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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158521
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 11/12 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
B65B11/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063489
(22)【出願日】2021-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】000234122
【氏名又は名称】萩原工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000183484
【氏名又は名称】日本製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003085
【氏名又は名称】弁理士法人森特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石川 英彦
(72)【発明者】
【氏名】清水 康史
(72)【発明者】
【氏名】大久保 勝行
(72)【発明者】
【氏名】日下 大輔
(72)【発明者】
【氏名】石野 雅祥
(72)【発明者】
【氏名】松尾 直樹
【テーマコード(参考)】
3E051
【Fターム(参考)】
3E051AA01
3E051AB02
3E051BA01
3E051CA01
3E051CA08
3E051DA05
3E051EA03
3E051EB03
3E051FD09
3E051HA02
3E051HB02
3E051HC01
3E051HE05
(57)【要約】
【課題】包装時間の短縮を図ることができ、包装装置を含む生産ラインの生産量向上にも対応することができる包装装置を提供する。
【解決手段】被包装体10が下面ガイド7と上面ガイド8との間の空間に進入したときに、シート体20のうち、被包装体10の前面から上下に延出した部分が被包装体10の上下面側に折り畳まれ、被包装体10が幅ガイド11で案内されるときに、シート体20のうち、被包装体10の前面から左右に延出した部分が被包装体10の側面側に折り畳まれ、被包装体10が、折畳ガイド13の1つ目の傾斜面を通過するときに、シート体20のうち、被包装体10の下面から左右に延出した部分が被包装体10の側面側に折り畳まれ、被包装体10が、折畳ガイド13の2つ目の傾斜面を通過するときに、シート体20のうち、被包装体10の上面から左右に延出した部分が被包装体10の側面側に折り畳まれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
六面体の被包装体をシート体で覆う包装装置であって、
前記被包装体の移送通路の床面を構成する下面ガイドと、
前記下面ガイドに対向して配置され、前記被包装体の移送通路の天面を構成する上面ガイドと、
前記下面ガイド上の前記被包装体の左右の側面を挟むように配置され、前記被包装体の移送を案内するガイド面を有する幅ガイドと、
前記幅ガイドの前方に配置され、前記下面ガイド上の前記被包装体の左右の側面を挟むように配置され、前記被包装体の移送を案内するガイド面を有する折畳ガイドとを備えており、
前記折畳ガイドのガイド面は、前記シート体を押し上げる傾斜面と、前記シート体を押し下げる傾斜面を有しており、
上方から下方に垂下する前記シート体に前記被包装体の前面を押し当て、前記被包装体を移送する過程で、
前記被包装体が前記下面ガイドと前記上面ガイドとの間の空間に進入したときに、前記シート体のうち、前記被包装体の前面から上下に延出した部分が前記被包装体の上面側及び下面側に折り畳まれ、
前記被包装体が前記幅ガイドで案内されるときに、前記シート体のうち、被包装体の前面から左右に延出した部分が前記被包装体の左右の側面側に折り畳まれ、
前記被包装体が、前記折畳ガイドのうち、前記シート体を押し上げる傾斜面を通過するときに、前記シート体のうち、被包装体の下面から左右に延出した部分が前記被包装体の側面側に折り畳まれ、
前記被包装体が、前記折畳ガイドのうち、前記シート体を押し下げる傾斜面を通過するときに、前記シート体のうち、前記被包装体の上面から左右に延出した部分が前記被包装体の側面側に折り畳まれることを特徴とする包装装置。
