(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158635
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】予測装置、予測方法及び予測プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/30 20120101AFI20221006BHJP
G06Q 10/04 20120101ALI20221006BHJP
B61L 25/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
G06Q50/30
G06Q10/04
B61L25/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063665
(22)【出願日】2021-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中島 博行
【テーマコード(参考)】
5H161
5L049
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161BB20
5H161DD20
5H161GG16
5H161GG21
5L049AA04
5L049CC41
(57)【要約】
【課題】乗客に対し、混雑が少ない車両への誘導を可能とする。
【解決手段】予測装置10は、複数ユーザの位置情報、乗車券情報及び行動履歴のうち、いずれか一つまたは複数の情報を取得する情報取得部131と、情報取得部131によって取得された情報を用いて、各ユーザの乗車駅及び降車駅をそれぞれ予測する予測部132と、予測部132によって予測された各ユーザの乗車駅及び降車駅に基づいて、各時刻における各車両の混雑状況を算出する混雑状況算出部133と、混雑状況算出部133によって算出された混雑状況に基づいて、各ユーザが指定する条件に合致する車両を、ユーザにレコメンドする車両として選択する選択部134と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数ユーザの位置情報、乗車券情報及び行動履歴のうち、いずれか一つまたは複数の情報を取得する取得部と、
前記取得部によって取得された情報を用いて、各ユーザの乗車駅及び降車駅をそれぞれ予測する予測部と、
前記予測部によって予測された各ユーザの乗車駅及び降車駅に基づいて、各時刻における各車両の混雑状況を算出する算出部と、
前記算出部によって算出された混雑状況に基づいて、各ユーザが指定する条件に合致する車両を、ユーザにレコメンドする車両として選択する選択部と、
を有することを特徴とする予測装置。
【請求項2】
前記選択部は、前記ユーザが空いている車両を条件として指定した場合には、該ユーザが乗車する乗車駅から所定の時刻の範囲に出発する列車の車両のうち、最も空いている車両を選択し、前記ユーザが座れる車両を条件として指定した場合には、該ユーザが乗車する乗車駅から所定の時刻の範囲に出発する列車の車両のうち、席が空く可能性が最も高い車両を選択することを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項3】
前記選択部は、前記ユーザが複合条件を指定した場合には、該ユーザが乗車する乗車駅から所定の時刻の範囲に出発する列車の車両のうち、前記複合条件を満たす車両を選択することを特徴とする請求項1に記載の予測装置。
【請求項4】
予測装置が実行する予測方法であって、
複数ユーザの位置情報、乗車券情報及び行動履歴のうち、いずれか一つまたは複数の情報を取得する工程と、
前記取得する工程において取得された情報を用いて、各ユーザの乗車駅及び降車駅をそれぞれ予測する工程と、
前記予測する工程において予測された各ユーザの乗車駅及び降車駅に基づいて、各時刻における各車両の混雑状況を算出する工程と、
前記算出する工程において算出された混雑状況に基づいて、各ユーザが指定する条件に合致する車両を、ユーザにレコメンドする車両として選択する工程と、
を含んだことを特徴とする予測方法。
【請求項5】
複数ユーザの位置情報、乗車券情報及び行動履歴のうち、いずれか一つまたは複数の情報を取得するステップと、
前記取得するステップにおいて取得された情報を用いて、各ユーザの乗車駅及び降車駅をそれぞれ予測するステップと、
前記予測するステップにおいて予測された各ユーザの乗車駅及び降車駅に基づいて、各時刻における各車両の混雑状況を算出するステップと、
前記算出するステップにおいて算出された混雑状況に基づいて、各ユーザが指定する条件に合致する車両を、ユーザにレコメンドする車両として選択するステップと、
