IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ カルソニックカンセイ株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158207
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 3/04 20060101AFI20221006BHJP
   F28F 3/08 20060101ALI20221006BHJP
   F28D 9/02 20060101ALI20221006BHJP
   F28F 3/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
F28F3/04 A
F28F3/08 301Z
F28D9/02
F28F3/00 311
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021062949
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】マレリ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】特許業務法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝呂 優
(72)【発明者】
【氏名】新林 利浩
(72)【発明者】
【氏名】大浦 顕
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 充
(72)【発明者】
【氏名】林 栄樹
(72)【発明者】
【氏名】山中 真由美
【テーマコード(参考)】
3L103
【Fターム(参考)】
3L103AA36
3L103BB39
3L103CC02
3L103CC09
3L103DD15
3L103DD57
(57)【要約】
【課題】第1の流体の流路と第2の流体の流路とにおける熱交換性能を共に向上させる。
【解決手段】熱交換器100は、複数の第1プレート11と、隣り合う一対の第1プレート11の間に間隔をあけて配置されてATF流路13と冷却水流路14とを交互に形成する第2プレート12と、ATF流路13に設けられるインナーフィン15と、を備え、第1プレート11と第2プレート12との少なくとも一方は、ATF流路13内に凹となり冷却水流路14内に凸となるように平面視V字状に形成され、冷却水流路14の流路高さよりも低く形成される複数のV字型突起部50を有し、V字型突起部50は、V字状の先端部51及び開口部52が冷却水流路14における冷却水の流れ方向に並ぶように、かつV字状の一対の自由端部53,54の一方がATF入口側流通孔11d側に位置し他方がATF出口側流通孔11e側に位置するように配置される。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体と当該第1流体と交差する方向に流れる第2流体との間で熱交換を行う熱交換器であって、
間隔をあけて平行に設けられる複数の第1プレートと、
隣り合う一対の前記第1プレートの間に間隔をあけて配置され、前記第1プレートと交互に積層されて第1流体が流れる第1流路と第2流体が流れる第2流路とを交互に形成する第2プレートと、
前記第1流路に設けられ、前記第1プレート及び前記第2プレートに当接する熱交換促進部材と、を備え、
前記第1プレートと前記第2プレートとの少なくとも一方は、前記第1流路内に凹となり前記第2流路内に凸となるように平面視V字状に形成され、前記第2流路の流路高さよりも低く形成される複数の突起部を有し、
前記突起部は、前記V字状の先端部及び開口部が前記第2流路における第2流体の流れ方向に並ぶように、かつ前記V字状の一対の自由端部の一方が前記第1流路への第1流体の第1流入口側に位置し他方が前記第1流路からの第1流体の第1流出口側に位置するように配置される、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器であって、
前記熱交換促進部材は、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に立設される熱交換壁面を有し、
前記熱交換壁面は、前記第1流入口から前記第1流出口に向かう第1流体の流れ方向と交差するように配置される、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱交換器であって、
前記突起部は、第2流体の流れと直交する直交方向に複数並べて配置され、
隣り合う一対の前記突起部は、前記V字状の前記先端部と前記開口部とが前記直交方向に交互に並ぶように配置される、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の熱交換器であって、
前記第2流路への第2流体の第2流入口と前記第2流路からの第2流体の第2流出口とを結んだ直線の一方の側方における前記突起部は、前記直線の他方の側方における前記突起部とは点対称である、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の熱交換器であって、
隣り合う前記突起部は、前記V字状の隣り合う前記自由端部どうしが連続するように連結されている、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一つに記載の熱交換器であって、
前記突起部は、前記第1流入口と前記第1流出口とを結ぶ直線の方向において、前記第1プレートと前記第2プレートとに交互に配置される、
