(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158086
(43)【公開日】2022-10-14
(54)【発明の名称】水流センサ、水流測定システム及び水流測定方法
(51)【国際特許分類】
G01P 5/08 20060101AFI20221006BHJP
G08C 17/00 20060101ALI20221006BHJP
G01F 23/18 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G01P5/08 A
G08C17/00 Z
G01F23/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062745
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100129067
【弁理士】
【氏名又は名称】町田 能章
(74)【代理人】
【識別番号】100183162
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 義文
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】西川 雅之
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 友博
【テーマコード(参考)】
2F014
2F073
【Fターム(参考)】
2F014BA10
2F073AA01
2F073AA11
2F073AA19
2F073AA40
2F073AB01
2F073AB04
2F073AB05
2F073BB01
2F073BB04
2F073BC01
2F073BC02
2F073CC03
2F073CC12
2F073CC14
2F073CD11
2F073DE02
2F073DE06
2F073DE13
2F073EE01
2F073EE13
2F073FF01
2F073FF12
2F073FG01
2F073FG02
2F073FH09
2F073GG01
2F073GG08
(57)【要約】
【課題】水流を用いて駆動する。
【解決手段】水の流速を用いて発電する水流発電機1と、水の圧力を検出する水圧センサ3と、前記水流発電機と前記温度水圧センサとを固定する筐体(5)と、前記水流発電機の発電電力と前記水圧センサの出力信号とを外部に出力するケーブル(6)と、該水流発電機及び該水圧センサ3の出力信号を取得する測定制御機器100とを備える水流測定システム200であって、測定制御機器100は、水流発電機1が発電する発電電力を用いて駆動するものであり、測定制御機器100は、キャパシタ13及び二次電池12の何れか一方又は双方に充電する充電制御部21と、充電制御部21が二次電池12に充電する充電電流が二次電池12に固有の最小充電電流値以下である場合、キャパシタ13に充電すると共に、水の圧力が閾値以下であるときに、消費電力を規制する消費電力規制部25とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水の流速を用いて発電する水流発電機と、
前記水の圧力を検出する水圧センサと、
前記水流発電機と前記水圧センサとを固定する筐体と、
前記水流発電機の発電電力と前記水圧センサの出力信号とを外部に出力するケーブルと
を備える
ことを特徴とする水流センサ。
【請求項2】
請求項1に記載の水流センサであって、
前記水流発電機は、流速センサとして使用されるものであり、
前記水の温度を検出する温度センサをさらに備える
ことを特徴とする水流センサ。
【請求項3】
請求項2に記載の水流センサと該水流センサの出力信号を取得する測定制御機器とを備える水流測定システムであって、
前記測定制御機器は、前記発電電力を用いて駆動する
ことを特徴とする水流測定システム。
【請求項4】
請求項3に記載の水流測定システムであって、
前記測定制御機器は、キャパシタ及び二次電池の何れか一方又は双方に充電する充電回路と、
前記二次電池に充電する充電電流が前記二次電池に固有の最小充電電流値以下である場合、前記水流発電機が発電した発電電力を前記キャパシタに充電する充電制御部と、
前記充電制御部が前記キャパシタに充電している場合に、前記水の圧力及び温度の何れか一方が閾値以下になったときに、消費電力を規制する消費電力規制部と、
を備えることを特徴とする水流測定システム。
【請求項5】
請求項4に記載の水流測定システムであって、
前記充電制御部は、該充電電流が前記二次電池に固有の最小充電電流値を超えているときに前記二次電池に充電する
ことを特徴とする水流測定システム。
【請求項6】
請求項4又は請求項5に記載の水流測定システムであって、
水の流速と前記水の圧力及び温度の何れか一方又は双方とのデータを無線送信する無線部をさらに備え、