をコンピュータに実行させるための予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予測装置、予測方法及び予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、乗り換えルートの案内に加え、次の列車に乗り換えしやすい乗車位置を提示する乗り換え案内アプリケーションが提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の乗り換え案内アプリケーションでは、乗り換えがしやすい乗車位置を提示するのみである。これに対し、乗客側及び鉄道会社側からは、乗車時における混雑状況に応じて、混雑が少ない車両へ誘導してもらいたいという要望があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、混雑状況に応じて、混雑状況に応じて、各乗客を、各乗客にそれぞれ適した乗車車両に誘導することができる予測装置、予測方法及び予測プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の予測装置は、複数ユーザの位置情報、乗車券情報及び行動履歴のうち、いずれか一つまたは複数の情報を取得する取得部と、取得部によって取得された情報を用いて、各ユーザの乗車駅及び降車駅をそれぞれ予測する予測部と、予測部によって予測された各ユーザの乗車駅及び降車駅に基づいて、各時刻における各車両の混雑状況を算出する算出部と、算出部によって算出された混雑状況に基づいて、各ユーザが指定する条件に合致する車両を、ユーザにレコメンドする車両として選択する選択部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、混雑状況に応じて、各乗客を、各乗客にそれぞれ適した乗車車両に誘導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施の形態における予測システムの構成の一例を示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示す予測装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、
図2に示す選択部の選択処理を説明する図である。
【
図4】
図4は、
図2に示す選択部の選択処理を説明する図である。
【
図5】
図5は、実施の形態に係る予測システムにおける予測処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【
図6】
図6は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る予測装置、予測方法及び予測プログラムの実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態により本願に係る予測装置、予測方法及び予測プログラムが限定されるものではない。
【0010】
以下の実施の形態では、実施の形態に係る予測装置、予測方法及び予測プログラムの処理の流れを順に説明し、最後に実施の形態による効果を説明する。
【0011】
[実施の形態]
まず、実施の形態について説明する。実施の形態では、ユーザに対し、鉄道に乗車する時刻の混雑状況に基づいて、ユーザが指定する条件に合致する車両をレコメンドする予測システムの一例について説明する。
【0012】
実施の形態では、乗車情報提供事業者が、ルート検索とともに乗車する際の車両をレコメンドするレコメンドアプリケーションを各ユーザに提供する。各ユーザは、そのレコメンドアプリケーションを操作することで、ルート検索と、乗車時の条件指示を行う。例えば、ユーザは、混雑度が他の車両の混雑度よりも低い車両を条件として指示する。実施の形態では、各ユーザの乗降車駅及び乗降車時刻を予測し、各車両の混雑状況を算出したのち、レコメンドアプリケーションを介して、このユーザの乗車駅の予測乗車時刻に、低い混雑度が算出された車両を、このユーザにレコメンドする。これによって、ユーザは、自身の乗車時刻において、混雑が少ない車両に誘導されることとなる。
【0013】
[予測システムの構成]
実施の形態に係る予測システムの構成を説明する。
図1は、実施の形態における予測システムの構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1に示すように、実施の形態に係る予測システムは、各ユーザが使用するユーザ端末20A,20Bと、ユーザ端末20A,20Bに、ルート検索とともに乗車する際の車両をレコメンドする乗車情報提供事業者の予測装置10とを有する。予測装置10は、鉄道会社X,Yのサーバ装置30X,30Yと接続する。また、
