(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158706
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ヘッドマウントディスプレイ
(51)【国際特許分類】
H04N 5/64 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
H04N5/64 511A
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063787
(22)【出願日】2021-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】000201113
【氏名又は名称】船井電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(74)【代理人】
【識別番号】100155608
【弁理士】
【氏名又は名称】大日方 崇
(72)【発明者】
【氏名】清水 真弥
(57)【要約】
【課題】頭部装着部材の重量バランスが偏ることに起因する頭部装着部材の装着位置のずれを抑制することが可能なヘッドマウントディスプレイを提供する。
【解決手段】このヘッドマウントディスプレイ100は、ユーザーUに視認させる画像Gを表示する表示部14と、頭部Uaに装着される頭部装着部材103に着脱可能に取り付けられる本体用取付部20とを含む本体部1と、本体部1とは別個に設けられ、本体部1を取り付けた状態の頭部装着部材103の重量バランスを調整する錘部材2とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーに視認させる画像を表示する表示部と、頭部に装着される頭部装着部材に着脱可能に取り付けられる本体用取付部とを含む本体部と、
前記本体部とは別個に設けられ、前記本体部を取り付けた状態の前記頭部装着部材の重量バランスを調整する錘部材とを備える、ヘッドマウントディスプレイ。
【請求項2】
前記本体部は、ユーザーの片眼に対応する位置に前記表示部からの画像が表示される状態で、前記頭部装着部材における頭部の左右方向の一方側に前記本体用取付部により取り付けられるように構成されており、
前記錘部材は、前記頭部装着部材における頭部の左右方向の他方側に取り付けられることにより、前記本体部を取り付けた状態の前記頭部装着部材の左右方向の重量バランスを調整する左右バランス用錘部を含む、請求項1に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項3】
前記錘部材は、前記本体部を取り付けた状態の前記頭部装着部材の重量バランスを調整するとともに、前記本体部に給電可能な錘兼用バッテリをさらに含む、請求項1または2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項4】
前記本体部は、本体用バッテリを含み、
前記錘兼用バッテリは、前記本体用バッテリとは別個に設けられ、前記頭部装着部材の重量バランスを調整している、請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項5】
前記本体部は、バッテリを含んでおらず、
前記錘兼用バッテリは、前記本体部に給電するとともに、前記頭部装着部材の重量バランスを調整している、請求項3に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項6】
前記錘部材は、
前記頭部装着部材の重量バランスを調整する錘と、
前記錘を前記頭部装着部材に着脱可能に取り付ける錘用取付部とを含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項7】
前記錘部材は、前記本体部および前記左右バランス用錘部の両方を取り付けた状態の前記頭部装着部材の前後方向の重量バランスを調整する前後バランス用錘部をさらに含む、請求項2に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項8】
前記頭部装着部材は、自転車用のヘルメット、前記ヘルメットに装着されるバイザー、および、眼鏡の少なくともいずれかを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項9】
前記本体部は、
頭部に取り付けた状態の前記本体部の傾きを計測する傾きセンサと、
前記傾きセンサにより計測された前記本体部の傾きに応じて向きが変更された前記画像を前記表示部によって表示させる制御部とをさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項10】
前記制御部は、前記傾きセンサの計測値により予め設定された動きに沿った頭部の動作を携帯端末が認識したことに基づいて前記携帯端末において実行される前記予め設定された動きに対応する所定の機能を、前記本体部の前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、請求項9に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【請求項11】
