(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158254
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】展示装置
(51)【国際特許分類】
A47F 3/00 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A47F3/00 F
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063017
(22)【出願日】2021-04-01
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-10-20
(71)【出願人】
【識別番号】521138763
【氏名又は名称】エバテック エンジニアリング、エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ebatech Engineering,LLC
【住所又は居所原語表記】11663 132nd Ct,NE,Redmond,WA U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】特許業務法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】江幡 尚志
【テーマコード(参考)】
3B110
【Fターム(参考)】
3B110FA16
3B110HA02
3B110HA10
(57)【要約】
【課題】展示物に対し、前方側を暗くしつつ後方側を明るくして影絵を楽しむことができるようにする。
【解決手段】展示装置1は、展示物2を配置する展示領域11及び遮光壁12を備え、遮光壁12が、展示物2の左方と右方と上方とをそれぞれ覆って遮光可能な左遮光部12aと右遮光部12bと上遮光部12cとを含む、ディスプレイケース10と、展示領域11を上方から照明する前方照明60と、展示領域11の後方に配置されたマジックミラー20と、マジックミラー20の後方に配置され、前方側を照明するバックライト40と、を有する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
展示物を配置する展示領域及び遮光壁を備え、前記遮光壁が、前記展示物の左方と右方と上方とをそれぞれ覆って遮光可能な左遮光部と右遮光部と上遮光部とを含む、展示ケースと、
前記展示領域を上方から照明する第1照明部材と、
前記展示領域の後方に配置されたハーフミラー部材と、
前記ハーフミラー部材の後方に配置され、前方側を照明する第2照明部材と、
を有する展示装置。
【請求項2】
請求項1記載の展示装置において、
前記ハーフミラー部材の後方側でかつ前記第2照明部材の前方側に、背景図像が形成された透過部材をさらに有する
ことを特徴とする展示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の展示装置において、
前記第1照明部材及び前記第2照明部材それぞれの点灯及び消灯を個別に操作可能な照明操作部をさらに有する
ことを特徴とする展示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の展示装置において、
前記第1照明部材及び前記第2照明部材それぞれの点灯及び消灯を自動制御可能な第1制御部をさらに有し、
前記第1制御部は、
前記第1照明部材を点灯し前記第2照明部材を消灯する第1モードと、前記第1照明部材を消灯し前記第2照明部材を点灯する第2モードと、
を備えることを特徴とする展示装置。
【請求項5】
請求項4記載の展示装置において、
前記第1制御部は、
前記第1モードと前記第2モードとを所定周期で繰り返す
ことを特徴とする展示装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の展示装置において、
前記第2照明部材は、光量可変に構成されており、
かつ、前記第2照明部材の光量を自動制御可能な第2制御部を設けた
ことを特徴とする展示装置。
【請求項7】
請求項6記載の展示装置において、
前記第2制御部は、
所定周期で前記第2照明部材の光量の増減を繰り返す
