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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158654
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】表示制御装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/055 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A61B5/055 390
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063698
(22)【出願日】2021-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】奥住 啓介
【テーマコード(参考)】
4C096
【Fターム(参考)】
4C096AB39
4C096AD19
4C096FC02
4C096FC09
(57)【要約】
【課題】ユーザの利便性を向上させること。
【解決手段】 実施形態に係る表示制御装置は、取得部と、表示制御部とを備える。取得部は、ボア外の被検者を撮影可能な第1カメラにより撮影された第1画像と、前記ボア内の被検者を撮影可能な第2カメラにより撮影された第2画像とを取得する。表示制御部は、前記第1画像と前記第2画像とを表示部に表示させる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボア外の被検者を撮影可能な第1カメラにより撮影された第1画像と、前記ボア内の被検者を撮影可能な第2カメラにより撮影された第2画像とを取得する取得部と、
前記第1画像と前記第2画像とを表示部に表示させる表示制御部と、
を備える表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記第1画像と前記第2画像とを前記表示部に同時に表示させる、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記取得部は、前記第2画像をリアルタイムで取得し、
前記表示制御部は、前記ボア外において天板に載置された前記被検者の前記第1画像を前記表示部に表示させるとともに、前記第2画像を前記表示部にリアルタイム表示させる、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記第1画像と前記第2画像とを切り替えながら前記表示部に表示させる、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、天板を前記ボア内へ挿入するタイミングで、前記第1画像と前記第2画像とを切り替える、請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記第2カメラが前記被検者を検出した場合に、前記第1画像から前記第2画像へ、前記表示部に表示させる画像を切り替える、請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第1カメラが前記被検者を検出しなくなった場合に、前記第1画像から前記第2画像へ、前記表示部に表示させる画像を切り替える、請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記被検者の体位に応じて、前記第1画像と前記第2画像とを切り替える、請求項4に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記被検者がヘッドファーストで前記ボアに入る場合には前記第1画像を前記表示部に表示させ、前記被検者がフィートファーストで前記ボアに入る場合には前記第2画像を前記表示部に表示させる、請求項1に記載の表示制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、表示制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等の医用画像診断装置において、被検者の患者セッティングを自動化することが望ましい。
【0003】
ここで、例えば撮像室内の天井にカメラを設置して、被検者の上面から被検者を撮影し、被検者の情報を取得することで、患者セッティングの自動化に役立てることが考えられる。
【0004】
