(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158084
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】照明システム及び照明器具
(51)【国際特許分類】
H05B 47/195 20200101AFI20221006BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20221006BHJP
H05B 47/115 20200101ALI20221006BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20221006BHJP
【FI】
H05B47/195
H05B47/16
H05B47/115
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062741
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000140269
【氏名又は名称】株式会社遠藤照明
(72)【発明者】
【氏名】高井 大幹
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 圭介
(72)【発明者】
【氏名】廣澤 堅治
(72)【発明者】
【氏名】中村 英弘
【テーマコード(参考)】
3K273
5J062
【Fターム(参考)】
3K273PA04
3K273QA37
3K273RA02
3K273RA05
3K273RA16
3K273SA17
3K273SA38
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA04
3K273TA15
3K273TA18
3K273TA22
3K273TA28
3K273TA55
3K273TA66
3K273TA69
3K273UA12
3K273UA13
3K273UA14
3K273UA15
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA23
5J062CC15
5J062HH03
(57)【要約】
【課題】簡単に常時通電を行いつつビーコン信号を発信可能であり、位置に関するサービスに限らず多様なサービスに対応できる照明システムを提供する。
【解決手段】ビーコン発信機を備えた複数の照明器具4と、ビーコン発信機により送信されるビーコン信号BS1~BS5を受信する情報処理端末6とを備える照明システム1であって、ビーコン信号BS1~BS5は、第1の制御情報及び第2の制御情報を含み、複数の照明器具4それぞれが送信するビーコン信号BS1~BS5に含まれる第1の制御情報の内容は同じであり、情報処理端末6は、複数の照明器具4からビーコン信号を受信し、第1の制御情報に応じたアプリケーションを立ち上げ、前記第2の制御情報に対応する操作画面330を表示する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ビーコン発信機を備えた複数の照明器具と、前記ビーコン発信機により送信されるビーコン信号を受信する情報処理端末とを備える照明システムであって、
前記情報処理端末は、前記複数の照明器具から前記ビーコン信号を受信し、前記ビーコン信号に応じた画面を表示する
照明システム。
【請求項2】
前記ビーコン信号は、第1の制御情報及び第2の制御情報を含み、
前記情報処理端末は、前記複数の照明器具から前記ビーコン信号を受信し、前記第1の制御情報に応じたアプリケーションを立ち上げ、前記第2の制御情報に対応する画面を表示する
請求項1記載の照明システム。
【請求項3】
前記照明システムは、複数の場所に導入され、
前記第1の制御情報の内容は同じであり、
前記第2の制御情報は、配された前記場所を識別する情報であり、
前記情報処理端末は、前記画面として、前記第2の制御情報により特定される前記場所に応じた画面を表示する
請求項2記載の照明システム。
【請求項4】
前記照明システムは、サーバ装置を含み、
前記情報処理端末は、前記サーバ装置から、前記画面に関連する情報を受信して画面表示する
請求項3記載の照明システム。
【請求項5】
前記サーバ装置は、前記画面に関連する情報として、現在時刻に応じて異なる情報を送信する
請求項4記載の照明システム。
【請求項6】
前記ビーコン信号は、前記ビーコン信号を送信する照明器具の位置を示す位置情報を含み、
前記サーバ装置は、前記情報処置端末が受信したビーコン信号を、前記情報処理端末から取得し、前記位置情報に基づき、前記情報処理端末の前記場所内での位置をディスプレイに表示する
請求項4記載の照明システム。
【請求項7】
前記照明器具が送信する前記ビーコン信号に含まれる前記第2の制御情報の内容は、現在時刻に応じて異なる
請求項2記載の照明システム。
【請求項8】
前記照明器具が送信する前記ビーコン信号に含まれる前記第2の制御情報の内容は、前記照明器具の点灯状態を示す
請求項1記載の照明システム。
【請求項9】
情報処理端末を備えた照明システムに用いられる照明器具であって、
前記情報処理端末は、ビーコン信号に応じた画面を表示し、
前記照明器具は、
ビーコン信号を送信するビーコン発信機を備える
ことを特徴とする照明器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビーコン信号を用いる照明システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に、設置場所に固有の位置IDを示すビーコン信号を送信する位置ID情報発信器を多数配し、移動基地局のゾーンを用いた位置検出に依らず、携帯電話端末の位置を検出することにより、建物内の案内等のサービスを提供する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の技術では、位置IDを送信するために位置ID情報発信器を配する必要があるため、配置のための場所を用意して常時通電する必要がある。また、提供できるサービスが携帯電話端末の位置に関するサービスに限られてしまうという問題がある。
【0005】
上記課題を解決するために、本発明は、簡単に常時通電を行いつつビーコン信号を発信可能であり、位置に関するサービスに限らず多様なサービスに対応できる照明システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明に係る照明システムは、ビーコン発信機を備えた複数の照明器具と、前記ビーコン発信機により送信されるビーコン信号を受信する情報処理端末とを備える照明システムであって、前記情報処理端末は、前記複数の照明器具から前記ビーコン信号を受信し、前記ビーコン信号に応じた画面を表示する。
【発明の効果】
【0007】
上述の構成により、本発明に係る照明システムは、照明器具からビーコン信号を送信することで、常時通電を容易に実現でき、情報処理端末に表示させる画面を、ビーコン信号に応じて変更させることができるため、多様なサービスそれぞれに対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る照明システムの全体構成を示す図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る店舗内の飲食スペースの構成の概略を示す模式図である。
【
図3】(a)照明システムに含まれる照明器具の構成を示すブロック図、(b)照明器具が備えるワイヤレスモジュールの外観を示す図、(c)照明システムに含まれるゲートウェイの構成を示すブロック図、(d)照明システムに含まれるスマートフォンの構成を示すブロック図である。
【
図4】(a)本発明の第1の実施形態に係るビーコン信号の構成を示す図、(b)本発明の一実施形態に係る注文情報の一例を示す図、(c)照明システムに含まれる店舗システムが記憶する注文情報データベースを示す図である。
【
図5】店舗処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】店舗処理の流れを示すフローチャート(
図5の続き)である。
【
図7】(a)スマートフォンに表示されるビーコン受信通知パネルの一例を示す図、(b)スマートフォンに表示されるA社アプリの画面の一例を示す図である。
【
図8】(a)スマートフォンに表示される店舗ごとのメニュー画面の一例を示す図、(b)スマートフォンに表示されるクーポン画面の一例を示す図である。
【
図9】(a)スマートフォンに表示されるニュース画面の一例を示す図、(b)スマートフォンに表示されるゲーム画面の一例を示す図である。
【
図10】店舗内におけるスマートフォンの一例を表示した画面の一例を示す図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態に係る照明システムの全体構成を示す図である。
【
図12】照明器具が送信するビーコン信号の構成を示す図である。
【
図13】照明システムにおける建屋管理の動作・処理の流れを示すフローチャートである。
【
図14】照明システムにおける建屋管理の動作・処理の流れを示すフローチャート(
図13の続き)である。
【
図15】(a)スマートフォン6に表示する入館アプリの画面の一例を示す図、(b)調光制御画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<1.第1の実施形態>
<1.1.概要>
以下、本発明の一実施形態に係る照明システム1について図面を参照しながら説明する。
