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  • 特開-ペット用ガム及びその製造方法 図1
  • 特開-ペット用ガム及びその製造方法 図2
  • 特開-ペット用ガム及びその製造方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158452
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ペット用ガム及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   A23K 50/42 20160101AFI20221006BHJP
   A23K 10/20 20160101ALI20221006BHJP
   A23K 10/30 20160101ALI20221006BHJP
【FI】
A23K50/42
A23K10/20
A23K10/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063367
(22)【出願日】2021-04-02
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000111638
【氏名又は名称】ドギーマンハヤシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】特許業務法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】市川 大地
【テーマコード(参考)】
2B005
2B150
【Fターム(参考)】
2B005AA02
2B150AA06
2B150AB20
2B150AE06
2B150AE37
2B150AE43
2B150AE47
2B150AE48
2B150DD01
(57)【要約】
【課題】歯の全体でフィットして固定されて噛み易く、歯垢を効果的に除去することができ、しっかりと長く噛むことのできるペット用ガム及びその製造方法を提供する。
【解決手段】長尺状のペット用ガムであって、長さ方向に略垂直な断面でみた場合に、外形が略多角形状であり、内側から外側にむかって順に、軟質チューイング層及び前記チューイング層を覆う硬質シェル層と、を有し、前記チューイング層には複数の開口が設けられていること、を特徴とするペット用ガム。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも牛皮、セルロース及びグリセリンの混合物で形成された長尺状のペット用ガムであって、長さ方向に略垂直な断面でみた場合に、
外形が略多角形状であり、
内側から外側にむかって順に、軟質チューイング層及び前記チューイング層を覆う硬質シェル層と、を有し、
前記チューイング層には複数の開口が設けられていること、
を特徴とするペット用ガム。
【請求項2】
前記開口の数が3つ~7つであること、
を特徴とする請求項1に記載のペット用ガム。
【請求項3】
前記ペット用ガムの外径Dが5mm~20mmであり、前記開口の直径dが1mm~5mmであること、
を特徴とする請求項1又は2に記載のペット用ガム。
【請求項4】
請求項1~3のうちのいずれかに記載のペット用ガムの製造方法であって、
(1)少なくとも牛皮、セルロース及びグリセリンを混合して原料混合物を得る混合工程と、
(2)前記ペット用ガムの前記断面の形状に対応する口金を用いて、前記原料混合物を押し出す押出工程と、
を具備し、
前記押出工程(2)において、前記金型の加熱温度が95~105℃であり、前記金型を前記原料混合物が通過する時間(加熱時間)が8~12秒間であること、
を特徴とする請求項1~3のうちのいずれかに記載のペット用ガムの製造方法。
【請求項5】
前記混合工程(1)において、前記原料混合物が、牛皮を40~50質量部、セルロースを20~30質量部、グリセリンを10~20質量部含むこと、
を特徴とする請求項4に記載のペット用ガムの製造方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば犬等の小動物のペットが確実に噛むことができかつ歯垢を効果的に除去することのできるペット用ガム及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ペット用ガムとして、例えば特許文献1(実用新案登録第3096655号公報)及び特許文献2(実用新案登録第3147105号公報)に開示されているように、扁平な棒状や歯ブラシ型及び動物の骨のような形状及び小さい靴形のガム、又は略球形状や円柱状及びスティック状を組み合わせたものが提案されている。
【0003】
ところが、ペットの歯の形状に起因して歯の一部しかガムに当たらないことから、例えば特許文献3(実用新案登録第3164297号公報)においては、押出成形機で主原料を螺旋状及び網目状及び円筒形状に成形したガムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3096655号公報