ことを特徴とする熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、第1プレートと第2プレートとが間隔をおいて交互に積層され、冷却水流路とATF(Automatic Transmission Fluid)流路とを交互に形成し、第1プレート又は第2プレートを介して冷却水とATFとの間で熱交換を行う熱交換器が開示されている。この熱交換器では、第2プレートに向けて突出して冷却水の流れ方向に延びる複数のリブが第1プレートに設けられ、リブの先端面が第2プレートに当接することで第1プレートと第2プレートとの間の冷却水の流路の一部を遮断している。また、この熱交換器では、ATF流路にインナーフィンを設けて、第1プレート及び第2プレートの伝熱面積を大きくしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-090123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の熱交換器では、冷却水流路がリブによって区切られるので、隅々まで冷却水が流れるが、リブの下流が止水域となり冷却水の通水抵抗が大きくなり、熱交換性能が低下するおそれがある。また、ATF流路にはインナーフィンが設けられるが、リブが設けられている位置ではインナーフィンは第1プレートに当接しないので、熱交換性能が低下するおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、第1プレートと第2プレートとが間隔をおいて交互に積層されて第1の流体の流路と第2の流体の流路とが交互に形成される熱交換器において、第1の流体の流路と第2の流体の流路とにおける熱交換性能を共に向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、第1流体と当該第1流体と交差する方向に流れる第2流体との間で熱交換を行う熱交換器は、間隔をあけて平行に設けられる複数の第1プレートと、隣り合う一対の前記第1プレートの間に間隔をあけて配置され、前記第1プレートと交互に積層されて第1流体が流れる第1流路と第2流体が流れる第2流路とを交互に形成する第2プレートと、前記第1流路に設けられ、前記第1プレート及び前記第2プレートに当接する熱交換促進部材と、を備え、前記第1プレートと前記第2プレートとの少なくとも一方は、前記第1流路内に凹となり前記第2流路内に凸となるように平面視V字状に形成され、前記第2流路の流路高さよりも低く形成される複数の突起部を有し、前記突起部は、前記V字状の先端部及び開口部が前記第2流路における第2流体の流れ方向に並ぶように、かつ前記V字状の一対の自由端部の一方が前記第1流路への第1流体の第1流入口側に位置し他方が前記第1流路からの第1流体の第1流出口側に位置するように配置される。
【発明の効果】
【0007】
上記態様では、第1プレートと第2プレートとの少なくとも一方は、第1流路内に凹となり第2流路内に凸となるように平面視V字状に形成され、第2流路の流路高さよりも低く形成される複数の突起部を有する。突起部は、V字状の先端部及び開口部が第2流路における第2流体の流れ方向に並ぶように、かつV字状の一対の自由端部の一方が第1流路への第1流体の第1流入口側に位置し他方が第1流路からの第1流体の第1流出口側に位置するように配置される。そのため、第1流体は突起部の内側を流れることで撹拌されるので、第1流体の熱交換性能が向上する。また、第2流体の流れに、V字状の突起部によって縦渦が発生するので、第2流体の熱交換性能が向上する。したがって、第1の流体の流路と第2の流体の流路とにおける熱交換性能を共に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本発明の実施形態に係る熱交換器を斜め上から見たときの斜視図である。
図2図2は、熱交換器を斜め下から見たときの斜視図である。
図3図3は、熱交換器の縦断面図である。
図4図4は、第1プレートの平面図である。
図5図5は、第2プレートの平面図である。
図6図6は、第1プレートと第2プレートとを重ね合わせた状態の平面図である。
図7A図7Aは、丸型突起部の縦断面図である。
図7B図7Bは、V字型突起部の縦断面図である。
図8図8は、V字型突起部と熱交換促進部材との関係を説明する平面図である。
図9図9は、V字型突起部と第1流路との関係を説明する縦断面図である。
図10図10は、本発明の実施形態に係る熱交換器の第1変形例に係る第1プレートの平面図である。
図11図11は、第2プレートの平面図である。
図12図12は、第1プレートと第2プレートとを重ね合わせた状態の平面図である。
図13図13は、本発明の実施形態に係る熱交換器の第2変形例に係る第1プレートの平面図である。
図14図14は、第2プレートの平面図である。
図15A図15Aは、丸型突起部の縦断面図である。
図15B図15Bは、V字型突起部の縦断面図である。
図16図16は、本発明の実施形態に係る熱交換器の第3変形例に係る第1プレートの平面図である。
図17図17は、第2プレートの平面図である。
図18図18は、本発明の実施形態に係る熱交換器の第4変形例に係る第1プレート及び第2プレートにおけるV字型突起部の配置について説明する平面図である。
図19A図19Aは、V字型突起部の変形例について説明する平面図である。
図19B図19Bは、V字型突起部の他の変形例について説明する平面図である。
図19C図19Cは、V字型突起部の他の変形例について説明する平面図である。
