(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158082
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】流体注入装置、流体供給装置
(51)【国際特許分類】
B67D 7/04 20100101AFI20221006BHJP
【FI】
B67D7/04 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062728
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000002358
【氏名又は名称】新明和工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】土井 達也
【テーマコード(参考)】
3E083
【Fターム(参考)】
3E083AA20
3E083AG32
3E083AK02
(57)【要約】
【課題】利便性が向上された流体供給装置を提供する。
【解決手段】流体注入装置であって、流体を供給するための供給流路の下流端部に設けられるノズルと、前記流体が供給される供給対象物に磁力で吸着可能なマグネットと、前記ノズルおよび前記マグネットが一体的に移動するように、前記ノズルおよび前記マグネットを互いに連結する連結部と、を備え、前記ノズルが前記供給対象物に設けられる供給穴に宛てがわれたとき、前記マグネットが前記供給対象物に吸着することで、前記ノズルが前記供給穴に押し付けられるように構成される。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体注入装置であって、
流体を供給するための供給流路の下流端部に設けられるノズルと、
前記流体が供給される供給対象物に磁力で吸着可能なマグネットと、
前記ノズルおよび前記マグネットが一体的に移動するように、前記ノズルおよび前記マグネットを互いに連結する連結部と、を備え、
前記ノズルが前記供給対象物に設けられる供給穴に宛てがわれたとき、前記マグネットが前記供給対象物に吸着することで、前記ノズルが前記供給穴に押し付けられるように構成された、流体注入装置。
【請求項2】
複数の前記マグネットを備える、請求項1に記載の流体注入装置。
【請求項3】
複数の前記マグネットは、第1マグネットおよび第2マグネットを有し、
前記ノズルは、前記ノズルの突出方向から見て、前記第1マグネットと前記第2マグネットとの間に設けられ、
前記ノズルから前記第1マグネットまでの距離と、前記ノズルから前記第2マグネットまでの距離とが異なる、請求項2に記載の流体注入装置。
【請求項4】
前記ノズルの突出方向において、前記マグネットの先端と前記連結部との距離を調整するための調整機構をさらに備える、請求項1~3のいずれかに記載の流体注入装置。
【請求項5】
前記連結部は、把持部を有する板状のハンドルとして構成され、
前記ノズルの突出方向と前記ハンドルの厚み方向とが一致するように構成され、
前記供給流路の下流端部をさらに備え、
前記ノズルまたは前記供給流路の下流端部は、前記ハンドルを前記厚み方向に貫通し、
前記供給流路の下流端部は、
前記ノズルに連結される第1部分と、
前記第1部分よりも上流側で前記第1部分に連通され、前記ハンドルを基準として前記ノズルが突出する側とは反対側で屈曲したあと、前記厚み方向に直交する平面に沿って延びる第2部分と、を有する、請求項1~4のいずれかに記載の流体注入装置。
【請求項6】
前記ノズルはテーパ状である、請求項1~5のいずれかに記載の流体注入装置。
【請求項7】
前記ノズルは軸方向に伸縮可能な蛇腹を有する、請求項1~6のいずれかに記載の流体注入装置。
【請求項8】
前記ノズルは弾性を有する、請求項1~7のいずれかに記載の流体注入装置。
【請求項9】
前記流体が、垂直循環方式機械式駐車設備の循環装置の少なくとも一部で生じる摩擦を抑制するための潤滑剤である、請求項1~8のいずれかに記載の流体注入装置。
【請求項10】
前記循環装置は、
高さ方向に延び、水平方向から見て輪状であり、所定の間隔を空けて複数の前記パレットが取り付けられるチェーンと、
所定の間隔を空けて前記チェーンに取り付けられる複数のチェーンローラと、を有し、
前記供給対象物が、前記チェーンローラであり、
前記供給穴は、前記チェーンローラに設けられる第1軸穴、または前記第1軸穴と前記ノズルを連通させるために前記第1軸穴の端部に取り付けられる第1連通部に設けられた第2軸穴を有し、
前記マグネットは、前記チェーンローラのうち前記第1軸穴の上流端が位置する端面に磁力で吸着可能である、請求項9に記載の流体注入装置。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の流体注入装置と、
前記供給流路と、
前記流体を貯えるためのタンクと、
前記供給流路上に設けられ、前記供給流路を介して前記タンクから前記ノズルへと前記流体を圧送するためのポンプと、