前記制御部は、頭部に前記本体部を取り付けた前記頭部装着部材を装着した状態のユーザーの移動中、前記傾きセンサの計測値を継続して携帯端末に送信する制御を行うように構成されている、請求項9または10に記載のヘッドマウントディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ヘッドマウントディスプレイに関し、特に、ユーザーに視認させる画像を表示する表示部を備えるヘッドマウントディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーに視認させる画像を表示する表示部を備えるヘッドマウントディスプレイが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、ユーザーに視認させる画像を表示する液晶パネルを備えるヘッドマウントディスプレイ装置が知られている。ヘッドマウントディスプレイ装置は、クリップ部と、メイン筐体と、光学系筐体とを備えている。液晶パネルは、光学系筐体内に配置されている。クリップ部は、メイン筐体に設けられている。ヘッドマウントディスプレイ装置は、たとえば、眼鏡の耳に掛ける部分であるテンプルをクリップ部で挟むことにより、眼鏡に装着されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1のヘッドマウントディスプレイ装置が、眼鏡などの頭部装着部材に装着された状態では、頭部装着部材の重量バランスが偏るという不都合がある。このため、上記特許文献1のヘッドマウントディスプレイ装置では、頭部装着部材の重量バランスが偏ることに起因して頭部装着部材の装着位置がずれる場合があるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、頭部装着部材の重量バランスが偏ることに起因する頭部装着部材の装着位置のずれを抑制することが可能なヘッドマウントディスプレイを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面によるヘッドマウントディスプレイは、ユーザーに視認させる画像を表示する表示部と、頭部に装着される頭部装着部材に着脱可能に取り付けられる本体用取付部とを含む本体部と、本体部とは別個に設けられ、本体部を取り付けた状態の頭部装着部材の重量バランスを調整する錘部材とを備える。
【0008】
この発明の一の局面によるヘッドマウントディスプレイでは、上記のように、本体部とは別個に設けられ、本体部を取り付けた状態の頭部装着部材の重量バランスを調整する錘部材を設ける。これにより、ヘッドマウントディスプレイが頭部装着部材に装着された状態でも、錘部材により頭部装着部材の重量バランスが偏らないようすることができるので、頭部装着部材の重量バランスが偏ることに起因する頭部装着部材の装着位置のずれを抑制することができる。
【0009】
上記一の局面によるヘッドマウントディスプレイにおいて、好ましくは、本体部は、ユーザーの片眼に対応する位置に表示部からの画像が表示される状態で、頭部装着部材における頭部の左右方向の一方側に本体用取付部により取り付けられるように構成されており、錘部材は、頭部装着部材における頭部の左右方向の他方側に取り付けられることにより、本体部を取り付けた状態の頭部装着部材の左右方向の重量バランスを調整する左右バランス用錘部を含む。このように構成すれば、左右バランス用錘部により、左右方向の一方側に重量バランスが偏らないようにすることができるので、頭部装着部材が左右方向の一方側にずれないようにすることができる。
【0010】
上記一の局面によるヘッドマウントディスプレイにおいて、好ましくは、錘部材は、本体部を取り付けた状態の頭部装着部材の重量バランスを調整するとともに、本体部に給電可能な錘兼用バッテリをさらに含む。このように構成すれば、錘部材を錘兼用バッテリにすることにより、錘がバッテリ機能を備えていない場合と比較して、本体部にバッテリを配置しない、または、本体部内のバッテリの容量を小さくしてその分を錘兼用バッテリにより補うなどのバッテリの配置および設計の自由度を向上させることができる。また、本体部にバッテリを内蔵させることなく、錘兼用バッテリから本体部に電力を供給することができるので、本体部の部品点数を削減することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、本体部は、本体用バッテリを含み、錘兼用バッテリは、本体用バッテリとは別個に設けられ、頭部装着部材の重量バランスを調整している。このように構成すれば、本体部に電力を供給するバッテリの容量が本体用バッテリに対して錘兼用バッテリの分だけ加算されるので、本体部にバッテリとして本体用バッテリのみを用いる場合と比較して、本体用バッテリの総容量を大きくすることができる。その結果、ヘッドマウントディスプレイの稼働時間を長くすることができる。
【0012】
上記錘兼用バッテリを備えるヘッドマウントディスプレイにおいて、好ましくは、本体部は、バッテリを含んでおらず、錘兼用バッテリは、本体部に給電するとともに、頭部装着部材の重量バランスを調整している。このように構成すれば、本体部がバッテリを含まない分だけ本体部の重量を小さくすることができるので、頭部装着部材に生じる重量バランスの偏りを小さくすることができる。また、本体部にバッテリを内蔵させることなく、錘兼用バッテリから本体部に電力を供給することができるので、本体部の部品点数を削減することができる。
【0013】
上記一の局面によるヘッドマウントディスプレイにおいて、好ましくは、錘部材は、頭部装着部材の重量バランスを調整する錘と、錘を頭部装着部材に着脱可能に取り付ける錘用取付部とを含む。このように構成すれば、錘用取付部により錘の位置を容易に変更することができるので、錘により容易に頭部装着部材の重量バランスを調整することができる。
【0014】
上記左右バランス用錘部を備えるヘッドマウントディスプレイにおいて、好ましくは、錘部材は、本体部および左右バランス用錘部の両方を取り付けた状態の頭部装着部材の前後方向の重量バランスを調整する前後バランス用錘部をさらに含む。このように構成すれば、左右だけでなく前後の重量バランスを調整することができるので、頭部装着部材の重量バランスが偏ることに起因する頭部装着部材の装着位置のずれをより抑制することができる。
【0015】
上記一の局面によるヘッドマウントディスプレイにおいて、好ましくは、頭部装着部材は、自転車用のヘルメット、ヘルメットに装着されるバイザー、および、眼鏡の少なくともいずれかを含む。このように構成すれば、比較的軽量な頭部装着部材では本体部に起因して重量バランスが偏りずれが生じやすいが、錘部材により、比較的軽量な頭部装着部材であっても重量バランスが偏らないようにすることができるので、比較的軽量な頭部装着部材であってもずれを抑制することができる。
