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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158101
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】型枠用Pコン代用構造
(51)【国際特許分類】
   E04G 17/06 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
E04G17/06 101Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062773
(22)【出願日】2021-04-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-11-05
(71)【出願人】
【識別番号】521100690
【氏名又は名称】古見 太和
(71)【出願人】
【識別番号】521100704
【氏名又は名称】古見 用大
(71)【出願人】
【識別番号】517340600
【氏名又は名称】古見 秀子
(74)【代理人】
【識別番号】100076082
【弁理士】
【氏名又は名称】福島 康文
(72)【発明者】
【氏名】古見 輝夫
【テーマコード(参考)】
2E150
【Fターム(参考)】
2E150EA01
2E150EB15
2E150EC13
2E150MA11Z
2E150MA54Z
(57)【要約】
【課題】コンクリートの中に埋設されるセパレーターと併用されるPコンを使用すると、跡に穴や窪みが残り、外観を阻害する。この課題を解決したPコン代用構造を実現して、Pコンを無くしたり小径にする。
【解決手段】セパレーターと型枠中を貫通する雄ねじ棒の外周とコンクリートとの間を緩衝する弾性材又は軟性材を介在させてあり、在来のPコンは無い構造とする。また、大型工造物で使用するときに金具を補強し抜取やすくする為に逆形のコンクリートコン等を在来のPコンの代わりに充填剤を充填し、この充填部分と型枠中を貫通する雄ねじ棒の外周との間を緩衝する弾性材又は軟質材を介在させて、在来のPコンが無い構造とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート中に埋設されるセパレーターと型枠中を貫通する雄ねじ棒が筒状ナットで連結され、この雄ねじ棒と一体に設けた鍔環が型枠に圧着され、かつ前記雄ねじ棒の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝する弾性材を介在させてあり、在来のPコンは無いことを特徴とするPコン代用構造。
【請求項2】
大型工造物で使用するときに金具を補強し抜取り易くする為に逆形のコンクリートコンを在来のPコンの代わりに充填剤を充填し、この充填部分と前記雄ねじ棒の外周との間を緩衝する弾性材を介在させてあり、在来のPコンは無いことを特徴とする請求項1記載のPコン代用構造。
【請求項3】
コンクリート中に埋設されるセパレーターの型枠側の端部が、型枠中を貫通する雄ねじ棒と一体に連結したテーパ付き栓の雌ねじ部に取り付け、このテーパ付き栓の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝する弾性材を介在させてあり、小径で抜取やすくした在来のPコンには無いことを特徴とするPコン代用構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート型枠のPコン代用構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、従来のセパレーターと型枠の全容を示す断面図であり、特許文献1 (実用登録第3169976 号)の図4と同じである。コンクリートC中に埋設されるセパレーターSと型枠10中を貫通した雄ねじ棒で連結されている。なお、PコンPは、最終的にはコンクリートC中から除去される。Tはフォームタイ(登録商標)部分である。このようにPコンPは最終的に除去されるので、跡に穴や窪みが残り、外観を阻害する。
【0003】
