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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158469
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】広告効果分析システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221006BHJP
【FI】
G06Q30/02 382
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063398
(22)【出願日】2021-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】521103783
【氏名又は名称】高橋 宣久
(71)【出願人】
【識別番号】521103794
【氏名又は名称】北浦 茂和
(71)【出願人】
【識別番号】521103808
【氏名又は名称】上野 貴広
(71)【出願人】
【識別番号】521103819
【氏名又は名称】岩永 幸徳
(74)【代理人】
【識別番号】100098589
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 善章
(74)【代理人】
【識別番号】100098062
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 明彦
(74)【代理人】
【識別番号】100147599
【弁理士】
【氏名又は名称】丹羽 匡孝
(72)【発明者】
【氏名】高橋 宣久
(72)【発明者】
【氏名】北浦 茂和
(72)【発明者】
【氏名】上野 貴広
(72)【発明者】
【氏名】岩永 幸徳
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】広告を見た消費者が広告商品を購入したか否かを追跡して広告の効果を分析する広告効果分析システムを提供する。
【解決手段】広告効果分析システムにおいて、ユーザーがユーザー端末1によって視覚的媒体12に掲載されている広告15上の二次元コード14を読み取る。二次元コード14には広告商品識別情報と視覚的媒体を示す媒体識別情報が含まれており、ユーザー端末1は、認識したこれら情報を管理装置2へ送信する。ユーザーは、ユーザー端末1によって実店舗での購入により発行されたレシート13の画像データを管理装置2に送信する。管理装置2は、画像データに対して文字認識処理を行って取得した商品情報と、ユーザー端末1が二次元コード14を読み取って送られてきた広告商品識別情報に該当しているかで視覚媒体12による広告15の効果を分析する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷物や屋内外に設置したポスターないし映像装置等の視覚的媒体を利用する広告による成果を分析する広告効果分析システムであって、
前記視覚的媒体に前記広告と共に配置され当該視覚的媒体を示す媒体識別情報及び前記広告の商品又はサービスを示す広告商品識別情報を含む二次元コードと、
前記二次元コードを読み取り前記媒体識別情報と前記広告商品識別情報とを取得すると共に実店舗で発行されたレシートの画像データを取得するユーザー端末と、
前記ユーザー端末からユーザー識別情報が付加されて送信される前記媒体識別情報及び前記広告商品識別情報と、別に送信される前記画像データとをそれぞれ受信する管理装置と、
を備え、
前記管理装置は、
前記媒体識別情報と前記広告商品識別情報とを同時に送られてきた前記ユーザー識別情報に関連付けて格納する広告閲覧記憶部と、
前記ユーザー識別情報毎に当該ユーザーの属性情報を格納している属性データ記憶部と、
前記ユーザー端末から前記画像データと共に前記ユーザー識別情報が送られてくると、当該画像データに対する文字認識処理により商品情報を取得し、送られてきた前記ユーザー識別情報に関連して前記広告閲覧記憶部に記憶している前記広告商品識別情報に該当していると、当該ユーザー識別情報のユーザーが広告商品を購入したことを前記広告閲覧記憶部に記録する広告効果判別部と、
前記ユーザー端末からの前記画像データから前記広告効果判別部が取得する商品情報を同時に送られてきた前記ユーザー識別情報に関連付けて格納するレシート情報記憶部と、
前記広告閲覧記憶部と前記属性データ記憶部と前記レシート情報記憶部とに格納された情報に基づき前記媒体識別情報での前記視覚媒体による広告の効果を分析する広告効果分析部と、
を有する広告効果分析システム。
【請求項2】
