(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158561
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】建物構造
(51)【国際特許分類】
E04H 9/02 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
E04H9/02 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063550
(22)【出願日】2021-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】000003621
【氏名又は名称】株式会社竹中工務店
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】特許業務法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】渡井 一樹
(72)【発明者】
【氏名】曽根 孝行
【テーマコード(参考)】
2E139
【Fターム(参考)】
2E139AA01
2E139AC19
2E139AC43
2E139AC72
2E139AC80
2E139BA12
2E139BD49
2E139BD50
2E139CA02
2E139CA21
2E139CC02
2E139CC07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】地震時における免震層の変形を抑制しつつ建物の応答加速度を低減する。
【解決手段】建物構造100は、免震層50に第一減衰装置152が設けられた免震構造の主架構部120と、主架構部120と間隔をあけて構築されると共に主架構部120の固有振動モードの高次モードの節部FAに接合され免震層50に第二減衰装置162が設けられた免震構造のコア部110と、を有し、コア部110は、高次モードにおけるコア部110の第二免震層54の変形が0又は略0になる剛性とされている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
免震層に第一減衰装置が設けられた免震構造の第一建物部と、
前記第一建物部と間隔をあけて構築されると共に前記第一建物部の固有振動モードの高次モードの節部に接合され、免震層に第二減衰装置が設けられた免震構造の第二建物部と、
を有し、
前記第二建物部は、前記高次モードにおける前記第二建物部の免震層の変形が0又は略0になる剛性とされている、
建物構造。
【請求項2】
前記第二減衰装置は、第一減衰装置よりも減衰性能が高い、
請求項1に記載の建物構造。
【請求項3】
免震層に第一減衰装置が設けられた免震構造の第一建物部と、
前記第一建物部と間隔をあけて構築されると共に前記第一建物部の固有振動モードの高次モードの節部に第二減衰装置を介して接合された第二建物部と、
を有し、
前記第二建物部は、前記第一建物部との接合部において、前記高次モードにおける前記第一建物部と前記第二建物部との相対変位が0又は略0になる剛性とされている、
建物構造。
【請求項4】
前記第二減衰装置は、第一減衰装置よりも減衰性能が高い、
請求項3に記載の建物構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物構造に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、地震等の外力による振動エネルギーを内部で吸収する機能を有する制振構造物、特に高層の構造物に用いられて好適な制振構造物に関する技術が開示されている。この先行技術では、構造物の複数次の固有振動モードの腹に相当する部分の壁体の少なくとも一部が水平方向に移動自在に構成されると共に、これら壁体自身の固有周期が構造部のそれぞれの振動モードの固有手記と略一致され、かつ、壁体には自身の水平方向の振動を減衰させる減衰機能が付設されている。
【0003】
特許文献2には、建物の耐震性能を向上させるための構造に関する技術が開示されている。この先行技術では、建物の任意の階層に積層ゴム等の免震装置を設置した免震層を設けて、その免震層よりも上層の階全体を免震装置により支持せしめ、かつ、免震装置により支持した上層の階の任意の位置にダンパー等の制震装置を組込んでいる。免震装置により支持した上層の階の全体を、免震装置により直接支持する低層部と、その上方に塔状に連なる高層部とに区分し、高層部にのみ制震装置を組込んでいる。
【0004】
特許文献3には、免震建物などの免震構造物に関する技術が開示されている。この先行技術では、それぞれ免震装置で支持され、自立して構築される一方の免震構造体と他方の免震構造体を備え、バネ要素と減衰要素を備えてなる制振装置で一方の免震構造体と他方の免震構造体を連結する。且つ、一方の免震構造体と他方の免震構造体のいずれかを支持する免震装置を滑り支承とする。
【0005】
特許文献4には、免震構造物に関する技術が開示されている。この先行技術では、コア部と、このコア部に隣接する建物主要部とを備えるとともに、コア部と建物主要部の少なくとも建物主要部の下部に設けられた基礎免震層と、建物主要部の中間部に設けられた中間免震層からなる複層免震構造、及びコア部と建物主要部を制振装置で連結してなる連結制振構造を備えて構成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平01-165885号公報