図11は、従来のセパレーターの各種類であり、セパレーターの両端にはPコンPが付属していて、型枠外面に密着するが、前記のように最終的にPコンは除去される。このPコンPを除去した後のコンクリートCの表面に穴や窪みが残るが、本発明の代用構造によれば、図11の各セパレーターSの両端にPコンPを除去した跡が残るので、跡の穴や窪みを埋めたり塞ぐ必用があり、その作業が負担になり、その人件費も大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用登録第3169976 号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように従来のセパレーターの両端に設けたPコンでは、コンクリートCの外面に、Pコンを除去した跡の穴や窪みが残り、この穴や窪みを埋めたり栓をする必要があり、人件費の負担も大きい。本発明の技術的課題は、Pコンを除去したあとの穴や窪みが残り、この穴や窪みを埋めたり栓をする必要があり、人件費の負担も大きい。本発明のPコン代用構造によれば、面倒で複雑な作業を要せず、省略できる。
本発明の技術的課題は、前記のようなPコン除去後の穴や窪みの原因となるPコンを無くしたり小径とし、穴や窪みによる問題を解消したり軽減する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、コンクリート中に埋設されるセパレーターと型枠中を貫通する雄ねじ棒が筒状ナットで連結され、この雄ねじ棒と一体に設けた鍔環が型枠に圧着され、かつ前記雄ねじ棒の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝する弾性材を介在させてあり、在来のPコンは無いことを特徴とするPコン代用構造である。
【0007】
請求項2は、金具等は請求項1と同じ構造ですが大型工造物等で使用するときに金具を補強し抜取やすくする為に逆形のコンクリートコン等を在来のPコンの代わりに充填剤を充填し、この充填部分と型枠中を貫通する雄ねじ棒の外周との間を緩衝する弾性材又は軟質材を介在させてあり、在来のPコンには無いことを特徴とするPコン代用構造である。
【0008】
請求項3は、コンクリート中に埋設されるセパレーターの型枠側の端部が、型枠中を貫通する雄ねじ棒と一体に連結したテーパ付き栓の雌ねじ部に取り付け、このテーパ付き栓の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝する弾性材又は軟質材を介在させてあり、小径で抜取やすくした在来のPコンには無いことを特徴とするPコン代用構造である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のように、コンクリート中に埋設されるセパレーターと型枠中を貫通する雄ねじ棒が筒状ナットで連結され、この雄ねじ棒と一体に設けた鍔環が型枠に圧着され、かつ前記雄ねじ棒の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝する弾性材を介在させて、雄ねじ棒と型枠を共に除去した跡の穴や窪みは小径となり、跡処理が容易になる。また、前記雄ねじ棒と一体に設けた鍔環が型枠の材質中に圧着されて、コンクリート面が一面に揃い、美しい仕上がりとなる。
【0010】
請求項2のように、在来のPコンの代わりに充填剤を充填し、この充填部分と型枠中を貫通した雄ねじ棒の外周との間を緩衝する弾性材や軟質材を介在させてあるので、前記雄ねじ棒を容易に抜いて、前記充填部分から分離できる。したがって、段落番号(0009)のようにコンクリート面が揃った仕上げとなり後始末も容易となる。
【0011】
請求項3のように、コンクリート中に埋設されるセパレーターの型枠側の端部を、型枠中を貫通する雄ねじ棒と一体に連結したテーパ付き栓の雌ねじ部に取り付け、このテーパ付き栓の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝する弾性材又は軟質材を介在させてあるので、在来のPコンよりテーパ付き栓を除去した跡に穴や窪みは出来るが小さいので、跡処理は簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による鍔環付き雄ねじ棒を示す図である。
図2】本発明による充填方法と鍔環付き方法を示す断面図である。
図3】本発明による凸部付き方法を示す図である。
図4】従来のPコンの使用例である。
図5】鍔環付き雄ねじ棒の具体例を示す断面図である。
図6】鍔環付き雄ねじ棒の具体例を示す断面図である。
図7】鍔環付き雄ねじ棒の具体例を示す断面図である。
図8】鍔環付き雄ねじ棒の具体例を示す断面図である。
図9】凸部付き方法の具体例を示す断面図である。実施例である。
