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特開2022-158345火格子の動作異常検知装置、火格子の動作異常検知方法、および火格子の動作異常検知プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158345
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】火格子の動作異常検知装置、火格子の動作異常検知方法、および火格子の動作異常検知プログラム
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/50 20060101AFI20221006BHJP
   F23B 30/10 20060101ALI20221006BHJP
   F23H 11/20 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
F23G5/50 C
F23B30/10
F23H11/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063155
(22)【出願日】2021-04-01
(71)【出願人】
【識別番号】000005119
【氏名又は名称】日立造船株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】樽岡 晃大
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 亨
(72)【発明者】
【氏名】長尾 智佳子
(72)【発明者】
【氏名】泉澤 由弥
【テーマコード(参考)】
3K046
3K062
【Fターム(参考)】
3K046AA20
3K046AB01
3K046AC06
3K046AD07
3K046BA01
3K046BA04
3K062AA02
3K062AB01
3K062AC01
3K062BA04
3K062CB05
3K062DA11
(57)【要約】
【課題】より早期に火格子の動作異常を検知する。
【解決手段】情報処理装置(1)は、火格子を駆動する油圧シリンダに接続された油圧作動油の配管における油圧を示す油圧データを取得するデータ取得部(101)と、上記油圧データが示す油圧の変動パターンが正常時とは異なっている場合に、火格子の動作異常であると検知する異常検知部(102)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
火格子を駆動する油圧シリンダ内の油圧および該油圧シリンダに接続された油圧作動油の配管における油圧、の少なくとも何れかを示す油圧データを取得するデータ取得部と、
上記油圧データが示す油圧の変動パターンが正常時とは異なっている場合に、上記火格子の動作異常であると検知する異常検知部と、を備える火格子の動作異常検知装置。
【請求項2】
上記油圧データには、
(1)上記油圧シリンダに接続されている配管のうち、上記火格子を後退させる際にその内部の油圧作動油が加圧される引き側配管の油圧値、および
(2)上記油圧シリンダに接続されている配管のうち、上記火格子を前進させる際にその内部の油圧作動油が加圧される押し側配管の油圧値、の少なくとも何れかが含まれており、
上記異常検知部は、上記油圧値の変動パターンが正常時とは異なっている場合に動作異常と検知する、請求項1に記載の火格子の動作異常検知装置。
【請求項3】
上記異常検知部は、上記火格子に動作異常が発生したときの油圧データの変動パターンを学習することにより構築された予測モデルを用いて上記火格子の動作異常を検知する、請求項1または2に記載の火格子の動作異常検知装置。
【請求項4】
上記異常検知部が動作異常を検知したときに、
(1)上記火格子が前進中であれば後退させ、後退中であれば前進させる処理、および
(2)上記油圧シリンダ内の油圧を上げる処理、の少なくとも何れかを実行する、異常解消制御部を備えている、請求項1から3の何れか1項に記載の火格子の動作異常検知装置。
【請求項5】
火格子の動作異常検知装置が実行する動作異常検知方法であって、
火格子を駆動する油圧シリンダ内の油圧および該油圧シリンダに接続された油圧作動油の配管における油圧、の少なくとも何れかを示す油圧データを取得するデータ取得ステップと、
上記油圧データが示す油圧の変動パターンが正常時とは異なっている場合に、上記火格子の動作異常であると検知する異常検知ステップと、を含む火格子の動作異常検知方法。
【請求項6】
請求項1に記載の火格子の動作異常検知装置としてコンピュータを機能させるための動作異常検知プログラムであって、上記データ取得部および上記異常検知部としてコンピュータを機能させるための火格子の動作異常検知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火格子の動作異常を検知する動作異常検知装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
