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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158180
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】装飾データ生成方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/00 20060101AFI20221006BHJP
   G09F 19/22 20060101ALI20221006BHJP
   G09F 19/18 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G09F13/00 S
G09F19/22 D
G09F19/18 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062911
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000201478
【氏名又は名称】前田建設工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】前田 利幸
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 知夏
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA11
5C096BA05
5C096DC07
5C096DC30
5C096FA01
5C096FA02
5C096FA03
5C096FA05
5C096FA08
5C096FA09
(57)【要約】
【課題】被投影面に所定の装飾形状の影を映すための光源及び遮光部の配置等に係る装飾データを適切に生成することができる装飾データ生成方法を提供する。
【解決手段】取得ステップ(ステップS101)において、取得部20は、被投影面2に映されるべき影6の形状を示す形状データを取得する。表示設定ステップ(ステップS102)において、表示設定部30は、被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズをユーザの操作に従って設定する。光源位置設定ステップ(ステップS103)において、光源位置設定部40は、被投影面2から離れた位置にユーザの操作に従って光源4の位置を設定する。遮光部演算ステップ(ステップS104)において、遮光部演算手段は、影6の表示位置、表示サイズ、及び光源4の位置に基づいて、光源4からの光を遮る、所与の遮光面7における遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算する。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被投影面に所定の装飾形状の影を映すためのデータを生成する装飾データ生成方法であって、
取得手段が、前記被投影面に映されるべき前記影の形状を示す形状データを取得する取得ステップと、
表示設定手段が、前記被投影面における前記影の表示位置及び表示サイズをユーザの操作に従って設定する表示設定ステップと、
光源位置設定手段が、前記被投影面から離れた位置に前記ユーザの操作に従って光源の位置を設定する光源位置設定ステップと、
遮光部演算手段が、前記表示位置、前記表示サイズ、及び前記光源の位置に基づいて、前記光源からの光を遮る、所与の遮光面における遮光部の位置、形状、及びサイズを演算する遮光部演算ステップと、
を含む装飾データ生成方法。
【請求項2】
前記遮光面は、前記被投影面に対して交差する面である、
請求項1に記載の装飾データ生成方法。
【請求項3】
前記遮光部演算ステップにおいて、前記遮光部演算手段は、前記被投影面に前記遮光部が接するように、前記遮光部の位置、形状、及びサイズを演算する、
請求項2に記載の装飾データ生成方法。
【請求項4】
分割手段が、前記影の形状を複数に分割する分割ステップをさらに含み、
前記遮光部演算ステップにおいて、遮光部演算手段は、前記分割ステップにおいて複数に分割された前記影の形状にそれぞれ対応する、所与の複数の遮光面における複数の遮光部の位置、形状、及びサイズを演算する、
請求項1に記載の装飾データ生成方法。
【請求項5】
前記複数の遮光面は、前記被投影面に対して交差する面である、
請求項4に記載の装飾データ生成方法。
【請求項6】
前記遮光部演算ステップにおいて、前記遮光部演算手段は、前記の被投影面に前記複数の遮光部が接するように、前記複数の遮光部の位置、形状、及びサイズを演算する、
請求項5に記載の装飾データ生成方法。
【請求項7】
分割数設定手段が、前記影の形状の分割数を前記ユーザの操作に従って設定する分割数設定ステップをさらに含み、
前記分割ステップにおいて、前記分割手段は、前記影の形状を分割数設定ステップにおいて設定された前記分割数に分割し、
前記遮光部演算ステップにおいて、遮光部演算手段は、前記分割ステップにおいて前記分割数に分割された前記遮光部のそれぞれの位置、形状、及びサイズを演算する、
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の装飾データ生成方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、建物の被投影面に所定の装飾形状の影を映すための光源及び遮光部に係る装飾データの生成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記号や文字、動物などの所定形状にカットされた板の後方から光源の光を当てて、所定の装飾形状の影を壁面に投影した影絵が知られている。下記特許文献1には、サイン部材が偏光光源から放出された光を受けて透過することにより、前面に偏光手段を有する反射手段にカラーの影を映すことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表第2016-509251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
