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  • 特開-マットレス用のシーツ 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158599
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】マットレス用のシーツ
(51)【国際特許分類】
   A47G 9/02 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A47G9/02 N
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063612
(22)【出願日】2021-04-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-01-20
(71)【出願人】
【識別番号】721005898
【氏名又は名称】リポス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】大賀 康弘
【テーマコード(参考)】
3B102
【Fターム(参考)】
3B102BA00
3B102BA03
3B102BA12
(57)【要約】      (修正有)
【課題】従来技術よりも簡易な構造で、交換が容易で、耐久性のあるマットレス用のシーツを提供する。
【解決手段】マットレスの表面を覆う表面部及び前記マットレスの側面から裏面の周囲を覆う裏面部3を有し、裏面部は2つの第1裏面部4及び2つの第2裏面部5からなり、第1裏面部及び第2裏面部によって囲まれた部分が開口部8であり、前記第2裏面部のマットレスと当接する内側面には、前記開口部の縁に沿って前記第2裏面部よりも短い長さで、一定の幅を有するニット生地6が取り付けられており、前記ニット生地は中間部分の一部及び両端部だけが、前記第2裏面部の生地と縫製されて、前記第2裏面部と前記ニット生地とは互いに部分的に固定されており、前記シーツを前記マットレスに取り付けていない状態では、前記第2裏面部に撓みが生じていることから、前記第2裏面部は前記ニット生地によって伸縮可能である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
マットレス用のシーツであって、
マットレスの表面を覆う表面部、及び、
前記マットレスの側面から裏面の周囲を覆う裏面部を有し、
前記裏面部は、前記マットレスの長手方向に互いに平行に延伸する2つの第1裏面部、及び、前記マットレスの短手方向に互いに平行に延伸する2つの第2裏面部からなり、
前記第1裏面部及び前記第2裏面部が端部で互いに接続され、前記第1裏面部及び前記第2裏面部によって囲まれた部分が、前記マットレスを前記シーツ内に入れるための開口部であり、
前記表面部及び前記裏面部は1つの生地で形成されており、
前記第2裏面部のマットレスと当接する内側面には、前記開口部の縁に沿って前記第2裏面部よりも短い長さで、一定の幅を有するニット生地が取り付けられており、
前記ニット生地は中間部分の一部及び両端部だけが、前記第2裏面部の生地と縫製されて、前記第2裏面部と前記ニット生地とは互いに部分的に固定されており、前記シーツを前記マットレスに取り付けていない状態では、前記第2裏面部に撓みが生じていることから、前記第2裏面部は前記ニット生地によって伸縮可能であることを特徴とするシーツ。
【請求項2】
前記ニット生地と前記第2裏面部とは、前記ニット生地の幅方向に延伸する直線状に縫製されて固定されており、複数の直線状の縫製箇所が所定の間隔で設けられていることを特徴とする請求項1に記載のシーツ。
【請求項3】
複数の前記直線状の縫製箇所が、等間隔で設けられていることを特徴とする請求項2に記載のシーツ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マットレス用のシーツに関する。
【背景技術】
【0002】
ホテル、病院等ではベッドのマットレスに装着されているシーツの交換作業が頻繁に行われており、ベッドのシーツ交換の作業には人員及び時間が必要となる。シート状のシーツの場合、シーツの周囲を折り込んでマットレスの下側へと綺麗に収める必要があることから、シーツの交換作業を簡単にするためには、ボックス状で開口を設けたシーツが用いられることが多い。
【0003】