ごみ焼却施設の焼却炉に設けられている火格子は、ごみ等の焼却対象物を載置して搬送するものであり、焼却対象物は火格子上で焼却される。より詳細には、火格子は固定された固定火格子と可動の可動火格子とが交互に配置された構成となっており、火格子上の焼却対象物は、各可動火格子の往復動により順次押し出されて、下流側に搬送されつつ焼却される(例えば下記の特許文献1参照)。
【0003】
この可動火格子が、焼却処理中に動かなくなることがある。可動火格子が動かない状態が続くと焼却処理に重大な影響があるため、従来の一般的な焼却炉には、可動火格子が動かなくなったことを検知して警報を発報する機能が搭載されている。例えば、従来の一般的なごみ焼却施設では、可動火格子の前進端と後進端に設けられたリミットスイッチが所定時間切られていないことを検知して警報を発報している。そして、警報が発報されると作業員が手動で可動火格子を操作する等して問題の解決にあたる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-133781号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述のような従来技術では、可動火格子が動かなくなって所定時間が経過するまで警報が発報されないので、動作異常解消のための処置が遅れてしまうという問題がある。これは、ごみ焼却施設で用いられている火格子に限られず、任意の対象物を燃焼させる任意の火格子において共通して生じる問題点である。
【0006】
本発明の一態様は、従来技術と比べてより早期に火格子の動作異常を検知することが可能な動作異常検知装置等を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る火格子の動作異常検知装置は、火格子を駆動する油圧シリンダ内の油圧および該油圧シリンダに接続された油圧作動油の配管における油圧、の少なくとも何れかを示す油圧データを取得するデータ取得部と、上記油圧データが示す油圧の変動パターンが正常時とは異なっている場合に、上記火格子の動作異常であると検知する異常検知部と、を備える。
【0008】
また、本発明の一態様に係る火格子の動作異常検知方法は、火格子の動作異常検知装置が実行する動作異常検知方法であって、火格子を駆動する油圧シリンダ内の油圧および該油圧シリンダに接続された油圧作動油の配管における油圧、の少なくとも何れかを示す油圧データを取得するデータ取得ステップと、上記油圧データが示す油圧の変動パターンが正常時とは異なっている場合に、上記火格子の動作異常であると検知する異常検知ステップと、を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、早期に火格子の動作異常を検知することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る搬送制御システムの概要と、搬送制御システムに含まれる情報処理装置の要部構成例を示すブロック図である。
図2】上記搬送制御システムに含まれる搬送装置の構成と、圧力計による圧力の計測箇所を説明する図である。
図3】上記搬送装置における押し側配管と引き側配管のそれぞれで計測された油圧値の経時変化を示す図である。
図4】異常検知時における火格子制御の例を説明する図である。
図5】上記情報処理装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
図6】油圧平均値と油圧値の経時変化の例を示す図である。
図7】計測した油圧値と正常時の油圧平均値との偏差を指標値とした異常検知の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔システム概要〕
本実施形態に係る搬送制御システム7の概要を図1に基づいて説明する。図1は、搬送制御システム7の概要と、搬送制御システム7に含まれる情報処理装置1の要部構成例を示すブロック図である。詳細は以下説明するが、情報処理装置1は、火格子の動作異常を検知する動作異常検知装置である。
【0012】
搬送制御システム7は、火格子によりごみを搬送しながらごみを焼却する焼却施設において、ごみの搬送を制御するシステムである。なお、搬送制御システム7は、ごみに限られず任意の対象物を火格子上で燃焼させる設備における搬送の制御に適用できる。
【0013】
図示のように、搬送制御システム7には、情報処理装置1と搬送装置2と圧力計3が含まれる。搬送装置2は、焼却炉内でごみを搬送する装置であり、上述のように火格子を備えている。詳細は後述するが、搬送装置2は油圧式の駆動装置で火格子を駆動する。また、圧力計3は、火格子を駆動する油圧シリンダに接続された油圧作動油の配管における油圧を計測し、計測結果を情報処理装置1に出力する。以下では、圧力計3から情報処理装置1に出力されるデータ、すなわち火格子を駆動する油圧シリンダに接続された油圧作動油の配管における油圧値を示すデータを油圧データと呼ぶ。