を備えることを特徴とする、流体供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、流体注入装置、流体供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば、特許文献1で提案されているような流体注入装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、流体の供給流路の一部を構成する管状の接続具と、接続具の下流端を塞ぐ弁頭と、を備える流体注入装置が記載されている。弁頭は、接続具の自由端に配置され、連結要素として二つの控え棒を有している。二つの控え棒は、供給流路の軸方向に延び、弁頭のエッジに隣接して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のような従来からある流体注入装置では、流体が供給される供給対象物に流体を注入するとき、作業者が供給対象物に設けられる供給穴にノズルを押し付ける必要があり、利便性に改善の余地があった。
【0006】
そこで、本開示は、利便性が向上された流体供給装置、およびそれを備える流体供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る流体注入装置は、流体を供給するための供給流路の下流端部に設けられるノズルと、前記流体が供給される供給対象物に磁力で吸着可能なマグネットと、前記ノズルおよび前記マグネットが一体的に移動するように、前記ノズルおよび前記マグネットを互いに連結する連結部と、を備え、前記ノズルが前記供給対象物に設けられる供給穴に宛てがわれたとき、前記マグネットが前記供給対象物に吸着することで、前記ノズルが前記供給穴に押し付けられるように構成される。
【0008】
上記構成によれば、前記ノズルが前記供給穴に宛てがわれたとき、前記マグネットが前記供給対象物に吸着することで、前記ノズルが前記供給穴に押し付けられるように構成されるので、前記供給対象物に前記流体を注入するとき、前記流体が前記ノズルの先端から漏れ出ることを防止するために、作業者が前記供給穴に前記ノズルを押し付ける必要がない。その結果、利便性が向上された流体注入装置を提供することが可能となる。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、利便性が向上された流体供給装置、およびそれを備える流体供給装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本開示の一態様に係る流体注入装置が利用される機械式駐車設備の要部構造を示す斜視図である。
【
図2】本開示の一態様に係る流体注入装置が利用される機械式駐車設備が備える循環装置の要部構造を示す概略図である。
【
図3】本開示の一態様に係る流体注入装置が利用される機械式駐車設備が備える循環装置の
図2のIII-III線に沿った断面図である。
【
図4】本開示の一態様に係る流体注入装置を備える流体供給装置を示す概略図である。
【
図5】本開示の一態様に係る流体注入装置が循環装置のチェーンローラに取り付けられた様子を示す概略図である。
【
図6】本開示の一態様に係る流体注入装置が循環装置のチェーンローラに取り付けられた様子を示す
図5のVI-VI線に沿った断面図である。
【
図7】本開示の一態様に係る流体注入装置の第1変形例が循環装置のチェーンローラに取り付けられた様子を示す概略図である。
【
図8】本開示の一態様に係る流体注入装置の第2変形例が循環装置のチェーンローラに取り付けられた様子を示す概略図である。
【
図9】本開示の一態様に係る流体注入装置の第3変形例が取り付けられる循環装置のチェーンローラの軸部を示す概略図である。
【
図10】本開示の一態様に係る流体注入装置の第3変形例が循環装置のチェーンローラの軸部に取り付けられた様子を示す軸方向に沿った要部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示の一実施形態に係る流体注入装置について図面を参照して説明する。なお、本実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、全ての図を通じて、同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
【0012】
(機械式駐車設備100)
まず、
図1~3に基づき、本態様に係る流体注入装置が利用される機械式駐車設備の要部構造について説明する。
図1は、本態様に係る流体注入装置が利用される機械式駐車設備の要部構造を示す斜視図である。
図1に示すように、本態様に係る流体注入装置10A(
図4など参照)は、高さ方向に複数台の車両を並列して駐車可能な垂直循環式の機械式駐車設備100(以下特に必要な場合を除き「機械式駐車設備100」と称する。)に対して利用される。
【0013】
機械式駐車設備100は、車両が搭載される複数のパレット102と、複数のパレット102を循環させるための循環装置110(供給対象物)と、を備える。また、機械式駐車設備100は、利用者が車両に乗降するための乗降部104と、乗降部104の出入り口を開閉するための扉106などをさらに備える。
【0014】
(循環装置110)
図2は、本態様に係る流体注入装置が利用される機械式駐車設備が備える循環装置の要部構造を示す概略図である。