【0016】
上記一の局面によるヘッドマウントディスプレイにおいて、好ましくは、本体部は、頭部に取り付けた状態の本体部の傾きを計測する傾きセンサと、傾きセンサにより計測された本体部の傾きに応じて向きが変更された画像を表示部によって表示させる制御部とをさらに含む。このように構成すれば、自動で画像が適切な向きに変更されるので、ユーザーが手動で調整する場合よりも、ユーザーに負担がかからないようにすることができる。
【0017】
この場合、好ましくは、制御部は、傾きセンサの計測値により予め設定された動きに沿った頭部の動作を携帯端末が認識したことに基づいて携帯端末において実行される予め設定された動きに対応する所定の機能を、本体部の表示部に表示させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、ユーザーが携帯端末を直接操作せずとも所定の機能を起動させることができるので、ユーザーが容易に所定の機能を携帯端末に実行させることができる。
【0018】
上記傾きセンサを備えるヘッドマウントディスプレイにおいて、好ましくは、制御部は、頭部に本体部を取り付けた頭部装着部材を装着した状態のユーザーの移動中、傾きセンサの計測値を継続して携帯端末に送信する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、自転車などでの走行時のユーザーの姿勢を携帯端末に記録することができるので、上記記録に基づく走行時の姿勢を安定させるために有用な情報を携帯端末を介してユーザーに提供することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、頭部装着部材の重量バランスが偏ることに起因する頭部装着部材の装着位置のずれを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】第1実施形態のヘッドマウントディスプレイをヘルメットのバイザーに取り付けた状態を示した図である。
【
図2】第1実施形態の携帯端末および本体部の機能を示したブロック図である。
【
図4】第1実施形態の本体部においてカバーを外した状態を示した斜視図である。
【
図5】第1実施形態の本体部および左右バランス用錘部をバイザーに取り付けた状態を示した斜視図である。
【
図6】第1実施形態の本体部をバイザーに取り付けた状態を示した断面図である。
【
図7】第1実施形態の本体部および左右バランス用錘部をバイザーに取り付けるとともに、前後バランス用錘部をヘルメットに取り付けた状態を示した平面図である。
【
図8】第1実施形態の左右バランス用錘部をバイザーに取り付けた状態を示した断面図である。
【
図9】第1実施形態の本体部、左右バランス用錘部および前後バランス用錘部を示した側面図である。
【
図10】第2実施形態の携帯端末および本体部の機能を示したブロック図である。
【
図11】第2実施形態の本体部および左右バランス用錘部をバイザーに取り付けた状態を示した斜視図である。
【
図12】第3実施形態の携帯端末および本体部の機能を示したブロック図である。
【
図13】第3実施形態の本体部および左右バランス用錘部をバイザーに取り付けた状態を示した斜視図である。
【
図14】第4実施形態の携帯端末および本体部の機能を示したブロック図である。
【
図15】第4実施形態の携帯端末において傾きセンサの計測値の基準値を設定する際の画面を示した図である。
【
図16】第4実施形態の本体部を縦向きから横向きに変更した状態を示した図である。
【
図17】第4実施形態の本体部を縦向きから横向きに変更した際の画像の調整を示した図である。
【
図18】第4実施形態の本体部を右目用から左目用に変更した状態を示した図である。
【
図19】第4実施形態の本体部を右目用から左目用に変更した際の画像の調整を示した図である。
【
図20】第4実施形態の携帯端末において傾きセンサの計測値の記録を表示した状態の画面を示した図である。
【
図21】第4実施形態の携帯端末において本体部の向きに合わせて画像を手動で変更可能な画面を示した図である。
【
図22】第4実施形態の携帯端末において本体部の向きを縦設置に手動で変更した場合の画面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1~
図8を参照して、第1実施形態のヘッドマウントディスプレイ100の構成について説明する。
図1に示すように、ヘッドマウントディスプレイ100は、ユーザーUが自転車などの二輪車による走行中において、携帯端末101に表示されたナビ情報などの画像Gを表示させるように構成されている。ヘッドマウントディスプレイ100は、たとえば、食料品を配達する(フードデリバリーの)際に用いられることが考えられる。
【0023】
図1および
図2に示すように、携帯端末101は、通信部110と、表示部111と、制御部112と、記憶部113と、入力受付部114とを有する。携帯端末101は、スマートフォンである。
【0024】
(携帯端末)
通信部110は、後述する通信部11と通信可能に接続されている。通信部110は、たとえば、Bluetooth(登録商標)通信により、通信部11と無線通信を行うように構成されている。通信部110は、インターネットと通信可能に接続されている。
【0025】
表示部111は、画像111aを表示するように構成されている。表示部111は、たとえば、液晶パネルおよび有機エレクトロルミネッセンスパネルなどである。
【0026】
制御部112は、携帯端末101を制御するように構成されている。制御部112は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)などを含んでいる。
【0027】
記憶部113は、制御部112が実行する各種プログラムが記憶されている。記憶部113は、半導体記憶装置(フラッシュメモリ(登録商標))などの不揮発性の記憶装置である。
【0028】