【0014】
本願発明者らは、火格子の動作異常が発生したときには、火格子を駆動する油圧シリンダに接続された配管で計測された油圧値の変動パターンが正常時とは異なるものとなることを見出した。また、このような変動パターンの変化は、従来の一般的な検知方法により火格子の動作異常が検知可能になるタイミングと同じか、それよりも早いタイミングで現れることもあることについても見出した。このため、油圧データを取得した情報処理装置1は、油圧データが示す油圧の変動パターンが正常時とは異なっている場合に、火格子の動作異常であると検知する構成となっている。なお、従来の一般的な検知方法としては、例えば、リミットスイッチが所定時間切られていないことを検知する方法や、測距センサにより可動火格子の位置を測定して当該可動火格子の位置の変動の異常を検知する方法が挙げられる。
【0015】
上記の構成によれば、従来の一般的な検知方法と比べて、火格子の動作異常を早いタイミングで検知することができる。また、上記の構成によれば、動作異常を予知し、これを回避することも可能になる。これに対し、上述した従来の一般的な検知方法では、動作異常の検知タイミングが異常発生時点より後になってしまうので、動作異常を回避することはできず、また、検知タイミングの遅れにより、動作異常の解消が容易ではなくなる可能性もある。
【0016】
また、情報処理装置1は、火格子の動作異常を検知した場合には、搬送装置2に対して動作異常を解消するための制御を行う。つまり、情報処理装置1は、火格子の制御装置であるともいえる。情報処理装置1が、動作異常の検知と、動作異常を解消するための制御を行うことにより、火格子の動作異常による燃焼状態の悪化や焼却炉停止リスクの回避、および運転員の動作異常解消作業の削減による施設運営の省力化が実現される。
【0017】
〔情報処理装置の構成〕
同じく図1に基づいて情報処理装置1の構成を説明する。図示のように、情報処理装置1は、情報処理装置1の各部を統括して制御する制御部10、および情報処理装置1が使用する各種データを記憶する記憶部11を備えている。制御部10には、データ取得部101、異常検知部102、および火格子制御部(異常解消制御部)103が含まれている。
【0018】
また、情報処理装置1は、情報処理装置1が他の装置と通信するための通信部12、情報処理装置1に対するユーザの入力操作を受け付ける入力部13、および情報処理装置1が情報を出力するための出力部14を備えている。例えば、情報処理装置1は、通信部12を介した通信により搬送装置2の制御を行うことができる。また、情報処理装置1は、通信部12を介した通信により圧力計3から油圧データを取得することができる。なお、油圧データはユーザが入力部13を介して入力してもよい。
【0019】
データ取得部101は、油圧データを取得する。上述のように、油圧データは、火格子を駆動する油圧シリンダに接続された油圧作動油の配管における油圧を示すデータであり、圧力計3により計測されたものである。なお、データ取得部101は、配管内ではなく油圧シリンダ内の油圧を示す油圧データを取得してもよい。
【0020】
異常検知部102は、火格子の動作異常を検知する。より詳細には、異常検知部102は、データ取得部101が取得した油圧データが示す油圧の変動パターンが、正常時における油圧の変動パターンと異なっている場合に、火格子の動作異常であると検知する。具体的な検知方法については後述する。火格子の動作異常としては、例えば可動火格子が動かなくなる状態(渋滞と呼ばれることもある)等が挙げられる。可動火格子が動かなくなる原因としては、溶融金属による溶着や焼却対象物のかみこみなどが挙げられる。
【0021】
火格子制御部103は、異常検知部102が火格子の動作異常を検知したときに、動作異常を解消するための制御を行う。制御内容は検知した動作異常の内容等に応じて予め定めておけばよい。動作異常を解消するための制御については、図4に基づいて後述する。
【0022】
〔搬送装置の構成と圧力計測箇所について〕
図2に基づいて搬送装置2の構成と、圧力計3による圧力の計測箇所について説明する。図2は、搬送装置2の構成と、圧力計3による圧力の計測箇所を説明する図である。なお、図2の上側には側方から見た搬送装置2の構成を示し、図2の下側には上方から見た油圧シリンダ24とピストンロッド25を示している。
【0023】
図示のように、搬送装置2は、固定火格子21a、21b、可動火格子22a、22b、台車23、油圧シリンダ24、ピストンロッド25、およびリミットスイッチ26a、26bを備えている。なお、固定火格子21aと21bを区別する必要がないときには単に固定火格子21と記載する。他の構成要素についても同様である。また、図2には可動火格子22を2つ示しているが、1つの情報処理装置1が監視の対象とする可動火格子22の数は任意であり、この例に限られない。
