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特開2022-158739ミスト噴霧装置、及びそれを用いた殺菌消毒用ミストシャワー装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158739
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ミスト噴霧装置、及びそれを用いた殺菌消毒用ミストシャワー装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 8/24 20210101AFI20221006BHJP
   F24F 8/80 20210101ALI20221006BHJP
   A61L 9/014 20060101ALI20221006BHJP
   C02F 1/461 20060101ALI20221006BHJP
   A61L 2/18 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
F24F8/24
F24F8/80 260
F24F8/80 252
F24F8/80 145
F24F8/80 400
A61L9/014
C02F1/461 Z
A61L2/18
A61L2/18 100
A61L2/18 102
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021075895
(22)【出願日】2021-04-28
(31)【優先権主張番号】10-2021-0042656
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】519278859
【氏名又は名称】スボン カンパニー,リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SOOVON Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】514ho 5-floor, 301, Bupyeong-daero, Bupyeong-gu, Incheon, 21315, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100146639
【弁理士】
【氏名又は名称】船本 康伸
(72)【発明者】
【氏名】オウ,キュン ヘ
【テーマコード(参考)】
4C058
4C180
4D061
【Fターム(参考)】
4C058AA28
4C058BB07
4C058EE01
4C058EE26
4C058JJ07
4C058JJ24
4C180AA07
4C180CB01
4C180EA52X
4C180EA54X
4C180EA56X
4C180GG08
4C180HH02
4C180HH05
4C180LL06
4C180LL15
4D061DA02
4D061DB07
4D061DB09
4D061EA15
4D061EB11
4D061EB16
4D061EB19
4D061EB33
(57)【要約】      (修正有)
【課題】生成した空気の流れを適切に分配して、最小のファンによって効率的にミストを噴霧することができるミスト噴霧装置を提供する。
【解決手段】水槽111に入った水の水面上にミストを発生させるミスト生成部113と、送風部121と、空気の流れがミスト排出口H1に移動するように空気通路を形成するエアガイド部131と、を含んでなる。特に、水槽には、送風部によって発生した空気の流れの一部が流入する流入口114-1と、ミストが空気通路に抜け出る流出口114-2と、が形成され、空気流入調節部180を用いて、流入口から水槽に流入する空気の量を調節することができる。空気の流れを適切に分配して用いることにより、最小のファンを用いて効率的にミストを噴霧することができ、費用節減とともに、装置の重さを減らすことができる構成とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミストに変換される水を入れる水槽と、
前記水槽に入った水の水面上にミストを発生させるミスト生成部と、
空気の流れを発生させる送風部と、
前記送風部によって発生した空気の流れがミスト排出口に移動するように空気通路を形成するエアガイド部と、を含み、
前記水槽には、前記送風部によって発生した空気の流れの一部が流入する流入口と、前記ミスト生成部によって生成したミストが前記空気通路に抜け出る流出口と、が形成されたことを特徴とする、ミスト噴霧装置。
【請求項2】
前記流入口と流出口は、前記水槽の上部に互いに対向して形成され、
前記流入口から流入した空気の流れを前記水槽の一側に誘導するミスト誘導手段をさらに含み、
前記ミスト誘導手段は、前記流出口が形成された側から前記流入口が形成された側の下方に向かって一定の角度で下降する板の形態で構成されたことを特徴とする、請求項1に記載のミスト噴霧装置。
【請求項3】
前記流入口から前記水槽に流入する空気の量を調節する空気流入調節部をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のミスト噴霧装置。
【請求項4】
電気分解によって殺菌力のある殺菌水を生成して、前記水槽に供給する少なくとも一つの電気分解モジュール、及び
前記水槽の内部に配置され、前記流出口に向かうミストが通過し、粗いミスト粒子を凝縮して落下させる多孔性部材のうち、少なくとも一つをさらに含み、
前記ミスト生成部は、前記水槽の下部に配置される少なくとも一つの超音波振動子を含むことを特徴とする、請求項1に記載のミスト噴霧装置。
【請求項5】
前記エアガイド部は、前記水槽の流入口が形成された面、前記水槽の上面、及び前記流出口が形成された面を取り囲む形態で構成され、
前記空気の流れが方向を変える部分において、前記水槽の角は傾斜をなして構成され、
前記空気通路の少なくとも一か所以上は、空気の流れを円滑にするために狭くなるように構成されることを特徴とする、請求項1に記載のミスト噴霧装置。
【請求項6】
防疫対象者が通過する経路を形成するハウジングと、
前記請求項1乃至請求項5のうちいずれか一項に記載のミスト噴霧装置と、を含んでなり、
前記ハウジングは、
天井を形成する上側ハウジングと、左側壁を形成する左側ハウジングと、右側壁を形成する右側ハウジングと、を含み、
前記ミスト噴霧装置は、前記上側ハウジングに設置され、