ボックス状のシーツは開口の周囲にゴムを入れてシーツを装着する構造が一般的に用いられている。ゴムを用いた場合、クリーニング等によって耐久性に問題が生じることから、ゴム以外を用いたシーツとしては、例えば、特許文献1には、シーツの一部の材質を他の箇所よりも伸縮性を有する材質を用いたシーツが記載されている。
【0004】
その他に、特許文献2は、マットレスの下面の一部分を覆う部分に伸縮部を設けたシーツが開示されており、前記伸縮部の生地に編物を用いることで伸縮性を持たせることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008-188418号公報
【特許文献2】特開2017-99591号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、ベッドのシーツ交換が簡単で、さらに、耐久性を有するシーツを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のシーツは、マットレス用のシーツであって、マットレスの表面を覆う表面部、及び、前記マットレスの側面から裏面の周囲を覆う裏面部を有し、前記裏面部は、前記マットレスの長手方向に互いに平行に延伸する2つの第1裏面部、及び、前記マットレスの短手方向に互いに平行に延伸する2つの第2裏面部からなり、前記第1裏面部及び前記第2裏面部が端部で互いに接続され、前記第1裏面部及び前記第2裏面部によって囲まれた部分が、前記マットレスを前記シーツ内に入れるための開口部であり、前記表面部及び前記裏面部は1つの生地で形成されており、前記第2裏面部のマットレスと当接する内側面には、前記開口部の縁に沿って前記第2裏面部よりも短い長さで、一定の幅を有するニット生地が取り付けられており、前記ニット生地は中間部分の一部及び両端部だけが、前記第2裏面部の生地と縫製されて、前記第2裏面部と前記ニット生地とは互いに部分的に固定されており、前記シーツを前記マットレスに取り付けていない状態では、前記第2裏面部に撓みが生じていることから、前記第2裏面部は前記ニット生地によって伸縮可能であることを特徴とする。
【0008】
前記ニット生地と前記第2裏面部とは、前記ニット生地の幅方向に延伸する直線状に縫製されて固定されており、複数の直線状の縫製箇所が所定の間隔で設けられており、さらに、複数の前記直線状の縫製箇所が、等間隔で設けられている。
【発明の効果】
【0009】
本発明のシーツは、マットレス用のシーツであって、マットレスの表面を覆う表面部、及び、前記マットレスの側面から裏面の周囲を覆う裏面部を有し、前記裏面部は、前記マットレスの長手方向に互いに平行に延伸する2つの第1裏面部、及び、前記マットレスの短手方向に互いに平行に延伸する2つの第2裏面部からなり、前記第1裏面部及び前記第2裏面部が端部で互いに接続され、前記第1裏面部及び前記第2裏面部によって囲まれた部分が、前記マットレスを前記シーツ内に入れるための開口部であり、前記表面部及び前記裏面部は1つの生地で形成されており、前記第2裏面部のマットレスと当接する内側面には、前記開口部の縁に沿って前記第2裏面部よりも短い長さで、一定の幅を有するニット生地が取り付けられており、前記ニット生地は中間部分の一部及び両端部だけが、前記第2裏面部の生地と縫製されて、前記第2裏面部と前記ニット生地とは互いに部分的に固定されており、前記シーツを前記マットレスに取り付けていない状態では、前記第2裏面部に撓みが生じていることから、前記第2裏面部は前記ニット生地によって伸縮可能であることにより、ベッドのシーツ交換作業をスムーズに簡単に行うことができ、シーツを皺なく装着することができ、耐久性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明のシーツの底面である。
図2】シーツの断面図である。
図3】マットレスにシーツを装着した状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明のマットレス用のシーツ1について、図を用いて以下に詳しく説明する。図1に示すのは、本発明のシーツ1の底面図であり、図2に示すのは、シーツ1の断面図である。
【0012】
本発明のマットレス用のシーツ1は、図1,2に示すように、マットレス10の表面を覆う表面部2、及び、前記マットレス10の側面から裏面の周囲を覆う裏面部3を有し、前記表面部2及び前記裏面部3は1つの生地で形成されている。前記シーツ1に使用する生地は、特別な生地である必要は無く、従来のシーツで使用されている生地を使用可能であり、例えば、ポリエステルと綿の混紡生地等を用いることができる。