【0024】
図示のように、固定火格子21と可動火格子22が交互に並ぶことにより火格子が構成されている。固定火格子21はその位置が不動であるが、可動火格子22は可動である。可動火格子22は台車23に接続され、台車23にはピストンロッド25が接続されている。そして、ピストンロッド25は油圧シリンダ24で駆動されるようになっている。また、ピストンロッド25の端部には、リミットスイッチ26aと26bが設けられている。
【0025】
リミットスイッチ26aは、ピストンロッド25が後退側の端部に位置していることを検知するためのスイッチである。一方、リミットスイッチ26bは、ピストンロッド25が前進側の端部に位置していることを検知するためのスイッチである。よって、可動火格子22が正常に動作している期間には、リミットスイッチ26aと26bによる検知が所定時間間隔で交互に発生する。異常検知部102は、リミットスイッチ26aと26bの検知結果を取得して、リミットスイッチ26aと26bの何れかによる検知の後、所定時間が経過しても他方の検知がなされなかった場合に、動作異常が発生したと検知することができる。なお、リミットスイッチ26を用いた異常検知は必須ではなく、省略してもよい。
【0026】
図2の下側に示すように、油圧シリンダ24には、流量制御弁27と駆動装置28が接続されている。駆動装置28は、配管内の油圧作動油を流動させる装置であり、例えば油圧ポンプである。流量制御弁27は、配管内を流れる油圧作動油の流量の調整および油圧作動油の作動方向の制御を行うための電磁弁である。
【0027】
図2の下側に示す3a、3bは、圧力計3の取り付け箇所の例を示している。取り付け箇所3aは、駆動装置28と油圧シリンダ24の図2における下端側とをつなぐ配管である。この配管は、可動火格子22を前進させる際にその内部の油圧作動油が加圧される配管(以下、押し側配管と呼ぶ)である。取り付け箇所3aに圧力計3を取り付けることにより、押し側配管の油圧値を計測することができる。
【0028】
そして、取り付け箇所3bは、油圧シリンダ24の図2における上端側と駆動装置28をつなぐ配管である。この配管は、可動火格子22を後退させる際にその内部の油圧作動油が加圧される配管(以下、引き側配管と呼ぶ)である。取り付け箇所3bに圧力計3を取り付けることにより、引き側配管の油圧値を計測することができる。
【0029】
なお、取り付け箇所3a、3bの一方に圧力計3を取り付けてもよいし、両方に圧力計3を取り付けてもよい。また、配管内ではなく、油圧シリンダ24内の油圧値を計測してもよい。この場合、例えば油圧シリンダ24に設けられたエア抜きバルブ(図示せず)に圧力計3を取り付けて油圧値を計測すればよい。
【0030】
可動火格子22を前進させる(焼却対象物を押し出す)ときには、駆動装置28は、油圧シリンダ24の図2における下端側に油圧作動油を流す。これにより、油圧シリンダ24内のピストンが図2の白抜き矢印d1の方向に移動し、台車23は白抜き矢印d3の方向に移動し、これにより台車23に接続された可動火格子22aおよび22bが前進する。
【0031】
一方、可動火格子22を後退させるときには、駆動装置28は、油圧シリンダ24の図2における上端側に油圧作動油を流す。これにより、油圧シリンダ24内のピストンと、これに接続されたピストンロッド25が図2の白抜き矢印d2の方向に移動する。また、ピストンロッド25も同様に白抜き矢印d2の方向に移動し、台車23は白抜き矢印d4の方向に移動し、これにより台車23に接続された可動火格子22aおよび22bが後退する。
【0032】
なお、搬送装置2は、可動火格子22とピストンロッド25との間にクランクを設けたクランク式の火格子を備えたものであってもよい。この場合、クランクにより、ピストンロッド25の移動方向に対する、可動火格子22の移動方向が上記の例とは逆になる。
【0033】
〔油圧データの例〕
図3は、押し側配管と引き側配管のそれぞれで計測された油圧値の経時変化を示す図である。より詳細には、グラフA2が取り付け箇所3aに取り付けられた圧力計3で計測された押し側配管の油圧値の経時変化を示している。また、グラフA1が取り付け箇所3bに取り付けられた圧力計3で計測された引き側配管の油圧値の経時変化を示している。また、図3には、可動火格子22の位置の経時変化を示すグラフA3についてもあわせて示している。
【0034】
グラフA3では、可動火格子22が最も後退したときの火格子位置を0としている。可動火格子22は、最も後退した位置から最も前進した位置までの間を周期的に移動している。時刻t0までの期間には一定の速度で可動火格子22が前後に往復しているから、この期間は可動火格子22が正常に動作しているといえる。
【0035】
ここで、図3に示す時刻t0から始まる周期では、時刻t2以降、可動火格子22の位置の変動速度が急激に低下している。つまり、可動火格子22の渋滞が発生している。この渋滞は時刻t3まで続き、時刻t3以降は正常な動作に戻っている。