前記上側ハウジングから下方向へ殺菌力のあるミストを噴霧するように構成されることを特徴とする、殺菌消毒用ミストシャワー装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミストを生成して空気と一緒に噴霧するミスト噴霧装置、及びそれを用いて電気分解により生成した殺菌水をミストとして噴霧することにより、殺菌と消毒を行うことができる殺菌消毒用ミストシャワー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中に蔓延するにつれて、日常生活に大きな影響を及ぼしており、日常生活の中で多様な場所に出入りする多数の人に対する効率的な防疫対策が何よりも急を要する。
【0003】
新型コロナウイルス感染症は、家畜伝染病とは異なり、全地域にわたって人間同士の間で感染するので、人が出入りする大部分の場所において、出入者に対する防疫が必要である。
【0004】
これと関連して、従来、畜舎等の限定された場所に設置され、出入者に対して全身消毒及び殺菌を行った消毒室は、その設置が容易でなく、利用が煩わしく、多数の場所に効率的に用いられることが困難であった。
【0005】
また、多数の出入者が一々防疫服を着用することができないので、日常服をそのまま着た状態で、殺菌と消毒が行われなければならず、この過程で、殺菌消毒に用いられる物質の成分や状態により、人体に害を与え、または服を汚染させるような副作用があってはならなかった。
【0006】
出入者に対する殺菌消毒装置と関連して、特許文献1の「室外用ウォーキングスルー消毒装置」は、室外に設置され、人が歩いて通りながら消毒水雰囲気を形成して、通過者の全身に対してウイルス殺菌を行うことができるようにする。
【0007】
しかしながら、上記した特許文献1のような従来の殺菌消毒装置では、ほとんど別途製作され、個別容器に入れて配布される消毒水を用いる。
【0008】
例えば、上記した特許文献1において用いられる消毒水も、消毒水貯蔵部(容器)に保管された状態で流通が行われるので、周期的に内容物をリフィルし、または容器全体をリフィルして使わなければならなかった。
【0009】
このように個別容器に入れて配布される消毒水を用いると、消毒水の供給と管理が極めて不便である。多数の場所に設置された殺菌消毒装置に一々消毒水を周期的に供給することは、多くの時間と手間を要し、費用消耗的であるしかない。
【0010】
殺菌消毒に用いられる殺菌水生成技術と関連して、電気分解方式を用いてもよい。
【0011】
例えば、特許文献2は、原水を水中放電させて殺菌水を生成し、ミスト状で外部に排出する「携帯用美容水素殺菌水ミスト装置」を開示している。
【0012】
しかしながら、上記した特許文献2のように、従来、電気分解を用いて殺菌水を生成する技術は、美容目的等の小規模な殺菌水の生成に主に用いられており、多数の人に対する防疫等の多量の殺菌水が必要である分野ではあまり用いられていない。電気分解方式は、便利かつ経済的に殺菌水を供給することができるので、新型コロナウイルス感染症のパンデミック等によって防疫が日常生活において行われる状況に合わせて適切に活用する必要がある。
【0013】
一方、殺菌消毒のために防疫対象者にミストを噴霧する等の多様な目的のために、微細な粒子であるミストを噴霧する必要がある。
【0014】
例えば、上記した特許文献1では、ファンを用いて噴霧状態の消毒水が移送されるように圧力を提供する。
【0015】
しかしながら、ファンを用いて多量のミストを噴霧するためには、ファンの個数と配置、装置の重さ、ミスト生成方式によるミスト生成特性、ミスト噴霧効率等の様々な要因が考慮されなければならない。
【0016】
特に、超音波振動子を用いてミストを生成するときは、ミストが消滅せず、適切な圧力と量で噴霧されるようにしなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10-2191093号(名称:室外用ウォーキングスルー消毒装置、公告日:2020.12.15)
【特許文献2】大韓民国登録特許第10-2161372号(名称:携帯用美容水素殺菌水ミスト装置、公開日:2020.07.17)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明は、上記のようなニーズに応えるために案出されたものであって、生成した空気の流れを適切に分配して、最小のファンによって効率的にミストを噴霧することができるミスト噴霧装置を提供することをその目的とする。
【0019】
本発明の他の目的は、電気分解を用いて、便利かつ経済的に殺菌水が供給され、殺菌力のあるミストが効率的に噴霧されることができる、殺菌消毒用ミストシャワー装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成するための本発明に係るミスト噴霧装置は、ミストに変換される水を入れる水槽と、前記水槽に入った水の水面上にミストを発生させるミスト生成部と、空気の流れを発生させる送風部と、前記送風部によって発生した空気の流れがミスト排出口に移動するように空気通路を形成するエアガイド部と、を含んでなってもよい。
【0021】
このとき、前記水槽には、前記送風部によって発生した空気の流れの一部が流入する流入口と、前記ミスト生成部によって生成したミストが前記空気通路に抜け出る流出口と、が形成される。
【0022】
前記流入口と流出口は、前記水槽の上部に互いに対向して形成されてもよい。
【0023】
このとき、本発明に係るミスト噴霧装置は、前記流入口から流入した空気の流れを前記水槽の一側に誘導するミスト誘導手段をさらに含んで構成されてもよい。
【0024】
前記ミスト誘導手段は、前記流出口が形成された側から前記流入口が形成された側の下方に向かって一定の角度で下降する板の形態で構成されてもよい。
【0025】
本発明に係るミスト噴霧装置は、前記流入口から前記水槽に流入する空気の量を調節する空気流入調節部をさらに含んでもよい。
【0026】
本発明に係るミスト噴霧装置は、電気分解によって殺菌力のある殺菌水を生成して、前記水槽に供給する少なくとも一つの電気分解モジュール、及び前記水槽の内部に配置され、前記流出口に向かうミストが通過し、粗いミスト粒子を凝縮して落下させる多孔性部材のうち、少なくとも一つをさらに含んでもよい。
【0027】
前記ミスト生成部は、前記水槽の下部に配置される少なくとも一つの超音波振動子を含んでなってもよい。
【0028】
前記エアガイド部は、前記水槽の流入口が形成された面、前記水槽の上面、及び前記流出口が形成された面を取り囲む形態で構成されてもよく、前記空気の流れが方向を変える部分において、前記水槽の角は傾斜をなして構成されてもよい。
【0029】
また、前記空気通路の少なくとも一か所以上は、空気の流れを円滑にするために狭くなるように構成されてもよい。