図10】特許文献1 (実用新案登録第3169976 号」の図4(セパレーターと型枠の全容)を示す断面図である。
図11】従来のセパレーターの各種類を示す断面図である
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明によるPコン代用構造が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明によるPコン代用構造と鍔環付き構造が実際に分かるように具体化した断面図である。型枠Fの片側のみを示した図1において、鍔環1aが外端に設けた絞め付け雄ねじ1cが形成された雄ねじ棒1と一体に形成されている。この雄ねじ棒1は型枠F中を貫通しており、内蔵された筒状ナット2の雌ねじでセパレーターSと連結され、この筒状ナット2には、抜取防止のためのフランジ 2bを形成してある。
【0014】
なお、参考までに述べると、鍔環1aとも関連するか、型枠受け用鍔の厚さ及び大きさは強度上必要最低限の寸法以上で丸及び多角型で必要に応じて鉄の場合防錆処理を行う(勾配・曲面型枠には変形型で対応)。前記の筒状ナット2は、強度上必要な寸法の丸及び多角型(表面と同断面が必要に応じて鍔を付ける)である。筒状ナット2中の隙間2aのように、ナット部分のネジの間は必要に応じてセパレーターの錆防止の為、壁を取付ける。また、ナットの鍔の厚み及び位置はフリーとする。
ナット等コミコン部分の材質は最も経済的な材料で金属、合成樹脂等の化学製品やそれらの組合せ品とする。長さは強度上必要に応じた長さとし、大きさも強度上必要に応じボルト以外は丸や多角型とする。また鉄の場合は必要に応じて防錆処理を行う。
【0015】
使用に際して、図2の型枠Fの内側にセメントを充填すると、筒状ナット2はコンクリート中に残留したままとなるが、緩衝材7が介在しているので、雄ねじ棒1は容易に抜ける。この雄ねじ棒1は型枠Fと共にコンクリートから分離されるが、鍔環1aが有るため、型枠Fとコンクリートの表面が一面に揃う。
すなわち、鍔1aが形成された鍔環1aのコンクリート側面が前記型枠Fのコンクリート側面と揃うように、前記雄ねじ棒1の外端の雄ねじ1cを絞めて、鍔1aが型枠の材質に圧着させる。なお、筒状ナット2は、型枠Fや雄ねじ棒1を取り外した後もコンクリート中に残り、コンクリート面は10mm程度の穴や窪みが残るのみである。
【0016】
この穴は、従来のPコンを除去した後の大径の穴に代りが、図3のテーパ付き栓5を除去した跡にできる穴は12mm程度の小型である。従って穴を塞いだり栓をする負担が軽減される。前記方法を実施する装置を図3に示す。Pコン部に代えて充填部5を充填し、この充填部分5と前記テーパ付き栓との間を緩衝する弾性材7の軟質材を介在させて抜取りやすくしてあるので、在来の大径のPコンは存在しない。
【0017】
型枠中を貫通する雄ねじ棒と一体に連結したテーパ付き栓5の雌ねじ部5bに、テーパ付き栓を有する代用構造は、型枠側の端部に凸部5aを有した上に、取り付けてある。この雌ねじ部5bの先端厚みは約1mm以上である。このテーパ付き栓5を簡易に取外せるように外周と充填部分との間を弾性材7のゴムや合成樹脂等の緩衝財等入れて緩衝する弾性材を介在させてあるので、在来のPコンは省略出来、跡に残る穴や窪みはが小さく、跡処理は簡単である。
【0018】
テーパ付き栓5の外端に凸部5aと雄ねじ棒1が一体型の抜取型コミコン5に形成されており、前記雄ねじ棒1の外端の雄ねじ5c を締めると、前記の凸部5aが型枠の材質に圧着される。その結果、型枠10の内面が仕上がったコンクリート面にはPコンの時の30mmより小さい12mm程度の穴以外は平坦となり、一面に揃った美しい仕上がりとなる。なお、凸部5aを圧着する型枠圧着部は、凹形の接着面となっている。
図3の型枠F中を貫通した雄ねじ棒の外端の雄ねじ部を絞め付けると、セパレーターSと連結される。したがって、コンクリート中に埋設されるセパレーターSと型枠F中を貫通した雄ねじ棒部の内端のナット部と一体に連結している構造となる。このナット部の型枠側端部が凸部5aとなっていて前記型枠の材質に圧着される構成となっているため、コンクリートの養生を終えてコンクリート面が乾燥したら、型枠Fを解体除去後は一面が奇麗なコンクリート面となる。
【0019】
