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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158710
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】商品販売促進サーバ
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221006BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063806
(22)【出願日】2021-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】521141970
【氏名又は名称】籠原 吉広
(74)【代理人】
【識別番号】100110560
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 恵三
(74)【代理人】
【識別番号】100182604
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 二美
(72)【発明者】
【氏名】籠原 吉広
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】購入者が購入した商品を着用した画像を投稿し、当該投稿から第三者の購入がなされると当該投稿を行った購入者に報酬が発生し、商品の販売が促進される商品販売促進サーバに関する。
【解決手段】投稿される商品の質、価格その他の商品情報を登録する商品情報登録部と、前記商品の購入者に関する情報を登録する購入者情報登録部と、前記商品情報登録部に登録した商品を複数組み合わせたコーディネートを画像情報または商品情報の組み合わせ情報として購入者ノードから投稿させると共に当該投稿内容を他のノードに表示させる投稿処理部と、前記購入者情報登録部に登録され且つ前記画像情報または商品情報の組み合わせ情報を投稿した投稿者にポイントその他の報酬を付与する報酬処理を行う報酬処理部と、を有することを特徴とする商品販売促進サーバを提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
投稿される商品の質、価格その他の商品情報を登録する商品情報登録部と、
前記商品の購入者及び/又は販売者を含む利用者に関する情報を登録する購入者情報登録部と、
前記商品情報登録部に登録した商品を複数組み合わせたコーディネートを画像情報または商品情報の組み合わせ情報として購入者ノードから投稿させると共に当該投稿内容を他のノードに表示させる投稿処理部と、
前記購入者情報登録部に登録され且つ前記画像情報または商品情報の組み合わせ情報を投稿した投稿者にポイントその他の報酬を付与する報酬処理を行う報酬処理部と、
を有することを特徴とする商品販売促進サーバ。
【請求項2】
更に、購入者に関する情報を販売者ノードに取得させる購入者情報取得部を有することを特徴とする請求項1に記載の商品販売促進サーバ。
【請求項3】
更に、ブロックチェーン技術によりトークンを発行すると共に前記購入者ノードに送信し記憶させ、当該購入者ノードから受信した当該トークンにより本人認証を行うログイン処理部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の商品販売促進サーバ。
【請求項4】
更に、購入者の顔の形状から生成した数値データを登録し、購入者ノードから受信した当該数値データと登録した数値データとを比較して本人認証を行うログイン処理部を有することを特徴とする請求項1から請求項3いずれか1つに記載の商品販売促進サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ブロックチェーン技術を利用した商品の販売促進サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
アパレル商品の販売を促進するためには、顧客に、商品を着用した場合のイメージを視覚的に体感させること、顧客自身に似合うスタイルを提案することが効果的である。従来からアパレル店舗内での顧客への販売促進ツールとして、マネキンのディスプレイや映像装置による映像投影等が行われている。また、顧客に対する一律のプロモーションでなく、顧客それぞれの趣向に沿ったスタイルを提案する様々な技術も考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-9416号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に係る発明は、店舗に訪れた顧客を店舗内カメラで撮影し、その画像から顧客の体格その他属性を解析し、店舗内に当該顧客に似合うもの及び好みに合致する可能性が高い商品を店内に投影し、顧客の購買意欲を高めるシステムである。しかし、昨今、店舗を訪れて商品を購入する顧客は減少傾向にあり、店舗を訪れる顧客をターゲットにした販促活動には限界があった。
【0005】
そこで、本発明は、O2O(online to offline)の概念に基づき、好ましくはブロックチェーン技術を利用して商品の販売を促進するサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、購入者が購入した商品を着用して画像を撮影すると共に当該画像を投稿し、この投稿したコーディネートを閲覧者が投稿画面からコーディネートに用いた商品を直接購入でき、購入実績に基づいて投稿した購入者に報酬を付与するものである。投稿を行う購入者は、より報酬がインセンティブとなり、新たな商品を購入し、より魅力的な商品の組み合わせを模索する。閲覧者は購入後に自ら投稿することができる。投稿者と閲覧者とが、互いに刺激しあい結果的に商品の販売が促進され、オンラインとオフラインの垣根を超えた新しい商品販売促進の方式を提供するものとなる。
