(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158758
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ボルトジンユブレンド茶の製造方法
(51)【国際特許分類】
A23L 2/38 20210101AFI20221006BHJP
A23L 33/10 20160101ALI20221006BHJP
【FI】
A23L2/38 C
A23L33/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021084950
(22)【出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】521215086
【氏名又は名称】株式会社マイスターグリーン
(72)【発明者】
【氏名】市川 昌裕
【テーマコード(参考)】
4B018
4B117
【Fターム(参考)】
4B018LB08
4B018LE06
4B018MD48
4B018MD61
4B018ME04
4B018ME14
4B018MF02
4B018MF06
4B018MF07
4B117LC03
4B117LC04
4B117LE09
4B117LG18
4B117LG24
4B117LP03
4B117LP20
(57)【要約】 (修正有)
【課題】苦みを抑えたボルトジンユブレンド茶の製造方法を提供する。
【解決手段】摘み取ったボルトジンユの葉を乾燥させる第1の乾燥工程S12と、乾燥したボルトジンユの葉を粉砕しボルトジンユ葉粉末とする粉砕工程S14と、粉砕工程で粉砕した前記ボルトジンユ葉粉末を所定重量とする第1の計量工程S16と、摘み取ったグアバの葉を乾燥させる第2の乾燥工程S20と、乾燥したグアバの葉を粉砕してグアバ葉粉末とする粉砕工程S22と、粉砕工程で粉砕したグアバ葉粉末を所定重量とする第2の計量工程S24と、第1及び第2の計量工程で計量したボルトジンユ葉粉末及びグアバ葉粉末を混合して、ティーバッグに投入する投入工程S28と、ボルトジンユ葉粉末及びグアバ葉粉末が投入されたティーバッグを封止する封止工程S30と、を具備するボルトジンユブレンド茶の製造方法とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
摘み取ったボルトジンユの葉を乾燥させる第1の乾燥工程と、
この第1の乾燥工程で乾燥したボルトジンユの葉を粉砕してボルトジンユ葉粉末とする第1の粉砕工程と、
この第1の粉砕工程で粉砕した前記ボルトジンユ葉粉末を計量して所定重量とする第1の計量工程と、
摘み取ったグアバの葉を乾燥させる第2の乾燥工程と、
この第2の乾燥工程で乾燥したグアバの葉を粉砕してグアバ葉粉末とする第2の粉砕工程と、
この第2の粉砕工程で粉砕した前記グアバ葉粉末を計量して所定重量とする第2の計量工程と、
前記第1及び第2の計量工程で計量したボルトジンユ葉粉末及びグアバ葉粉末を混合して、ティーバッグに投入する投入工程と、
ボルトジンユ葉粉末及びグアバ葉粉末が投入されたティーバッグを封止する封止工程と、
を具備することを特徴とするボルトジンユブレンド茶の製造方法。
【請求項2】
前記第1及び第2の乾燥工程において、ボルトジンユ及びグアバの葉の含水率は、5%に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のボルトジンユブレンド茶の製造方法。
【請求項3】
前記ボルトジンユ及びグアバの葉の含水率の許容範囲は、0.5%に設定されていることを特徴とするボルトジンユブレンド茶の製造方法。
【請求項4】
前記第1の計量工程における前記ボルトジンユ葉粉末の所定重量と、前記第2の計量工程における前記グアバ葉粉末の所定量とは、5対3の比率となるように設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のボルトジンユブレンド茶の製造方法。
【請求項5】
前記第1の計量工程においては、前記ボルトジンユ葉粉末の所定重量として2.5gが設定され、前記第2の計量工程においては、前記グアバ葉粉末の所定量として1.5gが設定されて、ティーバッグに収容されていることを特徴とする請求項4の記載のボルトジンユブレンド茶の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ボルトジンユ茶を苦みを抑制して、より飲みやすくしたボルトジンユブレンド茶の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、沖縄において万能ハーブとして知られているボルトジンユは、シソ科プレクトラサンス属の非耐寒性多年草で、余分な塩分を排泄し、血圧を下げる効果があるカリウム、血液をサラサラにして高血圧を予防するカルシウムなど、ミネラルが豊富に含まれていて、ハーブティーとして簡単に楽しむことが出来るものであり、「奇跡の薬草」として知られ始めている。
