータ22との間に別の部材が介在していてもよい。また、カバー31は、ロータ22と異なる回転数で回転してもよい。
【0034】
インペラ32は、カバー31に固定されている。インペラ32はカバー31と一体的に回転する。
【0035】
タービン33は、インペラ32と対向するように配置されている。タービン33は、作動流体を介してインペラ32から動力が伝達される。
【0036】
第2ステータ34は、インペラ32とタービン33との間に配置されている。第2ステータ34は、ワンウェイクラッチ(図示省略)を介して固定シャフト104に取り付けられている。
【0037】
<ディファレンシャルギヤ4>
ディファレンシャルギヤ4は、第1トルクコンバータ3からの動力が伝達される。すなわち、動力伝達経路において、電気モータ2、第1トルクコンバータ3、ディファレンシャルギヤ4の順に配置されている。
【0038】
ディファレンシャルギヤ4は、第1トルクコンバータ3からの動力を2つの駆動輪101に分配して伝達するように構成されている。ディファレンシャルギヤ4は、一対の駆動輪101の差動回転を可能にするように構成されている。詳細には、ディファレンシャルギヤ4は、1対のドライブシャフト103の差動回転を可能にするように構成されている。
【0039】
ディファレンシャルギヤ4は、第1トルクコンバータ3と同軸に配置されている。すなわち、ディファレンシャルギヤ4の回転軸Oは、第1トルクコンバータ3の回転軸と実質的に同一線上に配置されている。
【0040】
ディファレンシャルギヤ4は、ピニオンギヤ41、及び一対のサイドギヤ42を有している。ピニオンギヤ41は、タービン33からの動力が伝達される。ピニオンギヤ41の回転軸は、径方向に延びている。また、ピニオンギヤ41は、自転するとともに、回転軸O周りに公転するように配置されている。
【0041】
各サイドギヤ42は、ピニオンギヤ41と噛み合っている。各サイドギヤ42は、ピニオンギヤ41から伝達された動力を、各ドライブシャフト103に伝達する。
【0042】
[変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0043】
変形例1
図2に示すように、駆動ユニット100は、減速機5をさらに備えていてもよい。減速機5は、第1トルクコンバータ3及びディファレンシャルギヤ4と同軸に配置されている。また、減速機5は、電気モータ2とも同軸に配置されている。なお、減速機5は、例えば、複数のギヤなどによって構成されている。
【0044】
減速機5は、動力伝達経路において、電気モータ2と第1トルクコンバータ3との間に配置されている。すなわち、減速機5は、電気モータ2からの動力を減速して第1トルクコンバータ3へ出力する。
【0045】
減速機5は、軸方向において、電気モータ2と第1トルクコンバータ3との間に配置されている。すなわち、軸方向において、電気モータ2、減速機5,第1トルクコンバータ3の順で配置されている。詳細には、軸方向において、電気モータ2、減速機5,第1トルクコンバータ3,ディファレンシャルギヤ4の順で配置されている。
【0046】
図3に示すように、減速機5は、動力伝達経路において、第1トルクコンバータ3とディファレンシャルギヤ4との間に配置されていてもよい。すなわち、減速機5は、第1トルクコンバータ3からの動力を減速してディファレンシャルギヤ4へ出力してもよい。
【0047】
減速機5は、軸方向において、第1トルクコンバータ3とディファレンシャルギヤ4との間に配置されている。すなわち、軸方向において、第1トルクコンバータ3、減速機5、ディファレンシャルギヤ4の順で配置されている。詳細には、軸方向において、電気モータ2、第1トルクコンバータ3、減速機5、ディファレンシャルギヤ4の順で配置されている。
【0048】
上記各変形例において、駆動ユニット100は、減速機5の代わりに変速機を備えていてもよいし、前後進切替装置を備えていてもよい。なお、前後進切替装置は、電気モータ2から出力された動力の回転方向を切り替えるように構成されている。前後進切替装置は、複数のギヤによって構成されている。
【0049】
前後進切替装置は、好ましくは、動力伝達経路において、第1トルクコンバータ3とディファレンシャルギヤ4との間に配置されている。すなわち、前後進切替装置は、第1トルクコンバータ3が出力した動力の回転方向を切り替えるように構成されている。この構成によれば、前進時及び後進時のどちらにおいても、第1トルクコンバータ3に入力される動力の回転方向を同じとすることができる。
【0050】
変形例2
図4に示すように、ディファレンシャルギヤ4は、軸方向において、電気モータ2と第1トルクコンバータ3との間に配置されていてもよい。すなわち、軸方向において、電気モータ2、ディファレンシャルギヤ4、第1トルクコンバータ3の順に配置されている。なお、動力伝達経路は、電気モータ2、第1トルクコンバータ3、ディファレンシャルギヤ4の順となっている。
【0051】
変形例3
図5に示すように、電気モータ2は、第1トルクコンバータ3に対して径方向外側に配置されていてもよい。すなわち、電気モータ2は、径方向視において、第1トルクコンバータ3と重複していてもよい。軸方向において、電気モータ2と第1トルクコンバータ3とは同じ位置に配置されている。
【0052】
電気モータ2は、第1トルクコンバータ3を囲むように配置されている。電気モータ2は、第1トルクコンバータ3の外周面に取り付けられている。詳細には、電気モータ2のロータ22は、第1トルクコンバータ3のカバー31又はインペラ32の外周面に取り付けられている。なお、ロータ22とカバー31又はインペラ32との間に別の部材が介在していてもよい。
【0053】
変形例4