【0007】
本発明に係る商品促進サーバは、投稿される商品の質、価格その他の商品情報を登録する商品情報登録部と、前記商品の購入者及び/又は販売者を含む利用者に関する情報を登録する購入者情報登録部と、前記商品情報登録部に登録した商品を複数組み合わせたコーディネートを画像情報または商品情報の組み合わせ情報として購入者ノードから投稿させると共に当該投稿内容を他のノードに表示させる投稿処理部と、前記購入者情報登録部に登録され且つ前記画像情報または商品情報の組み合わせ情報を投稿した投稿者にポイントその他の報酬を付与する報酬処理を行う報酬処理部と、を有することを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、購入者が購入した商品を着用した画像を投稿し、当該投稿から第三者の購入がなされると投稿を行った購入者に報酬ポイントが発生する。購入者は、より良い投稿を行うため新たな商品を購入するようになり、投稿を見た第三者は、商品の組み合わせ等から購入意欲を刺激され、且つ、他者より更に良い投稿を行うべく商品を購入するようになるため、購入者同士が相互に影響し合い、商品の販売を促進することができる。なお、購入者情報登録部は、商品の購入者のほか販売者を含む利用者に関する情報を登録し、利用者情報登録部としてもよい。
【0009】
本発明の商品販売販促サーバは、購入者に関する情報を販売者ノードに取得させる購入者情報取得部を有することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、購入者が購入した商品を着用した画像を投稿し、当該投稿から第三者の購入がなされると投稿を行った購入者に報酬が発生する。購入者は、より良い投稿を行うため新たな商品を購入するようになり、投稿を見た第三者は、商品の組み合わせ等から購入意欲を刺激され、且つ、他者より更に良い投稿を行うべく商品を購入するようになるため、購入者同士が相互に影響し合い、商品の販売を促進することができる。
【0011】
また、本発明の商品販売販促サーバは、前記購入者情報登録部により購入者に関する情報を登録するにあたり購入者の個人情報を除く情報を登録させると共に登録にあたりブロックチェーン技術によりトークンを発行して記憶すると共に前記購入者ノードに送信し記憶させ、当該トークンにより本人認証を行うログイン処理部を有することを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、購入者の個人情報の送信は登録の際に不要であるため誰もが安心して登録できる。その一方で販売促進に必要な購入者の属性情報は得られることから、セキュリティと販売促進とのバランスが取れた状態での運用が可能となる。
【0013】
また、本発明の商品販売促進サーバは、前記購入者情報登録部に、購入者の顔の形状から生成した数値を登録し、当該数値により本人認証を行うログイン処理部を有することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、サーバ1は、購入者の顔の形状から生成した数値のみを記録して本人認証を行うため、サーバ1に個人を特定できる氏名等個人情報を記録する必要がなく、サーバ1の管理負担を少なくすることができる。セキュリティと販売促進とのバランスが取れた状態での運用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の実施の形態1の商品販売サーバのハードウェアの構成を示す構成図である。
図2】実施の形態1に係る商品販売促進サーバを示す機能ブロック図である。
図3】実施の形態1に係る商品販売促進サーバの動作概要を示す説明図である。
図4】(1)実施の形態1に係る商品販売促進サーバのログイン時の処理手順を示すフローチャートである。(2)は、ブロックチェーントークンによるログイン方法を説明するための説明図である。
図5】実施の形態1に係る商品販売促進サーバのログイン時の他の処理手順の例を示すフローチャートである。
図6】実施の形態1に係る商品販売促進サーバのログイン時の他の処理手順の例を示すフローチャートである。
図7】実施の形態1に係る商品販売促進サーバの商品購入から商品情報登録までの処理手順を示すフローチャートである。
図8】購入する商品を着用して撮影した画像を投稿する際の処理手順を示すフローチャートである。
図9】商品を購入して購入した商品を着用して撮影した画像を投稿する際のサーバの動作概要を示す説明図である。
図10図8の商品例における投稿内容の例を示す説明図である。
図11】投稿を編集する画面の表示例を示す説明図である。
図12】実施の形態1に係る商品販売促進サーバの動作概要を示す説明図である。
図13】投稿閲覧から商品購入に至る処理手順を示すフローチャートである。
図14】投稿画面から商品購入する際の購入画面の例である。
図15】投稿画面から商品購入する際の画面表示例を示す説明図である。
図16】商品情報データベースの構成例である。
図17】販売者がデータベースから所望の情報を取得する場合の例を示す説明図である。
図18】販売者がデータベースから所望の情報を取得する場合の例を示す説明図である。
図19】本発明の実施の形態2に係る商品販売促進サーバを示す機能ブロック図である。
図20】実施の形態2の商品販売促進サーバの投稿閲覧から商品購入に至る処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(実施の形態1)
