(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158756
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】車両用サイドサンシェードの製作方法とハンドメイドキット
(51)【国際特許分類】
B60J 3/00 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
B60J3/00 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021084948
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】521215075
【氏名又は名称】藤井 慎治
(72)【発明者】
【氏名】藤井 慎治
(57)【要約】
【課題】重大災害時に多数の避難者が避難所の駐車場や自宅等でやむなく車内避難、車中泊を行う場合や、平常時にレジャー等において車内滞在する場合、屋外で長時間駐車する場合等に、対象の車両の車内環境の快適性を高めるため、車種モデル年式により異なる形状、大きさであるサイドガラス、小型サイドガラスに対して遮光、遮熱、完全な外部からの視線遮断ができるサイドサンシェードを適時に製作する。
【解決手段】対象とする車両のサイドガラス及び小型サイドガラスに型紙用紙を仮固定する工程と、型紙用紙に各々のサイドガラスの外縁に沿って線を引く工程と、型紙用紙に引いた線に沿って切り抜き型紙とする工程と、型紙を板に仮固定する工程と、型紙の外縁を少なくとも一部を外側に膨出させた線に沿って板を切り出す工程である車両用サイドサンシェードのセルフメイドによる簡易な製作方法と、必要な材料及び道具をハンドメイドキットとして提供することで解決する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象とする車両の左、右のサイドガラス及び小型サイドガラスに型紙用紙を仮固定する工程と、型紙用紙に各々のサイドガラスの外縁に沿って線を引く工程と、型紙用紙に引いた線に沿って切り抜き型紙とする工程と、型紙を板に仮固定する工程と、型紙の外縁の少なくとも一部を外側に膨出させた線に沿って板を切り出す工程である車両用サイドサンシェードの製作方法。
【請求項2】
板形状を自己保持できる8mm以上の厚みのある、発泡ポリエチレンもしくは発泡スチロールもしくはウレタン等を芯材とし、様々な車両のサイドガラスの大きさに対応できる縦長さ600mm以上横長さ800mm以上の板と、大きさが板と同じ型紙用紙と、カッターナイフ又ははさみ1個と、筆記具1個とを備えた車両用サイドサンシェードハンドメイドキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被災地の避難所等において車内避難、車内泊する時やレジャー、リモートワーク等平常時の車内滞在や屋外車両保管の際使用する、車両により形や大きさの異なるサイドガラスに遮光、遮熱、完全に外部からの視線を遮断する車両用サイドサンシェードの製作方法と前記サイドサンシェードを製作するために必要な材料及び道具をセットにしたハンドメイドキットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
地震や水害等の甚大災害時、自治体等が避難所を開設することがある。避難者がやむなくもしくは望んで、避難所でなく避難所の駐車場や自宅の駐車場等で、車内避難、車中滞在さらに車中泊を行う場合や平常時リモートワークやレジャーにおいて車内滞在する場合、屋外で長時間駐車や保管する場合、対象の車両のガラスには、良好な車内環境を実現する為、遮光、遮熱、完全な外部からの視線の遮断によるプライバシー保護が必要なことがある。
そのためのものとしては、フロントガラス用として車両用フロントサンシェードがあり、長さは各サイズで幅は蛇腹タイプのものや、特殊傘タイプのものがある。また、後部ガラス用や後部座席のサイドガラス用としては、新車時仕様でガラスそのものに色を付けスモークガラスとして対応しているもの、後施工のスモークフィルム貼り付けにて対応しているもの、カーテンタイプのもの、スクリーンがせり上がってくるものなどがある。さらに簡易なものとして丸、だ円形の弾状線で広がり遮光素材として中側に布、メッシュを張り吸盤や粘着テープで固定するものが提案されている。
しかしながら運転席、助手席のサイドガラス及びそれに付随する小型サイドガラスに関しては、新車時仕様でガラスそのものに色を付けスモークガラスとすることや後施工のスモークフィルム貼り付け等で対応することはできない。これは、運転時に道路交通法により運転者の必要な視野の確保のためその可視光線の透過率の保安基準が定められているからである。また、後部座席のサイドガラスにおいてもスモークガラスやスモークフィルムなどの対応をしておらずクリアガラスの車両も多い。したがって、駐車、停車時に限り、カーテンタイプのもの、簡易なものとして丸、だ円形の弾状線で広がり遮光素材として中側に布、メッシュを張り吸盤や粘着テープで固定するものが提案されている。また、緊急対応として、バスタオルや新聞をサイドウィンドウ上部に挟み込んで一時的に対応している場合もある。
