(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158723
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】パーツ体
(51)【国際特許分類】
F16B 3/06 20060101AFI20221006BHJP
F16B 9/02 20060101ALI20221006BHJP
F16B 2/14 20060101ALI20221006BHJP
F16B 5/02 20060101ALI20221006BHJP
F16B 5/10 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
F16B3/06 Z
F16B9/02 Z
F16B2/14 A
F16B5/02 Z
F16B5/10 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063823
(22)【出願日】2021-04-02
(71)【出願人】
【識別番号】519198454
【氏名又は名称】株式会社Techno-idea
(74)【代理人】
【識別番号】100170449
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英彦
(72)【発明者】
【氏名】田窪 政博
(72)【発明者】
【氏名】村松 康至
(72)【発明者】
【氏名】池田 治
(72)【発明者】
【氏名】宮田 大克
(72)【発明者】
【氏名】田窪 政博
(72)【発明者】
【氏名】田窪 優子
(72)【発明者】
【氏名】山本 英彦
【テーマコード(参考)】
3J001
3J022
3J023
【Fターム(参考)】
3J001FA12
3J001GA06
3J001GB01
3J001JB02
3J001JB12
3J022EA18
3J022EB13
3J022EC12
3J022EC23
3J022FB03
3J022FB10
3J022FB12
3J023AA01
3J023AA05
3J023BA02
3J023BA05
3J023BB02
3J023CA01
(57)【要約】
【課題】本発明は、パーツ部材とジョイント部材とを容易に結合させることができ、歩留まりを向上させることができるパーツ体の提供を目的とした。
【解決手段】本発明のパーツ体10は、硬質材料により構成されるパーツ部材20と、ジョイント部材30と、を有し、パーツ部材20には、ジョイント部材30が嵌め込まれる凹部22と、凹部22の外周近傍に形成された切り込みであるスリット部24と、が形成されており、凹部22にジョイント部材30が嵌め込まれている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質材料により構成される板状のパーツ部材と、
ジョイント部材と、を有し、
前記パーツ部材には、
前記ジョイント部材が嵌め込まれる、板状の前記パーツ部材の面から凹む凹部と、
前記凹部の外周近傍に形成された切り込みであるスリット部と、が形成されており、
前記凹部に前記ジョイント部材が嵌め込まれている、パーツ体。
【請求項2】
前記凹部が、前記パーツ部材の表裏をなす面のうち一方の面から他方の面に向けて縮小するようにテーパー状となっている、請求項1に記載のパーツ体。
【請求項3】
前記凹部が貫通孔とされている、請求項1又は2に記載のパーツ体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の部材に取り付けられるパーツ体、あるいは複数のパーツ体を組み立てて構造体を形成するためのパーツ体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定の部材に取り付けられる部材(パーツ体)や、複数のパーツ体を組み立てて構造体を形成するための様々な種類のパーツ体が提供されている。また、複数のパーツ体を組み立てるため、あるいはパーツ体を他の部材に取り付けるために、ジョイント部材が嵌め込まれたパーツ体が提供されている。例えば、下記特許文献1には、アクリルの板材にマグネットが嵌め込まれた媒体表示用ボードが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された媒体表示用ボードのように、板材等にマグネット部材等のジョイント部材を埋め込む構成のパーツ体では、パーツ体の見栄えを向上させることができる一方、板材にジョイント部材を埋め込む際に板材が割れるおそれがあった。そのため、このようなジョイント部材が埋め込まれたパーツ体では、製造に際して凹部の寸法やジョイント部材の寸法がシビアとなり作業効率が悪く、さらに板材が割れて歩留まりが低下するといった問題があった。