【請求項2】
前記被包装体が、前記下面ガイドと前記上面ガイドとの間の空間を通過し終えたときに、前記シート体のうち、前記被包体の側面から後方に延出した部分と、前記被包体の上面及び下面から後方に延出した部分とを前記被包体の背面側に折り畳む背面折畳手段をさらに備えた請求項1に記載の包装装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、六面体の被包装体をシート体で覆って包装する包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品、雑貨、家電といった生活用品に限らず、産業資材の分野でも多くのものが、箱詰めされたり、立方体や直方体などに形作られたりして、六面体をなしている。これらの六面体は、クラフト紙、フィルム、布帛、不織布といったシート体で包装されることが多い。例えば、飲料パックやパウチなどの食品包装材の包装では、食品包装材を複数枚束ね、シート体により包装を行っている。食品包装材の包装などでは、異物混入防止や生産量の確保のため、手作業ではなく、包装装置を用いた自動的・連続的な包装が求められる。
【0003】
特許文献1には、六面体の全面を覆う包装装置が開示されている。この包装装置は、被包装物をシート状包装材で胴巻きし、被包装物の両側方に張り出る包装材の前後フラップを折り込んだ後、上下フラップを折り込んで包装する装置である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-254914号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の包装装置においては、特許文献1の図2に示された胴巻工程において、ローラ7の上に被包装物aを送り込む工程、包装材bを押し出すようにプッシャ9により被包装物を前方へ押し出す工程が前段階として必要である。さらに、折り返しガイド10を上昇させて包装材bを被包装物aの背面側に折り上げる工程、折り返しガイド10を被配送物aの搬送方向に移動させて包装材bを被包装物aの上面に折り返す工程が必要であった。
【0006】
すなわち、特許文献1に記載の包装装置は、胴巻工程において、折り返しガイド10による2工程が必須であり、包装時間の短縮に有利な構成ではなかった。包装装置及びこれを含む生産ラインの生産量の向上を考えた場合、包装時間の短縮は大きな課題であり、より短時間で包装できるよう、さらなる改善が求められていた。
【0007】
本発明は、前記のような問題を解決するものであり、包装時間の短縮を図ることができ、包装装置を含む生産ラインの生産量向上にも対応することができる包装装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、本発明の包装装置は、六面体の被包装体をシート体で覆う包装装置であって、前記被包装体の移送通路の床面を構成する下面ガイドと、前記下面ガイドに対向して配置され、前記被包装体の移送通路の天面を構成する上面ガイドと、前記下面ガイド上の前記被包装体の左右の側面を挟むように配置され、前記被包装体の移送を案内するガイド面を有する幅ガイドと、前記幅ガイドの前方に配置され、前記下面ガイド上の前記被包装体の左右の側面を挟むように配置され、前記被包装体の移送を案内するガイド面を有する折畳ガイドとを備えており、前記折畳ガイドのガイド面は、前記シート体を押し上げる傾斜面と、前記シート体を押し下げる傾斜面を有しており、上方から下方に垂下する前記シート体に前記被包装体の前面を押し当て、前記被包装体を移送する過程で、前記被包装体が前記下面ガイドと前記上面ガイドとの間の空間に進入したときに、前記シート体のうち、前記被包装体の前面から上下に延出した部分が前記被包装体の上面側及び下面側に折り畳まれ、前記被包装体が前記幅ガイドで案内されるときに、前記シート体のうち、被包装体の前面から左右に延出した部分が前記被包装体の左右の側面側に折り畳まれ、前記被包装体が、前記折畳ガイドのうち、前記シート体を押し上げる傾斜面を通過するときに、前記シート体のうち、被包装体の下面から左右に延出した部分が前記被包装体の側面側に折り畳まれ、前記被包装体が、前記折畳ガイドのうち、前記シート体を押し下げる傾斜面を通過するときに、前記シート体のうち、前記被包装体の上面から左右に延出した部分が前記被包装体の側面側に折り畳まれることを特徴とする。
【0009】
