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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158272
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】車両用バックドア
(51)【国際特許分類】
   B60J 5/10 20060101AFI20221006BHJP
   B60J 5/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B60J5/10 F
B60J5/10 R
B60J5/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063039
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000005348
【氏名又は名称】株式会社SUBARU
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上畑 賢美
(72)【発明者】
【氏名】坂上 博文
(72)【発明者】
【氏名】伊賀上 貴弘
(57)【要約】
【課題】車室への水の浸入を防止可能な車両用バックドアを提供する。
【解決手段】車両用バックドアは、バックドアガラス開口部およびバックドア下側領域を備えたバックドアパネルを備える。バックドアパネルは、バックドアガラス開口部の側方に位置する第1縁、および、バックドア下側領域の側方に位置する第2縁を備えるとともに、車幅方向の両側に側面を備える。車両用バックドアは、第1縁と第2縁との間に亘って、第1縁および第2縁に沿うように側面に配置されているカバー部材を備える。断面において、カバー部材は、車幅方向外側に位置する第1端部と、車幅方向内側に位置する第2端部と、を備えている。第1端部は、バックドアパネルの車幅方向外側の端部に対して車幅方向外側に位置している。カバー部材は、側面と対向している内面を備えている。内面には、カバー部材の長手方向に沿って延びるようにリブが備えられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用バックドアであって、
バックドアガラス開口部および前記バックドアガラス開口部の下側に配置されているバックドア下側領域を備えたバックドアパネルであって、前記バックドアガラス開口部の側方に位置する第1縁、および、前記バックドア下側領域の側方に位置する第2縁を備えるとともに、車幅方向の両側に側面を備える前記バックドアパネルと、
前記第1縁と前記第2縁との間に亘って、前記第1縁および前記第2縁に沿うように前記側面に配置されているカバー部材と、
を備え、
前記カバー部材の長手方向に垂直な断面において、前記カバー部材は、車幅方向外側に位置する第1端部と、車幅方向内側に位置する第2端部と、を備えており、
前記第1端部は、前記バックドアパネルの車幅方向外側の端部に対して車幅方向外側に位置しており、
前記カバー部材は、前記側面と対向している内面を備えており、
前記内面には、前記カバー部材の長手方向に沿って延びるようにリブが備えられている、
車両用バックドア。
【請求項2】
前記リブは、前記カバー部材の前記第1端部の側に配置されている第1面を備えており、
前記カバー部材の長手方向に垂直な断面において、前記第1面の先端の位置は、前記第1面の基端の位置に対して、前記バックドアパネルの車外側に位置している、請求項1に記載の車両用バックドア。
【請求項3】
前記カバー部材は、前記カバー部材の前記第2端部から前記バックドアパネルに向かって突出している側壁をさらに備えており、
前記側壁の車両の前方側の端部近傍には、第1開口部が形成されており、
前記リブは、前記第1開口部まで延びている、請求項1または2に記載の車両用バックドア。
【請求項4】
前記カバー部材は、前記カバー部材の前記第2端部から前記バックドアパネルに向かって突出している側壁をさらに備えており、
前記側壁の車両の後方側の端部近傍には、第2開口部が形成されており、
前記リブは、前記第2開口部まで延びている、請求項1~3の何れか1項に記載の車両用バックドア。
【請求項5】
前記カバー部材の前記内面と反対側の面である外面に、前記カバー部材の長手方向に沿って延びるように配置されている感圧センサをさらに備える、請求項1~4の何れか1項に記載の車両用バックドア。
【請求項6】
前記カバー部材は樹脂を含んでいる、
請求項1~5の何れか1項に記載の車両用バックドア。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書が開示する技術は、車両用バックドアに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、雨だれ防止部材をバックドアの上縁に配置した構造が開示されている。これにより、バックドアを跳ね上げているときに、バックドアの上縁と左右の側縁とのコーナー部から落下する水が車室へ侵入することを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004-217152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