【特許文献2】特開平11-117568号公報
【特許文献3】特開2017-125324号公報
【特許文献4】特開2018-009442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
免震構造の建物においては、巨大地震等で地震動の入力レベルが想定を超えると免震層の変形が大きくなり、すなわち建物の水平方向の相対変位が大きくなり、水平クリアランスを超えて建物が擁壁に衝突する虞がある。このような衝突に対しては、免震層に設けるオイルダンパー等の減衰装置の減衰力を高減衰化し、免震層の変形を抑制することで防止できる。しかし、免震層の変形を抑制すると、建物の加速度応答が増大し、免震効果が低下する。
【0008】
このように、地震時における免震層の変形の抑制と建物の応答加速度の低減とは、トレードオフの関係にあると言える。
【0009】
本発明は、上記事実を鑑み、地震時における免震層の変形を抑制しつつ建物の応答加速度を低減することが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第一態様は、 免震層に第一減衰装置が設けられた免震構造の第一建物部と、前記第一建物部と間隔をあけて構築されると共に前記第一建物部の固有振動モードの高次モードの節部に接合され、免震層に第二減衰装置が設けられた免震構造の第二建物部と、を有し、前記第二建物部は、前記高次モードにおける前記第二建物部の免震層の変形が0又は略0になる剛性とされている、建物構造である。
【0011】
第一態様の建物構造では、免震構造の第二建物部は、免震構造の第一建物の高次モードの節部に接合されている。また、第二建物部は、高次モードにおける第二建物部の免震層の変形が0又は略0になる剛性とされている。よって、高次モードによる動きにおいては、第二建物部は変形が殆ど生じないので、第二減衰装置に入力される変形又は速度が0又は略0になり、減衰力も0又は略0になる。これにより、第二減衰装置は、第一建物部の一次モードに対しては高減衰化して免震層の変形を抑制し、高次モードに対しては過減衰を防止して応答加速度を低減する。したがって、地震時における第一建物部の免震層の変形を抑制しつつ第一建物部の加速度応答を低減することができる。
【0012】
第二態様は、前記第二減衰装置は、第一減衰装置よりも減衰性能が高い、第一態様に記載の建物構造である。
【0013】
第二態様の建物構造では、第二減衰装置は第一減衰装置よりも減衰性能が高いので、第二減衰装置は第一建物部の一次モードに対しては、第二減衰装置が第一減衰装置よりも減衰性能が低い場合と比較し、より高減衰化して免震層の変形を抑制する。また、免震層の変形を抑制し、高次モードに対しては過減衰を防止して第一建物の応答加速度を抑制する。
【0014】
第三態様は、免震層に第一減衰装置が設けられた免震構造の第一建物部と、前記第一建物部と間隔をあけて構築されると共に前記第一建物部の固有振動モードの高次モードの節部に第二減衰装置を介して接合された第二建物部と、を有し、前記第二建物部は、前記第一建物部との接合部において、前記高次モードにおける前記第一建物部と前記第二建物部との相対変位が0又は略0になる剛性とされている、建物構造である。
【0015】
第三態様の建物構造では、第二建物部は、免震構造の第一建物部の高次モードの節部に第二減衰装置を介して接合されている。また、第二建物部は、第一建物部との接合部において、高次モードにおける第一建物と記第二建物部との相対変位が0又は略0になる剛性とされている。よって、高次モードによる動きにおいては、第二建物部は変形が殆ど生じないので、第二減衰装置に入力される変形又は速度が0又は略0になり、減衰力も0又は略0になる。これにより、第二減衰装置は、第一建物部の一次モードに対しては高減衰化して免震層の変形を抑制し、高次モードに対しては過減衰を防止して応答加速度を低減する。したがって、地震時における第一建物部の免震層の変形を抑制しつつ第一建物部の加速度応答を低減することができる。
【0016】
第四態様は、第二減衰装置は第一減衰装置よりも減衰性能が高い、第三態様に記載の建物構造である。
【0017】
第四態様の建物構造では、第二減衰装置は第一減衰装置よりも減衰性能が高いので、第二減衰装置は第一建物部の一次モードに対しては、より高減衰化して免震層の変形を抑制する。また、免震層の変形を抑制し、高次モードに対しては過減衰を防止して第一建物の応答加速度を抑制する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、地震時における免震層の変形を抑制しつつ建物の応答加速度を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】(A)は第一実施形態の建物構造が適用された免震構造物を模式的に示す(B)の1A-1A線に沿った断面図であり、(B)は(A)の1B-1B線に沿った断面図である。
【
図2】
図1の免震構造物における主架構部の固有振動モードの一次モード変位を示すグラフである。
