(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158271
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】敷き寝具
(51)【国際特許分類】
A47C 27/14 20060101AFI20221006BHJP
A47C 31/10 20060101ALI20221006BHJP
A47G 9/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
A47C27/14 Z
A47C31/10
A47G9/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063038
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000196129
【氏名又は名称】西川株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100182006
【弁理士】
【氏名又は名称】湯本 譲司
(72)【発明者】
【氏名】安川 淳
(72)【発明者】
【氏名】茂木 秀暁
(72)【発明者】
【氏名】池田 奨
【テーマコード(参考)】
3B096
3B102
【Fターム(参考)】
3B096AA01
3B096AC02
3B096AD07
3B102BA00
3B102BA16
(57)【要約】
【課題】ずれ又は段差の発生を抑制して使用者に対する違和感を低減し、寝心地を良好にすることができる敷き寝具を提供する。
【解決手段】一実施形態に係る敷き寝具は、使用者の身体が載せられる敷き寝具であって、ブロック状を呈する複数のクッション体20と、複数のクッション体20を収容する布製の袋体10と、袋体10の内部空間Sを、複数のクッション体20のそれぞれが収容される複数の領域Aに仕切る仕切り部材15と、を備え、袋体10の内部において、複数のクッション体20が仕切り部材15を挟んで第1方向D1に沿って並ぶと共に、複数のクッション体20のそれぞれの側面20cが第1方向D1に交差する第2方向D2に沿って延在しており、仕切り部材15は、袋体10の第2方向D2の中央を含む領域において第2方向D2に沿って延在している。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の身体が載せられる敷き寝具であって、
ブロック状を呈する複数のクッション体と、
前記複数のクッション体を収容する布製の袋体と、
前記袋体の内部空間を、前記複数のクッション体のそれぞれが収容される複数の領域に仕切る仕切り部材と、
を備え、
前記袋体の内部において、前記複数のクッション体が前記仕切り部材を挟んで第1方向に沿って並ぶと共に、前記複数のクッション体のそれぞれの側面が前記第1方向に交差する第2方向に沿って延在しており、
前記仕切り部材は、前記袋体の前記第2方向の中央を含む領域において前記第2方向に沿って延在している、
敷き寝具。
【請求項2】
前記仕切り部材の伸縮性が前記袋体の伸縮性よりも低い、
請求項1に記載の敷き寝具。
【請求項3】
前記袋体は、前記袋体の天面及び側面のいずれかに設けられたファスナーを有し、
前記ファスナーは、
前記第1方向に沿って延びる第1部分と、
前記第1部分の前記第1方向の端部から前記第2方向に沿って延びる第2部分と、を有する、
請求項1又は2に記載の敷き寝具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、使用者の身体が載せられる敷き寝具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から敷き寝具としては種々のものが知られている。特開2007-283087号公報には、マットレスの幅に適合されるマットレスカバーが記載されている。マットレスカバーは、マットレスカバーの幅方向に沿って並ぶ一対のマットレスカバー片を備える。マットレスカバー片は、マットレスカバーのカバー底部と、マットレスカバーの側面を構成するカバー側部とを有する。
【0003】
長手方向に沿って延びるカバー側部の内面からは複数の板部が延び出しており、複数の板部の間、及び板部とカバー側部との間、のそれぞれにマットレス材が収容される。一対のマットレスカバー片の間には係止具が取り付けられる。各マットレスカバー片に対する係止具の係止位置を変更することによって、一対のマットレスカバー片の間の距離を調整可能となっている。
【0004】
特開2000-139624号公報には、機能可変式の布団セットが記載されている。布団セットは、複数のパッドサックを備える。複数のパッドサックのそれぞれには開閉ファスナーが設けられており、開閉ファスナーで開かれたパッドサックに複数枚の詰替パッドが収容される。複数のパッドサックの上辺の間には繋ぎファスナーが設けられており、この繋ぎファスナーによって複数のパッドサックが連結される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-283087号公報
【特許文献2】特開2000-139624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述したマットレスカバーでは、複数のマットレス材等のクッション体が収容される。しかしながら、複数のクッション体の間には、隙間が形成されることがある。更に、複数のクッション体の上下位置がずれて敷き寝具の表面に段差が形成されることがある。このように敷き寝具に隙間又は段差が形成されると、敷き寝具に身体を載せる使用者に違和感を感じさせる可能性がある。
【0007】
前述した布団セットは、複数のパッドサックの上辺の間に設けられた繋ぎファスナーによって複数のパッドサックが互いに連結する。しかしながら、この布団セットでは、パッドサックの上辺に沿って繋ぎファスナーが配置されているため、繋ぎファスナーが側地等を介して使用者の身体に当たり、使用者に違和感を感じさせる可能性がある。このように、使用者に違和感を感じさせる可能性があるため、敷き寝具に身体を載せる使用者の寝心地において改善の余地がある。
【0008】