ことを特徴とする展示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、展示領域に配置された展示物を照明する照明部材を備えた展示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種の展示装置においては、特許文献1記載のように、展示領域を上方から照明する照明装置(照明部材)を備えているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記従来の展示装置において、展示物に対し、前方側を暗くしつつ後方側を明るくして影絵を楽しむという技術は存在しなかった。
【0005】
本発明の目的は、展示物に対し、前方側を暗くしつつ後方側を明るくして影絵を楽しむことができる展示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明の展示装置は、展示物を配置する展示領域及び遮光壁を備え、前記遮光壁が、前記展示物の左方と右方と上方とをそれぞれ覆って遮光可能な左遮光部と右遮光部と上遮光部とを含む、展示ケースと、前記展示領域を上方から照明する第1照明部材と、前記展示領域の後方に配置されたハーフミラー部材と、前記ハーフミラー部材の後方に配置され、前方側を照明する第2照明部材と、を有することを特徴とする。
【0007】
本願発明の展示装置では、第1照明部材だけを点灯させると、通常の展示装置として機能させることができる。すなわち、展示領域を上方から照明することで展示領域に配置された展示物の外観を楽しむことができる。その際、ハーフミラー部材の鏡面機能により展示物の背面も見ることができる。
【0008】
しかも、本願発明の展示装置では、第2照明部材だけを点灯させると、ハーフミラー部材の透過機能により第2照明部材が展示物の後方側を明るくするため、展示物の輪郭だけを影絵のように楽しむことができる。
【0009】
このように、本願発明の展示装置では、展示物の外観と背面を楽しむ通常の態様での展示と、輪郭を影絵として楽しむ態様での展示と、の両方を行うことができ、興趣を向上することができる。特に、人形(フィギュア)、自動車模型、艦船模型、戦車模型等、輪郭に特徴があるものに対して有効である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、展示物に対し、前方側を暗くしつつ後方側を明るくして影絵を楽しむことができる展示装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態による展示装置に展示物を配置した状態を表す斜視図(前方照明だけを点灯している状態)である。
【
図2】本発明の一実施形態による展示装置に展示物を配置した状態を表す正面図(前方照明だけを点灯している状態)である。
【
図3】本発明の一実施形態による展示装置を表す分解斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による展示装置に展示物を配置した状態を表す正面図(バックライトだけを点灯している状態)である。
【
図5】本発明の一実施形態による展示装置における照明コントローラの機能的構成図である。
【
図6】変形例1による展示装置における照明コントローラの機能的構成図である。
【
図7】変形例2による展示装置における照明コントローラの機能的構成図である。
【
図8】変形例3の展示装置における照明コントローラの機能的構成図である。
【
図9】変形例4の展示装置における照明コントローラの機能的構成図である。
【
図10】他の変形例の展示装置を表す斜視図である。
【
図11】他の変形例の展示装置に展示物を配置した状態を表す正面図(バックライトだけを点灯している状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0013】
<構成>
本実施形態による展示装置1及び展示装置1に展示物2を配置した状態を説明する図を
図1~
図4に示す。また、本実施形態による展示装置1における照明コントローラ70の機能的構成を説明する図を
図5に示す。なお、以下の説明において、上下方向、前後方向(正面側、背面側)及び左右方向は、ディスプレイケース10(展示ケースに相当)の前窓部15を前面とした場合における上下方向(上側、底側)、前後方向(正面側、背面側)及び左右方向に相当しており、
図1~
図4の各図中に適宜示される矢印の方向に対応している。
【0014】
本実施形態による展示装置1は、ディスプレイケース10と、前方照明60(第1照明部材に相当)と、マジックミラー20(ハーフミラー部材に相当)と、バックライト40(第2照明部材に相当)と、を有している。
【0015】