図19D図19Dは、V字型突起部の他の変形例について説明する平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る熱交換器100について説明する。
【0010】
まず、図1及び図2を参照して、熱交換器100の全体構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る熱交換器100を斜め上から見たときの斜視図であり、図2は、熱交換器100を斜め下から見たときの斜視図である。
【0011】
熱交換器100は、例えば車両に取り付けられ、エンジン(図示省略)の冷却水の熱を利用してATF(Automatic Transmission Fluid)の暖機や冷却を行う。
【0012】
熱交換器100は、コア部10と、蓋部材20と、底部プレート30と、を備える。
【0013】
図1に示すように、コア部10は、第1プレート11と、第2プレート12と、熱交換促進部材としてのインナーフィン15(図3参照)と、を有する。コア部10は、第1流体としてのATFと、当該ATFと交差する方向に流れる第2流体としての冷却水との間で熱交換を行う。コア部10の構造については、図3を参照しながら、後で詳細に説明する。
【0014】
蓋部材20は、コア部10の上面に取り付けられる。蓋部材20は、コア部10を上面から固定する。蓋部材20には、コア部10内に冷却水を流入させる冷却水入口21と、コア部10内から冷却水を流出させる冷却水出口22と、が接続されている。また、蓋部材20は、コア部10内にATFを導くために上方に突出形成されたATF折り返し通路23を有する。
【0015】
底部プレート30は、コア部10の下面に取り付けられる。底部プレート30は、コア部10を設置するための台となる。図2に示すように、底部プレート30には、四隅に固定のための貫通孔を設けたフランジ33が形成されている。底部プレート30は、コア部10内にATFを流入させるATF入口31と、コア部10内からATFを流出させるATF出口32と、を有する。
【0016】
次に、図1及び図2とあわせて図3を参照して、コア部10の構造について説明する。図3は、熱交換器100の縦断面図である。
【0017】
図3に示すように、第1プレート11は、間隔をあけて平行に複数設けられる。第2プレート12は、隣り合う一対の第1プレート11の間に間隔をあけて配置される。コア部10は、間隔をあけて複数の第1プレート11と第2プレート12とが交互に積層されることにより構成される。
【0018】
第1プレート11及び第2プレート12は、熱の伝わりやすい金属製の平板部材(プレート)を用いて、外周が同一の四角形状となるように形成される。第1プレート11及び第2プレート12の角部は、冷却水やATFの流れを案内するために、やや丸みを帯びた形状となっている(図1参照)。
【0019】
隣接する第1プレート11と第2プレート12との間には、ATFが流れる複数の第1流路としてのATF流路13と、冷却水が流れる複数の第2流路としての冷却水流路14と、が交互に形成される。
【0020】
複数のATF流路13のそれぞれには、底部プレート30のATF入口31から流れ込みATF折り返し通路23にて流れ方向を転換したATFが分岐して流れ込む。複数のATF流路13を通過したATFは、合流してATF出口32から熱交換器100の外へと流される。図3に示すように、複数のATF流路13のそれぞれには、インナーフィン15が設けられる。
【0021】
複数の冷却水流路14のそれぞれには、蓋部材20に接続された冷却水入口21から流れてきた冷却水が分岐して流れ込む。複数の冷却水流路14を通過した冷却水は、合流して冷却水出口22から熱交換器100の外へと流される。
【0022】
インナーフィン15は、ATF流路13内に設けられ、第1プレート11及び第2プレート12に当接する。インナーフィン15は、第1プレート11及び第2プレート12の伝熱面積を大きくして、ATF流路13を流れるATFの熱交換を行いやすくするためのフィンである。それぞれのATF流路13を流れるATFは、第1プレート11及び第2プレート12を介して、隣接する冷却水流路14を流れる冷却水と熱交換を行う。
【0023】
複数の第1プレート11及び第2プレート12には、冷却水入口側流通孔11aと、冷却水出口側流通孔11bと、ATF供給孔11cと、がそれぞれ同位置に形成されている。第1プレート11と第2プレート12とを積層させることで、冷却水入口側流通孔11aと、冷却水出口側流通孔11bと、ATF供給孔11cと、は、第1プレート11と第2プレート12とを積層方向に貫通するように配列される。
【0024】
同様に、図示しないが、複数の第1プレート11及び第2プレート12には、ATF入口側流通孔11dと、ATF出口側流通孔11eと、がそれぞれ同位置に形成されている。第1プレート11と第2プレート12とを積層させることで、ATF入口側流通孔11dと、ATF出口側流通孔11eと、は、第1プレート11と第2プレート12とを積層方向に貫通するように配列される。
【0025】
冷却水入口側流通孔11aは、コア部10の冷却水流路14に冷却水を導入するための孔である。冷却水入口側流通孔11aは、蓋部材20に接続された冷却水入口21と連結されており、冷却水入口21から流れてくる冷却水を冷却水流路14へと流入させる。冷却水流路14に流入した冷却水は、冷却水流路14の全体に広がるように流れる。
【0026】
冷却水出口側流通孔11bは、冷却水流路14から冷却水を排出するための孔である。冷却水出口側流通孔11bは、蓋部材20に接続された冷却水出口22と連結されており、冷却水流路14から流れてくる冷却水を冷却水出口22へと流出させる。
