(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158152
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】背凭れリクライニング支持構造
(51)【国際特許分類】
A47C 7/46 20060101AFI20221006BHJP
A47C 1/024 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
A47C7/46
A47C1/024
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062853
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】504183861
【氏名又は名称】宣禹實業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】COMFORDY co., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.22-1, Beishizhou Minghe Village, Shanshang Dist. Tainan City TAIWAN
(71)【出願人】
【識別番号】593209080
【氏名又は名称】中央可鍛工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】596040231
【氏名又は名称】株式会社チューキョー
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】呉玉玲
(72)【発明者】
【氏名】サンダー、アーミン ローランド
(72)【発明者】
【氏名】マッゾン、ルカ
【テーマコード(参考)】
3B084
3B099
【Fターム(参考)】
3B084EC01
3B084GA05
3B084HA04
3B099AA01
3B099BA04
3B099CA36
(57)【要約】
【課題】背凭れのリクライニング角度を所望の角度に調整することができるとともに、使用者の腰背部が密着されるため座り心地が良い、背凭れリクライニング支持構造を提供する。
【解決手段】背凭れリクライニング支持構造は、少なくとも1つのランバーサポートアーム1及び背凭れ本体2を備える。ランバーサポートアーム1は、第1の螺合部11が上端に設けられる。第1の螺合部11の下方には、第1の枢着部12が設けられる。第1の枢着部12は、ピン軸121を介してスイングアーム13の一端に枢着される。背凭れ本体2は、左右両側に縦向きに設けられた2つの第1の杆部21と、上下に横向きに設けられた第2の杆部22及び第3の杆部23とを有する。第2の杆部22及び第3の杆部23の両端には、2つの第1の杆部21がそれぞれ接続される。2つの第1の杆部21と、第2の杆部22と、第3の杆部23とにより取り囲まれて中空領域24が画成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つのランバーサポートアーム及び背凭れ本体を備えた、背凭れリクライニング支持構造であって、
前記ランバーサポートアームは、第1の螺合部が上端に設けられ、前記第1の螺合部の下方には、第1の枢着部が設けられ、前記第1の枢着部は、ピン軸を介してスイングアームの一端に枢着され、
前記背凭れ本体は、左右両側に縦向きに設けられた2つの第1の杆部と、上下に横向きに設けられた第2の杆部及び第3の杆部とを有し、
前記第2の杆部及び前記第3の杆部の両端には、2つの前記第1の杆部がそれぞれ接続され、
2つの前記第1の杆部と、前記第2の杆部と、前記第3の杆部とにより取り囲まれて中空領域が画成され、
前記中空領域には、第4の杆部が横設され、
前記第4の杆部の両端には、2つの前記第1の杆部がそれぞれ接続され、
前記第4の杆部上には、少なくとも1つの第2の螺合部が設けられ、
前記第2の螺合部と、前記ランバーサポートアーム上の前記第1の螺合部とには、回転軸が挿設されて互いに枢着され、
前記第3の杆部上には、少なくとも1つの第2の枢着部が設けられ、
前記第2の枢着部と、前記ランバーサポートアーム上の前記スイングアームの他端とには、枢軸が挿設されて互いに枢着され、
前記第1の螺合部及び前記第2の螺合部に前記回転軸が挿設される挿設方向と、前記第1の枢着部と前記スイングアームの一端とに前記ピン軸が挿設される挿設方向と、前記第2の枢着部及び前記スイングアームの他端に枢軸が挿設される挿設方向とは同じ方向であり、
前記第1の杆部上には、弾性部がそれぞれ設けられ、
前記第1の杆部の前記弾性部は、前記第3の杆部と前記第4の杆部との間にそれぞれ位置することを特徴とする、
背凭れリクライニング支持構造。
【請求項2】
前記背凭れ本体の前記第1の杆部は、上縁から下方向にかけて徐々に傾いた下斜め部と、下縁から上方向にかけて徐々に傾いた上斜め部とをそれぞれ有し、前記下斜め部と前記上斜め部とは、弾性部を介して接続され、前記弾性部上には、複数の切欠溝が形成されることを特徴とする請求項1に記載の背凭れリクライニング支持構造。