入力受付部114は、ユーザーUの操作入力を受け付けるように構成されている。入力受付部114は、たとえば、静電容量タッチセンサシートを含む。すなわち、携帯端末101では、表示部111および入力受付部114により、タッチパネルが構成されている。
【0029】
(ヘッドマウントディスプレイ)
ヘッドマウントディスプレイ100は、本体部1と、錘部材2とを備えている。
【0030】
本体部1は、非透過型であり、開放型(インサイトディスプレイ)であり、かつ、単眼型のヘッドマウントディスプレイである。本体部1は、右目に対応する位置(右目用の位置)に配置されている。本体部1は、バイザー103の上縁に取り付けるために縦方向設置されている。
【0031】
本体部1は、通信部11と、制御部12と、ディスプレイドライバ13と、表示部14と、レンズ15と、本体用バッテリ16と、記憶部17と、傾きセンサ18とを備えている。
【0032】
通信部11は、通信部110と通信可能に接続されている。通信部11は、たとえば、Bluetooth(登録商標)通信により、通信部110と無線通信を行うように構成されている。
【0033】
制御部12は、ヘッドマウントディスプレイ100の制御を行うように構成されている。すなわち、制御部12は、表示部14に画像Gを表示させる制御をディスプレイドライバ13を介して行うように構成されている。制御部12は、MCU(Micro Controller Unit)を含む。ディスプレイドライバ13は、表示部14を制御する信号を送信するように構成されている。表示部14は、ユーザーUに視認させる画像Gを表示するように構成されている。すなわち、表示部14は、通信部11によって取得した携帯端末101からの画像Gを表示するように構成されている。表示部14は、たとえば、液晶モニタである。レンズ15は、画像Gを透過させてユーザーUに視認させるように構成されている。
【0034】
本体用バッテリ16は、通信部11、制御部12、ディスプレイドライバ13、表示部14、記憶部17および傾きセンサ18に電力を供給するように構成されている。また、本体用バッテリ16は、充電操作を行うことにより、繰り返し使用可能な二次電池である。本体用バッテリ16は、たとえば、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池などである。なお、本体用バッテリ16に用いられるバッテリの種類は特に限定されない。
【0035】
記憶部17は、制御部12が実行する各種プログラムが記憶されている。記憶部17は、表示部14に表示する画像Gに表示する項目Hを記憶している。記憶部17は、たとえば、半導体記憶装置(フラッシュメモリ(登録商標))などの不揮発性の記憶装置である。
【0036】
傾きセンサ18は、本体部1の傾きを計測する。傾きセンサ18は、制御部12の基板上に配置されている。
【0037】
図3および
図4に示すように、本体部1は、筐体19を含んでいる。筐体19は、基部19aと、カバー19bとを含んでいる。本体部1では、基部19aの開口をカバー19bにより閉塞することにより筐体19が形成されている。基部19aには、通信部11、制御部12、ディスプレイドライバ13、表示部14、レンズ15、本体用バッテリ16および記憶部17が取り付けられている。基部19aには、電源スイッチ19cおよび充電用コネクタ19dが設けられている。電源スイッチ19cは、本体部1の電源のオンオフをユーザーが操作するためのボタンである。充電用コネクタ19dは、本体用バッテリ16を充電するためのコネクタである。充電用コネクタ19dには、充電用ケーブルが接続される。
【0038】
図5および
図6に示すように、本体部1は、本体用取付部20を含んでいる。本体用取付部20は、頭部Uaに装着されるヘルメット102のバイザー103に着脱可能に取り付けられている。本体用取付部20は、クリップである。ここで、本体用取付部20は、クリップではなく、両面テープ、面ファスナーおよびねじ締め込みなどの他の公知の技術により、本体部1をバイザー103に取り付けてもよい。また、本体部1は、バイザー103に着脱可能に取り付けられているが、たとえば、本体部1は、バイザー103ではなく、ヘルメット102に両面テープなどを用いて取り付けられてもよい。なお、ヘルメット102およびバイザー103の各々は、特許請求の範囲の「頭部装着部材」の一例である。
【0039】
(錘部材)
ここで、
図1および
図6に示すように、本体部1は、ユーザーUの片眼に対応する位置に表示部14からの画像Gが表示される状態で、バイザー103における頭部Uaの左右方向の一方側(右側)に本体用取付部20により取り付けられている。この状態において、ユーザーUが頭部Uaに装着しているヘルメット102は、自転車用のヘルメットであるため、バイク用のフルフェイスのヘルメットと比較してかなり軽量(約200g程度)である。これにより、ヘルメット102は軽量であるので、ユーザーUは重量バランスの偏りをより強く感じやすい。このため、ユーザーUは、ヘルメット102に本体部1を取り付けた状態では、違和感および不快感を感じやすい。ここで、ヘルメット102に本体部1を取り付けた状態では、バイザー103が取り付けられたヘルメット102の重量バランスが右側に偏ってしまっている。これにより、ユーザーUは、違和感および不快感を感じやすい。そこで、第1実施形態の錘部材2は、本体部1とは別個に設けられ、本体部1を取り付けた状態のバイザー103が取り付けられたヘルメット102の重量バランスを調整するように構成されている。
【0040】
具体的には、
図7に示すように、錘部材2は、バイザー103における頭部Uaの左右方向の他方側に取り付けられることにより、本体部1を取り付けた状態のバイザー103が取り付けられたヘルメット102の左右方向の重量バランスを調整する左右バランス用錘部21を含んでいる。左右バランス用錘部21は、バイザー103が取り付けられたヘルメット102の重量バランスを調整する錘21aである。錘21aは、本体部1と略同じ重量を有している。錘21aは、平面視において、頭部Uaの前後方向に沿った中心線C1に対して本体部1とは線対称にバイザー103に取り付けられている。これにより、本体部1により生じるモーメントと、錘21aにより生じるモーメントとが釣り合う。
