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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158085
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】太陽光パネルの解体装置
(51)【国際特許分類】
   B09B 3/30 20220101AFI20221006BHJP
【FI】
B09B3/00 Z ZAB
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062744
(22)【出願日】2021-04-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-13
(71)【出願人】
【識別番号】506405426
【氏名又は名称】株式会社チヨダマシナリー
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】北原 哲五郎
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 豊
【テーマコード(参考)】
4D004
【Fターム(参考)】
4D004AA23
4D004CA02
(57)【要約】
【課題】端子箱を太陽光パネルから取外すことを可能にし、解体作業者の労力を軽減することができる太陽光パネルの解体装置を提供する。
【解決手段】太陽光パネル30のフレーム部材31,32に当接させるフレーム押出し部10と、太陽光パネル30の端子箱34に当接させる端子箱押出し部50とを備え、端子箱押出し部50が、太陽光パネル30の表面に対して平行に移動し、端子箱押出し部50のブレード部を端子箱34に当接させて太陽光パネル30の外部に押出すことを特徴とする。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導線を接続固定する端子箱およびフレーム部材が固定されている太陽光パネルを載置させる載置部と、
前記フレーム部材に当接させるフレーム押出し部と、
前記端子箱に当接させる端子箱押出し部と、
前記載置部に載置された前記太陽光パネルの表面に対して平行に、前記フレーム押出し部および前記端子箱押出し部を移動させて前記太陽光パネルの外部に前記フレーム部材および前記端子箱を押出す押出し機構部と、
を備え、
前記端子箱押出し部は、
前記太陽光パネルから前記端子箱を剥がす当接部を有する、
ことを特徴とする太陽光パネルの解体装置。
【請求項2】
前記フレーム押出し部は、
1個の前記フレーム部材の単数または複数箇所に当接させるように備えられ、
前記端子箱押出し部は、
前記フレーム部材の中央、もしくはその近傍の位置に固定された前記端子箱に当接させるように、前記フレーム押出し部の近傍に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネルの解体装置。
【請求項3】
前記押出し機構部は、
前記フレーム押出し部と前記端子箱押出し部との位置関係を維持して、前記フレーム押出し部および前記端子箱押出し部を同時に移動させる、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽光パネルの解体装置。
【請求項4】
前記押出し機構部は、
前記フレーム押出し部の移動と同時に、または、個別に、前記端子箱押出し部を移動させる端子箱押出し機構部を備える、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽光パネルの解体装置。
【請求項5】
前記端子箱押出し部は、
前記太陽光パネルに前記当接部を押し付けるリンク機構部を有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の太陽光パネルの解体装置。
【請求項6】
前記端子箱押出し部を複数備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の太陽光パネルの解体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、太陽光パネルを構成する端子箱等を取外す太陽光パネルの解体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽光発電は、複数の半導体を積層させた太陽電池を複数個並べて電気接続し、大型パネルとなるように構成した太陽光パネルが実用化されている。
太陽光パネルは、屋外に設置されることから、降雨、降雪、強風等に耐えられるように設計製造されているが、荒天等によって破損することがある。
また、長期間の使用によって、気温変化や太陽光(紫外線)等による劣化が進行する。そのため、一般的な太陽光パネルは、20~30年程度が寿命とされている。
太陽光発電の普及に伴い、上記のように、荒天等によって破損したものや、寿命を迎えたものなど、廃棄される太陽光パネルが増大している。
【0003】
一般的な太陽光パネルは、多数のセルを並べてパネル状に構成されており、パネル状の外周部分を、例えば、アルミ製のフレーム部材を用いて固定している。
太陽光パネルを廃棄する場合、リサイクルが可能となるように、パネルの外周部分からフレーム部材を取外す作業が行われる。このフレーム部材を取外すとき、爪部材をアクチュエータによって移動させ、フレーム部材に押圧を加える装置がある(特許文献1)。
【0004】
また、太陽光パネルは、各セルが発電した電力を、例えばパワーコンディショナー等に送電する送電ケーブル等が接続されている。この太陽光パネルは、端子箱を備えて送電ケーブル等の端部を固定し、また、この送電ケーブルを各セル等に電気接続させている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6647519号公報
【特許文献2】登録実用新案第3202623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
太陽光パネルを解体するときには、フレーム部材、ならびに、端子箱を取り外す作業が行われるが、特に、端子箱は、電気絶縁性を備えるために樹脂部材で形成された部分が含まれており、粉砕する可能性がある。即ち、取外す際に加える力等を考慮しなければ、粉砕された廃材等を収集、清掃する手間が生じる。
そのため、接続箱等は、解体作業者等の手作業によって、粉砕等が生じないように太陽光パネルから取外していた。
即ち、太陽光パネルの解体作業を簡便にすることが難しく、解体作業者等の労力を軽減することが困難になっていた。
【0007】