図2に示すように、循環装置110は、高さ方向に延び、水平方向から見て輪状であり、所定の間隔を空けて複数のパレット102が取り付けられるチェーン112と、所定の間隔を空けてチェーン112に取り付けられる複数のチェーンローラ114と、を有する。また、
図1、3に示すように、高さ方向に延び、チェーン112をガイドするための一対のガイドレール113a、113bと、を有する。
【0015】
循環装置110は、チェーン112の下端部に配置される下スプロケット152と、チェーン112の上端部に配置される上スプロケット154と、をさらに有する。上スプロケット154は図示しない駆動装置によって回転駆動されることによって、上スプロケット154と下スプロケット152の間でチェーン112が循環駆動される。
【0016】
図3は、本態様に係る流体注入装置が利用される機械式駐車設備が備える循環装置の
図2のIII-III線に沿った断面図である。
図3に示すように、チェーンローラ114は、チェーン112の厚み方向の一方側に設けられるチェーンローラ114a(第1チェーンローラ)と、チェーン112の厚み方向の他方側に設けられ、水平方向に延びる軸部130を介してチェーンローラ114aに取り付けられるチェーンローラ114b(第2チェーンローラ)と、を有する。
【0017】
チェーン112には、複数のパレット102などを取り付けるために、チェーン112の長さ方向に所定の間隔を空けて、チェーン112の幅方向の外向きに突出するように、複数のアタッチメント140が設けられる。なお、このアタッチメント140は、パレット102およびハンガなどを含むゲージを吊り下げるためのゲージ吊り下げアタッチメントとして構成される。
【0018】
循環装置110は、
図2、3に示す構造(すなわち、チェーン112、複数のチェーンローラ114、一対のガイドレール113a、113b、下スプロケット152、および上スプロケット154など)を、乗降部104の前部および後部それぞれに一つずつ備える。
【0019】
なお、垂直循環式機械式駐車設備100の構造は公知であるため、ここでは循環装置110以外の詳細な説明は省略する。
【0020】
(流体注入装置10A)
図4に基づき、本態様に係る流体注入装置10Aおよび該流体注入装置10Aを備える流体供給装置5について説明する。
図4は、本態様に係る流体注入装置を備える流体供給装置を示す概略図である。
図4に示すように、本態様に係る流体注入装置10Aは、潤滑剤L(流体)を供給するための供給流路80の下流端部に設けられるノズル20Aと、潤滑剤Lが供給されるチェーンローラ114a、114bに磁力で吸着可能な二つのマグネット40a(第1マグネット)およびマグネット40b(第2マグネット)と、を備える。なお、潤滑剤Lは、循環装置110の少なくとも一部で生じる摩擦を抑制するためのものである。また、流体注入装置10Aは、ノズル20Aおよびマグネット40a、40bが一体的に移動するように、ノズル20Aおよびマグネット40a、40bを互いに連結する板状のハンドル60(連結部)をさらに備える。ハンドル60は、作業者が把持するための把持部64を有する。
【0021】
同図(
図4)に示すように、流体供給装置5は、流体注入装置10Aと、供給流路80と、潤滑剤Lを貯えるためのタンク90と、供給流路80上に設けられ、供給流路80を介してタンク90からノズル20Aへと潤滑剤Lを圧送するためのポンプ92と、を備える。本態様では、ポンプ92は、タンク90の上部に取り付けられる手動式ポンプである。また、ポンプ92は、手動式ポンプに限定されず、電動式ポンプであっても良い。このようにポンプ92が電動式ポンプである場合、ポンプ92の操作部が流体注入装置10Aに取り付けられても良い。
【0022】
同図(
図4)に示すように、ノズル20Aはテーパ状である。ノズル20Aは、例えば弾性ゴムで成形されても良い。
【0023】
同図(
図4)に示すように、ノズル20Aは、該ノズル20Aの突出方向から見て、マグネット40aとマグネット40bとの間に設けられ、ノズル20Aからマグネット40aまでの距離と、ノズル20Aからマグネット40bまでの距離と、が異なる。具体的には、ノズル20Aの比較的近くにマグネット40aが配置され、ノズル20Aの比較的遠くにマグネット40bが配置される。なお、ノズル20A、マグネット40a、40bは、同一直線状に並列して配置される。前記直線は、ハンドル60の長さ方向に沿って延びる。ハンドル60の長さ方向において、ノズル20Aの一方側(
図4において上側)にマグネット40aが配置され、ノズル20Aの他方側(同図において下側)にマグネット40bが配置される。
【0024】
同図(
図4)に示すように、ハンドル60は板状である。ハンドル60の厚み方向は、ノズル20Aの突出方向と一致する。流体注入装置10Aは、供給流路80の下流端部82をさらに備える。供給流路80の下流端部82は、ハンドル60を該ハンドル60の厚み方向に貫通する。供給流路80の下流端部82は、ノズル20Aに連結される第1部分84と、第1部分84よりも上流側で該第1部分84に連通され、ハンドル60を基準としてノズル20Aが突出する側とは反対側で屈曲したあと、該ハンドル60の厚み方向に直交する平面に沿って延びる第2部分86と、を有する。なお、第1部分84と第2部分86とは、別々の部材で互いに連結されても良いし、または、同一の部材で一体的に成形されても良い。