図1に示す構成は一例にすぎず、具体的な構成や各装置の数は特に限定されない。また、以下の説明では、ユーザ端末20A,20Bを総称してユーザ端末20と記載する。
【0015】
鉄道会社X,Yのサーバ装置30X,30Yは、画像情報を記憶する画像情報DBと、乗車券情報を記憶する乗車券情報DBと、を有する。画像情報は、駅構内及び運行中の各車両内を撮像した画像情報群である。乗車券情報は、各ユーザの定期券情報、鉄道を利用する各ユーザの乗車駅、降車駅と乗降車時の日時とを対応付けた情報を含む。鉄道会社X,Yのサーバ装置30X,30Yは、ネットワーク等を介して、各ユーザの乗車券情報、駅構内や運行中の各車両内を撮影した画像情報を、予測装置10に提供する。サーバ装置30X,30Yを総称してサーバ装置30と記載する。
【0016】
ユーザ端末20は、タブレット等のスマートデバイスである。ユーザ端末20は、ネットワークNを介して、乗車情報提供事業者の予測装置10と通信を行う。ユーザ端末20には、乗車情報提供事業者から提供されたレコメンドアプリケーションをインストールされている。ユーザ端末20は、レコメンドアプリケーションを介して、予測装置10に接続し、ルート検索結果とともに乗車する際の車両のレコメンドを受ける。また、ユーザ端末20は、GPS(Global Positioning System)等の測位システムを用いて、現在位置を特定し、特定した位置を示す位置情報を取得する機能を有する。ユーザ端末20は、レコメンドアプリケーションを介して、ユーザ端末20の位置情報やユーザ端末20の操作情報に基づいたユーザの位置情報及び行動履歴情報を予測装置10に送信する。
【0017】
予測装置10は、レコメンドアプリケーションを各ユーザ端末20に提供する。予測装置10は、ユーザの乗車駅及び降車駅をそれぞれ予測し、この予測結果を基に、各時刻における各車両の混雑状況を算出する。そして、予測装置10は、レコメンドアプリケーションを介し、混雑状況に基づいて、ユーザが鉄道に乗車する時刻においてユーザが指定する条件に合致する車両をレコメンドする。例えば、ユーザから混雑度が他の車両の混雑度よりも低い車両を条件として指示された場合には、ユーザ乗車時に混雑度が他の車両よりも低いとされた車両をレコメンドすることでユーザを、混雑が少ない車両に誘導する。
【0018】
また、鉄道会社X,Yから、混雑の分散のために、乗客の各車両への分散を要望される場合がある。この場合、予測装置10は、各ユーザを分散乗車させるように、同時刻に同駅で同方向の列車に乗ることが予測された複数のユーザに対しては、混雑が少ない車両のうち、ユーザごとに車両番号を変えてレコメンドする。あるいは、予測装置10は、列車の運行中、前方から後方の車両に乗客が乗車するように、駅ごとにレコメンドする車両番号を変えてもよい。例えば、予測装置10は、最初の停車駅では、この駅で乗車するユーザに1両目の車両をレコメンドし、2番目の停車駅では、この駅で乗車するユーザに2両目の車両をレコメンドする。
【0019】
[予測装置]
図2は、
図1に示す予測装置10の構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、この予測装置10は、各種情報に関する通信を制御する通信部11、制御部13による各種処理に必要なデータ及びプログラムを格納する記憶部12、及び、種々の処理を実行する制御部13を有する。以下に予測装置10が有する各部の処理を説明する。
【0020】
通信部11は、ネットワーク等を介して接続された他の装置との間で、各種情報を送受信する通信インタフェースである。通信部11は、NIC(Network Interface Card)等で実現され、LAN(Local Area Network)やインターネットなどの電気通信回線を介した他の装置と制御部13(後述)との間の通信を行う。例えば、通信部11は、ネットワークを介して、低同会社X,Yのサーバ装置30X,30Yから、乗車券情報と画像情報との提供を受ける。また、通信部11は、ネットワークNを介して、ユーザ端末20から、位置情報、行動履歴情報及び、レコメンドアプリケーション上でユーザが指定した条件を受信する。そして、通信部11は、ユーザ端末20に、ユーザが指定する条件に合致する車両をレコメンドする。
【0021】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等の記憶装置である。なお、記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、NVSRAM(Non Volatile Static Random Access Memory)等のデータを書き換え可能な半導体メモリであってもよい。記憶部12は、予測装置10で実行されるOS(Operating System)や各種プログラムを記憶する。さらに、記憶部12は、プログラムの実行で用いられる各種情報を記憶する。