【
図3】
図1の免震構造物における主架構部の固有振動モードの二次モード変位を示すグラフである。
【
図4】(A)は比較例の解析モデルの図であり、(B)は
図1の免震構造物の解析モデルの図である。
【
図5】
図4の(A)の解析モデル及び
図4(B)の解析モデルを用いて解析した加速度伝達関数のグラフと変位伝達関数のグラフである。
【
図6】第一実施形態の第一変形例の建物構造が適用された免震構造物を模式的に示す
図1に対応する断面図である。
【
図7】第一実施形態の第二変形例の建物構造が適用された免震構造物を模式的に示す
図1に対応する断面図である。
【
図8】(A)は(B)の第一実施形態の第三変形例の建物構造が適用された免震構造物における
図3に対応する三次モード変位を示すグラフであり、(B)は第三変形例の免震構造物を模式的に示す
図1に対応する断面図である。
【
図9】(A)は(B)の第二実施形態の建物構造が適用された構造物における
図3に対応する二次モード変位を示すグラフであり、(B)は第二実施形態の構造物を模式的に示す
図1に対応する断面図である。
【
図10】(A)は(B)の第二実施形態の変形例の建物構造が適用された構造物における
図3に対応する二次モード変位を示すグラフであり、(B)は変形例の構造物を模式的に示す
図1に対応する断面図である。
【
図11】(A)は第一実施形態の第四変形例が適用された免震構造物を模式的に示す(B)の11A-11A線に沿った
図1(A)に対応する断面図であり、(B)は(A)の11B-11B線に沿った
図1(B)に対応する断面図である。
【
図12】(A)は第一実施形態の第五変形例が適用された免震構造物を模式的に示す(B)の12A-12A線に沿った
図1(A)に対応する断面図であり、(B)は(A)の12B-12B線に沿った
図1(B)に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
<第一実施形態>
第一実施形態の建物構造が適用された免震構造物について説明する。なお、各図において、図が煩雑になるのを避けるため断面を示すハッチングの図示は省略している。
【0021】
[構造]
まず、免震構造物の構造について説明する。
【0022】
図1(B)に示す本実施形態の建物構造100が適用された免震構造物10は、上部構造体の一例としての建物本体30と、下部構造体の一例としての免震ピット部20と、を有して構成され、建物本体30と免震ピット部20の底盤22との間に免震層50を備えた基礎免震構造の構造物である。免震ピット部20は、底盤22と、底盤22の外周部に設けられた擁壁24と、で構成されている。
【0023】
建物構造100は、免震層50、第一免震支承150、第一減衰装置152、第二免震支承160、第二減衰装置162、第一建物部の一例としての主架構部120及びコア部110を含んで構成されている。
【0024】
建物本体30は、第一建物部の一例としての主架構部120と、第二建物部の一例としてのコア部110と、を有して構成されている。主架構部120よりも水平剛性が大きいが、これに限定されるものではない。なお、本実施形態のコア部110の内部には、階段、エレベーターシャフト及びパイプスペース等などの共用設備が設けられているが、これに限定されるものではない。
【0025】
主架構部120は、建物下部の中央部に吹抜部122が設けられている(
図1(A)も参照)。コア部110は、吹抜部122内に主架構部120と間隔Lをあけて構築され、上端部112が吹抜部122の上端124で剛接合されている。
【0026】
なお、「コア部110は吹抜部122内において主架構部120と間隔をあけて構築されている」とは、「コア部110と主架構部120とは吹抜部122の上端124以外においては構造計算上、絶縁されている」ということであり、両者は上端124以外において、エキスパンションジョイント等で接続されていてもよい。
【0027】
吹抜部122の上端124は、主架構部120における固有振動モードの二次モードの節F2(
図2及び
図3参照)の位置に一致又は略一致している節部FAである。よって、コア部110は、主架構部120における二次モードの節F2の位置に一致又は略一致している節部FAに剛接合されている。
【0028】
免震層50には、第一免震支承150及び第二免震支承160と、第一減衰装置152及び第二減衰装置162と、が設置されている。第一免震支承150及び第一減衰装置152は主架構部120の直下に設置され、第二免震支承160及び第二減衰装置162はコア部110の直下に設置されている。
【0029】
なお、免震層50における主架構部120の直下の第一免震支承150及び第一減衰装置152が設置されている部分を第一免震層52とし、コア部110の直下の第二免震支承160及び第二減衰装置162が設置されている部分を第二免震層54とする。
【0030】
コア部110は、二次モードにおけるコア部110の第二免震層54の変形が0又は略0になる剛性とされている。また、第二減衰装置162は、第一減衰装置152よりも減衰性能が高い。
【0031】
なお、「減衰性能」とは、オイルダンパーや粘性ダンパー等の速度依存型の減衰装置の場合は減衰係数を指し、履歴ダンパー等の変位依存型の減衰装置の場合は所定の変形までに履歴が描く面積のことを指す。これは、以降の記載においても同様である。