本開示は、上記の問題を解決するために行われたもので、端子箱を太陽光パネルから取外すことを可能にし、解体作業者の労力を軽減することができる太陽光パネルの解体装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る太陽光パネルの解体装置は、導線を接続固定する端子箱およびフレーム部材が固定されている太陽光パネルを載置させる載置部と、前記フレーム部材に当接させるフレーム押出し部と、前記端子箱に当接させる端子箱押出し部と、前記載置部に載置された前記太陽光パネルの表面に対して平行に、前記フレーム押出し部および前記端子箱押出し部を移動させて前記太陽光パネルの外部に前記フレーム部材および前記端子箱を押出す押出し機構部と、を備え、前記端子箱押出し部は、前記太陽光パネルから前記端子箱を剥がす当接部を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記フレーム押出し部は、1個の前記フレーム部材の単数または複数箇所に当接させるように備えられ、前記端子箱押出し部は、前記フレーム部材の中央、もしくはその近傍の位置に固定された前記端子箱に当接させるように、前記フレーム押出し部の近傍に配置されることを特徴とする。
【0010】
また、前記押出し機構部は、前記フレーム押出し部と前記端子箱押出し部との位置関係を維持して、前記フレーム押出し部および前記端子箱押出し部を同時に移動させることを特徴とする。
【0011】
また、前記押出し機構部は、前記フレーム押出し部の移動と同時に、または、個別に、前記端子箱押出し部を移動させる端子箱押出し機構部を備えることを特徴とする。
【0012】
また、前記端子箱押出し部は、前記太陽光パネルに前記当接部を押し付けるリンク機構部を有することを特徴とする。
【0013】
また、前記端子箱押出し部を複数備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本開示によれば、太陽光パネルを解体するとき、端子箱の取外しに要する解体作業者の労力を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の実施の形態1による解体装置の側方を見た場合の側面図である。
図2図1の解体装置を構成する取外し機構部の稼働部分を示す説明図である。
図3図1の解体装置を上方から見た場合の構成を示す説明図である。
図4図1の解体装置を側方から見た場合の、端子箱押出し部の構成を示す説明図である。
図5図1の解体装置の動作を示す説明図である。
図6】本開示の実施の形態4による解体装置を上方から見た場合の構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の一形態を説明する。
(実施の形態1)
図1は、本開示の実施の形態1による解体装置1の側方を見た場合の側面図である。
解体装置1は、例えば、金属製の複数の長手部材を用いて構成された筐体2を備え、この筐体2に、後述する各部が設置されている。
筐体2は、複数の長手部材を接合して格子状に形成させたもので、例えば、床面に対して鉛直に設置された4本の筐体支柱部材2c、隣り合う2本の筐体支柱部材2c間を繋ぐ各筐体下側部材2a、および、各筐体上側部材2bによって構成されている。各筐体下側部材2aおよび各筐体上側部材2bは、それぞれ床面に対して平行に配置され、各筐体下側部材2aは、各筐体支柱部材2cの下側を接続し、各筐体上側部材2bは、各筐体支柱部材2cの上側を接続している。
【0017】
解体装置1は、上方から見たとき、上面部分が長方形となるように構成されている。この長方形の4隅には、筐体支柱部材2cがそれぞれ配置され、各筐体支柱部材2cの頭部には、例えば、筐体2の上側部分において、短辺部分となる筐体上側部材2b、および、長辺部分となる筐体上側部材2bがそれぞれ接続されている。
筐体2は、上側部分に取外し機構部5が設置されており、例えば、各筐体上側部材2bに、取外し機構部5が固定されている。
解体装置1は、取外し機構部5が載置部3等の上側に配置されている。また、各筐体下側部材2aに昇降機構部4が設置固定されている。
【0018】
昇降機構部4は、筐体2の内部において、載置部3を上下方向に移動させることができるように配置構成されている。
詳しくは、昇降機構部4は、載置部3の下側部分を支持し、載置部3の上面を水平に保ちながら上下方向へ移動させるように構成されている。
載置部3は、上面に太陽光パネル(図示省略)を載置させ、この太陽光パネルを所定位置に位置決め固定する位置決め具等を備えて構成されている。
【0019】
取外し機構部5は、例えば、筐体上側部材2bに設置されており、載置部3に載置された太陽光パネルと接することができるように、筐体2の内部に配置されている。
また、載置部3等の上側には、例えば、取外し機構部5の一部分として、筐体上側部材2bに設置され、載置部3に載置された太陽光パネルと接することができるように、端子箱押出し部50が配置されている。
【0020】
解体装置1は、筐体2の適当な位置に固定された操作部6を備えている。ここで例示する解体装置1の操作部6は、例えば、筐体2の外側に配置され、筐体支柱部材2c、筐体上側部材2b等に固定されている。
操作部6は、昇降機構部4、取外し機構部5等の動作を操作する複数のスイッチを備え、例えば、昇降機構部4、取外し機構部5を動作させる圧縮空気の供給、各部へ供給された圧縮空気の排気等を制御するように、上記の各スイッチに配線接続等が行われている。なお、ここでは、上記の圧縮空気を生成するコンプレッサ(エアポンプ)や、上記の各機構部へ圧縮空気を送る配管等の図示を省略する。
【0021】
図2は、図1の解体装置1を構成する取外し機構部5の稼働部分を示す説明図である。この図は、解体装置1を上方から見たとき、筐体2内部に設置された取外し機構部5の稼働部分を示している。
取外し機構部5は、載置部3に載置された太陽光パネルの各フレーム部材を取外すフレーム押出し部10を4つ備え、また、端子箱押出し部50(図示省略)、長辺押出し機構部20および短辺押出し機構部21を備えている。
なお、図2において2点鎖線で表したフレーム押出し部10は、長辺押出し機構部20、短辺押出し機構部21によって移動する各フレーム押出し部10の可動範囲において、最も外側の位置Bに配置されたものを表している。
【0022】
フレーム押出し部10は、載置部3に載置された太陽光パネルの表面と平行に配置された部材であり、例えば、適度な厚みを有する板状の部材で、長辺押出し機構部20によって支持されている。
フレーム押出し部10は、上方から見たとき、フレーム押出し部10の縁辺部分となる長辺対向部位10aと短辺対向部位10bとを有する。
長辺対向部位10aは、例えば、短辺対向部位10bよりも長く形成された縁辺部分であり、短辺対向部位10bは、長辺対向部位10aに直交する縁辺部分である。
【0023】
長辺対向部位10aおよび短辺対向部位10bは、載置部3に載置された太陽光パネルの各フレーム部材にそれぞれ対向する位置に配置されている。
詳しくは、長辺対向部位10aは、後述する太陽光パネル30の長辺フレーム部材31に当接する(対向する)位置に配置され、短辺対向部位10bは、太陽光パネル30の短辺フレーム部材32に当接する(対向する)位置に配置されている。
【0024】
長辺対向部位10aは、先端側(短辺対向部位10bおよび長辺対向部位10aによって形成される角部を、長辺対向部位10aの延設方向における一の端部としたとき、長辺対向部位10aの延設方向における他の端部となる側)、もしくはその近傍に、突起部11を有している。