【0030】
本発明に係る殺菌消毒用ミストシャワー装置は、防疫対象者が通過する経路を形成するハウジングと、前記ミスト噴霧装置と、を含んでなってもよい。
【0031】
前記ハウジングは、天井を形成する上側ハウジングと、左側壁を形成する左側ハウジングと、右側壁を形成する右側ハウジングと、を含んでもよい。
【0032】
このとき、前記ミスト噴霧装置は、前記上側ハウジングに設置されてもよい。
【0033】
また、前記殺菌消毒用ミストシャワー装置は、前記上側ハウジングから下方向へ殺菌力のあるミストを噴霧するように構成されてもよい。
【発明の効果】
【0034】
本発明に係るミスト噴霧装置は、送風部で発生した空気の流れの一部を水槽の内部に誘導して供給することにより、水槽の水面の上空間に生成したミストを流出口に排出させる。
【0035】
空気の流れを発生させる送風部と、ミストの排出のための送風部とが別途に用いられる必要がないので、最小のファンによって効率的にミストを噴霧することができる。
【0036】
送風部を最小で使用するようになることにより、費用節減とともに、装置の重さを減らしてメンテナンスが便利になる。
【0037】
水槽の内部に流入する空気の流れは、ミスト誘導手段によって水槽の水面上に滑らかに誘導されるので、超音波振動子によって生成したミストが消滅せず、円滑に排出され得る。
【0038】
また、本発明に係る殺菌消毒用ミストシャワー装置は、電気分解を用いて殺菌水を直接生成するので、殺菌水(消毒水)を個別容器に入れて一々繰り返して供給する必要がなく、経済的かつ便利であり、メンテナンスが極めて便利である。
【0039】
ミストの粒径が微細であり、多孔性部材でさらにろ過するので、水滴の落下を防ぎ、防疫対象者の服が濡れる恐れがなく、床が濡れず、滑り等の不注意による事故を防止することができる。
【0040】
殺菌力のあるミストを防疫対象者の頭の上方から下方向へ噴霧することにより、全身殺菌効果を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明に係るミスト噴霧装置の一実施例を示す図である。
図2】本発明に係るミスト噴霧装置の具体的な具現例の断面図である。
図3】本発明に係るミスト噴霧装置からエアガイド部を除去した具体的な具現例の上面図である。
図4】本発明に係るミスト噴霧装置の具体的な具現例の側面図である。
図5】電気分解モジュールに関する一実施例を示す図である、
図6】空気流入調節部に関する一実施例を示す図である、
図7】本発明に係る殺菌消毒用ミストシャワー装置の一実施例を示す図である。
図8】メッシュ板の移動により、ミストが接触する部分が変動して乾燥が行われることを説明する例を示す図である。
図9】メッシュ板駆動部に関する一実施例を示す図である。
図10】メッシュ板駆動部の拡大図である。
図11】噴霧状態調節部がミスト排出口に対して上昇・下降するとき、ミストの噴霧状態が調節されることを説明する例を示す図である、
図12】噴霧状態調節部に関する具体的な実施例を示す図である。
図13】噴霧状態調節部に関する具体的な実施例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、様々な変換を加えてもよく、様々な実施例を有してもよいので、特定の実施例を図面に例示して、詳細な説明において詳述する。しかしながら、これは、本発明を特定の実施例に限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変換、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0043】
本発明を説明するにあたって、関連した公知技術についての具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすることがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0044】
本発明において用いられる用語は、単に特定の実施例を説明するために用いられたものであって、本発明を限定するものではない。単数の表現は、文脈からみて、明らかに異なる意味を有さない限り、複数の表現を含む。
【0045】
この出願で、「含む」または「有する」などの用語は、明細書に記載の特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを指定しようとするものであり、一つまたはそれ以上の異なる特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品、またはこれらを組み合わせたものの存在または付加の可能性を予め排除するものではないと理解されなければならない。
【0046】
第1、第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、前記構成要素は、前記用語により限定されてはならない。前記用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的にのみ用いられる。
【0047】
図1は、本発明に係るミスト噴霧装置100の一実施例であって、ミストに変換される水を入れる水槽111と、水槽111に入った水の水面30上にミストを発生させるミスト生成部113と、空気の流れを発生させる送風部121と、送風部121により発生した空気の流れ61がミスト排出口H1に移動するように空気通路131-1を形成するエアガイド部131と、を含んでなってもよい。
【0048】
水槽111には、送風部121により発生した空気の流れの一部が流入する流入口114-1と、ミスト生成部113により生成したミストが空気通路131-1に抜け出る流出口114-2と、が形成される。
【0049】
送風部121により発生した空気の流れは、空気通路131-1に沿ってミスト排出口H1に向かって流れ、空気の流れの一部は、流入口114-1から水槽111の内部に流入する。
【0050】
流入口114-1から水槽111の内部に流入する空気の流れは、水槽111の内部に生成したミストを移動させて、流出口114-2から空気通路131-1に抜け出るように誘導する。
【0051】
また、水槽111の流出口114-2から空気通路131-1に抜け出たミストは、空気通路131-1を流れる空気の流れとともに、ミスト排出口H1から外部に噴霧される。
【0052】
水槽111は、ミストに変換される水を入れる容器の役割を行い、水槽111の材質、形態、サイズ等は、様々に構成されてもよい。
【0053】