【0036】
グラフA1、A2も可動火格子22の前後動に連動して周期的に変動している。具体的には、引き側配管の油圧値のグラフA1は、前進時(押し)よりも後退時(引き)に、より高い値で推移している。一方、押し側配管の油圧値のグラフA2は、後退時よりも前進時に、より高い値で推移している。
【0037】
ここで、引き側配管の油圧値のグラフA1に注目すると、図3に白抜き矢印で示すように、可動火格子22の位置が正常に推移している時刻t1までの期間には、後退時において、漸増または一定の油圧値となっているが、時刻t1~t2で急上昇している。グラフA3に示されるように、時刻t2~t3には可動火格子22が渋滞状態となっているから、時刻t1~t2における引き側配管の油圧値の急上昇は、渋滞の予兆であるといえる。
【0038】
よって、異常検知部102は、引き側配管の油圧値の変動パターンが、正常時における油圧の変動パターンと異なっている場合に、火格子の動作異常であると検知すればよい。また、グラフA2に示される押し側配管の油圧値も時刻t1~t2の期間に正常時とは異なる変動パターンとなっているから、異常検知部102は、押し側配管の油圧値に基づいて動作異常の検知を行うこともできる。
【0039】
以上のように、可動火格子22の動作異常が発生した場合には、油圧値の変動パターンが正常時とは異なる傾向を示すことが見出された。また、図3に示されるように、正常時の変動パターンとの差異は、可動火格子22の移動速度が低下する時刻t2よりも前、すなわち動作異常が発生して、従来の一般的な検知方法により検知可能になるよりも前の段階から見られた。
【0040】
よって、以下の(1)または(2)の構成により、リミットスイッチ26や火格子位置を検出する測距センサによる従来の一般的な検知方法と比べて、可動火格子22の動作異常を早いタイミングで検知することができる。また、動作異常を予知することも可能になる。
【0041】
(1)データ取得部101は、引き側配管の油圧値を示す油圧データを取得する。そして、異常検知部102は、該油圧データが示す油圧値の変動パターンが正常時とは異なっている場合に動作異常と検知する。
【0042】
(2)データ取得部101は、押し側配管の油圧値を示す油圧データを取得する。そして、異常検知部102は、該油圧データが示す油圧値の変動パターンが正常時とは異なっている場合に動作異常と検知する。
【0043】
〔油圧データに基づく異常検知の例〕
油圧値の変動パターンが正常時とは異なることを検知するためには、例えば、油圧値の正常範囲を予め設定しておいてもよい。この場合、異常検知部102は、油圧データが示す油圧値が正常範囲外となったときに動作異常が発生したと検知すればよい。例えば、異常検知部102は、引き側配管の油圧値を示すグラフA1に示されるような油圧データを用いる場合、正常範囲の上限を閾値として用い、当該油圧データに示される油圧値が閾値以上となったときに、動作異常が発生したと検知すればよい。また、異常検知部102は、例えば油圧値の単位時間あたりの変化量が正常範囲内であるか否かにより、動作異常を検知してもよい。
【0044】
また、異常検知部102は、可動火格子22の位置についても考慮して動作異常の検出を行ってもよい。この場合、例えば測距センサ等により可動火格子22の位置を検出し、その検出結果を可動火格子22の位置データとして情報処理装置1に出力するようにすればよい。また、前進時と後退時のそれぞれについて、可動火格子22の位置の単位時間あたりの変位量の正常範囲を予め定めておく。
【0045】
そして、異常検知部102は、取得した位置データから可動火格子22の位置の単位時間あたりの変位量を求め、求めた変位量が正常範囲内であるか否かを判定する。また、異常検知部102は、油圧データが正常範囲内であるか否かを判定する。そして、異常検知部102は、両判定の結果に基づいて動作異常を検知すればよい。例えば、異常検知部102は、何れかの判定結果が正常範囲外である場合に、異常が発生したと検知してもよい。
【0046】
〔異常検知時の火格子制御例〕
図4は、異常検知時における火格子制御の例を説明する図である。図4には、図3と同じ油圧値のグラフA1、A2が示されていると共に、可動火格子22の位置のグラフA4が示されている。図4では、時刻tに、グラフA1に示される油圧値が急上昇したことにより、異常検知部102が異常の発生を検知したと想定している。
【0047】
また、図4では、異常検知部102により異常の発生が検知されたときに、火格子制御部103が駆動装置28を制御して、可動火格子22の進行方向を逆転させたことを想定している。つまり、図4では可動火格子22の後退中の時刻tに動作異常が検知されているから、火格子制御部103は、時刻tの後、可動火格子22を前進させている。これにより、グラフA4に示されるように、時刻tの後、可動火格子22の位置は前進している。また、異常検知部102が動作異常を検知したときに可動火格子22が前進中であれば、火格子制御部103は、可動火格子22を後退させればよい。