突起部11は、長辺対向部位10aの長手方向に直交する方向へ突出しており、載置部3に載置された太陽光パネル30の長辺フレーム部材31へ向かって突出するように設けられている。
短辺対向部位10bは、基端側(長辺対向部位10aおよび短辺対向部位10bによって形成される角部の短辺対向部位10b側)、もしくはその近傍に突起部12を有している。
突起部12は、短辺対向部位10bの長手方向に直交する方向へ突出しており、載置部3に載置された太陽光パネル30の短辺フレーム部材32へ向かって突出するように設けられている。
【0025】
長辺押出し機構部20は、例えば、フレーム押出し部10を吊り下げるように支持し、このフレーム押出し部10を(載置部3に載置された太陽光パネル30の表面に沿って)水平に移動させる駆動シリンダ(例えば、圧縮空気によって稼働するエアスライドシリンダ)を備えている。ここで例示する解体装置1は、1つのフレーム押出し部10に対して1つの長辺押出し機構部20が設置されている。
各長辺押出し機構部20は、載置部3に載置された太陽光パネル30の長辺の延設方向に対して直交する方向に、フレーム押出し部10を移動させるように配置されている。
【0026】
短辺押出し機構部21は、例えば、筐体上側部材2bに固定され、長辺押出し機構部20を上方から支持して、これらを水平に(載置部3に載置された太陽光パネル30の表面に沿って)移動させる駆動シリンダ部21a,21bを備えている。
即ち、短辺押出し機構部21は、各長辺押出し機構部20を介して各フレーム押出し部10を支持している。
【0027】
駆動シリンダ部21a,21bは、例えば、圧縮空気によって稼働するエアスライドシリンダによって構成され、各々2つの長辺押出し機構部20を移動させるように、これらを支持している。
詳しくは、短辺押出し機構部21は、例えば、駆動シリンダ部21aおよび駆動シリンダ部21bが同一軸線上で各々の方向へ往復動作するように配置されており、短辺押出し機構部21の長手方向において、2つの駆動シリンダ部21a,21bが直線状に配置されている。
【0028】
図3は、図1の解体装置1を上方から見た場合の構成を示す説明図である。この図は、解体装置1に設置された太陽光パネル30、この太陽光パネル30の表面上に配置されたフレーム押出し部10および端子箱押出し部50を表している。
太陽光パネル30は、複数の太陽電池セル33を縦横に並べて、パネル表面を長方形に形成したものである。上記のように並べられた太陽電池セル33の表面には、例えば、図示されないガラス製の表面カバーが重畳され、太陽光パネル30の表面を覆っている。
【0029】
太陽光パネル30は、外周部分に2つの長辺フレーム部材31および2つの短辺フレーム部材32が固定されており、これらのフレーム部材によってパネル縁周が囲われている。
長辺フレーム部材31および短辺フレーム部材32は、それぞれ直線状に形成され、太陽光パネル30の厚み方向において、積層配置された表面カバー(図示省略)、太陽電池セル33、バックシート(図示省略)等を挟み込んで、太陽光パネル30に取付け固定されている。
【0030】
ここで例示する太陽光パネル30は、いずれか一方の短辺フレーム部材32の近傍に、もしくは、短辺フレーム部材32に当接させて、端子箱34が固定されている。端子箱34は、例えば、接着剤等を用いて太陽光パネル30の表面に固定されている。
詳しくは、端子箱34は、図3において右側の短辺フレーム部材32の内側の位置であって、この短辺フレーム部材32の長手方向の中央(もしくはその近傍の)位置に取付けられている。
端子箱34は、耐候性ならびに絶縁性を備えた、例えば、樹脂素材を用いて、箱状、もしくは略箱状に形成されている。また、端子箱34は、外部から引き込まれた複数の導線等(図示省略)の端部をねじ止めして、これら各導線等を電気接続する端子台等を内部に備えている。
換言すると、端子箱34は、各太陽電池セル33の出力電力を伝送する導線と、例えば、パワーコンディショナーの電力入力部等から引き出された導線とを接続し、また、各接続部分の漏電、短絡等を防ぐように構成されている。
【0031】
ここで、太陽光パネル30に取付けられている長辺フレーム部材31の長手方向(短辺フレーム部材32の長手方向に直交する方向)をX軸方向とする。また、太陽光パネル30に取付けられている短辺フレーム部材32の長手方向をY軸方向とする。
例えば、端子箱34が、図3に示した位置(図中、右側の短辺フレーム部材32の長手中央の位置)、もしくはその近傍の位置に取付けられているとき、取外し機構部5は、端子箱34が取付けられている側の短辺フレーム部材32に向かって移動する2つのフレーム押出し部10、即ち、(図2の)駆動シリンダ部21bに支持されている2つのフレーム押出し部10の間に端子箱押出し部50を配置させている。
【0032】
図4は、図1の解体装置1を側方から見た場合の、端子箱押出し部50の構成を示す説明図である。
端子箱押出し部50は、例えば、端子箱34の幅員(Y軸方向の幅員)よりも幅広のスクレーパ状に形成されたブレード部50a(当接部)を備えている。
ブレード部50aは、例えば、スクレーパ状の先端部分が鋭利に形成され、端子箱押出し部50を端子箱34に向かって移動させると、上記の先端部分が太陽光パネル30の表面と端子箱34の下端部分との間に当接し、この間に割り込むように侵入して、太陽光パネル30の表面から端子箱34を上側に浮き上がらせて、剥がすことができる形状に形成されている。
【0033】
端子箱押出し部50は、太陽光パネル30のパネル表面に対して平行となるように、スクレーパ状のブレード部50aを支持する支持部50bを備えて構成されている。
支持部50bは、例えば、駆動シリンダ部21bが動作することにより、ブレード部50aが、太陽光パネル30のパネル表面に沿ってX軸方向に移動するように、ブレード部50aと駆動シリンダ部21bとを接続している。
また、支持部50bは、後述するように、端子箱34等を取外す高さに載置部3が調整されたとき、太陽光パネル30に固定されている端子箱34の下端部分と、太陽光パネル30の表面との間に、ブレード部50aの鋭利な先端部分が当接するように、当該ブレード部50aを支持している。
【0034】
端子箱押出し部50は、太陽光パネル30に取付けられている端子箱34に、ブレード部50aの鋭利な先端部分を向けて、駆動シリンダ部21bに支持されている。
また、端子箱押出し部50は、支持部50bとブレード部50aとの間にリンク機構部50cを有している。即ち、ブレード部50aは、リンク機構部50cによって支持部50bに接続されている。
リンク機構部50cは、例えば、ブレード部50aの背後側(先端部分の後側)部分において支持部50bと接続し、ブレード部50aの先端部分が上下方向に揺動するように回動する。
【0035】
リンク機構部50cは、自在に回動するように構成されているため、ブレード部50aは、自重によって下方に下がり(先端部分等が最も下がり)、載置部3に載置された太陽光パネル30の表面に押し付けられる。