ミスト生成部113は、水槽111に入った水の水面30上にミストを発生させ、水槽111に入った水を微細な粒子であるミスト(mist)とするために、様々に構成されてもよい。
【0054】
一例として、ミスト生成部113は、水槽111の下部に配置される少なくとも一つの超音波振動子を含んでなってもよい。超音波振動子は、水槽111に入った水の水面30上にミストを発生させる。
【0055】
水中に沈んだ超音波振動子が水面30の上空間にミストを発生させることができる最適の環境を造成するために、超音波振動子が沈んだ水深は、一定に維持されてもよい。
【0056】
水槽111は、長手方向に沿って複数個の区間に区画されてもよく、区画されたそれぞれの区間ごとに少なくとも一つの超音波振動子が配置されてもよい。すると、ミストをさらに均一に生成して排出することができる。
【0057】
送風部121は、空気の流れを発生させる。送風部121は、ミストを希望の水準で噴霧するために、多様な種類のファン(fan)とブロー(blower)等の各種の送風技術を用いて構成されてもよい。
【0058】
送風部121は、少なくとも一つのファンやブロー等の要素を用いて構成されてもよいが、本発明は、送風部121で発生した空気の流れを分配して用いるので、送風部121を構成するファンやブローの個数を最小化することができる。
【0059】
送風部121は、空気の流れを生成して適切に流すために、多様な位置に多様な方法で配置されてもよい。
【0060】
エアガイド部131は、送風部121により発生した空気の流れが、ミスト排出口H1に向かって流れるように空気通路131-1を形成する。
【0061】
エアガイド部131により形成される空気通路131-1は、必要に応じて、様々に構成されてもよい。エアガイド部131が、水槽111の両側面と、水槽111の上面とを、その長手方向に沿って取り囲む形態で構成される例が示されているが、これに限定されるのではない。
【0062】
空気通路131-1に沿って流れた空気の流れ61が、ミストとともに排出されるミスト排出口H1は、様々に構成されてもよい。
【0063】
ミスト排出口H1の形態、方向、サイズ等に応じて、ミストと空気の流れは、多様に排出される。
【0064】
一例として、ミストを幅が狭くて長さが長い形態で噴霧すれば、ミスト排出口H1は、一定の幅を有して、長さが長い孔の形態で構成されてもよい。
【0065】
水槽111には、送風部121により発生した空気の流れ61の一部が流入する流入口114-1と、ミスト生成部113により水槽の水面30上に生成したミストが、空気通路131-1に抜け出る流出口114-2と、が形成される。
【0066】
流入口114-1と流出口114-2の位置、形態、構造等は、様々に構成されてもよい。具体例として、流入口114-1及び流出口114-2は、水槽111の上部に互いに対向して形成されてもよい。
【0067】
水槽の水面30上に生成したミストの円滑な排出と関連して、水槽111の内部には、流入口114-1から流入する空気の流れを水槽111の一側に誘導するミスト誘導手段117が備えられてもよい。
【0068】
ミスト誘導手段117は、様々に構成されてもよい。一例として、ミスト誘導手段117は、流出口114-2が形成された側から流入口114-1が形成された側の下方に向かって一定の角度で下降する板の形態で構成されてもよい。
【0069】
すると、流入口114-1から水槽111の内部に流入する空気の流れ(風)は、ミスト誘導手段117から流入口114-1が形成された側の下部に戻る。また、水面30上を流れて、反対方向の流出口114-2に進みながらミストを移動させ、ミストは、流出口114-2から円滑に空気通路131-1に排出される。
【0070】
このような方式で、水槽内の風の方向を処理すれば、送風部121を用いたミスト排出効率を高めることができる。
【0071】
図2乃至図4は、本発明に係るミスト噴霧装置100の具体的な具現例を示す図であって、図2は、断面からみた例、図3は、エアガイド部を除去して、上方からみた例、図4は、側面からみた例である。図2乃至図4において、説明の要旨を曖昧にしないようにするために、一部を省略する。
【0072】
ミスト噴霧装置100の外観を構成するケース190の内部に水槽111が長く配置され、エアガイド部131が水槽111の両側面と上面を長手方向に沿って取り囲む形態が図示されている。
【0073】
ミスト噴霧装置100は、ミストの噴霧が必要である様々な分野において用いられる。具体例として、ミスト噴霧装置100は、殺菌水をミストとして噴霧する殺菌消毒分野において用いられ得る。
【0074】
このとき、ミスト噴霧装置100は、電気分解を用いて殺菌力のある殺菌水を生成し、生成した殺菌水を水槽111に供給する少なくとも一つの電気分解モジュール112-1、112-2を含んで構成されてもよい。
【0075】
電気分解モジュール112-1、112-2は、原水を電気分解して殺菌力のある殺菌水を生成する。原水は、多様な経路から供給される。例えば、電気分解モジュールは、水槽111に入った水を電気分解するように構成されてもよく、水槽111の外部から原水供給管50を介して流入する水道水等の原水を電気分解して水槽111に供給してもよい。
【0076】
電気分解モジュールは、多様な方式で配置されてもよい。
【0077】
一例として、電気分解モジュール112-2は、水槽111に入った水に沈むように水槽111の下部に配置され、水槽111の水を電気分解することができる。
【0078】
他の例として、電気分解モジュール112-1は、水槽111に入った水に沈まないように水槽111の上部に配置され、電気分解により殺菌水を生成して、水槽111に供給するように構成されてもよい。
【0079】
後者の例のように構成すれば、電気分解モジュール112-2が水に沈んでおらず、故障率が低く、メンテナンスを行う時に便利であるという長所がある。
【0080】
電気分解モジュールの多様な配置方法について説明するために、二つの例(112-1、112-2)を図示したが、いずれか一つの配置方法のみを用いてもよい。
【0081】
水槽111は、隔板により、多くの区間に区画されてもよく、それぞれの区間の底には、多数の超音波振動子113-1が配置されてもよい。
【0082】
それぞれの区間に対応して、少なくとも一つの電気分解モジュールが備えられてもよく、原水供給管50に沿って供給される原水が、原水流入管51に分岐され、それぞれの電気分解モジュール112-1に供給されてもよい。
【0083】
それぞれの電気分解モジュール112-1は、供給される原水を電気分解して殺菌水を生成し、生成した殺菌水を殺菌水流出管52から水槽に供給することができる。殺菌水流出管52の末端は、区画された該当区間の水面上の二か所以上に殺菌水を排出するために分岐55されてもよい。
