(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158622
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】フレキシブル基板
(51)【国際特許分類】
H05K 1/02 20060101AFI20221006BHJP
H05K 3/46 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H05K1/02 B
H05K3/46 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063650
(22)【出願日】2021-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐野 匠
【テーマコード(参考)】
5E316
5E338
【Fターム(参考)】
5E316AA02
5E316AA35
5E316AA43
5E316BB02
5E316BB13
5E316CC08
5E316CC10
5E316CC31
5E316HH11
5E316JJ02
5E338AA03
5E338AA12
5E338AA16
5E338BB01
5E338BB75
5E338CC01
5E338CD17
5E338EE21
(57)【要約】
【課題】伸縮性の向上が可能なフレキシブル基板を提供する。
【解決手段】 第1方向に延出し第2方向に並んだ複数の第1帯部と、前記第2方向に延出し前記第1方向に並んだ複数の第2帯部と、前記第1帯部と前記第2帯部の交差部に位置する複数の島状部と、を有する絶縁基材と、前記島状部に重なる複数の電気素子と、それぞれ前記第1帯部と重なって延出した複数の走査線と、それぞれ前記第2帯部と重なって延出した複数の信号線と、それぞれ前記第2帯部及び前記信号線と重なって延出した複数の接続配線と、前記接続配線が接続された走査線ドライバと、前記信号線が接続された信号線ドライバと、第1側縁を有する支持体と、を備え、複数の前記走査線は、それぞれ異なる前記島状部上において、それぞれ異なる前記接続配線と接続され、前記走査線ドライバと前記信号線ドライバは、前記第1側縁側に位置するフレキシブル基板。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1方向に延出し前記第1方向と交差する第2方向に並んだ複数の第1帯部と、前記第2方向に延出し前記第1方向に並んだ複数の第2帯部と、前記第1帯部と前記第2帯部の交差部に位置する複数の島状部と、を有する絶縁基材と、
前記島状部に重なる複数の電気素子と、
それぞれ前記第1帯部と重なって延出した複数の走査線と、
それぞれ前記第2帯部と重なって延出した複数の信号線と、
それぞれ前記第2帯部及び前記信号線と重なって延出した複数の接続配線と、
前記接続配線が接続された走査線ドライバと、
前記信号線が接続された信号線ドライバと、
前記絶縁基材、前記走査線ドライバ、及び、前記信号線ドライバを支持し、第1側縁を有する支持体と、を備え、
複数の前記走査線は、それぞれ異なる前記島状部上において、それぞれ異なる前記接続配線と接続され、
前記走査線ドライバと前記信号線ドライバは、前記第1側縁側に位置する、フレキシブル基板。
【請求項2】
前記走査線は、第1部分と、前記第1部分と第1コンタクトホールを介して接続された第2部分と、前記第2部分と第2コンタクトホールを介して接続された第3部分と、を備え、
前記第1部分及び前記第3部分は、前記第1帯部と重なり、
前記第2部分は、平面視で前記第1部分と前記第3部分との間に位置し、前記島状部と重なり、
前記接続配線は、前記島状部と重なる位置において、前記島状部まで延出した前記第3部分と第3コンタクトホールを介して接続され、
前記第3コンタクトホール、前記第2コンタクトホール、及び、前記第1コンタクトホールは、この順に前記第1方向に並んでいる、請求項1に記載のフレキシブル基板。
【請求項3】
さらに、積層された第1絶縁層及び第2絶縁層を備え、
前記接続配線及び前記第2部分は、前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に位置し、
前記第1部分及び前記第3部分は、前記第2絶縁層の上に位置し、
前記第1コンタクトホール、前記第2コンタクトホール、及び、前記第3コンタクトホールは、前記第2絶縁層を貫通している、請求項2に記載のフレキシブル基板。
【請求項4】
前記信号線ドライバは、前記走査線ドライバと前記第1側縁との間に位置し、