本発明に係る商品販売促進サーバは、この商品販売促進サーバに予め登録した購入者が、商品販売促進サーバに予め登録した販売者から商品を購入した際、購入した商品の商品情報及び購入店舗情報その他投稿に必要な情報を受け取り、その後、前記購入者が、購入した商品を着用して撮影した画像を投稿して商品の販売を促進するものである。この実施の形態1では、登録したアパレル店の販売者から購入者が被服を購入し、購入後、自身が着用モデルとなって被服の販売促進に寄与し、売上に寄与した場合には報酬(ポイント、現金、商品券などの経済価値があるもの)をサーバ内で受け取る。
【0017】
なお、この実施の形態1において、「販売者」とは、販売者とは被服その他アパレル商品を販売する者及び企業をいうものとする。販売形態は、店舗、ECサイトのいずれでもよい。「購入者」とは、販売者から被服などの商品を購入した者をいう。すでに所有する被服を有する者も含まれる。「投稿者」とは、撮影した画像やコーディネート情報を投稿する者をいう。前記購入者であることもある。「閲覧者」とは、投稿を閲覧する者をいい、販売者、購入者も含まれる。「管理者」とは、本発明に係るサーバの管理者をいう。
【0018】
図1は、本発明の実施の形態1の商品販売促進サーバのハードウェア構成を示す構成図である。図2は、実施の形態1に係る商品販売促進サーバを示す機能ブロック図である。この商品販売促進サーバは、商品情報、販売者情報、購入者情報及び取引履歴を、ブロックチェーン技術を利用して記憶及び管理する。ブロックチェーン技術とは、いわゆる分散台帳を実現するための技術である。ノードとは、ブロックチェーンを実現するコンピュータネットワークを構成する機器又は端末1つ1つを指す。複数の通信ノードがP2P(Peer to Peer)技術で共有される。個々のノードはハッシュにより連結され、前ノードの履歴の一部を個々のノード内に保管し、次ノードに引き継ぐことにより改竄を防止する。
【0019】
図2に示すように、この商品販売促進サーバは、販売者と購入者との間の取引を支援する管理者として動作するサーバ1と、購入者が所有する端末である購入者ノード2と、販売者が所有する端末である販売者ノード3とがネットワークで接続されて構成される。なお、サーバ1に対して前記購入者ノード2及び販売者ノード3はクライアント端末として機能する。更に、サーバ1はブロックチェーンを構成するノードでもある。
【0020】
サーバ1の記憶部11は、サーバ1自体若しくは専用の記憶装置又はブロックチェーン上の各ノード(購入者ノード及び販売者ノードを含む)にあり、ユーザ情報、商品情報、売上情報、投稿画像、ポイント履歴等からなるデータベースとして記憶される。ブロックチェーンを利用して記憶される情報は、各々のノードが前ノードの履歴を保管した状態で連鎖していくので、データの書き換えが困難であり情報の信頼性が高い。
【0021】
サーバ1は、ログインの処理を行うログイン処理部と、
投稿される商品の質、価格、在庫などの商品情報を登録する商品情報登録部と、
購入者に関する情報(年代、性別などの属性や嗜好など)を登録する購入者情報登録部と、
投稿された画像に商品情報を関連付けて保持すると共に当該投稿内容を購入者ノードや販売者ノードに表示させる投稿処理部と、
前記投稿者にポイントその他の報酬を付与する等の報酬処理を行う報酬処理部と、
を有する。
【0022】
前記商品情報登録部は、購入者ノード2又は販売者ノード3から送信された商品情報を受信して登録し、販売者ノード3から送信された在庫数量や販売された商品数等を受信して在庫情報を保持する。前記報酬処理部は、購入者の投稿に基づく実際の商品の販売に応じて当該購入者が取得する報酬を計算し、支払い等の処理を行う。購入者ノード2と販売者ノード3は、それぞれネットワークを介して接続されている。購入者情報登録部は、商品の購入者のほか販売者を含む利用者に関する情報も登録して、利用者情報登録部としてもよい。また、販売者情報のみを登録する販売者情報登録部を設けてもよい。
【0023】
[動作概要]
図3は、商品販売促進サーバの動作概要を示す説明図である。購入者は、商品販売促進サーバに登録したアパレル店の販売者から被服を購入し、購入後、購入した商品を着用して画像を撮影する。撮影した画像には商品購入時に受け取った商品情報等を埋め込んで、購入者ノード2からサーバ1に投稿(送信)する。投稿の閲覧者は、表示された投稿のページから直接商品を購入できるようになっており、当該投稿により商品が売れた場合、当該投稿を行った購入者に売上高に応じて報酬(ポイント)が付与される。
【0024】
[ログイン方法]
まず、購入者は商品販売促進サーバに利用者登録を行う。利用者とはサーバにログインして利用する者であり、購入者、投稿者、販売者が含まれる。利用者登録の際は、年齢又は年代、居住する都道府県又は居住地域、性別等の大まかな属性情報を購入者ノード2から入力してサーバ1のログイン処理部に送信する。属性情報には、個人を特定できる個人情報を含めないものとする。具体的には、登録画面には登録の際に要求する属性情報の入力欄のみを設置し、個人情報に関する項目の入力欄を設けない。ログイン処理部は、この属性情報を取得した場合にブロックチェーン技術によりトークンを発行して記憶部11に記憶すると共に購入者ノード2に送信する。購入者ノード2では受信したトークンを記憶する。ログインの際は当該トークンを有する者を本人とする。
【0025】
商品販売促進サーバにログインする際は、顔形状の数値データを利用した顔認証方式と上記のトークンを用いて本人認証する方式とを併用する。
顔認証方式を行うにあたり、商品販売促進サーバに対して前記購入者が本人認証に必要な顔認証の登録をしておく。当該購入者は、自己の顔を購入者ノード2のカメラ及びセンサーにかざし、顔の形状を取得する。購入者ノード2では顔の形状から当該顔の形状に基づく数値データを生成すると共に当該数値データをサーバ1に送信する。顔の形状に基づく数値データは、例えば、目と鼻の間の距離や、両耳の間の距離を数値化したもの等である。送信された数値データは、サーバ1のログイン処理部に購入者情報として記録される。このサーバ1では購入者の顔の画像を取得しないため、購入者の肖像が購入者又はサーバの管理者の意に反して漏洩する危険がない。