【0041】
図8に示すように、左右バランス用錘部21は、錘21aをバイザー103に着脱可能に取り付ける錘用取付部21bを含んでいる。錘用取付部21bは、クリップである。錘用取付部21bは、本体用取付部20と同じ構造によりバイザー103に着脱可能に取り付けられている。なお、錘用取付部21bは、クリップではなく、両面テープ、面ファスナーおよびねじ締め込みなどの他の公知の技術により、錘21aをバイザー103に着脱可能に取り付けてもよい。
【0042】
図9に示すように、錘部材2は、本体部1および左右バランス用錘部21の両方を取り付けた状態のバイザー103が取り付けられたヘルメット102の前後方向の重量バランスを調整する前後バランス用錘部22をさらに含んでいる。前後バランス用錘部22は、ヘルメット102の重量バランスを調整する錘22aである。錘22a、本体部1の重量および錘21aの重量を加算した合計重量と略同じ重量を有している。錘22aは、平面視において、頭部Uaの左右方向に沿った中心線C2(
図7参照)に対して本体部1とは逆側のヘルメット102の部分に取り付けられている。
【0043】
具体的には、錘22aは、ヘルメット102の後端部に取り付けられている。錘22aは、ねじ込みによりヘルメット102に固定されている。なお、錘22aは、ねじ込みではなく、両面テープおよび面ファスナーなどの他の公知の技術により、錘22bをバイザー103に取り付けてもよい。これにより、本体部1および錘21aにより生じるモーメントと、錘22aにより生じるモーメントとが釣り合う。
【0044】
また、本体部1と、錘21aと、錘22aとは、R方向(ヘルメット102の平面視における外周に沿った方向)に沿って並んで配置されている。
【0045】
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0046】
第1実施形態では、上記のように、ヘッドマウントディスプレイ100は、本体部1とは別個に設けられ、本体部1をバイザー103に取り付けた状態のヘルメット102の重量バランスを調整する錘部材2を備えている。これにより、ヘッドマウントディスプレイ100が頭部装着部材に装着された状態でも、錘部材2によりヘルメット102の重量バランスが偏らないようすることができるので、ヘルメット102の重量バランスが偏ることに起因するヘルメット102の装着位置のずれを抑制することができる。
【0047】
また、第1実施形態では、上記のように、本体部1は、ユーザーUの片眼に対応する位置に表示部14からの画像Gが表示される状態で、ヘルメット102における頭部Uaの左右方向の一方側に本体用取付部20により取り付けられるように構成されている。錘部材2は、ヘルメット102における頭部Uaの左右方向の他方側に取り付けられることにより、本体部1を取り付けた状態のヘルメット102の左右方向の重量バランスを調整する左右バランス用錘部21を含んでいる。これにより、左右バランス用錘部21により、左右方向の一方側に重量バランスが偏らないようにすることができるので、ヘルメット102が左右方向の一方側にずれないようにすることができる。
【0048】
また、第1実施形態では、上記のように、錘部材2は、ヘルメット102の重量バランスを調整する錘21aと、錘21aをヘルメット102に着脱可能に取り付ける錘用取付部21bとを含んでいる。これにより、錘用取付部21bにより錘21aの位置を容易に変更することができるので、錘21aにより容易にヘルメット102の重量バランスを調整することができる。
【0049】
また、第1実施形態では、上記のように、錘部材2は、本体部1および左右バランス用錘部21の両方を取り付けた状態のヘルメット102の前後方向の重量バランスを調整する前後バランス用錘部22を含んでいる。これにより、左右だけでなく前後の重量バランスを調整することができるので、ヘルメット102の重量バランスが偏ることに起因するヘルメット102の装着位置のずれを抑制することができる。
【0050】
また、第1実施形態では、上記のように、ヘルメット102は、自転車用のヘルメットである。これにより、比較的軽量なヘルメット102では本体部1に起因して重量バランスが偏りずれが生じやすいが、錘部材2により、比較的軽量なヘルメット102であっても重量バランスが偏らないようにすることができるので、比較的軽量なヘルメット102であってもずれを抑制することができる。
【0051】
[第2実施形態]
図10および
図11を参照して、第2実施形態によるヘッドマウントディスプレイ200の構成について説明する。第2実施形態では、第1実施形態とは異なり、バッテリが錘として利用される。なお、第2実施形態では、第1実施形態と同じ構成については、説明を省略する。
【0052】
図10および
図11に示すように、第2実施形態のヘッドマウントディスプレイ200は、本体部201と、錘部材202とを備えている。
【0053】
本体部201は、非透過型であり、開放型(インサイトディスプレイ)であり、単眼型のヘッドマウントディスプレイである。ヘッドマウントディスプレイ200は、通信部11と、制御部12と、ディスプレイドライバ13と、表示部14と、レンズ15と、記憶部17と、傾きセンサ18とを備えている。このように、ヘッドマウントディスプレイ200は、第1実施形態の本体用バッテリ16を内蔵していない。
【0054】
(錘部材)
図11に示すように、第2実施形態の錘部材202は、本体部201を取り付けた状態のヘルメット102の重量バランスを調整するとともに、本体部201に給電可能な錘兼用バッテリ220を含んでいる。錘兼用バッテリ220は、本体部201に給電するとともに、バイザー103が取り付けた状態のヘルメット102の重量バランスを調整している。錘兼用バッテリ220は、本体部1の外部に取り付けられている。錘兼用バッテリ220は、本体部1と配線203を介して電気的に接続されている。これにより、錘兼用バッテリ220から本体部1に電力が供給される。