バックドアの車幅方向両側の縁部に沿って、バックドアの側面にカバー部材を配置する場合がある。この場合、バックドアを跳ね上げている状態では、バックドアの側縁から落下する水をカバー部材が受けてしまうことで、カバー部材を介して車室へ水が浸入してしまうおそれがあることを新たに知見した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書が開示する車両用バックドアは、バックドアガラス開口部およびバックドアガラス開口部の下側に配置されているバックドア下側領域を備えたバックドアパネルを備える。バックドアパネルは、バックドアガラス開口部の側方に位置する第1縁、および、バックドア下側領域の側方に位置する第2縁を備えるとともに、車幅方向の両側に側面を備える。車両用バックドアは、第1縁と第2縁との間に亘って、第1縁および第2縁に沿うように側面に配置されているカバー部材を備える。カバー部材の長手方向に垂直な断面において、カバー部材は、車幅方向外側に位置する第1端部と、車幅方向内側に位置する第2端部と、を備えている。第1端部は、バックドアパネルの車幅方向外側の端部に対して車幅方向外側に位置している。カバー部材は、側面と対向している内面を備えている。内面には、カバー部材の長手方向に沿って延びるようにリブが備えられている。
【0006】
本明細書が開示する車両用バックドアでは、カバー部材の第1端部を介して水がカバー部材の内面側に侵入した場合においても、侵入した水をリブによってカバー部材の長手方向へ排水することができる。カバー部材を介して車室へ水が浸入してしまうことを抑制することが可能となる。
【0007】
リブは、カバー部材の第1端部の側に配置されている第1面を備えていてもよい。カバー部材の長手方向に垂直な断面において、第1面の先端の位置は、第1面の基端の位置に対して、バックドアパネルの車外側に位置していてもよい。これにより、第1面の先端から第1面の基端を経由して第1端部へ至る領域に、断面が溝形状の空間を形成することができる。バックドアパネルの車幅方向外側の端部を介して浸入してきた水を、溝形状の空間で保持することができる。断面が溝形状の空間を、カバー部材の長手方向へ水を排水するための排水溝として機能させることが可能となる。
【0008】
カバー部材は、カバー部材の第2端部からバックドアパネルに向かって突出している側壁をさらに備えていてもよい。側壁の車両の前方側の端部近傍には、第1開口部が形成されていてもよい。リブは、第1開口部まで延びていてもよい。これにより、リブを経由して車両の前方側の端部近傍まで排水された水を、第1開口部からカバー部材の外部へ排出することができる。
【0009】
カバー部材は、カバー部材の第2端部からバックドアパネルに向かって突出している側壁をさらに備えていてもよい。側壁の車両の後方側の端部近傍には、第2開口部が形成されていてもよい。リブは、第2開口部まで延びていてもよい。これにより、リブを経由して車両の後方側の端部近傍まで排水された水を、第2開口部からカバー部材の外部へ排出することができる。
【0010】
カバー部材の内面と反対側の面である外面に、カバー部材の長手方向に沿って延びるように配置されている感圧センサをさらに備えていてもよい。これにより、バックドアを閉じるときの挟み込みを、感圧センサによって防止することが可能となる。
【0011】
カバー部材は樹脂を含んでいてもよい。
【0012】
本明細書が開示する技術の詳細とさらなる改良は以下の「発明を実施するための形態」にて説明する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】バックドア1の斜視図である。
図2図1のII-II線における断面図である。
図3】車両後方側の端部近傍におけるブラケット20の部分拡大斜視図である。
図4】車両前方側の端部近傍におけるブラケット20の部分拡大斜視図である。
図5】本実施例のバックドア1を跳ね上げた状態の側面図である。
図6】比較例のバックドア101を跳ね上げた状態の側面図である。
図7図6のVII-VII線での断面図である。
図8】長手方向リブ20RLの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(バックドア1の構造)
図1に、車両のバックドア1の斜視図を示す。図2に、図1のII-II線における断面図を示す。図2は、ブラケット20の長手方向に垂直な断面である。図1および図2の座標系の「Front」は、車両前方方向を示している。「Up」は、車両上方向を示している。「Left」は、車両の後方から前方をみたときの「左」を示している。以後の図でも、座標系の意味は同じである。
【0015】
バックドア1は、車両のラゲージルームのバックドア開口部を開閉する、跳ね上げ式の開閉体である。バックドア1は、バックドアパネル10、バックドアガラス13、カバー部材14、リアランプ15、ガーニッシュ16、スポイラ17、ブラケット20、感圧センサ21、を備えている。
【0016】
バックドアパネル10は、バックドア1を構成するパネル部材である。バックドアパネル10は、バックドアガラス開口部OP、および、バックドア下側領域R1を備えている。バックドアガラス開口部OPには、バックドアガラス開口部OPを覆うように、バックドアガラス13が配置されている。バックドア下側領域R1は、バックドアガラス開口部OPの下側に配置されている領域である。本実施例では、バックドア下側領域R1には、スポイラ17、リアランプ15、ガーニッシュ16などが配置されている。