本発明の包装装置によれば、被包装体を下面ガイドと上面ガイドとの間の空間内を移送させるだけで、シート体は、下面ガイド、上面ガイド、幅ガイド及び折畳ガイドで案内されて折り畳まれ、移送完了と同時に、被包装体の背面を除く5面がシート体で覆われることになる。すなわち、被包装体の5面をシート体で覆うために、被包装体を停止して行う折り畳み工程は不要であり、包装時間の短縮化を図ることができる。また、被包装体は、下面ガイド、上面ガイド、幅ガイド及び折畳ガイドで囲まれた空間内を移送されながら包装されるため、異物混入防止に有利になる。
【0010】
前記本発明の包装装置においては、前記被包装体が、前記下面ガイドと前記上面ガイドとの間の空間を通過し終えたときに、前記シート体のうち、前記被包体の側面から後方に延出した部分と、前記被包体の上面及び下面から後方に延出した部分とを前記被包体の背面側に折り畳む背面折畳手段をさらに備えたことが好ましい。この構成によれば、被包装体の5面をシート体で覆った直後に、連続的に被包装体の背面をシート体で覆うことができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は前記の通りであり、被包装体を下面ガイドと上面ガイドとの間の空間内を移送させるだけで、シート体は、下面ガイド、上面ガイド、幅ガイド及び折畳ガイドで案内されて折り畳まれ、移送完了と同時に、被包装体の背面を除く5面がシート体で覆われることになる。すなわち、被包装体の5面をシート体で覆うために、被包装体を停止して行う折り畳み工程は不要であり、包装時間の短縮化を図ることができる。また、被包装体は、下面ガイド、上面ガイド、幅ガイド及び折畳ガイドで囲まれた空間内を移送されながら包装されるため、異物混入防止に有利になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態に係る包装装置の要部を示す斜視図。
図2】本発明の一実施形態において、被包装体を搬送台に受け取る工程を示した斜視図。
図3】本発明の一実施形態に係る下面ガイド上の構造を示す斜視図。
図4】本発明の一実施形態において、包装開始時の状態を示した図。
図5】本発明の一実施形態において、包装開始時の被包装体近傍の要部を示す斜視図。
図6】本発明の一実施形態において、被包装体の移送直後の状態を示した図。
図7】本発明の一実施形態において、移送直後における被包装体近傍の要部を示す斜視図。
図8】本発明の一実施形態において、被包装体が幅ガイドの位置に進入した状態を示した図。
図9】本発明の一実施形態において、被包装体が幅ガイドの位置に進入したときにおける被包装体近傍の要部を示す斜視図。
図10】本発明の一実施形態において、被包装体の前面が折畳ガイドを通過した状態を示した図。
図11】本発明の一実施形態において、被包装体の前面が上側折畳ガイドの位置に到達したときの被包装体近傍の要部を示す斜視図。
図12】本発明の一実施形態において、被包装体の前面が折畳ガイドを通過したときの被包装体近傍の要部を示す斜視図。
図13】本発明の一実施形態において、被包装体が載置台上に載置されたときの包装装置の斜視図。
図14】本発明の一実施形態において、背面側部折畳ブレードのスライド後における状態を示した図。
図15】本発明の一実施形態において、包装完了時の状態を示した図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係る包装装置1の要部を示す斜視図である。本図は包装装置1の要部を概略的に図示したものである。搬送台2に、包装前の被包装体10が載置されている。被包装体10は6面体であり、内部の収納物は、例えば生活用品(食品、雑貨、家電等)、産業資材である。詳細は後述するが、被包装体10は包装装置1によりシート体20で包装される。シート体20は、例えばクラフト紙、フィルム、布帛、不織布である。
【0014】
図2は、被包装体10を搬送台2に受け取る工程を示した斜視図である。図2では、搬送台2が下降しており、搬送路3上を搬送された(矢印a方向)被包装体10を搬送台2が受け取っている。この状態から搬送台2を下面ガイド7の高さまで上昇させることにより(矢印b方向)、被包装体10の位置が図1に示した位置になる。図2は一例を示しており、他の方法で被包装体を搬送台2上に載置させてもよい。
【0015】