図5 乃至図8は鍔環式の具体例を示す図である。図4から図9は、両側の型枠F、Fを使用する例を示した例である。図6は、図2の充填構造を左右両枠に使用した例を示した図である。図7は、片側と他方が約60度の角度を付けた例である。図8は、セパレーターと直接ナット(雌ネジ)を1体化した回転防止機構の平坦形状を設けた例である。図9は、図3のような凸部と充填材構造を左右両側に対称型に設けた例である。図9は、開放型の図3のコンとした例である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
以上のように、コンクリート中に埋設されるセパレーターと型枠中を貫通する雄ねじ棒が筒状ナットで連結され、この雄ねじ棒と一体に設けた鍔環が型枠に圧着され、かつ前記雄ねじ棒の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝する弾力材を介在させてあるので、雄ねじ棒を型枠と共に除去した跡の穴や窪みは小径となり、跡処理が容易になり、軽減される。また、前記雄ねじ棒と一体に連設された鍔環が型枠の材質中に圧入されて、コンクリート面が一面に揃い、美しい仕上がりとなる。
【0021】
符号の説明
1. 雄ネジ棒
1a. 鍔環
1b. 抜き取り用つまみ
1c. 型枠側を少し太めにした雄ネジ部分
1d. ナット埋込型コンボルト型枠取外し用等つまみ
2. 筒状ナット(雌ネジ)
2a. ナット埋込型コミコンナット仕切り壁
2b. フランジ
3. ボルト等の抜取後穴の状態
4. ナット埋込型コミコン+コンクリートコン
5. 抜取型コミコン・テーパー付き栓
5a. 型枠接着面は圧着用の凹みを付けた抜取型コミコン
5b. 雌ネジ部 (先端厚みは1mm以上強度の抜取型コミコン)
5c. 六角ソケットレンチ用抜取型コミコン用つまみ
5d. 抜取型コミコン型枠取外し用つまみ
P. 現在多く使用されている標準型Pコン
7. ボルト抜取用緩衝材
S. セパレーター
Sa. 斜め型枠用セパレーター
Sb. 埋込ナット一体型セパレーター
C. コンクリート打設部分
F. 型枠部分.
T. フォームタイ(登録商標)


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【手続補正書】
【提出日】2021-06-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリート中に埋設されるセパレーターと型枠中を貫通する雄ねじ棒が筒状ナットで連結され、この雄ねじ棒と一体に設けた外周寄りが次第に薄くなり、背面が平坦な鍔を有する鍔環が型枠に圧着され、かつ前記雄ねじ棒の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径弾性材を介在させてあることを特徴とするPコン代用構造。
【請求項2】
在来のPコンとは径が逆形のコンクリートコンを在来のPコンに代えて打設し、この打設部分と前記雄ねじ棒の外周との間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径緩衝材を介在させてあり、かつ前記雄ねじ棒と一体に設けた外周寄りが次第に薄くなり、背面が平坦な鍔を有する鍔環が型枠に圧着されることを特徴とするPコン代用構造。
【請求項3】
コンクリート中に埋設されるセパレーターの型枠側の端部を、型枠中を貫通する雄ねじ棒と一体に連結したテーパ付き栓の雌ねじ部に取り付け、このテーパ付き栓の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径緩衝材を介在させてあり、前記テーパ付き栓の型枠側の端部外周を型枠の外面に圧着される凸部としてあり、前記テーパ付き栓をテーパ状に形成して抜取り易くしたことを特徴とするPコン代用構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンクリート型枠のPコン代用構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図10は、従来のセパレーターと型枠の全容を示す断面図であり、特許文献1 (実用登録第3169976 号)の図4と同じである。コンクリートC中に埋設されるセパレーターSと型枠化F中を貫通した雄ねじ棒で連結されている。なお、PコンPは、最終的にはコンクリートC中から除去される。Tはフォームタイ( 登録商標)部分である。このようにPコンPは最終的に除去されるので、跡に穴や窪みが残り、外観を阻害する。
【0003】