被投影面に所定の装飾形状の影を映すため、光源と、光源からの光を遮る遮光部を設置しても、被投影面が遠い場合にはそこに映る影がぼやけて不明瞭になる。このような場合、作業者は、実際に被投影面に映る影を見ながら光源の位置や遮光部の位置などを繰り返し修正する必要が生じ、少なからずの時間と労力を消費することになる。
【0005】
本開示の目的は、被投影面に所定の装飾形状の影を映すための光源及び遮光部の配置等に係る装飾データを適切に生成することができる装飾データ生成方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る装飾データ生成方法は、被投影面に所定の装飾形状の影を映すためのデータを生成する装飾データ生成方法であって、取得手段が、前記被投影面に映されるべき前記影の形状を示す形状データを取得する取得ステップと、表示設定手段が、前記被投影面における前記影の表示位置及び表示サイズをユーザの操作に従って設定する表示設定ステップと、光源位置設定手段が、前記被投影面から離れた位置に前記ユーザの操作に従って光源の位置を設定する光源位置設定ステップと、遮光部演算手段が、前記表示位置、前記表示サイズ、及び前記光源の位置に基づいて、前記光源からの光を遮る、所与の遮光面における遮光部の位置、形状、及びサイズを演算する遮光部演算ステップと、を含む。これによれば、被投影面に所定の装飾形状の影を映すための光源及び遮光部の配置等に係る装飾データを適切に生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本開示の実施形態の一例で生成される装飾データの内容を示す図である。
図2】本開示の実施形態の一例に係る装飾データ生成装置の構成を示す図である。
図3】装飾データ生成装置で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図4】装飾データの生成方法の一例を説明する図である。
図5】装飾データの生成方法の一例を説明する図である。
図6】装飾データ生成処理の流れの一例を示すフロー図である。
図7】本開示の他の実施形態の一例で生成される装飾データの内容を示す図である。
図8】装飾データ生成装置で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。
図9】装飾データの生成方法の一例を説明する図である。
図10】装飾データの生成方法の一例を説明する図である。
図11】装飾データ生成処理の流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[1.第1の実施形態]
以下、本開示の実施形態の一例(第1の実施形態)について、図1から図6を参照しながら説明する。
【0009】
[1-1.装飾データ]
図1は、第1の実施形態に係る方法によって生成される装飾データ1Aの内容を示す図である。以下の説明では、図1等に示すX1及びX2をそれぞれ右方向及び左方向とし、Y1及びY2をそれぞれ前方及び後方とし、Z1及びZ2をそれぞれ上方及び下方とする。
【0010】
装飾データ1Aは、例えば、ビルディング・インフォメーション・モデリングのデータ(BIMデータと称する)であり、立体的な建物のモデルデータとして生成される。BIMデータは、床、壁、天井といった構造物のモデルデータのみならず、構造設計や設備等の情報や、構造物の属性情報(いわゆるプロパティ)等を含んでいる。これに限らず、装飾データは、構造物の形状及びサイズ、配置位置等を示すデータであればよく、種々のフォーマットで生成されてよい。
【0011】
図1に示すように、装飾データ1Aは、被投影面に所定の装飾形状の影を映すためのデータであり、光源4と、光源4からの光を遮る遮光部5の配置等に係るデータである。なお、遮光部5は、例えば全体が不透明な部材であってもよいし、光透過性を有する板に描かれたサイン(当該板よりも光透過性の低いインクで描かれたもの)であってもよい。
【0012】
装飾データ1Aは、例えば、被投影面2における影6の形状、表示位置、及び表示サイズと、光源4の位置と、遮光部5の位置、形状、及びサイズとの情報を含んでいる。装飾データ1Aは、光源4、遮光部5、及び影6に関する情報を、被投影面2である壁面のモデルデータや天井面3のモデルデータの属性情報として含んでもよい。
【0013】
図1に示す例では、被投影面2は建物内の壁面であり、X軸及びZ軸に平行な面である。これに限らず、被投影面2は建物内の床面や天井面等であってもよいし、建物外に設けられる構造物等であってもよい。また、図1に示す例では、被投影面2に対して交差する天井面3に、光源4が配置されている。これに限らず、光源4は、被投影面2に対して交差する壁面や床面、地面等に配置されてもよい。
【0014】
光源4は、例えばスポットライトであり、被投影面2における影6の表示位置に向けて光を照射する。この光を遮光部5が遮ることにより、図1に示すように、遮光部5の形状に応じた影6が被投影面2に映る。このような影6を映すための情報を、装飾データ1Aは含んでいる。図1に示す例では、影6の形状は、車椅子に乗った人、及びその他介護を必要とする人の意匠を表している。これに限らず、影6の形状は、何らかの意図を示すものや、見た人の感情を動かすものであってもよく、文字や数字、記号等の羅列を表すものであってもよい。