【0013】
前記裏面部3は、前記マットレス10の長手方向に互いに平行に延伸する2つの第1裏面部4、及び、前記マットレス10の短手方向に互いに平行に延伸する2つの第2裏面部5からなり、図1に示すように、底面から見ると四角形をなすように、前記第1裏面部4及び前記第2裏面部5が端部で互いに接続されている。2つの前記第1裏面部4及び2つの前記第2裏面部5によって囲まれた部分が、前記マットレス10を前記シーツ1内に入れるための開口部8となる。
【0014】
前記第2裏面部5のマットレス10と当接する内側面には、前記開口部8の縁に沿って前記第2裏面部5よりも短い長さで、一定の幅を有するニット生地6が取り付けられている。前記ニット生地6は中間部分の一部及び両端部だけが、前記第2裏面部5と縫製されており、前記第2裏面部5と前記ニット生地6とは互いに部分的に固定されている。図1に示すシーツ1では、前記ニット生地6の両端、及び、中間部の4カ所が前記第2裏面部5と縫製によって固定されている。前記ニット生地5の具体例としては、例えばポリエステルのインターロック(重量:190~200g/m)等を用いることができるが、その他のニット生地を用いることも可能である。
【0015】
前記ニット生地6と前記第2裏面部5との縫製箇所7は、図1に示すように、前記ニット生地6の幅方向に直線状に延伸するように縫製されており、前記縫製箇所7は等間隔で形成されている。前記ニット生地6が前記第2裏面部5よりも長さが短いこと、そして、前記ニット生地6は伸縮性を有することから、図1,2に示すように、前記シーツ1がマットレス10に装着されていない状態では、前記第2裏面部5において縫製されていない部分が撓みとなっており、前記ニット生地6が伸縮することから、前記シーツ1を前記マットレス10に装着する際に、前記ニット生地6を伸ばすと前記第2裏面部5は撓んでいる部分が伸ばされることになり、前記シーツ1を前記マットレス10に装着すると、前記ニット生地6が少し縮んで、前記第2裏面部5は撓みが少し生じた状態になるので、前記第2裏面部5は伸縮しない材質であっても伸縮可能な構造となる。
【0016】
図1に示す前記シーツ1の実施例として、長手方向が210cm、短手方向が100cmとすると、その他の寸法は次の通りとなる。前記第1裏面部4の幅は13cm、前記第2裏面部5の幅は15cmとしている。前記ニット生地6は長さ74cm及び幅10cmであり、幅は前記第2裏面部5よりも短くなっているが、前記第2裏面部5の長さは83cmであり、前記ニット生地6よりも9cm長くなっていることから、前記第2裏面部5の9cm長い部分が、図1,2に示すような撓みとなっている。このように、前記シーツ1は、前記第2裏面部5が前記ニット生地6よりも9cm長くなっていることから、前記第2裏面部5は、図1の状態から9cmまで伸ばすことができるので、前記開口部8を広げることができ、前記シーツ1内に前記マットレス10を出し入れし易くなり、スムーズに前記シーツ1の交換作業を行うことができる。前記シーツ1のこれらの寸法は、一例でありマットレスの大きさに応じて変更可能であり、また、素材等に応じて変更することも可能である。
【0017】
前記縫製箇所7の数及び間隔は前記シーツ1の大きさ、前記ニット生地6の材質等に応じて変更可能であり、前記ニット生地6の大きさについても、前記シーツ1の大きさ、前記ニット生地6の材質等に応じて適宜変更可能である。前記ニット生地6の材質については、耐久性及び伸縮性を有する材質で、厚手の生地を用いることが好ましい。
【0018】
図3に示すように、本発明のシーツ1をマットレス10に装着すると、前記ニット生地6は少し伸びた状態で、前記第2裏面部5は撓みが少し小さくなった状態となており、前記シーツ1の表面部2は裏面側に引っ張られた状態となり、皺等が無く綺麗な状態に保たれる。
【0019】
本発明のシーツ1は、ニット生地6を第2裏面部5に取り付けることにより、ゴム等を用いることなく、伸縮可能な構造としており、シーツ交換作業を簡単に、そして、綺麗に行うことを可能としており、また、ゴム等に比べるとクリーニング等に対する耐久性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0020】
1 シーツ
2 表面部
3 裏面部
4 第1裏面部
5 第2裏面部
6 ニット生地
7 縫製箇所
8 開口部
10 マットレス
図1
図2
図3