【0032】
主架構部120は第一免震支承150に支持され、コア部110は第二免震支承160に支持されている。第二免震支承160の剛性は、第一免震支承150の剛性よりも小さくなるように設定されているが、これに限定されるものではない。
【0033】
なお、第一免震支承150及び第二免震支承160は、それぞれ複数の免震支承で構成されている場合、第二免震支承160を構成する複数の免震支承の合計の剛性が、第二免震支承160を構成する複数の免震支承の合計の剛性よりも小さくなるように設定されている。別の観点から説明すると、第二免震層54の剛性が第一免震層52の剛性よりも小さくなるように設定されている。
【0034】
本実施形態では、第一免震支承150は複数の積層ゴム支承で構成され、第二免震支承160は複数の滑り支承で構成されているが、これに限定されるものではない。
【0035】
第一減衰装置152は底盤22と主架構部120の底部128とに接続され、第二減衰装置162は底盤22とコア部110の底部118とに接続されている。第二減衰装置162は、第一減衰装置152よりも減衰性能が高いが、これに限定されるものではない。
【0036】
なお、第一減衰装置152及び第二減衰装置162が、例えば複数のダンパー等の減衰装置で構成されている場合、第二減衰装置162を構成する複数の減衰装置の合計の減衰性能が、第二減衰装置162の合計の減衰性能よりも高くなるように設定されている。
【0037】
本実施形態では、第一減衰装置152及び第二減衰装置162を構成するオイルダンパー等の減衰装置の設置数を調整することで、第二減衰装置162の減衰性能が、第一減衰装置152の減衰性能よりも高くなるように設定しているが、これに限定されるものではない。
【0038】
ここで、
図2のグラフ及び
図3のグラフについて説明する。
【0039】
図2は主架構部120の固有振動モードの一次モードにおける主架構部120及びコア部110の水平変位を示している。
図3は主架構部120の固有振動モードの二次モードにおける主架構部120及びコア部110の水平変位を示している。
【0040】
図2では、主架構部120における固有振動モードの二次モードの節F2に一致又は略一致している節部FA(
図1の上端124参照)にコア部110が剛接合されていることが示されている。
【0041】
図3では、主架構部120の固有振動モードの二次モードにおけるコア部110の水平変位が0であることが示されている。
【0042】
なお、
図2のグラフ及び
図3のグラフを算出した
図4(B)の解析モデルの諸元は次の通りである。
【0043】
図4(B)に示す解析モデルでは、主架構部120は30質点モデルとし、各層の質量を2000t、各層の階高を4m、基礎固定時の固有周期を2.4s、剛性分布を1層に対して最上層の剛性が0.3倍となる台形分布とした。また、コア部110は、主架構部120に対して0.5倍の質量及び5.0倍の剛性を持つとし、主架構部120の18層で接続した。
【0044】
主架構部120及びコア部110を1質点と仮定したときの固有周期が6.0sとなるような剛性を第一免震支承150(第一免震層52)に付加し、第二免震支承160(第二免震層54)には極めて小さな剛性を付加した。
【0045】
なお、解析モデルによる解析結果は、後述する。
【0046】
[作用及び効果]
次に本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0047】
本実施形態の建物構造100が適用された免震構造物10のコア部110は、主架構部120における固有振動モードの二次モードの節F2に一致又は略一致している節部FAに接合している。また、コア部110は、二次モードにおけるコア部110の第二免震層54の変形が0又は略0になる剛性とされている。よって、地震時の二次モードによる動きにおいては、コア部110は変形が殆ど生じないので、第二減衰装置162に入力される変形又は速度が0又は略0になり、減衰力も0又は略0になる。
【0048】
これにより、
図2に示すように、第二減衰装置162は、一次モードに対しては高減衰化して免震層50の変形を抑制、すなわち主架構部120の水平方向の相対変位を抑制し、擁壁24への衝突を防止する。一方、
図3に示すように、第二減衰装置162は、二次モードに対しては過減衰を防止し、主架構部120の変位を大きくし、応答加速度を低減する。よって、地震時、特に巨大地震時における免震層50の過大な変形を抑制しつつ、主架構部120の加速度応答を低減することができる。
【0049】
また、第二減衰装置162は第一減衰装置152よりも減衰性能が高いので、第二減衰装置162は主架構部120の一次モードに対しては、より高減衰化して免震層50の変形を抑制する。
【0050】
(解析モデルの解析結果)
次に、解析モデルの解析結果について説明する。
【0051】
図4(A)は、比較例の基礎免震構造の解析モデルである。比較例の解析モデルの上部構造体は、建物構造100が適用された本実施形態の免震構造物10の解析モデル(