前記広告効果分析部は、前記媒体識別情報での前記視覚媒体による広告の認知度を前記ユーザー識別情報に関連付けて前記属性データ記憶部に記憶されている属性情報に基づき分類して分析する請求項1に記載の広告効果分析システム。
【請求項3】
前記広告効果分析部は、前記媒体識別情報での前記視覚媒体による広告の商品の購入度を前記広告閲覧記憶部に前記広告商品の購入が記録されている前記ユーザー識別情報に関連付けて前記属性データ記憶部に記憶されている属性情報に基づき分類して分析する請求項1又は2に記載の広告効果分析システム。
【請求項4】
前記管理装置は、広告商品の購入があったことを確認すると前記ユーザー識別情報に該当するユーザーにクーポンを配布する請求項1又は2に記載の広告効果分析システム。
【請求項5】
前記二次元コードはインターネット環境の前記クーポンを配布する会員への登録サイトへ誘導するリンク情報を含み、前記ユーザー端末が前記登録サイトに接続すると、前記管理装置は前記属性情報を入力するWebページを前記ユーザー端末に送信し、
前記ユーザー端末が前記属性情報を送信することで、前記管理装置は前記ユーザー識別情報を前記ユーザー端末に送信すると共に、当該ユーザー識別情報に関連付けて前記属性情報を前記属性データ記憶部に格納する請求項1に記載の広告効果分析システム。
【請求項6】
前記管理装置は、前記登録サイトでアンケート入力のWebページを前記ユーザー端末に送信し、前記属性データ記憶部にアンケートの回答結果を前記ユーザー識別情報に関連付けて格納する請求項5に記載の広告効果分析システム。
【請求項7】
前記管理装置は一の前記画像データに対する文字認識処理により取得する前記レシートの固有情報を含む前記画像データが過去に送られてきているとき、当該一の前記画像データが二重に送信されていると判断することを特徴とする請求項1又は2に記載の広告効果分析システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷物や屋内外に設置したポスターないし映像装置等の視覚的媒体を利用する広告による消費者の購買行動をする広告効果分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
広告効果を確認できる広告システムとしては、実店舗を訪れた利用者が自分の携帯端末にバナー広告経由で広告主ページを表示させてページ上の来店ボタンを選択することにより、携帯端末のGPS機能を利用して、利用者が広告主の実店舗にいることを広告管理システムが確認した上で、利用者にクーポンやポイントなどの特典を与えるとともにバナー広告掲載者に成功報酬としての広告料を支払うためのコンピューティングを行うシステムが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
また、携帯端末ユーザーがインターネット上のアフリエイト広告に基づいて店舗等の指定場所に来場したか否かを、店舗等の指定場所に設置した非接触ICカード読取装置が携帯端末に搭載の非接触ICカードを読み取ることで広告効果を判定するトラッキングシステムも知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【0004】
しかしながら、印刷物や屋内外に設置したポスターないし映像装置等の視覚的媒体を利用する広告においては、広告とそれを見た消費者とは直接には繋がりがないため広告成果を確認することができない。そのため、これらの視覚的媒体に広告・情報サイトへのリンク手段を有する二次元コードを配置し、ユーザーがブラウジング装置により視覚的媒体から二次元コードを読み込み、インターネット環境におけるWebページに掲載されている、広告・情報サイトへアクセスするように構成することで広告成果を確認できるようにした広告確認システムがある(例えば、特許文献3を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4097682号公報
【特許文献2】特許第5200707号公報
【特許文献3】特開2009-020756号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献3の広告確認システムは、紙面などの視覚的媒体に広告と共に掲載する二次元コードを介して広告と消費者とを繋げることで広告効果を確認しようとするものである。しかしながら、特許文献3の広告確認システムは、消費者が広告を見たことを確認するものであり、その広告を見たことで商品の購入までに結びついたか否かを確認することができない。
【0007】