なお、例えば、リンク機構部50cに、ばね部材等を用いた押圧部を備え、ブレード部50aに押圧を加えて太陽光パネル30の表面に押し付けるように構成してもよい。
また、端子箱押出し部50は、リンク機構部50c等を備えず、支持部50bにブレード部50aを固定させて構成してもよい。
【0036】
解体装置1は、例えば、操作部6に、後述する各機構部の動作を制御するプログラム、制御量を表すデータ等を記憶している記憶装置(メモリ等のデバイス)、操作部6の操作スイッチ等に行われた操作や、解体装置1の各部に設置されたセンサ等の出力信号に応じて、また、上記の記憶装置に記憶されているプログラム、データ等を用いて、各機構部の動作を制御するプロセッサ等によって構成された制御部(図示省略)を備えている。
以下に説明する各機構部等の動作は、上記の制御部等による制御に応じた動作である。
【0037】
次に動作について説明する。
図5は、図1の解体装置1の動作を示す説明図である。この図は、載置部3(図示省略)に載置して、取外し機構部5(図示省略)に接近させた太陽光パネル30の表面上を移動する各フレーム押出し部10、端子箱押出し部50等を示している。
【0038】
初めに、端子箱34が上側に配置されるように(端子箱押出し部50等に端子箱34が対向するように)太陽光パネル30を載置部3に載置する。操作部6に所定の操作が行われると、例えば、操作部6の制御部が昇降機構部4の動作を制御して、太陽光パネル30が載置されている載置部3を取外し機構部5へ向かって上昇させ、また、適当に下降させることによって所定の高さ(太陽光パネル30の位置決めを行う高さ、即ち、載置部3に載置されている太陽光パネル30の位置を調整することができる高さ)に調整して停止させる。
【0039】
次に、解体装置1は、載置部3に載置された太陽光パネル30の位置決めを行う。
制御部は、例えば、図2に示した短辺押出し機構部21を動作させ、X軸方向に沿って各フレーム押出し部10を(所定の距離だけ)移動させ、X軸方向について太陽光パネル30の位置決めを行う。
このとき、図5において、縦方向(X軸方向)に並んでいる2つのフレーム押出し部10を1組とし、各組のフレーム押出し部10の間がX軸方向に沿って開くように、当該フレーム押出し部10を移動させる。
【0040】
太陽光パネル30の載置位置が所定位置からずれている場合、各フレーム押出し部10が上記のように動作すると、いずれかのフレーム押出し部10が短辺フレーム部材32に当接して、太陽光パネル30をX軸方向に沿っていずれかの方向に移動させる。
この後、制御部は、短辺押出し機構部21の動作を反転させて、各フレーム押出し部10を、左右方向(X軸方向)において、閉じるように移動させ、例えば、位置A(長辺フレーム部材31の長手方向の端部から適当に離れた位置)に配置させる。
【0041】
上記のように太陽光パネル30の位置決めが行われた後、各フレーム押出し部10が位置Aに配置されたとき、端子箱押出し部50は位置Cに配置される。
解体装置1は、前述のように、駆動シリンダ部21bに端子箱押出し部50が接続(支持)されており、この端子箱押出し部50は、図中、右側に配置された(上下2つの)フレーム押出し部10とともに(位置関係を維持して同時に)X軸方向に移動する。
解体装置1に備える端子箱押出し部50は、ブレード部50aの鋭利な先端部分が、(上記2つの)フレーム押出し部10の短辺対向部位10bから突出しないように、駆動シリンダ部21bに支持されている。
【0042】
なお、例えば、短辺フレーム部材32を曲げずに取外すことを必須としないときには、ブレード部50aの先端部分がフレーム押出し部10から突出しない配置に限定されない。即ち、短辺フレーム部材32に向かって移動する方向において、フレーム押出し部10の後側にブレード部50aを配置しなくてもよい。換言すると、ブレード部50aの配置は、フレーム押出し部10に対して前側、後側等のいずれの位置でもよい。
ブレード部50a、もしくは端子箱押出し部50は、短辺フレーム部材32に向かって移動する方向において、フレーム押出し部10との配置関係が固定されるように(端子箱34を剥がすことができる強度を備えて)駆動シリンダ部21bに支持されている。
【0043】
前述のように、X軸方向について太陽光パネル30の位置決めを行い、各フレーム押出し部10を位置Aに配置させた後、制御部は、例えば、各長辺押出し機構部20を動作させて、Y軸方向に各フレーム押出し部10を(所定の距離だけ)移動させ、Y軸方向について太陽光パネル30の位置決めを行う。
このとき、Y軸方向(図5において横方向)に並んでいる2つのフレーム押出し部10を1組とし、図中上側に配置されている2つのフレーム押出し部10を、上方向に移動させ、図中下側に配置されている2つのフレーム押出し部10を、下方向に移動させる。
換言すると、各フレーム押出し部10を、Y軸方向において開くように移動させる。
【0044】
上記の各長辺押出し機構部20の動作により、各フレーム押出し部10は、太陽光パネル30の載置位置が所定位置からずれている場合、いずれかの長辺フレーム部材31に当接して、太陽光パネル30をY軸方向に沿って移動させ、太陽光パネル30の位置決めを行い、太陽光パネル30を所定位置に配置させる。
なお、太陽光パネル30の位置決め等を行う際には、短辺押出し機構部21ならびに長辺押出し機構部20は、後述する各フレーム部材を取り外す場合に比べて、弱い力で各フレーム押出し部10を移動させ、いずれかのフレーム部材に穏やかに当接させるように動作する。
【0045】
上記のように太陽光パネル30の位置決めを行った後、解体装置1は、太陽光パネル30の短辺フレーム部材32、および、端子箱34を取り外すための動作を開始する。
制御部は、昇降機構部4を制御して、例えば、載置部3を上限の位置まで上昇させ、太陽光パネル30の短辺フレーム部材32、端子箱34を取外す高さ(後述するように、短辺フレーム部材32に各フレーム押出し部10を当接させることができ、また、端子箱34に端子箱押出し部50を当接させることができる高さ)に、当該載置部3を配置させる。
【0046】
次に、制御部は、例えば、長辺押出し機構部20を制御して、図5において上下方向に並んでいる2つのフレーム押出し部10の間の距離を調整する。
即ち、例えば、駆動シリンダ部21aに支持されている2つの長辺押出し機構部20を動作させ、これらに支持固定されている2つのフレーム押出し部10が、予め設定されている所定の位置に配置されるように調整する。
また、駆動シリンダ部21bに支持されている2つの長辺押出し機構部20を動作させ、これらに支持固定されている2つのフレーム押出し部10が、予め設定されている所定の位置に配置されるように調整する。
なお、以下の動作説明では、駆動シリンダ部21bを例示して説明するが、駆動シリンダ部21aに支持された2つの長辺押出し機構部20、ならびに、これら長辺押出し機構部20に支持固定されている2つのフレーム押出し部10についても、同様に配置位置の調整が行われ、また、後述する押出し動作についても同様に行われる。
【0047】
前述の各フレーム押出し部10の配置位置の調整により、駆動シリンダ部21bに支持された(各長辺押出し機構部20によって移動された)各フレーム押出し部10が、短辺フレーム部材32の長手方向中央を中心に対称配置される。