【0025】
同図(
図4)に示すように、流体注入装置10Aは、ノズル20Aの突出方向において、マグネット40a、40bそれぞれの先端とハンドル60との距離を調整するための調整機構70Aをさらに備える。調整機構70Aは、マグネット40aの先端とハンドル60との距離を調整するためのネジ機構72aと、マグネット40bの先端とハンドル60との距離を調整するためのネジ機構72bと、を有する。
【0026】
ネジ機構72a、72bは、それぞれ、雄ネジ74(
図5参照)と、雄ネジ74の一部を螺合するためにハンドル60に穿設される雌ネジ76(同前)と、雌ネジ76に対する雄ネジ74の位置を固定するためのナット75と、を有する。ネジ機構72aの雄ネジ74の先端にマグネット40aが固定され、ネジ機構72bの雄ネジ74の先端にマグネット40bが固定される。ネジ機構72a、72bは互いに同様の構造を有するため、以下では特に必要な場合を除き、ネジ機構72aについてのみ説明し、ネジ機構72bについての同様となる説明は適宜省略する。
【0027】
雌ネジ76は、ハンドル60を該ハンドル60の厚み方向に貫通し、雄ネジ74は、その一部を雌ネジ76に螺合されて、ハンドル60を該ハンドル60の厚み方向に貫通する。ハンドル60を基準としてノズル20Aが突出する側とは反対側から見て、雄ネジ74を右回転させることで、雄ネジ74が、ノズル20Aが突出する側に進行する。これにより、ノズル20Aの突出方向において、マグネット40aの先端とハンドル60との距離が長くなる。一方、同じ側から見て、雄ネジ74を左回転させることで、雄ネジ74が、ノズル20Aが突出する側から後退する。これにより、ノズル20Aの突出方向において、マグネット40aの先端とハンドル60との距離が短くなる。
【0028】
(流体注入装置10Aの取り付け態様および作用効果)
図5、6に基づき、本態様に係る流体注入装置10Aのチェーンローラ114aへの取り付け態様および作用効果について説明する。
図5は、本態様に係る流体注入装置が循環装置のチェーンローラに取り付けられた様子を示す概略図である。また、
図6は、
図5のVI-VI線に沿った断面図である。
【0029】
図5、6に示すように、本態様では、潤滑剤L(流体)が供給される供給対象物がチェーンローラ114aであり、供給穴がチェーンローラ114aの回転軸116に設けられる第1軸穴118である。
図6に示すように、チェーンローラ114aは、チェーンローラ本体115と、チェーンローラ本体115の内部に設けられる回転軸116と、を有する。チェーンローラ本体115は、既知の抜け止め機構によって回転軸116から抜けないように取り付けられている。
【0030】
同図(
図6)に示すように、第1軸穴118の下流端(
図6の左端)は、チェーンローラ114aの径方向に延びる穴119に連通される。穴119の径方向の両端(
図6の上端および下端)は、それぞれ、チェーンローラ114aの軸受け収容部120に連通される。
【0031】
軸受け収容部120は、回転軸116の周りに形成された円環状の空間であり、チェーンローラ114aの軸方向の一方端(
図6における右端)に軸受け122が設けられ、同軸方向の他方端(
図6における左端)に軸受け124が設けられる。本態様では、潤滑剤Lは、ノズル20Aから第1軸穴118に注入されたあと、穴119および軸受け収容部120を経て、軸受け122、124に供給される。これにより、軸受け122、124で生じる摩擦を抑制することができる。
【0032】
図5、6に示すように、本態様に係る流体注入装置10Aは、ノズル20Aがチェーンローラ114a(供給対象物)に設けられる第1軸穴118(供給穴)に宛てがわれたとき、マグネット40a、40bがチェーンローラ114aのうち第1軸穴118の上流端が位置する端面に磁力で吸着することで、ノズル20Aが第1軸穴118に押し付けられるように構成されている。これにより、チェーンローラ114aに潤滑剤L(流体)を注入するとき、潤滑剤Lがノズル20Aの先端から漏れ出ることを防止するために、作業者が第1軸穴118にノズル20Aを押し付ける必要がない。その結果、利便性が向上された流体注入装置10Aを提供することができる。
【0033】
本態様に係る流体注入装置10Aは、二つのマグネット40a、40bを備える。これにより、例えば、マグネットが一つしか設けられない場合と比較して、ノズル20Aを第1軸穴118に強く押し付けることができる。
【0034】
本態様では、ノズル20Aは、該ノズル20Aの突出方向から見て、マグネット40aとマグネット40bとの間に設けられ、ノズル20Aからマグネット40aまでの距離と、ノズル20Aからマグネット40bまでの距離とが異なる。ここで、例えば、ノズル20Aからマグネット40bまでの距離が、ノズル20Aからマグネット40aまでの距離と同様に比較的短い場合、ノズル20Aを第1軸穴118から取り外す際、マグネット40a、40bの磁力に抗って、作業者がハンドル60を把持して
図5において右向きに小さな外力を加えるだけで取り外すことが出来る。
【0035】
一方、本態様では、