【0048】
これにより、可動火格子22の動作異常の原因となる焼却対象物のつまりや溶融金属による溶着や焼却対象物のかみこみ等を解消して、動作異常から自動復帰させることが可能になる。また、動作異常の検知時に無理に可動火格子22を同じ方向に移動させ続けることがないので、駆動装置28等に過剰な負荷がかかることも防ぐことができる。さらに、上述のように異常検知部102は動作異常の予知も可能であるから、可動火格子22の停止等を未然に防ぐことも可能になる。
【0049】
なお、図4の例では、可動火格子22の進行方向を1度逆転させることにより動作異常が解消されているが、1度の制御で動作異常が解消しない場合も想定される。このため、火格子制御部103は、動作異常が検知された位置で可動火格子22の進行方向を逆転させる処理を、所定時間または所定回数繰り返してもよい。また、火格子制御部103は、異常検知部102により動作異常が検知されなくなるまで上記処理を繰り返してもよい。
【0050】
また、火格子制御部103は、異常検知部102により異常の発生が検知されたときに、上述の処理の代わりに、または上述の処理に加えて、油圧シリンダ24内の油圧を上げる処理を行ってもよい。具体的には、火格子制御部103は、油圧シリンダ24に接続された配管内の油圧作動油の流量を増加させる処理を行えばよい。これにより、油圧シリンダ24内と押し側・引き側配管を含めた全体の油圧を上げて、可動火格子22の駆動力を高め、溶融金属による溶着や焼却対象物のかみこみなどを原因とした可動火格子22の渋滞を解消することができる。
【0051】
また、火格子制御部103は、動作異常を解消するための制御の実行時にアラームを発報するなどして、当該制御を実行することを運転員等に報知してもよい。なお、このような報知処理は異常検知部102が異常を検知したときにも行ってもよい。
【0052】
〔処理の流れ〕
情報処理装置1が実行する処理(火格子の動作異常検知方法)の流れを図5に基づいて説明する。図5は、情報処理装置1が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0053】
S1(データ取得ステップ)では、データ取得部101が油圧データを取得する。この油圧データは、圧力計3が計測した計測結果を示すものである。圧力計3は、押し側配管に取り付けられたものであってもよいし、引き側配管に取り付けられたものであってもよく、油圧シリンダ24のエア抜きバルブ等に取り付けられたものであってもよい。また、圧力計3は、複数箇所に取り付けられていてもよく、この場合、データ取得部101は各圧力計3の計測結果を示す油圧データをそれぞれ取得する。
【0054】
S2では、異常検知部102が、S1で取得した油圧データが示す油圧の変動パターンが正常時と異なっているか否かを判定する。例えば、異常検知部102は、S1で取得した油圧データが示す油圧値が、予め定められた正常範囲内であるか否かにより、油圧の変動パターンが正常時と異なっているか否かを判定してもよい。
【0055】
また、異常検知部102は、S2の判定を行う前に、可動火格子22が前進中であるか後退中であるかを判定してもよい。そして、可動火格子22が前進中であるか後退中であるかに応じた基準(例えば正常範囲)に基づいて、油圧の変動パターンが正常時と異なっているか否かを判定してもよい。また、上述のように、可動火格子22の位置等も考慮してS2の判定を行ってもよい。
【0056】
なお、S1で複数箇所の油圧計測結果を示す油圧データを取得していた場合、異常検知部102は、全ての箇所について上記の判定を行ってもよい。この場合、異常検知部102は、複数箇所の少なくとも1つにおいて油圧の変動パターンが正常時と異なっていれば、S2でYESと判定すればよい。
【0057】
S2でNOと判定された場合には図5の処理は終了する。一方、S2でYESと判定された場合にはS3の処理に進む。S3(異常検知ステップ)では、異常検知部102は、可動火格子22の動作異常であると検知し、当該検知結果を火格子制御部103に通知する。なお、異常を検知した異常検知部102は、運転員等に異常の発生を報知してもよい。報知方法は任意である。
【0058】
S4では、火格子制御部103が、可動火格子22の動作異常を解消するための所定の制御を行う。また、火格子制御部103は、制御を開始する前、または制御の開始時に、運転員等に制御を開始する旨を報知してもよい。動作異常を解消するための制御の詳細については既に説明しているから、ここでは繰り返さない。これにより、図5の処理は終了する。以上のような処理を、焼却施設の稼働時間中に繰り返し行うことにより、人手を介することなく可動火格子22の動作不良を自動で解消しつつ、焼却対象物の焼却を安定して行うことが可能になる。