【0010】
照明システム1は、ビーコン信号を用いたサービスを提供するのに用いられるシステムである。
【0011】
【0012】
照明システム1は、一例として、ハンバーガー等の飲食物を販売するチェーンストアであるA社に適用される。照明システム1は、複数の場所の一例として、複数の店舗に導入される。
【0013】
図1に示すように、照明システム1は、ゲートウェイ3、複数の照明器具4-n(nは一例として1~5)(以下、「照明器具4」と総称する。)、店舗システム5、スマートフォン6、クラウド9を含む。
【0014】
ゲートウェイ3、照明器具4及び店舗システム5は、A社の一店舗であるB店(店舗2はB店の店舗を示す)に配されており、相互に無線により通信する。無線による通信は、一例としてBLE(Bluetooth(登録商標) Low Energy)規格に従うものとする。照明器具4及びスマートフォン6は、メッシュネットワークを構成し、それぞれは、無線到達範囲外の場合や、障害物が存在し無線が到達しないような場合であっても、メッシュネットワークの範囲内で、メッシュネットワークを通じて間接的に通信を行うことができる。
【0015】
スマートフォン6は、A社の顧客(利用者)が保持するスマートフォンであり、A社アプリ330がインストールされている。
【0016】
店舗2に配された照明器具4は、ビーコン信号110を発信している。なお、
図1中では、照明器具4-1、照明器具4-2、照明器具4-3、照明器具4-4及び照明器具4-5それぞれが送信するビーコン信号110を、模式的にBS1、BS2、BS3、BS4、BS5と図示している。
【0017】
図4(a)は、ビーコン信号の一例であるビーコン信号110を示す。
【0018】
ビーコン信号110は、ヘッダ等のほか、クライアントID111、店舗ID112、店舗内場所ID113を含む。
【0019】
クライアントID111は、第1の制御情報の一例としての、発信元としての事業者を示す識別情報である。照明器具4が発信するビーコン信号に含まれるクライアントID111はA社であることを示している。
【0020】
店舗ID112は、第2の制御情報の一例としての、ビーコン信号を発信している店舗を識別する識別情報である。照明器具4が発信するビーコン信号に含まれる店舗ID112は、B店であることを示している。
【0021】
店舗2に来店する顧客は、スマートフォン6を保持しており、スマートフォン6は、店舗2の周辺及び店舗2内でビーコン信号を受信する。スマートフォン6は、ビーコン信号110中の店舗ID112を参照し、店舗ID112が示す店舗に応じたメニューを表示する。これにより、店舗ごとに異なるメニューを提供することが可能になる。
【0022】
顧客は、スマートフォン6に表示されたメニューを参照し、スマートフォン6のA社アプリ330を用いて、自身が購入を希望する商品の注文を行う。
【0023】
注文内容を示す注文情報は、店舗システム5が受信し、店舗2の店員が、注文情報に示される商品の調理、準備を行う。
【0024】
店舗内場所ID113は、位置情報の一例としての、店舗内でのビーコン信号110の発信位置を識別する識別信号である。より具体的には、ビーコン信号110を発信している照明器具4が、店舗内のどこに配されたものかを識別するための識別情報である。
【0025】
そして、スマートフォン6は、ビーコン信号110に含まれる店舗内場所ID113を、定期的に店舗システム5に送信する。
【0026】
店舗2の店員は、店舗システム5を用いてスマートフォン6の店舗内での場所を認識し、出来上がった商品を、スマートフォン6を保持する顧客に届ける。
【0027】
以上のように、店舗内場所IDは、スマートフォン6の位置を示す位置情報としての機能も備える。
【0028】
<1.2.構成>
<店舗2>
図2は、店舗2内の飲食スペース20の構成の概略を示す模式図である。
【0029】
矩形のシンボル(テーブルTB1、テーブルTB2、テーブルTB3及びテーブルTB4)は、顧客が使用可能なテーブルを表す。
【0030】
各テーブルの周りに配された白丸形のシンボル(CH1a、CH1b、CH1c及びCH1dなど)は、顧客が使用可能な椅子を表す。
【0031】
テーブルTB1、テーブルTB2、テーブルTB3及びテーブルTB4の中心辺りに示された黒丸は、天井における各テーブルの上方に配された照明器具(4-1、4-2、4-3及び4-4)を表している。
【0032】
エリアAR1、エリアAR2、エリアAR3及びエリアAR4は、照明器具4-1、4-2、4-3及び4-4から発信されたビーコン信号が受信できる範囲を模式的に示している。
【0033】
ここで、エリアAR1内に配されている照明器具4-1が発信するビーコン信号110の店舗内場所ID113は、エリアAR1を示している。同様に、照明器具4-2~4-4が発信するビーコン信号110の店舗内場所ID113は、それぞれ、エリアAR2~AR4を示している。
【0034】
また、店舗2の玄関には、照明器具4-5が配されている。照明器具4-5が発信するビーコン信号110の店舗内場所ID113は、玄関であることを示す。
【0035】
<調理システム7>
調理システム7は、商品を調理するための調理器などを含むシステムであり、店員がこれを用いて、提供する商品を調理する。調理システム7は、商品が完成するまでの残り時間(以下、「残時間」ともいう。)を計測する機能を有している。調理システム7は、店舗システム5と連携しており、上述の残時間を店舗システム5に伝える。
【0036】
<店舗システム5>
店舗システム5は、コンピュータシステムで構成されるサーバ装置であり、表示部の一例としてディスプレイを備える。
【0037】
店舗システム5は、顧客のスマートフォン6に対し、店舗ごとのメニュー、コンテンツ、画像の配信などを通じたサービスを提供する機能、顧客のスマートフォン6から商品の注文を受ける機能、注文された商品について支払いを精算する機能、注文された商品に関する残時間をスマートフォン6に通知する機能、顧客のスマートフォン6が存在する場所を特定する機能、照明器具4の点灯、消灯、調光、調色、送信するビーコン信号の内容を変更する機能などを有する。
【0038】
店舗システム5は、フリーWiFi(登録商標)を備え、顧客のスマートフォン6は店舗2への来店時にフリーWiFiを介して店舗システム5に接続する。なお、店舗システム5と、スマートフォン6との通信は、WiFiに限らず相互に通信できれば足り、例えば、携帯電話回線、赤外線通信、Bluetooth(登録商標)による通信など他の通信網を使って行ってもよい。
【0039】
<クラウド9>
クラウド9は、店舗2を含む各店舗の店舗システムを繋ぐクラウドシステムであり、ネットワークを通じて各種コンピューティングサービスを提供する。クラウド9は、店舗2外に配されており、A社の他の店舗からもアクセスされる。
【0040】
<ゲートウェイ3>
ゲートウェイ3は、店舗システム5からの照明制御指示に従って、照明器具4の制御(点灯、消灯、調光、調色など)を無線通信で行う制御装置である。
【0041】
また、ゲートウェイ3は、常時通電し、調光、調色の変更スケジュールを記憶しておき、スケジュールに沿って各照明器具4に対し、調光、調色のための制御信号を送信し、照明器具4の調光、調色を行う機能を有する。
【0042】
図3(c)は、ゲートウェイ3の構成を示すブロック図である。
【0043】
ゲートウェイ3は、無線通信部31と、有線通信部32と、記憶部33と、制御部34とを備える。
【0044】
無線通信部31は、他のデバイス(照明器具4や店舗システム5など)との双方向的且つ直接的な無線通信を可能にするものであり、BLEなどの省電力通信方式や無線LANで無線通信を行うものである。
【0045】
有線通信部32は、他のデバイス(ゲートウェイ3など)との双方向的な有線通信を可能にするものである。
【0046】
記憶部33は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access memory)などの記憶デバイスを備えた部分である。
【0047】
制御部34は、CPU(Central Processing Unit)などの処理デバイスを備えた部分であり、処理デバイスでの動作設定プログラムを実行することにより、ゲートウェイ3を、照明器具4を無線通信で制御する照明制御装置、又は無線通信を中継する通信中継装置として動作させる。
【0048】
<照明器具4>
照明器具4は、複数色(一例として高色温度白色及び低色温度白色)のLED(Light Emitting Diode)パッケージを備えており、各LEDパッケージの調光率のバランスにより照明器具4が発光する際の色温度などの調色値が変化する。また、照明器具4は、消灯状態である0%から全点灯状態である100%まで調光率の指定を受けて、指定された調光率に発光状態を制御することができる。照明器具4は、店舗システム5により送信される制御信号を受信し、制御信号に応じた発光等の動作を行う。
【0049】
以下、照明器具4の構成について、照明器具4-1を例に説明するが、他の照明器具4-2、4-3、4-4についても構成は同じである。
【0050】
図3(a)は、照明器具4-1の構成を示すブロック図である。
【0051】
図3(b)は、照明器具4-1が備えるワイヤレスモジュール43の外観を示す図である。
【0052】
照明器具4-1は、
図3(a)に示すように、器具本体41、電源装置42及びワイヤレスモジュール(WM)43を備える。
【0053】