【0026】
図4(1)は、商品販売促進サーバのログイン時の処理手順を示すフローチャートである。購入者がログインボタン(図示省略)を選択するとサーバ1は購入者ノード2にログイン画面を表示させる(ステップS1)。顔認証を登録済である場合(ステップS2)、ログイン処理部は購入者ノード2に対して認証要求を行い、購入者は購入者ノード2の画面表示に従って顔認証を行う(ステップS3)。
【0027】
購入者は購入者ノード2のカメラ及びセンサーに自己の顔をかざして顔の形状に基づく数値データを生成し、この数値データをサーバ1に送信する。サーバ1のログイン処理部は、購入者ノード2から受信した数値データと予め登録している当該購入者の顔認証に係る数値データとを比較して一致するかどうか判定する(ステップS4)。一致すれば本人として認証され(ステップS9)、ログインが許可される(ステップS10)。なお、不一致の場合はログインが許可されず、トークンを用いた認証方式に移行する(ステップS5)。
【0028】
顔認証方式は、購入者がパスワードを入力することなく商品販売促進サーバに簡単にログインできるというメリットがある。また、なりすましや複数IDの取得が困難であるので、管理者及び販売者にとっては信頼性の高いものとなる。更に、顔認証方式では、サーバ1に顔認証登録の数値データのみが保存されており、本人を特定できる個人情報(肖像、氏名や住所等)は保存されないので、個人情報の流出リスクがない。購入者は、個人情報の入力を求められずに購入者登録及び顔認証登録が完了することから、登録に対する抵抗感が少なく、安心して登録及び利用ができる。
【0029】
顔認証を登録していない購入者(又は顔認証でログインが許可されなかった購入者)は、トークンによる本人認証を行う(ステップS5)。サーバ1のログイン処理部は、上記したように購入者が新規登録する際、個々にトークンを発行し個々の購入者ノード2のウォレット内にトークンを格納させている。トークンによる本人認証について、わかりやすいように、トークンを仮想通貨として説明する。図4(2)に示すように、新規登録の際に、それぞれ購入者に対し、違う量のトークン(仮想通貨)を配布する。最初に付与したトークン(仮想通貨)総量は、各人固有のものであり、以降、相互にやりとりせず不変の数値として各人の購入者ノード2内のウォレット内に格納される。購入者各人に付与されたトークン(仮想通貨)の総量は、ログイン時に、本人からのアクションかどうかを判定する本人認証として使用する。商品販売促進サーバに登録した購入者はログインの際、自己の購入者ノード2内にあるウォレットを開錠し、ウォレット内のトークンを購入者ノード2からサーバ1に送信する(ステップS6~S8)。サーバ1のログイン処理部は、送られてきたトークンが、個々の購入者に対して発行したトークンであると判定すれば当該本人からのアクセスと認めログインを許可する(ステップS9~S11)。
【0030】
なお、ステップS5において、購入者はトークンを送信するために自己の購入者ノード2内のウォレットを開錠するパスワードを入力するところ、当該パスワードはサーバ1には保管されず、購入者ノード2で保管される。よって、この商品販売促進サーバでは、サーバ1が購入者のパスワードを保持しないので、パスワード流出等のリスクがない。
【0031】
このように、この商品販売促進サーバでは、購入者個人を特定する個人情報の送信が登録の際に不要であるため誰もが安心して登録できる。その一方で販売促進に必要な購入者の属性情報は得られることから、セキュリティと販売促進とのバランスが取れた状態で運用できる。なお、購入者の属性情報を送信しない場合でもトークンのみを発行し、購入者等の利用者がこれを取得し、ログインに使用できるようにしても良い。また、上記では購入者としての登録及びログイン方式を説明したが、販売者でも同様の登録及びログイン方法が可能である。
【0032】
上記では顔認証方式により本人認証を行う方式を例示したが、顔認証以外に、指紋認証や静脈認証等の生体認証方式を用いてもよい。指紋認証の場合は、購入者の指紋の形状に基づく数値データ、たとえば指紋の溝の幅寸法、指紋のカーブの角度又は形状を数値化したものを購入者の生体情報の数値データとしてサーバ1に登録する。静脈認証の場合も同様に、手指の静脈の形状を数値化して購入者の生体情報の数値データとしてサーバ1に登録する。購入者は、ログインの際に自己の手や指を購入者ノード2のカメラ又はセンサーにかざして数値データを取得し、これをサーバ1に送信する。サーバ1のログイン処理部は、購入者ノード2から受信した数値データと、登録された購入者自身の生体情報の数値データとが一致するかどうかを判定し、一致すれば本人として認証され、ログインを許可する。
【0033】
また、顔認証や生体認証は、公知のfaceID(アップル インコーポレイテッド 登録商標)や既に端末に設定済の既存の生体認証を利用することとしても良く、更に、これら既存の生体認証とトークンによる本人認証とを併用する方式としても良い。公知のfaceIDや既存の生体認証を併用すれば、サーバ1には購入者の顔認証データや生体情報データを記録する必要がないので、サーバ1の管理負担が少なく、情報漏洩のリスクをなくすことができる。
【0034】