本発明は上記点に鑑み、印刷物や屋内外に設置したポスターないし映像装置等の種々の視覚的媒体を利用して広告を行う場合において、広告を見た消費者が広告商品を購入したか否かを追跡して広告の効果を分析する広告効果分析システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、印刷物や屋内外に設置したポスターないし映像装置等の視覚的媒体を利用する広告による成果を分析する広告効果分析システムであって、前記視覚的媒体に前記広告と共に配置され当該視覚的媒体を示す媒体識別情報及び前記広告の商品又はサービスを示す広告商品識別情報を含む二次元コードと、前記二次元コードを読み取り前記媒体識別情報と前記広告商品識別情報とを取得すると共に実店舗で発行されたレシートの画像データを取得するユーザー端末と、前記ユーザー端末からユーザー識別情報が付加されて送信される前記媒体識別情報及び前記広告商品識別情報と、別に送信される前記画像データとをそれぞれ受信する管理装置と、を備え、前記管理装置は、前記媒体識別情報と前記広告商品識別情報とを同時に送られてきた前記ユーザー識別情報に関連付けて格納する広告閲覧記憶部と、前記ユーザー識別情報毎に当該ユーザーの属性情報を格納している属性データ記憶部と、前記ユーザー端末から前記画像データと共に前記ユーザー識別情報が送られてくると、当該画像データに対する文字認識処理により商品情報を取得し、送られてきた前記ユーザー識別情報に関連して前記広告閲覧記憶部に記憶している前記広告商品識別情報に該当していると、当該ユーザー識別情報のユーザーが広告商品を購入したことを前記広告閲覧記憶部に記録する広告効果判別部と、前記ユーザー端末からの前記画像データから前記広告効果判別部が取得する商品情報を同時に送られてきた前記ユーザー識別情報に関連付けて格納するレシート情報記憶部と、前記広告閲覧記憶部と前記属性データ記憶部と前記レシート情報記憶部とに格納された情報に基づき前記媒体識別情報での前記視覚媒体による広告の効果を分析する広告効果分析部と、を有する。
【0009】
前記広告効果分析部による広告効果分析の一つとして、前記媒体識別情報での前記視覚媒体による広告の認知度を前記ユーザー識別情報に関連付けて前記属性データ記憶部に記憶されている属性情報に基づき分類して分析することができる。
【0010】
また、前記広告効果分析部による広告効果分析の一つとして、前記媒体識別情報での前記視覚媒体による広告の商品の購入度を前記広告閲覧記憶部に前記広告商品の購入が記録されている前記ユーザー識別情報に関連付けて前記属性データ記憶部に記憶されている属性情報に基づき分類して分析することができる。
【0011】
前記管理装置は、広告商品の購入があったことを確認すると前記ユーザー識別情報に該当するユーザーにクーポンを配布することで、ユーザーの二次元コード送信及びレシート画像送信の動機付けとなる。
【0012】
そして、前記二次元コードはインターネット環境の前記クーポンを配布する会員への登録サイトへ誘導するリンク情報を含み、前記ユーザー端末が前記登録サイトに接続すると、前記管理装置は前記属性情報を入力するWebページを前記ユーザー端末に送信し、前記ユーザー端末が前記属性情報を送信することで、前記管理装置は前記ユーザー識別情報を前記ユーザー端末に送信すると共に、当該ユーザー識別情報に関連付けて前記属性情報を前記属性データ記憶部に格納する。これにより、ユーザーの属性に応じた広告効果の分析が行える。
【0013】
さらに、前記管理装置は、前記登録サイトでアンケート入力のWebページを前記ユーザー端末に送信し、前記属性データ記憶部にアンケートの回答結果を前記ユーザー識別情報に関連付けて格納することで、アンケート項目と関連しての広告効果の分析が行える。
【0014】
そして、前記管理装置は一の前記画像データに対する文字認識処理により取得する前記レシートの固有情報を含む前記画像データが過去に送られてきているとき、当該一の前記画像データが二重に送信されていると判断することで、レシート画像が誤って或いは不正に二重送信されることを防止できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明による広告効果分析システムによれば、視覚的媒体に掲載した広告を見た顧客が消費行動に結びつけているかを確認することができるため、広告実施者にとって広告の有用性を判断する材料とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明に係わる広告効果分析システムの全体構成を説明するブロック図を示す。
図2図1の広告効果分析システムにおけるユーザー端末のシステム構成を説明するブロック図を示す。
図3】広告閲覧記憶部の記憶構成の模式的な説明図を示す。
図4】レシート情報記憶部の記憶構成の模式的な説明図を示す。
図5】アプリケーションプログラムがユーザー端末へのインストールと、広告効果分析システムにおけるインストールされたユーザー端末と管理装置との間での会員登録時の処理シーケンスを示す。