器具本体41は、光源部44を備える。光源部44は、LEDで構成された光源、及び光源を配置する回路基板である光源基板を備える。なお、光源は、照明用の光源として機能すれば足り、有機EL(Electro Luminescence)デバイスなどLED以外で構成されていてもよい。光源部44は、電源装置42の電力供給部45から供給される電力に応じて、光源の点灯、消灯、調光率変更及び調色などの動作をする。
【0054】
<電源装置42>
電源装置42は、
図3(a)に示すように、電力供給部45及びソケット部46を備える。
【0055】
電力供給部45は、照明器具4の外部から供給される電力を、WM43から受信する照明制御信号に応じた電力に変換し、光源部44に供給することで、調光制御、調色制御などを行う。
【0056】
ソケット部46は、WM43が挿入されるソケットであり、WM43が挿入されることにより、WM43の端子部49が備える信号端子それぞれに電気的に接続する複数の端子を備える。複数の端子は、電力供給部45と電気的に接続しており、ソケット部46にWM43が挿入された場合に、WM43と電力供給部45とが電気的に接続した状態になる。
【0057】
<WM43>
WM43は、無線通信を行うモジュールである。WM43は、
図3(b)に示すように、挿抜可能な単体のデバイスとして構成され、端子部49を備え、端子部49を電源装置42のソケット部46に挿入することにより装着される。なお、WM43は、複数の通信仕様に従い無線通信可能であるとするが、これに限らず、例えば異なる通信仕様ごとに専用のWM43が用意され、使用する通信プロトコルに応じたWM43がソケット部46に装着されるものとしてもよい。また、WM43が装着されるソケット部46は、電源装置42に設けられるとしたが、これに限らず、WM43が装着されて必要な信号の伝送ができれば足りる。例えば、ソケット部46は、器具本体41に設けられていてもよい。
【0058】
WM43は、照明制御機能及びビーコン信号発信機能を有する。
【0059】
照明制御機能は、無線通信によって店舗システム5から照明制御指示を受信し、受信した照明制御指示に従って、光源部44の点灯、消灯、調光率変更及び調色などを制御する機能である。
【0060】
ビーコン信号発信機能は、無線通信を用いて外部にビーコン信号110を発信する機能である。
【0061】
WM43は、無線通信部48及び制御部47を備える。
【0062】
無線通信部48は、無線通信を行う機能を有する。無線通信部48は、情報を送信する送信手段、及び情報を受信する受信手段として機能する。無線通信部48は、照明器具4を個々に識別するための器具識別情報の一例としてMedia Access Control address(以下「MACアドレス」という)を保持している。MACアドレスは、無線通信のアドレスとしても用いられる。無線通信部48は、通信データを受信した場合に、自装置宛ての通信データであれば制御部47に通知し、他装置宛ての通信データであればメッシュネットワークを介して他装置に転送する。
【0063】
制御部47は、IC(Integrated Circuit)を備え、照明器具4の動作を制御する機能を有する。
【0064】
制御部47は、光源の点灯、消灯、点滅、調光率増加、調光率減少など光源の動作に関する制御信号を受信した場合、受信した制御信号が示す動作を行わせるための制御信号をソケット部46を介して電力供給部45に出力する。
【0065】
ビーコン信号のIDは、制御部47が備える記憶部に書き込まれているものとし、また、店舗システム5から書き換え可能である。
【0066】
<スマートフォン6>
スマートフォン6は、
図1に示すような長方形板状の外観を有し、一つの面にタッチパネル65が嵌め込まれた可搬型の情報端末装置である。スマートフォン6は、照明器具4の発光動作を制御する機能を有し、タッチパネル65に、設置時設定、照明器具4の発光動作を制御するため等のGUI(Graphical User Interface)を表示する。
【0067】
スマートフォン6は、タッチパネル65に表示されているGUIの内容と、ユーザにより行われるタッチパネル65へのタッチ、ジェスチャ入力などのユーザ入力とに基づき、ユーザが要求している動作指示を判断し、ユーザ入力に基づく制御信号を、制御対象とする照明器具4に送信する。
【0068】
図3(d)は、スマートフォン6の構成を示すブロック図である。
【0069】
スマートフォン6は、
図3(d)に示すように、制御部61、ROM62、RAM63、無線通信部64及びタッチパネル65を備える。
【0070】
ROM62は、フラッシュメモリなどで構成され、アプリ、プログラム、GUIとして表示する画像データ、制御プログラムのほか各種のデータを保持する。
【0071】
RAM63は、ROM62に格納された制御プログラムがロードされる記憶装置である。
【0072】
タッチパネル65は、GUIを構成する画像、情報を表示する表示部と、ユーザ指示の入力を受け付ける入力部とを組み合わせた電子部品であり、ユーザインターフェース手段として機能する。表示部は、一例として液晶パネルで構成される。また、入力部は、一例としてタッチパッドである。タッチパネル65は、ユーザ入力を制御部61に通知する。
【0073】
制御部61は、CPU(Central Processing Unit)を備える。スマートフォン6の各機能は、ROM62からロードされてRAM63に記憶される照明制御プログラムを制御部61が実行することにより実現される。制御部61は、タッチパネル65に表示させているGUIと、タッチパネル65から通知されるユーザ入力とに基づいてユーザ指示の内容を特定し、ユーザ指示に応じた処理を実行する。
【0074】
無線通信部64は、無線通信を行うデバイスで構成される。無線通信部64は、照明器具4のそれぞれとの間で無線通信を行う。
【0075】
<1.3.動作>
以下、上述のように構成された照明システム1に関し、店舗2に来店した顧客が商品の注文を行って商品を受け取るまでの処理(以下、「店舗処理」という。)について説明する。
【0076】
図5及び
図6は、店舗処理の流れを示すフローチャートである。
【0077】
ステップS100では、顧客のスマートフォン6は、オペレーティングシステムなどの機能により、ビーコン信号を受信したか否かを判定する。より具体的には、顧客が店舗2に来店した場合、顧客のスマートフォン6が、照明器具4-5により発信されたビーコン信号110を受信する。ビーコン信号110を受信した場合(ステップS100でY)の場合、ステップ101に進み、ビーコン信号110を受信しない場合(ステップS100でN)、ビーコン信号110を受信するのを待つ。
【0078】
ステップS101では、スマートフォン6は、商品を注文済か否か判断する。商品を注文済の場合(ステップS101でY)、ステップS161に進み、商品を注文していない場合(ステップS101でN)、ステップS102に進む。
【0079】
ここで、スマートフォン6が商品を注文した場合には、注文済であることを示す注文状態情報をスマートフォン6の内部に記憶することとする。これにより、スマートフォン6は、注文状態情報を参照することにより、注文済か否かを判定できることになる。
【0080】
なお、注文済か否かの判断は、これに限らず、他の方法で判断してもよい。注文済か否かを店舗システム5に問い合わせることとしてもよいし、スマートフォン6が保持している他の情報、例えば、注文した商品に関する注文情報(後述)に基づき判断してもよい。
【0081】
ステップS102では、スマートフォン6は、ビーコン信号110内のクライアントID111を参照し、クライアントID111がA社を示すか否か判定する。クライアントID111がA社を示さない場合(ステップS102でN)は、処理を終了し、クライアントID111がA社を示す場合(ステップS102でY)、ステップ103に進む。
【0082】
ステップS103では、スマートフォン6は、ビーコン受信通知パネル310を表示することにより、A社アプリを立ち上げるか否かの判断を顧客に促す。
【0083】
図7(a)は、ビーコン受信通知パネル310の一例を示す図である。
【0084】
ビーコン受信通知パネル310は、A社のアプリを立ち上げる指示をする立ち上げボタン311と、A社のアプリを立ち上げないことを指示する、やめるボタン312を含む。
【0085】
ステップS104では、顧客が、A社アプリを立ち上げる立ち上げボタン311を押下したか、やめるボタン312を押下したか判定する。立ち上げボタン311を押下した場合(ステップS104:Y)、ステップS105に進み、やめるボタン311を押下した場合(ステップS104:N)、処理を終了する。
【0086】
なお、ステップS102でクライアントID111がA社を示した場合に、ステップS103におけるビーコン受信通知パネル310の表示を省略して、A社アプリ330を立ち上げることとしてもよい。この場合、ステップS103及びステップS104は省略可能である。
【0087】
ステップS105では、スマートフォン6が、A社アプリ330を立ち上げる。
【0088】
図7(b)は、立ち上げたときのA社アプリ330の画面(以下、「トップ画面」という。)の一例を示す図である。
【0089】
トップ画面は、お買い得なセットメニューの案内を表示するためのセット表示ボタン332、顧客に対する割引を示すクーポンを取得するためのクーポン表示ボタン333、メニューを表示させるためのメニュー表示ボタン334などのボタンを含む。
【0090】
図8(b)は、クーポン表示ボタン333がタッチされた場合に表示されるクーポン画面390を示す。
【0091】