図11は、従来のセパレーターの各種類であり、セパレーターの両端にはPコンPが付属していて、型枠外面に密着するが、前記のように最終的にPコンは除去される。このPコンPを除去した後のコンクリートCの表面に穴や窪みが残るが、本発明の代用構造によれば、図11の各セパレーターSの両端にPコンPを除去した跡が残るので、跡の穴や窪みを埋めたり塞ぐ必用があり、その作業が負担になり、その人件費も大きい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用登録第3169976 号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように従来のセパレーターの両端に設けたPコンでは、コンクリートCの外面に、Pコンを除去した跡の穴や窪みが残り、この穴や窪みを埋めたり栓をする必要があり、人件費の負担も大きい。本発明の技術的課題は、Pコンを除去したあとの穴や窪みが残り、この穴や窪みを埋めたり栓をする必要があり、人件費の負担も大きい。本発明のPコン代用構造によれば、面倒で複雑な作業を要せず、省略できる。
本発明の技術的課題は、前記のようなPコン除去後の穴や窪みの原因となるPコンを無くしたり小径とし、穴や窪みによる問題を解消したり軽減する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の技術的課題は次のような手段によって解決される。請求項1は、コンクリート中に埋設されるセパレーターと型枠中を貫通する雄ねじ棒が筒状ナットで連結され、この雄ねじ棒と一体に設けた外周寄りが次第に薄くなり、背面が平坦な鍔を有する鍔環が型枠に圧着され、かつ前記雄ねじ棒の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径弾性材を介在させてあることを特徴とするPコン代用構造である。
【0007】
請求項2は、在来のPコンとは径が逆形のコンクリートコンを在来のPコンに代えて打設し、この打設部分と前記雄ねじ棒の外周との間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径緩衝材を介在させてあり、かつ前記雄ねじ棒と一体に設けた外周寄りが次第に薄くなり、背面が平坦な鍔を有する鍔環が型枠に圧着されることを特徴とするPコン代用構造である。
【0008】
請求項3は、コンクリート中に埋設されるセパレーターの型枠側の端部を、型枠中を貫通する雄ねじ棒と一体に連結したテーパ付き栓の雌ねじ部に取り付け、このテーパ付き栓の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径緩衝材を介在させてあり、前記テーパ付き栓の型枠側の端部外周を型枠の外面に圧着される凸部としてあり、前記テーパ付き栓をテーパ状に形成して抜取り易くしたことを特徴とするPコン代用構造である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のように、コンクリート中に埋設されるセパレーターと型枠中を貫通する雄ねじ棒が筒状ナットで連結され、かつ前記雄ねじ棒の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径弾性材を介在させてあるので、雄ねじ棒が抜き易いだけでなく、型枠を共に除去した跡の穴や窪みは小径となり、跡処理が容易になる。また、雄ねじ棒と一体に設けた外周寄りが次第に薄くなり、背面が平坦な鍔を有する鍔環が型枠に圧着されて、コンクリート面が一面に揃い、美しい仕上がりとなる。
【0010】
請求項2のように、在来のPコンとは径が逆形のコンクリートコンを在来のPコンに代えて打設し、この打設部分と前記雄ねじ棒の外周との間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径緩衝材を介在させてあるので、前記雄ねじ棒を打設部分から容易に分離して、抜ける。しかも、前記雄ねじ棒と一体に設けた外周寄りが次第に薄くなり、背面が平坦な鍔を有する鍔環が型枠に圧着されるので、コンクリート面が一面に揃い、美しい仕上がりとなり、後始末も容易となる。
【0011】
請求項3のように、コンクリート中に埋設されるセパレーターの型枠側の端部を、型枠中を貫通する雄ねじ棒と一体に連結したテーパ付き栓の雌ねじ部に取り付け、このテーパ付き栓の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径緩衝材を介在させてあり、前記テーパ付き栓の型枠側の端部外周を型枠の外面に圧着される凸部としてあり、前記テーパ付き栓をテーパ状に形成して抜取り易くすると共に境界を緩衝する弾性材又は軟質材を介在させてあるので、雄ねじ棒を抜き取り易くなり、跡に残った穴や窪みも小さいので、跡処理も簡単になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明による鍔環付き雄ねじ棒を示す図である。