図4(B)参照)と同様に、30質点モデルとし、各層の質量を2000t、階高を4m、基礎固定時の固有周期を2.4sとした。また、上部構造体の剛性分布を最下層に対して最上層の剛性が0.3倍となる台形分布とし、主架構部120の減衰定数を1.5%とした。免震層の固有周期は、上部構造体を1質点と仮定したときの固有周期を6.0sとし、この時の減衰定数hをパラメーターとした。
【0052】
図4(B)は、前述したように建物構造100が適用された本実施形態の免震構造物10の解析モデルである。
【0053】
減衰定数の10%分となる減衰定数hを主架構部120の第一免震支承150(第一免震層52)に付加し、残りの分をコア部110の第二免震支承160(第二免震層54)に付加した。なお、コア部110の第二免震支承160(第二免震層54)の剛性は極めて小さな値とした。
【0054】
図5は、比較例の解析モデルと建物構造100が適用された解析モデルにおける加速度伝達関数(頂部絶対加速度/地動加速度)と変位伝達関数(免震層の変形/地動変位)を示している。また、減衰定数を20%(h=20%)、40%(h=40%)及び60%(h=60%)の場合で解析した結果を示している。
【0055】
主架構部120の減衰係数は、第一減衰装置152を除いた主架構部120自体の減衰定数hを用いて各層ごとに下記式で計算することができる。
【0056】
ci=2hki/ω
ci:i層の減衰係数
h:主架構部の減衰定数(本例ではh=1.5%)
ki:主架構部のi層の剛性
ω:主架構部の一次円振動数(2π/T(Tは基礎固定時の固有周期))
i:主架構部の層
【0057】
また、第一免震層52に設置する第一減衰装置152の減衰係数の算出は、下記式で計算することができる。なお、今回の検討例では、比較例に対して計算した減衰係数と同じ値を、免震構造10の解析モデルにも与える。
【0058】
c=2hk/ω
k:免震層の剛性
ω:免震構造の一次円振動数(上部構造を1質点と仮定したときの周期)
【0059】
そして、前述の「減衰定数10%分となる減衰係数」は上記式でh=0.1として計算した値であり、これを主架構部120の第一免震層52の第一減衰装置152に付加する。また、全体の減衰定数hが60%の場合、
【0060】
h=0.6-0.1
=0.5
【0061】
となり、この減衰定数hが50%分の減衰係数をコア部110の第二免震層54の第二減衰装置162に付加する。
【0062】
図5から比較例の解析モデルと建物構造100が適用された免震構造物10の解析モデルとでは、同じ減衰係数を与えているため、比較例の解析モデルよりも免震構造物10の解析モデルの方が減衰定数は小さくなる。
【0063】
よって、h=20%では、免震構造物10の解析モデルの方が加速度伝達関数及び変位伝達関数の両方共に一次モードのピークが若干大きくなっている。
【0064】
しかし、第二減衰装置162に入力される変形量は、免震構造物10の解析モデルの方が、比較例の解析モデルよりも大きくなるので、その効果は増大され、h=40%及びh=60%では、加速度伝達関数及び変位伝達関数の両方共に一次ピークが解析モデルよりも小さくなっている。
【0065】
また、比較例の解析モデルでは、減衰定数hの増加により加速度伝達関数の二次ピークが増大する傾向が見られる。これに対して、免震構造物10の解析モデルでは、加速度伝達関数の二次ピークは、減衰定数hの増加による二次ピークの増大の程度が抑えられ、且つ二次ピーク前後の振動数帯で振幅が比較例よりも小さい。
【0066】
また、本実施形態の免震構造物10が適用された解析モデルの変位伝達関数は、高振動数帯で増大しているが、別途行った地震応答解析によって主架構部120の第一免震層52の変形が増大することはなく、また、比較例の解析モデルと比較しても変位の応答低減効果が高くなることが確認されている。
【0067】
[変形例]
次に、本実施形態の変形例について説明する。なお、各変形例の図においても、図が煩雑になるのを避けるため断面を示すハッチングの図示は省略している。
【0068】
(第一変形例)
図6に示す第一変形例の建物構造101が適用された免震構造物11は、上部構造体の一例としての建物本体31と、下部構造体の一例としての免震ピット部20と、を有して構成され、建物本体31と免震ピット部20の底盤22との間に第一免震層52及び第二免震層54で構成された免震層50を備えた基礎免震構造の構造物である。
【0069】
建物本体31は、第一建物部の一例としての主架構部121と、第二建物部の一例としてのコア部111と、を有して構成されている。コア部111は、主架構部121よりも水平剛性が大きいが、これに限定されるものではない。主架構部121は、建物下部の中央部に吹抜部122が設けられている。コア部111は、吹抜部122内に主架構部121と間隔Lをあけて構築され、中間部113が吹抜部122の上端124で剛接合されている。
【0070】
更にコア部111は、主架構部121の最上層まで構築され、上端124から最上層の間においても主架構部121に剛接合されている。つまり、コア部111は、中間部113から上端部114までが主架構部121に剛接合されている。
【0071】
なお、コア部111は、中間部113と上端部114との間以外において、主架構部121とエキスパンションジョイント等で接続されていてもよい。
【0072】