最初に図1及び図3を参照しながら、包装装置1の概要を説明する。図1において、搬送台2上の被包装体10は、押え板6で位置決めされている。この状態で、プッシャー5が被包装体10の背面を押すことにより、被包装体10は、前方へ移送される。このことにより、被包装体10はシート体20とともに、下面ガイド7と上面ガイド8との間の空間内に運ばれていく。本実施形態においては、被包装体10の移送先を前、前方又は前側といい、被包装体10のうち移送時の先頭側の面を前面、その反対側を背面という。
【0016】
下面ガイド7は、移送される被包装体10の通路の床面を構成する。上面ガイド8は、下面ガイド7に対向して配置されており、被包装体10の通路の天面を構成する。上面ガイド8の幅は、被包装体10の上面を覆う大きさであり、被包装体10の上面と同じ幅又は少し広い幅である。本実施形態においては、被包装体10の移送方向と直交する方向が幅方向又は左右方向である。
【0017】
図3は、下面ガイド7上の構造を示す斜視図である。下面ガイド7上に幅ガイド11が配置されている。幅ガイド11は、下面ガイド7又は上面ガイド8(図1)に取付けられて固定されているが、取り付け構造の図示は省略している。下面ガイド7の幅方向において、一対の幅ガイド11のガイド面12同士が対向している。ガイド面12間の間隔は、被包装体10の移送を案内可能な間隔であり、被包装体10の幅と同じ間隔又は少し広い間隔である。
【0018】
詳細は後述するが、図4(b)に示したように、下面ガイド7と下側の幅ガイド11との間には隙間18が形成され、上面ガイド8と上側の幅ガイド11との間には隙間19が形成されている。被包装体10の下面から左右にはみ出たシート体20は隙間18を通過し、被包装体10の上面から左右にはみ出たシート体20は隙間19を通過する。
【0019】
下面ガイド7上において、幅ガイド11の前方には、折畳ガイド13が配置されている。折畳ガイド13は、下側折畳ガイド14と上側折畳ガイド15とで構成されている。折畳ガイド13は、下面ガイド7又は上面ガイド8(図1)に取付けられ固定されているが、取り付け構造の図示は省略している。下面ガイド7の幅方向において、一対の下側折畳ガイド14のガイド面16同士が対向している。同様に、一対の上側折畳ガイド15のガイド面17同士が対向している。
【0020】
下側折畳ガイド14のガイド面16は、傾斜面16aと垂直面16bとを有しており、上側折畳ガイド17のガイド面17は、傾斜面17aと垂直面17bとを有している。詳細は後述するが、傾斜面16aはシート体20を押し上げる傾斜面であり、傾斜面16a及び垂直面16bにより、シート体20が上側に折り畳まれる。また、傾斜面17aはシート体20を押し下げる傾斜面であり、傾斜面17a及び垂直面17bにより、シート体20が下側に折り畳まれる。傾斜面16a及び傾斜面17aはいずれも、後方から前方に向かうにつれて、一対の傾斜面16a(傾斜面17a)同士の間隔が狭くなるように傾斜した傾斜面である。傾斜面16aと傾斜面17aは、いずれかが前方(後方)になるように配置することが好ましく、シート体20を上側に折り畳んだ後、シート体20を下側に折り畳む方が、包装状態を整えやすいことから、傾斜面16aの前方に傾斜面17aが配置されている。
【0021】
図1において、下面ガイド7と上面ガイド8との間の間隔は、被包装体10の高さに応じて調節可能である。本実施形態では、図3に示したように、幅ガイド11は上下方向において分離しており、折畳ガイド13は下側折畳ガイド14と上側折畳ガイド15とに分離している。このことにより、下面ガイド7と上面ガイド8との間の間隔を調節することにより、あわせて幅ガイド11及び折畳ガイド13の位置調整も可能になる。
【0022】
以下、被包装体10がシート体20で包装される様子を工程順に説明する。図4は、包装開始時の状態を示した図である。図4(a)は包装開始時の被包装体10及びシート体20の斜視図であり、図4(b)は包装開始時の包装装置1の側面図を示している。図5は、包装開始時の被包装体10近傍の要部を示す斜視図である。図4(a)、図4(b)及び図5に示したように、包装開始時には、シート体20と被包装体10の前面とが対向している。
【0023】
図4(b)の状態から、プッシャー5が被包装体10の背面を押すことにより、被包装体10は、前方へ移送される(矢印c)。このことにより、被包装体10は、シート体20とともに、下面ガイド7と上面ガイド8との間の空間内に運ばれていく。図5において、被包装体10の幅方向においては、被包装体10は一対の幅ガイド11のガイド面12間に運ばれていく。以後、被包装体10は、高さ方向において、下面ガイド7及び上面ガイド8で案内され、幅方向において、幅ガイド11のガイド面12で案内されながら移送される(矢印d)。