【特許文献2】実用新案登録第3147105号公報
【特許文献3】実用新案登録第3164297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の従来技術のペット用ガムでは、歯の全体ではフィットしにくく、また、歯垢の除去及び長く噛めるという観点からは未だ改善の余地があった。
【0006】
そこで、本発明の目的は、歯の全体でフィットして固定されて噛み易く、歯垢を効果的に除去することができ、しっかりと長く噛むことのできるペット用ガム及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決すべく、本発明は、
少なくとも牛皮、セルロース及びグリセリンの混合物で形成された長尺状のペット用ガムであって、長さ方向に略垂直な断面でみた場合に、
外形が略多角形状であり、
内側から外側にむかって順に、軟質チューイング層及び前記チューイング層を覆う硬質シェル層と、を有し、
前記チューイング層には複数の開口が設けられていること、
を特徴とするペット用ガム、
を提供する。
【0008】
上記の本発明のペット用ガムにおいては、
前記開口の数が3つ~7つであり、また、前記ペット用ガムの外径Dが5mm~20mmであり、前記開口の直径dが1mm~5mmであること、
が好ましい。
【0009】
また、本発明は、
(1)少なくとも牛皮、セルロース及びグリセリンを混合して原料混合物を得る混合工程と、
(2)前記ペット用ガムの前記断面の形状に対応する口金を用いて、前記原料混合物を押し出す押出工程と、
を具備し、
前記押出工程(2)において、前記金型の加熱温度が95~105℃であり、前記金型を前記原料混合物が通過する時間(加熱時間)が8~12秒間であること、
を特徴とする上記の本発明のペット用ガムの製造方法、
をも提供する。
【0010】
上記の本発明のペット用ガムの製造方法においては、
前記混合工程(1)において、前記原料混合物が、牛皮を40~50質量部、セルロースを20~30質量部、グリセリンを10~20質量部含むこと、
が好ましい。
【0011】
即ち、前記原料混合物は、牛皮、セルロース及びグリセリンのみを含むものであっても、これらに加えて添加成分を含むものであってもよく、いずれにしても、牛皮を40~50質量部、セルロースを20~30質量部、グリセリンを10~20質量部含むものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、歯の全体でフィットして固定されて噛み易く、歯垢を効果的に除去することができ、しっかりと長く噛むことのできるペット用ガム及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るペット用ガム1の斜視図である。
図2】ペット用ガム1の端面(又は縦断面)を示す概略図である。
図3】本発明の他の実施形態に係るペット用ガム101の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下において、本発明のペット用ガムの好ましい実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。ただし、本発明はこれら図面に限定されるものではない。図面は、本発明を概念的に説明するためのものであるから、理解容易のために、必要に応じて寸法、比又は数を誇張又は簡略化して表している場合もある。
【0015】
<ペット用ガム>
図1は、本発明の一実施形態に係るペット用ガム1の斜視図である。図1に示すように、ペット用ガム1は、後述するように、少なくとも牛皮、セルロース及びグリセリンの混合物で形成されるものであり、長尺状である。そのため、しっかりと長く噛むことができる。
【0016】
図1に表れている端面の様子からも理解されるように、長さ方向に略垂直な断面でみた場合に、ペット用ガム1は、おおまかには略円柱状乃至は略スティック状であるが、詳細にみると外形が略多角形状である。これにより、歯の全体でフィットして固定されて噛み易く、しっかりと長く噛むことができる。図1においては、外縁が略十二角形の星型多角形状であるが、これに限定されず、種々の多角形状を有していてもよい。
【0017】
ペット用ガム1においては、内側から外側にむかって順に、軟質チューイング層2及びチューイング層2を覆う硬質シェル層4と、を有している。チューイング層2及びシェル層4のいずれも、上記混合物で形成されているが、シェル層4は、上記混合物が加熱後に乾燥されて固化することによって形成されており、チューイング層2よりも硬質である。
【0018】
チューイング層2には5つの円状の開口6が略均等な配置で設けられており、当該開口6はペット用ガム1の長さ方向に貫通している。これにより歯垢を効果的に除去することができ、しっかりと噛むことができる。開口6の数は、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよいが、押出工程に起因する寸法精度等の品質保持の観点からは、3つ~7つが好ましい。