【0015】
[1-2.ハードウェア構成]
図2は、第1の実施形態の係る装飾データ生成装置10Aの構成を示す図である。装飾データ生成装置10Aは、パーソナルコンピュータや汎用コンピュータ、携帯情報端末等のコンピュータであり、図2に示すように、プロセッサ11、記憶部12、通信部13、表示部14、操作部15を含んでいる。なお、装飾データ生成装置10Aは、光ディスクを読み取る光ディスクドライブや、USB(Universal Serial Bus)ポート等を含んでいてもよい。
【0016】
プロセッサ11は、例えばコンピュータである装飾データ生成装置10Aにインストールされたプログラムに従って動作するCPU(Central Processing Unit)等のプログラム制御デバイスである。記憶部12は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等の記憶素子やソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ等である。記憶部12には、プロセッサ11によって実行されるプログラム等のデータが記憶される。通信部13は、例えばネットワークボード等の通信インタフェースである。表示部14は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスであって、プロセッサ11の指示に従って各種の画像を表示する。操作部15は、キーボードやマウス、タッチパネル等のユーザインタフェースであって、ユーザの操作入力を受け付けて、その内容を示す信号をプロセッサ11に出力する。
【0017】
[1-3.機能ブロック]
図3は、装飾データ生成装置10Aで実装される機能の一例を示す機能ブロック図であり、図4及び図5は、装飾データ1Aの生成方法の一例を説明する図である。装飾データ生成装置10Aは、図1に示した装飾データ1Aを生成するものであり、機能的には、図3に示すように、形状データ取得部20と、表示設定部30と、光源位置設定部40と、遮光部演算部50と、装飾データ生成部60とを含んでいる。これらの機能は、装飾データ生成装置10Aのプロセッサ11が記憶部12を主として実現されてよいし、装飾データ生成装置10Aにネットワークを介して接続される他の情報処理装置のプロセッサなどにより実現されてもよい。また、装飾データ生成装置10Aにおいて、図3に示す機能のすべてが実装されなくてもよく、図3に示す機能以外の機能が実装されていてもよい。
【0018】
[1-3-1.形状データ取得部]
形状データ取得部20は、被投影面2(図1を参照)に映されるべき影の形状を示す形状データを取得する。形状データ取得部20は、例えば、図1に示すように、車椅子に乗った人、及びその他介護を必要とする人の意匠を表した形状を示す形状データを取得する。形状データは、影6の形状を示すデータであればよく、影6の輪郭を示すベクトルデータ(モデルデータ)や、輪郭が明瞭に表れている画像データ等としてよい。
【0019】
[1-3-2.表示設定部]
表示設定部30は、例えば図4に示すように、被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズを、装飾データ1Aの設計者等であるユーザの操作に従って設定する。表示設定部30は、例えば、表示部14において図4のように表示された被投影面2に対するユーザの操作を、操作部15を介して受け付けることにより、被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズを設定してよい。
【0020】
[1-3-3.光源位置設定部]
光源位置設定部40は、例えば図4に示すように、ユーザの操作に従って光源4の位置を設定する。図4に示す例では、光源位置設定部40は、天井面3に光源4の位置を設定する。光源位置設定部40は、例えば、表示部14において図4のように表示された天井面3に対するユーザの操作を、操作部15を介して受け付けることにより、天井面3における光源4の位置を設定してよい。
【0021】
光源位置設定部40は、被投影面2から離れた位置に光源4の位置を設定する。源位置設定部40は、例えば、天井面3において、被投影面2から所定距離R離れた位置に光源4の位置を設定することをユーザに案内してもよいし、被投影面2から所定距離Rまでの領域に、光源4の位置が設定されることを規制してもよい。このようにすることで、被投影面2に実際に映る影6が、上下方向及び/又は左右方向に伸びることを抑制でき、形状データが示すもともとの形状から影6が過度に変形することを防止できる。
【0022】
本実施形態では、光源4の位置は天井面3に設定される。このため、光源4の位置は、左右方向において影6の位置と同じになることが好ましい。光源位置設定部40は、影6の位置に対して所定方向(例えば、左右方向)で所定距離離れた位置に、光源4の位置が設定されることを規制してもよい。光源位置設定部40は、例えば、影6の中心位置Cから上方に伸びる仮想線L1と天井面3との交点P1を設定し、交点P1から後方に伸びる仮想線L2上の位置(被投影面2から所定距離Rまでを除く位置)を、光源4の位置としてユーザが選択できるようにしてもよい。
【0023】
[1-3-4.遮光部演算部]
遮光部演算部50は、例えば図5に示すように、被投影面2における影6の表示位置、表示サイズ、及び光源4の位置に基づいて、所与の遮光面7おける遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算する。遮光部演算部50は、被投影面2と垂直又は略垂直に交差し、かつ、影6の輪郭線上にある頂点P2と接する仮想的な遮光面7を設定し、この遮光面7に配置される遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算する。本実施形態では、光源4の位置は天井面3に設定されるため、遮光面7は、影6の輪郭線において最も天井面3に近い頂点P2と接している。これに限らず、例えば、光源4の位置が影6よりも下方に設定される場合、遮光面7は、影6の輪郭線の下端の頂点と接すればよい。