【0055】
錘兼用バッテリ220は、通信部11、制御部12、ディスプレイドライバ13、表示部14、記憶部17および傾きセンサ18に電力を供給するように構成されている。また、錘兼用バッテリ220は、充電操作を行うことにより、繰り返し使用可能な二次電池である。錘兼用バッテリ220は、たとえば、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池などである。また、錘兼用バッテリ220のバッテリの種類は、特に限定されるものではない。また、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態の構成と同様である。
【0056】
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、ヘッドマウントディスプレイ200は、本体部201とは別個に設けられ、本体部201をバイザー103に取り付けた状態のヘルメット102の重量バランスを調整する錘部材2を備えている。これにより、ヘルメット102の重量バランスが偏ることに起因するヘルメット102の装着位置のずれを抑制することができる。
【0057】
また、第2実施形態では、上記のように、錘部材2は、本体部201を取り付けた状態のヘルメット102の重量バランスを調整するとともに、本体部201に給電可能な錘兼用バッテリ220をさらに含む。これにより、錘部材2を錘兼用バッテリ220にすることにより、錘がバッテリ機能を備えていない場合と比較して、本体部201にバッテリを配置しない、または、本体部201内のバッテリの容量を小さくしてその分を錘兼用バッテリ220により補うなどのバッテリの配置および設計の自由度を向上させることができる。また、本体部201にバッテリを内蔵させることなく、錘兼用バッテリ220から本体部1に電力を供給することができるので、本体部201の部品点数を削減することができる。
【0058】
また、第2実施形態では、上記のように、本体部201は、バッテリを含んでいない。錘兼用バッテリ220は、本体部201に給電するとともに、ヘルメット102の重量バランスを調整している。これにより、本体部201がバッテリを含まない分だけ本体部201の重量を小さくすることができるので、ヘルメット102に生じる重量バランスの偏りを小さくすることができる。また、本体部201にバッテリを内蔵させることなく、錘兼用バッテリ220から本体部201に電力を供給することができるので、本体部201の部品点数を削減することができる。なお、第2実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0059】
[第3実施形態]
図12および
図13を参照して、第3実施形態によるヘッドマウントディスプレイ300の構成について説明する。第3実施形態では、第1実施形態とは異なり、本体用バッテリ16だけでなく錘兼用バッテリ320がヘッドマウントディスプレイ300に備えられている。
【0060】
図12および
図13に示すように、第3実施形態のヘッドマウントディスプレイ300は、本体部1と、錘部材302とを備えている。
【0061】
本体部1は、非透過型であり、開放型(インサイトディスプレイ)であり、単眼型のヘッドマウントディスプレイである。本体部1は、通信部11と、制御部12と、ディスプレイドライバ13と、表示部14と、レンズ15と、本体用バッテリ16と、記憶部17と、傾きセンサ18とを備えている。
【0062】
(錘部材)
図12および
図13に示すように、第3実施形態の錘部材302は、本体部1を取り付けた状態のヘルメット102の重量バランスを調整するとともに、本体部1に給電可能な錘兼用バッテリ320を含んでいる。錘兼用バッテリ320は、本体用バッテリ16とは別個に設けられ、バイザー103が取り付けられた状態のヘルメット102の重量バランスを調整している。錘兼用バッテリ320は、本体用バッテリ16に給電している。錘兼用バッテリ320は、本体用バッテリ16の補助バッテリとして設けられている。錘兼用バッテリ320は、本体部1の外部に配置されている。錘兼用バッテリ320は、本体用バッテリ16と配線303を介して電気的に接続されている。これにより、錘兼用バッテリ320から本体用バッテリ16に電力が供給される。また、錘兼用バッテリ320は、充電操作を行うことにより、繰り返し使用可能な二次電池である。錘兼用バッテリ320は、たとえば、リチウムイオン電池またはニッケル水素電池などである。なお、錘兼用バッテリ320の種類は、特に限定されない。また、第3実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態の構成と同様である。
【0063】
(第3実施形態の効果)
第3実施形態では、上記第1実施形態と同様に、ヘッドマウントディスプレイ300は、本体部1とは別個に設けられ、本体部1をバイザー103に取り付けた状態のヘルメット102の重量バランスを調整する錘部材302を備えている。これにより、ヘルメット102の重量バランスが偏ることに起因するヘルメット102の装着位置のずれを抑制することができる。
【0064】
また、第3実施形態では、上記のように、本体部1は、本体用バッテリ16を含んでいる。錘兼用バッテリ320は、本体用バッテリ16とは別個に設けられ、ヘルメット102の重量バランスを調整している。これにより、本体部1に電力を供給するバッテリの容量が本体用バッテリ16に対して錘兼用バッテリ320の分だけ加算されるので、本体部1にバッテリとして本体用バッテリ16のみを用いる場合と比較して、本体用バッテリ16の総容量を大きくすることができる。この結果、ヘッドマウントディスプレイ300の稼働時間を長くすることができる。なお、第3実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0065】
[第4実施形態]
図14~