【0017】
図2に示すように、バックドアパネル10は、車両外側に配置された鋼板製のアウタパネル11と、車両内側に配置された鋼板製のインナパネル12と、を備えている。アウタパネル11の周縁部とインナパネル12は縁部EPで互いに接合されることで、閉断面構造が形成されている。アウタパネル11が車外側に面しており、インナパネル12が車内側に面している。バックドアパネル10の車幅方向外側(図2の右側)の端部には、縁部EPが形成されている。縁部EPは、車幅方向外側に突出しているブレード形状を有している。
【0018】
縁部EPは、図1に示すように、バックドアパネル10の前端FEから後端REまでに亘って形成されている。バックドアパネル10を閉じている状態では、縁部EPによって車内に水が浸入することが防止できる。またバックドアパネル10を跳ね上げている状態では、縁部EPは水切り部材として機能する。本明細書では、バックドアガラス開口部OPの側方に位置している縁部EPを、第1縁部EP1と規定する。また、バックドア下側領域R1の側方に位置している縁部EPを、第2縁部EP2と規定する。
【0019】
バックドアパネル10の車幅方向の側面10Sには、ブラケット20および感圧センサ21が配置されている。ブラケット20は、樹脂製の部材であり、感圧センサ21を装着するための部材である。ブラケット20は、バックドアパネル10の側面10Sを、前端FEから後端REまでの全体に亘って覆っている。換言すると、ブラケット20は、第1縁部EP1と第2縁部EP2との間に亘って配置されているとともに、第1縁部EP1および第2縁部EP2に沿って配置されている。ブラケット20の外面には、ブラケット20の長手方向に沿って延びるように、感圧センサ21が配置されている。感圧センサ21は、センサが押し潰されることで通電するケーブル状のタッチセンサである。感圧センサ21で挟み込みを検知することで、バックドア1による挟み込みを防止することができる。
【0020】
(ブラケット20の構造)
図3に、車両後方側の端部近傍(図1の領域A1参照)における、ブラケット20の部分拡大斜視図を示す。図4に、車両前方側の端部近傍(図1の領域A2参照)における、ブラケット20の部分拡大斜視図を示す。図3および図4は、ブラケット20の内面(すなわちバックドアパネル10の側面10Sと対向している面)の方向からみた図である。ブラケット20の内面20ISには、側壁20W、長手方向リブ20RL、短手方向リブ20RS、クリップ孔20H、が形成されている。クリップ孔20Hは複数形成されており、互いに間隔を有して配置されている。クリップ孔20Hに不図示のクリップが貫通することで、ブラケット20はバックドアパネル10の側面10Sに固定される。
【0021】
側壁20Wは、第2端部20E2からバックドアパネルに向かって突出している部位である。側壁20Wは、ブラケット20の全長に亘って形成されている。図4に示すように、側壁20Wの車両の前方側の端部近傍には、側壁の終端部20WEが形成されている。終端部20WEには側壁が配置されていないため、排出孔20D1が形成されている。また図3に示すように、車両の前方側の端部近傍では、側壁20Wに切り欠き形状の開口部20WOが形成されている。
【0022】
長手方向リブ20RLは、ブラケット20の長手方向に沿って延びるように配置されている。図4に示すように、長手方向リブ20RLの車両の前方側の端部20RL1は、終端部20WEの近傍まで延びている。また図3に示すように、長手方向リブ20RLの車両の後方側の端部20RL2は、開口部20WOの近傍まで延びている。
【0023】
短手方向リブ20RSは、長手方向リブ20RLと側壁20Wとを接続するように、ブラケット20の短手方向に配置されている。短手方向リブ20RSは、互いに間隔を有するように複数配置されている。
【0024】
図2に示すように、ブラケット20は、車幅方向外側(図2の右側)に位置する第1端部20E1と、車幅方向内側(図2の左側)に位置する第2端部20E2と、を備えている。第1端部20E1は、バックドアパネル10の縁部EPに対して車幅方向外側に位置している。これにより、バックドアパネル10の側面に露出しているインナパネル12を、ブラケット20で完全に覆うことができるため、見栄えをよくすることができる。ブラケット20を、内装材として機能させることができる。
【0025】
長手方向リブ20RLは、ブラケット20の第1端部20E1の側に配置されている第1面20Sを備えている。第1面20Sは、基端20Sbおよび先端20Saを備えている。基端20Sbは、長手方向リブ20RLと内面20ISとの接続部である。先端20Saは、基端20Sbから突出している第1面20Sの先端部である。
【0026】
先端20Saの位置は、基端20Sbの位置に対して、バックドアパネル10の車外側(図2の上側)に位置している。換言すると、先端20Saとアウタパネル11との距離D1は、基端20Sbとアウタパネル11との距離D2よりも小さい。このような位置関係により、先端20Saから基端20Sbを経由して第1端部20E1へ至る領域に、断面が溝形状の排水空間DSを形成することができる。矢印Y1に示すように、縁部EPから排水空間DSに浸入してきた水を、排水空間DS内に保持することが可能となる。前述のように、長手方向リブ20RLは終端部20WE(図4)まで延びているため、排水空間DSによって形成されている排水溝が排出孔20D1に接続している構造が実現されている。また長手方向リブ20RLは開口部20WO(図3)まで延びているため、排水空間DSによって形成されている排水溝が開口部20WOに接続している構造が実現されている。