また、車両のモデルに合わせオーダーメードですべての窓にたいして吸盤でつける遮光布タイプのものを受注販売として提供しているものがある。
また、特開2007-160952では、フロントガラス又はサイドガラスを隅々まで覆う技術が公開されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
遮光や遮熱、視線を遮るものとしては、背景技術や特許文献1などで示されるサイドサンシェードがあるが、その材質の問題や対象の車両のサイドガラスの形や大きさにより多少の隙間ができる問題のため、完全な遮光、強力な遮熱、完全な外部からの視線の遮断ができないことや、特許文献1であっても小型サイドガラス等には対応できないことのため、車内環境の快適性を確保することが困難である。また、必要に応じて適時に必要な数のサイドサンシェードを製作する(供給する)ことはできない。
【0005】
したがって、本発明の目的は、車種モデル年式によりすべて異なる形状や大きさであるサイドガラス、小型サイドガラスに遮光、遮熱、完全な外部からの視線の遮断ができるサイドサンシェードをハンドメイドで簡易に製作し供給することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る車両用サイドサンシェードは、対象とする車両の左、右のサイドガラス及び小型サイドガラスに型紙用紙を仮固定する工程と、型紙用紙に各々のサイドガラスの外縁に沿って線を引く工程と、型紙用紙に記入した線に沿って切り抜き型紙とする工程と、型紙を板に仮固定する工程と、型紙の外縁を少なくとも一部を外側に膨出させた線に沿って板を切り出す工程を経る製作方法で供給する。
【0007】
場所や状況を選ばず、誰でも、短時間で簡易に車両用サイドサンシェードを製作するために必要な材料及び道具として、板形状を自己保持できる十分な厚み(8mm以上12mmできれば15mm以上が望ましい)のある、発泡ポリエチレンもしくは発泡スチロールもしくはウレタン等を芯材とし、様々な車両のサイドガラスの大きさに十分な大きさの板(縦長さ600mm以上800mmできれば1,000mm以上が望ましい、横長さ800mm以上900mmできれば1,000mm以上が望ましい)と、型紙用紙(大きさは板と同じかまたは大きいもの)と、カッターナイフ又ははさみ1個と、筆記具1個とを備えた車両用サイドサンシェードハンドメイドキットを提供する。
【発明の効果】
【0008】
以上のように本発明によれば、対象の車両の車種モデル年式により異なる形状、大きさであるサイドガラス、小型サイドガラスに対して遮光、遮熱、完全な外部からの視線の遮断により、車両の車内環境の快適性を確保できるサイドサンシェードをセルフメイドで誰でもどこでも簡易に短時間で適時に必要な数量を製作し供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施の形態により完成したサイドサンシェードを車両の右前サイドガラスに装着した斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態により完成したサイドサンシェード本体の正面図である。
【
図3】本発明の実施の形態により完成したサイドサンシェード本体の側面図である。
【
図4】本発明の実施の形態により完成したサイドサンシェード及び小型ガラスサイドサンシェードを車両全体に装着した状態の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態を具体的に示す。
車両用サイドサンシェードの製作方法は以下の通りである。
【0011】
対象とする車両の左、右のサイドガラス及び小型サイドガラスに車両内側から型紙用紙を仮固定する工程として、手で型紙用紙をガラス面に押し付け仮固定する。また、両面テープ等を用いてガラス面に数か所貼り型紙用紙を仮固定してもよい。
【0012】
型紙用紙にサイドガラスの外縁に沿って線を引く工程として、型紙用紙から透けて見える外縁に沿って筆記具を使って線を引く。また、型紙用紙を外縁に沿って指で押し込み皺を付けその皺に沿って線を引いてもよい。
【0013】
型紙用紙に引いた線に沿って切り抜き型紙とする工程としてカッターナイフ又ははさみを使って切り抜く。
【0014】
型紙を板に仮固定する工程として、手で型紙を板に押し付け仮固定する。また、両面テープを用いて板に仮固定してもよい。
【0015】
板を切り出す工程として、型紙の外縁を少なくとも一部を外に膨出させた線に沿って板をカッターナイフ又ははさみにて切り出す。また、型紙から5~10mm程度膨出したところに線を板にひいてその線に沿って切り出してもよい。線はフリーハンドでかまわない。できれば上下方向もしくは全周に膨出させた線に沿って切り出したほうが望ましい。
【0016】