本開示は、ずれ又は段差の発生を抑制して使用者に対する違和感を低減し、寝心地を良好にすることができる敷き寝具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示に係る敷き寝具は、使用者の身体が載せられる敷き寝具であって、ブロック状を呈する複数のクッション体と、複数のクッション体を収容する布製の袋体と、袋体の内部空間を、複数のクッション体のそれぞれが収容される複数の領域に仕切る仕切り部材と、を備え、袋体の内部において、複数のクッション体が仕切り部材を挟んで第1方向に沿って並ぶと共に、複数のクッション体のそれぞれの側面が第1方向に交差する第2方向に沿って延在しており、仕切り部材は、袋体の第2方向の中央を含む領域において第2方向に沿って延在している。
【0010】
この敷き寝具では、ブロック状を呈する複数のクッション体が布製の袋体の内部に収容される。袋体の内部において複数のクッション体は第1方向に沿って並んでいる。袋体の内部において、複数のクッション体のそれぞれの側面が第1方向に交差する第2方向に沿って延在している。敷き寝具は袋体の内部空間を複数の領域に仕切る仕切り部材を備え、仕切り部材によって仕切られた複数の領域のそれぞれにクッション体が収容される。仕切り部材はクッション体の各側面が延びる方向である第2方向に沿って延在している。従って、側面が仕切り部材に沿うように各クッション体が収容されるため、複数のクッション体を、仕切り部材を介して互いに接近させることができ、複数のクッション体の間に隙間が空くことを抑制できる。よって、複数のクッション体の間に隙間又は段差が生じることを抑制できるので、使用者に対する違和感を低減することができる。仕切り部材は、袋体の第2方向の中央を含む領域において第2方向に沿って延在している。従って、袋体の第2方向の少なくとも中央に仕切り部材が設けられ、仕切り部材を挟むように一対のクッション体が収容されるため、複数のクッション体を互いに連結させる面ファスナー等を不要とすることができる。よって、使用者に対する違和感を低減して、使用者の寝心地を良好にすることができる。
【0011】
仕切り部材の伸縮性が袋体の伸縮性よりも低くてもよい。この場合、袋体と比較して仕切り部材を変形させにくくすることができるので、クッション体を一層ずれにくくすることができる。その結果、収容されたクッション体のずれ及び段差の発生を抑制して、一層寝心地を良好にすることができる。
【0012】
袋体は、袋体の天面及び側面のいずれかに設けられたファスナーを有し、ファスナーは、第1方向に沿って延びる第1部分と、第1部分の第1方向の端部から第2方向に沿って延びる第2部分と、を有してもよい。この場合、ファスナーが第1方向に延びる第1部分、及び第2方向に延びる第2部分を有するので、袋体へのクッション体の出し入れを容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、ずれ又は段差の発生を抑制して使用者に対する違和感を低減し、寝心地を良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施形態に係る敷き寝具を模式的に示す斜視図である。
【
図3】
図1の敷き寝具を折り畳んだ状態を示す側面図である。
【
図6】
図4の袋体のファスナーを開けた状態を示す側面図である。
【
図7】
図4の袋体が捲られた状態を示す斜視図である。
【
図8】
図4の袋体、仕切り部材、及びクッション体を模式的に示す側面図である。
【
図9】実施形態に係る寝具提案システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図10】
図9の寝具提案システムにおけるデータ入力画面を模式的に示す図である。
【
図11】使用者の身体の各部の位置の例を示す側面図である。
【
図13】表示される身体の各部のサイズの例を示す図である。
【
図14】(a)~(f)は、表示される体型パターンの例を示す図である。
【
図15】表示される敷き寝具のクッション体のデータの例を示す図である。
【
図16】実施形態に係る寝具提案方法の工程の例を示すフローチャートである。
【
図17】変形例に係るクッション体、袋体及び仕切り部材を模式的に示す側面図である。
【
図18】(a)及び(b)は、変形例に係る袋体を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下では、図面を参照しながら、本開示に係る敷き寝具の実施形態について説明する。なお、本開示に係る敷き寝具は以下の実施形態に限定されない。図面の説明において同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解の容易化のため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0016】
本開示に係る敷き寝具は、使用者の身体が載せられる敷き寝具である。本開示において、「使用者」は、敷き寝具を使用する者を示している。「使用者」としては、敷き寝具を購入する者、又は敷き寝具を試用する者が挙げられる。「敷き寝具」とは、使用者が身体を休めたり睡眠をとったりするときに使用者の身体が当てられるものであり、典型的には、マットレス、敷き布団、クッション、ベッドパッド、座布団又は枕である。
【0017】
敷き寝具は、ブロック状を呈する複数のクッション体を備える。「クッション体」とは、付与された荷重に応じて変形する弾性を備えたものを示している。「ブロック状」とは、一定の形状に定まる性状を示している。すなわち、「ブロック状」は、外力が付与されると変形するが外力が無くなると元の形状に戻る性状を示している。「ブロック状」は、板状又は直方体状であってもよく、それらの形状が維持される性状であってもよい。
【0018】
図1は、本実施形態に係る敷き寝具1を示す斜視図である。
図2は、敷き寝具1を示す平面図である。例えば、敷き寝具1はマットレスである。
図1及び
図2に示されるように、敷き寝具1は、例えば、直方体状を呈する。敷き寝具1は、第1方向D1及び第2方向D2に延在する上面1bと、第1方向D1及び第3方向D3に延在する一対の側面1cと、第2方向D2及び第3方向D3に延在する一対の側面1dとを有する。例えば、第1方向D1は敷き寝具1の長手方向であり、第2方向D2は敷き寝具1の短手方向(幅方向)である。第3方向D3は、例えば、敷き寝具1の高さ方向(厚さ方向)である。なお、第2方向D2は、第1方向D1に交差する方向であって且つ水平に延びる方向であってもよい。
【0019】
敷き寝具1は、例えば、側地1Aと、側地1Aに収容された袋体10とを有する。袋体10にはクッション体20(