【0022】
記憶部12は、各ユーザの位置を示す位置情報121、各ユーザの行動履歴を示す行動履歴情報122、各ユーザの乗降駅と乗降日時とを示す乗車券情報123、及び、各駅構内及び運行中の各車両内の画像情報である画像情報124を記憶する。位置情報121及び行動履歴情報122は、各ユーザ端末20から受信した情報である。乗車券情報123及び画像情報124は、鉄道会社X,Yのサーバ装置30X,30Yから受信した情報である。
【0023】
制御部13は、予測装置10全体を制御する。制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路や、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路である。また、制御部13は、各種の処理手順を規定したプログラムや制御データを格納するための内部メモリを有し、内部メモリを用いて各処理を実行する。また、制御部13は、各種のプログラムが動作することにより各種の処理部として機能する。
【0024】
制御部13は、情報取得部131(取得部)、予測部132、混雑状況算出部133(算出部)及び選択部134を有する。情報取得部131、予測部132、混雑状況算出部133及び選択部134は、ユーザ端末20におけるレコメンドアプリケーションを介して、ユーザへの乗車位置をレコメンドするために、以降の処理を実行する。
【0025】
情報取得部131は、複数ユーザの位置情報、乗車券情報及び行動履歴のうち、いずれか一つまたは複数の情報を取得する。情報取得部131は、各ユーザ端末20から受信した位置情報121及び行動履歴情報122を予測部132に出力する。情報取得部131は、サーバ装置30から受信した乗車券情報123及び画像情報124を取得し、予測部132に出力する。
【0026】
予測部132は、情報取得部131によって取得された情報を用いて、各ユーザの乗車駅及び降車駅をそれぞれ予測する。ユーザは、すでに車両に乗っているユーザ、駅構内にいるユーザ、駅以外の場所にいるユーザを含む。
【0027】
予測部132は、例えば、あるユーザの現在位置、このユーザの過去の行動履歴、乗車券情報から取得できる乗降車駅、乗降時刻及び定期情報、駅構内や車両内の画像情報を基に、このユーザが乗車する乗車駅とその乗車時刻、このユーザが降車する降車駅とその降車時刻を予測する。例えば、予測部132は、ユーザの乗降車駅及び乗降時刻の予測結果を出力するように各ユーザの位置情報121、行動履歴情報122、乗車券情報123及び画像情報124を学習したモデルを用いて、各ユーザの乗車駅及び降車駅を予測する。また、予測部132は、ユーザの位置情報及び各車両内の画像情報を用いて、ユーザが、車両内のどの席に座っているか、どの位置に立っているかを判定してもよい。
【0028】
混雑状況算出部133は、予測部132によって予測された各ユーザの乗車駅及び降車駅に基づいて、各時刻における各車両の混雑状況を算出する。混雑状況算出部133は、予測部132の予測結果と、各駅構内及び運行中の各車両内の画像情報である画像情報124とを用いて、各時刻における各車両の混雑状況を算出する。
【0029】
例えば、混雑状況算出部133は、運行中の各車両内の最新画像を用いて、最新の混雑状況を算出する。そして、運行中の各車両内の最新の混雑状況、各駅構内の画像に基づいた駅構内の混雑状況、予測部132による予測された各ユーザの乗車駅、降車駅、乗車時間、降車時間を用いて、各時刻(例えば、各駅に停車する各時刻)の各車両の混雑状況を算出する。
【0030】
選択部134は、混雑状況算出部133によって算出された混雑状況に基づいて、各ユーザが指定する条件に合致する車両を、ユーザにレコメンドする車両として選択する。
図3及び
図4は、
図2に示す選択部134の選択処理を説明する図である。
【0031】
例えば、選択部134は、ユーザが空いている車両を条件として指定した場合には、該ユーザが乗車する乗車駅から所定の時刻の範囲に出発する列車の車両のうち、最も空いている車両を選択する。
【0032】
図3に示すように、選択部134は、ユーザが乗車すると予測された乗車駅において、ユーザの予測乗車時刻に出発する列車の車両のうち、混雑している3両車ではなく(
図3の(1)参照)、この列車の車両のうち最も空いている4号車(
図3の(2)参照)を選択し、ユーザにレコメンドする(
図3の(3)参照)。
【0033】