【0024】
図4(b)において、シート体20はシート体ロール(図示せず)からガイドローラ等(図示せず)を経て、繰り出されたものであり、上方から下方に垂下しており、下方でシート体20の末端が固定されている。シート体20がシート体ロールから順次繰り出されることにより、新たな被包装体10に、新たなシート体20が対向する。図4(a)において、シート体20は、被包装体10の上下に延出部20aが延出している。上側の延出部20aは、シート体20の幅方向に伸びる切断線21の位置でカッタ(図示せず)により切断され、シート体20が被包装体10の包装に必要なサイズに切り出される。この後は、シート体20の末端の固定は解除され、シート体20は、被包装体10と共に移送される。
【0025】
図6は、被包装体10の移送直後の状態を示した図である。図6(a)は移送直後における被包装体10及びシート体20の斜視図であり、図6(b)は移送直後における包装装置1の側面図を示している。図7は、移送直後における被包装体10近傍の要部を示す斜視図である。図6(b)に示したように、被包装体10が下面ガイド7と上面ガイド8との間の空間内に進入している。このことにより、図6(a)及び図7に示したように、図4(a)では上下に延出していたシート体20の上下延出部20aは、被包装体10の上下面側に折り畳まれている。
【0026】
図8は、被包装体10が幅ガイド11の位置に進入した状態を示した図である。図8(a)は、被包装体10の幅ガイド11の位置への進入時における被包装体10及びシート体20の斜視図であり、図8(b)は、同進入時における包装装置1の側面図を示している。図9は、同進入時における被包装体10近傍の要部を示す斜視図である。図6(a)において、シート体20は、被包装体10の前面から左右に延出した前面左右延出部20bがある。図8(a)においては、前面左右延出部20bは、被包装体10の側面側に折り畳まれている。これは、図8(b)に示したように、被包装体10が幅ガイド11の位置への進入したことによるものである。
【0027】
より具体的には、図7の状態から被包装体10が幅ガイド11側に移送されると(矢印e方向)、これと共にシート体20も幅ガイド11側に移送される。被包装体10が幅ガイド11の位置に進入するときに、包装体10は、幅ガイド11のガイド面12によって、進入可能な幅が規制される。このため、包装体10の前面左右延出部20bは、被包装体10の側面側に折り畳まれる。図9のように包装体10が左右の幅ガイド11間に進入した状態では、図8(a)に示したように、左右延出部20bは、被包装体10の側面側に折り畳まれている。
【0028】
図10は、被包装体10の前面が折畳ガイド13を通過した状態を示した図である。図10(a)は、被包装体10の前面の折畳ガイド13の通過時における被包装体10及びシート体20の斜視図である。図10(b)は、同通過時における包装装置1の側面図を示している。図11は、被包装体10の前面が上側折畳ガイド15の位置に到達したときの被包装体10近傍の要部を示す斜視図である。図12は、被包装体10の前面が折畳ガイド13を通過したときの被包装体10近傍の要部を示す斜視図である。
【0029】
図8(a)の状態では、シート体20は、被包装体10の左右の側面から延出した上側側面延出部20c及び下側側面延出部20dがある。図10(a)においては、上側側面延出部20c及び下側側面延出部20dはいずれも、被包装体10の側面側に折り畳まれている。
【0030】
具体的には、図11に示したように、被包装体10の前面が上側折畳ガイド15の位置に到達したときは、下側側面延出部20dは下側折畳ガイド14の傾斜面16aで押し上げられる。続いて、下側側面延出部20dは垂直面16bで垂直に折り畳まれる。
【0031】
図11の状態から被包装体10が前進すると、上側側面延出部20cが上側折畳ガイド15の傾斜面17aで押し下げられ、続いて垂直面17bで垂直に折り畳まれる。この状態が図12の状態であり、図12の状態では、図10(a)に示したように、上側側面延出部20cは、下側側面延出部20dに重なり合うように折り畳まれている。
【0032】