図2】本発明による充填方法と鍔環付き方法を示す断面図である。
図3】本発明による凸部付き方法を示す図である。
図4】従来のPコンの使用例である。
図5】鍔環付き雄ねじ棒の具体例を示す断面図である。
図6】鍔環付き雄ねじ棒の具体例を示す断面図である。
図7】鍔環付き雄ねじ棒の具体例を示す断面図である。
図8】鍔環付き雄ねじ棒の具体例を示す断面図である。
図9】凸部付き方法の具体例を示す断面図である。実施例である。
図10】特許文献1 (実用新案登録第3169976 号」の図4(セパレーターと型枠の全容)を示す断面図である。
図11】従来のセパレーターの各種類を示す断面図である
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明によるPコン代用構造が実際上どのように具体化されるか実施形態を説明する。図1は本発明によるPコン代用構造と鍔環付き構造が実際に分かるように具体化した断面図である。型枠Fの片側のみを示した図1において、鍔環1aが外端に設けた絞め付け雄ねじ1cが形成された雄ねじ棒1と一体に形成されている。この雄ねじ棒1は型枠F中を貫通しており、内蔵された筒状ナット2の雌ねじでセパレーターSと連結され、この筒状ナット2には、抜取防止のためのフランジ 2bを形成してある。
【0014】
なお、参考までに述べると、鍔環1aとも関連するか、型枠受け用鍔の厚さ及び大きさは強度上必要最低限の寸法以上で丸及び多角型で必要に応じて鉄の場合防錆処理を行う(勾配・曲面型枠には変形型で対応)。前記の筒状ナット2は、強度上必要な寸法の丸及び多角型(表面と同断面が必要に応じて鍔を付ける)である。筒状ナット2中の隙間2aのように、ナット部分のネジの間は必要に応じてセパレーターの錆防止の為、壁を取付ける。また、ナットの鍔の厚み及び位置はフリーとする。
ナット等コミコン部分の材質は最も経済的な材料で金属、合成樹脂等の化学製品やそれらの組合せ品とする。長さは強度上必要に応じた長さとし、大きさも強度上必要に応じボルト以外は丸や多角型とする。また鉄の場合は必要に応じて防錆処理を行う。
【0015】
使用に際して、図2の型枠Fの内側にセメントを充填すると、筒状ナット2はコンクリート中に残留したままとなるが、緩衝材層7が介在しているので、雄ねじ棒1は容易に抜ける。この雄ねじ棒1は型枠Fと共にコンクリートから分離されるが、鍔環1aが有るため、型枠Fとコンクリートの表面が一面に揃う。
すなわち、鍔1aが形成された鍔環1aのコンクリート側面が前記型枠Fのコンクリート側面と揃うように、前記雄ねじ棒1の外端の雄ねじ1cを絞めて、鍔1aが型枠の材質に圧着させる。なお、筒状ナット2は、型枠Fや雄ねじ棒1を取り外した後もコンクリート中に残り、コンクリート面は10mm程度の穴や窪みが残るのみである。
【0016】
この穴は、従来のPコンを除去した後の大径の穴に代りが、図3のテーパ付き栓5を除去した跡にできる穴は12mm程度の小型である。従って穴を塞いだり栓をする負担が軽減される。前記方法を実施する装置を図3に示す。Pコン部に代えてテーパ付き栓5を形成し、このテーパ付き栓5とその外側の充填域との間を緩衝する弾性材層7の軟質材を介在させて抜取りやすくしてあるので、在来の大径のPコンは存在しない。
【0017】
型枠中を貫通する雄ねじ棒と一体に連結したテーパ付き栓5の雌ねじ部5bにセパレーターSを連結した代用構造は、型枠側の端部に凸部5aを有し、反対側の端部にはねじ部5bを有し、その先端厚みは約1mm以上である。このテーパ付き栓5を簡易に取外せるように外周と充填部分との間を弾性材7のゴムや合成樹脂等の緩衝財等入れて緩衝する弾性材を介在させてあるので、在来のPコンは省略出来、跡に残る穴や窪みが小さく、跡処理は簡単である。
【0018】
テーパ付き栓5の外端に凸部5aと雄ねじ棒1が一体型の抜取型コミコン5に形成されており、前記雄ねじ棒1の外端の雄ねじ5c を締めると、前記の凸部5aが型枠の材質に圧着される。その結果、型枠10Fの内面が仕上がったコンクリート面にはPコンの時の30mmより小さい12mm程度の穴以外は平坦となり、一面に揃った美しい仕上がりとなる。なお、凸部5aを圧着する型枠圧着部は、凹形の接着面となっている。