【0003】
このボルトジンユの葉を水の入った薬缶に投入して火をつけ、沸騰したら弱火で10分程度煮込むことにより、独特の香りと多少の苦みがあるボルトジンユティーを楽しむことができることは、ネット等で良く知られている。また、乾燥させたボルトジンユの葉を用いれば、この乾燥ボルトジンユ葉をカップに入れてお湯を注ぐだけで、ボルトジンユティーを楽しむことができることも、ネット等で良く知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法でボルトジンユを楽しもうとすると、どうしても、「苦み」が問題となり、糖尿気味の人や、高血圧気味の人が、薬茶(薬用ハーブ茶)として飲用する場合には、「良薬、口に苦し」として我慢せざるを得ないものであるが、一般の人が、所謂、健康茶として飲用するには、この「苦み」が問題となり、ボルトジンユを用いたハーブティーとしての普及の妨げとなっていて、改善が要望されていた。
【0005】
この発明は、上記した問題に鑑みなされたもので、奇跡の薬草として知られるボルトジンユを一般の人が楽しむことできるように苦みを抑えたボルトジンユブレンド茶として製造するためのボルトジンユブレンド茶の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し目的を達成するために、この発明に係わるボルトジンユブレンド茶の製造方法は、請求項1の記載によれば、摘み取ったボルトジンユの葉を乾燥させる第1の乾燥工程と、この第1の乾燥工程で乾燥したボルトジンユの葉を粉砕してボルトジンユ葉粉末とする第1の粉砕工程と、この第1の粉砕工程で粉砕した前記ボルトジンユ葉粉末を計量して所定重量とする第1の計量工程と、摘み取ったグアバの葉を乾燥させる第2の乾燥工程と、この第2の乾燥工程で乾燥したグアバの葉を粉砕してグアバ葉粉末とする第2の粉砕工程と、この第2の粉砕工程で粉砕した前記グアバ葉粉末を計量して所定重量とする第2の計量工程と、前記第1及び第2の計量工程で計量したボルトジンユ葉粉末及びグアバ葉粉末を混合して、ティーバッグに投入する投入工程と、ボルトジンユ葉粉末及びグアバ葉粉末が投入されたティーバッグを封止する封止工程と、を具備することを特徴としている。
【0007】
また、この発明に係るボルトジンユブレンド茶の製造方法は、請求項2の記載によれば、前記第1及び第2の乾燥工程において、ボルトジンユ及びグアバの葉の含水率は、5%に設定されていることを特徴としている。
【0008】
また、この発明に係るボルトジンユブレンド茶の製造方法は、請求項3の記載によれば、前記ボルトジンユ及びグアバの葉の含水率の許容範囲は、0.5%に設定されていることを特徴としている。
【0009】
また、この発明に係るボルトジンユブレンド茶の製造方法は、請求項4の記載によれば、前記第1の計量工程における前記ボルトジンユ葉粉末の所定重量と、前記第2の計量工程における前記グアバ葉粉末の所定量とは、5対3の比率となるように設定されていることを特徴としている。
【0010】
また、この発明に係るボルトジンユブレンド茶の製造方法は、請求項5の記載によれば、前記第1の計量工程においては、前記ボルトジンユ葉粉末の所定重量として2.5gが設定され、前記第2の計量工程においては、前記グアバ葉粉末の所定量として1.5gが設定されて、ティーバッグに収容されていることを特徴としている。
【0011】
上記請求項1に記載のボルトジンユ茶の製造方法によれば、本願発明の製造方法により製造されるボルトジンユブレンド茶は、ボルトジンユの葉だけでなく、グアバの葉を混在させたブレンド茶であり、このグアバの葉を混在させたことにより、ボルトジンユ単独の葉から茶葉を構成する場合と比較して、格段と、苦みが抑制されることとなり、一般の人も、ボルトジンユを苦みを気にしないでハーブティーとしてのボルトジンユブレンド茶として気軽に飲用することができることとなり、健康増進を図ることができることとなる。
【0012】
また、請求項2に記載のボルトジンユブレンド茶の製造方法においては、ボルトジンユ及びグアバの葉の含水率を、5%に設定しているので、これより高く設定することによるカビの発生を抑制し、また、これより低く設定することによる苦みの発生を抑制することができることになる。
【0013】
また、請求項3に記載のボルトジンユブレンド茶の製造方法においては、ボルトジンユ及びグアバの葉の含水率の許容範囲を、夫々、0.5%に設定しているので、本願発明に係るボルトジンユブレンド茶の製造方法を実施することにより、ボルトジンユ葉及びグアバ葉におけるカビの発生を効果的に抑制し、飲用に際しての苦みの発生を効果的に抑制することができることになる。