【0005】
そこで本発明は、パーツ部材とジョイント部材とを容易に結合させることができ、歩留まりを向上させることができるパーツ体の提供を目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上述の課題を解決すべく提供される本発明のパーツ体は、硬質材料により構成される板状のパーツ部材と、ジョイント部材と、を有し、前記パーツ部材には、前記ジョイント部材が嵌め込まれる、板状の前記パーツ部材の面から凹む凹部と、前記凹部の外周近傍に形成された切り込みであるスリット部と、が形成されており、前記凹部に前記ジョイント部材が嵌め込まれている。
【0007】
本発明のパーツ体によれば、パーツ部材の凹部にジョイント部材を埋め込む際に、スリット部により凹部が僅かに変形する。そのため、本発明のパーツ体は、容易にジョイント部材とパーツ部材とを結合させることができ、歩留まりを向上させることができる。
【0008】
(2)本発明のパーツ体は、前記パーツ部材の表裏をなす面のうち、一方の面から他方の面に向けて凹部が縮小するようにテーパー状となっているとよい。
【0009】
上述の構成によれば、凹部の寸法が大きい面からジョイント部材を挿入しやすく、かつ他方の面からジョイント部材が抜けにくくなる。そのため、凹部の開口径が小さい面を他部材との接合面として二つの部材(二つのパーツ体、あるいはパーツ体及び他の部材)を接合した場合、ジョイント部材が抜けにくく二つの部材をしっかりと接合することができる。
【0010】
本発明のパーツ体は、前記スリット部が、波状に形成されているものであるとよい。
【0011】
上述の構成によれば、スリット部の端部に作用する応力を分散することができる。その結果、スリット部の端部が割れることを抑制することができる。
【0012】
(3)本発明のパーツ体は、前記凹部が貫通孔とされているものであるとよい。
【0013】
上述の構成によれば、凹部の形成が容易となり、製造効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、パーツ部材とジョイント部材とを容易に結合させることができ、歩留まりを向上させることができるパーツ体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係るパーツ体を示す平面図である。
【
図2】
図1のパーツ体のジョイント部材、凹部、及びスリット部を示す斜視図である。
【
図3】
図1のパーツ体の要部を示している。(a)は平面図、(b)は
図3(a)のL-L’線断面図である。
【
図4】
図1のパーツ体の第一の変形例を示している。
【
図5】
図1のパーツ体の第二の変形例を示している。
【
図6】
図1のパーツ体を適用した構造物を示している。
【
図7】本発明の第2の実施形態に係るパーツ体を示す平面図である。
【
図8】
図7のパーツ体のジョイント部材、凹部、及びスリット部を示す斜視図である。
【
図9】
図1のパーツ体を適用した構造物を示している。
【発明を実施するための形態】
【0016】
先ず、本発明の第1の実施形態に係るパーツ体10について図面を参照しつつ説明する。
【0017】
本実施形態で一例をして示すパーツ体10は、構造物100(箱)の底面を構成する部材である(
図6参照)。なお、本発明のパーツ体は
図6に示す例に限定されず、他の部材に着脱するためのパーツ、あるいは複数のパーツを組み立てて構造物を構成するものとして好適に採用することができる。
【0018】
図1に示すとおり、パーツ体10は、硬質材料により構成されるパーツ部材20と、ジョイント部材30とを有している。また、
図2及び
図3(a)に示すとおり、パーツ部材20には、板状の前記パーツ部材の面から凹む凹部22と、凹部22の外周近傍に(凹部22を取り囲むように)形成された切り込みであるスリット部24とが形成されており、凹部22にジョイント部材30が嵌め込まれている。
【0019】
パーツ部材20は、所定の厚みD1(本実施形態では5mm)を備え、透光性を有するアクリル(硬質材料)の板材により構成されている。
【0020】
なお、本実施形態のパーツ体10では、パーツ部材20を無色のアクリル板により構成した例を示したが、本発明のパーツ体は本実施形態に限定されない。例えば、本発明のパーツ体のパーツ部材は、透明アクリル板やMDFに加え、ポリカーボネート板、ABS板、PET板、金属、カーボン、木などのような硬質材料を用いてもよい。また、本実施形態では、パーツ部材を無色の(透明な)アクリル板を用いた例を示したが、本発明のパーツ体は本実施形態に限定されず、パーツ部材は有色のアクリル板であってもよい。