図5に示す状態において、マグネット40aがチェーンローラ114aのうち第1軸穴118の比較的近くに磁力で吸着し、マグネット40bがチェーンローラ114aの縁部(換言すれば、チェーンローラ114aのうち第1軸穴118の比較的遠く)に磁力で吸着する。
【0036】
本態様に係る流体注入装置10Aは、ノズル20Aの突出方向において、マグネット40a、40bの先端とハンドル60との距離を調整するための調整機構70Aをさらに備える。これにより、チェーンローラ114aのうち第1軸穴118の上流端が位置する端面の凹凸にあわせて、マグネット40a、40bの先端とハンドル60との距離を調整できるので、マグネット40a、40bがチェーンローラ114aに磁力で確実に吸着することができる。
【0037】
本態様に係る流体注入装置10Aは、ノズル20Aおよびマグネット40a、40bを互いに連結する連結部がハンドル60として構成される。これにより、利便性がいっそう向上された流体注入装置10Aを提供することができる。
【0038】
ここで、本態様では、潤滑剤L(流体)が供給される供給対象物が、機械式駐車設備100に設けられるチェーンローラ114aである。ここで、
図1に示すように、複数のチェーンローラ114は、そのうちの多くが一対のガイドレール113a、113bに隠れて外部から視認できない状態である。一方、同図に示すように、チェーン112の下端部および上端部に位置したチェーンローラ114は、露出して外部から視認できる状態である。したがって、潤滑剤Lは、チェーン112の下端部または上端部に位置したチェーンローラ114aに供給される。
【0039】
チェーン112の下端部に位置したチェーンローラ114aの近くには、
図5に示すように、第1軸穴118と対向する位置に、機械式駐車設備100の一部を構成する障害物Sが存在する場合がある。従来からある流体注入装置(例えば、
図5において左右方向に長い流体注入装置)は、この障害物Sが邪魔になり、ノズルを第1軸穴に宛てがうことができず、チェーン112の下端部に位置したチェーンローラ114aに潤滑剤Lを注入できない場合があった。このような場合、チェーン112の上端部に位置したチェーンローラ114aに潤滑剤Lを注入していたが、高所作業で危険を伴うという問題があった。
【0040】
一方、本態様では、供給流路80の下流端部82が、ノズル20Aに連結される第1部分84よりも上流側で該第1部分84に連通され、ハンドル60を基準としてノズル20Aが突出する側とは反対側で屈曲したあと、該ハンドル60の厚み方向に直交する平面に沿って延びる第2部分86を備える。これにより、
図5に示すような障害物Sが存在する場合であっても、第1軸穴118にノズル20Aを宛てがうことができる。
【0041】
本態様では、ノズル20Aはテーパ状である。これにより、例えば、障害物Sが邪魔になって第1軸穴118が視認できない状態であっても、ノズル20Aの先端が第1軸穴118に嵌合した感触を作業者が感じ取ることで、ノズル20Aが第1軸穴118に宛てがわれたことを作業者が認識できる。その結果、第1軸穴118が視認できない状態であっても、ノズル20Aを第1軸穴118に容易に宛てがうことができるので、第1軸穴118に潤滑剤Lを注入するときの作業効率を向上することができる。
【0042】
本態様では、ノズル20Aは弾性ゴムで成形される。これにより、マグネット40a、40bがチェーンローラ114aに吸着することで、ノズル20Aが第1軸穴118に押し付けられたとき、ノズル20Aが第1軸穴118の形状に適合するように弾性変形する。その結果、作業者が不足していたり、作業空間が狭くてノズル20aを第1軸穴118に押し付けながら注入することが難しい場合においても、潤滑剤Lがノズル20Aの先端から漏れ出ることをいっそう防止することができる。
【0043】
(変形例)
上記説明から、当業者にとっては、本発明の多くの改良や他の態様が明らかである。したがって、上記説明は、例示としてのみ解釈されるべきであり、本発明を実行する最良の態様を当業者に教示する目的で提供されたものである。本発明の精神を逸脱することなく、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に変更できる。
【0044】
(第1変形例)
図7は、上記態様に係る流体注入装置の第1変形例が循環装置のチェーンローラに取り付けられた様子を示す概略図である。なお、本変形例に係る流体注入装置10Bは、ノズル20Aの構造を除き、上記態様に係る流体注入装置10Aと同じ構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は適宜省略する。
【0045】
図7に示すように、本変形例に係る流体注入装置10Bのノズル20Bは、軸方向に伸縮可能な蛇腹22を有する。これにより、チェーンローラ114のうち第1軸穴118の上流端が位置する端面に適合するようにノズル20Bが伸縮するので、チェーンローラ114aに潤滑剤Lを注入するとき、潤滑剤Lがノズル20Bの先端から漏れ出ることを防止することができる。
【0046】
(第2変形例)