【0024】
図5に示す例では、遮光部演算部50は、光源4と影6の輪郭線との間に規定される複数の線分L3と、遮光面7との複数の交点を遮光部5の輪郭線とすることで、遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算している。遮光部演算部50は、被投影面2における影6の表示位置、表示サイズ(影6の上下方向又は左右方向における長さや、表示サイズの初期値に対する表示倍率等)、光源4の位置、及び遮光面7の位置を係数とする所与の計算式を用いて形状データが示す影6の形状を射影変換することによって、遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算してもよい。このようにすることで、被投影面2に実際に映る影6が、形状データ取得部20が取得した形状データが示すもともとの形状から変形することを抑制できる。
【0025】
また、遮光面7は影6の頂点P2と接しているため、遮光部演算部50は、遮光部5が被投影面2に接するように、遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算する。これにより、遮光部5が被投影面2から離れることに起因する影6のぼけが低減し、影6の輪郭が不明瞭になることを抑制できる。
【0026】
[1-3-5.装飾データ生成部]
装飾データ生成部60は、被投影面2における影6の形状、表示位置、及び表示サイズと、光源4の位置と、遮光部5の位置、形状、及びサイズの情報を含む装飾データ1Aを生成する。装飾データ1Aには、少なくとも光源4の位置と、遮光部5の位置、形状、及びサイズの情報が含まれているため、実際に建物内に光源4と遮光部5を配置する作業者は、装飾データ1Aの内容を確認することにより、影6の輪郭が明瞭になる適切な位置に、光源4と遮光部5とを配置することができる。
【0027】
また、装飾データ生成部60は、光源4の位置と、遮光部5の位置、形状、及びサイズとに基づいて影6の形状、表示位置、表示サイズ、及びぼけ具合を演算し、演算結果を反映した影6の情報を含む装飾データ1Aを生成してもよい。このように生成された装飾データ1Aの内容を表示部14等に表示することで、装飾データ1Aの設計者であるユーザは、実際に被投影面2に映る影6のぼけ具合を推測できる。
【0028】
また、生成された装飾データ1Aが示す画像において、仮に被投影面2に映る影6が大きくぼやける場合、ユーザは、被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズと、天井面3における光源4の位置を再度設定してもよい。すなわち、表示設定部30は、ユーザの再度の操作に従って被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズを設定し、光源位置設定部40は、ユーザの再度の操作に従って光源4の位置を設定し、遮光部演算部50は、再度設定された影6の表示位置及び表示サイズと、再度設定された光源4の位置とに基づいて遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算し、その演算結果に基づいて影6のぼけ具合が再度演算されてもよい。このようにすることで、ユーザは影6のぼけ具合が最小となるように、被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズと、光源4の配置位置とを設定できるようになる。
【0029】
[1-4.フローチャート]
図6は、装飾データ生成装置10Aで実行される、装飾データ生成処理の流れの一例を示すフロー図である。図6に示すように、まず、形状データ取得部20が、被投影面2に映されるべき影6の形状を示す形状データを取得する(ステップS101)。形状データ取得部20は、例えば図1に示した影6の形状を示す形状データを取得する。形状データ取得部20は、影6の輪郭を示すベクトルデータ(モデルデータ)や、輪郭が表れている画像データ等を形状データとして取得してよい。
【0030】
次に、表示設定部30が、被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズを、ユーザの操作に従って設定する(ステップS102)。表示設定部30は、ステップS101で取得した形状データが示す影6の表示位置及び表示サイズを、操作部15を用いたユーザの操作に従って設定する。表示設定部30は、例えば図4に示すように、形状データが示す影6を被投影面2に重畳した状態の画像(画面)を表示部14に表示させる。そして、被投影面2上で影6の表示位置及び表示サイズを変更する操作(表示部14に表示された影6に対するドラック操作等)をユーザから受け付けることによって、影6の表示位置及び表示サイズを設定する。
【0031】
次に、光源位置設定部40が、被投影面2から離れた位置に、ユーザの操作に従って光源4の位置を設定する(ステップS103)。光源位置設定部40は、例えば図4に示すように、天井面3における光源4の位置を、ユーザの操作に従って設定する。光源位置設定部40は、例えば、被投影面2から所定距離R離れた天井面3に光源4を配置することをユーザに案内してもよいし、被投影面2から所定距離Rまでの領域に光源4が配置されることを規制してもよい。
【0032】