【請求項3】
2つの前記ランバーサポートアームを備え、前記ランバーサポートアームは、第1の螺合部が上端にそれぞれ設けられ、前記第1の螺合部の下方には、前記スイングアームの一端が枢着される第1の枢着部がそれぞれ設けられ、前記背凭れ本体の前記第4の杆部上には、2つの第2の螺合部が設けられ、前記第2の螺合部と、前記ランバーサポートアームの前記第1の螺合部とに、回転軸がそれぞれ挿設されて互いに枢着され、前記第3の杆部上には、2つの第2の枢着部が設けられ、2つの前記第2の枢着部と、前記ランバーサポートアームに枢着された2つの前記スイングアームの他端とに枢軸がそれぞれ挿設されて互いに枢着されることを特徴とする請求項1に記載の背凭れリクライニング支持構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背凭れリクライニング支持構造に関し、特に、背凭れのリクライニング角度を所望の角度に調整することができるとともに、使用者の腰背部に密着するため座り心地が良い、背凭れリクライニング支持構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の椅子は、座るという基本的な機能以外に、リクライニング機能も有し、仕事などで疲れたときに、背凭れのリクライニング角度を所望の角度に調整し、背凭れに凭れて休憩などに使用することができる。
従来の背凭れの大部分は、硬質背板の弾性力が十分でなく、使用者の背部を背凭れに凭せかけると、使用者の背部が痛みを感じて不快に感じる他、背部を背凭れに密着させることが困難であるため、長時間座ると腰痛になる虞があった。
【0003】
こうした現状に鑑み、本発明者は鋭意研究を重ねた結果、実用的価値のある背凭れリクライニング支持構造を完成したものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、背凭れのリクライニング角度を所望の角度に調整することができるとともに、使用者の腰背部が密着されるため座り心地が良い、背凭れリクライニング支持構造を提供することにある。
【発明の効果】
【0005】
本発明の背凭れリクライニング支持構造は、背凭れ本体とランバーサポートアームの上端とが螺合部を介して枢着され、背凭れ本体の下端とランバーサポートアームとがスイングアームを介して接続され、使用者が背凭れ本体に凭れかかって後方にリクライニングしたときに、ランバーサポートアームの上端の枢着箇所が回転点として用いられて背凭れ本体にリクライニング角度が形成され、背凭れ本体の下方とランバーサポートアームとの間のスイングアームの牽引位置拘束により、背凭れ本体のリクライニング角度を適切な角度に維持することができる。
このため、使用者は背凭れ本体上に安全に凭れかかることができる。また、背凭れ本体の両側に設けられた杆部には、弾性部がそれぞれ設けられ、これら弾性部を利用することにより、背凭れ本体に使用者が凭れかかったときに、使用者の腰背部が背凭れ本体上に完全に密着されて快適に支えられるため座り心地が良い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】本発明の一実施形態に係る背凭れリクライニング支持構造を示す分解斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る背凭れリクライニング支持構造を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る背凭れリクライニング支持構造の使用状態の説明図(1)である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る背凭れリクライニング支持構造の使用状態の説明図(2)である。
【
図5】本発明の一実施形態に係る背凭れリクライニング支持構造の使用状態の説明図(3)である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
まず、
図1を参照する。
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る背凭れリクライニング支持構造は、少なくとも1つのランバーサポートアーム(lumber support arm)1及び背凭れ本体2から構成されてなる。
【0008】
ランバーサポートアーム1は、左右対称の2つのランバーサポートアーム1から構成される。ランバーサポートアーム1の上端には、第1の螺合部11が設けられ、第1の螺合部11下方の適宜な箇所に第1の枢着部12が設けられ、第1の枢着部12と、スイングアーム13の一端とにはピン軸121が挿設されて互いに枢着される。
【0009】
背凭れ本体2は、左右両側に縦向きに設けられた2つの第1の杆部21と、上下に横向きに設けられた第2の杆部22及び第3の杆部23と、を有する。第2の杆部22及び第3の杆部23の両端には、2つの第1の杆部21がそれぞれ接続される。2つの第1の杆部21と、第2の杆部22と、第3の杆部23とにより取り囲まれて中空領域24が画成される。この中空領域24には、第4の杆部25が横設される。第4の杆部25の両端には、2つの第1の杆部21がそれぞれ接続される。