【0027】
また長手方向リブ20RLによって、ブラケット20の長手方向の全長に亘って強度を確保することができる。長手方向リブ20RLという簡素な構成により、ブラケット20の単品剛性を高めることができる。品質の安定化を確保することが可能となる。
【0028】
(動作)
まず、比較例のバックドア101の排水動作を説明する。比較例のバックドア101は、長手方向リブ20RLが形成されていないブラケット120を備えたドアである。図6に、バックドア101を跳ね上げた状態の側面図を示す。図7に、図6のVII-VII線での断面図を示す。図6では、見易さのために、感圧センサ21をグレーで塗りつぶしている。図6に示すように、バックドア101の下側には、ラゲージルームである車内領域IAが位置している。ガーニッシュ16の上端とリアランプ15との間には、溝T1が形成されている。またリアランプ15とスポイラ17との接合部には、溝T2が形成されている。バックドア1で受け止められた水は、矢印Y11および矢印Y12に示すように、溝T1およびT2を車幅方向へ流れ、バックドアパネル10の縁部EPに到達する。またバックドアガラス13で受け止められた水は、矢印Y13に示すように、車幅方向へ流れ、バックドアパネル10の縁部EPに到達する。縁部EPに到達した水は、下方へ落下する。
【0029】
図7に示すように、ブラケット120の第1端部20E1は、縁部EPよりも車幅方向外側に位置している。よって縁部EPから落下した水は、矢印Y21に示すように、ブラケット120内に侵入する。そして比較例のブラケット120では、長手方向リブ20RLが形成されていない。従って、ブラケット120内に侵入した水は、矢印Y22に示すように、内面20ISを伝って第2端部20E2へ到達する。そして第2端部20E2から排出され、矢印Y23に示すように、下方へ滴下する。すると図6の矢印Y11a~Y13aに示すように、車内領域IAの領域内のあらゆる位置で、バックドア101から水が滴下することになる。車内領域IA内へ水が浸入するため、好ましくない。
【0030】
次に、本実施例のバックドア1の排水動作を説明する。図5に、バックドア1を跳ね上げた状態の側面図を示す。図5では、長手方向リブ20RLを点線で記載している。図2に示すように、縁部EPから落下した水は、ブラケット20内に侵入する(矢印Y1)。前述したように、ブラケット20には、排水溝として機能する長手方向リブ20RLが長手方向の全体に亘って形成されている。従って、矢印Y11の経路で侵入した水を、矢印Y11bに示すように車両後方側へ排水し、開口部20WOから外部へ排出することができる。また矢印Y12および矢印Y13の経路で侵入した水を、矢印Y12bに示すように車両前方側へ排水し、排出孔20D1から外部へ排出することができる。開口部20WOおよび排出孔20D1は、車内領域IAの領域外に配置されている。従って、開口部20WOおよび排出孔20D1から排出された水が、車内領域IAに侵入することを防止することができる。
【0031】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0032】
(変形例)
長手方向リブ20RLの断面形状は、図2に示すような直線形状に限られない。水を保持するために、排水空間DSの断面が溝形状となれば、どのような形状であってもよい。例えば図8に示すように、長手方向リブ20RLの先端部に側壁20RLWが形成されていてもよい。
【0033】
ブラケット20の車両の前方側の端部近傍(図4参照)において、側壁20Wに開口部が形成されており、この開口部まで長手方向リブ20RLが延びていてもよい。ブラケット20の車両の後方側の端部近傍(図3参照)において、側壁20Wの終端部によって排出孔が形成されており、この排出孔まで長手方向リブ20RLが延びていてもよい。
【0034】
ブラケット20は樹脂製に限られず、様々な材料で形成することや、複数種類の材料を組み合わせて形成することが可能である。例えば、少なくとも一部が金属でもよい。
【0035】
ブラケット20は、バックドアパネル10の前端FEから後端REまでの全体に亘って配置する形態に限られない。第1縁部EP1の少なくとも一部と第2縁部EP2の少なくとも一部とを覆っていればよい。
【0036】
ブラケット20は、カバー部材の一例である。長手方向リブ20RLは、リブの一例である。縁部EPは、バックドアパネルの車幅方向外側の端部の一例である。排出孔20D1は、第1開口部の一例である。開口部20WOは、第2開口部の一例である。
【符号の説明】
【0037】
1:バックドア 10:バックドアパネル 10S:側面 11:アウタパネル 12:インナパネル 13:バックドアガラス 20:ブラケット 20RL:長手方向リブ 20RS:短手方向リブ 20E1:第1端部 20E2:第2端部 20IS:内面 20S:第1面 20Sa:先端 20Sb:基端 EP:縁部 EP1:第1縁部 EP2:第2縁部 OP:バックドアガラス開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8