図6参照)が収容されている。例えば、側地1Aには複数の袋体10が収容されており、側地1Aにおける複数の袋体10の間の部分が折り曲げ部2とされている。
【0020】
折り曲げ部2は、例えば、複数の袋体10を互いに接続する側地1Aによって形成されている。折り曲げ部2は敷き寝具1において第2方向D2に延在しており、
図2及び
図3に示されるように、折り曲げ部2を介して敷き寝具1を折り曲げることが可能である。一例として、敷き寝具1は、2つの折り曲げ部2を有し、三つ折りすることが可能である。このように敷き寝具1が三つ折り可能である場合、五つ折り可能又は六つ折り可能である場合と比較して、敷き寝具1の取り扱いを容易に行うことができる。
【0021】
図4は、側地1Aに収容される例示的な袋体10を模式的に示す斜視図である。
図5は、袋体10を模式的に示す平面図である。
図4及び
図5に示されるように、袋体10は、直方体状を呈する。袋体10は、第1方向D1及び第2方向D2に延在する天面11と、第1方向D1及び第3方向D3に延在する一対の側面12と、第2方向D2及び第3方向D3に延在する一対の側面13とを有する。
【0022】
袋体10は、例えば、メッシュ素材によって構成されている。袋体10がメッシュ素材によって構成されていることにより、袋体10の伸縮性を適度にすることができる。すなわち、袋体10を、伸びすぎない素材で構成することができる。更に、袋体10を軽くできると共に袋体10の通気性を高めることができる。袋体10は、袋体10を開閉させるファスナー14を有する。なお、袋体10が直方体状である場合、袋体10の全ての面がメッシュ素材によって構成されていてもよいし、袋体10の一部の面がメッシュ素材によって構成されていてもよい。本実施形態では、一例として、袋体10を形成する少なくとも1つの面がメッシュ素材によって構成されている。
【0023】
図5では、ファスナー14の位置を模式的に示している。ファスナー14は、例えば、一対の側面12と側面13とに形成されている。ファスナー14は、第1方向D1に沿って延びる一対の第1部分14bと、一対の第1部分14bの端部同士の間で第2方向D2に沿って延びる第2部分14cとを有する。
【0024】
この場合、ファスナー14は平面視においてコの字状に配置されている。ファスナー14がコの字状に配置されることにより、袋体10の内部へのクッション体20の出し入れを容易に行うことができる。しかしながら、ファスナー14は、平面視においてL字状に配置されていてもよい。また、ファスナー14は、天面11に配置されていてもよい。このようにファスナー14の配置態様は適宜変更可能である。
【0025】
袋体10には仕切り部材15が取り付けられている。仕切り部材15は、例えば、袋体10に縫製されている。仕切り部材15は、第2方向D2に沿って延在しており、例えば、第2方向D2に沿って直線状に延在している。例えば、仕切り部材15は、第2方向D2に沿って延びる長辺と、第3方向D3に沿って延びる短辺とを有する長方形状を呈する。
【0026】
例えば、仕切り部材15の上辺が天面11に接合(一例として縫製)されており、仕切り部材15の下辺が天面11の反対側を向く袋体10の底面に接合されている。仕切り部材15は、袋体10の第2方向D2の中央Cを含む領域において第2方向D2に沿って延在している。
【0027】
一例として、仕切り部材15は、袋体10の第2方向D2の一端から他端まで延びている。本実施形態において「一端」及び「他端」は、あるものの端の部分と、端の部分から若干ずれた部分と、を含んでいる。例えば、仕切り部材15は、一方の側面12における第1方向D1の中央から他方の側面12における第1方向D1の中央まで延在している。
【0028】
図6は、ファスナー14を開けた状態とされた側面12を示す図である。
図7は、ファスナー14が開けられて天面11を捲り上げた袋体10を示す斜視図である。
図6及び
図7に示されるように、仕切り部材15は、袋体10の内部空間Sを複数の領域Aに仕切っており、仕切られた各領域Aにクッション体20が収容される。
【0029】
仕切り部材15は、例えば、布製とされている。一例として、仕切り部材15は、第2方向D2の端部に位置する縁部15bと、縁部15bから第2方向D2に延在する線状部15cと、線状部15cの第3方向D3の両側のそれぞれに位置する布部15dとを有する。
【0030】
例えば、縁部15bの厚さ、及び線状部15cの厚さは、布部15dの厚さよりも厚い。しかしながら、仕切り部材15の構成は、上記の例に限られず適宜変更可能である。また、仕切り部材15の目の粗さは袋体10の目の粗さよりも細かく、仕切り部材15の伸縮性は袋体10の伸縮性よりも低い。
【0031】
クッション体20は、ブロック状を呈する。クッション体20は、付与される荷重に伴って変形する柔軟性を有すると共に、荷重が付与されなくなったときに当該変形が元に戻る性状を有する。クッション体20は、例えば、ウレタンフォームによって構成されている。しかしながら、クッション体20は、ウレタンフォームに限られず、例えば、固わた、樹脂素材、又は網状体によって構成されていてもよい。例えば、全体として、クッション体20は直方体状を呈する。クッション体20は、鉛直上方に向けられる上面20bと、第1方向D1に向けられると共に第2方向D2に沿って延在する側面20cと、第2方向D2に向けられると共に第1方向D1に沿って延在する側面20dと、上面20bの反対側を向く底面20fとを有する。
【0032】
クッション体20は、例えば、第3方向D3の一方側(一例として鉛直上方)に向けられる複数の突起21と、第3方向D3の他方側(一例として鉛直下方)に向けられる複数のスリット22とを有する。クッション体20の上面20bは、複数の突起21の頂部によって構成される。
【0033】
複数の突起21は、例えば、第1方向D1に沿って並ぶと共に第2方向D2に沿って並ぶように格子状に配置されている。複数のスリット22は、例えば、第1方向D1に沿って並んでいる。各スリット22は、例えば、第2方向D2に沿って延在している。一例として、各スリット22は第2方向D2に沿って直線状に延在している。
【0034】
例えば、スリット22は、クッション体20の表面(一例として下面)側に位置する幅狭部22bと、幅狭部22bから見てクッション体20の表面とは反対側に位置する拡張部22cとを有する。拡張部22cの幅(第1方向D1の長さ)は、例えば、幅狭部22bの幅よりも広い。
【0035】