ディスプレイケース10は、前部及び後部が開口した略箱状の部材である。具体的には、ディスプレイケース10は、底壁部11(展示領域に相当)と、左壁部12(遮光壁あるいは左遮光部に相当)と、右壁部13(遮光壁あるいは右遮光部に相当)と、上壁部14(遮光壁あるいは上遮光部に相当)と、を有している。底壁部11は、展示物2が置かれる底面領域(展示領域)となる板状の部分であり、展示物の下方を覆って遮光可能な遮光壁をなしている。左壁部12は、底壁部11の左端部から上方に延びる板状の部分であり、展示物2の左方を覆って遮光可能な遮光壁をなしている。右壁部13は、底壁部11の右端部から上方に延びる板状の部分であり、展示物2の右方を覆って遮光可能な遮光壁をなしている。上壁部14は、左壁部12の上端部と右壁部13の上端部とを結ぶように横方に延びる板状の部分であり、展示物2の上方を覆って遮光可能な遮光壁をなしている。また、ディスプレイケース10の前部の開口(前窓部15)には、前方から展示物2を視認可能な透明な板状部材が展示物2を前方から覆うように取り付けられている。なお、必ずしも透明な部材を前窓部15に取り付けておく必要はなく、前窓部15が開放されたままであっても良い。ディスプレイケース10の後部の開口(後窓部16)には、展示物2の後方にマジックミラー20が取り付けられている。
【0016】
前方照明60は、底壁部11を上方から照明する機器である。前方照明60は、上壁部14に取り付けられている。
【0017】
マジックミラー20は、底壁部11の後方に配置された板状の部材である。具体的には、マジックミラー20は、展示物2の後方を覆うように後窓部16に取り付けられている。マジックミラー20は、明るい側から見ると鏡に見える鏡面機能を有し、暗い側から見ると向こう側が透過して見える透過機能を有する板状の部材である。
【0018】
バックライト40は、マジックミラー20の後方に配置され、前方側を照明する機器である。バックライト40は、光源と光拡散板とを有する板形状をなしている。バックライト40は、マジックミラー20の後面を覆うようにディスプレイケース10の後部に取り付けられている。
【0019】
また、マジックミラー20の後方側でかつバックライト40の前方側には、透明フィルム30が配置されている。透明フィルム30は、背景図像31(ここでは、太陽、雲及び木の絵)が形成された透明なフィルム状の部材である。なお、背景画像31としては、太陽、雲及び木の絵に限られるものではなく、画像、テキスト、アイコン等のシンボルなど背景となるすべての物が含まれる。
【0020】
また、バックライト20の側面(ここでは、左側面の上部)には、前方照明60及びバックライト40の点灯及び消灯の操作を行うための照明コントローラ70が設けられている。照明コントローラ70には、前方照明60及びバックライト40それぞれの点灯及び消灯を個別に操作可能な前方照明ON・OFFスイッチ71(照明操作部に相当)及びバックライトON・OFFスイッチ72(照明操作部に相当)が設けられている。なお、照明コントローラ70を設ける位置は、バックライト20の側面に限られるものではなく、ディスプレイケース10に設けられていても良いし、遠隔操作を行う場合にはリモートコントローラに設けられていても良い。
【0021】
また、バックライト20の側面(ここでは、左側面の下部)には、前方照明60及びバックライト40への給電のための電源5が接続されている。ここでは、電源5として交流電源を採用している。なお、電源5は、交流電源に限られるものではなく、乾電池や充電池等の別の電源であっても良い。
【0022】
<動作>
本実施形態の展示装置1では、照明コントローラ70の操作によって、2つの展示態様を楽しむことができるようになっている。
【0023】
1つ目の展示態様は、前方照明60を点灯しバックライト40を消灯する態様(第1モード)である(
図1及び
図2参照)。この第1モードへの切り替えは、前方照明ON・OFFスイッチ71をONにし、かつ、バックライトON・OFFスイッチ72をOFFにすることによって行われる。これにより、展示装置1を通常の展示装置として機能させることができる。すなわち、底壁部11を上方から照明することで底壁部11に配置された展示物2の外観を楽しむことができる。その際、マジックミラー20の鏡面機能により展示物2の背面も見ることができる。
【0024】
2つ目の展示態様は、前方照明60を消灯しバックライト40を点灯する態様(第2モード)である(
図4参照)。この第2モードへの切り替えは、前方照明ON・OFFスイッチ71をOFFにし、かつ、バックライトON・OFFスイッチ72をONにすることによって行われる。これにより、展示装置1をマジックミラー20の透過機能によってバックライト40が展示物2の後方側を明るくすることで展示物2の輪郭だけを影絵のように楽しむことができる。しかも、このとき、透明フィルム30に形成された背景図像31も見えるため、展示物2の影絵に背景を追加することができる。