加えて、被検者を撮像領域へ移動させた後は、被検者の上面からの画像だけでなく、ボア内を撮影している画像も、取得されることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009-39519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本明細書及び図面の開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、ユーザの利便性を高めることである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態に係る表示制御装置は、取得部と、表示制御部とを備える。取得部は、ボア外の被検者を撮影可能な第1カメラにより撮影された第1画像と、前記ボア内の被検者を撮影可能な第2カメラにより撮影された第2画像とを取得する。表示制御部は、前記第1画像と前記第2画像とを表示部に表示させる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る表示制御装置が組み込まれた磁気共鳴イメージング装置の一例を示した図である。
図2図2は、実施形態に係る表示制御装置の一例を示した図である。
図3図3は、第1の実施形態に係る表示制御装置の行う処理について説明した図である。
図4図4は、第2の実施形態に係る表示制御装置が行う処理について説明した図である。
図5図5は、第2の実施形態に係る表示制御装置が行う処理について説明した図である。
図6図6は、第3の実施形態に係る表示制御装置が行う処理について説明した図である。
図7図7は、第3の実施形態に係る表示制御装置が行う処理について説明した図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、表示制御装置の実施形態について詳細に説明する。
【0010】
(第1の実施形態)
図1は、実施形態に係る表示制御装置130が、磁気共鳴イメージング装置100に組み込まれている場合の構成を示した図である。ただし、実施形態は、表示制御装置130が、磁気共鳴イメージング装置100に組み込まれている場合に限られず、表示制御装置130が、磁気共鳴イメージング装置100から独立して構成されていてもよい。また、表示制御装置130は、超音波診断装置など、磁気共鳴イメージング装置100以外のモダリティの装置に組み込まれていてもよい。
【0011】
図1に示すように、磁気共鳴イメージング装置100は、静磁場磁石101と、静磁場電源(図示しない)と、傾斜磁場コイル103と、傾斜磁場電源104と、寝台105と、寝台制御回路106と、送信コイル107と、送信回路108と、受信コイル109と、受信回路110と、シーケンス制御回路120(シーケンス制御部)と、表示制御装置130と、第1カメラ140と、第2カメラ141と、架台パネル170とを備える。なお、磁気共鳴イメージング装置100に、被検者P(例えば、人体)は含まれない。また、図1に示す構成は一例に過ぎない。例えば、シーケンス制御回路120及び表示制御装置130内の各部は、適宜統合若しくは分離して構成されてもよい。
【0012】
静磁場磁石101は、中空の略円筒形状に形成された磁石であり、円筒内部の空間において、その中心軸(Z軸)方向に静磁場を発生する。静磁場磁石101は、例えば、超伝導磁石等であり、静磁場電源から電流の供給を受けて励磁される。静磁場電源は、静磁場磁石101に電流を供給する。別の例として、静磁場磁石101は、永久磁石でもよく、この場合、磁気共鳴イメージング装置100は、静磁場電源を備えなくてもよい。また、静磁場電源は、磁気共鳴イメージング装置100とは別に備えられてもよい。
【0013】
傾斜磁場コイル103は、中空の略円筒形状に形成されたコイルであり、静磁場磁石101の内側に配置される。傾斜磁場コイル103は、互いに直交するX、Y、及びZの各軸に対応する3つのコイルが組み合わされて形成されており、これら3つのコイルは、傾斜磁場電源104から個別に電流の供給を受けて、X、Y、及びZの各軸に沿って各軸の中心からの距離に応じてZ方向の磁場強度が変化する傾斜磁場を発生する。傾斜磁場コイル103によって発生するX、Y、及びZの各軸の傾斜磁場は、例えば、スライス用傾斜磁場Gs、位相エンコード用傾斜磁場Ge、及びリードアウト用傾斜磁場Grである。傾斜磁場電源104は、傾斜磁場コイル103に電流を供給する。
【0014】
寝台105は、被検者Pが載置される天板105aを備え、寝台制御回路106による制御の下、天板105aを、被検者Pが載置された状態で、傾斜磁場コイル103の空洞(撮像口)内へ挿入する。通常、寝台105は、長手方向が静磁場磁石101の中心軸と平行になるように設置される。寝台制御回路106は、表示制御装置130による制御の下、寝台105を駆動して天板105aを長手方向及び上下方向へ移動する。
【0015】
送信コイル107は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、送信回路108からRF(Radio Frequency:高周波磁場)パルスの供給を受けて、高周波磁場を発生する。送信回路108は、対象とする原子の種類及び磁場強度で定まるラーモア(Larmor)周波数に対応するRFパルスを送信コイル107に供給する。