【0021】
また、パーツ部材の厚みは5mmに限定されず、パーツ部材の大きさや形状により、自重で曲がるなどを抑制可能な厚みが選択されることが望ましい。例えば、本発明のパーツ体では、パーツ体の厚みを2mm~5mmとすれば、加工が容易で適切な強度を得られ、コスト抑制の観点からも好ましい。
【0022】
凹部22は、所定の大きさを備える貫通孔として形成されている。より具体的には、
図3(a)に示すとおり、凹部22は、パーツ部材20の厚み方向に貫通する(パーツ部材20の表裏を貫通する)貫通孔とされている。
【0023】
より詳細に説明すると、
図3(a)に一例として示す凹部22は、概ね八角形となるような開口形状とされており、辺となる部分が曲線状となるような輪郭を有している。より詳細に説明すると、
図3(a)に示すとおり、凹部22を平面視した場合に辺に相当する部分は、湾曲を描くようにカットされている。そのため、凹部22の内壁面は湾曲面となっており、ジョイント部材30はパーツ部材20に対して接触部分が線状となるように嵌め込まれる(線接触するように嵌め込まれる)。
【0024】
また、
図3(b)に示すとおり、凹部22は、パーツ部材20の表裏をなす面のうち一方の面(第一面F1)から他方の面(第二面F2)に向けて縮小するようにテーパー状となっている。すなわち、凹部22は、第一面F1の径方向の寸法(開口寸法D2)よりも第二面F2の径方向の寸法(開口寸法D3)のほうが小さくなっている。本実施形態では、凹部22の第一面F1の開口寸法D2は約15mmとなっており、凹部22の第二面F2の開口寸法D3はD2よりも0.1mm小さい大きさ(約14.9mm)となっている。
【0025】
さらに、
図3(a)に示すとおり、凹部22は、ジョイント部材30を嵌め込み可能な大きさとなっている。より詳細に説明すると、凹部22は、第一面F1の開口寸法D2がジョイント部材30の直径D4よりも僅かに大きく、かつ第二面F2の開口寸法D3がジョイント部材30の直径D4よりも僅かに小さい(開口寸法D2>直径D4>開口寸法D3)。
【0026】
スリット部24は、凹部22の周囲を弾性変形させて、ジョイント部材30を凹部22に嵌め込み可能とするために設けられている。スリット部24は、レーザー加工によってパーツ体10の厚み方向に貫通するように(パーツ体10の表裏を貫通するように)形成された切り込みとして設けられている。
【0027】
図3(a)に示すとおり、スリット部24は、波状に形成されている。すなわち、スリット部24は、平面視において波状をなすような(切り込み線が湾曲線を描くような)切り込みとして形成されている。
【0028】
また、
図3(a)に示すとおり、スリット部24は、凹部22取り囲むように複数形成されている。より具体的には、スリット部24は、凹部22の近傍に形成されており、かつ複数のスリット部24が凹部22を取り囲むように形成されている。
【0029】
ジョイント部材30は、パーツ部材20を他の部材と接合するための部材である。
図2等に一例として示すジョイント部材30は、略円柱形状のネオジム磁石とされている。
【0030】
なお、本発明の結合体では、ジョイント部材として、ネオジム磁石等のマグネット部材のほか、マグネット部材に対応する鉄部材や、後で後述するボルトやナットを採用することができる。また、本発明のパーツ体では、ジョイント部材の形状は略円柱状に限定されず、角柱状、六角形など種々選択可能である(
図4等参照)。
【0031】
上述のとおり、パーツ体10は、凹部22にジョイント部材30が嵌め込まれた構成となっている。すなわち、パーツ体10では、ジョイント部材30の側方面がパーツ部材20に取り囲まれるように埋め込まれている。ここで、パーツ体10を構成する過程においてパーツ部材20の凹部22にジョイント部材30を埋め込む(嵌め込む)際に、スリット部24により凹部22が僅かに変形する。
【0032】
より具体的に説明すると、パーツ部材20は、スリット部24が設けられた凹部22の周囲がスリット部24の隙間により、凹部22が僅かに拡大するように撓む。これにより、ジョイント部材30の側方面と凹部22の厚み面(壁面)とが互いに押圧され、ジョイント部材30を凹部22にぴったりと嵌め込むことができる。そのため、パーツ体10は、容易にジョイント部材30とパーツ部材20とを結合させることができる。
【0033】
また、パーツ部材20にジョイント部材30を嵌め込む際に凹部22が弾性変形するため、パーツ部材20が割れる、あるいは亀裂が生じることを抑制することができる。これにより、パーツ体10の製造において、歩留まりを向上させることができる。
【0034】