前記消費電力規制部は、前記水の圧力及び温度の何れか一方が閾値以下になったときに、前記水流センサと前記無線部との正常な稼働を判定するヘルスチェックを行い、前記無線部に送信させる
ことを特徴とする水流測定システム。
【請求項7】
水の流速を用いて発電する水流発電機と、前記水の圧力及び温度の何れか一方又は双方を検出する温度水圧センサとを備える水流センサの出力信号を取得する測定制御機器であって、
前記測定制御機器は、前記水流発電機が発電する発電電力を用いて駆動するものである
ことを特徴とする測定制御機器。
【請求項8】
請求項7に記載の測定制御機器であって、
前記測定制御機器は、キャパシタ及び二次電池の何れか一方又は双方に充電する充電制御部と、
前記充電制御部が前記二次電池に充電する充電電流が前記二次電池に固有の最小充電電流値以下である場合、前記キャパシタに充電すると共に、前記水の圧力及び温度の何れか一方が閾値以下であるときに、消費電力を規制する消費電力規制部と、
を備えることを特徴とする測定制御機器。
【請求項9】
水の流速を用いて発電する水流発電機と、前記水の圧力及び温度の何れか一方又は双方を検出する温度水圧センサとを備える水流センサの出力信号を取得する測定制御機器が実行する水流測定方法であって、
前記測定制御機器は、前記水流発電機が発電する発電電力を用いて駆動する
ことを特徴とする水流測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水流センサ、水流測定システム、測定制御機器、及び水流測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
河川には、洪水等を把握するため、水位計や監視カメラが設置されている。このような河川監視カメラは、太陽光発電で駆動するように構成されていることが多い。太陽電池で駆動する河川監視カメラは、電源線及び通信線の敷設が不要である。
【0003】
また、特許文献1には、ドップラー式流向流速計が搭載された観測ブイを用いて、表層水温、水圧を含む流況データを認識する小形観測ブイシステムが開示されている。この小形観測ブイシステムは、観測ブイが水没している間の流向流速計で測定された表層水温、水圧を含む流況データを認識し、水没を判定するように構成されている。また、この観測ブイには、ソーラーパネルが備えられており、太陽光発電により様々な機器を作動させることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013-184531号公報(
図2,請求項3、段落0046)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
河川監視カメラであっても、特許文献1に記載の観測ブイであっても、太陽光発電を用いている。そのため、これらの河川観測カメラや観測ブイの技術は、太陽光が届かない暗渠された河川や下水で使用することができない。なお、特許文献1に記載の観測ブイは、水圧を測定しているものの、水没の判定を行うものであり、水位測定を前提にしたものではない。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、水流を用いて駆動することができる水流センサ、水流測定システム、測定制御機器及び水流測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するために、本発明の水流センサ(10)は、水の流速を用いて発電する水流発電機(1)と、前記水の圧力を検出する水圧センサ(3)と、前記水流発電機と前記温度水圧センサとを固定する筐体(5)と、前記水流発電機の発電電力と前記水圧センサの出力信号とを外部に出力するケーブル(6)とを備えることを特徴とする。なお、括弧内の符号や文字は、実施形態において付した符号等であって、本発明を限定するものではない。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、水流を用いて駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態である水流測定システムの構成図である。
【
図2】本発明の水流測定システムの動作を説明するためのフローチャートである。
【
図3】充電制御部の動作を説明するためのフローチャートである。
【
図4】本発明の第2実施形態である水流測定システムの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態につき詳細に説明する。なお、各図は、実施形態を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0011】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態である水流測定システムの構成図である。