図6に示すように、電気モータ2は、ディファレンシャルギヤ4に対して径方向外側に配置されていてもよい。すなわち、電気モータ2は、径方向視において、ディファレンシャルギヤ4と重複していてもよい。軸方向において、電気モータ2とディファレンシャルギヤ4とは同じ位置に配置されている。
【0054】
電気モータ2は、ディファレンシャルギヤ4を囲むように配置されている。なお、動力伝達経路は、電気モータ2、第1トルクコンバータ3、ディファレンシャルギヤ4の順である。
【0055】
変形例5
図7に示すように、駆動ユニット100は、カウンターシャフト6をさらに備えていてもよい。カウンターシャフト6は、第1トルクコンバータ3及びディファレンシャルギヤ4と別軸に配置されている。すなわち、カウンターシャフト6の回転軸は、第1トルクコンバータ3及びディファレンシャルギヤ4の回転軸Oと同一線上に配置されていない。カウンターシャフト6の回転軸は、第1トルクコンバータ3及びディファレンシャルギヤ4の回転軸Oと実質的に平行に延びている。
【0056】
カウンターシャフト6は、動力伝達経路において、第1トルクコンバータ3とディファレンシャルギヤ4との間に配置されている。すなわち、第1トルクコンバータ3は、カウンターシャフト6を介して、ディファレンシャルギヤ4に動力を伝達する。
【0057】
カウンターシャフト6は、第1トルクコンバータ3からの動力を減速してディファレンシャルギヤ4に伝達するように構成されている。すなわち、カウンターシャフト6は、減速機として機能する。例えば、カウンターシャフト6は、複数のギヤを有している。
【0058】
この場合、例えば、ディファレンシャルギヤ4は、リングギヤ(図示省略)を有している。そして、カウンターシャフト6のギヤの一つが、ディファレンシャルギヤ4のリングギヤと噛み合い、リングギヤを回転させる。リングギヤが回転することによって、ピニオンギヤ41が回転軸O周りに公転する。
【0059】
なお、カウンターシャフト6は、第1トルクコンバータ3からの動力を変速してディファレンシャルギヤ4に伝達するように構成されていてもよい。すなわち、カウンターシャフト6は、変速機を有していてもよい。
【0060】
変形例6
図8に示すように、電気モータ2は、第1トルクコンバータ3と別軸に配置されていてもよい。すなわち、電気モータ2の回転軸は、第1トルクコンバータ3及びディファレンシャルギヤ4の回転軸Oと同一線上に配置されていない。電気モータ2の回転軸は、第1トルクコンバータ3及びディファレンシャルギヤ4の回転軸Oと実質的に平行に延びている。
【0061】
この場合、例えば、以下のようにして電気モータ2から第1トルクコンバータ3へ動力が伝達される。まず、電気モータ2は、出力シャフト23及びギヤ24を有している。ギヤ24は出力シャフト23に取り付けられている。
【0062】
第1トルクコンバータ3は、リングギヤ35を有している。リングギヤ35は、例えば、カバー31に設けられているが、インペラ32などに設けられていてもよい。リングギヤ35は、カバー31と別部材であってもよいし、一つの部材であってもよい。このリングギヤ35に電気モータ2のギヤ24が噛み合うことで電気モータ2から第1トルクコンバータ3に動力が伝達される。なお、電気モータ2と第1トルクコンバータ3との間に別の部材が介在していてもよい。
【0063】
この変形例において、
図9に示すように、減速機5が電気モータ2と同軸に配置されていてもよい。また、減速機5は、ディファレンシャルギヤ4と同軸に配置されていてもよい。なお、減速機5の代わりに変速機が設けられていてもよい。
【0064】
変形例7
図10に示すように、駆動ユニット100は、第2トルクコンバータ7をさらに備えていてもよい。第2トルクコンバータ7は、第1トルクコンバータ3及びディファレンシャルギヤ4と同軸に配置されている。すなわち、第2トルクコンバータ7の回転軸は、第1トルクコンバータ3及びディファレンシャルギヤ4の回転軸Oと実質的に同一線上に配置されている。
【0065】
この変形例では、動力伝達経路において、トルクコンバータ3,7とディファレンシャルギヤ4との順番が逆になる。すなわち、動力伝達経路は、電気モータ2、ディファレンシャルギヤ4、トルクコンバータ3,7の順となる。
【0066】
詳細には、第1トルクコンバータ3は、ディファレンシャルギヤ4から出力された動力を第1駆動輪101aへと伝達するように構成される。より詳細には、ディファレンシャルギヤ4の第1サイドギヤ42aからの動力が、第1トルクコンバータ3のカバー31に伝達される。
【0067】
カバー31に伝達された動力は、インペラ32、作動流体、タービン33の順で伝達される。そして、第1トルクコンバータ3は、タービン33から第1駆動輪101aへと動力を伝達する。
【0068】
第2トルクコンバータ7は、ディファレンシャルギヤ4から出力された動力を第2駆動輪101bへと伝達するように構成される。詳細には、第2トルクコンバータ7は、カバー71,インペラ72,タービン73,及び第2ステータ74を有している。ディファレンシャルギヤ4の第2サイドギヤ42bからの動力が、第2トルクコンバータ7のカバー71に伝達される。
【0069】
第2トルクコンバータ7のカバー71に伝達された動力は、インペラ72、作動流体、タービン73の順で伝達される。そして、第2トルクコンバータ7は、タービン73から第2駆動輪101bへと動力を伝達する。
【0070】
変形例8
上記実施形態では、差動装置の一例としてディファレンシャルギヤ4を例示したが、差動装置はこれに限定されない。例えば、差動装置は、トルクベクタリング装置であってもよい。
【符号の説明】
【0071】
2 :電気モータ
3 :第1トルクコンバータ
4 :ディファレンシャルギヤ
5 :減速機
6 :カウンターシャフト
7 :第2トルクコンバータ
100 :駆動ユニット
101 :駆動輪