複数の前記信号線は、前記走査線ドライバが位置する領域を通っている、請求項1乃至3の何れか1項に記載のフレキシブル基板。
【請求項5】
前記走査線ドライバは、前記信号線ドライバと前記第1側縁との間に位置し、
複数の前記接続配線は、前記信号線ドライバが位置する領域を通っている、請求項1乃至3の何れか1項に記載のフレキシブル基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、フレキシブル基板に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、可撓性及び伸縮性を有したフレキシブル基板の利用が種々の分野で検討されている。一例を挙げると、マトリクス状に電気的素子が配列されたフレキシブル基板を電子機器の筐体や人体等の曲面に貼り付ける利用形態が考えられる。電気的素子としては、例えばタッチセンサや温度センサ等の各種センサや表示素子が適用され得る。
【0003】
フレキシブル基板においては、屈曲や伸縮による応力で配線が損傷しないように対策を講じる必要がある。このような対策としては、例えば、配線を支持する基材にハニカム形状の開口を設けることや、配線を蛇行した形状(ミアンダ形状)とすることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-198101号公報
【特許文献2】特開2015-198102号公報
【特許文献3】特開2017-118109号公報
【特許文献4】特開2017-113088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本実施形態の目的は、伸縮性の向上が可能なフレキシブル基板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態によれば、第1方向に延出し前記第1方向と交差する第2方向に並んだ複数の第1帯部と、前記第2方向に延出し前記第1方向に並んだ複数の第2帯部と、前記第1帯部と前記第2帯部の交差部に位置する複数の島状部と、を有する絶縁基材と、前記島状部に重なる複数の電気素子と、それぞれ前記第1帯部と重なって延出した複数の走査線と、それぞれ前記第2帯部と重なって延出した複数の信号線と、それぞれ前記第2帯部及び前記信号線と重なって延出した複数の接続配線と、前記接続配線が接続された走査線ドライバと、前記信号線が接続された信号線ドライバと、前記絶縁基材、前記走査線ドライバ、及び、前記信号線ドライバを支持し、第1側縁を有する支持体と、を備え、複数の前記走査線は、それぞれ異なる前記島状部上において、それぞれ異なる前記接続配線と接続され、前記走査線ドライバと前記信号線ドライバは、前記第1側縁側に位置する、フレキシブル基板が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本実施形態に係るフレキシブル基板の概略的な平面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示したフレキシブル基板の一部を拡大した平面図である。
【
図6】
図6は、
図4に示したA-B線に沿ったフレキシブル基板の断面図である。
【
図7】
図7は、
図4に示したC-D線に沿ったフレキシブル基板の断面図である。
【
図8】
図8は、本実施形態の変形例を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、開示はあくまで一例に過ぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は、説明をより明確にするため、実際の態様に比べて、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同一又は類似した機能を発揮する構成要素には同一の参照符号を付し、重複する詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
図1は、本実施形態に係るフレキシブル基板100の概略的な平面図である。
本実施形態においては、図示したように第1方向D1、第2方向D2、第3方向D3を定義する。第1方向D1及び第2方向D2は、フレキシブル基板100の主面と平行であり、互いに交わる方向である。第3方向D3は、第1方向D1、第2方向D2に対して垂直な方向であり、フレキシブル基板100の厚さ方向に相当する。第1方向D1と第2方向D2は、本実施形態では垂直に交わるが、垂直以外の角度で交わってもよい。本明細書において、第3方向D3を示す矢印の先端に向かう方向を「上」と称し、矢印の先端から逆に向かう方向を「下」と称する。また、第3方向D3を示す矢印の先端側にフレキシブル基板100を観察する観察位置があるものとし、この観察位置から、第1方向D1及び第2方向D2で規定されるD1-D2平面に向かって見ることを平面視という。