第4の杆部25上には、少なくとも1つの第2の螺合部251が設けられる。本実施形態において、第4の杆部25の左右両端上に設けられた2つの第2の螺合部251と、2つのランバーサポートアーム1の第1の螺合部11とには、回転軸14が挿設されて互いに枢着される。
第3の杆部23上には、少なくとも1つの第2の枢着部231が設けられる。本実施形態の第3の杆部23の左右両側に設けられた2つの第2の枢着部231と、2つのランバーサポートアーム1に枢着された2つのスイングアーム13の他端とには、枢軸15が挿設されて互いに枢着される。
第1の螺合部11及び第2の螺合部251に回転軸14が挿設される挿設方向と、第1の枢着部12とスイングアーム13の一端とにピン軸121が挿設される挿設方向と、第2の枢着部231とスイングアーム13の他端とに枢軸15が挿設される挿設方向とは同様にX軸方向である。2つの第1の杆部21は、上縁から下方向にかけて徐々に傾いた下斜め部211と、下縁から上方向にかけて徐々に傾いた上斜め部212とを有し、下斜め部211と上斜め部212とは弾性部213を介して接続される。弾性部213は、弧状突設される。2つの第1の杆部21の弾性部213は、第3の杆部23と第4の杆部25との間に位置する。弾性部213上には、弾性力を生じさせる複数の切欠溝214が形成される。
【0010】
図2を参照する。
図2に示すように、本実施形態の背凭れリクライニング支持構造を実際に組み立てる際、ランバーサポートアーム1の前方に背凭れ本体2を配置し、背凭れ本体2の第4の杆部25上に設けられた2つの第2の螺合部251と、2つのランバーサポートアーム1の上端の第1の螺合部11とに、回転軸14が挿設されて互いに枢着される。背凭れ本体2の第3の杆部23上に設けられた2つの第2の枢着部231と、2つのランバーサポートアーム1の第1の枢着部12とに枢軸15が挿設され、スイングアーム13がそれぞれ枢着される。
【0011】
第1の螺合部11及び第2の螺合部251に回転軸14が挿設される挿設方向と、第1の枢着部12及びスイングアーム13の一端にピン軸121が挿設される挿設方向と、第2の枢着部231及びスイングアーム13の他端に枢軸15が挿設される挿設方向とはそれぞれ同様にX軸方向であり、第1の螺合部11及び第2の螺合部251の揺動方向と、スイングアーム13の揺動方向とが同様にZ軸方向に制限される。
図3を併せて参照する。
図3に示すように、本実施形態の背凭れ構造が取り付けられた椅子の座面3に、使用者が座り、背凭れ本体2に背部を凭れかけて後方にリクライニングすると、
図4に示すように、背凭れ本体2は、第4の杆部25とランバーサポートアーム1の上端との枢着箇所を回転点として用い、使用者が凭れかかって加える力に応じてリクライニング角度を所望の角度にすることができる。
図5を参照する。
図5に示すように、背凭れ本体2下方の第3の杆部23とランバーサポートアーム1とが、スイングアーム13を介して枢着されて連結されるようにし、背凭れ本体2に対して牽引して位置拘束し、背凭れ本体2のリクライニング角度を適切な角度に維持することができるため、使用者は背凭れ本体2上に安全に凭れかかることができる。
【0012】
また、背凭れ本体2の2つの第1の杆部21に弾性部213が設けられ、弾性部213により背凭れ本体2が使用者の凭れかかる力に応じて適切に弾性変形するため、リクライニング角度が如何なる角度になっても、使用者は腰背部が背凭れ本体2上に完全に密着されて快適に支えられるため、使用者が椅子に長時間座っても腰痛となることを防ぐことができる。
【0013】
上述したことから分かるように、本発明の背凭れリクライニング支持構造は、以下(1)及び(2)の長所を有する。
(1)背凭れ本体とランバーサポートアームとが螺合部を介して揺動可能に枢着され、使用者が凭れかかって加える力に応じて背凭れ本体のリクライニング角度を所望の角度にし、背凭れ本体とランバーサポートアームの下端とがスイングアームを介して枢着されているため、背凭れ本体に牽引位置拘束機能が発生し、使用者は背凭れ本体上に安全に凭れかかることができる。
(2)背凭れ本体の両側に設けられた杆部には、弾性部がそれぞれ設けられ、弾性部により背凭れ本体を弾性変形させることができるため、リクライニング角度が如何なる角度になっても、使用者の腰背部が背凭れ本体上に完全に密着されて快適に支えられるため座り心地が良い。
【符号の説明】
【0014】
1 ランバーサポートアーム
2 背凭れ本体
3 座面
11 第1の螺合部
12 第1の枢着部
13 スイングアーム
14 回転軸
15 枢軸
21 第1の杆部
22 第2の杆部
23 第3の杆部
24 中空領域
25 第4の杆部
121 ピン軸
211 下斜め部
212 上斜め部
213 弾性部
214 切欠溝
231 第2の枢着部
251 第2の螺合部