図8は、上記態様に係る流体注入装置の第2変形例が循環装置のチェーンローラに取り付けられた様子を示す概略図である。なお、本変形例に係る流体注入装置10Cは、調整機構70Aの構造を除き、上記態様に係る流体注入装置10Aと同じ構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は適宜省略する。
【0047】
図8に示すように、本変形例に係る流体注入装置10Cの調整機構70Bは、マグネット40aの先端とハンドル60との距離を調整するためのバネ部材78aと、マグネット40bの先端とハンドル60との距離を調整するためのバネ部材78bと、を有する。バネ部材78aは、上記態様に係る流体注入装置10Aのネジ機構72aの代わりに該ネジ機構72aと同じ位置に設けられ、ハンドル60からノズル20Aと同じ方向に突出する。バネ部材78bは、上記態様に係る流体注入装置10Aのネジ機構72b代わりに該ネジ機構72bと同じ位置に設けられ、ハンドル60からノズル20Aおよびバネ部材78aと同じ方向に突出する。
【0048】
このような構造の調整機構70Bであっても、チェーンローラ114aのうち第1軸穴118の上流端が位置する端面の凹凸にあわせて、マグネット40a、40bの先端とハンドル60との距離を調整できるので、マグネット40a、40bがチェーンローラ114aに磁力で確実に吸着することができる。また、この時、バネ部材78a、78bの反発力はハンドル60とノズル20Aを第1軸穴118に押し付けるように作用するため、潤滑剤Lがノズル20Aの先端から漏れ出ることを防止することが出来る。なお、ノズル20Aの基端にバネ部材を設け、このバネ部材を介してノズル20Aをハンドル60に取り付けることで、このバネ部材の弾性変形によりノズル20Aを第1軸穴118に押し付るよう構成しても良い。
【0049】
(第3変形例)
図9は、上記態様に係る流体注入装置の第3変形例が取り付けられる循環装置のチェーンローラの軸部を示す概略図である。なお、
図9は、上記
図3に相当する本態様での断面図である。
図10は、同第3変形例が循環装置のチェーンローラの軸部に取り付けられた様子を示す軸方向に沿った要部拡大断面図である。なお、本変形例に係る流体注入装置10Dは、上記態様に係る流体注入装置10Aと一部同じ構造を備えるため、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は適宜省略する。また、本変形例に係る流体注入装置10Dが利用される機械式駐車設備の循環装置は、チェーンローラ114a、114bを互いに接続する軸部130にニップル138が取り付けられることを除き、上記態様に係る流体注入装置10Aが利用される機械式駐車設備100の循環装置110と同じ構造を備える。したがって、同一部分には同じ参照番号を付し、同様となる説明は適宜省略する。
【0050】
図9、10に示すように、本変形例に係る流体注入装置10Dが利用される循環装置110では、チェーンローラ114a、114bを互いに接続する軸部130にニップル138(第2連通部)が取り付けられる。
【0051】
図10に示すように、ニップル138は、本変形例に係る流体注入装置10Dが備えるノズル20Dと、軸部130に設けられる第1穴132(供給穴)と、を連通させるために、第1穴132の端部に取り付けられる。上記の通りであるため、本変形例では、供給対象物が軸部130であり、軸部130の内部で生じる摩擦を抑制するために、ノズル20Dから軸部130の内部に潤滑剤Lが注入される。ニップル138は、軸方向に延びる第2穴139を有する。
【0052】
同図(
図10)に示すように、本変形例に係る流体注入装置10Dは、長手方向に延びる供給流路80の下流端部82´と、下流端部82´に設けられるノズル20Dと、を備える。ノズル20Dの下流端部24は、ニップル138の先端部に嵌合可能な形状である。具体的には、ノズル20Dの下流端部24は、上流側から下流側に向かうに連れて横断面積が大きくなるテーパ状の内部空間を有する。そして、ニップル138の先端部は、ノズル20Dの下流端部24の内部空間と同様の外形を有する。
【0053】
ノズル20Dのうち下流端部24の上流側に隣接した部分には、パッキン88が設けられる。ノズル20Dの下流端部24がニップル138の先端部に嵌合したとき、ニップル138の先端がパッキン88の下面に当接する。これにより、軸部130に潤滑剤L(流体)を注入するとき、作業者がノズル20Dをニップル138に押し付けていなくてもノズル20Dがニップル138から外れたり、潤滑剤Lがノズル20Dの先端から漏れ出たりすることを防止することができる。
【0054】
また、本変形例に係る流体注入装置10Dは、ノズル20Dからマグネット40aまでの距離と、ノズル20Dからマグネット40bまでの距離とが同じであることを除き、上記態様に係る流体注入装置10Aと同様のマグネット40a、40bおよび調整機構70Aを備える。
【0055】
さらに、本変形例に係る流体注入装置10Dは、ノズル20Dおよびマグネット40a、40bが一体的に移動するように、ノズル20Dおよびマグネット40a、40bを互いに連結する連結部62を備える。なお、本態様では、連結部62が、上記態様に係る流体注入装置10Aの連結部とは異なり、ハンドルとして構成されない。代わりに、本変形例では、供給流路80の下流端部82´がハンドルとして構成される。