また、上述のとおり、本実施形態のパーツ体10では、スリット部24が波形状に湾曲した形状とされている。そのため、パーツ部材20を撓ませる部分(撓み部)において、応力が1箇所に集中することを回避して応力を分散し、割れ難くすることができる。
【0035】
さらに、上述のとおり、凹部22は、第一面F1から第二面F2に向けて縮小するようにテーパー状に形成されている。そのため、凹部22の開口径が大きい面(第一面F1)からジョイント部材30を挿入しやすく、かつ他方の面(第二面F2)からジョイント部材30が抜けにくくなる。そのため、凹部22の開口径が小さい面(第二面F2)を他部材との接合面として二つの部材(二つのパーツ体、あるいはパーツ体及び他の部材)を接合した場合、ジョイント部材30が抜けにくく二つの部材をしっかりと接合することができる。
【0036】
さらに、パーツ体10では、凹部22を取り囲むように複数のスリット部24が設けられている。そのため、凹部22の弾性変形の偏りを抑制しつつ、凹部22にジョイント部材30を埋め込むことができる。
【0037】
さらに、上述のとおり、パーツ体10ではパーツ部材20が板状の部材とされ、かつ凹部22が貫通孔とされている。これにより、凹部を窪み(非貫通穴)として形成する場合と比較して凹部22の形成が容易となり、製造効率を向上させることができる。
<変形例について>
次いで、パーツ体10の変形例について
図4及び
図5を参照しつつ説明する。
【0038】
上述の実施形態では、概ね八角形となる凹部22を例に挙げて説明したが、本発明のパーツ体は、凹部の形状を種々選択可能である。例えば、
図4(a)に示す凹部40のように、パーツ体の凹部は平面視において略矩形としてもよく、略矩形の凹部40に円柱状のジョイント部材30を嵌め込んでもよい。
【0039】
また、ジョイント部材は、
図4(c)に示すジョイント部材50のように、角柱状のものであってもよい。
【0040】
さらに、本発明のパーツ体は、
図5に示すような概ね六角形の凹部42を備えるものであってもよい。また、凹部42に嵌め込まれるジョイント部材は、ナット52であってもよいし、ボルト53であってもよい(
図5(a)及び(b)参照)。
<組み立て構造物について>
次に、本発明のパーツ体10を適用した構造物100の一例について説明する。
【0041】
図6(b)に一例として示す第一パーツ体10A、及び第二パーツ体10Bは、構造物100(箱)として用いられるものである。構造物100は、底面を構成する第一パーツ体10Aと、側面を構成する第二パーツ体10Bと組み合わせて箱として構成される。第一パーツ体10Aのパーツ部材20A、及び第二パーツ体10Bのパーツ部材20Bは、板状の硬質材料により構成されている。
【0042】
図6(a)に示すとおり、第一パーツ体10Aには、四方の角部近傍にネオジム磁石により構成されるジョイント部材30Aが設けられている。また、第二パーツ体10Bには、ジョイント部材30Bとして、ネオジム磁石に対応する(着脱可能となっている)鉄部材が設けられている。
【0043】
第一パーツ体10A及び第二パーツ体10Bを組み立てる際、第一パーツ体10Aを第二パーツ体10Bに近接させてネオジム磁石の磁力により接合させることができる。そのため、容易に第一パーツ体10Aと第二パーツ体10Bとを着脱させることができる。
【0044】
以上、本発明のパーツ体の第1の実施形態、及びパーツ体の適用例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。
【0045】
具体的には、上述のパーツ体の適用例では、二つのパーツ体を組み立てて構成される構造物として箱を一例として示したが、本発明のパーツ体は上述の適用例に限定されない。例えば、本発明のパーツ体は、組立ブロックや、パズルなどの知育玩具、適正検査器具、試作分野、立体マネキン、建築模型、家具、物の仕切りとして用いられるパーティション、継手、介護用品など多種多様の分野で利用することができる。
【0046】
また、上述の第1の実施形態では、パーツ体10に四つのジョイント部材30を設けた例を示したが、ジョイント部材は三つ以下であってもよいし、五つ以上設けてもよい。
【0047】
さらに、上述の第1の実施形態では、パーツ体10を一枚の板材により構成した例を示したが、本発明のパーツ体は本実施形態に限定されず、
図6に示す第二パーツ体10Bのように複数の板材を組み立てたものであってもよい。
【0048】
さらに、上述の適用例では、ジョイント部材を備えるパーツ体を組み立てて構成される構造物を一例として示したが、本発明のパーツ体は、取り付け対象となる部材を鉄素材など単一素材により構成されるパーツ体としてもよい。
【0049】
次いで、本発明の第2の実施形態に係るパーツ体60について図面を参照しつつ説明する。