図12の状態から被包装体10はさらに移送されて、載置台24上に載置される。図13は、被包装体10が載置台24上に載置されたときの包装装置1の斜視図を示している。図13において、被包装体10は、載置台24上で固定板25により位置決めされている。この状態では、シート体20による被包装体10の包装状態は、図10(a)の図示のとおりである。図10(a)において、シート体20は、被包装体10の両側面から後方に延出する後方側面延出部20e、被包装体10の上面から後方に延出する後方上面延出部20f、被包装体10の下面から後方に延出する後方下面延出部20gがある。
【0033】
図13の状態から、一対の背面側部折畳ブレード22を互いに接近させるようにスライドさせることにより、後方側面延出部20eが被包装体10の背面側に折り畳まれる。図14は、背面側部折畳ブレード22のスライド後における状態を示した図である。図14(a)は、背面側部折畳ブレード22のスライド後における被包装体10及びシート体20の斜視図である。図14(b)は、同スライド後における包装装置1の側面図を示している。図14(a)に示したように、後方側面延出部20eが被包装体10の背面側に折り畳まれている。この状態では、シート体20は、被包装体10の上面から後方に延出する後方上面延出部20f、被包装体10の下面から後方に延出する後方下面延出部20gがある。
【0034】
図14(b)において、一対の背面折畳ブレード23が互いに接近するように上下方向にスライドすることにより、シート体20の後方上面延出部20f及び後方下面延出部20gが被包装体10の背面側に折り畳まられる。図14(b)の状態では、プッシャー5は搬送台2の後方に退避している。この状態から、搬送台2を下降せさることにより、図2に示したように、搬送台2上に新たな被包装体10を受け取ることができる。すなわち、載置台24上で被包装体10の包装を行っている間に、新たな被包装体10の包装の準備でき、効率的な連続包装が可能になる。
【0035】
図15は、包装完了時の状態を示した図である。図15(a)は、包装完了時の被包装体10の外観斜視図であり、図15(b)は、包装完了時における包装装置1の側面図を示している。図15(a)に示したように、シート体20の後方上面延出部20f及び後方下面延出部20gが被包装体10の背面側に折り畳まられている。図15(b)においては、包装完了後の被包装体10が載置台24上に載置されており、この時点で、搬送台2上には新たな被包装体10が載置され、新たなシート体20が繰り出されている。
【0036】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明によれば、被包装体10を下面ガイド7と上面ガイド8との間の空間内を移送させるだけで、シート体20は、下面ガイド7、上面ガイド8、幅ガイド11及び折畳ガイド13で案内されて折り畳まれ、移送完了と同時に、被包装体10の背面を除く5面がシート体20で覆われることになる。すなわち、被包装体10の5面をシート体20で覆うために、被包装体10を停止して行う折り畳み工程は不要であり、包装時間の短縮化を図ることができる。また、被包装体10は、下面ガイド7、上面ガイド8、幅ガイド11及び折畳ガイド13で囲まれた空間内を移送されながら包装されるため、異物混入防止に有利になる。
【0037】
前記実施形態は一例であり、本発明は前記実施形態に限られるものではなく、適宜変更したものであってもよい。また、包装後の包装体の側面及び背面に関しては、接着剤等で固定されていることが好ましい。接着剤等としては、例えば、液状接着剤、ホットメルト、粘着テープ、両面テープが挙げられる。例えば、ホットメルトで固定する場合、包装を開始する前にシート体20にホットメルトを付着させていることが好ましく、シート体20の供給装置上で予め付着させておけばよい。
【符号の説明】
【0038】
1 包装装置
2 搬送台
7 下面ガイド
8 上面ガイド
10 被包装体
11 幅ガイド
12 幅ガイドのガイド面
13 折畳ガイド
14 下側折畳ガイド
15 上側折畳ガイド
16 下側折畳ガイドのガイド面
16a 下側折畳ガイドの傾斜面
17 上側折畳ガイドのガイド面
17a 上側折畳ガイドの傾斜面
20 シート体
20a シート体の上下延出部
20b シート体の前面左右延出部
20c シート体の上側側面延出部
20d シート体の下側側面延出部
20e シート体の後方側面延出部
20f シート体の後方上面延出部
20g シート体の後方下面延出部
22 背面側部折畳ブレード(背面折畳手段)
23 背面上下折畳ブレード(背面折畳手段)

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15