クーポン画面390は、クーポン画像392、クーポン画像393及びクーポン画像394を含む。クーポン画像392、クーポン画像393及びクーポン画像394は、A社B店で商品を購入した場合に、精算に使用できるクーポンを示している。クーポンの一例として、クーポン画像392は50%オフを示し、クーポン画像393は30%オフを示し、クーポン画像394は、10%オフを示す。
【0092】
ステップS106では、顧客が、メニュー表示ボタン334にタッチしたものとする。
【0093】
ステップS121では、スマートフォン6で動作するA社アプリ330が、ビーコン信号110内の店舗ID112が示す店舗について判断する。
【0094】
ステップS122、ステップS123及びステップS124では、ステップS121において、判断された店舗ID112の内容に応じたメニューがスマートフォン6に表示される。
【0095】
図8(a)は、店舗IDがB店を示す場合にスマートフォン6に表示されるメニュー画面340の一例を表す。
【0096】
メニュー画面340は、表示するメニューのカテゴリを選択するバーガータブ341、お飲み物タブ342、サラダタブ343及びデザートタブ344を含む。
【0097】
なお、メニュー画面340が立ち上がった場合には、デフォルトとしてバーガータブ341が選択された状態であるものとする。
【0098】
商品パネル351、商品パネル352、商品パネル353、商品パネル354、商品パネル355、及び商品パネル356は、それぞれ1つの商品についての情報を示す。
【0099】
商品パネル351は、商品名361(「ハンバーガー」)、商品価格362(「100円」)、購入個数363(「2個」)を含む。顧客は、購入個数363が示す個数を書き換えることができる。
【0100】
なお、ステップS121の判断は、スマートフォン6が行う必要は無く、店舗システム5が、スマートフォン6が受信したビーコン信号110をスマートフォン6から取得して行うこととしてもよい。そして、店舗ID112の内容に応じたメニュー、具体的には、店舗ごとに異なるメニュー、店舗ごとにカスタマイズされたメニューなどを、店舗システム5が、スマートフォン6に送信し、スマートフォン6が、受信したメニューを表示することとしてもよい。
【0101】
ステップS131において、顧客は、A社アプリ330を操作する。例えば、顧客は、A社アプリ330について、タブ(341~344)のうち表示したい内容を示すものを選択するなどの操作を行う。ここでは、バーガータブ341を選択するものとする。
【0102】
ステップS132において、顧客は、購入したい商品を示す商品パネルに含まれる個数情報を書き換える。例えば、顧客は、ハンバーガーを購入したい場合には、商品パネル351中の購入個数363が示す個数を望みの個数を入力する。
【0103】
ステップS133において、顧客は、注文を確定するために、注文ボタン372を押下する。メニュー画面340には、合計金額371が表示される。合計金額371は、顧客が注文することを選択した商品の合計金額が表示される。注文ボタン372が押下されると、スマートフォン6は、注文ボタン372が押下されたことを店舗システム5に通知する。そして、スマートフォン6は、注文状態情報の内容を注文済にする。
【0104】
合計金額の計算は、スマートフォン6が行ってもよいし、店舗システム5が行ってスマートフォン6に通知することとしてもよい。
【0105】
ステップS134において、店舗システム5は、注文を識別するための受付番号を生成し、スマートフォン6に通知する。
【0106】
ステップS135において、スマートフォン6は、顧客が注文した商品に関する注文情報210を店舗システム5に送信する。スマートフォン6は、必要に応じ、注文情報210を記憶しておく。
【0107】
【0108】
受付番号211は、スマートフォン6が店舗システム5から受信した注文番号を示す。
【0109】
注文商品情報221、注文商品情報222及び注文商品情報223は、受付番号211、注文された商品の商品名212、注文数213及び金額214を含む。
【0110】
店舗システム5は、受信した注文情報210を記憶する。
【0111】
図4(c)は、店舗システム5が記憶する注文情報の一例である注文情報データベース250を示す。
【0112】
注文情報データベース250は、注文番号ごとの注文情報を含む。
【0113】
ここで、店舗システム5は、注文情報210が示す注文についての精算処理を行う。
【0114】
例えば、店舗システム5は、精算用のQRコード(登録商標)を生成し、スマートフォン6に送信し、スマートフォン6は、QRコードを画面に表示する。店舗システム5は、QRコードを読み取るバーコードリーダーを備えている。
【0115】
ステップS151において、店員がバーコードリーダーを用い、スマートフォン6に表示されたQRコードを読み取る。
【0116】
ステップS152において、店舗システム5は、顧客が契約しているカード会社等との間で通信を行い、精算処理を行う。精算処理については、一般的に行われている処理を行えばよい。クレジットカードの番号などの精算処理に必要情報は、予め、スマートフォン6に記録されていることとしてもよいし、スマートフォン6が、都度、顧客に入力を促して、入力された情報を用いてもよい。
【0117】
ステップS153において、店員は、調理システム7を用いて、注文された商品の調理を行う。
【0118】
ステップS154において、調理システム7は、商品の調理が完了する準備完了予定時刻を推定し、店舗システム5に送信する。店員は、調理システム7に、商品に関する受付番号を入力しており、準備完了予定時刻は、受付番号に対応づけられるものとする。
【0119】
店舗システム5は、現在時刻と、準備完了予定時刻とを比較し、メニューに関連する情報として、商品の準備ができるまでの待ち時間を示す待ち時間情報を生成する。
【0120】
店舗システム5は、受付番号と待ち時間情報とを、スマートフォン6に送信する。
【0121】
ステップS161において、スマートフォン6は、受付番号と待ち時間情報とを受信し、受信した受付番号と、待ち時間情報が示す待ち時間とを表示する。
【0122】
ステップS162において、スマートフォン6は、照明器具4が送信するビーコン信号110を受信して、店舗システム5に送信する。なお、スマートフォン6は、照明器具4が送信するビーコン信号110を受信した場合に、ビーコン信号110に含まれる店舗内場所ID113を抽出し、店舗内場所ID113を店舗システム5に送信することとしてもよい。
【0123】
ステップS163において、店舗システム5は、店舗内場所ID113の内容をみることで、スマートフォン6がエリアAR1~エリアAR4のいずれに存在するかを特定することができる。
【0124】
なお、店舗内場所ID113を用いるのみでは、エリアAR1~エリアAR4内のいずれにスマートフォン6が存在するかが分かるに留まり、エリア内のどの位置にいるかまでは特定できない場合がある。エリア内での位置まで特定する必要がある場合には、スマートフォン6が備えるGPS(Global Positioning System)など、より詳細な場所を取得できる補助的な情報を取得して特定することとしてもよい。
【0125】
ステップS164において、店舗システム5は、ディスプレイにスマートフォン6の位置を表示する。
【0126】
図10は、店舗システム5のディスプレイに、店舗内におけるスマートフォン6の位置を表示した画面の一例を示す。画像470は、店舗内の概略を示す地図画像であり、画像475は、スマートフォン6の位置を示す画像である。なお、画像475は、地図画像上の位置に限られず、例えば、テーブル番号を表示してもよい。
【0127】
なお、
図6では、ステップS161~ステップS164は、ステップS154に続き実行するよう記載しているが、このタイミングで実行するのに限らず、顧客の持つスマートフォン6の位置を常に捕捉し、位置の変化に追随して店舗システム5のディスプレイへの表示を更新する。
【0128】
ステップS171、ステップS172、ステップS173及びステップS174は、顧客が、自身の注文した商品ができるまでの間に、暇つぶしなどの目的で、スマートフォン6を用いてニュースを表示させ、またゲームを実行する処理である。
【0129】
ステップS171において、顧客は、ニュース表示を行うか否かを判断し、スマートフォン6に入力する。
【0130】
ニュース表示は、A社アプリ330の一機能とし、所定のニュース表示立ち上げ手順により実行できるものとする。ニュース表示を表示することを顧客が選んだ場合(ステップS171でY)、ステップS172に進み、ニュース表示を表示することを顧客が選ばなかった場合(ステップS171でN)、ステップS173に進む。
【0131】
ステップS172において、スマートフォン6は、ニュースを表示する。
【0132】
図9(a)は、ニュース表示の一例としてのニュース画面410を示す。
【0133】
ニュース画面410は、一例として表示するニュースのカテゴリを選択するための、総合的なニュースを示す総合タブ411、国内のニュースを示す国内タブ412、海外のニュースを示す海外タブ413、文化に関するニュースを示す文化タブ414を含む。
【0134】
また、ニュース画面410は、ニュースの見出しを示す見出しボタン421、見出しボタン422、見出しボタン423、見出しボタン424及び見出しボタン425を含む。
【0135】
見出しボタン421にタッチされると、見出しボタン421内に表示されている見出しについての詳細な情報が表示されることになる。見出しボタン422~425についても見出しボタン421と同様にタッチされると、その見出しボタンに表示されている見出しについての詳細な情報が表示される。