また、光源位置設定部40は、ステップS102において設定された影6の位置に基づいて、天井面3における光源4の位置を設定してもよい。光源位置設定部40は、例えば、左右方向において影6の中心位置Cと同位置にある天井面3の仮想線L2上の位置であって、被投影面2から所定距離Rまでを除いた位置を、光源4の位置として設定できるようにしてもよい。
【0033】
次に、遮光部演算部50が、ステップS102において設定された影6の表示位置、表示サイズ、及びステップS103において設定された光源4の位置に基づいて、所与の遮光面7における遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算する(ステップS104)。ステップS104では、例えば図5に示すように、被投影面2と交差する仮想的な遮光面7を設け、この遮光面7における遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算する。
【0034】
ステップS104において、遮光部演算部50は、光源4と影6の輪郭線との間に規定される複数の線分L3と、遮光面7との複数の交点を遮光部5の輪郭線とすることで、遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算してよい。また、遮光部演算部50は、ステップS102において設定された影6の表示位置及び表示サイズと、ステップS103において設定された光源4の位置とを係数とする所与の計算式を用いて、ステップS101で取得した形状データが示す影6の形状を射影変換することによって、遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算してもよい。このようにすることで、被投影面2に実際に映る影6が、ステップS101で取得した形状データが示すもともとの形状から変形することを抑制できる。
【0035】
また、ステップS104において、遮光部演算部50は、被投影面2に遮光部5が接するように、遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算してよい。より具体的には、ステップS102において設定された影6の輪郭線上の頂点P2(影6の輪郭線において天井面3に最も近い位置)に遮光面7を設定し、この遮光面7における遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算してもよい。このようにすることで、遮光部5が被投影面2から離れることに起因する影6のぼけが低減し、影6の輪郭が不明瞭になることを抑制できる。
【0036】
最後に、装飾データ生成部60は、ステップS104における演算結果に基づいて、被投影面2における影6の形状、表示位置、及び表示サイズと、光源4の位置と、遮光部5の位置、形状、及びサイズの情報を含む装飾データ1Aを生成し(ステップS105)、処理を終了する。
【0037】
ステップS105において、装飾データ生成部60は、ステップS103において設定された光源4の位置と、ステップS104において演算された遮光部5の位置、形状、及びサイズとに基づいて、影6の形状、表示位置、表示サイズ、及びぼけ具合を演算し、演算結果を反映した影6の情報を含む装飾データ1Aを生成してもよい。ユーザは、このように生成された装飾データ1Aの内容を確認することで、実際に被投影面2に映る影6のぼけ具合を推測できる。
【0038】
ここで、被投影面2に映る影6が大きくぼやけると推測される場合、ステップS102及びステップS103の処理を再度実行することにより、ユーザの再度の操作に従って、被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズと、天井面3における光源4の位置とを設定してもよい。その後に、遮光部演算部50は、遮光部5の位置、形状、及びサイズを再度演算し、装飾データ生成部60は、遮光部演算部50による再度の演算結果に基づいて、影6のぼけ具合を演算してもよい。このようにすることで、ユーザは、影6のぼけ具合が最小となるように、被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズと、光源4の配置位置との設定を繰り返し行うことが可能になる。
【0039】
[1-5.第1の実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態では、形状データ取得部20が、被投影面2に映されるべき影6の形状を示す形状データを取得する取得ステップ(ステップS101)と、表示設定部30が、被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズを、ユーザの操作に従って設定する表示設定ステップ(ステップS102)と、光源位置設定部40が、被投影面2から離れた位置に、ユーザの操作に従って光源4の位置を設定する光源位置設定ステップ(ステップS103)と、遮光部演算部50が、設定された影6の表示位置、表示サイズ、及び光源4の位置に基づいて、所与の遮光面7における遮光部5の位置、形状、及びサイズを演算する遮光部演算ステップ(ステップS104)と、を含む。以上の方法によって生成される装飾データ1Aは、少なくとも光源4の位置と、遮光部5の位置、形状、及びサイズの情報を含むため、実際に建物内に光源4と遮光部5を配置する作業者は、装飾データ1Aの内容を確認することにより、影6の輪郭が明瞭になる適切な位置に、光源4と遮光部5を速やかに配置できるようになる。
【0040】
[2.第2の実施形態]
本発明は、必ずしも以上の実施形態に限定されるものではない。以下では、本開示の他の実施形態の一例(第2の実施形態)について、図7から図11を参照しながら説明する。