本変形例においても免震構造物11は、主架構部121における固有振動モードの二次モードの節F2に一致又は略一致した節部FAにコア部111が接合している。また、コア部111は、二次モードにおけるコア部111の第二免震層54の変形が0又は略0になる剛性とされている。
【0073】
よって、地震時、特に巨大地震時における免震層50の過大な変形を抑制しつつ、主架構部121の加速度応答を低減することができる。
【0074】
また、コア部111は、中間部113から上端部114までが主架構部121に剛接合されている。よって、コア部111の変位が抑制され、吹抜部122内における主架構部121とコア部111との間隔Lを狭くすることができる。
【0075】
(第二変形例)
図7に示す第二変形例の建物構造102が適用された免震構造物12は、上部構造体の一例としての建物本体32と、下部構造体の一例としての免震ピット部20と、を有して構成され、建物本体32と免震ピット部20の底盤22との間に第一免震層52及び第二免震層54で構成された免震層50を備えた基礎免震構造の構造物である。
【0076】
建物本体32は、主架構部123における吹抜部122の上端124の上にトラス架構190が設けられている。コア部110の上端部112は、トラス架構190に剛接合されている。
【0077】
本変形例においても免震構造物12は、主架構部123における固有振動モードの二次モードの節F2に一致又は略一致した節部FAにコア部110が接合している。また、コア部110は、二次モードにおけるコア部110の第二免震層54の変形が0又は略0になる剛性とされている。
【0078】
よって、地震時、特に巨大地震時における免震層50の過大な変形を抑制しつつ、主架構部123の加速度応答を低減することができる。
【0079】
また、コア部110は、上端部が主架構部123に設けられたトラス架構190に剛接合されている。よって、コア部110の変位が抑制され、吹抜部122内における主架構部123とコア部110との間隔Lを狭くすることができる。
【0080】
(第三変形例)
図8(B)に示す第三変形例の建物構造103が適用された免震構造物13は、上部構造体の一例としての建物本体33と、下部構造体の一例としての免震ピット部20と、を有して構成され、建物本体33と免震ピット部20の底盤22との間に第一免震層52及び第二免震層54で構成された免震層50を備えた基礎免震構造の構造物である。
【0081】
建物本体33は、第一建物部の一例としての主架構部220と、第二建物部の一例としてのコア部210と、を有して構成されている。コア部210は、主架構部220よりも水平剛性が大きいが、これに限定されるものではない。主架構部220は、建物下部の中央部に吹抜部222が設けられている。コア部210は、吹抜部222内において主架構部220と間隔Lをあけて構築され、上端部212が吹抜部222の上端224で剛接合されている。
【0082】
なお、コア部210は、上端部212以外において、主架構部220とエキスパンションジョイント等で接続されていてもよい。
【0083】
吹抜部222の上端224は、主架構部220の固有振動モードの三次モードにおける節F3(
図8(A)参照)の位置と一致又は略一致している節部FBである。よって、コア部210は、主架構部220と三次モードの節F3に一致又は略一致する節部FBで剛接合された構造となっている。
【0084】
本変形例では、免震構造物13は、主架構部220における固有振動モードの三次モードの節のF3に一致又は略一致する節部FBにコア部210が接合している。また、コア部210は、三次モードにおけるコア部210の第二免震層54の変形が0又は略0になる剛性とされている。
【0085】
よって、地震時、特に巨大地震時における免震層50の過大な変形を抑制しつつ、主架構部220の加速度応答を低減することができる。
【0086】
また、コア部210は、主架構部220の三次モードの節F3に一致又は略一致する節部FBに剛接合されるので、コア部210のせいが低くなる。よって、コア部210の水平剛性を大きくすることが容易である。
【0087】
(第四変形例)
図11(B)に示す第四変形例の建物構造104が適用された免震構造物14は、上部構造体の一例としての建物本体34と、下部構造体の一例としての免震ピット部20と、を有して構成され、建物本体34と免震ピット部20の底盤22との間に第一免震層52及び第二免震層54で構成された免震層50を備えた基礎免震構造の構造物である。
【0088】
建物本体34は、第一建物部の一例としての主架構部240と、第二建物部の一例としてのコア部230と、を有して構成されている。コア部230は、主架構部220よりも水平剛性が大きいが、これに限定されるものではない。主架構部240は、建物下部に凹部242が設けられている(
図11(A)も参照)。コア部230は、凹部242内において主架構部220と間隔Lをあけて構築され、上端部232が凹部242の上端244で剛接合されている。
【0089】
なお、コア部230は、上端部232以外において、主架構部240とエキスパンションジョイント等で接続されていてもよい。
【0090】
凹部242の上端244は、主架構部240の固有振動モードの二次モードにおける節F2の位置と一致又は略一致している節部FAである。よって、コア部230は、主架構部240と二次モードの節F2に一致又は略一致する節部FAで剛接合された構造となっている。