【0136】
また、ニュース画面410は、ステップS161で受信した受付番号を表示するための受付番号パネル431、及び、ステップS161で受信した待ち時間情報を表示するための待ち時間情報パネル432を含む。なお、表示する待ち時間は、待ち時間情報が変化するごとに、更新される。
【0137】
ステップS173において、顧客は、ゲームを行うか否かを判断する。
【0138】
ゲーム画面は、A社アプリ330の一機能とし、所定のゲーム画面立ち上げ手順により、表示できるものとする。ゲーム画面を表示することを顧客が選んだ場合(ステップS173:Y)、ステップS174に進み、ゲーム画面の表示を顧客が選ばなかった場合(ステップS173:N)、ステップS181に進む。
【0139】
ステップS174において、スマートフォン6は、ゲーム画面を表示する。
【0140】
図9(b)は、ゲーム画面の一例であるゲーム画面450を示す。
【0141】
ゲーム画面450は、ステップS161で受信した受付番号を表示するための受付番号パネル431、及び、ステップS161で受信した待ち時間情報を表示するための待ち時間情報パネル432を含む。なお、表示する待ち時間は、待ち時間情報が変化するごとに、更新される。
【0142】
なお、
図6では、ステップS171~ステップS174は、ステップS164に続き実行するよう記載しているが、このタイミングで実行するのに限らず、顧客が待ち時間において実行できる必要がある。スマートフォン6は、顧客が要望するタイミングで、ニュース画面410や、ゲーム画面450を表示する。また、ニュース画面410及びゲーム画面450は、択一的に表示する必要はなく、両方同時に表示することとしてもよい。また、表示するコンテンツは、ニュースの表示、ゲームの実行に限らず、他のコンテンツ等であってもよい。例えば、星占いのコンテンツなどであってもよい。
【0143】
また、コンテンツは、A社アプリ330に予め組み込まれているなどスマートフォン6内に保持していてもよいし、店舗システム5、クラウド9などスマートフォン6の外部から無線通信を介して取得し、表示するものとしてもよい。
【0144】
ステップS181において、店員は、商品の準備ができたか否か判断する。
【0145】
商品の準備ができた場合(ステップS181:Y)ステップS182に進み、商品の準備ができていない場合(ステップS181:N)、ステップS161に進む。
【0146】
ステップS182において、店員は、店舗システム5に表示される顧客のスマートフォン6の位置を確認し、顧客端末が存在する位置に、商品を届ける。
【0147】
<2.第2の実施形態>
第1の実施形態では、ビーコン信号を用いた照明システムの一例として、商品としてハンバーガー等の飲食物を販売するチェーンストアに適用された照明システム1について説明したが、これに限らず、他のシステムに適用してよい。以下では、ビーコン信号を用いた照明システムを、建屋への入退室管理などの建屋管理システムに適用した照明システム501について説明する。
【0148】
<2.1.概要>
図11は、照明システム501の全体構成を示す図である。
【0149】
照明システム501は、一例として、主にG会社の建屋502に適用する管理システムを構成している。
【0150】
図11において、建屋502は、G会社の社屋を模式的に示している。建屋502内には、複数の部屋が存在するものとし、H会議室515は複数の部屋の1つである。
【0151】
以下では、スマートフォン6を保持する利用者が、建屋502へ入館する際の入館可否判定、H会議室515への入室可否判定、H会議室515に入室できた場合の、H会議室515に備えられた照明器具504-2、照明器具504-3、照明器具504-4、・・・に対する調光、調色などの照明制御を例に説明する。
【0152】
照明システム501は、
図11に示すように、ゲートウェイ503、照明器具504-1、照明器具504-2、照明器具504-3、照明器具504-4、・・・(以下、「照明器具504」と総称する。)、セキュリティシステム505、クラウド509,自動ドア511、ドア制御装置512、及びスマートフォン6を備える。
【0153】
ゲートウェイ503、照明器具504及びクラウド509は、基本的には第1の実施形態におけるゲートウェイ3、照明器具4及びクラウド9と同様の構成である。これらについては、繰り返しとなる説明は行わず、必要に応じ適宜説明する。
【0154】
照明システム501では、建屋502に入館しようとする利用者がスマートフォン6を保持している。建屋502の出入口は自動ドア511とドア制御装置512とで構成されており、自動ドア511の上部に照明器具504-1が配されている。照明器具504-1を含め照明器具504は、ビーコン信号530を発信しており、スマートフォン6がビーコン信号を受信する。
【0155】
なお、
図11中では、照明器具504-1、照明器具504-2、照明器具504-3及び照明器具504-4それぞれが送信するビーコン信号110を、模式的にBS21、BS22、BS23及びBS24として図示している。
【0156】
照明システム501では、ビーコン信号530を受信したスマートフォン6に関して、ビーコン信号530に含まれる各種の情報を用いて、建屋502への入館、H会議室515への入室、H会議室515内の照明制御の実施可否を判断して、実施可の場合に照明制御を実行させるなどの各種の管理、制御、サービスの提供を行う。
【0157】
<2.2.構成>
<ビーコン信号530>
図12は、照明器具504が送信するビーコン信号530の構成を示す図である。
【0158】
ビーコン信号530は、ヘッダ等のほか、建屋ID531、部屋ID532、権限ID533を含む。ここで、照明器具504が保持し送信するビーコン信号530の内容は、セキュリティシステム505によって書き換え可能である。
【0159】
建屋ID531は、建屋を識別する識別情報を示す。同じ建屋内の照明器具504から送信させるビーコン信号については、建屋ID531の内容が同じになっている。
【0160】
部屋ID532は、第1の制御情報の一例としての、部屋を識別する識別情報を示す。同じ部屋内の照明器具504から送信させるビーコン信号については、部屋ID532の内容は同じである。
【0161】
なお、部屋IDは、部屋を識別するのみに限らず、照明器具504が配置されている場所を示す内容としてよい。例えば、廊下に設置されている照明器具504の場合、送信するビーコン信号530に含まれる部屋ID532は、廊下を示す値であり、1階のトイレに配置されている照明器具504については、送信するビーコン信号530に含まれる部屋ID532は、1階のトイレを示す値である。
【0162】
権限ID533は、第2の制御情報の一例としての、権限の有無、種類などの権限を示す情報である。
【0163】
権限ID533は、一例として、入館・入室ステータス541、照明制御ステータス542、空調制御ステータス543、及び部屋施錠解錠ステータス544を含む。
【0164】
入館・入室ステータス541は、建屋ID531が示す建屋、部屋ID532が示す部屋への入館、入室が可能であるか否かを示す。入館・入室ステータス541は、例えば、2ビットの情報であり、上位桁が建屋ID531により示される建屋への入館可否を示し、下位桁が、部屋ID532により示される部屋への入室可否を示す。上位桁が1の場合、入館可を示し、上位桁が0の場合、入館不可を示す。また、下位桁が1の場合、入室可を示し、下位桁が0の場合、入室不可を示す。
【0165】
照明制御ステータス542は、照明制御の可否について示す。照明制御ステータス542は、照明制御の一例として、調光、調色、スケジュール運転の設定が可能か否かを示す。照明制御ステータス542は、調光ステータス551、調色ステータス552、スケジュール運転設定ステータス553を含む。
【0166】
調光ステータス551は、一例として1ビットの情報であり、値が1の場合、調光可を示し、値が0の場合、調光不可を示す。
【0167】
調色ステータス552は、一例として1ビットの情報であり、値が1の場合、調色可を示し、値が0の場合、調色不可を示す。
【0168】
スケジュール運転設定ステータス553は、一例として1ビットの情報であり、値が1の場合、スケジュール運転の設定可を示し、値が0の場合、設定不可を示す。
【0169】
空調制御ステータス543は、空調制御の可否について示す。空調制御ステータス543は、一例として1ビットの情報であり、値が1の場合、空調制御可を示し、値が0の場合、空調制御不可を示す。なお、空調制御に関し、より細かい制御を行うため、空調制御ステータス543のビット数を増やして、冷房可否を示すビット、暖房可否を示すビットなどを設けてもよい。空調制御ステータス543中に、冷房において設定可能な下限の室温などの値を書き込んでおくこととしてもよい。
【0170】
すなわち、権限IDは、権限の可否を示すのに限る必要はなく、権限についての情報を示していれば足り、例えば、室温などの数値、パラメータを記載可能にしてもよい。
【0171】
部屋施錠解錠ステータス544は、部屋ID532により示される部屋の解錠、施錠が可能か否かを示す。部屋施錠解錠ステータス544は、例えば1ビットの情報であり、値が1の場合、施錠・解錠可を示し、0の場合、施錠・解錠不可を示す。
【0172】
<セキュリティシステム505>
セキュリティシステム505は、一例として、コンピュータシステムで構成されるサーバ装置である。セキュリティシステム505は、建屋502内の会議室など各部屋の解錠・施錠、照明器具の点灯、消灯、調光、調色などの照明制御、照明器具が送信するビーコン信号の内容の書き換え、空調装置による空調の制御、各種の認証処理などを行う制御システムとして機能する。