一例として、拡張部22cは、幅狭部22bから円形状に拡張している。以上、クッション体20の例について説明したが、クッション体20の形状は上記の例に限られず適宜変更可能である。すなわち、クッション体20は、突起21又はスリット22を有しないクッション体であってもよい。
【0036】
クッション体20は、例えば、クッション体20Aとクッション体20Bとを含む。クッション体20Aの種類とクッション体20Bの種類とは互いに異なっており、例えば、クッション体20Aの硬さとクッション体20Bの硬さとが互いに異なっている。本実施形態では、クッション体20A及びクッション体20Bを識別する必要がある場合にはクッション体20A、クッション体20Bとして説明し、識別する必要がない場合にはクッション体20として説明する。
【0037】
例えば、クッション体20Bの突起21はクッション体20Aの突起21よりも柔らかく、クッション体20Bはクッション体20Aよりも柔らかい。このように袋体10の内部には、クッション体20A及びクッション体20Bのように複数種類のクッション体20を収容可能とされている。
【0038】
図8は、袋体10、仕切り部材15及びクッション体20を模式的に示す側面図である。
図8に示されるように、クッション体20が収容された状態において袋体10及び仕切り部材15の高さH1(第3方向D3の長さ)はクッション体20の高さH2と略同一である。クッション体20が収容された状態において領域Aの第1方向D1の長さN1はクッション体20の第1方向D1の長さN2と略同一である。本開示において、「略同一」とは、例えば、2つの値のうち大きい方の値と小さい方の値との差が0cm以上且つ5cm以下であることを示している。しかしながら、長さN1と長さN2との差は、4cm以下、3cm以下、2cm以下、又は1cm以下であってもよい。長さN1と長さN2との差が5cm以下である場合には、複数のクッション体20の間に隙間が形成されたり段差が形成されたりすることを抑制できる。
【0039】
領域Aを開いた状態において、袋体10と仕切り部材15によって画成される領域Aの形状は、例えば、第1方向D1に延びる長辺を有する長方形状とされている。また、第2方向D2に沿って見た上面20b、一対の側面20c及び底面20fによって画成されるクッション体20の形状は、例えば、第1方向D1に延びる長辺を有する長方形状とされている。すなわち、第2方向D2に沿って見た領域Aの形状は、第2方向D2に沿って見たクッション体20の形状と相似形状とされている。
【0040】
以上のように、領域Aの形状がクッション体20の形状と相似であって、高さH1と高さH2が略同一、且つ長さN1と長さN2が略同一である場合、袋体10の内部空間Sに複数のクッション体20を強固に保持することができる。従って、複数のクッション体20の間に隙間が形成されたり段差が形成されたりすることを抑制できる。例えば、仕切り部材15の厚さは袋体10の厚さよりも厚い。この場合、仕切り部材15のへたりをより確実に抑制できるので、複数のクッション体20の間に隙間又は段差が生じる可能性を一層低減させることができる。
【0041】
前述したように、袋体10には複数種類のクッション体20(例えばクッション体20A及びクッション体20B)を収容可能とされている。本実施形態では、敷き寝具1の各袋体10に2個のクッション体20が収容されるので、敷き寝具1には合計6個のクッション体20が収容される。そして、敷き寝具1では、当該6個のクッション体20のそれぞれの種類を適宜選択することが可能である。従って、例えば、敷き寝具1に収容されるクッション体20の種類を敷き寝具1の使用者に提案することが可能である。
【0042】
敷き寝具1に収容されるクッション体20の種類を提案するために、例えば、寝具提案システムが用いられる。以下では、寝具提案システムの例について説明する。
図9は、本実施形態に係る寝具提案システム101のブロック図である。寝具提案システム101は、例えば、情報端末102と、サーバ110とを備える。
【0043】
サーバ110は情報端末102と通信可能とされている。サーバ110は、一例として、オペレーティングシステム及びソフトウェア(アプリケーション)等を実行するプロセッサ(例えばCPU)と、ROM及びRAMによって構成される主記憶部と、ハードディスク又はフラッシュメモリ等で構成される補助記憶部と、ネットワークカード又は無線通信モジュールで構成される通信制御部と、キーボード又はマウス等の入力装置と、モニタ等の出力装置とを備える。但し、サーバ110の構成は、上記に限定されず適宜変更可能である。
【0044】
サーバ110の各機能要素は、プロセッサ又は記憶部(例えば上記の主記憶部又は補助記憶部)に所定のソフトウェアを読み込ませて当該ソフトウェアを実行することによって実現される。プロセッサは、当該ソフトウェアに従って、前述した通信制御部、入力装置又は出力装置を動作させ、記憶部におけるデータの読み出し及び書き出しを行う。サーバ110の処理に用いられるデータ又はデータベースは記憶部に格納される。
【0045】
情報端末102は、例えば、サーバ110の機能を実行可能な機器である。情報端末102は、例えば、携帯端末である。「携帯端末」は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話、タブレット又はノートパソコン等、携帯可能な端末を示している。情報端末102は、携帯端末以外の端末であってもよく、例えば、パソコンであってもよい。例えば、情報端末102は、寝具を使用する使用者の情報端末、及び寝具を提案する提案者の情報端末、の双方を含む。
【0046】
一例として、サーバ110は、機能的構成要素として、身長入力部111、画像取得部112、マーク表示部113、身体位置取得部114、サイズ算出表示部115、体型パターン判定部116、及びクッション体データ抽出部117を含む。
図9及び
図10に示されるように、身長入力部111は、例えば、情報端末102に入力画面Nを表示する。例えば、入力画面Nに入力された身長がサーバ110に送信される。
【0047】
身長入力部111は、例えば、サーバ110から情報端末102に提供されたアプリケーションの使用時に機能する。身長入力部111に対する使用者M(
図12参照)の身長Lの入力は、使用者Mによって行われてもよいし、寝具の提案者(例えば、販売員、寝具の提供者又は寝具アドバイザー)によって行われてもよい。身長入力部111に対する使用者Mの身長Lの入力と共に、身長入力部111に対する使用者Mの体重の入力がなされてもよい。