図20を参照して、第4実施形態によるヘッドマウントディスプレイ400の構成について説明する。第4実施形態では、第1実施形態とは異なり、傾きセンサ18の計測値に基づいて画像Gの向きが変更される。
【0066】
図14に示すように、第4実施形態のヘッドマウントディスプレイ400は、本体部401と、錘部材2とを備えている。
【0067】
本体部401は、非透過型であり、開放型(インサイトディスプレイ)であり、単眼型のヘッドマウントディスプレイである。本体部401は、通信部11と、制御部412と、ディスプレイドライバ13と、表示部14と、レンズ15と、本体用バッテリ16と、記憶部17と、傾きセンサ18とを含んでいる。
【0068】
第4実施形態の制御部412は、傾きセンサ18により計測された本体部401の傾きに応じて向きが変更された画像Gを表示部14によって表示させる制御を行うように構成されている。
【0069】
具体的には、
図15に示すように、携帯端末101は、ユーザーUがヘルメット102を頭部Uaに装着した際、携帯端末101に表示された画面のボタンTを押したことに基づいて、傾きセンサ18から通信部11を介して送信された傾きセンサ18の計測値を基準値として記憶部113に記憶するように構成されている。そして、携帯端末101は、傾きセンサ18の計測値を通信部11を介して継続して取得するように構成されている。携帯端末101は、基準値と現在の計測値との差分である現在の本体部401の相対角度に基づいて、本体部401の設置向きに合わせて画像Gの向きを変更するように構成されている。
【0070】
すなわち、
図16に示すように、本体部1の向きが縦向きから横向きに変更された場合、
図17に示すように、本体部1において表示される画像Gが画像Gaのように90度回転した状態になる。ここで、携帯端末101は、相対角度(
図16のθ
1と、θ
2との差分)に基づいて、画像Gaの向きを変えるとともに、レイアウトを変更することにより、横向きの本体部1に適当な画像Gbを作成するように構成されている。そして、携帯端末101は、画像Gbを本体部1に送信するように構成されている。これにより、適切な画像Gbが本体部1において表示される。
【0071】
また、
図18に示すように、本体部1の向きが右目用から左目用に変更された場合、
図19に示すように、本体部1において表示される画像Gが画像G1のように180度回転した状態になる。ここで、携帯端末101は、相対角度(
図18のθ
3と、θ
4との差分)に基づいて、画像G1の向きを変えることにより、左目用の本体部1に適当な画像G2を作成するように構成されている。そして、携帯端末101は、画像G2を本体部1に送信するように構成されている。これにより、適切な画像G2が本体部1において表示される。
【0072】
制御部412は、傾きセンサ18の計測値により予め設定された動きに沿った頭部Uaの動作を携帯端末101が認識したことに基づいて携帯端末101において実行される予め設定された動きに対応する所定の機能を、本体部401の表示部14に表示させる制御を行うように構成されている。ここで、予め設定された動きに沿った頭部Uaの動作とは、頭部Uaを下に向けた、上に向けた、右に向けたおよび左に向けたという動作である。所定の機能とは、携帯端末101に受信した新規着信メールの内容を本体部401に表示する、本体部401において現在時刻を画面全体に拡大表示する、ナビ情報(目的地までの所要時間など)を本体部401において表示する、携帯端末101に接続されているイヤホンの音量を増減する、および、携帯端末101の音楽アプリケーションを再生・停止するなどの機能である。
【0073】
上記した説明に関して一例を示すと、たとえば、頭部Uaを下に所定角度以上向け、かつ、所定角度以上下に向けた状態を所定時間以上維持した場合に、携帯端末101において受信した新規着信メールの内容を本体部401に表示するといった機能が示される。
【0074】
制御部412は、頭部Uaに本体部401を取り付けたヘルメット102を装着した状態のユーザーUの移動中、傾きセンサ18の計測値を継続して携帯端末101に送信する制御を行うように構成されている。これにより、
図19に示すように、走行中、ユーザーUが安定した姿勢による走行を行っていたかが携帯端末101において判定された後、携帯端末101において判定結果が画像Gとして表示される。また、判定結果の画像Gは、ヘッドマウントディスプレイ400に送信されて画像GとしてユーザーUに視認されてもよい。このように、判定結果は、携帯端末101またはヘッドマウントディスプレイ400を介してユーザーUに報知される。なお、第4実施形態のその他の構成は、第1実施形態の構成と同様である。
【0075】
(第4実施形態の効果)
第4実施形態では、上記第1実施形態と同様に、ヘッドマウントディスプレイ400は、本体部401とは別個に設けられ、本体部401をバイザー103に取り付けた状態のヘルメット102の重量バランスを調整する錘部材2を備えている。これにより、ヘルメット102の重量バランスが偏ることに起因するヘルメット102の装着位置のずれを抑制することができる。
【0076】
また、第4実施形態では、上記のように、本体部401は、頭部Uaに取り付けた状態の本体部401の傾きを計測する傾きセンサ18と、傾きセンサ18により計測された本体部401の傾きに応じて向きが変更された画像Gを表示部14によって表示させる制御部412とを含んでいる。これにより、自動で画像Gが適切な向きに変更されるので、ユーザーUが手動で調整する場合よりも、ユーザーUに負担がかからないようにすることができる。
【0077】
また、第4実施形態では、上記のように、制御部412は、傾きセンサ18の計測値により予め設定された動きに沿った頭部Uaの動作を携帯端末101が認識したことに基づいて携帯端末101において実行される予め設定された動きに対応する所定の機能を、本体部401の表示部14に表示させる制御を行うように構成されている。これにより、ユーザーUが携帯端末101を直接操作せずとも所定の機能を起動させることができるので、ユーザーUが容易に所定の機能を携帯端末101に実行させることができる。