【0016】
受信コイル109は、傾斜磁場コイル103の内側に配置され、高周波磁場の影響によって被検者Pから発せられる磁気共鳴信号(以下、必要に応じて、「MR信号」と呼ぶ)を受信する。受信コイル109は、磁気共鳴信号を受信すると、受信した磁気共鳴信号を受信回路110へ出力する。
【0017】
なお、上述した送信コイル107及び受信コイル109は一例に過ぎない。送信機能のみを備えたコイル、受信機能のみを備えたコイル、若しくは送受信機能を備えたコイルのうち、1つ若しくは複数を組み合わせることによって構成されればよい。
【0018】
受信回路110は、受信コイル109から出力される磁気共鳴信号を検出し、検出した磁気共鳴信号に基づいて磁気共鳴データを生成する。具体的には、受信回路110は、受信コイル109から出力される磁気共鳴信号をデジタル変換することによって磁気共鳴データを生成する。また、受信回路110は、生成した磁気共鳴データをシーケンス制御回路120へ送信する。なお、受信回路110は、静磁場磁石101や傾斜磁場コイル103等を備える架台装置側に備えられてもよい。
【0019】
シーケンス制御回路120は、表示制御装置130から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源104、送信回路108及び受信回路110を駆動することによって、被検者Pの撮像を行う。ここで、シーケンス情報は、撮像を行うための手順を定義した情報である。シーケンス情報には、傾斜磁場電源104が傾斜磁場コイル103に供給する電流の強さや電流を供給するタイミング、送信回路108が送信コイル107に供給するRFパルスの強さやRFパルスを印加するタイミング、受信回路110が磁気共鳴信号を検出するタイミング等が定義される。例えば、シーケンス制御回路120は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等の電子回路である。
【0020】
さらに、シーケンス制御回路120は、傾斜磁場電源104、送信回路108及び受信回路110を駆動して被検者Pを撮像した結果、受信回路110から磁気共鳴データを受信すると、受信した磁気共鳴データを表示制御装置130へ転送する。
【0021】
第1カメラ140は、ボア外の被検者Pを撮影可能なカメラであり、例えば撮像室内天井に設定される。この場合、第1カメラ140は、被検者Pを、上から撮影する。
【0022】
第2カメラ141は、ボア内の被検者Pを撮影可能なカメラであり、例えば、撮像室内の側面の壁に設置される。
【0023】
架台パネル170は、架台に備えられる表示パネルであり、例えば液晶表示器等の表示デバイスである。架台パネルは、例えば入力装置及びディスプレイを備え、表示制御装置130における入力装置134及びディスプレイ135と同様の機能を備える。
【0024】
表示制御装置130は、得られた画像などの表示の制御を行うとともに、磁気共鳴イメージング装置100の全体制御や、画像の生成等も併せて行う。図2に、表示制御装置130の構成の一例が示されている。表示制御装置130は、メモリ132、入力装置134、ディスプレイ135、処理回路150を備える。処理回路150は、インタフェース機能131、制御機能133、生成機能136を備える。
【0025】
なお、以下、磁気共鳴イメージング装置100に組み込まれた表示制御装置130が、表示制御装置として機能する場合をする場合について説明するが、実施形態はかかる場合に限られない。表示制御装置130は、磁気共鳴イメージング装置100から独立して、単体で表示制御装置として構成されていてもよい。かかる場合、表示制御装置130に含まれる処理回路150は、いくつかの機能、例えば、生成機能150c、インタフェース機能150dなど、磁気共鳴イメージング装置100の動作を制御する機能を含まずに構成されていてもよい。
【0026】
実施形態では、取得機能150a、表示制御機能150b、生成機能150c、インタフェース機能150dにて行われる各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ132へ記憶されている。処理回路150はプログラムをメモリ132から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、図2の処理回路150内に示された各機能を有することになる。