【0084】
図5は、電気分解モジュール112-1、112-2に関する一実施例を示す図であって、電気分解モジュールは、陰極(-)と両極(+)を有する少なくとも1対の電極板112-11、112-13を含んでなってもよく、水分子を水中放電の原理を用いて分解して、殺菌力を有する殺菌水に作ることができる。
【0085】
一例として、両電極板112-11、112-13によって、水中でプラズマ放電を引き起こすことにより、発生する各種の陰イオン(O、O 、OH、HOCl、H)は、新型コロナウイルス感染症のような各種のウイルス、細菌、バクテリア等を殺菌することができる。
【0086】
電気分解モジュールは、互いに対向する両電極板112-11、112-13と、両電極板を相互離隔させる電極分離板112-12と、を含んで構成されてもよい。
【0087】
それぞれの電極板112-11、112-13は、特定の方向に複数のスリットが形成されてもよく、それぞれの電極板に形成されたスリットは、互いに所定角度(例えば、90度)をなして配置されてもよい。電気分解モジュール112-1、112-2に流入した水は、それぞれのスリットを通過しながら水中放電される。
【0088】
図5は、説明の理解を助けるための例であって、電気分解モジュール112-1、112-2は、必要に応じて、様々に構成されてもよく、これに限定されるのではない。
【0089】
水槽111が複数個の区間に区画される実施例において、電気分解モジュール112-1、112-2は、それぞれの区間に対応して少なくとも一つずつ配置されてもよく、電気分解モジュール及び超音波振動子113-1は、1対1だけでなく、1対多で連動してもよい。
【0090】
ミスト噴霧装置100は、流入口114-1から水槽111に流入する空気の量を調節する空気流入調節部180、及び流出口114-2に向かうミストが通過する多孔性部材118等をさらに含んでなってもよい。
【0091】
空気流入調節部180は、流入口114-1から水槽111に流入する空気の量を調節するために、様々に構成されてもよい。
【0092】
具体例として、図2及び図6を参照すると、空気流入調節部180は、送風部121で発生した空気の流れが、水槽111に形成された流入口114-1を通過する部分に配置され、空気の流れの一部を遮り、流入口114-1の方向に流れるように誘導する構造で構成されてもよい。
【0093】
空気流入調節部180は、空気の流れが通過する空気孔182-1が少なくとも一つ形成され、送風部121で発生した空気の流れの一部を遮り、流入口114-1の方向へ流れるように誘導する本体部182と、本体部182に形成された空気孔182-1の開度を調節する開閉調節部181と、を含んでもよい。
【0094】
開閉調節部181は、本体部182のそれぞれの空気孔182-1に対応して、開閉孔181-1が形成された板の形態で構成されてもよい。すると、開閉調節部181の位置に応じて、空気孔182-1と開閉孔181-1が重なる領域が変わって、空気の流れが通過する程度が調節される。
【0095】
図6の(a)に示すように、空気孔182-1と開閉孔181-1の位置が一致すると、空気が最も多く通過するので、流入口114-1に流入する空気の量は、最も少なくなる。しかし、図6の(b)に示すように、空気孔182-1と開閉孔181-1の位置が完全に外れると、空気の流れが遮られるので、流入口114-1に流入する空気の量は、最も多くなる。
【0096】
空気孔182-1が完全に塞がるとき、開閉調節部181の位置がdだけ外れると、開閉調節部181の位置をd以下のある値だけ外れるように調節することにより、空気が通過する量が決まり、水槽111に形成された流入口114-1に流入する空気の量が決まるようになる。
【0097】
開閉調節部181を特定の位置に締結する方法は、様々に構成されてもよい。
【0098】
例えば、ねじ等を用いて、必要な位置に固定させてもよく、モータを用いて自動化された方法で移動させてもよい。
【0099】
水槽111の内部には、流出口114-2に向かうミストが通過する多孔性部材118が備えられてもよい。
【0100】
多孔性部材118は、流出口114-2から空気通路131-1に抜け出るミストのうち、粗い粒子が凝縮して水面に落下するようにする役割を行い、スポンジ等の様々な素材で構成されてもよい。
【0101】
多孔性部材118は、粗い粒子が空気通路131-1に抜け出て外部に排出される状況を防止することができる。
【0102】
エアガイド部131は、空気通路131-1を形成するために、様々に構成されてもよい。一例として、エアガイド部131は、水槽111の流入口114-1が形成された面、上面、及び流出口114-2が形成された面を長手方向に沿って取り囲む形態で構成されてもよい。
【0103】
このとき、送風部121をなすファンは、水槽111の流入口114-1が形成された面の下部に配置されてもよい。このような例において、送風部121により発生した空気の流れは、流入口114-1が形成された水槽111の側面に沿って上昇した後、方向を変えて水槽111の上面に沿って移動する。
【0104】
また、さらに下方向に方向を変えて、流出口114-2が形成された水槽111の側面に沿って下降し、ミスト排出口H1から外部に排出される。
【0105】
この過程で、空気の流れの一部は、流入口114-1が形成された部分において、空気流入調節部180により水槽111の内部に流入し、流出口114-2が形成された部分においては、空気通路131-1を流れる空気の流れが流出口114-2から抜け出るミストに会うようになる。
【0106】
空気の流れをさらに円滑にするために、送風部121により発生した空気の流れが上昇してから変えられる部分、水槽111の上面に沿って流れた空気の流れがさらに下方に変えられる部分の水槽の端部は、傾斜して構成されてもよい。
【0107】
また、空気通路131-1の少なくとも一か所以上には、ベルヌーイの定理により、空気の流れがさらに円滑に行われるようにするために、空気通路131-1が狭くなるように構成されてもよい。
【0108】
例えば、流出口114-2が形成された水槽111の側面上端の傾斜部分の一部が狭くなるように構成されてもよい。
【0109】
ミスト排出口H1と隣接した部分には、空気の流れとミストが通過するように多数の孔が形成されたメッシュ板140が備えられてもよい。
【0110】
このとき、ミスト排出口H1から排出されるミストと空気の流れは、メッシュ板140を通過して外部に噴霧される。メッシュ板140に形成された多数の孔は、ミストと空気の流れに直進性を与えることができる。