図3の型枠F中を貫通した雄ねじ棒の外端の雄ねじ部を絞め付けると、セパレーターSと連結される。したがって、コンクリート中に埋設されるセパレーターSと型枠F中を貫通した雄ねじ棒部の内端のナット部と一体に連結している構造となる。このナット部の型枠側端部が凸部5aとなっていて前記型枠の材質に圧着される構成となっているため、コンクリートの養生を終えてコンクリート面が乾燥したら、型枠Fを解体除去後は一面が奇麗なコンクリート面となる。
【0019】
図5乃至図8は鍔環式の具体例を示す図である。図4から図9は、両側の型枠F、Fを使用する例を示した例である。図6は、図2の充填構造を左右両枠に使用した例を示した図である。図7は、片側と他方が約60度の角度を付けた例である。図8は、セパレーターと直接ナット(雌ネジ)を1体化した回転防止機構の平坦形状を設けた例である。図9は、図3のような凸部と充填材構造を左右両側に対称型に設けた例である。図9は、図3の一体型のコミコンとした例である。
【産業上の利用可能性】
【0020】
以上のように、コンクリート中に埋設されるセパレーターと型枠中を貫通する雄ねじ棒が筒状ナットで連結され、この雄ねじ棒と一体に設けた鍔環が型枠に圧着され、かつ前記雄ねじ棒の外周と養生中のコンクリートとの間を緩衝する弾力材を介在させてあるので、雄ねじ棒を型枠と共に除去した跡の穴や窪みは小径となり、跡処理が容易になり、軽減される。また、前記雄ねじ棒と一体に連設された鍔環が型枠の材質中に圧入されて、コンクリート面が一面に揃い、美しい仕上がりとなる。
【0021】
符号の説明
1. 雄ネジ棒
1a. 鍔環
1b. 抜き取り用つまみ
1c. 型枠側を少し太めにした雄ネジ部分
1d. ナット埋込型コンボルト型枠取外し用等つまみ
2. 筒状ナット(雌ネジ)
2a. ナット埋込型コミコンナット仕切り壁
2b. フランジ
3. ボルト等の抜取後穴の状態
4. ナット埋込型コミコン+コンクリートコン
5. 抜取型コミコン・テーパー付き栓
5a. 型枠接着面は圧着用の凹みを付けた抜取型コミコン
5b. 雌ネジ部 (先端厚みは1mm以上強度の抜取型コミコン)
5c. 六角ソケットレンチ用抜取型コミコン用つまみ
5d. 抜取型コミコン型枠取外し用つまみ
P. 現在多く使用されている標準型Pコン
7. ボルト抜取用緩衝材
S. セパレーター
Sa. 斜め型枠用セパレーター
Sb. 埋込ナット一体型セパレーター
C. コンクリート打設部分
F. 型枠部分.
T. フォームタイ(登録商標)
【手続補正書】
【提出日】2021-09-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項2
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項2】
在来のPコンとは径が逆形のコンクリートコンを在来のPコンに代えて打設し、この打設部分と型枠中を貫通する雄ねじ棒の外周との間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径緩衝材を介在させてあり、かつ前記雄ねじ棒と一体に設けた外周寄りが次第に薄くなり、背面が平坦な鍔を有する鍔環が型枠に圧着されることを特徴とするPコン代用構造。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
請求項2は、在来のPコンとは径が逆形のコンクリートコンを在来のPコンに代えて打設し、この打設部分と型枠中を貫通する雄ねじ棒の外周との間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径緩衝材を介在させてあり、かつ前記雄ねじ棒と一体に設けた外周寄りが次第に薄くなり、背面が平坦な鍔を有する鍔環が型枠に圧着されることを特徴とするPコン代用構造である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
請求項2のように、在来のPコンとは径が逆形のコンクリートコンを在来のPコンに代えて打設し、この打設部分と型枠中を貫通する雄ねじ棒の外周との間を緩衝するセパレーター側より型枠側が大径のテーパ状異径緩衝材を介在させてあるので、前記雄ねじ棒を打設部分から容易に分離して、抜ける。しかも、前記雄ねじ棒と一体に設けた外周寄りが次第に薄くなり、背面が平坦な鍔を有する鍔環が型枠に圧着されるので、コンクリート面が一面に揃い、美しい仕上がりとなり、後始末も容易となる。