また、選択部134は、ユーザが、空いているとともに乗り換えしやすい車両及び乗車ドアを条件として指定した場合には、ユーザが乗車する乗車駅から所定の時刻の範囲に出発する列車の車両のうち、所定の混雑度よりも低い混雑度であって、ユーザの乗車ルートに合わせて乗り換えしやすい車両及び乗車ドアを選択して、ユーザにレコメンドしてもよい。このように、選択部134は、ユーザが、複数の条件を組み合わせた複合条件を指定した場合には、該ユーザが乗車する乗車駅から所定の時刻の範囲に出発する列車の車両のうち、この複合条件を満たす車両や乗車ドアを選択して、レコメンドしてもよい。また、選択部134は、1箇所(車両や乗車ドア)ではなく、複数個所を順位付けして選択し、順位の高い順に乗車車両や乗車ドアを、ユーザにレコメンドしてもよい。
【0034】
また、予測部132は、画像情報124を基に、ユーザが通った駅構内のルートや改札口を判別することで、ユーザの列車までの経路を予測してもよい。そして、選択部134は、空いている車両が複数ある場合には、予測部132が予測したユーザの経路に最も近い車両をレコメンドしてもよい。
【0035】
また、選択部134は、同時間に同ルートで鉄道を利用するユーザが複数いた場合には、レコメンドする車両をユーザで変えてもよい。例えば、ユーザCとユーザDが、同時間に同ルートで鉄道を利用する場合、選択部134は、空いている3号車、5号車のうち、ユーザCには、3号車をレコメンドし、ユーザDには、5号車をレコメンドする。
【0036】
また、選択部134は、ユーザが、座れる車両を条件として指定した場合には、該ユーザが乗車する乗車駅から所定の時刻の範囲に出発する列車の車両のうち、席が空く可能性が最も高い車両を選択する。
【0037】
例えば、
図4に示すように、予測部132が3号車に座っているユーザAが次のT駅で降車すると予測した場合(
図4の(1)参照)を例に説明する。この場合、選択部134は、この列車がT駅に停車する時刻に、T駅でこの列車に乗車する予定のユーザB(
図4の(2)参照)に、3号車を乗車車両としてレコメンドする(
図4の(3)参照)。この際、選択部134は、乗車する車両番号に加え、この車両のどのドアから乗車するとよいかについてもレコメンドしてよい。
【0038】
[通信処理の予測手順]
図5は、実施の形態に係る予測システムにおける予測処理の処理手順を示すシーケンス図である。
【0039】
図5に示すように、予測装置10は、鉄道会社X,Yのサーバ装置30X,30Yから、各ユーザの乗降駅と乗降日時とを示す乗車券情報、及び、各駅構内及び運行中の各車両内の画像情報である画像情報の提供を受ける(ステップS1-1,S1-2)。予測装置10は、レコメンドアプリケーションを介して、ユーザ端末20A,20Bから、各ユーザの位置を示す位置情報、各ユーザの行動履歴を示す行動履歴情報を受信する(ステップS2-1,S2-2)。
【0040】
予測装置10は、レコメンドアプリケーション上でユーザが指定した条件を受信すると、ユーザに乗車車両をレコメンドするために用いる、位置情報、行動履歴情報、乗車券情報、画像情報を取得する情報取得処理を行う(ステップS3)。予測装置10は、取得した情報を用いて、各ユーザの乗車駅、乗車時間、降車駅及び降車時間をそれぞれ予測する予測処理を行う(ステップS4)。
【0041】
予測装置10は、予測した各ユーザの乗車駅、乗車時間、降車駅及び降車時間に基づいて、各時刻における各車両の混雑状況を算出する混雑状況算出処理を行う(ステップS5)。
【0042】
予測装置10は、算出した混雑状況に基づいて、各ユーザが指定する条件に合致する車両を、ユーザにレコメンドする車両として選択する車両選択処理を行う(ステップS6)。そして、予測装置10は、レコメンドアプリケーションを介して、ユーザ端末20A,20Bに、ユーザごとに選択した車両を乗車車両としてレコメンドする(ステップS7-1,S7-2)。
【0043】
[実施の形態の効果]
このように、予測装置10によれば、複数ユーザの位置情報、乗車券情報及び行動履歴のうち、いずれか一つまたは複数の情報を用いて、レコメンドアプリケーションを使用する各ユーザの乗降車駅、乗降車時刻を予測し、この予測結果を用いて各車両の混雑状況を算出した上で、混雑状況に基づいて、各ユーザが指定する条件に合致する車両を、各ユーザにレコメンドする。このため、各ユーザは、実際に列車に乗車する際に、混雑が少ない車両に、ユーザごとに誘導されることとなる。したがって、本実施の形態によれば、各ユーザを、各ユーザにそれぞれ適した車両に誘導することができる。
【0044】
[システム構成等]