【0010】
図1に示すように、フレキシブル基板100は、複数の走査線1と、複数の信号線2と、複数の接続配線WRと、複数の電気素子3と、樹脂層(支持体)81と、走査線ドライバDR1と、信号線ドライバDR2と、を備えている。
【0011】
複数の走査線1、複数の信号線2、複数の接続配線WR、複数の電気素子3、走査線ドライバDR1、信号線ドライバDR2は、樹脂層81の上に設けられている。すなわち、樹脂層81は、後述する絶縁基材4、走査線ドライバDR1、及び、信号線ドライバDR2を支持している。図示した例では、樹脂層81は、平面視で矩形状に形成されている。樹脂層81は、第1方向D1に延出した第1側縁EG1及び第2側縁EG2と、第2方向D2に延出した第3側縁EG3及び第4側縁EG4と、を有している。
【0012】
走査線ドライバDR1及び信号線ドライバDR2は、第1側縁EG1側に位置している。信号線ドライバDR2は、走査線ドライバDR1と第1側縁EG1との間に位置している。
【0013】
複数の走査線1は、それぞれ第1方向D1に延出し第2方向D2に並んでいる。複数の走査線1は、それぞれ異なる電気素子3と重なる位置において、それぞれ異なる接続配線WRと接続されている。走査線1は、コンタクトホールCH12を介して接続配線WRと接続されている。
【0014】
複数の接続配線WRは、それぞれ第2方向D2に延出し第1方向D1に並んでいる。複数の接続配線WRは、それぞれ走査線ドライバDR1に接続されている。例えば、接続配線WRの本数は、走査線1の本数と等しい。
【0015】
複数の信号線2は、それぞれ第2方向D2に延出し第1方向D1に並んでいる。複数の信号線2は、それぞれ信号線ドライバDR2に接続されている。複数の信号線2は、走査線ドライバDR1が位置する領域を通っている。
【0016】
複数の電気素子3は、第1方向D1及び第2方向D2にマトリクス状に配置されている。複数の電気素子3は、それぞれ走査線1と信号線2との交差部に位置し、走査線1及び信号線2と電気的に接続されている。
【0017】
例えば、走査線1を第2側縁EG2側からm本目(mは正の整数)とし、接続配線WRを第3側縁EG3側からn本目(nは正の整数)とする。m本目の走査線1は、n本目の接続配線WRと接続され、mとnとは等しい。また、m行目かつn列目に位置する電気素子3と重なる位置において、走査線1と接続配線WRとは接続されている。なお、走査線1と接続配線WRとの接続位置は、この例に限らない。
【0018】
電気素子3には接続配線WR及び走査線1を介して走査信号が供給される。例えば電気素子3がセンサのような信号の出力を伴うものである場合、信号線2には電気素子3からの出力信号が供給される。なお、走査線1、信号線2、及び、接続配線WRは、フレキシブル基板100が備える配線の一例である。フレキシブル基板100は、走査線1、信号線2、及び、接続配線WRの他に、電気素子3に給電する電源線などの他種の配線を備えていてもよい。
【0019】
走査線ドライバDR1は、接続配線WRを介して走査線1の各々に走査信号を供給する供給源として機能する。また、信号線ドライバDR2は、信号線2の各々に駆動信号を供給する供給源、又は、信号線2の各々に出力された出力信号を処理する信号処理部として機能する。
【0020】
本実施形態によれば、走査線ドライバDR1及び信号線ドライバDR2は、同一の第1側縁EG1側に位置している。走査線ドライバDR1及び信号線ドライバDR2は、フレキシブル基板100の伸縮の妨げとなる場合があるが、走査線ドライバDR1及び信号線ドライバDR2を同一の第1側縁EG1側に配置することで、第2側縁EG2、第3側縁EG3、第4側縁EG4付近の伸縮の妨げとなるのを抑制することができる。つまり、走査線ドライバDR1及び信号線ドライバDR2が互いに異なる側縁に配置されている場合と比べて、フレキシブル基板100の伸縮性を向上することができる。
【0021】
図2は、
図1に示したフレキシブル基板100の一部を拡大した平面図である。
図2に示すように、フレキシブル基板100は、上記に加えて、走査線1、信号線2、及び、接続配線WRを支持する絶縁基材4を備えている。絶縁基材4は、伸縮性及び可撓性を有している。絶縁基材4は、例えばポリイミドを用いて形成されているが、この例に限られない。