【0059】
〔油圧データと油圧平均値〕
油圧の変動パターンが正常時とは異なっているか否かの判定では、正常時の油圧平均値を基準としてもよい。図6は、油圧平均値と油圧値の経時変化の例を示す図である。また、図6には、可動火格子22の位置の経時変化についてもあわせて示している。
【0060】
グラフA11は、可動火格子22の位置の経時変化を示している。グラフA11から、5周期正常な動作が続いた後、可動火格子22の可動範囲のうち前進側の端部である前進端で可動火格子22が停止するという異常(以下、前進端渋滞と呼ぶ)が発生したことが読み取れる。
【0061】
グラフA12は押し側配管、A14は引き側配管において計測した油圧値の経時変化を示している。そして、グラフA13は押し側配管、A15は引き側配管における正常時の油圧平均値(直近50周期分)の経時変化を示している。
【0062】
これらのグラフから、正常時には、計測した油圧値と油圧平均値は概ね同様の経時変化をしているが、前進端渋滞が発生したときには図6に両方向矢印で示すように、計測した油圧値と油圧平均値の間に大きな差異が生じることがわかる。また、前進端異常が発生する直前の、火格子の位置が正常に前進している期間おいても、計測した油圧値と油圧平均値の間に差異が生じていることがわかる。したがって、正常時の油圧平均値を基準として油圧の変動パターンが正常時とは異なっているか否かを判定することは妥当であるといえる。
【0063】
〔油圧平均値との偏差を指標値とした異常検知〕
計測した油圧値と油圧平均値との差に基づいて異常検知を行う場合、例えば、計測した油圧値と正常時の油圧平均値との偏差を、異常検知のための指標値としてもよい。図7は、計測した油圧値と正常時の油圧平均値との偏差を指標値とした異常検知の例を示す図である。
【0064】
グラフA21は、可動火格子22の位置の経時変化を示している。グラフA21から、5周期正常な動作が続いた後、可動火格子22が前進端で停止するという異常、すなわち前進端渋滞が発生したことが読み取れる。
【0065】
グラフA22は、押し側配管で計測した油圧値と、当該押し側配管における正常時の油圧平均値との偏差(以下、押し側指標値と呼ぶ)の経時変化を示している。グラフA21とA22から、可動火格子22が前進端で停止した以降に、押し側指標値の値が増加して、正常時における最大値よりもさらに大きな値となっていることがわかる。
【0066】
このため、図示のように、押し側指標値の正常時における最大値よりも少し大きい値の閾値を設定すればよい。そして、異常検知部102は、油圧データから押し側指標値を算出し、算出した押し側指標値が上記閾値以上となったときに異常ありと検知すればよい。
【0067】
例えば、図7のグラフA22の例では、可動火格子22が前進端で停止した直後に押し側指標値が閾値以上となっている。よって、押し側指標値が上記閾値以上であるか否かを異常検知の基準とすることにより、リミットスイッチや火格子位置を検出する測距センサによる従来の一般的な検知方法を用いる場合よりも早いタイミングで前進端渋滞を検知することができる。
【0068】
グラフA23は、引き側配管で計測した油圧値と、当該引き側配管における正常時の油圧平均値との偏差(以下、引き側指標値と呼ぶ)の経時変化を示している。グラフA21とA23から、可動火格子22が前進端で停止したタイミングで引き側指標値の値が減少して、正常時における最小値よりもさらに小さな値となっていることがわかる。
【0069】
このため、図示のように、引き側指標値の正常時における最小値よりも少し小さい値の閾値を設定すればよい。そして、異常検知部102は、油圧データから引き側指標値を算出し、算出した引き側指標値が上記閾値以下となったときに異常ありと検知すればよい。
【0070】
例えば、図7のグラフA23の例では、可動火格子22が前進端で停止したタイミングで引き側指標値が閾値以下となっている。よって、引き側指標値が上記閾値以下である否かを異常検知の基準とすることにより、押し側指標値を用いる場合よりさらに早いタイミングで前進端渋滞を検知することができている。
【0071】
なお、閾値は、十分長い期間に測定した油圧データに基づいて設定することが好ましい。十分長い期間に測定された油圧データを用いれば、可動火格子22が正常に動作している正常期間に測定された油圧データから算出した指標値の推移と、動作異常が発生した異常期間に測定された油圧データから算出した指標値の推移との有意な比較が可能になる。そして、これにより、正常期間の指標値と異常期間の指標値がどのような期間において乖離するかについての絞り込みができる。また、上記比較により、正常期間の指標値と異常期間の指標値を区分できる閾値の範囲も絞り込むことができる。
【0072】