【0041】
[2-1.装飾データ]
図7は、第2の実施形態に係る方法によって生成される装飾データ1Bの内容を示す図である。図7に示すように、本実施形態では、光源4からの光を遮る遮光部5が複数の遮光部5a~5gに細分化される点で、図1に示した装飾データ1Aとは異なる。この例においても、被投影面2には、図1と同様に、例えば、車椅子に乗った人と、その他介護を必要とする人との意匠を表した影6を映すことができる。
【0042】
本実施形態の係る装飾データ生成装置10Bは、例えば図7に示した装飾データ1Bを生成する。なお、装飾データ生成装置10Bのハードウェア構成は、第1の実施形態として説明した装飾データ生成装置10Aと同様であるため、説明を省略する。
【0043】
[2-2.機能ブロック]
図8は、装飾データ生成装置10Bで実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。図9及び図10は、装飾データ1Bの生成方法の一例を説明する図である。図8に示すように、装飾データ生成装置10Bは、機能的には、図3に示した他に、分割数設定部110と、分割部120とを含んでいる。これらの機能は、装飾データ生成装置10Bのプロセッサ11が記憶部12を主として実現されてよいし、装飾データ生成装置10Bにネットワークを介して接続される他の情報処理装置のプロセッサなどにより実現されてもよい。
【0044】
[2-2-1.分割数設定部、分割部]
分割数設定部110は、影6の形状の分割数をユーザの操作に従って設定する。また、分割部120は、影6の形状を複数に分割する。分割部120は、一又は複数の影6を、これよりも多い数に分割する。
【0045】
図9に示す例においては、分割部120は、3つの影6を、影6a~6gの7つに分割している。図9に示す例において、影6aは車椅子に乗る人の頭部を含む部分であり、影6bは介護を要する人の頭部を含む左側の部分であり、影6cは介護を要する人の右側の部分であり、影6dは車椅子の上側の部分であり、影6eは車椅子に乗る人の胴部を含む部分であり、影6fは車椅子に乗る人の足部を含む部分であり、影6gは車椅子の下側の部分である。
【0046】
分割部120は、例えば影6の形状を、分割数設定部110により設定された分割数に分割する。この場合、分割数設定部110は、例えば操作部15を用いてユーザにより入力された数であって、もともとの影6の数よりも多い数を、分割数として設定する。分割部120は、影6を分割数に分割するための分割線を、予め定められた規則に従って演算してもよいし、ランダムに定めてもよい。
【0047】
この他にも、分割部120は、記憶部12等に予め記憶されている分割数に影6の形状を分割してもよいし、分割数の設定とは異なる他のユーザの操作に従って分割してもよい。分割部120は、例えば、表示部14等に表示された影6に対するユーザの操作(影6に対して分割線の引く操作等)を受け付けることによって、影6の形状を複数に分割してもよい。この場合、分割数設定部110は、装飾データ生成装置10Bに実装されなくてもよい。
【0048】
[2-2-2.遮光部演算部]
装飾データ生成装置10Bに実装される遮光部演算部130は、厳密には第1の実施形態で説明した遮光部演算部50とは異なる。本実施形態に係る遮光部演算部130は、例えば図10に示すように、分割部120により複数に分割された影6の形状にそれぞれ対応する、所与の複数の遮光面7a~7eにおける複数の遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズを演算する。
【0049】
遮光部演算部130は、被投影面2と垂直又は略垂直に交差し、かつ、分割部120により複数に分割された影6a~6g(図9を参照)の輪郭線上にある頂点Pa~Peと接する仮想的な遮光面7a~7eを設定し、これらの遮光面7a~7eに配置される遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズを演算する。図9及び図10に示す例では、遮光部演算部50は、影6a及び影6bの頂点Paに遮光面7aを設定し、この遮光面7aにおける遮光部5a,5bの位置、形状、及びサイズを演算している。また、影6cのPbに遮光面7bを設定し、この遮光面7bにおける遮光部5cの位置、形状、及びサイズを演算している。また、影6d及び影6eの頂点Pcに遮光面7cを設定し、この遮光面7cにおける遮光部5d,5eの位置、形状、及びサイズを演算している。また、影6fの頂点Pdに遮光面7dを設定し、この遮光面7dにおける遮光部5fの位置、形状、及びサイズを演算している。また、影6gの頂点Peに遮光面7eを設定し、この遮光面7eにおける遮光部5gの位置、形状、及びサイズを演算している。
【0050】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に光源4の位置は天井面3に設定されるため、遮光面7a~7eは、分割部120により複数に分割された影6a~6gの各々の輪郭線において最も天井面3に近い頂点Pa~Peとそれぞれ接している。これに限らず、例えば、光源4の位置が影6よりも下方に設定される場合、複数の遮光面7は、影6a~6gの各々の輪郭線の下端の頂点とそれぞれ接すればよい。
【0051】