また、トークンにより本人認証する際、ログイン処理部から購入者のコーディネートに関する質問(コーディネートに係る被服の購入店やブランド名を選択する等)を購入者ノード2に送信して回答する手順を加えて最終確認してもよい(図示省略)。この場合、トークンが漏洩した場合にも、本人しか知らず且つサーバにのみ保管されている情報に基づいて最終確認することで不正なアクセスを防止できる。更に、投稿された写真のうち本人を含む複数の写真をログイン処理部が選択すると共にこれを購入者ノードに送信し、購入者ノードの画面にて自分を選択させることで最終確認をしてもよい。当該構成においてもトークンが漏洩した場合でも不正なアクセスを防止できる。
【0035】
本人認証は、二段階認証を採用し、顔認証による顔認証された後、トークンを送信して認証を行うこととしてもよい。図5は、商品販売促進サーバのログイン時の他の処理手順を示すフローチャートである。上記同様、購入者は予め顔の形状に基づく数値データをサーバ1のログイン処理部に登録しておく。
【0036】
購入者がログインボタン(図示省略)を選択するとサーバ1は購入者ノード2にログイン画面を表示させる(ステップS101)。ログイン処理部は購入者ノード2に対して認証要求を行い、購入者は購入者ノード2の画面表示に従って顔認証を行う(ステップS102)。購入者は購入者ノード2のカメラ及びセンサーに自己の顔をかざして顔の形状に基づく数値データを生成し、この数値データをサーバ1に送信する。サーバ1のログイン処理部は、購入者ノード2から受信した数値データと予め登録している当該購入者の顔認証に係る数値データとを比較して一致するかどうか判定する(ステップS103,S104)。一致すればトークンによる認証に進む(ステップS105)。不一致の場合は、ログインは許可されない(ステップS101)。
【0037】
続いて、購入者はトークンによる本人認証を行う(ステップS105)。サーバ1のログイン処理部は、上記したように購入者が新規登録する際、個々にトークンを発行し個々の購入者ノード2のウォレット内にトークンを格納させている。購入者は、自己の購入者ノード2内にあるウォレットを開錠し、ウォレット内のトークンを購入者ノード2からサーバ1に送信する(ステップS106~S108)。サーバ1のログイン処理部は、送られてきたトークンが、個々の購入者に対して発行したトークンであるか否かを判定し、正しいトークンであれば当該本人からのアクセスと認めログインを許可する(ステップS109~S111)。正しくないトークンと判定した場合はログインを許可しない(ステップS101)。
【0038】
係る構成においても本人を特定できる個人情報(肖像、氏名や住所等)はサーバ1に保存されないので、個人情報の流出リスクがない。購入者は、個人情報の入力を求められずに購入者登録及び顔認証登録が完了することから、登録に対する抵抗感が少なく、安心して登録及び利用ができる。その一方で販売促進に必要な購入者の属性情報は得られることから、セキュリティと販売促進とのバランスが取れた状態で運用可能となる。なお、購入者の属性情報を送信しない場合でもトークンのみを発行し、購入者等の利用者がこれを取得しログインの際に使用するようにしても良い。また、上記では購入者としての登録及びログイン方式を説明したが、販売者でも同様の登録及びログイン方法が可能である。
【0039】
図6は、商品販売促進サーバのログイン時の他の処理手順を示すフローチャートである。この方式では、サーバ1が顔認証に係る数値データを保持しない。購入者は、購入者ノード2に搭載されている顔認証部による認証結果をサーバ1に送信することでログインを行う。購入者ノード2には、例えばfaceIDのような顔認証部が搭載される。サーバ1のログイン処理部は、購入者ノード2の顔認証部から連携することを許可され、顔認証部に対して認証要求を送信すると共に認証結果を受信する。
【0040】
購入者がログインボタン(図示省略)を選択するとサーバ1は購入者ノード2にログイン画面を表示させる(ステップS201)。続いて、ログイン処理部は購入者ノード2の顔認証部に対して認証要求を行い、購入者は購入者ノード2の画面表示に従って顔認証を行う(ステップS202)。
【0041】
購入者は購入者ノード2のカメラ及びセンサーに自己の顔をかざして購入者ノードの顔認証部により認証を行うと共にその認証結果をサーバ1に送信する。サーバ1のログイン処理部は、購入者ノード2から受信した認証結果が「本人である」との結果であれば、ログインを許可する(ステップS203、S204)。認証結果が「認証不能」の結果であればログインを許可しない。
【0042】
なお、ログインを許可しない場合、上記のトークンによる本人認証を行うことができる。サーバ1のログイン処理部は、上記したように購入者が新規登録する際、個々にトークンを発行し個々の購入者ノード2のウォレット内にトークンを格納させている。購入者は、自己の購入者ノード2内にあるウォレットを開錠し、ウォレット内のトークンを購入者ノード2からサーバ1に送信する(ステップS205~S208)。サーバ1のログイン処理部は、送られてきたトークンが、個々の購入者に対して発行したトークンであるか否かを判定し、正しいトークンであれば当該本人からのアクセスと認めログインを許可する(ステップS209、S210)。正しくないトークンと判定した場合はログインを許可しない。なお、上記では購入者としてのログイン方式を説明したが、販売者でも同様のログイン方法が可能である。
【0043】
このように、購入者ノード2の認証結果を利用してログインする構成とすれば、サーバ1が個人情報及び顔認証に係る数値データを保持しなくてもよいことから、安心してシステムを利用できる。また、トークンによる認証であっても同様にサーバ1が個人情報を保持しないため、システムを安心して利用でき且つ高いセキュリティ環境を実現できる。
【0044】
[投稿]