なお、正常期間の指標値と異常期間の指標値が乖離する期間の絞り込みができている場合、異常検知部102は、当該期間に取得された油圧データを用いて指標値を算出することが望ましい。例えば、可動火格子22が、その可動範囲のうち後退側の端部である後退端にある状態から前進し、前進端を経て後退端に戻るまでを1ループと定義する。そして、ループの開始後の所定期間(例えば数十秒間)に正常期間の指標値と異常期間の指標値が乖離することが分かっていたとする。この場合、異常検知部102は、ループの開始後の当該期間に取得された油圧データを用いて指標値を算出すればよい。
【0073】
また、異常検知部102は、可動火格子22が前進中であるか、後退中であるかに応じて異なる閾値を用いて異常検知を行ってもよい。この構成は、前進中と後退中で指標値の分布が異なる場合に有効である。
【0074】
〔動作異常検知方法の他の例〕
異常検知に用いる指標値は、油圧データを用いて生成可能なものであって、異常の発生または異常の前兆を示すものであればよく、上述の例に限られない。例えば、油圧データが示す油圧値と正常時の油圧平均値との差を、正常時の油圧値の標準偏差で除した値を指標値としてもよい。この他にも、例えば油圧データが示す油圧値の分散、または油圧データが示す油圧値と正常時の油圧平均値との差分の累積値等を指標値とすることも可能である。
【0075】
また、例えば、油圧データが示す油圧値自体のみならず、複数の異なる箇所で計測した油圧値の和または差を算出し、その和または差の正常時の平均値との差を指標値としてもよい。また、複数の指標値を併用して異常検知を行ってもよい。この場合、異常検知部102は、複数の指標値のうち所定数が閾値以上となったときに異常と検知してもよい。この構成では、所定数を多くする程、誤検知の可能性を減らすことができ、所定数を少なくする程早期の検知が可能になる。
【0076】
また、異常検知部102は、可動火格子22に動作異常が発生したときの油圧データの変動パターンを学習することにより構築された予測モデルを用いて動作異常を検知してもよい。可動火格子22に動作異常が発生したときの油圧データの変動パターンを学習することにより構築された予測モデルを用いれば、油圧データが示す油圧の変動パターンが正常時とは異なっていることを高精度に検出することが可能になる。したがって、上記の構成によれば、可動火格子22の動作異常を高精度に検知することが可能になる。
【0077】
上記学習には、例えば、前進端渋滞が発生したときの油圧データ(可動火格子22の停止前から停止後までの所定期間に計測された油圧値を示すもの)に対し、動作異常(または前進端渋滞)であることを示す正解データを対応付けた教師データを用いればよい。また、後進中渋滞が発生したときの油圧データ(可動火格子22の停止前から停止後までの所定期間に計測された油圧値を示すもの)に対し、動作異常(または後進中渋滞)であることを示す正解データを対応付けた教師データを用いてもよい。無論、これらの教師データの両方を用いて学習を行ってもよく、この場合、前進端渋滞と後進中渋滞を区別して検知することも可能になる。また、教師データとしては、油圧データをそのまま用いてもよいし、油圧データから抽出した特徴量(例えば上述の各種指標値)を用いてもよい。
【0078】
〔変形例〕
上述の実施形態で説明した各処理の実行主体は任意であり、上述の例に限られない。例えば、情報処理装置1とは別体の制御装置が搬送装置2(より詳細には流量制御弁と駆動装置28)の制御を行う構成としてもよい。この場合、情報処理装置1は、異常を検知したことを上記制御装置に通知して、異常回避のための制御を実行させてもよいし、異常を検知したことを、出力部14を介して出力して、異常回避のための制御を焼却施設の監視員等に行わせてもよい。
【0079】
また、情報処理装置1の設置場所は任意であり、例えば搬送装置2の監視等を行うための監視室等に設置してもよいし、他の場所に設置してもよい。例えば、情報処理装置1をクラウド上に設置してもよく、この場合、任意の端末装置で情報処理装置1にアクセスして異常検知結果を確認する構成としてもよい。また、この場合、1つの情報処理装置1で複数のごみ焼却施設の火格子の監視を行うことも可能である。
【0080】
〔ソフトウェアによる実現例〕
情報処理装置1の制御ブロック(特にデータ取得部101、異常検知部102、および火格子制御部103)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
【0081】
後者の場合、情報処理装置1は、各機能を実現するソフトウェアである火格子の動作異常検知プログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0082】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0083】
1 情報処理装置(火格子の動作異常検知装置)
101 データ取得部
102 異常検知部
103 火格子制御部(異常解消制御部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7