【0048】
例えば、入力画面Nでは、身長Lと共に体重の入力が可能となっており、体重の入力値は非表示と(アスタリスク(ワイルドカード)にて表示)されている。すなわち、入力画面Nにおいて、入力者は体重の値を把握可能であるものの入力者以外の者は当該体重の値を把握不能である。このように、入力画面Nの体重の値が非表示とされることによって、入力者以外の者に体重を把握されることを回避することができる。
【0049】
画像取得部112は、使用者Mの身体の画像を取得する。例えば、情報端末102のカメラ(撮影部)によって撮影された使用者Mの身体の画像が画像取得部112によって取得される。具体例として、情報端末102でアプリケーションを起動して情報端末102で使用者Mの身体を撮影することによって画像取得部112が当該身体の撮影画像を取得する。
【0050】
図11に示されるように、画像取得部112は、使用者Mの身体の後方に配置されたメモリRと共に撮影を行うことによって画像を取得してもよい。また、情報端末102のカメラ以外の撮影部(例えば情報端末102とは別のカメラ)によって撮影された画像が画像取得部112に取得されてもよい。
【0051】
マーク表示部113は、画像取得部112によって取得された使用者Mの身体の画像と共に、身体の各部の位置を示すマークKを情報端末102の画像上に表示する。例えば、マーク表示部113は、複数のマークKを使用者Mの身体の部位ごとに表示する。マークKは、例えば、情報端末102の画面に指で触れることによって移動可能とされており、マークKを移動することによって使用者Mの身体の部位を指定可能とされている。
【0052】
図11の例では、使用者Mの頸椎M1、背中M2、腰M3、臀部M4、膝裏M5、及びかかとM6のそれぞれに対応する複数(一例として6つ)のマークKが表示される。例えば、寝具の提案者又は使用者によって、各マークKが画像上の身体の各部(一例として頸椎M1、背中M2、腰M3、臀部M4、膝裏M5及びかかとM6のそれぞれの位置)に位置合わせされる。
【0053】
身体位置取得部114は、身長入力部111によって入力された身長L、及び、前述した撮影部によって撮影された使用者Mの身体から当該身体の各部の位置を取得する。例えば、身体位置取得部114は、身長Lと画像上においてマークKが付された身体の位置とから当該各部の位置を取得する。すなわち、身体位置取得部114は、画像上で移動されたマークKの位置に基づいて当該身体の各部の位置を取得する。
【0054】
サイズ算出表示部115は、身体位置取得部114によって取得された使用者Mの身体の各部の位置から当該各部のサイズを表示する。
図12に示されるように、サイズ算出表示部115は、頸椎M1から頭頂部M7までの高さL1、背中M2から頭頂部M7までの高さL2、腰M3から頭頂部M7までの高さL3、臀部M4から頭頂部M7までの高さL4、及び、膝裏M5から頭頂部M7までの高さL5を算出する。
【0055】
身長入力部111によって入力された身長Lの値は、身体の撮影画像上におけるかかとM6から頭頂部M7までの高さに相当する。前述した高さL1~L5及び後述する横位置W1~W6のそれぞれの値は、入力された身長Lに対する比率から算出される。一例として、身長入力部111において身長Lが170cmと入力され、画像上における身長Lに対する高さL4の比率が0.5であった場合、臀部M4から頭頂部M7までの高さL4は85cmと算出される。このように、入力された身長Lに対する比率から高さL1~L5及び横位置W1~W6が求められるので、高さL1~L5及び横位置W1~W6のそれぞれの値を高精度に取得できる。
【0056】
サイズ算出表示部115は、頸椎M1の横位置W1、背中M2の横位置W2、腰M3の横位置W3、臀部M4の横位置W4、膝裏M5の横位置W5、及びかかとM6の横位置W6、の少なくともいずれかを算出してもよい。本実施形態において、「横位置」とは、身体の各部の横方向の位置を示しており、例えば、身体の前後方向における各部の突出具合及び窪み具合を示している。
【0057】
一般的に、頸椎M1及び腰M3のそれぞれは背中M2に対して身体の前側に窪んでおり、臀部M4は腰M3から身体の後側に突出している。膝裏M5は臀部M4から前側に窪んでおり、かかとM6は膝裏M5から身体の後側に突出している場合がある。
図12では、横位置W4の値を0としたときにおける横位置W1,W2,W3,W5,W6のそれぞれの値が正である例を示している。すなわち、
図12の例では、横位置W1,W2,W3,W5,W6は、横位置W4に対する身体の前側への窪み具合を示している。しかしながら、横位置W1~W6の表示方法は適宜変更可能である。
【0058】
図12及び
図13に示されるように、サイズ算出表示部115は、算出した高さL1~L5及び横位置W1~W6を、例えば、画面121に表示する。一例として、画面121は情報端末102のディスプレイ上に表示される画面である。画面121は、身長121b、体重121c、頭~頸椎の長さ121d、頸椎の横方向位置121f、頭~背中の長さ121g、背中の横方向位置121h、頭~腰の長さ121j、腰の横方向位置121k、頭~臀部の長さ121m、臀部の横方向位置121p、及び頭~膝の長さ121qを表示する。
【0059】
身長121b及び体重121cのそれぞれには、入力された身長L及び体重のそれぞれが表示される。なお、体重121cの表示は省略されてもよい。例えば、頭~頸椎の長さ121dには算出された高さL1の値が表示され、頸椎の横方向位置121fには算出された横位置W1の値が表示される。頭~背中の長さ121gには算出された高さL2の値が表示され、背中の横方向位置121hには算出された横位置W2の値が表示される。
【0060】
頭~腰の長さ121jには算出された高さL3の値が表示され、腰の横方向位置121kには算出された横位置W3の値が表示される。頭~臀部の長さ121mには算出された高さL4の値が表示され、臀部の横方向位置121pには算出された横位置W4の値(一例として0)が表示される。頭~膝の長さ121qには算出された高さL5の値が表示される。
【0061】
以上のように、画面121に使用者Mの身体の各部のサイズが表示されることにより、使用者Mは身体のサイズの詳細を把握することができる。サイズ算出表示部115は、