図7は、商品販売促進サーバの商品購入から商品情報登録までの処理手順を示すフローチャートである。図8は、購入する商品を着用して撮影した画像を投稿する際の処理手順を示すフローチャートである。図9は、商品を購入して購入した商品を着用し撮影した画像を投稿する際のサーバの動作概要を示す説明図である。図7に示すように、販売者は、商品を販売した際、購入者端末に表示されたマイコードを読み込んで、購入者ノードの場所を取得し(ステップS22)、購入した商品の商品タグに表示されたコードを読み込んで商品情報を取得して(ステップS23)、購入者ノードに購入情報と購入した商品の商品情報を送信する(ステップS24)。購入者は、購入者ノード2の購入商品情報取得部により、購入した商品の商品情報を取得する。商品情報は、商品のタグに表示された二次元コードを読み取ることで取得できる。二次元コードがない場合は手入力で入力することも可能な仕様としても良い。購入者は、購入者の端末にマイコード(個々の購入者ノードを示す二次元コード)を表示させて販売者の端末に読み取ってもらい当該購入者の購入者ノードに購入商品の商品情報を書き込んでもらう。例えば、上記処理は、ブランドAにてシャツを購入した際、ブランドBでパンツを購入した際にそれぞれ行う。商品情報を含む購入情報は、ブロックチェーン上で保持される。
【0045】
購入者は、購入した商品についての商品情報を取得した後(図5のステップS21~ステップS24)、投稿部により、購入した複数の商品をコーディネートして投稿する(図6のステップS31~Sステップ35)。コーディネートを投稿する際は、購入した商品を自分が着用して画像を撮影し、投稿に添付する。画像を添えず、コーディネートのみを投稿することにしても良い。図9の例では、シャツとパンツのコーディネートを撮影して投稿することになる。
【0046】
なお、前記投稿内容には、上記の処理手順において購入者が取得した商品の商品情報(商品番号、色、サイズ、ショップ名等)が含まれる。また、購入を容易にするために購買用のサイト(販売者のものでもサーバ1の管理者のものでも良い)へのリンク情報が含まれる。図10は、図9の商品例における投稿内容の例を示す説明図である。ブランドAにて購入したシャツ及びブランドBにて購入したパンツに紐づく商品情報は、商品番号、色、サイズ、当該商品の詳細を示すURL等である。商品の詳細を示すURLに係るページには、当該商品の詳しい仕様やショップの紹介が含まれている。また、当該ページを注文画面としても良い。
【0047】
投稿されたコーディネートは、サーバ1の投稿処理部において取得され(ステップS35)、その投稿は閲覧可能な状態とされる(ステップS35)。図11は、投稿を編集する画面の例を示す説明図である。投稿処理部は、閲覧者の要求に基づいて閲覧者の端末に投稿を表示させる。同図の例では、購入者が複数の商品をコーディネートとして着用した状態の画像が表示される。また、左側にはメニューが表示され、右側には商品選択のタブが表示される。
【0048】
図9に示すように、報酬処理部は、投稿のPV数(ページビュー数)、お気に入り数(第三者が投稿に対して行った良いアクションの数)及び当該投稿を経由して商品購入に至った回数や売上等がデータとして蓄積される。投稿に関する情報は、ブロックチェーン上で保持される。
【0049】
すでに購入済みの商品を投稿する場合、購入者は、自身の購入履歴から購入済商品の商品情報を読み出して(ステップS32)、投稿する画像に埋め込む(ステップS33)。図10に示すように、商品情報は、販売者ノードの商品情報登録部から予めサーバ1に送信されて登録されており、この登録された商品情報を画像に埋め込むことになる。このようにすれば、既に購入済みの商品を投稿可能となるため、購入者はポイントを取得できる機会が得られる。
【0050】
[商品購入及び報酬]
図13は、投稿閲覧から商品購入に至る処理手順を示すフローチャートである。図14は、投稿画面から商品購入する際の購入画面の例である。図15は、投稿画面から商品購入する際の画面表示例を示す説明図である。図16は、商品情報データベースの構成例を示す表図である。
【0051】
この商品販売促進サーバでは、他の購入者によるコーディネートの投稿を閲覧することができる。サーバ1にログインした後、ホーム画面において投稿の表示ボタンを選択すると(ステップS42)、投稿されたコーディネートの一覧が表示される(ステップS42 図15(a)参照)。このコーディネートの一覧の中から、気になるコーディネートがあった場合、そのコーディネートの投稿を選択すると(ステップS43)、当該コーディネートに係る複数の商品の商品情報が含まれる購入画面に進む(ステップS44 図15(b)参照)。
【0052】
商品の購入を希望する場合、購入画面に表示された複数の購入ボタンから希望する商品の購入ボタンを選択する。その際、数量やサイズ等をプルダウンメニューから選択する(ステップS45、図14図15(b)参照)。また、購入画面の下部に表示された「セット購入」と表示されたボタンをクリックすると、投稿に表示されたコーディネートになるような商品セットを一括購入することができる。
【0053】
また、投稿にはPVや投稿者に関する情報も表示されており、当該コーディネートが人気のあるコーディネートかどうかを確認したり、投者の属性や嗜好を確認して、自身の属性や嗜好と近似するかを確認できる。
【0054】
次に、投稿した商品が購入されると投稿者に報酬が付与される(ステップS46)。報酬処理部は、購入された商品の売り上げに応じて投稿者に付与する報酬を計算する。付与する報酬の売上に対する割合は任意である。なお、現実の購入の他、投稿の閲覧数やお気に入り登録数等に応じて報酬を加算するようにしても良い。また、閲覧者により商品が購入されると、サーバ1を介してブロックチェーンの各ノードに購入情報が記憶される。
【0055】
販売者ノードの在庫情報処理部は、商品の販売に伴い在庫情報を更新され、ブロックチェーンの記憶部11にデータベースとして記憶される。これらの取引に関する各種の情報は、ブロックチェーン上で登録されて共有されるため、改竄が不可能である。このため、購入の水増し等によりポイントを増やす等の不正行為を防止できる。