図6】広告効果分析システムにおけるユーザー端末と管理装置との間での広告閲覧送信時の処理シーケンスを示す。
図7】広告効果分析システムにおけるユーザー端末と管理装置との間でのレシート画像送信時の処理シーケンスを示す。
図8】広告効果分析システムにおけるユーザー端末と管理装置とPOSシステムとの間でのクーポン使用時の処理シーケンスを示す。
図9】広告効果分析部による認知分析ファイルの構成を模式的に示す。
図10】広告効果分析部による購買分析ファイルの構成を模式的に示す。
図11】広告効果分析部による再購入分析ファイルの構成を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の全体構成を示しており、消費者である「ユーザー」はユーザー端末1を所持しており、「企業」は管理装置2によりユーザー端末1と情報のやり取りを行うことで、上市する自社の商品或いはサービスの広告の効果を分析する。この場合の広告は、印刷物(新聞、雑誌、広告チラシ等)や屋内外に設置したポスター、テレビCMやデジタルサイネージ等の映像による種々の視覚的媒体が利用される。
【0018】
「企業」は、広告する商品(或いはサービス)の名称及び広告を載せる視覚的媒体の種類を表す媒体識別情報と広告商品識別情報、及びアプリ提供サイトのURL情報をコード化した二次元コードであるQRコード(登録商標)14を作成して、例えば図1に示すような新聞紙面12上での広告15に重畳してQRコード14を掲載する。また、テレビCMであればコマーシャル映像に重ねてQRコード14を表示する。
【0019】
本願においては、二次元コードを掲載する広告は、二次元コードを視覚的に表示し得る全ての広告媒体を意味する。すなわち、新聞、雑誌、広告チラシ、パンフレット、多数のQRコードを掲載した広告媒体、電車やバス等の中吊り広告、街や商店等の張られている広告用ポスター、TVコマーシャル画面、時間の経過と共に広告表示が次から次に変わる電子広告パネルやデジタルサイネージ広告、インターネットのSNS等や検索エンジン経由で次から次に転送されてパーソナルコンピュータ等のデジタル機器に表示される広告媒体等を含む。
【0020】
また、このような広告媒体に掲載される二次元コードにおいては、広告主、広告媒体、広告の対象商品やサービス、広告の掲載日時の情報を含むが、広告の掲載日時は、広告を開始した何年何月何日の日付け情報だけではなく、日付け及び日時情報を意味し、何時何分何秒の時間情報を入れることが望ましい。これによって、例えば、TVや電子広告パネルにおいて、一日に何回も繰り返されて表示される同じ広告が、一日における如何なる時間帯、いかなる場面や状況において表示されたものが結果的に販売に大きく寄与したかが判明できるからである。
【0021】
視覚的媒体の種類とは、図1に示すような新聞紙面12上での広告15であれば何月何日付の「〇〇新聞」というように媒体を具体的に特定するものである。また、広告商品識別情報とは広告対象商品の商品名を示すテキストデータであったり或いは商品(サービス)コードであったりする。
【0022】
ユーザー端末1は、図2に示すように、通信ネットワーク10に接続可能で且つカメラ機能を具備するスマートフォン等の移動電話機、携帯情報端末機、パーソナルコンピュータ等である。ユーザー端末1は、処理部20と、入力部21と、記憶部22と、表示部23と、通信インタフェース24と、カメラ25とを有する。処理部20は、所定のアプリケーションプログラム27をインストールすることで、登録部20aと、QRコード処理部20bと、実店舗が発行する紙のレシートの画像データを取得して管理装置2に送信するレシート画像取得部20cと、クーポン表示部20dの各機能を実現する。
【0023】
QRコード14には、媒体識別情報と広告商品識別情報に加えてアプリ―ケーションプログラム27を提供する上述のアプリ提供サイトのURL情報が含まれており、ユーザー端末はこのサイトに導かれてアプリ―ケーションプログラム27がダウンロードされる。
【0024】
登録部20aは、アプリケーションプログラム27の起動による会員登録モードおいて、顧客であるユーザーが入力部21から入力する住所・氏名・生年月日・性別等の個人の属性情報を管理装置2に送信して会員登録を行うと共に、折り返して管理装置2から送られてくる会員番号(ユーザー識別情報)を記憶部22に記憶する。
【0025】
QRコード処理部20bは、視覚的媒体に商品の広告と共に掲載されているQRコード14からQRコード情報を読み取って、会員番号を付加して管理装置2に送信する。
【0026】