【0022】
絶縁基材4は、複数の島状部40と、島状部40と一体的に形成された複数の第1帯部41及び複数の第2帯部42と、を備えている。絶縁基材4は、網目状に形成されている。複数の島状部40は、互いに間隔を置いて第1方向D1及び第2方向D2にマトリクス状に並んでいる。島状部40の各々は、平面視において、例えば四角形状に形成されている。なお、島状部40は、他の多角形状に形成されていてもよいし、円形状や楕円形状に形成されていてもよい。電気素子3は、島状部40に重なっている。
【0023】
第1帯部41は、概ね第1方向D1に延出し、第2方向D2に並んでいる。第1帯部41は、第1方向D1に並んだ複数の島状部40を接続している。第2帯部42は、概ね第2方向D2に延出し、第1方向D1に並んでいる。第2帯部42は、第2方向D2に並んだ複数の島状部40を接続している。第1帯部41及び第2帯部42は、それぞれ平面視で波状に形成されている。換言すると、第1帯部41及び第2帯部42は、平面視で蛇行形状(ミアンダ形状)に形成されている。島状部40は、第1帯部41と第2帯部42の交差部に位置している。
【0024】
走査線1は、それぞれ第1帯部41と重なって延出している。信号線2は、それぞれ第2帯部42と重なって延出している。接続配線WRは、それぞれ第2帯部42及び信号線2と重なって延出している。つまり、走査線1、信号線2、及び、接続配線WRは、何れも蛇行形状に形成されている。複数の走査線1は、それぞれ異なる島状部40上において、それぞれ異なる接続配線WRと接続される。
【0025】
図3は、
図2に示した島状部40を拡大した平面図である。
図3は、走査線1と接続配線WRとが互いに接続されない位置の島状部40を示している。また、
図3においては、電気素子3の図示を省略している。
【0026】
接続配線WRは、図中において点描で示された領域に配置されている。接続配線WRは、第2帯部42と重なる位置において、第1幅W1を有し、島状部40と重なる位置において、第2幅W2を有している。第1幅W1は、第2幅W2より大きい。
【0027】
走査線1は、第1部分11、第2部分12、及び、第3部分13を有している。第1部分11及び第3部分13は、第1帯部41と重なっている。第1部分11及び第3部分13は、信号線2と同層に形成されている。第3部分13は、接続配線WRと交差している。第2部分12は、平面視で第1部分11と第3部分13との間に位置し、島状部40と重なっている。第2部分12は、信号線2とは異なる層に形成されている。第2部分12は、島状部40と重なる位置において、平面視で接続配線WRと信号線2との間に位置し、その一部が信号線2と交差している。第1部分11と第2部分12とはコンタクトホール(第1コンタクトホール)CH10を介して接続され、第2部分12と第3部分13とはコンタクトホール(第2コンタクトホール)CH11を介して接続されている。
【0028】
フレキシブル基板100は、スイッチング素子SWを備えている。スイッチング素子SWは、半導体層SC、ゲート電極GE1及びGE2、ソース電極SE、及び、ドレイン電極DEを備えている。半導体層SCは、第2方向D2に延出している。半導体層SCの一端部SCAは、信号線2に重なり、半導体層SCの他端部SCBは、ドレイン電極DEに重なっている。信号線2において、半導体層SCと重畳する領域がソース電極SEとして機能する。半導体層SCは、ドレイン電極DEと重なる位置において走査線1の第2部分12と2箇所で交差している。走査線1において、半導体層SCと重畳する領域がそれぞれゲート電極GE1及びGE2として機能する。すなわち、図示した例のスイッチング素子SWは、ダブルゲート構造を有している。半導体層SCは、その一端部SCAにおいてコンタクトホールCH20を介して信号線2と電気的に接続され、また、その他端部SCBにおいてコンタクトホールCH21を介してドレイン電極DEと電気的に接続されている。ドレイン電極DEは、コンタクトホールCH22を介して後述する下部電極EL1と接続されている。
【0029】
図4は、
図2に示した島状部40を拡大した平面図である。
図4は、走査線1と接続配線WRとが互いに接続される位置の島状部40を示している。また、
図4においては、電気素子3の図示を省略している。
図4に示す構成のうち、走査線1と接続配線WRとの接続部以外の構成は、
図3に示した構成と同一である。