【0091】
本変形例では、免震構造物14は、主架構部240における固有振動モードの二次モードの節F2に一致又は略一致する節部FAにコア部230が接合している。また、コア部230は、二次モードにおけるコア部230の第二免震層54の変形が0又は略0になる剛性とされている。
【0092】
よって、地震時、特に巨大地震時における免震層50の過大な変形を抑制しつつ、主架構部240の加速度応答を低減することができる。
【0093】
(第五変形例)
図12(B)に示す第五変形例の建物構造105が適用された免震構造物15は、上部構造体の一例としての建物本体35と、下部構造体の一例としての免震ピット部20と、を有して構成され、建物本体35と免震ピット部20の底盤22との間に第一免震層52及び第二免震層54で構成された免震層50を備えた基礎免震構造の構造物である。
【0094】
建物本体35は、第一建物部の一例としての高層部260と、第二建物部の一例としての低層部250と、を有して構成されている。低層部250は、高層部260よりも水平剛性が大きいが、これに限定されるものではない。低層部250は、高層部260に対してセットバックされ、高層部260と間隔Lをあけて構築されているが(
図12(A)も参照)、上端部252から突出する突出部254が高層部260の接合部262に剛接合されている。
【0095】
なお、低層部250は、突出部254以外において、高層部260とエキスパンションジョイント等で接続されていてもよい。
【0096】
高層部260の接合部262は、高層部260の固有振動モードの二次モードにおける節F2の位置と一致又は略一致している節部FAである。よって、低層部250は、高層部260と二次モードの節F2に一致又は略一致する節部FAで剛接合された構造となっている。
【0097】
本変形例では、免震構造物15は、高層部260における固有振動モードの二次モードの節F2に一致又は略一致する節部FAに低層部250が接合している。また、低層部250は、二次モードにおける低層部250の第二免震層54の変形が0又は略0になる剛性とされている。
【0098】
よって、地震時、特に巨大地震時における免震層50の過大な変形を抑制しつつ、高層部260の加速度応答を低減することができる。
【0099】
なお、本変形例における建物本体35は、主架構部と主架構部によりも水平剛性が大きいコア部とを有して構成され、コア部は主架構部に対してセットバックされて構築された構造であってもよい。
【0100】
<第二実施形態>
次に、第二実施形態の建物構造が適用された免震構造物について説明する。なお、第一実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複する説明は省略又は簡略化する。また、第二実施形態及びその変形例の各図において、図が煩雑になるのを避けるため断面を示すハッチングの図示は省略している。
【0101】
[構造]
まず、免震構造物の構造について説明する。
【0102】
図9(B)に示すように、本実施形態の建物構造300が適用された構造物16は、第一建物部320と第二建物部310と免震ピット部20とを有している。第一建物部320は、免震ピット部20の底盤22との間に免震層55を備えた基礎免震構造物である。また、第一建物部320は、建物下部の中央部に吹抜部322が設けられている。
【0103】
第二建物部310は、吹抜部322内に第一建物部320と間隔Lをあけて構築されている。第二建物部310は、底盤22上に構築された非免震構造の建物である。そして、第二建物部310の上端部312は、第二減衰装置162を介して吹抜部322の上端324で接続されている。
【0104】
吹抜部322の上端324は、第一建物部320の固有振動モードの二次モードにおける節F2(
図9(A)参照)の位置に一致又は略一致している節部FAである。よって、第一建物部320は、第二建物部310と二次モードの節F2に一致又は略一致する節部FAで第二減衰装置162を介して接続された構造となっている。
【0105】
なお、本実施形態では、第二建物部310の上端部312と吹抜部322の上端324との間には第二免震支承160が設けられている。しかし、第二免震支承160は設けられていなくてもよい。
【0106】
また、第二建物部310は、第一建物部320とエキスパンションジョイント等で接続されていてもよい。
【0107】
構造物16の第一建物部320の節部FAと第二建物部310との接続部位に設けられた第二減衰装置162は、第一減衰装置152よりも減衰性能が高いが、これに限定されるものではない。
【0108】
第二建物部310は、第一建物部320との接合部において、二次モードにおける第一建物部320と第二建物部310との相対変位が0又は略0になる剛性とされている。また、第二減衰装置162は、第一減衰装置152よりも減衰性能が高い。
【0109】
[作用及び効果]
次に、本実施形態の作用及び効果について説明する。
【0110】