【0025】
<実施形態の効果>
以上説明したように、本実施形態の展示ケース1は、展示物2を配置する底壁部11及び壁部12,13,14を備えたディスプレイケース10と、底壁部11を上方から照明する前方照明60と、底壁部11の後方に配置されたマジックミラー20と、マジックミラー20の後方に配置され、前方側を照明するバックライト40と、を有している。
【0026】
このような構成を有する本実施形態の展示装置1では、前方照明60だけを点灯させると、通常の展示装置として機能する。すなわち、底壁部11を上方から照明することで底壁部11に配置された展示物2の外観を楽しむことができる(
図1及び
図2参照)。その際、マジックミラー20の鏡面機能により展示物2の背面も見ることができる(
図1参照)。
【0027】
しかも、本実施形態の展示装置1では、バックライト40だけを点灯させると、マジックミラー20の透過機能によりバックライト40が展示物2の後方側を明るくするため、展示物2の輪郭だけを影絵のように楽しむことができる(
図4参照)。
【0028】
このように、本実施形態の展示装置1では、展示物2の外観と背面を楽しむ通常の態様での展示と、輪郭を影絵として楽しむ態様での展示と、の両方を行うことができ、興趣を向上することができる。特に、人形(フィギュア)、自動車模型、艦船模型、戦車模型等、輪郭に特徴があるものに対して有効である。
【0029】
また、本実施形態では特に、マジックミラー20の後方側でかつバックライト40の前方側に、背景図像31が形成された透明フィルム30をさらに有している。このため、バックライト40を点灯して影絵を楽しむとき、影絵に背景を追加することができる(
図4参照)。
【0030】
また、本実施形態では特に、前方照明60及びバックライト40それぞれの点灯及び消灯を個別に操作可能な前方照明ON・OFFスイッチ71及びバックライトON・OFFスイッチ72をさらに有している。このため、ユーザーの手動操作によって、通常の態様での展示と影絵として楽しむ態様での展示のどちらの手法で楽しむかを選択することができる。
【0031】
<変形例1>
上記実施形態の展示装置1においては、手動操作によって第1モードと第2モードを切り替えるようにしているが、第1モードと第2モードを自動的に切り替えるようにしても良い。
【0032】
本変形例では、第1モードと第2モードを自動的に切り替え可能にするために、
図6に示すように、照明コントローラ70に前方照明60及びバックライト40それぞれの点灯及び消灯を自動制御可能なモード切替部74(第1制御部)を設けている。また、ここでは、例えば時間帯によって第1モードと第2モードを自動切り替えするために、ユーザーからモード切り替えを行う時間(モード切替時間)の入力を受け付けて設定されたモード切替時間をモード切替部74に指示するモード切替時間設定部73が照明コントローラ70に設けられている。なお、照明コントローラ70のモード切替時間設定部73及びモード切替部74は、詳細な図示を省略するが、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部と、演算・制御処理を行う制御部と、によって実行される機能的構成である。
【0033】
本変形例1では、ユーザーからの入力によってモード切替時間設定部73で設定されたモード切替時間にしたがって、第1モードと第2モードの切り替えを自動的行うことができる。例えば、夕方以前は第1モードにしておき、夕方以降は第2モードにするなどのモードの切り替えを行うことができる。
【0034】
また、
図6では、照明コントローラ70がモード切替時間設定部73及びモード切替部74だけを有するものとなっているが、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態の手動操作のための前方照明ON・OFFスイッチ71及びバックライトON・OFFスイッチ72も合わせて有するようにしておき、自動切り替えと手動切り替えとを選択できるように構成しても良い。
【0035】
<変形例2>
上記変形例1の展示装置1においては、時間帯によって第1モードと第2モードを自動切り替えするために、照明コントローラ70にモード切替部74とともに、モード切替時間を設定するモード切替時間設定部73を設けているが、これに限定されるものではなく、第1モードと第2モードを所定周期で切り替えるようにしても良い。