詳しくは、当該配置位置の調整により、駆動シリンダ部21bに支持された一のフレーム押出し部10は、突起部12が、例えば、短辺フレーム部材32の長手方向の一端部の近傍(短辺押出し機構部21によって押圧を加えたとき、短辺フレーム部材32に折れ曲がりが生じない位置)と対向する。
【0048】
また、一のフレーム押出し部10の短辺対向部位10bの一部分は、一のフレーム押出し部10の突起部12が短辺フレーム部材32に当接する位置よりも、短辺フレーム部材32の長手方向中央側であって、短辺フレーム部材32の長手方向中央よりも端部側の所定位置(短辺押出し機構部21によって押圧を加えたとき、短辺フレーム部材32に折れ曲がりが生じない位置)と対向するように配置される。
【0049】
また、一のフレーム押出し部10と対称配置される、駆動シリンダ部21bに支持された他のフレーム押出し部10は、突起部12が、例えば、短辺フレーム部材32の長手方向の他端部の近傍(短辺押出し機構部21によって押圧を加えたとき、短辺フレーム部材32に折れ曲がりが生じない位置)と対向する。
また、他のフレーム押出し部10の短辺対向部位10bの一部分は、突起部12が短辺フレーム部材32に当接する位置よりも、短辺フレーム部材32の長手方向中央側であって、短辺フレーム部材32の長手方向中央よりも他端部側の所定位置と対向するように配置される。
【0050】
換言すると、各フレーム押出し部10の突起部12を、短辺フレーム部材32の長手方向各端部に対向させ、各フレーム押出し部10の短辺対向部位10bを、短辺フレーム部材32の長手方向各端部から長手方向中央に向かって離れた位置に対向させる。
具体的には、例えば、突起部12が、短辺フレーム部材32の長手方向各端部、またはその近傍の位置と対向し、また、短辺対向部位10bの一部分が、短辺フレーム部材32の長手方向各端部から長手方向中央に向かって、短辺フレーム部材32の長手方向長さの三分の一、またはその近傍の位置と対向するように、フレーム押出し部10を配置させる。
このように、フレーム押出し部10の配置位置が、Y軸方向について調整されているとき、端子箱押出し部50は、位置Cに配置固定されている。
【0051】
なお、上記のフレーム押出し部10の短辺対向部位10bの一部分は、突起部12から離間され、突起部12が短辺フレーム部材32に当接する位置よりも、短辺フレーム部材32の長手方向中央側であって、短辺フレーム部材32の長手方向中央よりも端部側の所定位置と当接することができる部分である。
また、上記の突起部12と短辺対向部位10bの一部分とは、いずれも短辺フレーム部材32に押圧を加えたとき、短辺フレーム部材32に折れ曲がり等が生じない、それぞれの位置に当接することができる程度に離間された部分である。
【0052】
前述のように各フレーム押出し部10(および端子箱押出し部50)を配置させた後、制御部は、駆動シリンダ部21bを稼働させ、駆動シリンダ部21bに支持されている2つのフレーム押出し部10をX軸方向に移動させ、短辺フレーム部材32に同時に押し当てる。
このとき、各フレーム押出し部10の突起部12が、短辺フレーム部材32の長手方向各端部に当接し、また、当該フレーム押出し部10の短辺対向部位10bが、短辺フレーム部材32の長手方向各端部から長手方向中央に向かって離れた位置に当接し、短辺フレーム部材32に押圧を加えて、太陽光パネル30の縁辺部分から当該短辺フレーム部材32が外れる。
【0053】
詳しくは、短辺フレーム部材32に、2つのフレーム押出し部10が押し当てられるとき、各フレーム押出し部10に設けられた突起部12が、先に短辺フレーム部材32の、例えば各端部またはその近傍に当接する。
また、駆動シリンダ部21bの稼働が継続することによって、各フレーム押出し部10の短辺対向部位10bの一部分が、短辺フレーム部材32の所定位置(突起部12の当接位置よりも、短辺フレーム部材32の長手方向の中央側であって、押圧を加えたときに短辺フレーム部材32に折れ曲がり等が生じない位置)に当接する。具体的には、各フレーム押出し部10の短辺対向部位10bの一部分は、例えば、短辺フレーム部材32の長手方向各端部から長手方向中央へ向かって、短辺フレーム部材32の長手方向長さの三分の一またはその近傍の位置に当接して、短辺フレーム部材32に押圧を加える。
【0054】
上記のように、突起部12と短辺対向部位10bの一部分は、短辺フレーム部材32に当接するタイミングがずれる。そのため、短辺フレーム部材32の長手方向中央等には、例えば、曲がり変形が残らない(折れ曲がりが生じない)程度の大きな曲率で湾曲させようとする応力が生じる。
即ち、フレーム押出し部10は、短辺フレーム部材32に曲がり変形が生じない曲率で湾曲させる応力が生じるように(短辺フレーム部材32に当接するタイミングが適度にずれるように)、突起部12を短辺対向部位10bから突出させている。
また、フレーム押出し部10は、上記の応力が生じるように、短辺フレーム部材32に当接する短辺対向部位10bの一部分と突起部12とを、短辺フレーム部材32(長手方向の長さ等)に応じた距離で離間して備えている。
【0055】
制御部は、上記のように駆動シリンダ部21b等の動作を制御し、短辺フレーム部材32に、上記の湾曲させる応力を生じさせながらフレーム押出し部10を押し当てて、太陽光パネル30から短辺フレーム部材32を取外す。
上記のように駆動シリンダ部21bが稼働するとき、前述の2つのフレーム押出し部10とともに、端子箱押出し部50が(端子箱34に向かて)移動し、太陽光パネル30から端子箱34を取外す。
【0056】
解体装置1は、短辺フレーム部材32の取外し動作を開始する前において、図5に示した位置Cに端子箱34が配置されている。
即ち、端子箱押出し部50は、(駆動シリンダ部21bに支持された)2つのフレーム押出し部10の端部(短辺対向部位10b、突起部12)から突出しないようにされている。
換言すると、端子箱押出し部50は、2つのフレーム押出し部10の、短辺フレーム部材32に当接する部分よりも、X軸方向において後方にブレード部50aが配置されるように、駆動シリンダ部21bに支持されている。
上記のように配置された端子箱押出し部50を、フレーム押出し部10とともに移動させると、フレーム押出し部10の上記の端部が、短辺フレーム部材32を押出した後、もしくは、短辺フレーム部材32に当接した後、当該端子箱押出し部50が端子箱34に当接する。
【0057】
駆動シリンダ部21bに支持された2つのフレーム押出し部10を、短辺フレーム部材32が太陽光パネル30から外れる位置まで移動させると、端子箱押出し部50は、位置Dに到達して太陽光パネル30の端部から端子箱34を押出す。
具体的には、フレーム押出し部10が、太陽光パネル30の外部に短辺フレーム部材32を押出した後、端子箱押出し部50のブレード部50aが端子箱34の下端部分と太陽光パネル30の表面との間に食い込み、太陽光パネル30から端子箱34を剥がして、太陽光パネル30の外部に押出す。