レシート画像取得部20cは、当該ユーザー端末1のカメラ25若しくは別のカメラで撮影したレシート13の画像データを取得し管理装置2に送信する。このときレシート画像取得部20cは画像データと共に記憶部22に記憶している会員番号を付加して管理装置2へ送信する。
【0027】
クーポン表示部20dは、管理装置2から送られてくるクーポン画像を表示部23に表示する。クーポンは「企業」が自社の商品を実店舗で購入するとき精算時に提示すれば値引きで商品を得ることができるサービスである。この場合の値引き額は「企業」の負担としている。
【0028】
管理装置2は、Webサーバ3と、管理サーバ4と、会員毎の属性情報を格納する属性データ記憶部5と、会員による広告閲覧の状況を格納する広告閲覧記憶部6と、レシート情報記憶部7とを備える。
【0029】
Webサーバ3は、ユーザーによるクーポン会員登録のWebサイトを運営し、登録する会員の属性情報を入力するためのWebページをユーザー端末1に送信する。このWebページには住所・氏名・生年月日・性別等の個人情報と共に嗜好等についてのアンケートの入力欄を設けることができる。尚、上述アプリ提供サイトをWebサーバ3が運営されるように構成しても良い。
【0030】
管理サーバ4は所定のプログラムを処理することで、会員番号発行部4aと、QRコード情報を解析するコード解析部4bと、文字認識処理によりレシートに印刷されている文字情報(テキストデータ)を取得する文字情報取得部4cと、レシート処理部4dと、広告効果判別部4eと、クーポン管理部4f及び広告効果分析部4gの各機能を実現する。
【0031】
会員番号発行部4aは、クーポン会員登録のWebサイトに会員申込みがあると、会員番号を作成して当該申し込みに使用されたユーザー端末1に送信する。そして、Webサーバ3が送信したWebページに入力された属性情報(アンケートがあればこの結果も含む)をこの会員番号に関係付けて属性データ記憶部5に格納する。
【0032】
コード解析部4bは、ユーザー端末1から送られてきたQRコード情報から媒体識別情報と広告商品識別情報とを取得して、同時にユーザー端末1から送られてくる会員番号に関連付けてこれらの情報を広告閲覧記憶部6に格納する。これにより、管理サーバ4は送られてきたQRコード情報からユーザーが何れの視覚的媒体から何れの商品に関する広告が閲覧されたかの閲覧情報を把握する。図3は広告閲覧記憶部6の例を示す図であり、1つのレコードには会員番号・媒体識別情報・広告商品識別情報・広告商品の購入回数情報を記憶するフィールドが含まれている。
【0033】
文字情報取得部4cは、レシートの画像データが送られてくると、OCR装置(光学文字認識装置)によって画像データに表記されている文字情報を取得し、この文字情報からレシートに記載されているレシートナンバー、日付及び時間(購入日時)、レシートの発行店舗名(チェーン店であるときにはチェーン店名も含めて)、購入商品名及び個数などの文字情報をテキストデータで取得する。レシートナンバーは同じ店舗で発行される個々のレシートの固有情報である。
【0034】
レシートが正しく撮影されていない或いは紙面の皺や文字のカスレなどにより、これらのレシート情報がレシートの画像データから読み取れない場合、文字情報取得部4cは、画像データが送られてきたユーザー端末1に撮影と送信のリトライを通知する。尚、管理サーバ4は文字情報取得部4cの機能を持たずにネットを通じて外部のOCRサービスシステムにレシート画像を送信することでレシートの文字情報を取得してもよい。
【0035】
レシート処理部4dは、ユーザー端末からQRコード情報と共に送られてきた会員番号に関連付けて、文字情報取得部4cが取得したレシートナンバー、購入日時、レシートの発行店舗名、購入商品名及び個数の各情報をレシート情報記憶部7に格納する。図4はレシート情報記憶部7の例を示す図であり、1つのレコードには、会員番号・レシートナンバー・購入日時・発行店舗名・購入商品名・購入個数のレシート情報を記憶する各フィールドが含まれている。
【0036】
レシート処理部4dはレシート情報記憶部7にレシート情報を格納する際、会員番号・レシートナンバー・購入日時・発行店舗名・購入商品名・購入個数の一連のレシート情報と一致するレシート情報が既に格納されているかを判別し、格納されていない場合にこれらレシート情報を新たに格納する。これにより、同じレシート画像が重複して送信される間違いや不正に対処できる。特に、不正に対しては、連続的なサイトの不正アクセスへの対策や同一IPアドレスからのアクセス制限等の処置も並行して採るのが好ましい。
【0037】
広告効果判別部4eは、レシート情報記憶部7に格納されていない新たなレシート情報であると、このレシート情報を示す画像データと共に送られてきた会員番号が記憶されているレコードの中に購入商品名と一致する商品が含まれているかを検索し、同じ商品が含まれているときには、当該レコードの購入回数記憶エリアの記憶内容に「1」を加算する。すなわち、記憶内容が「0」であれば「1」を書き込み、「0」以外であればその数値に「1」を加算する。