【0036】
本変形例では、第1モードと第2モードを所定周期で切り替え可能にするために、
図7に示すように、照明コントローラ70にモード切替部74(第1制御部)とともに、ユーザーからモード切り替えを行う周期(モード切替周期)の入力を受け付けて設定されたモード切替周期をモード切替部74に指示するモード切替周期設定部75が設けられている。なお、照明コントローラ70のモード切替周期設定部75及びモード切替部74は、詳細な図示を省略するが、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部と、演算・制御処理を行う制御部と、によって実行される機能的構成である。
【0037】
本変形例2では、ユーザーからの入力によってモード切替周期設定部75で設定されたモード切替周期にしたがって、第1モードと第2モードの切り替えを自動的行うことができる。そして、通常の態様での展示、及び、影絵を楽しむ態様での展示、の切り替えを自動的に繰り返すことができ、これによって見る人を惹きつけるインパクトの強い展示を実現することができる。
【0038】
また、
図7では、照明コントローラ70がモード切替周期設定部75及びモード切替部74だけを有するものとなっているが、これに限定されるものではない。例えば、上記実施形態の手動操作のための前方照明ON・OFFスイッチ71及びバックライトON・OFFスイッチ72も合わせて有するようにしておき、自動切り替えと手動切り替えとを選択できるように構成しても良い。さらに、上記変形例1のモード切替時間設定部73も合わせて有するようにしておき、自動切り替えも選択できるように構成しても良い。
【0039】
<変形例3>
上記実施形態及び変形例1,2の展示装置1においては、バックライト40を点灯した際の光量が一定であるが、これに限定されるものではなく、バックライト40を光量可変なものとし、バックライト40を点灯した際の光量を自動制御できるようにしても良い。
【0040】
本変形例では、
図8に示すように、照明コントローラ70に上記変形例1と同様のモード切替時間設定部73及びモード切替部74(第1制御部)を設けるとともに、バックライト40の光量を自動制御可能な光量切替部77(第2制御部)を設けている。また、ここでは、例えば時間帯によってバックライト40の光量を自動変更するために、ユーザーから光量変更を行う時間(光量変更時間)の入力を受け付けて設定された光量変更時間を光量切替部77に指示する光量変更時間設定部76が照明コントローラ70に設けられている。なお、照明コントローラ70のモード切替時間設定部73、モード切替部74、光量変更時間設定部76及び光量切替部77は、詳細な図示を省略するが、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部と、演算・制御処理を行う制御部と、によって実行される機能的構成である。
【0041】
本変形例3では、ユーザーからの入力によって光量変更時間設定部76で設定された光量変更時間にしたがって、バックライト40の光量の増減を自動的に行うことができる。例えば、夕方以前は光量を減らしておき、夕方以降は光量を増やすなどのように、光量を適宜に可変に調整して楽しむことができる。
【0042】
また、
図8では、上記変形例1の制御構成に光量変更時間設定部76及び光量切替部77をさらに加えたものとなっているが、これに限定されるものではない。例えば、上記変形例2の制御構成に光量変更時間設定部76及び光量切替部77をさらに加えたものとしてもよいし、上記実施形態の手動操作構成に光量変更時間設定部76及び光量切替部77をさらに加えたものとしてもよい。
【0043】
<変形例4>
上記変形例3の展示装置1においては、時間帯によってバックライト40の光量を増減するために、照明コントローラ70に光量切替部77とともに、光量変更時間を設定する光量変更時間設定部76を設けているが、これに限定されるものではなく、光量を所定周期で増減させるようにしても良い。
【0044】
本変形例では、バックライト40の光量を所定周期で増減可能にするために、
図9に示すように、照明コントローラ70に光量切替部77(第2制御部)とともに、ユーザーから光量増減を行う周期(光量変更周期)の入力を受け付けて設定された光量変更周期を光量切替部77に指示する光量変更周期設定部78が設けられている。なお、照明コントローラ70のモード切替時間設定部73、モード切替部74、光量変更周期設定部78及び光量切替部77は、詳細な図示を省略するが、各種のデータやプログラムを記憶する記憶部と、演算・制御処理を行う制御部と、によって実行される機能的構成である。