【0027】
ATF供給孔11cは、ATFをコア部10のATF流路13内に供給して循環させるための孔である。ATF供給孔11cが設けられることで、ATF入口31とATF出口32との間隔を小さくすることができる。換言すると、ATF入口31とATF出口32との間隔が小さくても、熱交換器100を大きくすることができる。
【0028】
なお、ATF流路13と冷却水流路14とは、それぞれ独立した流路系として形成されており、冷却水とATFとが混ざり合うことはない。また、冷却水入口側流通孔11a及び冷却水出口側流通孔11bからATF流路13に冷却水が漏れることはなく、ATF供給孔11c,ATF入口側流通孔11d,及びATF出口側流通孔11eから冷却水流路14にATFが漏れることはない。
【0029】
次に、図4から図9を参照して、第1プレート11及び第2プレート12について説明する。図4は、第1プレート11の平面図である。図5は、第2プレート12の平面図である。図6は、第1プレート11と第2プレート12とを重ね合わせた状態の平面図である。図7Aは、丸型突起部40の縦断面図である。図7Bは、V字型突起部50の縦断面図である。図8は、V字型突起部50とインナーフィン15との関係を説明する平面図である。図9は、V字型突起部50とATF流路13との関係を説明する縦断面図である。
【0030】
図4に示すように、第1プレート11は、第2流入口としての冷却水入口側流通孔11aと、第2流出口としての冷却水出口側流通孔11bと、ATF供給孔11cと、第1流入口としてのATF入口側流通孔11dと、第1流出口としてのATF出口側流通孔11eと、丸型突起部40と、突起部としてのV字型突起部50と、を有する。
【0031】
冷却水入口側流通孔11aは、第1プレート11の1角の角部近傍に形成される。
【0032】
冷却水出口側流通孔11bは、第1プレート11の中心を挟んで冷却水入口側流通孔11aと対向するように、第1プレート11の対角の角部近傍に形成される。冷却水出口側流通孔11bは、冷却水入口側流通孔11aと同じ形状に形成される。冷却水出口側流通孔11bは、第1プレート11の中心について冷却水入口側流通孔11aと点対称に配置される。
【0033】
ATF供給孔11cは、第1プレート11の中心に形成される。即ち、ATF供給孔11cの中心軸が第1プレート11の中心である。
【0034】
ATF入口側流通孔11dは、冷却水入口側流通孔11aと冷却水出口側流通孔11bとが設けられる対角とは異なる1角の角部近傍に形成される。
【0035】
ATF出口側流通孔11eは、第1プレート11の中心を挟んでATF入口側流通孔11dと対向するように、第1プレート11の対角の角部近傍に形成される。ATF出口側流通孔11eは、ATF入口側流通孔11dと同じ形状に形成される。ATF出口側流通孔11eは、第1プレート11の中心についてATF入口側流通孔11dと点対称に配置される。
【0036】
このように、第1プレート11の4つの角に冷却水入口側流通孔11a,冷却水出口側流通孔11b,ATF入口側流通孔11d,及びATF出口側流通孔11eが設けられる。これにより、冷却水入口側流通孔11aから冷却水出口側流通孔11bに向かう冷却水と、ATF入口側流通孔11dからATF出口側流通孔11eに向かうATFとは、熱交換器100内で互いに交差する方向に流れる。
【0037】
丸型突起部40は、第1プレート11と第2プレート12とが積層された状態で、第2プレート12の丸型突起部40と同じ位置にある。図7Aに示すように、丸型突起部40は、第2プレート12の丸型突起部40と合わせて冷却水流路14の流路高さと同じ高さである。これにより、丸型突起部40は、第1プレート11と第2プレート12とが積層された状態では、第2プレート12の丸型突起部40と当接して柱状になる。丸型突起部40は、第1プレート11と第2プレート12とを積層して組み立てる際に、冷却水流路14の流路高さを維持するように機能する。
【0038】
図4に示すように、丸型突起部40は、第1プレート11の全域に複数設けられる。丸型突起部40は、特に、冷却水入口側流通孔11a,冷却水出口側流通孔11b,ATF供給孔11c,ATF入口側流通孔11d,及びATF出口側流通孔11eの周囲に配置される。また、丸型突起部40は、V字型突起部50を一対で挟むように配置される。これにより、第1プレート11と第2プレート12とを積層して組み立てる際に、寸法管理が要求される位置における冷却水流路14の流路高さを規定の高さに維持できる。また、丸型突起部40が設けられることで、ろう付けの際に、第1プレート11及び第2プレート12に対してインナーフィン15を密接させることができる。
【0039】
図7Bに示すように、V字型突起部50は、ATF流路13内に凹となり冷却水流路14の内に凸となるように平面視V字状に形成される。V字型突起部50は、冷却水流路14の流路高さよりも低く形成される。即ち、V字型突起部50は、第2プレート12と当接しないので、冷却水流路14を塞ぐことはない。これにより、冷却水流路14における流路抵抗の増加を抑制できる。
【0040】
図4に示すように、V字型突起部50は、V字状の先端部51及び開口部52が冷却水流路14における冷却水の流れ方向に並ぶように、かつV字状の一対の自由端部53,54の一方がATF入口側流通孔11d側に位置し他方がATF出口側流通孔11e側に位置するように配置される。
【0041】