【0056】
上記のような構造であっても、本変形例に係る流体注入装置10Dは、上記態様に係る流体注入装置10Aと同様に、ノズル20Dが軸部130(供給対象物)に取り付けられたニップル138(第2連通部)の第2穴139(供給穴)に宛てがわれたとき、マグネット40a、40bが軸部130の表面に磁力で吸着することで、ノズル20Dが第2穴139に押し付けられるように構成されている。これにより、軸部130に潤滑剤L(流体)を注入するとき、潤滑剤Lがノズル20Dの先端から漏れ出ることを防止するために、作業者がニップル138の第2穴139にノズル20Dを押し付ける必要がない。その結果、上記態様に係る流体注入装置10Aと同様に、利便性が向上された流体注入装置を提供することができる。
【0057】
(他の変形例)
上記態様では、流体注入装置10Aが、二つのマグネット40a、40bを備え、ノズル20Aが該ノズル20Aの突出方向から見てマグネット40a、40bの間に設けられる場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、流体注入装置は、マグネットを一つのみ備えても良いし、または三つ以上備えても良い。なお、流体注入装置がマグネットを三つ以上備える場合、ノズルが、該ノズルの突出方向から見て、三つ以上の前記マグネットのうち少なくとも二つの間に設けられても良い。
【0058】
上記態様では、ハンドル60(連結部)が真っ直ぐな板状である場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、例えば、障害物Sを避けてノズル20Aが第1軸穴118に到達できるように、適宜屈曲した形状であっても良い。
【0059】
上記態様では、供給流路80の下流端部82が、ハンドル60を該ハンドル60の厚み方向に貫通する場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、例えば、ノズル20Aが、ハンドル60を該ハンドル60の厚み方向に貫通しても良い。
【0060】
上記態様に係る流体注入装置10Aは、機械式駐車設備100の循環装置110に潤滑剤Lを注入するために利用された。しかし、この場合に限定されず、流体注入装置は、例えば、機械式駐車設備の他の装置に潤滑剤を注入するために利用されても良いし、機械式駐車設備とは関係のない装置(例えば、流体を攪拌するための攪拌装置など)に潤滑剤を注入するために利用されても良い。或いは、流体注入装置は、例えば、車両にガソリンを注入するために利用されても良いし、マグネットが磁力で吸着可能なタンクに水などの液体を注入するために利用されても良い。
【0061】
上記態様では、ノズル20Aが弾性ゴムで成形される場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、ノズル20Aは、例えば、弾性を有する弾性ゴム以外の素材で成形されても良いし、弾性を有しない他の素材で成形されても良い。
【0062】
上記態様では、供給対象物がチェーンローラ114aであり、供給穴がチェーンローラ114aに設けられる第1軸穴118である場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、供給対象物がチェーンローラ114aであり、供給穴が第1軸穴118とノズル20Aを連通させるために第1軸穴118の端部に取り付けられる第1連通部(例えば
図9、10に示すニップル138と同様の構造を有する第1連通部)に設けられた第2軸穴であっても良い。
【0063】
上記では、
図5に示すようにノズル20Aがテーパ状であり、
図7に示すようにノズル20Bが軸方向に伸縮可能な蛇腹を有する場合について説明した。しかし、この場合に限定されず、例えば、ノズルは、その先端側がテーパ状であり、その基端側に軸方向に伸縮可能な蛇腹を有する構造であっても良い。
【0064】
(まとめ)
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る流体注入装置は、流体を供給するための供給流路の下流端部に設けられるノズルと、前記流体が供給される供給対象物に磁力で吸着可能なマグネットと、前記ノズルおよび前記マグネットが一体的に移動するように、前記ノズルおよび前記マグネットを互いに連結する連結部と、を備え、前記ノズルが前記供給対象物に設けられる供給穴に宛てがわれたとき、前記マグネットが前記供給対象物に吸着することで、前記ノズルが前記供給穴に押し付けられるように構成される。
【0065】
上記構成によれば、前記ノズルが前記供給穴に宛てがわれたとき、前記マグネットが前記供給対象物に吸着することで、前記ノズルが前記供給穴に押し付けられるように構成されるので、前記供給対象物に前記流体を注入するとき、前記流体が前記ノズルの先端から漏れ出ることを防止するために、作業者が前記供給穴に前記ノズルを押し付ける必要がない。その結果、利便性が向上された流体注入装置を提供することが可能となる。
【0066】
複数の前記マグネットを備えても良い。
【0067】
上記構成によれば、例えば、マグネットが一つしか設けられない場合と比較して、ノズルを供給穴に強く押し付けることができる。
【0068】