【0045】
本変形例4では、ユーザーからの入力によって光量変更周期設定部78で設定された光量変更周期にしたがって、バックライト40の光量の増減を自動的に行うことができる。そして、影絵のバックライト40の明暗切替を自動的に繰り返すことができるので、興味をひく印象的な展示を実現することができる。
【0046】
また、
図9では、上記変形例1の制御構成に光量変更周期設定部78及び光量切替部77をさらに加えたものとなっているが、これに限定されるものではない。例えば、上記変形例2の制御構成に光量変更周期設定部78及び光量切替部77をさらに加えたものとしてもよいし、上記実施形態の手動操作構成に光量変更周期設定部78及び光量切替部77をさらに加えたものとしてもよい。
【0047】
<他の変形例>
なお、以上においては、1つの展示物2を展示するタイプの展示装置1を例にして本願発明を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、
図10及び
図11に示すように、上下2段に分けて展示物2(ここでは、上段に自動車模型、下段に人形)を展示するタイプの展示装置1に本願発明を適用しても良い。なお、この場合には、ディスプレイケース10を上下2段に分けるための棚板(壁部)が上段側の底壁部11と下段側の上壁部14とを兼ねることになる。この場合においても、上記実施形態や変形例と同様の作用効果を得ることができる。また、ここでは図示しないが、仕切板で左右2列に分けて展示物を展示するタイプの展示装置に本願発明を適用しても良い。
【0048】
なお、以上の説明において、外観上の寸法や大きさが「同一」「等しい」「異なる」等の記載がある場合は、当該記載は厳密な意味ではない。すなわち、それら「同一」「等しい」「異なる」とは、設計上、製造上の公差、誤差が許容され、「実質的に同一」「実質的に等しい」「実質的に異なる」という意味である。
【0049】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。
【0050】
その他、一々例示はしないが、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0051】
1 展示装置
2 展示物
5 電源
10 ディスプレイケース(展示ケース)
11 底壁部(展示領域)
12 左壁部(遮光壁、左遮光部)
13 右壁部(遮光壁、右遮光部)
14 上壁部(遮光壁、上遮光部)
15 前窓部
16 後窓部
20 マジックミラー(ハーフミラー部材)
30 透明フィルム(透過部材)
31 背景画像
40 バックライト(第2照明部材)
60 前方照明(第1照明部材)
70 照明コントローラ
71 前方照明ON・OFFスイッチ(照明操作部)
72 バックライトON・OFFスイッチ(照明操作部)
73 モード切替時間設定部
74 モード切替部(第1制御部)
75 モード切替周期設定部
76 光量変更時間設定部
77 光量切替部(第2制御部)
78 光量変更周期設定部
【手続補正書】
【提出日】2021-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
展示物を配置する展示領域及び遮光壁を備え、前記遮光壁が、前記展示物の左方と右方と上方とをそれぞれ覆って遮光可能な左遮光部と右遮光部と上遮光部とを含み、前記展示領域の前方側を開放した、展示ケースと、
前記展示領域を上方から照明する第1照明部材と、
前記展示領域の後方に配置されたハーフミラー部材と、
前記ハーフミラー部材の後方に配置され、前方側を照明する第2照明部材と、
前記第1照明部材及び前記第2照明部材それぞれの点灯及び消灯を自動制御可能な第1制御部と、
夕方に対応する所望のモード切替時間を設定する設定部と、
を有し、
前記第1制御部は、
前記第1照明部材を点灯し前記第2照明部材を消灯する、前記展示物の外観と背面とを楽しむための第1モードと、前記第1照明部材を消灯し前記第2照明部材を点灯する、前記展示物の輪郭を影絵として楽しむための第2モードと、
を備えるとともに、
前記夕方に対応するモード切替時間より前は前記第1モードに切り替えるとともに前記夕方に対応するモード切替時間より後は前記第2モードに切り替える
ことを特徴とする展示装置。
【請求項2】
展示物を配置する展示領域及び遮光壁を備え、前記遮光壁が、前記展示物の左方と右方と上方とをそれぞれ覆って遮光可能な左遮光部と右遮光部と上遮光部とを含み、前記展示領域の前方側を開放した、展示ケースと、