図12に示される使用者Mの身長L、高さL1~L5、及び横位置W1~W6が示されたシルエット画像を生成し、このシルエット画像を画面121と共に表示してもよい。この場合、使用者Mの各部のサイズをより分かりやすく表示することができる。
【0062】
体型パターン判定部116は、例えば、身体位置取得部114によって取得された身体の各部の位置から使用者Mの体型を判定し、判定した体型を表示する。また、体型パターン判定部116は、サイズ算出表示部115によって生成されたシルエット画像から使用者Mの体型を判定してもよい。
【0063】
図14(a)~
図14(f)は、判定される体型パターンの例(Aタイプ~Fタイプ)を示している。
図12及び
図14(a)~
図14(f)に示されるように、Aタイプは、Wラインタイプの体型であり、背中M2、腰M3及び臀部M4のそれぞれの曲率が所定値以上である体型を示している。Bタイプは、Sラインタイプの体型であり、背中M2及び臀部M4が腰M3より突出するものの背中M2、腰M3及び臀部M4のそれぞれの曲率が所定値以上でない体型を示している。
【0064】
Cタイプは、背出タイプの体型であり、背中M2が臀部M4よりも突出する体型を示している。Dタイプは、ヒップタイプの体型であり、臀部M4が背中M2よりも突出する体型を示している。Eタイプは、フラットタイプの体型であり、背中M2の曲率、腰M3の曲率、及び臀部M4の曲率が所定値未満である体型を示している。Fタイプは、丸背タイプであり、背中M2及び臀部M4よりも腰M3が突出している体型を示している。
【0065】
例えば、体型パターン判定部116は、使用者Mの身体がAタイプ~Fタイプのどのタイプであるかを判定し、判定結果を画面121に表示してもよい。なお、体型パターン判定部116が判定する体型パターンの種類は、上記のAタイプ~Fタイプに限られず適宜変更可能である。
【0066】
クッション体データ抽出部117は、敷き寝具1に収容されるクッション体20のデータを抽出し、当該データを表示する。「クッション体のデータ」とは、クッション体の種類を示している。「クッション体のデータ」は、例えば、使用者Mに適したクッション体20の種類を示している。「クッション体のデータ」は、一例として、使用者Mに適したクッション体20の硬さ(柔らかさ)を示している。クッション体データ抽出部117は、例えば
図15に示されるように、身体位置取得部114によって取得された身体の各部の位置から敷き寝具1のクッション体20のデータを抽出し、当該データを画面122に表示する。
【0067】
例えば、クッション体データ抽出部117は、サイズ算出表示部115によって生成されたシルエット画像からクッション体20のデータを抽出してもよい。また、クッション体データ抽出部117は、体型パターン判定部116によって判定された体型パターンからクッション体20のデータを抽出してもよい。この場合、使用者Mの体型に適したクッション体20の種類を自動的に選択することが可能となる。
【0068】
一例として、画面122は、敷き寝具1の側断面を模式的に示す模式
図122bと、クッション種類表122dとを含んでいる。但し、この画面122のレイアウトは一例であって適宜変更可能である。模式
図122bには、例えば、使用者が使用するクッション体20のレイアウトが表示される。
図15の例では、頭部側から脚側に向かって6つの領域Aに分割されたマットレスの側断面が模式的に表示される。
【0069】
クッション種類表122dには、袋体10の領域Aに収容するクッション体20の種類が表示される。クッション体20の種類は、一例として、フィットパーツ、硬めのハードパーツ、及び柔らかめのソフトパーツのいずれかが、「フィット」、「ハード」又は「ソフト」と表示される。
【0070】
以上のようにクッション体データ抽出部117がクッション体20の種類を画面122に表示することによって使用者Mが自身に適したクッション体20の種類を一目で把握することができる。しかしながら、画面122に表示するクッション体20のデータは、
図15の例に限られず適宜変更可能である。
【0071】
次に、寝具提案方法の工程の例について
図16を参照しながら説明する。なお、
図16に示す工程は、あくまで例示であって、これらの工程には限定されない。まず、例えば情報端末102でアプリケーションを起動して当該アプリケーションの画面上(一例として入力画面N上)で使用者Mの身長及び体重を入力する(ステップS1)。
【0072】
次に、
図11に示されるように、起立している使用者Mを側方から撮影する(ステップS2)。このとき、身長のラインが出るようにしてもよい。また、画像取得部112が使用者Mの身体の画像を取得し、例えば、マーク表示部113が情報端末102の画面に当該身体の画像と共に複数のマークKを表示する。その後、使用者M、又は寝具の提案者が、画像上でマークKを移動させてマークKの位置を身体の各部(例えば頸椎M1、背中M2、腰M3、臀部M4、膝裏M5及びかかとM6)の位置に合わせてマーキングを行う(ステップS3)。
【0073】
そして、入力された身長、及びマーキングされた画像上の位置から身体位置取得部114が使用者Mの身体の各部の位置を取得し、サイズ算出表示部115が当該位置のサイズを算出する。例えば
図12及び
図13に示されるように、サイズ算出表示部115は、高さL1~L5及び横位置W1~W6のそれぞれの値を算出する。そして、サイズ算出表示部115は、画面121の各項目に身長L、体重、高さL1~L5及び横位置W1~W6のそれぞれの値を表示する。
【0074】
また、身体位置取得部114によって取得された身体の各部の位置から体型パターン判定部116が体型パターンを判定する(ステップS4)。
図14(a)~
図14(f)に例示されるように、体型パターン判定部116は、身体位置取得部114によって取得された頸椎M1、背中M2、腰M3、臀部M4、膝裏M5及びかかとM6の位置からAタイプ~Fタイプのうちのいずれかを選択して表示する。
【0075】
その後、例えば、敷き寝具1のクッション体20のデータの表示及び選択がなされる(ステップS5)。具体的には、
図15に示されるように、クッション体データ抽出部117がクッション体20の種類を画面122に表示する。例えば、画面122を見て提案者が使用者Mの身体に適したクッション体20の種類を提案し、使用者Mはこの提案を聞いてクッション体20を選択及び決定する。
【0076】