なお、図2においては単一の処理回路150にて、取得機能150a、表示制御機能150b、生成機能150c、インタフェース機能150dにて行われる処理機能が実現されるものとして説明するが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路150を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。換言すると、上述のそれぞれの機能がプログラムとして構成され、1つの処理回路150が各プログラムを実行する場合であってもよい。別の例として、特定の機能が専用の独立したプログラム実行回路に実装される場合であってもよい。なお、図2において、取得機能150a、表示制御機能150b、生成機能150c、インタフェース機能150dは、それぞれ取得部、表示制御部、生成部、制御部の一例である。また、シーケンス制御回路120は、シーケンス制御部の一例である。また、ディスプレイ135及び架台パネル170は、表示部の一例である。
取得機能150a及び表示制御機能150bの機能の詳細については、後述する。
【0027】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサはメモリ132に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0028】
また、メモリ132にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、寝台制御回路106、送信回路108、受信回路110等も同様に、上記のプロセッサ等の電子回路により構成される。
【0029】
処理回路150は、取得機能150aにより、磁気共鳴イメージング装置10の様々な情報を取得する。一例として、処理回路150は、取得機能150aにより、シーケンス制御回路120から、シーケンス制御回路120が実行するパルスシーケンスの種類についての情報を取得する。また、処理回路150は、取得機能150aにより、第1カメラ140または第2カメラ141を通じて画像を取得する。また、処理回路150は、取得機能150aにより、寝台制御回路106から、天板105aの位置情報を取得する。
【0030】
処理回路150は、表示制御機能150bにより、磁気共鳴イメージング装置100の全体制御を行い、撮像や画像の生成、画像の表示等を制御する。例えば、処理回路150は、表示制御機能150bにより、第1カメラ140により得られた第1画像や、第2カメラ141により得られた第2画像を、ディスプレイ135に表示させる。また、表示制御機能150bを有する処理回路150は、撮像条件(撮像パラメータ等)の入力をGUI上で受け付け、受け付けた撮像条件に従ってシーケンス情報を生成する。また、表示制御機能150bを有する処理回路150は、生成したシーケンス情報をシーケンス制御回路120へ送信する。
【0031】
処理回路150は、生成機能150cにより、シーケンス制御回路120が実行するパルスシーケンスにより得られた磁気共鳴データに基づいて得られたk空間データにフーリエ変換等の再構成処理を施すことで、画像を生成する。
【0032】
処理回路150は、インタフェース機能150dにより、シーケンス情報をシーケンス制御回路120へ送信し、シーケンス制御回路120から磁気共鳴データを受信する。また、磁気共鳴データを受信すると、インタフェース機能150dを有する処理回路150は、受信した磁気共鳴データをメモリ132に格納する。
【0033】
メモリ132は、インタフェース機能150dを有する処理回路150によって受信された磁気共鳴データや、生成機能150cを有する処理回路150によって生成された画像データ等を記憶する。例えば、メモリ132は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等である。
【0034】
入力装置134は、操作者からの各種指示や情報入力を受け付ける。入力装置134は、例えば、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス、モード切替スイッチ等の選択デバイス、あるいはキーボード等の入力デバイスである。ディスプレイ135は、表示制御機能150bを有する処理回路150による制御の下、第1カメラ140により得られた第1画像、第2カメラ141により得られた第2画像、撮像条件の入力を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)、生成機能150cを有する処理回路150によって生成された画像等を表示する。ディスプレイ135は、例えば、液晶表示器等の表示デバイスである。
【0035】
続いて、実施形態に係る背景について説明する。
【0036】
MRI装置等の医用画像診断装置において、被検者の患者セッティングを自動化することが望ましい。
【0037】
ここで、例えば撮像室内の天井にカメラを設置して、被検者の上面から被検者を撮影し、被検者の情報を取得することにより、患者セッティングに役立てることが考えられる。