【0038】
クーポン管理部4fは、ユーザーが広告を見て該当するQRコード14を送信して、且つレシート画像の送信によって実店舗で広告商品を購入したことを判別すると、ユーザー端末1に対して、商品購入時に使用できるクーポン画像を送信する。
【0039】
広告効果分析部4gは、属性データ記憶部5、広告閲覧記憶部6及びレシート情報記憶部7に格納されているデータに基づき視覚的媒体に掲載した広告の効果を分析して出力する。この分析結果には、例えば、認知分析ファイル31、購買分析ファイル32及び再購入分析ファイル33がある。
【0040】
「認知分析」は、広告を見てQRコード情報を送信してきたユーザーの件数を「媒体別」・「性年代別」・「地域別」にそれぞれ分類することで広告を見た(認知した)ユーザーの実態を分析する。
【0041】
「購買分析」は、QRコード情報を送信し、そしてレシート画像を送信して、且つレシート画像を送信してきたユーザーの件数を「媒体別」・「性年代別」・「地域別」・「店舗別」・「時間帯別」にそれぞれ分類することで、広告を見てそして実際に購入したユーザーの実態を分析する。
【0042】
「再購入分析」は、「購買分析」と同じ分析であるが、特に広告商品を再購入したユーザーの件数を「媒体別」・「性年代別」・「地域別」・「店舗別」・「時間帯別」にそれぞれ分析する。
【0043】
上記構成の広告効果分析システムの全体動作を、図5乃至図8に示す処理シーケンスに基づき説明する。
【0044】
図5において、先ずユーザーが新聞紙面12の広告15を見て、そこに広告と共に印刷されて掲載されているQRコード14をユーザー端末1で読み取る(ステップS01)。そして、ユーザーは、QRコード14に含まれているURLからアプリケーションプログラム27を提供するアプリ提供サイトにアクセスしてダウンロードする(ステップS02)。
【0045】
アプリケーションプログラム27をインストールして起動すると、ユーザー端末1の表示部23にはモード指定画面30が表示される(ステップS1)。ユーザーが会員未登録の場合には会員登録モードが選択されて、登録部20aがWebサーバ3にアクセスすると(ステップS2)、Webサーバ3は会員登録の会員のWebページをユーザー端末1に送信する(ステップS3)。
【0046】
ユーザー端末1の表示部に23に表示されるWebページに沿って、ユーザーの性別、年齢、住所等の属性情報が入力部21から入力されて、送信ボタンが押されると属性情報がWebサーバ3に送られて(ステップS4)、管理サーバ4はユーザー識別情報である会員番号を作成してユーザー端末1に送信する(ステップS5)。ユーザー端末1では登録部20aが送られてきた会員番号を記憶部22に記憶する(ステップS6)。そして、管理サーバ4は属性データ記憶部5に会員番号に関連付けて属性情報を格納する(ステップS7)。Webページにアンケートが含まれていればこのアンケート結果も属性情報の一つとして記憶される。
【0047】
アプリケーションプログラム27を起動してユーザー端末1の表示部23にはモード指定画面30が表示されたとき(ステップS1)、広告閲覧送信モードを選択すると、カメラ25を作動させて(ステップS10)、QRコード処理部20bは広告に掲載されているQRコード14を読み取る(ステップS11)。QRコード処理部20bは読み取ったQRコード14から媒体識別情報と広告商品情報とを取得して(ステップS12)、これら情報に会員番号を付加して管理サーバ4に送信する(ステップS13)。よって、管理サーバ4は会員番号に関連付けて広告閲覧記憶部6に媒体識別情報と広告商品情報とを格納する(ステップS15)。
【0048】
アプリケーションプログラム27を起動してユーザー端末1の表示部23にはモード指定画面30が表示されたとき(ステップS1)、レシート画像送信モードを選択するとカメラ25を作動させてレシート13が撮影される(ステップS15)。レシート画像取得部21cは撮影したレシートの画像を取得する(ステップS16)。そして、レシート画像取得部21cは、取得したレシート画像に会員番号を付加して管理サーバ4に送信する(ステップS17)。
【0049】
管理サーバ4の文字情報取得部14は受信したレシート画像をOCR解析し(ステップS18)、解析結果を判別し(ステップS19)、解析不能なときにはレシート画像の再取得と送信をユーザー端末1に通知する(ステップS20)。OCR解析ができたとき、文字情報取得部4cはレシートナンバー、購入日時、レシートの発行店舗名、購入商品名及び個数の各情報を取得する(ステップS21)。