【0111】
メッシュ板140に形成される孔の形態、深さ、サイズ、個数、配置等は、様々に構成されてもよい。例えば、六角形で構成されてもよいが、これに限定されない。
【0112】
図2及び図4を参照すると、ミスト排出口H1が形成されるエアガイド部131の末端には、ミストが凝縮して発生し得る水滴が流れ落ちて溜るように凝縮水収集溝131-3が形成されてもよい。
【0113】
すなわち、ミストが極めて微細な粒子で形成されるとしても、ミストと持続的に接触する部分には、ミストが凝縮して水滴が生じ得る。
【0114】
そのため、エアガイド部131の末端に凝縮水収集溝131-3を形成すると、ミストが凝縮した水滴が流れて落下する問題を防止することができる。
【0115】
エアガイド部131の末端を、それぞれの内側に折り畳んで凝縮水収集溝131-3を形成した例が図示されているが、凝縮水収集溝131-3は、これに限定されず、多様な方法で形成されてもよい。
【0116】
また、特に図示してはいないが、水槽の流出口114-2も開閉可能なように構成されてもよい。このとき、ミスト噴霧装置100は、水槽の流出口114-2を閉鎖し、風のみを用いるエアシャワーカーテン用として使われてもよい。
【0117】
図7を参照すると、本発明に係る殺菌消毒用ミストシャワー装置200は、原水を電気分解して殺菌水を生成し、生成した殺菌水をミスト状として噴霧することにより、防疫対象者に対する殺菌消毒を行う。
【0118】
殺菌消毒用ミストシャワー装置200は、防疫対象者が通過する経路80を形成するハウジングと、ハウジングに設置され、殺菌力のあるミストを噴霧するミスト噴霧装置100と、を含んでなってもよい。
【0119】
殺菌消毒用ミストシャワー装置200のハウジングは、天井を形成する上側ハウジング210、左側壁を形成する左側ハウジング220、及び右側壁を形成する右側ハウジング230を含んでなることにより、防疫対象者が通過する経路80を形成する。
【0120】
このとき、ミスト噴霧装置100は、上側ハウジング210に設置されてもよく、ミスト排出口H1は、上側ハウジング210の下方向へ殺菌力のあるミストを噴霧するように構成されてもよい。殺菌水を微細な粒子に作ったミストの性質を考慮するとき、ミストは、側面から噴霧するよりも、天井から床に向かって噴霧することが、全身に対する殺菌消毒効果をさらに高めることができる。
【0121】
ミスト噴霧装置100の水槽111には、殺菌力のあるミストの生成のために、殺菌水が入っているが、水槽111に入った殺菌水は、多様な経路から提供されてもよい。
【0122】
一例として、水槽111の水面上に配置される電気分解モジュール112-1が、水槽111に入った水や外部から供給される原水を電気分解して、殺菌水に作って供給するように構成されてもよい。
【0123】
他の例として、水槽111の下部に沈むように配置される電気分解モジュール112-2が、水槽111に入った水を電気分解して、殺菌水に作るように構成されてもよい。
【0124】
また他の例として、ミスト噴霧装置100とは別途に備えられる水槽と電気分解モジュールを用いて殺菌水を生成し、生成した殺菌水をミスト噴霧装置100の水槽に供給するように構成されてもよい。
【0125】
このとき、別途の水槽と電気分解モジュールは、左側ハウジング220と右側ハウジング230のうちの少なくとも一つに配置されてもよい。このような実施例において、上側ハウジング210に配置されるミスト噴霧装置100には、別途の電気分解モジュールが備えられず、外部から供給される殺菌水のみを用いてミストを生成することもできる。
【0126】
それだけでなく、殺菌消毒用ミストシャワー装置200は、2次以上の重複的な電気分解が行われるように構成されてもよい。
【0127】
例えば、左側ハウジング220や右側ハウジング230に別途に備えられる水槽と電気分解モジュールを用いて殺菌水を生成し、この殺菌水をミスト噴霧モジュール100に備えられた電気分解モジュールによって、さらに2次で電気分解することもできる。
【0128】
殺菌消毒用ミストシャワー装置200には、パイプとポンプ(図示せず)等の殺菌水の移動のための手段が備えられてもよい。
【0129】
ハウジングには、電源オン・オフ、動作状態表示等の殺菌消毒用ミストシャワー装置200の各種の動作制御と表示が行われる制御パネル251が備えられてもよく、殺菌水が生成する過程を使用者が興味をもって視覚的に確認するように透明窓253が備えられてもよい。
【0130】
すなわち、図示した例のように、左側ハウジング220に水槽と電気分解モジュールが備えられると、左側ハウジング220には、殺菌水が生成する過程を視覚的に見せる透明窓253が備えられてもよい。このとき、透明窓253とつながる水槽は、少なくとも一部が透明な材質で構成されてもよい。
【0131】
また、殺菌消毒用ミストシャワー装置200は、防疫対象が近付けているか否か、殺菌水の生成状態(ミストに変換させる殺菌水の量)等の多様な条件により、殺菌水の生成と噴霧を適宜調節するように構成されてもよい。
【0132】
一例として、水槽に貯蔵された殺菌水の量が一定の水準以下であれば、電気分解が行われるように制御することができる。このため、水槽の水位を感知するセンサ(図示せず)が少なくとも一つ備えられてもよく、当該センサで感知された状態に応じて動作することができる。
【0133】
また他の例として、防疫対象が近付けていることを感知できるセンサ(図示せず)を含み、このセンサにより、防疫対象が感知されたとき、ミストを生成して噴霧するように構成されてもよい。
【0134】
以下、本発明に係るミスト噴霧装置100に関するまた他の実施例について説明する。
【0135】
<電気分解モジュールの配置>
水槽111は、複数個の区間に区画されてもよく、区画されたそれぞれの区間ごとに少なくとも一つの超音波振動子113-1が配置されてもよい。すると、ミストをさらに均一に生成して排出することができる。このとき、電気分解モジュール112-1は、それぞれの区間に対応して、少なくとも一つずつ配置されてもよい。
【0136】
超音波振動子113-1が自分の垂直方向の上側の水面上にミストを最もうまく生成することができれば、電気分解モジュール112-1において、電気分解により生成した殺菌水は、それぞれの超音波振動子113-1が配置された部分の垂直方向の上側の水面付近に供給されることが好ましい。殺菌力が最も強い状態の殺菌水がミストに変化する可能性が高いからである。
【0137】
すなわち、超音波振動子113-1の位置、及び電気分解モジュール112-1の殺菌水排出の位置は、ミストの殺菌力と関連して互いに影響を及ぼし得る。