冷却水流路14内を流れる冷却水には、V字状のV字型突起部50を乗り越える際に縦渦が発生する。よって、冷却水流路14内を流れる冷却水が撹拌されるので、冷却水の熱交換性能が向上する。
【0042】
V字型突起部50は、冷却水の流れと直交する直交方向に複数並べて配置され、隣り合う一対のV字型突起部50は、V字状の先端部51と開口部52とが直交方向に交互に並ぶように配置される。
【0043】
よって、V字状の先端部51と開口部52とが交互に並ぶように、即ち、隣り合うV字型突起部50が互い違いになるように並べられるので、隣り合うV字型突起部50どうしの間隔を小さくすることができる。
【0044】
なお、冷却水流路14における冷却水の流れ方向の上流に先端部51が位置し下流に開口部52が位置する場合と、冷却水の流れ方向の上流に開口部52が位置し下流に先端部51が位置する場合とでは、冷却水を撹拌する機能は同等である。これは、どちらの場合にも、先端部51から自由端部53に向かう直線部と、先端部51から自由端部54に向かう直線部とは、冷却水の流れ方向に対して斜めに形成されるためである。
【0045】
冷却水入口側流通孔11aと冷却水出口側流通孔11bとを結んだ直線(図6の直線O)の一方の側方におけるV字型突起部50は、当該直線(図6の直線O)の他方の側方におけるV字型突起部50とは第1プレート11の中心について点対称である。
【0046】
よって、冷却水入口側流通孔11aと冷却水出口側流通孔11bとを結んだ直線の一方の側方と他方の側方とのV字型突起部50は、点対称に配置されるので、180度回転させても同じ配置になる。よって、第1プレート11及び第2プレート12の組み付けを容易にすることができる。
【0047】
図5に示すように、第2プレート12も同様に、第2流入口としての冷却水入口側流通孔11aと、第2流出口としての冷却水出口側流通孔11bと、ATF供給孔11cと、第1流入口としてのATF入口側流通孔11dと、第1流出口としてのATF出口側流通孔11eと、丸型突起部40と、突起部としてのV字型突起部50と、を有する。
【0048】
冷却水入口側流通孔11a,冷却水出口側流通孔11b,ATF供給孔11c,ATF入口側流通孔11d,ATF出口側流通孔11e,及び丸型突起部40については、第1プレート11と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0049】
V字型突起部50は、冷却水入口側流通孔11aの近傍では、流入する冷却水の流れを冷却水流路14の全域に拡げるように冷却水入口側流通孔11aから放射状に設けられる。同様に、V字型突起部50は、冷却水出口側流通孔11bの近傍では、流出する冷却水の流れを冷却水流路14の全域から集めるように冷却水出口側流通孔11bから放射状に設けられる。
【0050】
V字型突起部50は、冷却水入口側流通孔11a及び冷却水出口側流通孔11bから離れた位置では、V字状の先端部51及び開口部52が冷却水流路14における冷却水の流れ方向に並ぶように、かつV字状の一対の自由端部53,54の一方がATF入口側流通孔11d側に位置し他方がATF出口側流通孔11e側に位置するように配置される。
【0051】
第2プレート12でも同様に、冷却水入口側流通孔11aと冷却水出口側流通孔11bとを結んだ直線(図6の直線O)の一方の側方におけるV字型突起部50は、当該直線(図6の直線O)の他方の側方におけるV字型突起部50とは第2プレート12の中心について点対称である。
【0052】
図6に示すように、熱交換器100では、冷却水流路14の流れ方向において第1プレート11のV字型突起部50と第2プレート12のV字型突起部50とが交互に設けられるように配置される。
【0053】
図8に示すように、インナーフィン15は、第1プレート11と第2プレート12との間に立設される熱交換壁面15aを有し、熱交換壁面15aは、ATF入口側流通孔11dからATF出口側流通孔11eに向かうATFの流れ方向と交差するように配置される。
【0054】
また、図9に示すように、V字型突起部50は、ATF流路13内に凹となるように形成されるので、V字型突起部50が設けられる位置では、ATFがV字型突起部50の内側を流れる。このように、ATFはV字型突起部50の内側を流れることで撹拌されるので、ATFの熱交換性能が向上する。また、ATFはV字型突起部50の内側を流れることで、ATF流路13内の流路抵抗を低減させることができる。
【0055】
以上のように、第1プレート11と第2プレート12とは、ATF流路13内に凹となり冷却水流路14内に凸となるように平面視V字状に形成され、冷却水流路14の流路高さよりも低く形成される複数のV字型突起部50を有する。V字型突起部50は、V字状の先端部51及び開口部52が冷却水流路14における冷却水の流れ方向に並ぶように、かつV字状の一対の自由端部53,54の一方がATF入口側流通孔11d側に位置し他方がATF出口側流通孔11e側に位置するように配置される。そのため、ATFはV字型突起部50の内側を流れることで撹拌されるので、ATFの熱交換性能が向上する。また、冷却水の流れに、V字状のV字型突起部50によって縦渦が発生するので、冷却水の熱交換性能が向上する。したがって、ATF流路13と冷却水流路14とにおける熱交換性能を共に向上させることができる。
【0056】
なお、本実施形態では、V字型突起部50は、第1プレート11と第2プレート12との両方に設けられる。しかしながら、V字型突起部50は、第1プレート11と第2プレート12との少なくとも一方に設けられればよい。
【0057】