接続配線WRは、島状部40と重なる位置において、島状部40まで延出した第3部分13とコンタクトホール(第3コンタクトホール)CH12を介して接続されている。コンタクトホールCH12、コンタクトホールCH11、及び、コンタクトホールCH10は、この順に第1方向D1に並んでいる。
【0030】
図5は、
図3及び
図4において図示を省略した電気素子3を示す平面図である。
電気素子3は、下部電極EL1と、下部電極EL1の上に位置する上部電極EL2と、後述する活性層30と、を備えている。下部電極EL1及び上部電極EL2は、例えば、同一形状に形成されている。図示した例では、下部電極EL1及び上部電極EL2は、島状部40に矩形状に形成されている。
【0031】
図6は、
図4に示したA-B線に沿ったフレキシブル基板100の断面図である。
図6に示すように、フレキシブル基板100は、さらに、絶縁層51乃至56、封止層57、遮光層LS、及び、樹脂層82を備えている。
【0032】
絶縁基材4は、樹脂層81の上に位置している。絶縁層51は、絶縁基材4の上に位置している。遮光層LSは、絶縁層51の上に位置している。遮光層LSは、ゲート電極GE1及びGE2に重なっている。これにより、遮光層LSは、下側からゲート電極GE1及びGE2に向かう光を遮蔽することができる。遮光層LSは、例えばアルミニウム(Al)、チタン(Ti)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、銅(Cu)、クロム(Cr)などの金属材料によって形成されている。
【0033】
絶縁層52は、絶縁層51の上に位置し、遮光層LSを覆っている。半導体層SCは、絶縁層52の上に位置している。半導体層SCは、例えば多結晶シリコン(例えば低温ポリシリコン)によって形成されるが、アモルファスシリコンや酸化物半導体によって形成されてもよい。絶縁層53は、絶縁層52の上に位置し、半導体層SCを覆っている。接続配線WR、及び、ゲート電極GE1及びGE2は、絶縁層53の上に位置している。絶縁層54は、絶縁層53の上に位置し、接続配線WR、ゲート電極GE1及びGE2を覆っている。
【0034】
信号線2及びドレイン電極DEは、絶縁層54の上に位置している。信号線2は、絶縁層53及び54に形成されたコンタクトホールCH20を介して半導体層SCに接続されている。信号線2は、例えば金属材料や透明導電材料で形成することができ、単層構造であってもよいし積層構造であってもよい。ドレイン電極DEは、絶縁層53及び54に形成されたコンタクトホールCH21を介して半導体層SCに接続されている。ドレイン電極DEは、例えば信号線2と同一材料によって形成されている。ドレイン電極DEは、ゲート電極GE1及びGE2を覆っている。これにより、ドレイン電極DEは、上側からゲート電極GE1及びGE2に向かう光を遮蔽することができる。絶縁層55は、絶縁層54の上に位置し、信号線2及びドレイン電極DEを覆っている。絶縁層56は、絶縁層55の上に位置している。絶縁層51乃至56は、この順に積層されている。
【0035】
スイッチング素子SWは、絶縁基材4の島状部40と下部電極EL1との間に位置している。図示したスイッチング素子SWは、ダブルゲート構造であるが、シングルゲート構造であってもよい。また、図示したスイッチング素子SWは、半導体層SCの上にゲート電極GE1及びGE2が配置されるトップゲート構造であるが、半導体層SCの下にゲート電極GE1及びGE2が配置されるボトムゲート構造であってもよい。
【0036】
絶縁層51乃至55は、いずれも、シリコン酸化物(SiO)、シリコン窒化物(SiN)、シリコン酸窒化物(SiON)などの無機絶縁材料によって形成された無機絶縁層である。絶縁層56は、アクリル樹脂などの有機絶縁材料によって形成された有機絶縁層である。絶縁層56の上面は実質的に平坦化されている。
【0037】
電気素子3は、絶縁層56の上に位置している。電気素子3は、例えば有機受光素子(OPD:Organic Photo Diode)である。電気素子3は、上述したように、下部電極EL1と、活性層30と、上部電極EL2と、を備えている。
【0038】
下部電極EL1は、絶縁層56の上に位置している。下部電極EL1は、積層された第1層L1及び第2層L2を備えている。第1層L1は、絶縁層55及び56に形成されたコンタクトホールCH22を介してドレイン電極DEに接続されている。すなわち、第1層L1は、スイッチング素子SWと接している。第1層L1及び第2層L2は、インジウム・ティン・オキサイド(ITO)やインジウム・ジンク・オキサイド(IZO)などの透明な導電材料によって形成された透明電極である。また、第1層L1は、外周縁PL1を有している。第2層L2は、外周縁PL2を有している。外周縁PL2は、外周縁PL1の内側に位置している。