【0019】
ここで、ペット用ガム1の各寸法について述べる。ペット用ガム1の外縁の多角形状部分の頂点を結んで仮想円Cを形成した際の直径(外形)D(図2参照)が、5mm~20mmであるのが好ましいが、開口6の寸法や対象とするペットの大小等によって、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよい。なかでも、8mm~18mmであるのが好ましい。
【0020】
また、ペット用ガム1の外縁の多角形状部分の頂点の高さhは、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよいが、押出工程に起因する寸法精度等の品質保持の観点及び本発明の効果をより確実に得るという観点からは、1mm~5mm、好ましくは1mm~3mmであるのがよい。
【0021】
開口6の直径dは、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよいが、押出工程に起因する寸法精度等の品質保持の観点及び本発明の効果をより確実に得るという観点から、1mm~5mm、好ましくは1mm~3mmの範囲で、ペット用ガム1の直径Dや対象とするペットの大小等によって、適宜選択すればよい。
【0022】
また、シェル層4の厚さは、例えば0.5mm~1mm程度であればよいが、明確にチューイング層2と区分けされていなくてもよい。例えば、ペット用ガム1の固化の程度(高さ)が、外側から内側にかけて、徐々に乃至は段階的に、低くなっていることにより、硬質なシェル層4と軟質なチューイング層2とが形成されていてもよい。なお、チューイング層2の断面積:開口6の合計開口面積(比)は、歯垢除去効果を確実に発揮し、また、十分な強度を確保するという観点からは、5:1~15:1であればよく、更には、8:1~10:1であるのが好ましい。
【0023】
本実施形態においては、下記の形状及び寸法を採用している。
・ペット用ガム1の外縁の多角形状 十二角形
・多角形状部分の頂点の高さh 2mm
・ペット用ガム1の直径D 16mm
・開口6の数 5つ
・開口6の直径d 2mm
・シェル層4の厚さ 0.5mm
・チューイング層2の断面積:開口6の合計開口面積=144:15.7
【0024】
ペット用ガム1は、少なくとも牛皮、セルロース(食物繊維)及びグリセリンを含んでおり、その他の追加成分として、米粉、タピオカ、小麦粉、コーンスターチ、大豆粉等を含んでいてもよい。
【0025】
なかでも、上記したペット用ガム1の形状及び寸法を実現し、本発明の効果を確実に得るという観点から、原料混合物が、全成分の合計を100質量%とした場合に、牛皮を40~50質量%、セルロースを20~30質量%、グリセリンを10~20質量%含むこと、が好ましい。
【0026】
更に本7明の効果をより確実に得るという観点からは、原料混合物が、全成分の合計を100質量%とした場合に、牛皮を42~45質量%、セルロースを20~25質量%、グリセリンを13~18質量%含むこと、が好ましい。
【0027】
なお、原料混合物に含まれるこれらの3成分は、押出成形及び乾燥固化後の最終製品においても略同じ割合で含まれる。
【0028】
<ペット用ガムの製造方法>
本実施形態のペット用ガム1は、(1)少なくとも牛皮、セルロース及びグリセリンを混合して原料混合物を得る混合工程と、(2)前記ペット用ガムの前記断面の形状に対応する口金を用いて、前記原料混合物を押し出す押出工程と、によって製造することができる。
【0029】
上記混合工程(1)における混合順、混合方法、混合温度、混合(攪拌)時間等の混合条件については、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよいが、分散均一性等の観点から、牛皮、米粉、セルロース、タピオカ、グリセリンの順番で混合するのが好ましく、また、混合(攪拌)時間は3分間~5分間程度であるのが好ましい。
【0030】
また、上記押出工程(2)における加熱温度、加熱時間、押出(吐出)速度各種条件についても、本発明の効果を損なわない範囲で適宜選択すればよいが、内側のチューイング層2が軟質で外側のシェル層4が硬質となるように、金型の加熱温度が95~105℃であり、金型を原料混合物が通過する時間(加熱時間)が8~12秒間であること、が好ましい。
【0031】
上記混合工程(1)及び押出工程(2)を経て、更に、自然乾燥等の乾燥により固化させることにより、本実施形態のペット用ガム1を製造することができる。なお、乾燥方法は、例えば、送風や温風乾燥等であってもよい。
【0032】
以上のような工程を経て、本実施形態のペット用ガム1が得られるが、本発明はこれらのみに限定されるものではなく、種々の設計変更が可能であり、それら設計変更に係るものも本発明の技術的範囲に含まれる。
【0033】
例えば図3に示すペット用ガム101のように、外径が小さい場合は(例えば10mm程度)、外側の硬質シェル層104の内側のチューイング層102内に3つの開口106を有する態様であってもよい。
図1
図2
図3