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行なわれる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUやGPU及び当該CPUやGPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0045】
また、本実施形態において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0046】
[プログラム]
また、上記実施形態において説明した予測装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。例えば、実施形態における予測装置10が実行する処理をコンピュータが実行可能な言語で記述したプログラムを作成することもできる。この場合、コンピュータがプログラムを実行することにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。さらに、かかるプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータに読み込ませて実行することにより上記実施形態と同様の処理を実現してもよい。
【0047】
図6は、プログラムを実行するコンピュータを示す図である。
図6に例示するように、コンピュータ1000は、例えば、メモリ1010と、CPU1020と、ハードディスクドライブインタフェース1030と、ディスクドライブインタフェース1040と、シリアルポートインタフェース1050と、ビデオアダプタ1060と、ネットワークインタフェース1070とを有し、これらの各部はバス1080によって接続される。
【0048】
メモリ1010は、
図6に例示するように、ROM(Read Only Memory)1011及びRAM1012を含む。ROM1011は、例えば、BIOS(Basic Input Output System)等のブートプログラムを記憶する。ハードディスクドライブインタフェース1030は、
図6に例示するように、ハードディスクドライブ1090に接続される。ディスクドライブインタフェース1040は、ディスクドライブ1100に接続される。例えば磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能な記憶媒体が、ディスクドライブ1100に挿入される。シリアルポートインタフェース1050は、例えばマウス1110、キーボード1120に接続される。ビデオアダプタ1060は、例えばディスプレイ1130に接続される。
【0049】
ここで、
図6に例示するように、ハードディスクドライブ1090は、例えば、OS1091、アプリケーションプログラム1092、プログラムモジュール1093、プログラムデータ1094を記憶する。すなわち、上記の、プログラムは、コンピュータ1000によって実行される指令が記述されたプログラムモジュールとして、例えばハードディスクドライブ1090に記憶される。
【0050】
また、上記実施形態で説明した各種データは、プログラムデータとして、例えばメモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶される。そして、CPU1020が、メモリ1010やハードディスクドライブ1090に記憶されたプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094を必要に応じてRAM1012に読み出し、各種処理手順を実行する。
【0051】
なお、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ハードディスクドライブ1090に記憶される場合に限られず、例えば着脱可能な記憶媒体に記憶され、ディスクドライブ等を介してCPU1020によって読み出されてもよい。あるいは、プログラムに係るプログラムモジュール1093やプログラムデータ1094は、ネットワーク(LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等)を介して接続された他のコンピュータに記憶され、ネットワークインタフェース1070を介してCPU1020によって読み出されてもよい。
【0052】
上記の実施形態やその変形は、本願が開示する技術に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0053】
10 予測装置
11 通信部
12 記憶部
13 制御部
20,20A,20B ユーザ端末
30,30X,30Y サーバ装置
121 位置情報
122 行動履歴情報
123 乗車券情報
124 画像情報
131 情報取得部
132 予測部
133 混雑状況算出部
134 選択部