以上の工程に沿い、できた車両用サイドサンシェードを対象車両のサイドガラスに仮に取付けてみて微調整を行う。始めは若干大きめに切り出して、大きすぎる場合はその部分を少しずつ薄く切り取り調整することが望ましいる。万一、小さすぎる場合は板を細く切ったものを両面テープや接着剤でその部分につけることで調整し片側の一枚を完成させる。左右同じものを製作する場合は、完成したサイドサンシェードをもう一枚の板に置き、その外周に合わせて線を引き、それに沿って同じ大きさに切り出す。
板に表裏がある場合には、反転させ線を引き同じ大きさに切り出す。これで左右一対の車両用サイドサンシェードを製作する。(
図2参照)
【0017】
車両用サイドサンシェードハンドメイドキットの内容については、以下の通りである。
【0018】
板は、板形状を自己保持できる厚みとしては8mm以上であるが12mmであれば望ましく 15mm以上であればさらに望ましく、素材は耐久性が高い発泡ポリエチレンもしくは発泡スチロールもしくはウレタン等を芯材で、様々な車両のサイドガラスの大きさに十分な大きさの板(縦長さ600mm以上800mmできれば1,000mm以上が望ましい、横長さ800mm以上900mmできれば1,000mm以上が望ましい)である。一枚の板形状になったもの、もしくは折りたたみ式で蛇腹形状のものが望ましい。また、遮光、遮熱、外部からの視線の遮断の効果を高めるため、車両の外側の面もしくは両側に、光と熱を反射するアルミ蒸着フィルム等の銀箔を施したものが望ましい。(
図1の3、
図2の3、
図3の3、
図4の3参照)車両内側は、車内を明るくするために白色もしくは淡い色が望ましい。また、使用時の重大な注意事項として「駐車時のみ使用可、運転時の装着禁止」等を表示することが望ましい。
例として運転席及び助手席のサイドサンシェードであれば2枚
【0019】
型紙用紙は、大きさは板と同じかまたは大きいもので、作業の簡便さのため透けやすく破れにくいものが望ましい。
例として運転席及び助手席のサイドサンシェードであれば 1枚
【0020】
カッターナイフ又ははさみ 1個
【0021】
筆記具 1個
【0022】
型紙用紙をサイドガラスや板に仮固定する工程を簡易にするため、両面テープを適量、キットに追加することが望ましい。カッターナイフ、はさみ、筆記具に関しては作業性の良い手持ちの物を使用してかまわない。
【0023】
以上のキットを使用し作成した車両用サイドサンシェードの、サイドガラスへの固定をより強固にするために、補助的に紐をつけることが望ましい。この紐の一方の端は板を貫通することができる強度の先端を持ち、反対側の端は板を突き抜けないようエンドストッパーを備えた10~20cm程度の細い紐である。紐の一方の端を、完成したサイドサンシェードの任意の上部に車両内側から貫通させ、エンドストッパーの端で固定させる。エンドストッパーは例えばボタン形状のものや紐の結び目などがよい。サイドサンシェードを装着する際、サイドウィンドウを一旦少し開け、紐の先端部を隙間から外に向けて出し、その後閉めることでサイドガラスと窓枠本体に紐が挟まり、サイドサンシェードをより強固に固定させることができる。この紐はハンドメイドキットに含まれていることが望ましい。(
図1の4、
図2の4、
図3の4、
図4の4参照)
【0024】
本発明の製作方法でハンドメイドキットを使って製作した車両用サイドサンシェードを使用する方法は、車両内側からサイドガラスに周辺部に沿って押し込むことである。サイドサンシェードはサイドガラスの外縁のサイズより少し大きいため、その素材の柔軟性、弾力性、復元力により拡がろうとして外縁に押し付けられる。その際、厚い板形状のため折り曲がることなくサイドガラスにぴったりはまり張り付く。また、その厚み部分が外縁の凹凸にひっかかりより強固に固定され、かつ隙間がなく使用することができる。(
図1参照)
短時間での着脱が可能であり、車体、ガラスに跡は残らずかつ半永久的に使用できる。
【0025】
本発明の製作方法でハンドメイドキットを使って製作した車両用サイドサンシェードは、完全な遮光、強力な遮熱、完全な外部からの視線の遮断により、エアコンの空調効果を向上させ車内で着替えられるほどのプライバシーを確保し、快適な車内環境を実現する有用有効なものである。また、車内側に板厚み以上には張り出さないためスペースを減らさず、圧迫感が少ない。また、日常の長時間の屋外駐車や車両保管時にも使用することで日焼けを防ぎ、さらには高温周囲環境と紫外線暴露のレベルと時間を抑えることにより、車内インテリアのプラスチック、ゴム、接着部分や、インパネの表示操作機器、ナビゲーションシステム、ETC受信機、ドライブレコーダー等電気製品の劣化スピードを低減し、故障を防ぎ、寿命を延ばし、ひいては車両性能および資産価値の低減を防ぐ。
【0026】
本発明品はその大きさ、厚み、素材から容易に折りたためコンパクトに収納できるものであり、車中に常備できるものである。(
図2、
図3参照)
【符号の説明】
【0027】
1 車両用サイドサンシェード本体
2 小型ガラスサイドサンシェード本体
3 光、熱を反射するためのアルミ蒸着フィルム等の銀箔
4 車両用サイドサンシェードのサイドガラスへの固定を強化するため、サイドウィンドウの開閉を利用し挟み込むための紐