使用者Mがクッション体20を決定した後には、提案者がクッション体20を用意して、クッション体20を袋体10の各領域Aに収容し、各袋体10を敷き寝具1の側地1Aに収容する。そして、敷き寝具1に使用者Mが寝て提案者が情報端末102で使用者Mの寝姿勢を撮影する(ステップS6)。この撮影によって得られた寝姿勢を使用者M及び提案者が見て確認を行った後に、例えば使用者Mが敷き寝具1を購入して一連の工程が完了する。
【0077】
次に、本実施形態に係る敷き寝具1から得られる作用効果について説明する。
図6~
図8に示されるように、敷き寝具1では、ブロック状を呈する複数のクッション体20が布製の袋体10の内部に収容される。袋体10の内部において複数のクッション体20は第1方向D1に沿って並んでいる。袋体10の内部において、複数のクッション体20のそれぞれの側面20cが第1方向D1に交差する第2方向D2に沿って延在している。
【0078】
敷き寝具1は袋体10の内部空間Sを複数の領域Aに仕切る仕切り部材15を備え、仕切り部材15によって仕切られた複数の領域Aのそれぞれにクッション体20が収容される。仕切り部材15はクッション体20の各側面20cと共に第2方向D2に延在している。従って、側面20cが仕切り部材15に沿うように各クッション体20が収容されるため、複数のクッション体20を仕切り部材15を介して接近させることができ、複数のクッション体20の間に隙間が空くことを抑制できる。
【0079】
従って、複数のクッション体20の間に隙間又は段差が生じることを抑制できるので、使用者Mに対する違和感を低減することができる。仕切り部材15は、袋体10の第2方向D2の中央C(
図4参照)を含む領域において第2方向D2に沿って延在している。従って、袋体10の第2方向D2の少なくとも中央Cに仕切り部材15が設けられ、仕切り部材15を挟むように一対のクッション体20を収容することが可能となるため、複数のクッション体20を互いに連結させる面ファスナー等を不要とすることができる。よって、使用者Mに対する違和感を低減して、使用者Mの寝心地を良好にすることができる。
【0080】
前述したように、仕切り部材15の伸縮性が袋体10の伸縮性よりも低くてもよい。この場合、袋体10と比較して仕切り部材15を変形させにくくすることができるので、クッション体20を一層ずれにくくすることができる。その結果、収容されたクッション体20のずれ及び段差の発生を抑制して、一層寝心地を良好にすることができる。
【0081】
図4及び
図5に示されるように、袋体10は、袋体10の天面11及び側面12,13のいずれかに設けられたファスナー14を有し、ファスナー14は、第1方向D1に沿って延びる第1部分14bと、第1部分14bの第1方向D1の端部から第2方向D2に沿って延びる第2部分14cと、を有してもよい。この場合、ファスナー14が第1方向D1に延びる第1部分14b、及び第2方向D2に延びる第2部分14cを有するので、袋体10へのクッション体20の出し入れを容易に行うことができる。
【0082】
本実施形態に係る寝具提案システム101及び寝具提案方法では、身長入力部111において使用者Mの身長Lが入力されると共に、撮影部(情報端末102のカメラ等)によって使用者Mの身体が撮影される。そして、身体位置取得部114は入力された身長L、及び撮影された使用者Mの身体の各部(例えば、頸椎M1、背中M2、腰M3、臀部M4、膝裏M5及びかかとM6)の位置を取得する。身長Lは使用者M自身が把握している可能性が高い数値であるため、使用者Mは自身の身長Lの数値を容易に入力することができる。
【0083】
従って、入力された身長Lを基に、使用者Mの身体の各部の位置測定を容易に行うことができる。また、入力された身長Lを用いて身体の各部の位置を取得するので、身長Lを基準とした正確な各部の位置取得を行うことができる。すなわち、身長Lを基準として頸椎M1及び背中M2等の位置が取得されるので、撮影環境及び撮影条件に依存せずに各部の位置を取得できる。その結果、より正確に身体の各部の位置を取得することができる。
【0084】
更に、取得された身体の各部の位置からクッション体データ抽出部117が敷き寝具1のクッション体20のデータ(一例としてクッション体20の硬さのデータ)を抽出し、敷き寝具1のクッション体20のデータが表示される。従って、使用者Mは画像上のデータを見るだけで自分に適したクッション体20の種類及び配列を把握できる。よって、敷き寝具1の使用者Mに、使用者Mに適した硬さのクッション体20の提案を十分に行うことができる。
【0085】
前述したように、クッション体データ抽出部117は、領域Aに収容するクッション体20の種類を示すクッション種類表122dを表示してもよい。この場合、側地1Aの各領域Aに収容するクッション体20の種類が表示されるので、例えば、柔らかいクッション体20(一例として「ソフト」)又は硬いクッション体20(一例として「ハード」)等を表示できる。よって、例えばパターンオーダーのマットレスである敷き寝具1において「ソフト」、「ハード」、「フィット」の配列を自在に変えることができるので、使用者Mにより相応しい敷き寝具1(例えばマットレス)の提案を行うことができる。
【0086】
以上、本開示に係る敷き寝具の実施形態について説明した。しかしながら、本開示は、前述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した要旨を変更しない範囲において変形し、又は他のものに適用したものであってもよい。すなわち、敷き寝具の各部の形状、大きさ、数、材料及び配置態様は、前述した要旨を変更しない範囲において適宜変更可能である。
【0087】
例えば、前述の実施形態では、複数の袋体10を備え、複数の袋体10のそれぞれに2個のクッション体20が収容される敷き寝具1について説明した。しかしながら、袋体が側地として機能する敷き寝具であってもよい。
図17は、側地として機能する袋体40と、仕切り部材15と、クッション体20とを模式的に示す側面図である。
【0088】
図17に示されるように、袋体40には、前述した袋体10と同様、袋体40の内部空間Tを複数の領域Bに仕切る仕切り部材15が縫製されている。クッション体20が収容された状態において袋体40及び仕切り部材15の高さH3(第3方向D3)の長さは、高さH1と同様、クッション体20の高さH2と略同一である。クッション体20が収容された状態において領域Bの第1方向D1の長さN3はクッション体20の第1方向D1の長さN2と略同一である。
【0089】