図10に示す例でも、図5に示した例と同様に、遮光部演算部50は、例えば遮光部5aついて、光源4と影6a(図9を参照)の輪郭線との間に規定される複数の線分と、遮光面7aとの複数の交点を遮光部5aの輪郭線とすることで、遮光部5aの位置、形状、及びサイズを演算している。遮光部5b~5gについても、同様の方法により位置、形状、及びサイズを演算している。遮光部演算部50は、例えば遮光部5aについて、被投影面2における影6aの表示位置、表示サイズ(影6aの上下方向又は左右方向における長さや、表示サイズの初期値に対する表示倍率等)、光源4の位置、及び遮光面7aの位置を係数とする所与の計算式を用いて影6aの形状を射影変換することによって、遮光部5aの位置、形状、及びサイズを演算してもよい。遮光部5b~5gについても、同様の方法により位置、形状、及びサイズを演算してもよい。このようにすることで、被投影面2に実際に映る影6が、形状データ取得部20が取得した形状データが示すもともとの形状から変形することを抑制できる。
【0052】
また、遮光面7a~7eは、影6a~6gのうちの少なくとも1つと接しているため、遮光部演算部50は、遮光部5a~5gが被投影面2に接するように、遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズを演算する。これにより、遮光部5a~5gが被投影面2から離れることに起因する影6a~6gのぼけが低減し、影6全体の輪郭が不明瞭になることを抑制できる。
【0053】
さらに本実施形態では、影6を複数に分割することにより、第1の実施形態で説明した遮光部5よりも多くの遮光部5a~5gの形状を演算できる。遮光部5a~5gは、第1の実施形態で説明した遮光部5よりも前後方向での長さを短くできるため、遮光部5a~5gの後端部が被投影面2から離れることを抑制できる。これにより、影6が遮光部5a~5gの後端部に対応する箇所でぼやけることを抑制し、影6全体の輪郭が不明瞭になることをより効果的に抑制できる。
【0054】
[2-3.フローチャート]
図11は、装飾データ生成装置10Bで実行される、装飾データ生成処理の流れの一例を示すフロー図である。装飾データ生成装置10Bでも、第1の実施形態と同様に、形状データ取得部20が、被投影面2に映されるべき影6の形状を示す形状データを取得する(ステップS201)。表示設定部30が、被投影面2における影6の表示位置及び表示サイズを、ユーザの操作に従って設定する(ステップS202)。そして、光源位置設定部40が、被投影面2から離れた位置に、ユーザの操作に従って光源4の位置を設定する(ステップS203)。ステップS201からステップS203の処理は、図6に示したステップS101からステップS103の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0055】
次に、分割数設定部110が、影6の形状の分割数をユーザの操作に従って設定する(ステップS204)。ステップS204において、分割数設定部110は、もともとの影6の数(図9に示した例では「3」)よりも多い数(図9に示した例では「7」)を、分割数として設定する。また、分割数設定部110は、例えば操作部15を用いてユーザにより入力された数を、影6の形状の分割数として設定する。
【0056】
次に、分割部120は、ステップS204において設定された分割数に、影6の形状を分割する(ステップS205)。ステップS205において、分割部120は、もともとの影6の数(図9に示した例では「3」)よりも多い数(図9に示した例では「7」)に分割する。分割部120は、影6を分割数に分割するための分割線を、予め定められた規則に従って演算してもよいし、ランダムに定めてもよい。
【0057】
なお、ステップS204とステップS205の処理は、ステップS201からステップS203の処理後に実行されてもよいし、ステップS201からステップS203の処理前に実行されてもよい。ステップS204及びステップS205の処理は、後述するステップ206の処理前に実行されればよい。
【0058】
また、ステップS204の処理は、必ずしも実行されなくてもよい。この場合、ステップS205において、分割部120は、記憶部12等に予め記憶されている分割数に影6の形状を分割してもよいし、分割数の設定とは異なる他のユーザの操作に従って分割してもよい。分割部120は、例えば、ステップS202において表示位置及び表示サイズが設定された状態で表示部14等に表示された影6に対し、ユーザが分割線等を引く操作を受け付けることによって、影6の形状を複数に分割してもよい。
【0059】
次に、遮光部演算部130が、ステップS202において設定された影6の表示位置、表示サイズ、及びステップS203において設定された光源4の位置に基づいて、ステップS205において複数に分割された影6a~6gの形状にそれぞれ対応する、所与の複数の遮光面7a~7eにおける複数の遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズを演算する(ステップS206)。ステップS206では、遮光部演算部130は、例えば、ステップS204において設定された分割数(図9に示した例では「7」)に分割された遮光部5a~5gのそれぞれの位置、形状、及びサイズを演算する。また、例えば図10に示すように、ステップS206では、被投影面2と交差する複数の仮想的な遮光面7a~7gを設け、これらの遮光面7a~7gにおける遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズを演算する。
【0060】
ステップS206において、遮光部演算部130は、例えば、遮光面7aにおける遮光部5aの位置、形状、及びサイズを演算している。遮光部演算部130は、光源4と影6aの輪郭線との間に規定される複数の線分と、遮光面7aとの複数の交点を遮光部5aの輪郭線とすることで、遮光部5aの位置、形状、及びサイズを演算してよい。また、遮光部演算部130は、影6aの表示位置及び表示サイズと、ステップS103において設定された光源4の位置とを係数とする所与の計算式を用いて、ステップS205において分割された影6aの形状を射影変換することによって、遮光部5aの位置、形状、及びサイズを演算してもよい。