【0138】
これと関連して、電気分解モジュール112-1は、水槽111に入った水に沈まないように水槽111の上部に配置され、電気分解により殺菌水を生成して水槽111に供給するように構成されてもよい。このとき、電気分解モジュール112-1において電気分解により生成した殺菌水は、超音波振動子113-1が配置された部分の上側の水面付近に供給されるように構成されてもよい。
【0139】
これにより、ミストの殺菌力を極大化させることができる。また、電気分解モジュール112-1が水槽の水に沈まないので、故障率が減少し、メンテナンスを行うことがさらに便利になる。
【0140】
<水滴落下の防止>
ミストを噴霧するときは、ミストの凝縮による水気を処理することに特に注意する必要がある。
【0141】
ミストが凝縮して水滴が落下すれば、服を濡らして不便であるだけでなく、通路が滑って不注意による事故が発生し、美的環境を悪化させる等の多くの問題を引き起こし得る。
【0142】
メッシュ板140は、ミストが通過して排出される構成要素であって、ミスト噴霧装置100が駆動することにより、連続的にミストと接触するので、ミストが極めて小さな粒子としても、継続したミストの接触により、水滴が凝縮し得る。
【0143】
メッシュ板140を乾燥させる一つの方法として、水槽の流出口114-2を開閉可能に構成し、乾燥が必要であるときは、ミストが空気通路131-1に抜け出る水槽の流出口114-2を閉鎖してから、ミスト噴霧装置100を風のみを用いるエアシャワーモードで駆動させてもよい。
【0144】
すると、ミストがなく、空気の流れ(風)のみがメッシュ板140を通過するので、メッシュ板140を速く乾燥させることができる。
【0145】
メッシュ板140を乾燥させる他の方法として、メッシュ板140が、空気の流れ及びミストと接触する部分を移動させてもよい。
【0146】
図8の(a)を参照すると、現在、メッシュ板140の一部分M1からミストが排出されており、継続するミストの噴霧により、この部分M1に水滴が生じ、結局として、床に落下し得る。
【0147】
そのため、図8の(b)に示すように、ミストが接触する領域を、メッシュ板140の他の領域M2に変えることにより、メッシュ板140の特定領域にミストが凝縮する前に乾燥させることができる。
【0148】
このとき、メッシュ板140の幅は、ミスト排出口H1の幅よりも少なくとも2倍以上大きいことが好ましい。
【0149】
このような実施例において、ミスト噴霧装置100は、メッシュ板140を駆動して、ミストが接触する領域を変更するメッシュ板駆動部150を含んで構成されてもよい。
【0150】
図9及び図10は、メッシュ板駆動部150に関する一実施例を示す図であって、メッシュ板駆動部150は、メッシュ板140の前方と後方に備えられ、メッシュ板が左右方向に移動するようにガイドするガイドレール部151、モータ部152、及びモータ部152の回転により、メッシュ板140にガイドレール部151に沿って移動するように力を伝達する連結部153を含んで構成されてもよい。
【0151】
ガイドレール部151は、メッシュ板140の前方と後方に備えられ、メッシュ板140が左右方向に移動するように経路を提供する。
【0152】
メッシュ板140の前方と後方の末端の一部が配置されて滑るように構成される板状レールの例が図示されているが、ガイドレール部151は、メッシュ板140をガイドするために、様々に構成されてもよく、これに限定されない。
【0153】
ガイドレール部151は、長手方向の固定棒154により支持され、メッシュ板140の前方と後方の末端は、ガイドレール部151に配置される。
【0154】
このとき、メッシュ板駆動部150は、いずれか一つの固定棒154に設置され、メッシュ板140を押したり引っ張ったりすることができる。ここで、前方と後方は、メッシュ板140の長手方向をいい、左右方向は、その両側に垂直な方向を意味する。
【0155】
連結部153は、モータ部152の駆動により回転する円形の回転板153-1、及び一端が回転板153-1の端部付近に固定され、他端は、メッシュ板140の長手方向の中心付近に固定されて、回転板153-1の回転により、メッシュ板140を押したり引っ張ったりする連結棒153-2を含んで構成されてもよい。
【0156】
このとき、連結棒153-2は、メッシュ板140の中心付近に装着された連結棒支持部材143に固定されてもよく、回転板153-1は、中心軸がメッシュ板140の長手方向に形成されるように立てて配置されてもよい。また、連結棒153-2の両末端は、円滑な作動のために遊動可能に固定されてもよい。
【0157】
連結棒153-2の一端が、回転板153-1の端部に固定されるので、回転板153-1が回転することにより、連結棒153-2がメッシュ板140の方向に伸びる長さが異なる。
【0158】
すなわち、回転板153-1の回転により、連結棒153-2がメッシュ板140を押したり引っ張ったりするようになり、結局として、図8に示すように、メッシュ板140において、ミストが通過する領域が変更される。
【0159】
メッシュ板駆動部150が、いつ、メッシュ板140を移動させるようにするかは、ミスト噴霧装置100の運用状況に応じて、ミストの凝縮が発生しないように、様々に設定されてもよい。
【0160】
例えば、メッシュ板駆動部150は、管理者から移動命令が入力されたとき、殺菌水の噴霧が実行されたとき、既に設定された移動周期になったとき、メッシュ板140のミスト凝縮状態が基準値以上であるとき等の特定条件が満たされれば、メッシュ板140を移動させるように構成されてもよい。メッシュ板140のミスト凝縮状態は、当該状態を感知可能なセンサにより確認することができる。
【0161】
<ミスト噴射状態の調節>
ミスト噴霧装置100から噴霧されるミストの噴霧状態は、調節が必要である。例えば、防疫対象者にミストを噴霧して殺菌消毒を行うミストシャワー装置は、様々な状況に合わせて防疫対象者に最適の状態でミストを噴霧する必要がある。
【0162】
ミスト噴霧効率を高めるために、ミストの直進性を強化することができるが、直進性のみを強化すれば、ミストの広がる程度が弱くなり、ミストが防疫対象者の全身に十分に接触しないことがある。
【0163】
ミストが適切に均等に噴霧されなければ、防疫対象者の全身に殺菌消毒力が及ばず、防疫効果が減少する。
【0164】
このため、ミスト噴霧装置100は、ミスト排出口H1から排出されるミストの方向、厚さ、及び広がり性のうち少なくとも一つ以上を調節する噴霧状態調節部160を含んで構成されてもよい。
【0165】
噴霧状態調節部160は、様々に構成されてもよい。
【0166】