即ち、短辺フレーム部材32が先に太陽光パネル30から取外され、短辺フレーム部材32が障害とならずに、端子箱34を取外すことができる。
【0058】
なお、ここで例示した端子箱押出し部50は、ブレード部50aを端子箱34の下端部分に当接させているが、太陽光パネル30から端子箱34を剥がすことができるのであれば、端子箱34の他の部分にブレード部50aを当接させてもよい。
即ち、例えば、端子箱34の端壁部分等にブレード部50aを当接させて剥がすようにしてもよい。このとき、ブレード部50aの形状は、図4等に例示したものに限定されない。
【0059】
この後、制御部は、昇降機構部4を制御して、載置部3を所定の高さまで下降させる。
次に、制御部は、各短辺押出し機構部21を制御して、上記のように各短辺フレーム部材32を押出した各フレーム押出し部10を所定の位置に(例えば、各短辺フレーム部材32を押出した各フレーム押出し部10の間が閉じるように)移動させる。
具体的には、短辺フレーム部材32を太陽光パネル30の外部まで押出した各フレーム押出し部10を、太陽光パネル30の上側の位置に移動させる。
【0060】
この後、制御部は、長辺フレーム部材31の取り外し動作を開始する。
なお、ここでは、図5において上側に配置されている長辺フレーム部材31の取外し動作について説明する。また、説明を省略する(図5において)下側に配置されている長辺フレーム部材31の取外し動作は、駆動シリンダ部21aの下側に配置されている長辺押出し機構部20、および、駆動シリンダ部21bの下側に配置されている長辺押出し機構部20の各動作によって、図5の上側に配置されている長辺フレーム部材31の取外し動作と同様に行われる。
【0061】
制御部は、昇降機構部4を制御して、例えば、載置部3を上限の位置まで上昇させ、太陽光パネル30の各フレーム部材を取外す高さ(後述するように、長辺フレーム部材31に各フレーム押出し部10を当接させることができる高さ)に、当該載置部3を配置させる。
この後、制御部は、短辺押出し機構部21を制御して、X軸方向に並んでいる2つのフレーム押出し部10の配置位置を調整する。
【0062】
即ち、駆動シリンダ部21aに支持されている長辺押出し機構部20に支持固定されているフレーム押出し部10が、長辺フレーム部材31の長手方向の一端部側の部位と対向する位置に配置され、駆動シリンダ部21bに支持されている長辺押出し機構部20に支持固定されているフレーム押出し部10が、長辺フレーム部材31の長手方向の他端部側の部位と対向する位置に配置されるように調整する。
このとき、駆動シリンダ部21aによって移動されたフレーム押出し部10と、駆動シリンダ部21bによって移動されたフレーム押出し部10とは、長辺フレーム部材31の長手方向中央を中心に対称配置される。
【0063】
上記のように、短辺押出し機構部21(駆動シリンダ部21aおよび駆動シリンダ部21b)によって各フレーム押出し部10の配置位置を調整することにより、各フレーム押出し部10の長辺対向部位10aの一部分は、例えば、長辺フレーム部材31の長手方向の各端部の近傍(長辺押出し機構部20によって押圧を加えたとき、長辺フレーム部材31に折れ曲がりが生じない位置)に対向する。
また、各フレーム押出し部10の突起部11は、当該フレーム押出し部10の突起部11が長辺フレーム部材31に当接する位置よりも、長辺フレーム部材31の長手方向中央側であって、長辺フレーム部材31の長手方向中央よりも各端部側の所定位置にそれぞれ対向するように配置される。
【0064】
詳しくは、例えば、駆動シリンダ部21aによって移動されたフレーム押出し部10は、長辺対向部位10aの一部分が、例えば、長辺フレーム部材31の長手方向の一端部の近傍と対向し、突起部11が、長辺フレーム部材31の長手方向中央よりも一端部側の所定位置と対向するように配置される。
また、駆動シリンダ部21bによって移動されたフレーム押出し部10は、長辺対向部位10aの一部分が、例えば、長辺フレーム部材31の長手方向の他端部の近傍と対向し、突起部11が、長辺フレーム部材31の長手方向中央よりも他端部側の所定位置と対向するように配置される。
【0065】
換言すると、各フレーム押出し部10を、駆動シリンダ部21aならびに駆動シリンダ部21bによって移動させ、各フレーム押出し部10の突起部11を、長辺フレーム部材31の長手方向中央近傍であって、長手方向中央から長手方向各端部に向かって離れた位置に対向させる。また、各フレーム押出し部10の長辺対向部位10aを、突起部11が対向する位置から長辺フレーム部材31の長手方向各端部に向かって離れた位置に対向させる。
【0066】
具体的には、例えば、各フレーム押出し部10の突起部11が、長辺フレーム部材31の長手方向中央から長手方向各端部へ向かって、長辺フレーム部材31の長手方向長さの八分の一、または、その近傍の位置に対向し、また、長辺対向部位10aの一部分が、長辺フレーム部材31の長手方向各端部から長手方向中央へ向かって、長辺フレーム部材31の長手方向長さの八分の一、または、その近傍の位置と対向するように、当該各フレーム押出し部10が配置される。
【0067】
即ち、フレーム押出し部10の長辺対向部位10aの一部分は、前述のように、短辺対向部位10bおよび長辺対向部位10aによって形成される角部の、長辺対向部位10a側の部分である(この角部に設けられている)。
また、このフレーム押出し部10の、突起部11は、長辺対向部位10aの一部分から離間され、この長辺対向部位10aの一部分が当接する位置よりも、長辺フレーム部材31の長手方向中央側であって、長辺フレーム部材31の長手方向中央よりも端部側の所定位置と当接することができる位置に設けられている。
なお、突起部11と長辺対向部位10aの一部分とは、いずれも長辺フレーム部材31に押圧を加えたとき、長辺フレーム部材31に折れ曲がり等が生じない、それぞれの位置に当接することができる程度に離間されている。
【0068】
上記のように、長辺フレーム部材31の長手方向について、2つのフレーム押出し部10の配置位置が設定されると、制御部が、駆動シリンダ部21aに支持された長辺押出し機構部20と、駆動シリンダ部21bに支持された長辺押出し機構部20とを、例えば同期させて稼働させ、上記の2つのフレーム押出し部10が(間隔を維持して)Y軸方向に沿って移動し、長辺フレーム部材31に同時に押し当てられ、さらに押圧が加えられて太陽光パネル30から長辺フレーム部材31が取外される。
即ち、各フレーム押出し部10の突起部11を、長辺フレーム部材31の長手方向中央近傍であって、長手方向中央から長手方向各端部に向かって離れた位置に当接させる。また、各フレーム押出し部10の長辺対向部位10aを、突起部11が当接する位置から長辺フレーム部材31の長手方向各端部に向かって離れた位置に当接させて押圧を加え、長辺フレーム部材31を取外す。
【0069】
詳しくは、上記のように長辺フレーム部材31に、2つのフレーム押出し部10が押し当てられるとき、各フレーム押出し部10に設けられた突起部11が、先に長辺フレーム部材31の所定位置(押圧を加えたときに長辺フレーム部材31に折れ曲がり等が生じない位置)に当接する。また、各長辺押出し機構部20の稼働が継続することによって、各フレーム押出し部10の長辺対向部位10aの一部分が、長辺フレーム部材31の、例えば長手方向中央よりも各端部に近い位置に当接して押圧が加えられる。