【0061】
また、遮光部演算部130は、同様の方法により、遮光面7aにおける遮光部5bの位置、形状、及びサイズと、遮光面7bにおける遮光部5cの位置、形状、及びサイズと、遮光面7cにおける遮光部5d,5eの位置、形状、及びサイズと、遮光面7dにおける遮光部5fの位置、形状、及びサイズと、遮光面7eにおける遮光部5gの位置、形状、及びサイズを演算してよい。このようにすることで、被投影面2に実際に映る影6も、第1の実施形態と同様に、ステップS201で取得した形状データが示すもともとの形状から変形することを抑制できる。
【0062】
また、ステップS206において、遮光部演算部130は、被投影面2に複数の遮光部5a~5gが接するように、複数の遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズを演算してよい。より具体的には、被投影面2と垂直又は略垂直に交差し、かつ、分割部120により複数に分割された影6a~6g(図9を参照)の輪郭線上にある頂点Pa~Peと接する仮想的な遮光面7a~7eを設定し、これらの遮光面7a~7eに配置される遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズを演算してよい。このようにすることで、遮光部5a~5gが被投影面2から離れることに起因する影6a~6gのぼけが低減し、影6の全体で輪郭が不明瞭になることを抑制できる。
【0063】
最後に、装飾データ生成部60は、ステップS206における演算結果に基づいて、被投影面2における影6(影6a~6g)の形状、表示位置、及び表示サイズと、光源4の位置と、遮光部5の位置、形状、及びサイズの情報を含む装飾データ1Bを生成し(ステップS207)、処理を終了する。
【0064】
ステップS207においても、装飾データ生成部60は、第1の実施形態と同様に、ステップS206において演算された遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズに基づいて、影6a~6gの形状、表示位置、表示サイズ、及びぼけ具合を演算し、演算結果を反映した影6の情報を含む装飾データ1Bを生成してもよい。ユーザは、このように生成された装飾データ1Bの内容を確認することで、実際に被投影面2に映る影6のぼけ具合を推測できる。
【0065】
また、被投影面2に映る影6が大きくぼやけると推測される場合、ステップS202及びステップS203の処理を再度実行することにより、再度設定された影6の表示位置及び表示サイズと、天井面3における光源4の位置とに基づいて、遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズを再度演算し(ステップS206)、ステップS207において、影6のぼけ具合を再度演算してもよい。また、被投影面2に映る影6が大きくぼやけると推測される場合、ステップS204及びステップS205を再度実行し、分割数の設定と影6の形状の分割を再度行った後に、遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズを再度演算し、影6のぼけ具合を再度演算してもよい。このようにすることで、ユーザは、影6のぼけ具合が最小となるように、分割数の設定を繰り返し行うことが可能になる。
【0066】
[2-4.第2の実施形態のまとめ]
以上のように、本実施形態では、分割部120が、影6の形状を複数に分割する分割ステップ(ステップS205)と、遮光部演算部130が、分割ステップ(ステップS205)において複数に分割された影6a~6gの形状のそれぞれに対応する、所与の複数の遮光面7a~7eにおける複数の遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズを演算遮光部演算ステップ(ステップS206)とを含む。以上の方法によって生成される装飾データ1Bは、光源4の位置と、複数の遮光部5a~5gの位置、形状、及びサイズの情報を含むため、実際に建物内に光源4と複数の遮光部5a~5gを配置する作業者は、装飾データ1Bの内容を確認することにより、影6の輪郭が明瞭になる適切な位置に、光源4と複数の遮光部5a~5gを速やかに配置できるようになる。
【0067】
特に、本実施形態では、遮光部5a~5gが、影6の元々の形状から複数に分割されるため、遮光部5a~5gの形状からは、図7に示した影6の形状を想像しにくくできる。すなわち、遮光部5a~5gからでは何を示しているかが分からない形状が、被投影面2に影6が映し出されることによって、初めて内容や意図等を理解できるようになる。このように、一見して内容や意図等が不明瞭な形状の遮光部5a~5gから、内容や意図等を理解できる装飾形状の影6が形成されることの驚きを、実際に光源4及び遮光部5a~5gが設置された建物内等の訪問者に与えることができるようになる。
【符号の説明】
【0068】
1A,1B 装飾データ、2 被投影面、3 天井面、4 光源、5,5a,5b,5c,5d,5e,5f,5g 遮光部、6,6a,6b,6c,6d,6e,6f,6g 影、7,7a,7b,7c,7d,7e遮光面、10A,10B 装飾データ生成装置、11 プロセッサ、12 記憶部、13 通信部、14 表示部、15 操作部、20 形状データ取得部、30 表示設定部、40 光源位置設定部、50,130 遮光部演算部、60 装飾データ生成部、110 分割数設定部、120 分割部、C 影の中心位置、L1,L2 仮想線、L3 線分、P1 交点、P2,Pa,Pb,Pc,Pd,Pe 頂点、R 距離。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11