次に、図10から図12を参照して、本発明の実施形態に係る熱交換器100の第1変形例について説明する。図10は、熱交換器100の第1変形例に係る第1プレート11の平面図である。図11は、第2プレート12の平面図である。図12は、第1プレート11と第2プレート12とを重ね合わせた状態の平面図である。なお、以下に示す各変形例では、上述した実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の機能を有する構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0058】
第1変形例は、ATF供給孔11cが設けられない点で、上述した実施形態とは相違する。この場合、ATF入口31は、ATF入口側流通孔11dと連通する。複数のATF流路13のそれぞれには、底部プレート30のATF入口31から流れ込んだATFが分岐して流れ込む。複数のATF流路13を通過したATFは、合流してATF出口32から熱交換器100の外へと流される。
【0059】
第1変形例では、第1プレート11及び第2プレート12の中心にATF供給孔11cが設けられないので、同じ位置にV字型突起部50を設けることができる。これにより、止水域を小さくすることができると共に、V字型突起部50によって冷却水に縦渦が発生してATFが撹拌されるので、ATF流路13と冷却水流路14とにおける熱交換性能を共に向上させることができる。
【0060】
次に、図13から図15Bを参照して、本発明の実施形態に係る熱交換器100の第2変形例について説明する。図13は、熱交換器100の第2変形例に係る第1プレート11の平面図である。図14は、第2プレート12の平面図である。図15Aは、丸型突起部40の縦断面図である。図15Bは、V字型突起部50の縦断面図である。
【0061】
第2変形例では、隣り合うV字型突起部50は、V字状の隣り合う自由端部53,54どうしが連続するように連結されている。
【0062】
これにより、V字型突起部50の自由端部53,54どうしが連続するように形成されるので、冷却水よりも粘性の高いATFが第1プレート11及び第2プレート12に接触する接触面積が増加する。よって、ATF流路13を流れるATFの熱交換を促進することができる。
【0063】
なお、第2変形例では、第1プレート11のV字型突起部50と第2プレート12のV字型突起部50とは、同じ位置にて先端部51と開口部52とが互い違いになるように設けられる。即ち、第1プレート11のV字型突起部50と第2プレート12のV字型突起部50とは、平面視で2点において交差するように形成されている。
【0064】
図15Aに示すように、第1プレート11の丸型突起部40と第2プレート12の丸型突起部40は、第1プレート11と第2プレート12とが積層された状態では、当接して柱状になっている。これに対して、図15Bに示すように、第1プレート11のV字型突起部50と第2プレート12のV字型突起部50とが交差する2点において、対向するV字型突起部50どうしは当接しない。即ち、対抗するV字型突起部50の間にも冷却水流路14が形成されている。これにより、冷却水流路14における流路抵抗の増加を抑制しながら熱交換性能を向上させることができる。
【0065】
次に、図16及び図17を参照して、本発明の実施形態に係る熱交換器100の第3変形例について説明する。図16は、熱交換器100の第3変形例に係る第1プレート11の平面図である。図17は、第2プレート12の平面図である。
【0066】
第3変形例でもまた、隣り合うV字型突起部50は、V字状の隣り合う自由端部53,54どうしが連続するように連結されている。
【0067】
これにより、V字型突起部50の自由端部53,54どうしが連続するように形成されるので、冷却水よりも粘性の高いATFが第1プレート11及び第2プレート12に接触する接触面積が増加する。よって、ATF流路13を流れるATFの熱交換を促進することができる。
【0068】
第3変形例では、V字型突起部50は、冷却水入口側流通孔11aの近傍だけでなく、全域において、冷却水入口側流通孔11a及び冷却水出口側流通孔11bから放射状に設けられている。これにより、流入する冷却水の流れを冷却水流路14の全域に拡げることができ、流出する冷却水の流れを冷却水流路14の全域から集めることができる。
【0069】
第3変形例でもまた、第1プレート11のV字型突起部50と第2プレート12のV字型突起部50とは、同じ位置にて先端部51と開口部52とが互い違いになるように設けられる。即ち、第1プレート11のV字型突起部50と第2プレート12のV字型突起部50とは、平面視で2点において交差するように形成されている。
【0070】
この交差する2点には、それぞれ丸型突起部40が設けられる。これにより、冷却水流路14の流路面積が小さくなっている位置に丸型突起部40が設けられるので、丸型突起部40がV字型突起部50から独立して設けられる場合と比較して、止水域を小さくすることができる。
【0071】
また、第3変形例では、冷却水入口側流通孔11a,冷却水出口側流通孔11b,ATF入口側流通孔11d,及びATF出口側流通孔11eと第1プレート11の外周端部との間に、円弧状の円弧状突起部60が設けられている。第2プレート12も同様である。これにより、冷却水入口側流通孔11a,冷却水出口側流通孔11b,ATF入口側流通孔11d,及びATF出口側流通孔11eと第1プレート11の外周端部との間を流れる冷却水を整流することができる。
【0072】
次に、図18を参照して、本発明の実施形態に係る熱交換器100の第4変形例について説明する。図18は、熱交換器100の第4変形例に係る第1プレート11及び第2プレート12におけるV字型突起部50の配置について説明する平面図である。