【0038】
一方、被検体を撮像領域へ移動させた後は、被検者の上面からの画像だけでなく、ボア内の画像をも表示させることが望ましい。
【0039】
これらの背景に鑑みて、ユーザの利便性を高めるため、実施形態に係る表示制御装置130は、処理回路150を備える。処理回路150は、取得機能150aにより、ボア外の被検者Pを撮影可能な第1カメラ140により撮影された第1画像と、ボア内の被検者を撮影可能な第2カメラ141により撮影された第2画像とを取得する。処理回路150は、表示制御機能150bにより、第1画像と第2画像とをディスプレイ135に表示させる。
【0040】
第1の実施形態では、複数のカメラの画像を、架台パネル170やコンソール135に同時に複数表示する。かかる状況が、図3に示されている。
【0041】
図3において、ボア外の被検者Pを撮影可能な第1カメラ140が天井に、ボア内の被検者Pを撮影可能な第2カメラ141が、側面の壁に設置されている。被検者Pは、寝台105の天板105aに載置され、架台レール180に沿って移動する。ここで、第1の実施形態に係る表示制御装置130は、処理回路150の表示制御機能150bにより、ボア外の被検者Pを撮影可能な第1カメラ140により撮影された第1画像20と、ボア内の被検者を撮影可能な第2カメラ141により撮影された第2画像21とを、ディスプレイ135や、架台パネル170に同時に表示される。すなわち、表示制御装置130は、複数のカメラの画像を、架台パネル170やディスプレイ135に同時に複数表示する。
【0042】
なお、第2カメラ141は、被検者Pをリアルタイムで撮影してもよい。かかる場合、処理回路150は、取得機能150aにより、第2カメラ141により撮影された第2画像をリアルタイムで取得する。処理回路150は、表示制御機能150bにより、被検者Pの第1画像20を架台パネル170やディスプレイ135に表示させるとともに、第2カメラ141によりリアルタイムで撮影された第2画像21を、架台パネル170やディスプレイ135にリアルタイム表示させる。なお、この時処理回路150が表示制御機能150bにより架台パネル170またはディスプレイ135に表示させる第1画像20は、その時点においてリアルタイムで撮影された画像ではなく、被検者Pがボアに入る前に撮影された過去の画像であってもよい。
【0043】
このように、第1の実施形態では、複数のカメラの画像を、架台パネル170やコンソール135に同時に複数表示する。これにより、患者の状態を把握するための画像をユーザに効果的に提供することができ、ユーザの利便性が向上する。例えば、被検者Pの位置を、複数の視点からみたカメラにより確認することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0044】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、複数のカメラの画像を、架台パネル170やコンソール135に同時に複数表示する場合について説明した。これに対して、第2の実施形態では、複数のカメラの画像を、切り替えて表示する。これにより、被検者Pの位置を、必要に応じて、複数の視点からみたカメラにより確認することができ、ユーザの利便性が向上する。
【0045】
図4及び図5において、ボア外の被検者Pを撮影可能な第1カメラ140が天井に、ボア内の被検者Pを撮影可能な第2カメラ141が、側面の壁に設置されている。被検者Pは、寝台105の天板105aに載置され、架台レール180に沿って移動する。図4は、被検者Pがボアの外にいる場合の状況を示しており、図5は、被検者Pがボアの中にいる場合の状況を示している。
【0046】
ここで、第2の実施形態では、処理回路150は、表示制御機能150bにより、第1画像20と第2画像21とを切り替えながら、ディスプレイ135や架台パネル170に表示させる。
【0047】
例えば、図4のように、被検者Pがボア外にいる場合には、被検体Pはボア内に挿入されておらず第1カメラ140のみを用いるので十分であるから、処理回路150は、表示制御機能150bにより、ボア外の被検者Pを撮影可能な第1カメラ140により撮影された第1画像20を、ディスプレイ136や架台パネル170に表示する。
【0048】
続いて、処理回路150は、表示制御機能150bにより、天板105aをボア内に挿入するタイミングで、ディスプレイ135や架台パネル170に表示させる画像を切り替える。
【0049】
例えば、処理回路150は、表示制御機能150bにより、第2カメラ141が被検者Pを検出した場合に、第1画像20から第2画像21へ、ディスプレイ135や架台パネル170に表示させる画像を切り替える。例えば、処理回路150は、取得機能150bにより、寝台制御回路105を通じて天板105aの位置を取得し、取得した位置に基づいて、表示制御機能150bにより、第1画像20から第2画像21へ、ディスプレイ135または架台パネル170に表示させる画像を切り替える。