【0173】
セキュリティシステム505は、ゲートウェイ503、照明器具504、クラウド509,自動ドア511、ドア制御装置512、及びスマートフォン6と、ネットワークを介して接続する。セキュリティシステム505は、ネットワークの通信媒体としては、一例として、ゲートウェイ503、自動ドア511、ドア制御装置512及びクラウド509とは有線により接続し、照明器具504とは、ゲートウェイ503を介して無線により接続し、スマートフォン6とは無線により接続するものとするが、これに限らず、必要に応じ無線/有線を変更してもよいし、全て無線により接続するなどであってもよい。
【0174】
セキュリティシステム505は、スマートフォン6の位置を、スマートフォン6から受信するビーコン信号530の建屋ID531、部屋ID532の内容に基づき、特定可能である。また、セキュリティシステム505は、スマートフォン6が、所定の手続を通じて建屋502に入館済か否か、スマートフォン6の位置などをデータベースに記録しておく。
【0175】
<ドア制御装置512>
ドア制御装置512は、セキュリティシステム505の指示に従い、自動ドア511の開閉に関する制御を行う制御装置である。
【0176】
ドア制御装置512は、QRコードリーダを備え、QRコードリーダで読み取った情報をセキュリティシステム505に送信する。また、ドア制御装置512は、セキュリティシステム505から解錠指示を受信すると自動ドア511を解錠し、施錠指示を受信すると自動ドア511を解錠する。
【0177】
<2.3.動作>
以下、照明システム501の動作について説明する。
【0178】
図13及び
図14は、照明システム501における建屋管理の動作・処理の流れを示すフローチャートである。
【0179】
まず、建屋502に入館しようとする利用者が、建屋502の自動ドア511の前に立つ。利用者は、入館アプリ610がインストールされたスマートフォン6を保持している。
【0180】
ステップS401において、利用者は、スマートフォン6がビーコン信号530を受信するのを待つ(ステップS401:N)。ビーコン信号530を受信した場合に(ステップS401:Y)、ステップS402に進む。ここでは、スマートフォン6は、自動ドア511の上方に配されている照明器具504-1が送信するビーコン信号530を受信するものとする。
【0181】
ステップS402において、スマートフォン6は、受信したビーコン信号530を、クラウド509を介してセキュリティシステム505に送信する。セキュリティシステム505は、受信したビーコンID530から建屋ID531を抽出する。
【0182】
セキュリティシステム505は、建屋ID531がG社を示しているか否かを判定する。建屋IDがG社を示していない場合(ステップS402:N)、ステップS401に進み、建屋IDがG社を示している場合(ステップS402:Y)、ステップS403に進む。
【0183】
ステップS403において、セキュリティシステム505は、スマートフォン6が入館済か否かを判定する。スマートフォン6が入館済と判断した場合、ステップS421に進み、入館済で無いと判断した場合、ステップS404に進む。
【0184】
入館の手続は、ステップS411~ステップS413で行われるので、ここでは、セキュリティシステム505において、スマートフォン6が入館済であると記録されているか否かの判断を行う。
【0185】
ステップS404において、セキュリティシステム505は、ビーコン信号530から権限ID533を抽出する。そして、セキュリティシステム505は、権限ID533内の入館・入室ステータス541が、入館可能を示しているか否かを判定する。
【0186】
入館・入室ステータス541が、入館可を示す場合(ステップS404:Y)、ステップS411に進み、入館可を示さない場合(ステップS404:N)、処理を終了する。
【0187】
ここで、照明システム501では、セキュリティシステム505の指示により、各照明器具504が送信するビーコン信号530内の入館・入室ステータス541の内容を変更することで、入館可/入館不可、入室可/入室不可を適時切り替えることができる。例えば、セキュリティシステム505は、入館・入室ステータス541について、現在時刻がG社の営業時間内である場合に入館可を示し、G社の営業時間外の場合には入館不可を示すように照明器具504を制御する。
【0188】
ステップS411において、スマートフォン6は、入館手続画面を表示する。
【0189】
ここで、利用者は、別途の手続でG社に対し入館申請を行っているものとする。G社は、入館申請を受け付けて、入館を許可する場合、入館証を発行し、予め、スマートフォン6にダウンロードさせておく。入館申請が許可されなかった場合は、スマートフォン6は、入館証を保持していないため、入館できないことになる。
【0190】
図15(a)は、G社の入館アプリ610において表示される入館証の一例を示す。
【0191】
入館証には、入館に関する情報を符号化したQRコード612が表示される。
【0192】
ステップS412において、利用者は、QRコード612を、自動ドア511の横に設置されたドア制御装置512が備えるQRコードリーダに読み取らせる。ドア制御装置512は、QRコードリーダで読み取った情報をセキュリティシステム505に送信する。
【0193】
セキュリティシステム505は、受信したQRコード612について入館を許可してよいか否かを判定する。入館を許可してよい場合、セキュリティシステム505は、ドア制御装置512に自動ドア511の解錠を指示し、入館を許可してはいけない場合、自動ドア511に施錠を指示する。
【0194】
なお、QRコード612について入館を許可するか否かの判断は、必ずしもセキュリティシステム505が行う必要はなく、適切に判断できれば足り、例えば、ドア制御装置512が行ってもよいし、クラウド509が行ってもよい。
【0195】
自動ドア511は、人感センサを備えており、解錠状態において、人を検知した場合には開扉する。施錠状態では、人を検知しても開扉しない。
【0196】
また、自動ドア511を開けた後、実際に利用者が入館したか否かについてもさらに判断するような場合には、自動ドア511の開扉後に、スマートフォン6が建屋502内のビーコン信号を受信しているか、スマートフォン6のGPSが建屋502内の位置を示すか、などの補助的な手段を用いて判断してもよい。
【0197】
ステップS413において、セキュリティシステム505は、スマートフォン6が入館済であると、セキュリティシステム505内のデータベースに記録する。
【0198】
ステップS421において、スマートフォン6を保持した利用者は、建屋502内を移動して、H会議室515の出入口の前(H会議室515の外側)に立つものとする。なお、H会議室515の出入口は、通常は施錠されているものとする。また、H会議室515の出入口の外側では、スマートフォン6は、照明器具504-2が送信するビーコン信号530が受信できるものとする。
【0199】
スマートフォン6は、照明器具504-2が送信するビーコン信号530を受信し、クラウド509を介して、セキュリティシステム505に送信する。
【0200】
ステップS422において、セキュリティシステム505は、受信したビーコン信号530の建屋ID531、部屋ID532を参照し、受信したビーコン信号530が、建屋502のH会議室515に関するものであるか否かを判断する。H会議室515に関するものである場合に、ビーコン信号530に含まれる権限ID533中の入館・入室ステータス541を参照し、入館・入室ステータス541が入室可を示すか否かを判定する。
【0201】
権限ID533(より詳しくは入館・入室ステータス541)がH会議室515に入室可であることを示す場合(ステップS422:Y)、ステップS423に進み、H会議室に入室可であることを示さない場合(ステップS422:N)、処理を終了する。
【0202】
ここで、セキュリティシステム505の指示により、照明器具504-2が、送信するビーコン信号530中の入館・入室ステータス541の内容を適宜書き換えることで、入室可否の制御を行うことができる。
【0203】
例えば、セキュリティシステム505は、昼休みの時間帯には、入館・入室ステータス541は、入室不可にするよう、照明器具504-2を制御することで、利用者が昼休みの時間帯にH会議室515へ入室できないよう制御することができる。
【0204】
ステップS423において、セキュリティシステム505は、H会議室515の出入口を解錠する。
【0205】
なお本ステップでは、ステップS422における判断結果、すなわち、照明器具504-2が送信するビーコン信号530の内容に従い、H会議室515の出入口を解錠しているが、解錠するか否かの判断はビーコン信号530の内容のみでは無く、他の情報も組み合わせて判断されることとしてもよい。
【0206】
例えば、H会議室515への入室可否を示す入室可否情報を、予めスマートフォン6の中に保持しておいてもよい。この場合、例えば、利用者は、別途の手続でG社に対しH会議室515への入室申請を行っているものとする。G社は、入室申請を受け付けて、入室を許可する場合、入室可を示す入室可否情報を、予めスマートフォン6にダウンロードさせておく。入室申請が許可されなかった場合は、スマートフォン6は、入室不可を示す入室可否情報を、予めスマートフォン6にダウンロードさせておく。
【0207】