【0073】
第4変形例では、V字型突起部50は、ATF入口側流通孔11dとATF出口側流通孔11eとを結ぶ直線の方向において、第1プレート11と第2プレート12とに交互に配置される。
【0074】
第4変形例でも同様に、V字型突起部50によって冷却水に縦渦が発生してATFが撹拌されるので、ATF流路13と冷却水流路14とにおける熱交換性能を共に向上させることができる。
【0075】
以上の実施形態によれば、以下に示す効果を奏する。
【0076】
ATFと当該ATFと交差する方向に流れる冷却水との間で熱交換を行う熱交換器100は、間隔をあけて平行に設けられる複数の第1プレート11と、隣り合う一対の第1プレート11の間に間隔をあけて配置され、第1プレート11と交互に積層されてATFが流れるATF流路13と冷却水が流れる冷却水流路14とを交互に形成する第2プレート12と、ATF流路13に設けられ、第1プレート11及び第2プレート12に当接するインナーフィン15と、を備える。第1プレート11と第2プレート12との少なくとも一方は、ATF流路13内に凹となり冷却水流路14内に凸となるように平面視V字状に形成され、冷却水流路14の流路高さよりも低く形成される複数のV字型突起部50を有し、V字型突起部50は、V字状の先端部51及び開口部52が冷却水流路14における冷却水の流れ方向に並ぶように、かつV字状の一対の自由端部53,54の一方がATF入口側流通孔11d側に位置し他方がATF出口側流通孔11e側に位置するように配置される。
【0077】
この構成では、第1プレート11と第2プレート12との少なくとも一方は、ATF流路13内に凹となり冷却水流路14内に凸となるように平面視V字状に形成され、冷却水流路14の流路高さよりも低く形成される複数のV字型突起部50を有する。V字型突起部50は、V字状の先端部51及び開口部52が冷却水流路14における冷却水の流れ方向に並ぶように、かつV字状の一対の自由端部53,54の一方がATF入口側流通孔11d側に位置し他方がATF出口側流通孔11e側に位置するように配置される。そのため、ATFはV字型突起部50の内側を流れることで撹拌されるので、ATFの熱交換性能が向上する。また、冷却水の流れに、V字状のV字型突起部50によって縦渦が発生するので、冷却水の熱交換性能が向上する。したがって、ATF流路13と冷却水流路14とにおける熱交換性能を共に向上させることができる。
【0078】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0079】
例えば、V字型突起部50は、図19Aから図19Dに示すような形状であってもよい。図19Aから図19Dは、それぞれV字型突起部50の変形例について説明する平面図である。
【0080】
図19Aに示すV字型突起部50の変形例では、先端部51が円弧状に形成される。図19Bに示すV字型突起部50の変形例は、先端部51だけでなく自由端部53,54の間の全体が円弧状に形成され、略U字状になっている。図19Cに示すV字型突起部50の変形例は、図19Bに示す変形例から更に自由端部53,54に向けて直線部が設けられており、略U字状になっている。図19Dに示すV字型突起部50の変形例は、先端部51が2つに分かれており、略W字状になっている。図19Aから図19Dに示すこれらの変形例も、V字状に形成されるV字型突起部50に含まれる。
【0081】
また、上記実施形態では、第1流体はATFであり、第2流体は冷却水である。しかしながら、第1流体と第2流体とは、これらに限られるものではない。
【符号の説明】
【0082】
100 熱交換器
11 第1プレート
11a 冷却水入口側流通孔(第2流入口)
11b 冷却水出口側流通孔(第2流出口)
11c ATF供給孔
11d ATF入口側流通孔(第1流入口)
11e ATF出口側流通孔(第1流出口)
12 第2プレート
13 ATF流路(第1流路)
14 冷却水流路(第2流路)
15 インナーフィン(熱交換促進部材)
15a 熱交換壁面
21 冷却水入口
22 冷却水出口
31 ATF入口
32 ATF出口
40 丸型突起部
50 V字型突起部(突起部)
51 先端部
52 開口部
53 自由端部
54 自由端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15A
図15B
図16
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
【手続補正書】
【提出日】2022-04-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体と当該第1流体と交差する方向に流れる第2流体との間で熱交換を行う熱交換器であって、
間隔をあけて平行に設けられる複数の第1プレートと、
隣り合う一対の前記第1プレートの間に間隔をあけて配置され、前記第1プレートと交互に積層されて第1流体が流れる第1流路と第2流体が流れる第2流路とを交互に形成する第2プレートと、
前記第1流路に設けられ、前記第1プレート及び前記第2プレートに当接する熱交換促進部材と、を備え、
前記第1プレートと前記第2プレートとの少なくとも一方は、前記第1流路内に凹となり前記第2流路内に凸となるように平面視V字状に形成され、前記第2流路の流路高さよりも低く形成される複数の突起部を有し、