【0070】
具体的には、例えば、各フレーム押出し部10の突起部11が、長辺フレーム部材31の長手方向中央から長手方向各端部へ向かって、長辺フレーム部材31の長手方向長さの八分の一、または、その近傍の位置に当接し、各フレーム押出し部10の長辺対向部位10aの一部分が、長辺フレーム部材31の長手方向各端部から長手方向中央へ向かって、長辺フレーム部材31の長手方向長さの八分の一、または、その近傍の位置に当接して押圧が加えられる。
なお、突起部11が、長辺フレーム部材31を押圧する位置は、長辺フレーム部材31の長手方向中央から長手方向端部までの間隔(範囲)のうち、当該間隔(範囲)の中間である中間部から長手方向中央の近傍までの間であればよい。
【0071】
上記のように、突起部11と長辺対向部位10aの一部分は、長辺フレーム部材31に当接するタイミングがずれる。そのため、長辺フレーム部材31の中央部分の近傍(中央部分の周辺)等には、例えば、曲がり変形が残らない(折れ曲がりが生じない)程度の大きな曲率で湾曲させようとする応力が生じる。
即ち、フレーム押出し部10は、長辺フレーム部材31に曲がり変形が生じない曲率で湾曲させる応力が生じるように(長辺フレーム部材31に当接するタイミングが適度にずれるように)、突起部11を短辺対向部位10bから突出させている。
また、フレーム押出し部10は、上記の応力が生じるように、長辺フレーム部材31に当接する長辺対向部位10aの一部分と突起部11とを、長辺フレーム部材31(長手方向の長さ等)に応じた距離で離間して備えている。
【0072】
制御部は、上記のように各長辺押出し機構部20等の動作を制御し、長辺フレーム部材31に、上記の湾曲させる応力を生じさせながらフレーム押出し部10を押し当てて、太陽光パネル30から長辺フレーム部材31を取外す。
この後、制御部は、長辺押出し機構部20を制御して各フレーム押出し部10を所定位置に(例えば、各長辺フレーム部材31を押出した各フレーム押出し部10の間が閉じるように)移動させる。
また、制御部は、昇降機構部4等を制御して、例えば、所定時間の経過後に載置部3を下降させ、取外し機構部5から載置部3を離間して、載置部3から太陽光パネル30等を取外す(除去する)ことができる状態にする。
【0073】
(実施の形態2)
実施の形態2による解体装置は、概ね実施の形態1の解体装置1と同様に構成されており、駆動シリンダ部21bに支持された2つのフレーム押出し部10とは、別途、端子箱押出し部50がX軸方向に移動するように構成されている。
即ち、実施の形態2による解体装置は、端子箱押出し部50を支持し、フレーム押出し部10とは個別にX軸方向に移動させる(太陽光パネル30に取付けられている端子箱34に向かって移動させる)駆動シリンダ等(端子箱押出し機構部)を備えている。
【0074】
実施の形態2による解体装置の制御部は、例えば、太陽光パネル30の位置決めを行い、先に短辺フレーム部材32を取外し、またさらに、長辺フレーム部材31を取外した後、上記の端子箱押出し部50を移動させる駆動シリンダ等を制御し(動作させ)、端子箱押出し部50を端子箱34に当接させて、太陽光パネル30から取外すように動作する。
なお、上記の端子箱押出し部50の動作以外は(フレーム押出し部10の動作等は)実施の形態1で説明したように動作する。
【0075】
(実施の形態3)
実施の形態3による解体装置は、実施の形態2の解体装置と同様に構成されており、フレーム押出し部10とは個別に、端子箱押出し部50をX軸方向に移動させる(太陽光パネル30に取付けられている端子箱34に向かって移動させる)駆動シリンダ等を備えている。
実施の形態3による解体装置の動作は、当該解体装置の制御部が、例えば、実施の形態1で説明したように太陽光パネル30の位置決めを行う。
その後、フレーム押出し部10を短辺フレーム部材32(および長辺フレーム部材31)に向かって移動させる前に、上記の端子箱押出し部50を移動させる駆動シリンダ等を制御し(動作させ)、端子箱押出し部50のブレード部50aを、太陽光パネル30の表面と端子箱34の下端部分との間に当接させ、太陽光パネル30から端子箱34を上側に持ち上げるように剥がして、太陽光パネル30の外部に押出す。
【0076】
この後、実施の形態1で説明したように各フレーム押出し部10を移動させて短辺フレーム部材32、長辺フレーム部材31を取外す。
なお、実施の形態2および実施の形態3の解体装置のように、端子箱押出し部50を移動させる駆動シリンダ等(端子箱押出し機構部)を備えた場合においても、フレーム押出し部10と端子箱押出し部50とを同時に移動させることが可能である。
【0077】
(実施の形態4)
図6は、本開示の実施の形態4による解体装置を上方から見た場合の構成を示す説明図である。実施の形態4による解体装置は、それぞれ異なる方向に移動する端子箱押出し部50を2つ備えており、例えば、実施の形態1で説明した解体装置1の構成において、さらに、駆動シリンダ部21aに第2の端子箱押出し部50を支持させたものである。
上記の第2の端子箱押出し部50は、図6において左側に配置されたもので、図中、破線で示した(左側に示した)端子箱34に向かって移動するように駆動シリンダ部21aに支持されている。
第2の端子箱押出し部50は、実施の形態1で説明した端子箱押出し部50(駆動シリンダ部21bに支持されている第1の端子箱押出し部50)と同様に構成されており、ブレード部50aの先端部分を、破線で示した端子箱34に向けて配置されている。
【0078】
このように、複数の(第1および第2の)端子箱押出し部50を備え、対向配置された各短辺フレーム部材32に向かってそれぞれ移動する(異なる方向に移動する)ように構成することにより、図中、右側に端子箱34を備えた太陽光パネル30、および、左側に端子箱34を備えた太陽光パネル30のどちらかを載置部3に載置させるとき、載置方向を変更することなく端子箱34を取外すことが可能になる。
【0079】
なお、実施の形態2、ならびに、実施の形態3で説明した各解体装置においても、図6の左側に配置された第2の端子箱押出し部50を備え、また、破線で示した端子箱34に向かって第2の端子箱押出し部50を移動させる第2の駆動シリンダ等(第2の端子箱押出し機構部)を備えることも可能である。
【0080】
実施の形態1~実施の形態4で説明した各解体装置は、エアスライドシリンダ等を備えて、圧縮空気を用いて動作するように構成されているが、本件発明による解体装置は、電動のサーボ、アクチュエータ等を用いて動作する構成や、油圧シリンダ等を用いて動作するように構成することも可能である。
【0081】
実施の形態1~実施の形態4で説明した各解体装置は、短辺フレーム部材32の中央(またはその近傍)に固定されている端子箱34を取外すように、当該短辺フレーム部材32を取外す2つのフレーム押出し部10の間に端子箱押出し部50を配置している。