領域Bを開いた状態において、袋体40と仕切り部材15によって画成される領域Bの形状は、例えば、長方形状とされている。また、第2方向D2に沿って見た上面20b、一対の側面20c及び底面20fによって画成されるクッション体20の形状は、例えば、長方形状とされている。袋体40と仕切り部材15によって画成される領域Bの形状は、クッション体20の上面20b、一対の側面20c及び底面20fによって画成される形状と相似形状とされている。
【0090】
以上のように、領域Bの形状がクッション体20の上記形状と相似であって、高さH3と高さH2が略同一、且つ長さN3と長さN2が略同一である場合、袋体40の内部空間Sに複数のクッション体20を強固に保持することができる。従って、複数のクッション体20の間に隙間が形成されたり段差が形成されたりすることを抑制できるので、前述した実施形態と同様の効果が得られる。
【0091】
前述の実施形態では、第2方向D2に直線状に延びる仕切り部材15が設けられた袋体10について説明した。しかしながら、
図18(a)に示されるように、第1方向D1に沿って延びる仕切り部材45bと、第2方向D2に沿って延びる仕切り部材45cとが互いに交差する袋体50であってもよい。袋体50には、第1方向D1に直線状に延びる仕切り部材45bと、第2方向D2に直線状に延びる仕切り部材45cとが接合(例えば縫製)される。この袋体50にも、前述した袋体10と同様、仕切り部材45b,45cによって形成された袋体50の内部の各領域Yの形状がクッション体20の形状と相似であることにより、前述と同様の作用効果が得られる。
【0092】
前述の実施形態では、平面視においてコの字状に形成されるファスナー14を備える袋体10について説明した。しかしながら、
図18(b)に示されるように、平面視においてL字状に形成されるファスナー64を備える袋体60であってもよい。ファスナー64は、第1方向D1に延びる第1部分64bと、第1部分64bの第1方向D1の端部から第2方向D2に延びる第2部分64cとを有する。従って、この袋体60からも前述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0093】
前述の実施形態では、寝具提案システム101によって敷き寝具1の袋体10に収容されるクッション体20の種類を選択可能である例について説明した。この寝具提案システム及び寝具提案方法についても前述の実施形態に限られず適宜変更可能である。前述の実施形態では、身長入力部111、画像取得部112、マーク表示部113、身体位置取得部114、サイズ算出表示部115、体型パターン判定部116及びクッション体データ抽出部117を備えるサーバ110と、情報端末102とを備える寝具提案システム101について説明した。
【0094】
しかしながら、サーバ110において身長入力部111、画像取得部112、マーク表示部113、身体位置取得部114、サイズ算出表示部115、体型パターン判定部116及びクッション体データ抽出部117の少なくともいずれかを有しない寝具提案システムであってもよい。また、寝具提案システム及び寝具提案方法は、情報端末102及びサーバ110の少なくとも一方を有しないものであってもよく、寝具提案システム及び寝具提案方法を実現させるための構成は適宜変更可能である。
【0095】
前述の実施形態では、情報端末102のカメラ機能で使用者Mの身体を撮影して画像取得部112が身体の画像を取得し、取得した画像から身体位置取得部114が各部の位置を取得する例について説明した。しかしながら、身体位置取得部は取得した画像以外のものから各部の位置を取得してもよい。例えば、3Dスキャナによって身体のスキャニングを行い、スキャニングの結果得られたスキャニングデータが入力され、身体位置取得部が入力されたスキャニングデータから各部の位置を取得してもよい。この場合、カメラによる身体の撮影を省略することも可能である。
【0096】
前述の実施形態では、袋体10及び仕切り部材15の高さH1がクッション体20の高さH2と略同一であって、領域Aの第1方向D1の長さN1がクッション体20の第1方向D1の長さN2と略同一である例について説明した。しかしながら、袋体及び仕切り部材15の高さがクッション体の高さと略同一でない敷き寝具であってもよい。また、領域の第1方向の長さがクッション体の第1方向の長さと略同一でない敷き寝具であってもよい。領域及びクッション体の高さ及び長さの一方のみが互いに略同一であってもよい。更に、領域の形状がクッション体の形状と相似でない敷き寝具であってもよい。
【0097】
前述の実施形態では、三つ折り可能である敷き寝具1について例示した。しかしながら、本開示に係る敷き寝具は、二つ折り可能な敷き寝具であってもよいし、四つ折り以上が可能な敷き寝具であってもよい。すなわち、敷き寝具における折り曲げ部2の数は特に限定されない。更に、本開示に係る敷き寝具は、折り曲げ可能でない敷き寝具であってもよい。前述の実施形態では、敷き寝具1がマットレスである例について説明した。しかしながら、敷き寝具は、マットレス以外の敷き寝具であってもよい。すなわち、本開示に係る敷き寝具は、敷き布団、座布団、ベッドパッド又は枕であってもよい。
【符号の説明】
【0098】
1…敷き寝具、1A…側地、1b…上面、1c,1d…側面、2…折り曲げ部、10,40,50,60…袋体、11…天面、12,13…側面、14,64…ファスナー、14b,64b…第1部分、14c,64c…第2部分、15,45b,45c…仕切り部材、15b…縁部、15c…線状部、15d…布部、20,20A,20B…クッション体、20b…上面、20c,20d…側面、20f…底面、21…突起、22…スリット、22b…幅狭部、22c…拡張部、101…寝具提案システム、102…情報端末、110…サーバ、111…身長入力部、112…画像取得部、113…マーク表示部、114…身体位置取得部、115…サイズ算出表示部、116…体型パターン判定部、117…クッション体データ抽出部、121…画面、121b…身長、121c…体重、121f,121h,121k,121p…横方向位置、122…画面、122b…模式図、122d…クッション種類表、A,B,Y…領域、C…中央、D1…第1方向、D2…第2方向、D3…第3方向、K…マーク、L…身長、M…使用者、M1…頸椎、M2…背中、M3…腰、M4…臀部、M5…膝裏、M6…かかと、M7…頭頂部、N…入力画面、R…メモリ、S,T…内部空間、W1~W6…横位置。