【0056】
蓄積された報酬は、投稿者の報酬処理部からの要求に基づいてサーバ1の報酬処理部により支払処理がなされる。支払処理は、電子マネー等の公知の方法を用いるものとする。また、報酬を他の投稿者の商品を購入する際に使用できる。このように、投稿者は、自身の投稿から報酬を受けることができるため、良いコーディネートを考えたり投稿を増やしたりするインセンティブとなる。
【0057】
[販売者]
図16及び図17は、販売者がデータベースから所望の情報を取得する場合の例を示す説明図である。図17に示すように、販売者ノードの購入者情報取得部は、商品を購入した購入者の属性や嗜好を記憶したサーバ1の購入者情報登録部から、特定の商品についての購入者に関する情報を取得する。例えば図18に示すように、ブランドAは、今日のデータが欲しい、30代男性の購買履歴が欲しい、とサーバ1に要求すると、購入者情報登録部は必要データをデータベースから抽出してブランドAの端末に送信する。ブランドBが特定年月日の全量データが欲しい、20代女性の購買履歴が欲しい、とサーバ1に要求すると購入者情報登録部は必要データをデータベースから抽出してブランドBの端末に送信する。
【0058】
ブロックチェーンにより取引情報を保持しているため不正に商品の販売数量などを改竄することができない。このため、当該商品がどのような年代や属性の購入者によく売れているのか等の購入者の傾向を正確に把握して次の商品開発につなげることができる。また、商品毎にデータベースを読みだすほか、特定の年代の購入者に関するデータを抽出することも可能である。ターゲットとなる購入層に、どのような商品を投入すれば効果的であるのか等、次の商品開発の材料としてデータを使用することができる。
【0059】
(実施の形態2)
図19は、本発明の実施の形態2に係る商品販売促進サーバを示す機能ブロック図である。図20は、商品販売促進サーバの投稿閲覧から商品購入に至る処理手順を示すフローチャートである。この商品販売促進サーバでは、投稿の閲覧者の端末に蓄積された当該閲覧者の属性(性別、職業、居住地域など)や嗜好に関する情報(閲覧者情報)を利用して、当該閲覧者の属性や嗜好に近似する投稿が優先的に表示されるようにする点に特徴がある。また、閲覧者自身が、キーワード検索やカテゴリによる絞り込みを行って任意に投稿を抽出できる点に特徴がある。
【0060】
サーバ1は、購入者の嗜好などに適した投稿を抽出する投稿抽出部を有する。投稿抽出部は、閲覧者の端末にアクセスする権限を取得すると共に、端末に存在するクッキーや写真に写る被服の色彩や形状などから当該閲覧者の嗜好や属性にアクセスしてこれらの情報に基づいて投稿の抽出に必要な情報を取得する。
【0061】
投稿抽出部は、次の処理を行う。閲覧者が自身の属性を購入者情報登録部に登録している場合、属性情報が存在するものとして投稿に必要な属性を抽出する(ステップS51,ステップS52)。次に、購入者の嗜好情報登録の有無を確認する(ステップS53)。嗜好情報は、閲覧者が予め登録しておくものから取得するか、閲覧者の端末から自動的に抽出して取得する(ステップS54)。自動抽出は、閲覧者の端末に保持されているウェブサイトの閲覧履歴、写真等の情報に基づいて行う。また、嗜好情報を所定の項目から選択する画面に移動し、当該画面における閲覧者による選択により嗜好情報を取得してもよい。なお、属性情報がない場合(購入者情報を登録していない場合など)でも、嗜好情報のみから投稿の抽出を有効に行える(ステップS53からステップS54への手順)。
【0062】
投稿抽出部は、属性及び/又は嗜好情報に基づき、閲覧者に適した投稿を抽出して表示する(ステップS55)。例えば、閲覧者の属性が男性、30代であれば、同様の条件を備えた購入者の投稿を抽出して表示する。閲覧者の嗜好がスポーティ系であれば、スポーツ店やスポーツブランドの商品の投稿を抽出して表示する。閲覧者は、表示された投稿から任意の投稿を選択する。投稿を選択した後の購入から報酬支払までの手順は、上記実施の形態1の通りである。
【0063】
なお、投稿抽出部が、属性情報及び嗜好情報を取得できなかった場合、閲覧者の端末には任意に配置された投稿を順に表示させる。
【0064】
表示された投稿の中から、気になるコーディネートがあった場合、そのコーディネートの投稿を選択すると(ステップS58)、当該コーディネートに係る複数の商品の商品情報が含まれる購入画面に進む(ステップS59)。商品の購入に至った場合は、投稿者に報酬となるポイントが付与される(ステップS60、ステップS61)。投稿者に報酬となるポイントを付与するほか、購入者に、購入額に応じた報酬ポイントまたは投稿閲覧数に応じた報酬ポイントを付与するようにしても良い。また、閲覧者により商品が購入されると、サーバ1を介してブロックチェーンの各ノードに購入情報が記憶される。
【0065】
(その他の実施の形態)
上記ログイン方法ではブロックチェーン技術を用いた仮想通貨の総量により本人認証を行うが、取引と個人認証を同時に行う際には通常では取引されない端数の額の範囲を個人認証として用い、通常の取引単位を売買に用いるようにしても良い。説明のため通貨単位には仮にデジタル円を用いる。
【0066】
1デジタル円以上は、通常の売買に用いることから、購入者の有する仮想通貨の総量は変動する。次に、1デジタル円未満の単位、例えば小数点以下6桁を個人認証に用いる。例えば、Aさんの有する仮想通貨の総量は、15000.000001デジタル円とする。15000デジタル円は取引に用いる単位であるから変動するが、Aさんのウォレット内の端数「0.000001」は取引に使用できないため変動しない。このため、この端数の仮想通貨の総量を持つのはAさんであることがわかる。Bさんの有する仮想通貨の総量は、30000.000002デジタル円とする。30000デジタル円は取引に用いる単位であるから変動するが、Bさんのウォレット内の端数「0.000002」に変動はない。このため、この端数の仮想通貨の総量を持つのはBさんであることがわかる。