水流測定システム200は、水の流速、水の圧力、水の温度を測定する水流センサ10をケーブル6で接続する測定制御機器100と、無線装置150とが無線通信可能に接続されたものである。また、測定制御機器100には、二次電池12とキャパシタ13とが取り付けられており、二次電池12及びキャパシタ13は、水流発電機1の発電電力によって充電される。
【0012】
水流センサ10は、暗渠になった川や下水等の日光が届きにくい場所であって、例えば、水深1m程度の所に配設されるものである。水流センサ10は、水流発電機1と、水温センサ2と、水位センサ3とが一体化されて筐体5に固定されている。なお、筐体5は、水底や水路の壁面に固定される。水流発電機1は、発電電力の換算によって、流速センサとして機能する。水温センサ2は、水の温度を測定するものである。水位センサ3は、水圧を測定する水圧センサを用いており、水圧に基づいて、水の水位を求めることができる。
【0013】
測定制御機器100は、充放電回路16と、制御部20と、無線部30とを備え、ケーブル6を介して水流センサ10と接続する。充放電回路16には、二次電池12及びキャパシタ13が取り付けられており、水流発電機1が発電する発電電力を、直接、二次電池12に充電したり、キャパシタ13を介して二次電池12に充電したりする。キャパシタ13は、例えば、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタである。
【0014】
二次電池12は、例えば、リチウムイオン電池やニッケル水素電池、ニカド電池、鉛蓄電池である。二次電池12は、水流発電機1が発電した発電電力、又はキャパシタ13に一時的に蓄電したエネルギを蓄える。二次電池12は、微小な電流では、充電が行われず、固有の電流(以下、最小充電電流)で充電が開始される特性を有する。つまり、二次電池12は、固有の最小充電電流以上で充電が行われる特性を有する。二次電池12に固有の最小充電電流値[A]は、種類や構造等によって、予め決まるものであり、例えば、二次電池12の容量[Ah]の数値の0.02倍である。
【0015】
そのため、充放電回路16は、充電電流が二次電池12に固有の最小充電電流以下であるとき、キャパシタ13を介して二次電池12に充電するように構成されている。充放電回路16は、電源入力部14と、電流検出部15と、3つのスイッチS1,S2,S3とを備えている。電源入力部14は、水流発電機1が発電した交流電力を整流・平滑して、直流電圧を出力する。電流検出部15は、電源入力部14の出力電流を検出する。
【0016】
スイッチS1は、電源入力部14が出力した直流電力を二次電池12及びキャパシタ13の何れか一方に充電するように切り替える。このとき、電源入力部14は、二次電池12の充電電圧になっている。制御部20は、電流検出部15が検出した充電電流が二次電池12に固有の最小充電電流を上回ったとき、スイッチS1をa側に設定し、二次電池12の充電を行う。このとき、スイッチS2は、ON状態にして、キャパシタ13の充電を行っても構わない。一方、制御部20は、電流検出部15が検出した電流が二次電池12に固有の最小充電電流を下回ったとき、スイッチS2をOFFにした状態で、スイッチS1をb側に設定し、キャパシタ13の充電を行う。
【0017】
スイッチS2は、二次電池12とキャパシタ13とを接続したり、遮断したりするものである。制御部20は、キャパシタ13の充電電圧が二次電池12の充電電圧よりも高くなったら、スイッチS2をONにして、キャパシタ13に充電された充電電力の一部を二次電池12に放電(移動)させる。
【0018】
スイッチS3は、充電によって、二次電池12の充電電圧が所定電圧以上になったときに、ON状態にして、無線部30に電力供給するものである。なお、スイッチS3のON/OFF状態に拘わらず、二次電池12に充電された充電電力は制御部20等に供給される。
【0019】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)であり、記憶部に格納されたプログラムを実行することにより、充電制御部21と、検出部22と、消費電力規制部25との機能を実現する。
【0020】
充電制御部21は、スイッチS1,S2,S3を制御する機能部である。つまり、充電制御部21は、スイッチS1によって水流発電機1が発電した発電電力を二次電池12及びキャパシタ13の何れか一方に充電し、スイッチS2によってキャパシタ13に充電した直流電力を二次電池12に移動させ、スイッチS3によって二次電池12に蓄電された直流電力を無線部30に供給する。
【0021】
検出部22は、水流発電機1の発電電力を用いて流速に換算し、水温センサ2で水温を検出し、水位センサ3で水位を検出する機能部である。消費電力規制部25は、水流発電機1が発電する水流発電電力が閾値以下であって、且つ水温及び水位の何れか一方が閾値以下であるとき、低消費電力モードに移行する機能部である。
【0022】