【0050】
レシート処理部4dは、レシート情報記憶部7の各レコードを検索してレシートナンバー、購入日時、レシートの発行店舗名が同一のレコードが無いかを判別することで同じレシート画像が誤って送信或いは不正に送信されているか否かを判別し(ステップS22)、同じ情報が記憶されているレコードが存在する場合には、レシートが無効であることをユーザー端末1に送信する(ステップS23)。そして、ユーザー端末1側ではレシート不適の通知があったとき、レシートの不適を表示する(ステップS24)。
【0051】
同じ情報が記憶されているレコードが無い場合には、次に広告効果判別部4eは、広告閲覧記憶部6においてユーザー端末1から送信されてきた会員番号を記憶しているレコードの中からOCR解析した購入商品名と同じ商品が記憶されているレコードの有無を判別することにより、広告の商品が購入されたか否かを確認する(ステップS25)。
【0052】
そして、同じ商品が格納されているレコードの有りを判別すると、すなわち広告の商品が購入されたことを確認すると、レシート処理部4dは当該レコードの購入回数情報フィル―ドの記憶内容に「1」を加算する(ステップS26)。よって、購入回数情報フィル―ドには広告商品をユーザーが購入した回数が記憶される。
【0053】
クーポン管理部4fは、広告商品の購入が判別されたとき、クーポン画像をユーザー端末1に送信する(ステップS27)。
【0054】
一方、対象のレコードが無い場合には(ステップS25の「NO」)、レシート処理部4dは、レシートから広告商品の購入が確認不能の旨をユーザー端末1に通知する(ステップS28)。そして、ユーザー端末1側では、購入実績確認不能の通知があったときこの旨が表示される(ステップS29)。
【0055】
アプリケーションプログラム27を起動してユーザー端末1の表示部23にはモード指定画面30が表示されたとき(ステップS1)、クーポン使用モードが選択されると、クーポン表示部20dは管理装置2から送られてきているクーポン画像を表示する(ステップS30)。ユーザー端末1は、図10に示すように、表示部23にはクーポン画像と共にクーポンを「使用する」の操作ボタンを表示しており、操作ボタンのタッチにより(ステップS31の「YES」)、クーポンの使用を管理装置2に送信する(ステップS32)。これにより、管理装置1は、POSシステム9からのクーポン処理の通知を待機する(ステップS33)。
【0056】
ユーザー端末1の表示部23に表示されているクーポン画像にはクーポン対象商品と会員番号とを含むバーコード(又は二次元コード)が含まれており、精算時にPOS端末11はスキャナーによりコードを読み取る(ステップS34)。これにより、POS端末11はクーポン対象商品のクーポン割引の精算処理を行い(ステップS35)、管理装置2に読み取ったバーコード情報と共に当該店舗の識別情報を送信することでクーポン処理を通知する(ステップS36)。
【0057】
管理装置2は、受け取ったバーコード情報と識別情報とを記録しておくことで(ステップS37)、後に「企業」から店舗へクーポン割引分の補填が行われることになる。
【0058】
広告効果分析部4gは、上記の一連の処理で属性データ記憶部5と、広告閲覧記憶部6と、レシート情報記憶部7とに収集したデータから視覚的媒体に掲載した広告の効果を分析する。
【0059】
図9乃至図11は、広告効果分析部4gによる代表的な分析結果の一例である認知分析ファイル31、購買分析ファイル32及び再購入分析ファイル33の構成を模式的に示しており、これらファイルはモニターやプリントで出力される。
【0060】
認知分析ファイル31には、広告閲覧記憶部6に格納されているデータから広告を掲載する媒体別(X媒体、Y媒体・・・)に会員番号の数(会員数)をカウントした「媒体認知数」をF1エリアに書き込まれる。そして、それぞれの会員番号で属性データ記憶部5を検索して年代別に分類して、「媒体認知数」の年代別の内訳がF11エリアに書き込まれる。さらに、属性データ記憶部5から性別に分類して、「媒体認知数」の各年代別且つ性別での内訳がF12エリアに書き込まれる。
【0061】
また、それぞれの会員番号で属性データ記憶部5を検索して地域別に分類して、F1エリアに書き込まれている「媒体認知数」の地域別の内訳がF13エリアには書き込まれる。そして、各地域別の「媒体認知数」を属性データ記憶部5から年代別及び性別でそれぞれ分類した結果がF14エリアとF15エリアとに書き込まれる。
【0062】
このようにして広告効果分析部4gは、媒体識別情報での視覚媒体による広告の認知度をユーザー識別情報に関連付けて属性データ記憶部5に記憶されている属性情報に基づき分類して分析した認知分析ファイル31を作成する。上記の属性に基づく分析結果は代表的なものを示しており、各属性に応じて種々の認知度の分析が考えられる。