【0039】
活性層30は、下部電極EL1の上に位置している。活性層30は、有機材料で形成された電子供与体(p型半導体)及び電子受容体(n型半導体)で形成されている。
【0040】
上部電極EL2は、活性層30の上に位置している。つまり、活性層30は、下部電極EL1と上部電極EL2との間に位置している。上部電極EL2は、ITOやIZOなどの透明な導電材料によって形成された透明電極である。上部電極EL2は、図示しない給電線に接続され、例えばコモン電位が供給される。なお、図示しないが、下部電極EL1と活性層30との間には電子輸送層が形成され、上部電極EL2と活性層30との間には正孔輸送層が形成されている。
【0041】
活性層30は、受光すると正孔及び電子の対を発生させる。活性層30より発生した正孔及び電子の対によって電流が流れ、この電流の強度に応じた電気信号が信号線2を介して読み出される。
【0042】
封止層57は、上部電極EL2を覆っている。封止層57は、活性層30に外部から水分が侵入するのを抑制する。樹脂層82は、封止層57を覆っている。
【0043】
図7は、
図4に示したC-D線に沿ったフレキシブル基板100の断面図である。
接続配線WR及び走査線1の第2部分12は、絶縁層53の上に位置し、絶縁層54によって覆われている。つまり、接続配線WR及び第2部分12は、絶縁層53(第1絶縁層)と絶縁層54(第2絶縁層)との間に位置している。
【0044】
走査線1の第1部分11及び第3部分13、及び、ドレイン電極DEは、絶縁層54の上に位置し、絶縁層55によって覆われている。第1部分11は、絶縁層54に形成されたコンタクトホールCH10を介して第2部分12に接続されている。第3部分13は、絶縁層54に形成されたコンタクトホールCH11を介して第2部分12に接続されている。また、第3部分13は、絶縁層54に形成されたコンタクトホールCH12を介して接続配線WRに接続されている。コンタクトホールCH10、コンタクトホールCH11、及び、コンタクトホールCH12は、絶縁層54を貫通している。
【0045】
第1部分11及び第3部分13は、例えば金属材料や透明導電材料で形成することができ、単層構造であってもよいし積層構造であってもよい。第2部分12及び接続配線WRは、上記金属材料や、これらの金属材料を組み合わせた合金などによって形成され、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
【0046】
図8は、本実施形態の変形例を示す平面図である。
図8に示す構成は、
図1に示した構成と比較して、走査線ドライバDR1と信号線ドライバDR2の位置が入れ替わっている点で相違している。
走査線ドライバDR1は、信号線ドライバDR2と第1側縁EG1との間に位置している。複数の接続配線WRは、信号線ドライバDR2が位置する領域を通っている。
このような変形例においても上記したのと同様の効果を得ることができる。
【0047】
以上説明したように、本実施形態によれば、伸縮性の向上が可能なフレキシブル基板を得ることができる。
【0048】
なお、本実施形態では、電気素子3がOPDである場合について説明したが、電気素子3は、OPD以外のセンサであってもよい。また、上部電極EL2は、矩形状でなくてもよく、フレキシブル基板100の全面に配置されていてもよい。その場合、上部電極EL2の材料としては、ITOやIZOではなく、伸縮性を有する電極材料が用いられる。もしくは、上部電極EL2は、絶縁基材4のパターンと同様に形成されていてもよい。
【0049】
また、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これらの新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0050】
100…フレキシブル基板、40…島状部、41…第1帯部、42…第2帯部、
1…走査線、2…信号線、3…電気素子、WR…接続配線、
DR1…走査線ドライバ、DR2…信号線ドライバ、81…樹脂層、
EG1…第1側縁、EG2…第2側縁、EG3…第3側縁、EG4…第4側縁、
11…第1部分、12…第2部分、13…第3部分、
CH10、CH11、CH12…コンタクトホール、
51、52、53、54、55、56…絶縁層。