建物構造300が適用された構造物16の第一建物部320における固有振動モードの二次モードの節F2と一致又は略一致する節部FAに第二減衰装置162を介して第二建物部310が接合されている。また、第二建物部310は、第一建物部320との接合部において、二次モードにおける第一建物部320と第二建物部310との相対変位が0又は略0になる剛性とされている。よって、地震時の二次モードによる動きにおいては、第一建物部320と第二建物部310の相対変位は殆ど生じないので、第二減衰装置162に入力される変形又は速度が0又は略0になり、減衰力も0又は略0になる。
【0111】
これにより、第二減衰装置162は、一次モードに対しては高減衰化して免震層55の変形を抑制し、二次モードに対しては過減衰を防止し、第一建物部320の変位を大きくし、応答加速度を低減する。よって、地震時、特に巨大地震時における免震層55の過大な変形を抑制しつつ、第一建物部320の加速度応答を低減することができる。
【0112】
また、第二減衰装置162は第一減衰装置152よりも減衰性能が高いので、第二減衰装置162は主架構部120の一次モードに対しては、より高減衰化して免震層55の変形を抑制する。
【0113】
[変形例]
次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0114】
図10(B)に示す変形例の建物構造302が適用された構造物17は、免震ピット部20、第一建物部321及び第二建物部311を備えている。第一建物部321は、免震ピット部20の底盤22との間に免震層56を備えた基礎免震構造の建物である。
【0115】
第二建物部311は、第一建物部321の隣に間隔Lをあけ構築されている。第二建物部311は、底盤22上に構築された非免震構造の建物である。第二建物部311の上端部313は、第二減衰装置162を介して第一建物部321に接続されている。
【0116】
第一建物部321における第二減衰装置162を介して第二建物部311と接続されている部位は、第一建物部321の固有振動モードの二次モードにおける節F2(
図10(A)参照)の位置と一致又は略一致している節部FAである。
【0117】
なお、第二建物部311は、第一建物部321とエキスパンションジョイント等で接続されていてもよい。
【0118】
第二建物部311は、第一建物部321との接合部において、二次モードにおける第一建物部321と第二建物部311との相対変位が0又は略0になる剛性とされている。
【0119】
したがって、第二減衰装置162は、一次モードに対しては高減衰化して免震層56の変形を抑制し、二次モードに対しては過減衰を防止し、第一建物部321の変位を大きくし、応答加速度を低減する。よって、地震時、特に巨大地震時における免震層56の過大な変形を抑制しつつ、第一建物部321の加速度応答を低減することができる。
【0120】
<その他>
尚、本発明は上記実施形態に限定されない。
【0121】
例えば、上記実施形態及び変形例では、第一建物部(主架構部120、121、123、220、240、高層部260、第一建物部320、321)の固有振動モードの二次モードの節F2又は三次モードの節F3の位置に一致又は略一致する節部FA、FBに第二建物部(コア部110、111、210、230、低層部250、第二建物部310、311)を剛接合又は第二減衰装置162を介して接続したが、これに限定されるものではない。第一建物部の固有振動モードの四次以上の高次モードに対して同様の構造としてもよい。
【0122】
また、例えば、上記第一実施形態及びその変形例では、第二建物部(コア部110、111、210、230、低層部250)は、第二免震支承160で支持されていたが、これに限定されるものではなく、第二免震支承160を有していない構成であってもよい。
【0123】
また、例えば、上記第一実施形態及びその変形例では、第一建物部(主架構部120、121、123、210、220)及び第二建物部(コア部110、111、210)は、いずれも基礎免震構造であったが、これに限定されるものではなく、第一建物部及び第二建物部は、中間免震構造であってもよいし、両者の一方が基礎免震構造で他方が中間免震構造であってもよい。
【0124】
また、例えば、上記第二実施形態及びその変形例では、第一建物部320、321は、基礎免震構造であったが、これに限定されるものではなく、中間免震構造であってもよい。
【0125】
更に、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得る。複数の実施形態及び変形例等は、適宜、組み合わされて実施可能である。
【符号の説明】
【0126】
50 免震層
55 免震層
56 免震層
100 建物構造
101 建物構造
102 建物構造
103 建物構造
104 建物構造
105 建物構造
110 コア部(第二建物部の一例)
111 コア部(第二建物部の一例)
120 主架構部(第一建物部の一例)
121 主架構部(第一建物部の一例)
123 主架構部(第一建物部の一例)
150 第一免震支承
152 第一減衰装置
160 第二免震支承
162 第二減衰装置
210 コア部(第二建物部の一例)
220 主架構部(第一建物部の一例)
230 コア部(第二建物部の一例)
240 主架構部(第一建物部の一例)
250 低層部(第二建物部の一例)
260 高層部(第一建物部の一例)
300 建物構造
302 建物構造
310 第二建物部
311 第二建物部
320 第一建物部
321 第一建物部