【0050】
また、例えば、処理回路150は、表示制御機能150bにより、第1カメラ140が被検体Pを検出しなくなった場合に、第1画像20から第2画像21へ、ディスプレイ136や架台パネル170に表示させる画像を切り替えてもよい。一例として、処理回路150は、図示しない判定機能により、第1画像20に対して、輪郭抽出などの画像認識処理を行い、第1画像20の中に被検体Pが含まれるか否かの判定を行い、判定結果に基づいて、第1カメラ140が被検体Pを検出しなくなった場合に、第1画像20から第2画像21へ、ディスプレイ136や架台パネル170に表示させる画像を切り替える。
【0051】
この結果、図5のように、被検者Pがボア内にいる場合には、処理回路150は、表示制御機能150bにより、ボア内の被検者を撮影可能な第2カメラ141により撮影された第2画像21を、ディスプレイ135や、架台パネル170に表示する。
【0052】
すなわち、第2の実施形態では、処理回路150は、表示制御機能150bにより、ボア外の被検者Pを撮影可能な第1カメラ140と、ボア内の被検者を撮影可能な第2カメラ141とを適宜切り替えて表示する。これにより、状況に応じて必要なカメラを表示部に表示することができ、患者の状態をより的確に把握できるようになるので、ユーザの利便性が向上する。
【0053】
(第3の実施形態)
第2の実施形態では、被検者Pがボア内にいるかボア外にいるに応じて表示部に表示させる画像を切り替える例について述べた。第3の実施形態では、被検者Pの体位に応じて、表示部に表示させる画像を切り替える。例えば、第3の実施形態では、処理回路150は、表示制御機能150bにより、被検体Pがヘッドファーストでボアに入るか、フィートファーストでボアに入るかに応じて、ディスプレイ135または架台パネル170に表示させる画像を切り替える。
【0054】
例えば、図6のように、被検者Pがボアに頭から入る(ヘッドファースト)の場合には、ボア内を撮影可能な第2カメラ141により得られた第2画像21の情報が相対的に重要になるから、処理回路150は、表示制御機能150bにより、ディスプレイ135または架台パネル170に、ボア内を撮影可能な第2カメラ141により撮影された第2画像21を表示させる。
【0055】
一方、図7のように、被検体Pがボアに足から入る(フィートファースト)の場合、例えば被検体Pの頭部がボアの外に出た状態で撮影が行われることもある。この場合、被検者Pの表情などを確認するなどの目的のため、ボア外を撮影可能な第1カメラ140により得られた第1画像20の情報を表示したい場合がある。従って、フィートファーストの場合には、処理回路150は、表示制御機能150bにより、ディスプレイ135または架台パネル170に、ボア外を撮影可能な第1カメラ140により撮影された第1画像20を表示させる。
【0056】
なお、かかる場合、図7に示されているように、処理回路150は、表示制御機能150bにより、第1カメラ140により撮影された画像のうち、被検体Pと関係のない不要な部分を除去し、必要な部分を拡大した画像を、第1画像20としてディスプレイ135または架台パネルに表示させてもよい。
【0057】
なお、処理回路150は、表示制御機能150bにより、ディスプレイ135または架台パネル170に、ボア内を撮影可能な第2カメラ141により得られた第2画像21を、ユーザの求めに応じて表示させてもよい。一例として、処理回路150は、表示制御機能150bにより、ユーザが表示部に表示されたボタンを入力装置134により選択することにより第2画像21を表示させる旨の指令を受け付けると、ディスプレイ135または架台パネル170に、第1画像20に加えて第2画像21を表示させてもよい。
【0058】
以上、第3の実施形態では、被検者Pの体位に応じて、処理回路150は、制御機能150bにより、ディスプレイ135または架台パネル170に表示させる画像を切り替える。これにより、撮影のタイプに応じた画像が自動的に表示され、ユーザの切り替え操作が不要になるので、検査のスループットが向上し、ユーザの利便性が向上する。
【0059】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0060】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0061】
150 処理回路
150a 取得機能
150b 表示制御機能
150c 生成機能
150d インタフェース機能
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7