水流発電電力の閾値は、二次電池12に固有の最小充電電流値と充電電圧とを乗じた電力の値よりも小さな値である。つまり、制御部20は、水の流速が極めて遅く、キャパシタ13への充電も困難なときに、省電力モードに移行する。また、水温の閾値は、水が凍るような温度(氷結温度と云い、例えば、零下10℃程度)に設定する。この温度(閾値)は、設置場所に特有の温度であり、流速が速ければ、低い温度であり、流速が遅ければ、高い温度(但し、零下)である。なお、川は、水深が低いほど温度が高いので、凍りにくい性質がある。
【0023】
図2は、本発明の水流測定システムの動作を説明するためのフローチャートである。
このフローは、例えば、15分に1回や30分に1回程度の測定頻度で測定制御機器100の制御部20が周期的に実行する。
検出部22は、水流発電機1が発電する発電電力を演算し、水流発電電力が閾値以下であるか否か判定する(S1)。つまり、検出部22は、電流検出部15が検出する検出電流Iと二次電池12の充電電圧との積を演算し、その演算結果が閾値以下であるか否か判定する。水流発電電力が閾値以下であったら(S1で閾値以下)、検出部22は、水温・水位が閾値以下であるか否か判定する(S2)。つまり、検出部22は、水温センサ2の検出温度が氷結温度(例えば、零下10℃程度)以下になったか否かを判定する。これにより、氷結によって、制御部20は、氷結による水流発電困難を把握することができる。また、検出部22は、水圧センサとしての水位センサ3が検出する水圧が閾値以下であることを判定する。これにより、水位が低く、水が無いので、水流発電困難であることを把握することができる。
【0024】
水温・水位が閾値以下であるとき(S2で閾値以下)、充電制御部21は、低消費電力モードに移行する(S3)。具体的には、制御部20は、水流センサ10及び無線部30の機能が正常か否かを示すヘルスチェックを行い、無線部30にヘルスチェック結果を無線装置150に送信させる(S4)。このとき、無線部30の起動は、1日に1回にする。つまり、
図2のフローは、15分に1回や30分に1回程度の頻度で実行されるが、ヘルスチェックの送信は、1日に1回に頻度が低減される。これにより、無線部30で消費される消費電力が低減する。
【0025】
一方、水流発電電力が閾値を超えていたり(S1で閾値超)、水温・水位が閾値を超えていたりしたときには(S2で閾値超)、充電制御部21は、通常動作モードで実行する(S10)。通常動作モードとは、充電制御部21が充放電回路16を制御し、水流センサ10を用いて収集した収集値(流速、水温、水位や水深)を無線部30に送信させることである(S5)。
【0026】
つまり、充電制御部21は、スイッチS1,S2,S3を制御して、水流発電機1が発電した発電電力を二次電池12及びキャパシタ13の何れか一方に充電し、キャパシタ13に充電した充電電力を二次電池12に移動させる。そして、制御部20は、二次電池12に充電された充電電力を用いて、各部を駆動する。そして、制御部20は、水流センサ10を用いて収集した収集値(流速、水温、水位や水深)を無線部30に送信させる(S5)。
【0027】
図3は、充電制御部の動作(S10)を説明するためのフローチャートである。
充電制御部21は、蓄電手段(二次電池12及びキャパシタ13)の電圧が設定電圧以上であるか否か判定する(S11)。蓄電手段の電圧が設定電圧以上であれば(S11で以上)、充電制御部21は、S11の判定を繰り返す。一方、蓄電手段の電圧が設定電圧未満であれば(S11で未満)、充電制御部21は、電流検出部15を用いて電源入力部14の出力電流を検出する(S12)。
【0028】
S12の処理後、充電制御部21は、電源入力部14の出力電流が二次電池12に固有の最小充電電流を超えているか否か判定する(S13)。電源入力部14の出力電流が最小充電電流以下であるとき(S13で最小充電電流以下)、充電制御部21は、キャパシタ13に充電させる(S14)。つまり、充電制御部21は、スイッチS2を開放させた状態で、スイッチS1をキャパシタ13側(b側)に設定する。スイッチS2の開放により、二次電池12には、充電されない。このときであっても、二次電池12の充電電圧が所定電圧を超えていれば、スイッチS3は短絡状態にされており、二次電池12が無線部30を駆動する。
【0029】
S14の処理後、充電制御部21は、キャパシタ13の電圧が所定電圧以上であるか否か判定する(S15)。キャパシタ13の電圧が所定電圧(閾値)未満であるとき(S15で所定電圧未満)、キャパシタ13の電圧の判定を繰り返し、充電を継続する。一方、キャパシタ13の電圧が所定電圧(閾値)以上になったとき(S15で所定電圧以上)、充電制御部21は、キャパシタ13から二次電池12に放電させる(S16)。つまり、充電制御部21は、スイッチS2を短絡させて、キャパシタ13に充電された充電電力を二次電池12に放電させる(S16)。
【0030】