図11は、噴霧状態調節部160がミスト排出口H1に対して上昇・下降するとき、ミストの噴霧状態が調節されることを説明する例であって、噴霧状態調節部160は、ミスト排出口H1の中心部に沿って形成され、ミスト排出口H1の内部に向かって上昇・下降するように構成されている。
【0167】
すると、噴霧状態調節部160の現在位置に応じて、ミスト排出口H1を形成する両側面131-5と噴霧状態調節部160により形成される経路、すなわちミストが流れる空間の形態が決まるので、空気の流れとともに外部に排出されるミストの方向、厚さ、広がり性等が調節される。
【0168】
噴霧状態調節部160が、図11の(a)に示す位置にあるときは、ミスト排出口H1を形成する両側面131-5と噴霧状態調節部160により、P1のようなミスト排出経路が形成される。
【0169】
若し、噴霧状態調節部160が、図11の(b)に示す位置にあれば、ミスト排出口H1を形成する両側面131-5と噴霧状態調節部160により、P2のような形態のミスト排出経路が形成される。
【0170】
すなわち、噴霧状態調節部160の位置に応じて、外部に最終排出されるミストの方向、厚さ、広がり性等が調節される。
【0171】
このようなミスト排出経路を形成するために、ミスト排出口H1を形成する両側面131-5と噴霧状態調節部160は、様々な形態で構成されてもよい。
【0172】
図12は、噴霧状態調節部160に関する一実施例を示す図であり、図13は、その一部を拡大した図であって、ミスト排出口H1の中心部に沿って長く形成される噴霧調節棒160-1、及び噴霧調節棒160-1を、噴霧状態調節部160を支持するフレーム(図示せず)に着脱可能にする少なくとも一つの装着板160-2を含んでなってもよい。
【0173】
噴霧調節棒160-1は、ミスト排出口H1から排出されるミストを調節するので、ミスト排出口H1の形態と関連がある。
【0174】
ミスト排出口H1が狭くて長く形成されると、噴霧調節棒160-1も、ミスト排出口H1の中心部に沿って長く形成されてもよい。
【0175】
噴霧調節棒160-1の形態は、ミストの噴霧状態を適宜調節するために、様々に構成されてもよい。具体例として、噴霧調節棒160-1は、図13に示すように、長手方向に沿って中心部から両側縁に向かって下降する傾斜面168を有する形態で構成されてもよい。
【0176】
すると、ミスト排出口H1に向かって流れるミストに対する抵抗を最小とするとともに、ミストが流れる状態を調節することができる。
【0177】
すなわち、傾斜面168により、ミスト排出口H1を抜け出るミストが抵抗を少なく受け、傾斜面168の位置と角度等により、ミスト排出口H1を形成する両側面131-5との間に形成されるミスト排出空間も調節可能である。
【0178】
装着板160-2は、噴霧状態調節部160がミスト噴霧装置100のフレーム(図示せず)に着脱されるようにする。3つの装着板160-2が図示されているが、装着板160-2の個数、形態、締結構造等は、様々に構成されてもよく、これに限定されない。
【0179】
それぞれの装着板160-2には、噴霧調節棒160-1をフレームに装着させる締結孔167が高さを変えて二つ以上形成されてもよい。
【0180】
装着板160-2の両側面に縦方向に数個の締結孔167が形成された例が示されており、この締結孔167とフレームをボルトとナット等の各種締結手段を用いて締結することができる。
【0181】
それぞれの締結孔167が縦方向に数個形成されているので、何番目の締結孔167を用いて固定させるかによって噴霧状態調節部160が上昇・下降することができる。
【0182】
図12乃至図13に示された実施例は、一例に過ぎず、噴霧状態調節部160を支持して上昇・下降させる構造は、様々に構成されてもよい。例えば、図示のように、手動的な締結構造を有して簡単に構成されてもよいが、モータ等を用いて自動化することもできる。
【0183】
図11を参照すると、ミスト排出口H1を形成するエアガイド部131の末端、及び噴霧状態調節部160の末端等には、ミストが凝縮して水滴が発生すると、流れ落ちて溜るように凝縮水収集溝131-3、160-3が形成されてもよい。
【0184】
すなわち、ミストが極めて微細な粒子で形成されるとしても、エアガイド部131と噴霧状態調節部160においてミストと持続的に接触する部分には、ミストが凝縮して水滴が発生し得る。
【0185】
このため、エアガイド部131の末端及び噴霧状態調節部160の末端に、凝縮水収集溝131-3、160-3を形成すると、ミストが凝縮した水滴が流れて落下するという問題を防止することができる。
【0186】
凝縮水収集溝131-3、160-3に流れ落ちた水は、そのまま乾燥させ、または他の経路に排出し、また水槽111の内部に戻るように処理する等、様々な方法で処理されてもよい。
【0187】
以上、本発明を特定の好適な実施例と関連付けて図示して説明したが、以下の特許請求の範囲により定められる本発明の技術的特徴や分野を離脱しない範囲内で、本発明が様々に改造及び変化され得るのは、当業界における通常の知識を有する者にとって明白である。
【符号の説明】
【0188】
H1 ミスト排出口
30 水面
50 原水供給管
51 原水流入管
52 殺菌水流出管
61 空気の流れ
100 ミスト噴霧装置
111 水槽
112-1、112-2 電気分解モジュール
112-11、112-13 電極板
112-12 電極分離板
113 ミスト生成部
114-1 流入口
114-2 流出口
117 ミスト誘導手段
118 多孔性部材
121 送風部
131 エアガイド部
131-1 空気通路
131-3 凝縮水収集溝
131-5 ミスト排出口の側面
140 メッシュ板
150 メッシュ板駆動部
151 ガイドレール部
152 モータ部
153 連結部
153-1 回転板
153-2 連結棒
160 噴霧状態調節部
160-1 噴霧調節棒
160-2 装着板
160-3 凝縮水収集溝
167 締結孔
180 空気流入調節部
181 開閉調節部
181-1 開閉孔
182 本体部
182-1 空気孔
200 殺菌消毒用ミストシャワー装置
210 上側ハウジング
220 左側ハウジング
230 右側ハウジング
251 制御パネル
253 透明窓
図1
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図3
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図5
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図13