【0078】
また、第4実施形態では、上記のように、制御部412は、頭部Uaに本体部401を取り付けたヘルメット102を装着した状態のユーザーUの移動中、傾きセンサ18の計測値を継続して携帯端末101に送信する制御を行うように構成されている。これにより、自転車などでの走行時のユーザーUの姿勢を携帯端末101に記録することができるので、上記記録に基づく走行時の姿勢を安定させるために有用な情報を携帯端末101を介してユーザーに提供することができる。なお、第4実施形態のその他の効果は、第1実施形態と同様である。
【0079】
[変形例]
なお、今回開示された第1~第4実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した第1~第4実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0080】
たとえば、上記第1および第4実施形態では、錘部材2は、バイザー103またはヘルメット102に取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、錘部材は、眼鏡のテンプルに取り付けられてもよい。
【0081】
また、上記第2および第3実施形態では、錘兼用バッテリ220(320)は、バイザー103またはヘルメット102に取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、錘兼用バッテリは、眼鏡のテンプルに取り付けられてもよい。
【0082】
また、上記第1および第4実施形態では、錘21aは、平面視において、頭部Uaの前後方向に沿った中心線に対して本体部1とは線対称にバイザー103に取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、頭部装着部材の重量バランスがとれるのであれば、錘はどこに配置されてもよい。
【0083】
また、上記第2および第3実施形態では、錘兼用バッテリ220(320)は、平面視において、頭部Uaの前後方向に沿った中心線に対して本体部1とは線対称にバイザー103に取り付けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、錘兼用バッテリは、頭部装着部材の重量バランスがとれるのであれば、錘はどこに配置されてもよい。
【0084】
また、上記第3実施形態では、錘兼用バッテリ320は、本体用バッテリ16と配線303を介して電気的に接続されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、錘兼用バッテリは、本体用バッテリと電気的に接続されていない交換用のバッテリであってもよい。
【0085】
また、上記第4実施形態では、携帯端末101は、基準値と現在の計測値との差分である現在の本体部401の相対角度に基づいて、本体部401の設置向きに合わせて画像Gの向きを変更するように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、
図21および
図22に示す変形例のように、ユーザーが選択可能なチェックボックスを携帯端末に表示させることにより、手動で本体部の設置向きに合わせて画像の向きを変更させてもよい。
【0086】
また、上記第1~第4実施形態では、錘部材2は、左右バランス用錘部21および前後バランス用錘部22を有している例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、錘部材は、左右バランス用錘部を有しているが、前後バランス用錘部を有していなくてもよい。また、錘部材は、左右バランス用錘部を有していないが、前後バランス用錘部を有していてもよい。
【0087】
また、上記第1~第4実施形態では、本体部1(201、301、401)は、傾きセンサ18を含んでいる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本体部は、傾きセンサを含んでいなくてもよい。
【0088】
また、上記第1~第4実施形態では、本体部1(201、401)は、非透過型であり、開放型(インサイトディスプレイ)であり、かつ、単眼型のヘッドマウントディスプレイである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本体部1は、透過型、閉鎖型および両眼型などの他の種類のヘッドマウントディスプレイであってもよい。
【0089】
また、上記第1~第3実施形態では、本体部1(201)は、右目に対応する位置(右目用の位置)に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本体部は、左目に対応する位置(左目用の位置)に配置されてもよい。
【0090】
また、上記第1~第3実施形態では、本体部1(201)は、バイザー103の上縁に取り付けるために縦方向設置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、本体部は、バイザーの横縁に取り付けるために横方向設置されていてもよい。
【0091】
また、上記第1~第4実施形態では、前後バランス用錘部22は、ヘルメット102の重量バランスを調整する錘22aである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、前後バランス用錘部は、錘兼用バッテリであってもよい。
【符号の説明】
【0092】
1、201、401 本体部
2、202、302 錘部材
12、412 制御部
14 表示部
16 本体用バッテリ
18 傾きセンサ
20 本体用取付部
21 左右バランス用錘部
21a 錘
21b 錘用取付部
22 前後バランス用錘部
100、200、300、400 ヘッドマウントディスプレイ
101 携帯端末
102 ヘルメット(頭部装着部材)
103 バイザー(頭部装着部材)
220、320 錘兼用バッテリ
G 画像
U ユーザー
Ua 頭部