複数の前記マグネットは、第1マグネットおよび第2マグネットを有し、前記ノズルは、前記ノズルの突出方向から見て、前記第1マグネットと前記第2マグネットとの間に設けられ、前記ノズルから前記第1マグネットまでの距離と、前記ノズルから前記第2マグネットまでの距離とが異なっても良い。
【0069】
上記構成によれば、梃子の原理によりノズルが供給穴から容易に外れることを防止することができる。
【0070】
前記ノズルの突出方向において、前記マグネットの先端と前記連結部との距離を調整するための調整機構をさらに備えても良い。
【0071】
上記構成によれば、供給対象物の形状にあわせて、マグネットの先端と連結部との距離を調整できるので、マグネットが供給対象物に磁力で確実に吸着することができる。
【0072】
前記連結部は、把持部を有する板状のハンドルとして構成され、前記ノズルの突出方向と前記ハンドルの厚み方向とが一致するように構成され、前記供給流路の下流端部をさらに備え、前記ノズルまたは前記供給流路の下流端部は、前記ハンドルを前記厚み方向に貫通し、前記供給流路の下流端部は、前記ノズルに連結される第1部分と、前記第1部分よりも上流側で前記第1部分に連通され、前記ハンドルを基準として前記ノズルが突出する側とは反対側で屈曲したあと、前記厚み方向に直交する平面に沿って延びる第2部分と、を有しても良い。
【0073】
上記構成によれば、例えば、供給穴に対向する位置に障害物が存在するような場合であっても、供給穴にノズルを宛てがうことができる。
【0074】
前記ノズルはテーパ状であっても良い。
【0075】
上記構成によれば、ノズルの先端が供給穴に嵌合した感触を作業者が感じ取ることで、ノズルが供給穴に宛てがわれたことを作業者が認識できる。その結果、供給穴が視認できない状態であっても、ノズルを供給穴に確実に宛てがうことができるので、供給穴に流体を注入するとき、流体がノズルの先端から漏れ出ることを防止することができる。
【0076】
前記ノズルは軸方向に伸縮可能な蛇腹を有しても良い。
【0077】
上記構成によれば、供給対象物の形状に適合してノズルが伸縮するので、該供給対象物に流体を注入するとき、該流体がノズルの先端から漏れ出ることを防止することができる。
【0078】
前記ノズルは弾性を有しても良い。
【0079】
上記構成によれば、マグネットが供給対象物に吸着することで、ノズルが供給穴に押し付けられたとき、ノズルが供給穴の形状に適合するように弾性変形する。その結果、供給穴に流体を注入するとき、流体がノズルの先端から漏れ出ることをいっそう防止することができる。
【0080】
例えば、前記流体が、垂直循環方式機械式駐車設備の循環装置の少なくとも一部で生じる摩擦を抑制するための潤滑剤であっても良い。
【0081】
例えば、前記循環装置は、高さ方向に延び、水平方向から見て輪状であり、所定の間隔を空けて複数の前記パレットが取り付けられるチェーンと、所定の間隔を空けて前記チェーンに取り付けられる複数のチェーンローラと、を有し、前記供給対象物が、前記チェーンローラであり、前記供給穴は、前記チェーンローラに設けられる第1軸穴、または前記第1軸穴と前記ノズルを連通させるために前記第1軸穴の端部に取り付けられる第1連通部に設けられた第2軸穴を有し、前記マグネットは、前記チェーンローラのうち前記第1軸穴の上流端が位置する端面に磁力で吸着可能であっても良い。
【0082】
上記課題を解決するために、本開示の他の一態様に係る流体供給装置は、上記のうちいずれかの構造を有する流体注入装置と、前記供給流路と、前記流体を貯えるためのタンクと、前記供給流路上に設けられ、前記供給流路を介して前記タンクから前記ノズルへと前記流体を圧送するためのポンプと、を備えることを特徴とする。
【0083】
上記構成によれば、前記ノズルが前記供給穴に宛てがわれたとき、前記マグネットが前記供給対象物に吸着することで、前記ノズルが前記供給穴に押し付けられるように構成されるので、前記供給対象物に前記流体を注入するとき、前記流体が前記ノズルの先端から漏れ出ることを防止するために、作業者が前記供給穴に前記ノズルを押し付ける必要がない。その結果、利便性が向上された流体供給装置を提供することが可能となる。
【符号の説明】
【0084】
5 流体
10A~10D 流体注入装置
20A~20D ノズル
22 蛇腹
40a、40b マグネット
60 ハンドル(連結部)
62 連結部
64 把持部
70A、70B 調整機構
72a、72b ネジ機構
74 雄ネジ
76 雌ネジ
75 ナット
78a、78b バネ部材
80 供給流路
82 下流端部
88 パッキン
90 タンク
92 ポンプ
100 機械式駐車設備
102 パレット
104 乗降部
106 扉
110 循環装置
112 チェーン
113a、113b ガイドレール
114 チェーンローラ
114a チェーンローラ(第1チェーンローラ)
114b チェーンローラ(第2チェーンローラ)
115 チェーンローラ本体
116 回転軸
118 第1軸穴
119 穴
120 軸受け収容部
122、124 軸受け
130 軸部
132 第1穴
138 ニップル(第2連通部)
139 第2穴
140 アタッチメント
152 下スプロケット
154 上スプロケット