スマートフォン6に保持されている入室可否情報が入室不可を示す場合には、例え入館・入室ステータス541が入室可を示していたとしても、スマートフォン6の利用者を入室させないよう制御することができる。これにより、利用者について個別に入室可/不可の制御をすることができる。
【0208】
入室可否の判断につき、入館・入室ステータス541及び入室可否情報のいずれを優先させるかは、予め定めていてもよいし、いずれを優先させるかを示す優先情報をビーコン信号530に含めてもよい。
【0209】
また、入室可否の判断につき、入館・入室ステータス541及び入室可否情報における、入室可/入室不可のいずれを優先させるかについても、予め定めていてもよいし、いずれを優先させるかを示す優先情報をビーコン信号530に含めてもよい。
【0210】
例えば、入館・入室ステータス541及び入室可否情報のうち、入室可否情報を優先させ、入室可/入室不可のうち入室可を優先させる場合、入室可否情報が入室可を示していれば、入館・入室ステータス541が入室不可を示していても、入室を許可するというような制御ができる。すなわち、入館・入室ステータス541及び入室可否情報を様々な態様で組み合わせることで、入室可否の制御を、様々な判断形態で、柔軟に行うことができるようになる。上記と同様に、ビーコン信号530を用いた他の判断についても、他の情報と組み合わせて行うこととしてもよい。
【0211】
ステップS424において、利用者は、H会議室515に入室する。
【0212】
ステップS431において、スマートフォン6は、H会議室515内の照明器具504-3、照明器具504-4などから送信されるビーコン信号530を受信することになる。
【0213】
ここでは、利用者は、H会議室515内の照明器具504の、照明制御を実行することを望んでいるものとする。
【0214】
スマートフォン6は、受信したビーコン信号530内の権限ID542の調光ステータス551が、調光可能を示していれば、利用者による調光操作を可能とする。利用者が、スマートフォン6のGUIを用いて、調光用GUIの呼び出しを指示した場合に、スマートフォン6は、調光用GUIを表示して、利用者による調光指示の入力を可能にする。
【0215】
スマートフォン6は、受信したビーコン信号530内の権限ID542の調光ステータス551が、調光不可を示していれば、利用者による調光操作を不可にし、調光用GUIの表示は行わない。
【0216】
同様に、権限ID542の調色ステータス552が、調色可能を示していれば、スマートフォン6は、利用者による調色操作を可能とし、スケジュール運転設定ステータス553が、スケジュール運転設定可能を示していれば、スマートフォン6は、利用者によるスケジュール運転の設定を可能にする。
【0217】
なお、権限IDに関し、例えば、調光機能を有さない照明器具504に関しては、セキュリティシステム505が、ビーコン信号530として、調光ステータス551の内容が調光不可であるビーコン信号を送るよう照明器具504を制御することで、調光の可否を切り替えることができる。他のステータスについても同様にして、調色可否、スケジュール運転設定の可否などを切り替えることができる。
【0218】
セキュリティシステム505は、調光機能を有さない場合に限らず、調光機能を有している照明器具504についても、調光機能を使用させないことができる。例えば、ある時間帯には調光させたくない場合、その時間帯にだけ、照明器具504は、調光ステータス551の内容を調光不可としたビーコン信号530を送信する。
【0219】
照明器具504が送信するビーコン信号530の内容は、セキュリティシステム505によって、書き換え可能である。
【0220】
なお、ステップS422では、セキュリティシステム505が、スマートフォン6から受信したビーコン信号530(より具体的には入館・入室ステータス541)を用いて可否判断を行っていたが、ステップS431では、ビーコン信号530を用い、スマートフォン6が、可否判断を行っている。
【0221】
すなわち、ビーコン信号530を用いた各種の判断については、ビーコン信号530に含まれる情報に応じて、情報端末装置側で行う構成としてもよいし、制御システム側で行う構成としてもよい。
【0222】
ステップS432において、スマートフォン6は、利用者が実行を望む機能について、許可されている場合、その機能を実行するための照明操作画面を表示する。
【0223】
具体的には、利用者は、調光を望む場合に、スマートフォン6における、例えばGUIに表示された調光ボタンにタッチするなどして、スマートフォン6に調光を指示する。
【0224】
スマートフォン6は、一例として、調光を行うための画面である調光制御画面630を呼び出す。調光制御画面630は、調色ボタン651、スケジュール運転設定ボタン652、空調制御ボタン653、施錠・解錠を制御するためのロックボタン654を含む。
【0225】
利用者により調色ボタン651がタッチされると画面が調色制御画面に切り替わり、スケジュール運転設定ボタン652がタッチされると画面がスケジュール運転設定画面に切り替わり、空調制御ボタン653がタッチされると画面が空調制御画面に切り替わり、施錠・解錠を制御するためのロックボタン654がタッチされると画面がロック制御画面に切り変わる。
【0226】
ここで、スマートフォン6には、予め、調光、調色、スケジュール運転設定、空調制御、ロックのそれぞれについて、G社により許可されているか否かの情報を保持していてもよい。
【0227】
そして、調光、調色、スケジュール運転設定、空調制御、ロックのそれぞれが、G社により許可されているか否かの情報に基づき、表示内容を変更することとしてもよい。
【0228】
例えば、空調制御について許可されていない場合には、
図15(b)に示すように、空調制御ボタン653の色をグレーに着色し、空調制御ボタン653にタッチしても、空調制御画面には切り替わらないようにするなど、表示内容を変更してもよい。
図15(b)の例では、ロックも許可されておらず、ロックボタン654がグレーに着色されている。
【0229】
なお、制御については、調光、調色、スケジュール運転設定、空調制御、ロックを例に挙げているが、これらに限定するものではない。
【0230】
図15(b)は、調光制御画面630の一例である、E社が提供する照明制御アプリの調光制御画面630を示す。照明器具504は、E社が開発・製造しており、その制御用のアプリもE社が開発したものとする。
【0231】
調光制御画面630は、照明器具それぞれについて調光制御するための、調光制御パネル631、調光制御パネル632、調光制御パネル633及び調光制御パネル634を備える。
【0232】
調光制御パネル631は、制御対象を示す器具名オブジェクト641、調光制御オブジェクト642、調光率設定オブジェクト645及び器具アイコン646を備える。
【0233】
器具名オブジェクト641は、制御対象である照明器具の名称を示す。器具名オブジェクト641は、制御対象である照明器具がいずれであるかを特定できれば足り、器具名であるに限らず、例えば、数字列、記号列などであってもよい。
【0234】
調光制御オブジェクト642は、調光バー643及び調光スイッチ644から成る。
【0235】
調光スイッチ644は、利用者がドラッグするなどタッチすることで、調光バー643の上を、調光バー643の左端から右端まで移動可能に構成されている。調光スイッチ644が調光バー643の左端に位置する場合、利用者が指定する調光率が0%であり、調光スイッチ644が調光バー643の右端に位置する場合、利用者が指定する調光率が100%であり、調光スイッチ644の調光バー643の左端からの距離と右端からの距離との比率により、0%~100%の間の調光率を表す。
【0236】
調光率設定オブジェクト645は、調光制御オブジェクト642が示す調光率を数値で示している。調光率設定オブジェクト645の数値は、利用者が数値を入力することで変更することができる。調光制御オブジェクト642が示す調光率と、調光率設定オブジェクト645が示す調光率は連動しており、一方が示す調光率が変更されると、他方が示す調光率も同値に変更される。
【0237】
器具アイコン646は、照明器具の点灯状態を示す。例えば、照明器具504が点灯している場合に、点灯している照明器具を表すアイコンを表示し、照明器具504が消灯している場合に、消灯している照明器具を表すアイコンを表示する。
【0238】
調光制御パネル632、調光制御パネル633及び調光制御パネル634は、調光制御パネル631と同様の機能を有する。
【0239】
ステップS433において、スマートフォン6は、器具名オブジェクト641で特定される照明器具504について、調光制御オブジェクト642により示される調光率にするよう、クラウド509を介して、セキュリティシステム505に要求する。セキュリティシステム505は、スマートフォン6からの要求に応じ、ゲートウェイ503に対し、器具名オブジェクト641で特定される照明器具504の調光率にするよう指示する。ゲートウェイ503は、器具名オブジェクト641で特定される照明器具504を、指示された調光率になるよう制御する。
【0240】
<3.変形例>
以上、本発明に係る照明システムの実施形態を説明したが、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。更に、本発明の範囲には、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。例示した照明システムを以下のように変形することも可能であり、本発明が上述の実施形態で示した通りの照明器具に限られないことは勿論である。