前記突起部は、前記V字状の先端部及び開口部が前記第2流路における第2流体の流れ方向に並ぶように、かつ前記V字状の一対の自由端部の一方が前記第1流路への第1流体の第1流入口側に位置し他方が前記第1流路からの第1流体の第1流出口側に位置するように配置される、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器であって、
前記熱交換促進部材は、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に立設される熱交換壁面を有し、
前記熱交換壁面は、前記第1流入口から前記第1流出口に向かう第1流体の流れ方向と交差するように配置される、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の熱交換器であって、
前記突起部は、第2流体の流れと直交する直交方向に複数並べて配置され、
隣り合う一対の前記突起部は、前記V字状の前記先端部と前記開口部とが前記直交方向に交互に並ぶように配置される、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一つに記載の熱交換器であって、
前記第2流路への第2流体の第2流入口と前記第2流路からの第2流体の第2流出口とを結んだ直線の一方の側方における前記突起部は、前記直線の他方の側方における前記突起部とは点対称である、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の熱交換器であって、
前記突起部は、第2流体の流れと直交する直交方向に複数並べて配置され、
前記直交方向に隣り合う前記突起部は、前記V字状の隣り合う前記自由端部どうしが連続するように連結されている、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項6】
請求項1又は2に記載の熱交換器であって、
前記突起部は、前記第1流入口と前記第1流出口とを結ぶ直線の方向において、前記第1プレートと前記第2プレートとに交互に配置される、
ことを特徴とする熱交換器。
【手続補正書】
【提出日】2022-09-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流体と当該第1流体と交差する方向に流れる第2流体との間で熱交換を行う熱交換器であって、
間隔をあけて平行に設けられる複数の第1プレートと、
隣り合う一対の前記第1プレートの間に間隔をあけて配置され、前記第1プレートと交互に積層されて第1流体が流れる第1流路と第2流体が流れる第2流路とを交互に形成する第2プレートと、
前記第1流路に設けられ、前記第1プレート及び前記第2プレートに当接する熱交換促進部材と、を備え、
前記第1プレートと前記第2プレートとの少なくとも一方は、前記第1流路内に凹となり前記第2流路内に凸となるように平面視V字状に形成され、前記第2流路の流路高さよりも低く形成される複数の突起部を有し、
前記突起部は、前記V字状の先端部及び開口部が前記第2流路における第2流体の流れ方向に並ぶように、かつ前記V字状の一対の自由端部の一方が前記第1流路への第1流体の第1流入口側に位置し他方が前記第1流路からの第1流体の第1流出口側に位置するように、第2流体の流れと直交する直交方向に複数並べて配置され、
前記第2流路への第2流体の第2流入口と前記第2流路からの第2流体の第2流出口とを結んだ直線の一方の側方における前記突起部は、前記直線の他方の側方における前記突起部とは前記第1プレート及び前記第2プレートの中心について点対称であり、
隣り合う一対の前記突起部は、前記V字状の前記先端部と前記開口部とが前記直交方向に交互に並ぶように配置される、
ことを特徴とする熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載の熱交換器であって、
前記熱交換促進部材は、前記第1プレートと前記第2プレートとの間に立設される熱交換壁面を有し、
前記熱交換壁面は、前記第1流入口から前記第1流出口に向かう第1流体の流れ方向と交差するように配置される、
ことを特徴とする熱交換器。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本発明のある態様によれば、第1流体と当該第1流体と交差する方向に流れる第2流体との間で熱交換を行う熱交換器は、間隔をあけて平行に設けられる複数の第1プレートと、隣り合う一対の前記第1プレートの間に間隔をあけて配置され、前記第1プレートと交互に積層されて第1流体が流れる第1流路と第2流体が流れる第2流路とを交互に形成する第2プレートと、前記第1流路に設けられ、前記第1プレート及び前記第2プレートに当接する熱交換促進部材と、を備え、前記第1プレートと前記第2プレートとの少なくとも一方は、前記第1流路内に凹となり前記第2流路内に凸となるように平面視V字状に形成され、前記第2流路の流路高さよりも低く形成される複数の突起部を有し、前記突起部は、前記V字状の先端部及び開口部が前記第2流路における第2流体の流れ方向に並ぶように、かつ前記V字状の一対の自由端部の一方が前記第1流路への第1流体の第1流入口側に位置し他方が前記第1流路からの第1流体の第1流出口側に位置するように、第2流体の流れと直交する直交方向に複数並べて配置され、前記第2流路への第2流体の第2流入口と前記第2流路からの第2流体の第2流出口とを結んだ直線の一方の側方における前記突起部は、前記直線の他方の側方における前記突起部とは前記第1プレート及び前記第2プレートの中心について点対称であり、隣り合う一対の前記突起部は、前記V字状の前記先端部と前記開口部とが前記直交方向に交互に並ぶように配置される