【0050】
本実施形態で一例をして示すパーツ体60は、構造物200(重ね板)の1枚の板部材を構成する部材である(
図9(B)参照)。なお、本発明のパーツ体は
図9に示す例に限定されず、他の部材に着脱するためのパーツ、あるいは複数のパーツを組み立てて構造物を構成するものとして好適に採用することができる。
【0051】
図9(B)に示すとおり、パーツ体60は、硬質材料により構成されるパーツ部材70と、ジョイント部材80とを有している。また、
図7に示すとおり、パーツ部材20には、板状の前記パーツ部材の面から凹む凹部72と、凹部72の外周近傍に(凹部72を取り囲むように)形成された切り込みであるスリット部74とが形成されており、凹部72にジョイント部材80が嵌め込まれている。
【0052】
パーツ部材70は、パーツ部材20と同様に、所定の厚みD1(本実施形態では5mm)を備え、透光性を有するアクリル(硬質材料)の板材により構成されている。パーツ部材70は、パーツ部材20と同様に、材質や形状において適宜選択できる。
【0053】
凹部72は、所定の大きさを備える貫通孔として形成されている。より具体的には、
図7に示すとおり、凹部72は、パーツ部材70の厚み方向に貫通する(パーツ部材70の表裏を貫通する)貫通孔とされている。より詳細に説明すると、
図7に一例として示す凹部72は、四角形となるような開口形状とされており、辺となる部分が直線状となるような輪郭を有している。また、凹部72の外周近傍に(凹部72を取り囲むように)形成された切り込みである2つのスリット部74が設けられている。
【0054】
ジョイント部材80は、パーツ部材70を他の部材、例えば、他のパーツ部材90と接合するための部材である。ジョイント部材80には、その外周近傍に形成された切り込みであるスリット部84が形成されており、凹部72にジョイント部材80が嵌め込まれる。
【0055】
図8に一例として示すジョイント部材80は、略四角柱状の柱状とされている。さらに、ジョイント部80は、スリット部84が形成されている。ジョイント部材80は、所定の厚みD1(本実施形態では5mm)を備え、透光性を有するアクリル(硬質材料)の板材により構成されている。ジョイント部材80は、パーツ部材70と同様に、材質や形状において適宜選択できる。
【0056】
図9に示すように、構造物200は、(A)~(D)の順で、2つのパーツ部材70と1つのジョイント部材80とが組み立てられて構成される。2つのパーツ部材80を凹部72が重なるように重ね合わせ、ジョイント部材80を凹部に嵌め込む。この時、パーツ部材70のスリット部74とジョイント部80のスリット部84が作用して、容易に嵌め込むことができる。また、嵌め込んだ状態で結合する。
【0057】
以上、本発明のパーツ体の第2の実施形態、及びパーツ体の適用例について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。
【0058】
具体的には、上述のパーツ体の適用例では、二つのパーツ体を組み立てて構成される構造物として重ね板を一例として示したが、本発明のパーツ体は上述の適用例に限定されない。例えば、本発明のパーツ体は、組立ブロックや、パズルなどの知育玩具、適正検査器具、試作分野、立体マネキン、建築模型、家具、物の仕切りとして用いられるパーティション、継手、介護用品など多種多様の分野で利用することができる。
【0059】
また、上述の第2の実施形態では、パーツ体60に1つのジョイント部材80を設けた例を示したが、ジョイント部材80は複数設けてもよい。
【0060】
さらに、上述の第2の実施形態では、パーツ体60を一枚の板材により構成した例を示したが、本発明のパーツ体は本実施形態に限定されず、
図6に示す第1の実施形態の第二パーツ体10Bのように複数の板材を組み立てたものであってもよい。
【0061】
さらに、上述の適用例では、ジョイント部材を備えるパーツ体を組み立てて構成される構造物を一例として示したが、本発明のパーツ体は、取り付け対象となる部材を鉄素材など単一素材により構成されるパーツ体としてもよい。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、他の部材に取り付けるためのパーツ体として、好適に採用することができる。
【符号の説明】
【0064】
10 パーツ体
10A 第一パーツ体(パーツ体)
10B 第二パーツ体(パーツ体)
20 パーツ部材
22 凹部
24 スリット部
30 ジョイント部材
30A ジョイント部材
30B ジョイント部材
60 パーツ体
70 パーツ部材
72 凹部
74 スリット部
80 ジョイント部材
84 スリット部