【0241】
(1)上述の実施形態では、照明システム1、照明システム501において、店舗システム5、セキュリティシステム505が、ゲートウェイ3、ゲートウェイ503を介して複数の照明器具4、照明器具504の制御を行っていたが、これに限るものではなく、ゲートウェイ3、ゲートウェイ503を介さずに直接、制御することとしてもよい。
【0242】
(2)なお、照明システム1において、店舗システム5において作成されたデータを、クラウド9に保持することとしてもよい。スマートフォン6は、アプリなど各種のデータをクラウド9からダウンロードできることとしてもよい。店舗システム5において作成されたデータを、クラウド9を介して、スマートフォン6内に格納できることとしてもよい。
【0243】
(4)上述の実施形態では、ビーコン信号110、ビーコン信号530に含める情報として、クライアントID111、店舗ID112、店舗内場所ID113、建屋ID531、部屋ID532、権限ID533を用いていたが、これに限るものではない。例えば、アプリ、画像、GUI、メニューなど、表示対象を選択するための判断に資する情報であってもよい。
【0244】
(5)ビーコン信号530には、例えば第2の制御情報として、ビーコン信号530を出力する照明器具の状況を表す情報を含めてもよい。例えば、ビーコン信号530には、点灯/消灯、調光率などを示す状態情報を含めることが考えられる。また、状態情報を反映した表示をスマートフォン6に行うこととしても良い。
【0245】
図15では、点灯している照明器具については、点灯していることを示す器具アイコン646を表示し、消灯している照明器具に関しては、消灯していることを示す器具アイコン647を表示している。
【0246】
また、ビーコン信号530に含める状態情報は、照明器具に関するものに限らず、他の制御対象に関するものでもよく、例えば、空調のオン/オフや、設定温度などであってもよい。この場合、照明器具と空調装置とが情報交換を行って、照明器具が、空調の状態を取得することとしてもよいし、セキュリティシステム505が、各器具、装置の状態を一括して把握し、それらの状態情報を照明器具に送信することとしてもよい。
【0247】
受信した状態情報について、スマートフォン6の画面に表示することとしてもよい。
【0248】
(6)上述の実施形態では、光源にLEDを用いていたが、これに限らず、他の光源であってもよい。例えば、有機EL又は有機LED(Organic Electroluminescence又はOrganic Light Emitting Diode)、電界放出ディスプレイ(Field Emission Display)などであってもよい。
【0249】
(7)上述の実施形態において、店舗システム5、セキュリティシステム505はコンピュータシステムとしたが、一例として、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、タブレット端末及びスマートフォンなどが想定される。
【0250】
(8)上述の実施形態及び各変形例を、部分的に組み合せてもよい。
【0251】
<4.発明の抽出>
以下、更に本発明の一実施形態としての照明器具の構成及びその変形例と効果について説明する。
【0252】
(1)本発明の一実施形態に係る照明システムは、ビーコン発信機を備えた複数の照明器具と、前記ビーコン発信機により送信されるビーコン信号を受信する情報処理端末とを備える照明システムであって、前記情報処理端末は、前記複数の照明器具から前記ビーコン信号を受信し、前記ビーコン信号に応じた画面を表示する。
【0253】
この構成によれば、本発明に係る照明システムは、照明器具からビーコン信号を送信することで、常時通電を容易に実現でき、情報処理端末に表示させる画面を、ビーコン信号に応じて変更させることができるため、多様なサービスそれぞれに対応することができる。 (2)また、前記照明システムは、前記ビーコン信号は、第1の制御情報及び第2の制御情報を含み、前記情報処理端末は、前記複数の照明器具から前記ビーコン信号を受信し、前記第1の制御情報に応じたアプリケーションを立ち上げ、前記第2の制御情報に対応する画面を表示することとしてもよい。
【0254】
この構成によれば、第1の制御情報に応じたアプリケーションにおいて表示する画面を、第2の制御情報に応じて変更させることができるため、操作の異なる多様なサービスそれぞれに対応することができる。
【0255】
(3)また、前記照明システムは、複数の場所に導入され、前記第1の制御情報の内容は同じであり、前記第2の制御情報は、配された前記場所を識別する情報であり、前記情報処理端末は、前記画面として、前記第2の制御情報により特定される前記場所に応じた画面を表示することとしてもよい。
【0256】
この構成によれば、情報処理端末に、場所に特有の画面を表示させることができ、多様なサービスそれぞれに対応することができる。
【0257】
(4)また、前記照明システムは、サーバ装置を含み、前記情報処理端末は、前記サーバ装置から、前記画面に関連する情報を受信して画面表示することとしてもよい。
【0258】
この構成によれば、情報処理端末の画面に表示させる情報を、サーバ装置による制御によって自由に変更することができる。
【0259】
(5)また、前記サーバ装置は、前記画面に関連する情報として、現在時刻に応じて異なる情報を送信することとしてもよい。
【0260】
この構成によれば、情報処理端末に表示する画面を、時間ごとに変更することができる。
【0261】
(6)また、前記ビーコン信号は、前記ビーコン信号を送信する照明器具の位置を示す位置情報を含み、前記サーバ装置は、前記情報処置端末が受信したビーコン信号を、前記情報処理端末から取得し、前記位置情報に基づき、前記情報処理端末の前記場所内での位置をディスプレイに表示することとしてもよい。
【0262】
この構成によれば、例えば、場所を一例として店舗とした場合、店舗の店員が、情報処置端末の位置を把握することができ、例えば、店舗内で提供する商品を、情報処理端末の所持者に届けることができ、サービスの向上を図ることができる。
【0263】
(7)また、前記照明器具が送信する前記ビーコン信号に含まれる前記第2の制御情報の内容は、現在時刻に応じて異なることとしてもよい。
【0264】
この構成によれば、情報処理端末を用いて行うことができる操作を、時間ごとに変更することができる。
【0265】
(8)また、前記照明器具が送信する前記ビーコン信号に含まれる前記第2の制御情報の内容は、前記照明器具の点灯状態を示すこととしてもよい。
【0266】
この構成によれば、情報処理端末において、ビーコン信号を受信するという簡易な通信により、送信元である照明器具の点灯状態を把握することができる。
【0267】
(9)本発明の一実施形態に係る情報処理端末を備えた照明システムに用いられる照明器具であって、前記情報処理端末は、ビーコン信号に応じた画面を表示し、前記照明器具は、ビーコン信号を送信するビーコン発信機を備える。
【0268】
この構成によれば、本発明に係る照明システムは、照明器具からビーコン信号を送信することで、常時通電を容易に実現でき、情報処理端末に表示させる画面を、ビーコン信号に応じて変更させることができるため、多様なサービスそれぞれに対応することができる。
【符号の説明】
【0269】
1、501 照明システム
2 店舗
3、503 ゲートウェイ
4、504 照明器具
5 店舗システム
6 スマートフォン
7 調理システム
9、509 クラウド
20 飲食スペース
31 無線通信部
32 有線通信部
33 記憶部
34 制御部
41 器具本体
42 電源装置
43 ワイヤレスモジュール
44 光源部
45 電力供給部
46 ソケット部
48 無線通信部
49 端子部
61 制御部
61 制御部
62 ROM
63 RAM
64 無線通信部
65 タッチパネル
110 ビーコン信号
210 注文情報
211 受付番号
212 商品名
213 注文数
214 金額
221 注文商品情報
222 注文商品情報
223 注文商品情報
250 注文情報データベース
310ビーコン受信通知パネル
311、312、421、422、423、424、425 ボタン
330 A社アプリ
332 セット表示ボタン
333 クーポン表示ボタン
334 メニュー表示ボタン
340 メニュー画面
341 バーガータブ
342 飲み物タブ
343 サラダタブ
344 デザートタブ
351、352、353、354、355、356 商品パネル
361 商品名
362 商品価格
363 購入個数
371 合計金額
372 注文ボタン
390 クーポン画面
392、393、394 クーポン画像
411 総合タブ
412 国内タブ
413 海外タブ
414 文化タブ
431 受付番号パネル
432 待ち時間情報パネル
450 ゲーム画面
470、475 画像
502 建屋
505 セキュリティシステム
511 自動ドア
512 ドア制御装置
515 H会議室
530 ビーコン信号
541 入館・入室ステータス
542 照明制御ステータス
543 空調制御ステータス
544 部屋施錠解錠ステータス
551 調光ステータス
552 調色ステータス
553 スケジュール運転設定ステータス
610 入館アプリ
612 QRコード
630 調光制御画面
631、632、633、634 調光制御パネル
641 器具名オブジェクト
642 調光制御オブジェクト
643 調光バー
644 調光スイッチ
645 調光率設定オブジェクト
646、647 器具アイコン
AR1、AR2、AR3、AR4 エリア