例えば、太陽光パネル30が、長辺フレーム部材31の中央(またはその近傍の位置)に端子箱34を固定して構成されている場合には、当該長辺フレーム部材31に向かってフレーム押出し部10を移動させる、いずれかの長辺押出し機構部20に端子箱押出し部50を支持させて構成するとよい。
【0082】
なお、上記の端子箱押出し部50は、長辺フレーム部材31を押出すように動作する2つのフレーム押出し部10の間に配置される。
あるいは、実施の形態2、実施の形態3で説明した、端子箱押出し部50を(端子箱34に向かって)移動させる駆動シリンダ等(端子箱押出し機構部)を備え、上記の長辺フレーム部材31の中央(またはその近傍の位置)に向かって端子箱押出し部50を移動させるように構成してもよい。
【0083】
また、実施の形態1~実施の形態4の解体装置は、短辺フレーム部材32(1個のフレーム部材)に当接させる2つのフレーム押出し部10の間に、端子箱押出し部50を配置しているが、本件発明の解体装置は、1個のフレーム部材に単数のフレーム押出し部等を当接させる構成において、当該フレーム押出し部等の近傍に端子箱押出し部50を配置することも可能である。
【0084】
本件発明の太陽光パネルの解体装置は、前述の単数または2つの端子箱押出し部50を備える構成に限定されず、さらに多くの端子箱押出し部50を備えて構成することも可能である。
このように複数の端子箱押出し部50を備えた場合、各端子箱押出し部50を、それぞれ異なる方向(端子箱34が設置固定されている位置)に移動させる駆動シリンダ等(端子箱押出し機構部)を備えて、多様な位置に端子箱34が設置固定されている太陽光パネル30に対応することができるように(任意の位置に設置固定された端子箱34に、いずれかの端子箱押出し部50を当接させることができるように)構成するとよい。
上記のように構成すると、載置部3に様々な太陽光パネル30を同じ向きに載置しても、端子箱34を取外すことが可能になり、またさらに、複数の端子箱34を備えた太陽光パネル30から、全ての端子箱34を速やかに取外すことも可能になる。
【符号の説明】
【0085】
1 解体装置
2 筐体
2a 筐体下側部材
2b 筐体上側部材
2c 筐体支柱部材
3 載置部
4 昇降機構部
5 取外し機構部
6 操作部
10 フレーム押出し部
10a 長辺対向部位
10b 短辺対向部位
11 突起部
12 突起部
20 長辺押出し機構部
21 短辺押出し機構部
21a 駆動シリンダ部
21b 駆動シリンダ部
30 太陽光パネル
31 長辺フレーム部材
32 短辺フレーム部材
33 太陽電池セル
34 端子箱
50 端子箱押出し部
50a ブレード部
50b 支持部
50c リンク機構部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2021-10-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導線を接続固定する端子箱およびフレーム部材が固定されている太陽光パネルを載置させる載置部と、
前記フレーム部材に当接させるフレーム押出し部と、
前記端子箱に当接させる端子箱押出し部と、
前記載置部に載置された前記太陽光パネルの表面に対して平行に、前記フレーム押出し部および前記端子箱押出し部を移動させて前記太陽光パネルの外部に前記フレーム部材および前記端子箱を押出す押出し機構部と、
を備え、
前記端子箱押出し部は、
スクレーパ状の先端部分を前記端子箱に当接させて該端子箱を前記太陽光パネルから剥がす当接部を有し、
前記押出し機構部は、
前記フレーム押出し部と前記端子箱押出し部との位置関係を維持して、前記フレーム押出し部および前記端子箱押出し部を同時に移動させる、
ことを特徴とする太陽光パネルの解体装置。
【請求項2】
前記フレーム押出し部は、
1個の前記フレーム部材の単数または複数箇所に当接させるように備えられ、
前記端子箱押出し部は、
前記フレーム部材の中央、もしくはその近傍の位置に固定された前記端子箱に当接させるように、前記フレーム押出し部の近傍に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネルの解体装置。
【請求項3】
前記端子箱押出し部は、
前記太陽光パネルに前記当接部を押し付けるリンク機構部を有する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽光パネルの解体装置。
【請求項4】
前記端子箱押出し部を複数備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の太陽光パネルの解体装置。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導線を接続固定する端子箱および、所定の軸方向において対向配置された第1フレーム部材および第2フレーム部材を含む複数のフレーム部材が固定されている太陽光パネルを載置させる載置部と、
前記複数のフレーム部材に当接させるフレーム押出し部と、
前記端子箱に当接させる第1端子箱押出し部と、
前記載置部に載置された前記太陽光パネルの表面に対して平行に、前記フレーム押出し部および前記第1端子箱押出し部を移動させて前記太陽光パネルの外部に前記複数のフレーム部材および前記端子箱を押出す押出し機構部と、
を備え、
前記第1端子箱押出し部は、
スクレーパ状の先端部分を前記端子箱に当接させて該端子箱を前記太陽光パネルから剥がす当接部を有し、
前記フレーム押出し部は、
前記複数のフレーム部材にそれぞれ当接する第1フレーム押出し部および第2フレーム押出し部を有し、
前記押出し機構部は、
前記第1フレーム押出し部および前記第2フレーム押出し部を、それぞれ逆方向に移動させて、前記第1フレーム押出し部を前記第1フレーム部材に当接させ、前記第2フレーム押出し部を前記第2フレーム部材に当接させるとともに、前記第1フレーム押出し部と前記第1端子箱押出し部との位置関係を維持して、前記第1フレーム押出し部および前記第1端子箱押出し部を同時に移動させる、
ことを特徴とする太陽光パネルの解体装置。
【請求項2】
前記フレーム押出し部は、
1個の前記フレーム部材の単数または複数箇所に当接させるように備えられ、
前記第1端子箱押出し部は、
前記第1フレーム部材の中央、もしくはその近傍の位置に固定された前記端子箱に当接させるように、前記第1フレーム押出し部の近傍に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の太陽光パネルの解体装置。
【請求項3】
前記第1端子箱押出し部は、
前記太陽光パネルに前記当接部を押し付けるリンク機構部を有する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の太陽光パネルの解体装置。
【請求項4】
前記押出し機構部によって、前記第1端子箱押出し部の移動方向の逆方向に移動する第2端子箱押出し部を、前記第2フレーム押出し部の近傍に備える、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の太陽光パネルの解体装置。