前記展示領域を上方から照明する第1照明部材と、
前記展示領域の後方に配置されたハーフミラー部材と、
前記ハーフミラー部材の後方に配置され、光量可変に構成されて前方側を照明する第2照明部材と、
前記第1照明部材及び前記第2照明部材それぞれの点灯及び消灯を自動制御可能な第1制御部と、
前記第2照明部材の光量を自動制御可能な第2制御部と、
夕方に対応する所望の光量切替時間を設定する設定部と、
を有し、
前記第1制御部は、
前記第1照明部材を点灯し前記第2照明部材を消灯する、前記展示物の外観と背面とを楽しむための第1モードと、前記第1照明部材を消灯し前記第2照明部材を点灯する、前記展示物の輪郭を影絵として楽しむための第2モードと、
を備え、
前記第2制御部は、
前記夕方に対応する光量切替時間より前に比べ、前記夕方に対応する光量切替時間より後は前記第2照明部材の光量が増大するように、当該第2照明部材を制御する
ことを特徴とする展示装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2記載の展示装置において、
前記ハーフミラー部材の後方側でかつ前記第2照明部材の前方側に、背景図像が形成された透過部材をさらに有する
ことを特徴とする展示装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項記載の展示装置において、
前記第1照明部材及び前記第2照明部材それぞれの点灯及び消灯を個別に操作可能な照明操作部をさらに有する
ことを特徴とする展示装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項記載の展示装置において、
前記第1制御部は、
前記第1モードと前記第2モードとを所定周期で繰り返す
ことを特徴とする展示装置。
【請求項6】
請求項1記載の展示装置において、
前記第2照明部材は、光量可変に構成されており、
かつ、前記第2照明部材の光量を自動制御可能な第2制御部を設けた
ことを特徴とする展示装置。
【請求項7】
請求項6記載の展示装置において、
前記第2制御部は、
所定周期で前記第2照明部材の光量の増減を繰り返す
ことを特徴とする展示装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的を達成するために、本願発明の展示装置は、展示物を配置する展示領域及び遮光壁を備え、前記遮光壁が、前記展示物の左方と右方と上方とをそれぞれ覆って遮光可能な左遮光部と右遮光部と上遮光部とを含み、前記展示領域の前方側を開放した、展示ケースと、前記展示領域を上方から照明する第1照明部材と、前記展示領域の後方に配置されたハーフミラー部材と、前記ハーフミラー部材の後方に配置され、前方側を照明する第2照明部材と、前記第1照明部材及び前記第2照明部材それぞれの点灯及び消灯を自動制御可能な第1制御部と、夕方に対応する所望のモード切替時間を設定する設定部と、を有し、前記第1制御部は、前記第1照明部材を点灯し前記第2照明部材を消灯する、前記展示物の外観と背面とを楽しむための第1モードと、前記第1照明部材を消灯し前記第2照明部材を点灯する、前記展示物の輪郭を影絵として楽しむための第2モードと、を備えるとともに、前記夕方に対応するモード切替時間より前は前記第1モードに切り替えるとともに前記夕方に対応するモード切替時間より後は前記第2モードに切り替えることを特徴とする。
また上記目的を達成するために、本願発明の展示装置は、展示物を配置する展示領域及び遮光壁を備え、前記遮光壁が、前記展示物の左方と右方と上方とをそれぞれ覆って遮光可能な左遮光部と右遮光部と上遮光部とを含み、前記展示領域の前方側を開放した、展示ケースと、前記展示領域を上方から照明する第1照明部材と、前記展示領域の後方に配置されたハーフミラー部材と、前記ハーフミラー部材の後方に配置され、光量可変に構成されて前方側を照明する第2照明部材と、前記第1照明部材及び前記第2照明部材それぞれの点灯及び消灯を自動制御可能な第1制御部と、前記第2照明部材の光量を自動制御可能な第2制御部と、夕方に対応する所望の光量切替時間を設定する設定部と、を有し、前記第1制御部は、前記第1照明部材を点灯し前記第2照明部材を消灯する、前記展示物の外観と背面とを楽しむための第1モードと、前記第1照明部材を消灯し前記第2照明部材を点灯する、前記展示物の輪郭を影絵として楽しむための第2モードと、を備え、前記第2制御部は、前記夕方に対応する光量切替時間より前に比べ、前記夕方に対応する光量切替時間より後は前記第2照明部材の光量が増大するように、当該第2照明部材を制御することを特徴とする。