【0067】
購入者のそれぞれに対して最初に付与する仮想通貨の小数点以下6桁は異なる額とする。これにより、各購入者のウォレット内の総量を確認することで個人認証が可能となり、かつ当該仮想通貨を取引に使用できる。上記では小数点以下の単位の仮想通貨は管理システム上で取引不能として処理されるものとする。
【0068】
本発明は、所謂ブロックチェーン上で所定範囲の単位の仮想通貨を取引可能に処理すると共に前記所定範囲以外の単位の仮想通貨を取引不能に処理すると共に、当該所定範囲以外の単位の仮想通貨の任意の総量を特定の個人のみに対応させて記憶しておき、当該個人から受けた前記所定範囲以外の単位の仮想通貨の総量に基づいて当該個人を認証する処理手段を有するシステム、プログラムないし装置である。
【0069】
更に、他の実施の形態として、上記販売促進サーバは、中古の商品を扱うことができるものする。上記実施の形態では商品は新品を想定しているが、上記購入者が購入済みの商品を販売することもできる。販売の際、売り上げの一部が当該商品の最初の販売者である店に支払われるものとする。すなわち、商品が転々流通するたびに売上高から一定割合の報酬が付与される。
【0070】
販売促進サーバは、上記投稿された商品のひとつひとつに固有のIDを付与する。固有のIDは、例えばブロックチェーン上で付与されるトークンである。固有のIDは、商品の売買と共に取引履歴として各ノードに記憶される。投稿内容に含まれる商品を他の購入者ノードから指定することで、販売促進サーバが商品を所有している購入者の購入者ノードに対して購入希望の要求がされ、商品の所有者である購入者のノードは購入希望に対する応答を行い、それにより売買が成立する。
【0071】
実際の商品は郵送等で新しい購入者に送られる。前記新しい所有者となる購入者の各ノードや販売促進サーバには、当該商品のIDが移転したことが記録される。販売促進サーバは、商品のIDの移転をもって商品が売買されたものと判断する。売買の記録には売上額が含まれる。例えば「Aさんが商品X(ID〇〇〇〇〇〇〇〇)をBさんに5000円で販売した」という取引履歴がブロックチェーン上に記録される。
【0072】
販売促進サーバは、商品のIDの情報が記憶された場合、当該商品が転売されたものと判断し、その売り上げの一部を最初の販売者に支払う。例えば、第一回目の転売の際には、例えば売り上げの5%が最初の販売者に支払われる。支払いは仮想通貨で行う場合は「Aさんが商品X(ID〇〇〇〇〇〇〇〇)の転売報酬として販売者に250円を支払った」と記憶される。実際の現金等で支払う場合は、販売促進サーバを介して各種決済手段により支払処理がなされ、転売の際の一部の料金が自動的に販売者に支払われるように処理する。
【0073】
これにより、販売者は中古市場からも利益を得ることができる。次に、転得者である他の購入者は、購入した商品を販売促進サーバに投稿することで新たに転売の機会を得る。次に、転得者である他の購入者がノードから投稿を行い、更に他の購入者がこの商品を上記同様に購入した場合、その履歴がブロックチェーン上に記憶される。そして、販売促進サーバは、その商品のIDに基づいて第二回目の転売が行われたことを認識する。この場合も、上記同様に売り上げの3%が最初の販売者に支払われる。なお、この3%のパーセンテージは、例示であり、別のパーセンテージとしても良い。転売が繰り返されるたびに、商品価格は下落するため、最初の販売者に支払われるパーセンテージは転売を重ねるごとに下げていくことが望ましい。
【0074】
転売のたびに報酬割合を下げていってもよいし、一定としてもよい。このようにすれば、最初の販売者は中古市場に自動的に参入でき、継続的な収入を得ることができる。また、購入者は、安価に希望の商品を入手でき且つ新たな転売の機会を得ることができる。特に、コーディネートの良し悪しで転売可能性や売買価格を自ら決定できるようになる。
【0075】
更に、販売促進サーバとしてはブロックチェーンのノードとして組み込まれることで、商品の正確なトレースが可能となる。なお、最初の販売者は、中古衣類の販売業者であってもよい。また、購入者は投稿ではなく、転売の許可を予め設定しておくことで、転売を可能とすることもできる。その場合は、コーディネートを投稿するのではなく商品自体の画像を販売促進サーバに送信して表示させるものとする。販売促進サーバは、中古品の画像を掲載して販売を代行する。
【0076】
転売の際、最初の販売者に報酬を支払う他、管理者に報酬を支払うこともできる。仮想通貨で行う場合は「Aさんが商品X(ID〇〇〇〇〇〇〇〇)の転売手数料として管理者に250円を支払った」と記録される。実際の現金等で支払う場合は、販売促進サーバを介して各種決済手段により支払処理がなされ、転売の際の一部の料金が自動的に管理者に支払われるように処理する。
【0077】
本発明は、次のように観念される。
商品販売を仲介することになるサーバに投稿又は表示されるように送信された商品の商品情報には、当該商品にブロックチェーン技術による固有のIDが付与され、商品のIDを含めて取引情報が各ノードに記憶され、この取引情報から当該商品の取引回数を取得し、この取引の価格、回数を含む取引状況に基づいて当該商品の最初の販売者に対して所定割合の報酬が付与された情報が各ノードに記憶されるように処理する処理手段を有するシステム、プログラムないし装置である。
【符号の説明】
【0078】
1 サーバ
11 記憶部
2 購入者ノード
3 販売者ノード
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20