S16の処理後、充電制御部21は、二次電池12の電圧が所定電圧を超えているか否か判定する(S17)。二次電池12の電圧が所定電圧以下であるときは(S17で所定電圧以下)、充電制御部21は、処理をS11に戻し、充電電流(電源入力部14の出力電流)の検出(S12)を行いつつ、二次電池12への充電(S16)を行う。一方、二次電池12の電圧が所定電圧を超えていたとき(S17で所定電圧超)、充電制御部21は、二次電池12の充電を停止する(S18)。つまり、充電制御部21は、スイッチS2を開放させて、二次電池12の充電を停止する(S18)。このとき、スイッチS3は、短絡状態なので、二次電池12は徐々に放電する。
【0031】
そして、S18の後、処理をS11に戻し、二次電池12の電圧が設定電圧まで低下してから充電が繰り返される。なお、制御部20は、割込みによって、繰り返し処理が停止する。
【0032】
ところで、S13の判定において、電源入力部14の出力電流が二次電池12に固有の最小充電電流を超えているとき(S13で最小充電電流超)、充電制御部21は、二次電池12に充電させる(S19)。つまり、充電制御部21は、スイッチS1を二次電池12側(a側)に倒す。このとき、充電制御部21は、スイッチS2を短絡させて、キャパシタ13と二次電池12とを同電位にしても構わない。
【0033】
充電制御部21は、二次電池12の充電電流つまり、電源入力部14の出力電流の値が設定電流(充電電流最大値)を超えているか否か判定する(S20)。充電制御部21は、二次電池12の充電電流が設定電流を超えていれば(S20で設定電流超)、充電制御部21は、電源入力部14に対して、電流制限を行わせ(S21)、二次電池12を保護する。S21の後、処理をS11に戻し、二次電池12の電圧が設定電圧まで低下してから充電が繰り返される。
【0034】
なお、スイッチS3は、二次電池12の電圧が設定値を超えたときに短絡させ、二次電池12の電圧が該設定値以下のときに開放させる。つまり、無線部30は、二次電池12の電圧が設定値を超えたときに、起動する。
【0035】
(第2実施形態)
前記第1実施形態では、測定制御機器100と、水流センサ10とをケーブル6で接続したが、無線通信により接続することもできる。
【0036】
図4は、本発明の第2実施形態である水流測定システムの構成図である。
水流測定システム201は、前記第1実施形態の水流測定システム200と同様に、測定制御機器101と、無線装置150とが無線通信可能に接続されたものである。しかしながら、測定制御機器101と水流センサ10とは、ケーブル6(
図1)で接続することなく、無線部30,31を介して通信可能に接続されている点で相違する。また、測定制御機器101は、水流発電機1が発電する発電電力を用いることなく、太陽電池40が発電する発電電力を用いて駆動する点で相違する。
【0037】
具体的には、水流センサ11は、水流発電機1と、水温センサ2と、水位センサ3と、制御部29と、無線部31とが一体化されて筐体5に固定されている。ここで、制御部29は、流速センサとしての水流発電機1と、水温センサ2と、水位センサ3とが検出したデータを無線部31に送信させるものである。また、制御部29及び無線部31は、水流発電機1が発電した発電電力を用いて駆動するように構成されている。
【0038】
測定制御機器101は、前記第1実施形態の測定制御機器100(
図1)と同様に、制御部29、無線部30及びスイッチS1,S2,S3を備え、二次電池12及びキャパシタ13が取り付けられている。しかしながら、測定制御機器101は、太陽電池40がさらに取り付けられており、電源入力部14の代わりに電源部18を備え、電流検出部15の代わりに発電電流モニタ部19を備えている点で相違する。
【0039】
電源部18は、出力電流を制御することにより太陽電池40を最も効率よく発電する電圧に維持する最大電力点追従(HPPT:Maximum Power PointTracking)機能を有する。電源部18は、その出力電圧が二次電池12に適合するように内部制御している。発電電流モニタ部19は、電源部18の出力電流を検出する。また、無線部30は、無線装置150のみならず、無線部31とも通信を行う。
【0040】
本実施形態の水流測定システム201によれば、水流センサ11と、測定制御機器101との間で流速、水温、水位のデータを送受信することができる。そのため、前記第1実施形態で必要であった水流測定システム200(
図1)が有するケーブル6が不要になる。
【符号の説明】
【0041】
1 流速センサ(水流発電機)
2 水温センサ
3 水位センサ(水圧センサ)
5 筐体
6 ケーブル
10,11 水流センサ(水流発電センサ)
12 二次電池
13 キャパシタ
16,17 充放電回路
20,29 制御部
30,31 無線部
100,101 測定制御機器
150 無線装置
200,201 水流測定システム