【0063】
図10は、広告効果分析部4gによる「購買分析」の代表的な分析結果を模式的に示している。広告効果分析部4gは、属性データ記憶部5と広告閲覧記憶部6とレシート情報記憶部7に格納されているデータを用いて「購買分析」を行う。
【0064】
購買分析ファイル32には、レシート情報記憶部7に格納されているデータから広告を掲載する媒体別(X媒体、Y媒体・・・)に会員番号の数(会員数)をカウントした「媒体別購入者数」がF2エリアに書き込まれる。そして、それぞれの会員番号で属性データ記憶部5を検索して年代別に分類して、「媒体別購入者数」の年代別の内訳がF21エリアに書き込まれる。さらに、属性データ記憶部5から性別に分類して、「媒体別購入者数」の各年代別且つ性別での内訳がF22エリアに書き込まれる。
【0065】
また、それぞれの会員番号で属性データ記憶部5を検索して地域別に分類し、「媒体別購入者数」の地域別の内訳がF23エリアに書き込まれる。そして、各地域別の「媒体認知数」を属性データ記憶部5から性別及び年代別でそれぞれ分類した結果がF24エリアとF25エリアとに書き込まれる。さらに、「媒体別購入者数」の店舗別(或いはチェーン店別)の「媒体別購入者数」がF26エリアに書き込まれる。
【0066】
このようにして広告効果分析部4gは、媒体識別情報での視覚媒体による広告の商品の購入度を広告閲覧記憶部6に広告商品の購入が記録されているユーザー識別情報に関連付けて属性データ記憶部5に記憶されている属性情報に基づき分類して分析する。上記の属性に基づく分析結果は代表的なものを示しており、各属性に応じて種々の分析が考えられる。
【0067】
図11は、広告効果分析部4gによる「再購入分析」の代表的な分析結果を模式的に示している。広告効果分析部4gは、属性データ記憶部5と広告閲覧記憶部6とレシート情報記憶部7に格納されているデータを用いて「再購入分析」を行う。
【0068】
再購入分析ファイル33も購買分析ファイル32と同様に、レシート情報記憶部7に格納されているデータから広告を掲載する媒体別(X媒体、Y媒体・・・)に会員番号の数(会員数)をカウントするが、このときのカウントの対象となる会員番号は広告閲覧記憶部6の購入回数情報エリアに「2」以上がカウントされている会員番号が対象となる。よって、「2」以上がカウントされている会員番号の数が集計された「媒体別再購入者数」がF3エリアに書き込まれる。そして、広告閲覧記憶部6の購入回数情報エリアに「2」以上がカウントされている各会員番号で属性データ記憶部5を検索して年代別に分類して、「媒体別再購入者数」の年代別の内訳がF31エリアに書き込まれる。さらに、属性データ記憶部5から男女に分類して、「媒体別購入者数」の各年代別の性別での内訳をF32エリアに書き込む。
【0069】
また、それぞれの会員番号で属性データ記憶部5を検索して地域別に分類し、「媒体別再購入者数」の地域別の内訳がF33エリアに書き込まれる。そして、各地域別の「媒体認知数」を属性データ記憶部5から性別及び年代別でそれぞれ分類した結果がF34エリアとF35エリアとに書き込まれる。さらに、「媒体別再購入者数」の店舗別(或いはチェーン店別)の「媒体別再購入者数」がF36エリアに書き込まれる。上記の属性に基づく分析結果は代表的なものを示しており、各属性に応じて種々の分析が考えられる。
【0070】
この実施形態の広告効果分析システムにおいては、管理装置2を商品やサービスを上市する「企業」に配置しているが、このような広告効果分析を行う「業者」がかかる管理装置2を備えて、「認知分析」・「購買分析」・「再購入分析」の結果を「企業」に提供する仕組みであってもよい。
【0071】
上記したように、本発明に係る広告効果分析システムは、ユーザー端末1によって視覚的媒体に広告と共に表示されているQRコード14と、広告商品を購入したとき実店舗で発行されるレシート13の画像を管理装置2に送信することで、広告を掲載する視覚媒体別に顧客の認知度や広告がユーザーの購入に結び付いているかを確認できる。これにより、商品に応じて何れの視覚的媒体に広告を載せれば効果的なのかを調査することができる。さらに、属性データ記憶部5に格納されている会員の属性情報と突き合わせることで、性年代別や地域に応じた広告成果の分析を行うことができる。
【符号の説明】
【0072】
1 ユーザー端末
2 管理装置
4g 広告効果分析部
6 属性データ記憶部
7 広告閲覧記憶部
8 レシート情報記憶部
12 視覚的媒体(新聞紙)
13 レシート
14 二次元コード
15 広告

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11