【0014】
また、請求項5に記載のボルトジンユブレンド茶の製造方法においては、前記第1の計量工程における前記ボルトジンユ葉粉末の所定重量と、前記第2の計量工程における前記グアバ葉粉末の所定量とを、5対3の比率となるように設定しているので、混合したグアバ葉の味覚を強くせず、また、苦みを適度に抑えて一般の人にも飲用しやすい味に調整することができることになる。
【0015】
また、請求項5に記載のボルトジンユブレンド茶の製造方法においては、 ティーバック1包当たりのボルトジンユ葉とグアバ葉との混合重量を、2.5gと1.5gとしているので、ティーバッグを用いて、簡便に、ボルトジンユブレンド茶のハーブティーを賞味することができることになる。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、この発明に係わるボルトジンユブレンド茶の製造方法によれば、奇跡の薬草として知られるボルトジンユを一般の人が楽しむことできるように苦みを抑えたボルトジンユブレンド茶として製造するためのボルトジンユブレンド茶の製造方法を提供することが出来ることになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】 この発明に係わる一実施例の構成のボルトジンユブレンド茶の製造方法の手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、この発明に係わるボルトジンユブレンド茶の製造方法の実施の手順について、添付図面を用いて説明する。
【0019】
図1は、本願発明に係るボルトジンユブレンド茶の製造方法の一実施例の手順を示すフローチャートである。
【0020】
図1に示すように、先ず、この一実施例のボルトジンユブレンド茶の製造方法においては、ステップS10において、ボルトジンユの葉の摘み取りを行い、引き続くステップS12において、摘み取ったボルトジンユの葉を乾燥させる第1の乾燥工程を実行する。この第1の乾燥工程S12において、ボルトジンユの葉は、乾燥炉内に投入され、含水率が5%になるまで乾燥される。尚、ボルトジンユの葉の含水率の許容範囲は、0.5%に設定されている。
【0021】
次に、ステップS14において、第1の乾燥工程S12で乾燥したボルトジンユの葉を粉砕してボルトジンユ葉粉末とする第1の粉砕工程を実行する。この第1の粉砕工程S14においては、粉砕装置を用いて、ボルトジンユの葉を茎ごと、3mm程度のサイズに略均一に粉砕する。
【0022】
そして、引き続くステップS16において、第1の粉砕工程S14で粉砕した前記ボルトジンユ葉粉末を計量して所定重量としての2.5gを計量する第1の計量工程を実行する。この第1の計量工程S16において設定される前記ボルトジンユ葉粉末の所定重量値である2.5gの許容範囲は、±0.1gに設定されている。
【0023】
一方、上述したステップS10乃至S16と並行して、または、これの後、ステップS18において、グアバの葉の摘み取りを行い、引き続くステップS20において、摘み取ったグアバの葉を乾燥させる第2の乾燥工程を実行する。この第2の乾燥工程S20において、グアバの葉は、乾燥炉内に投入され、含水率が5%になるまで乾燥される。尚、グアバの葉の含水率の許容範囲は、0.5%に設定されている。
【0024】
このように、ボルトジンユ及びグアバの葉の含水率の許容範囲を、夫々、0.5%に設定しているので、ボルトジンユ葉及びグアバ葉におけるカビの発生を効果的に抑制し、また、飲用に際しての苦みの発生を効果的に抑制することができることになる。
【0025】
次に、ステップS22において、第2の乾燥工程S20で乾燥したグアバの葉を粉砕してグアバ葉粉末とする第2の粉砕工程を実行する。この第2の粉砕工程S22においては、粉砕装置を用いて、グアバの葉を茎ごと、3mm程度のサイズに略均一に粉砕する。
【0026】
そして、引き続くステップS24において、第2の粉砕工程S22で粉砕した前記グアバ葉粉末を計量して所定重量としての1.5gを計量する第2の計量工程を実行する。この第2の計量工程S24において設定される前記グアバ葉粉末の所定重量値である1.5gの許容範囲は、±0.1gに設定されている。
【0027】
このように、この一実施例においては、第1及び第2の計量工程S16、S24において、ティーバック1包当たりのボルトジンユ葉とグアバ葉との混合割合を、5:3、即ち、ティーバッグ1包当たり、2.5g:1.5gとしているので、混合したグアバ葉の味覚を強くせず、また、苦みを適度に抑えて一般の人にも飲用しやすい味に調整することができることになる。
【0028】
また、ボルトジンユの葉及びグアバの葉の重量の許容範囲を、夫々、0.1gと設定しているので、混合したグアバ葉の味覚を強くせず、また、苦みを適度に抑えて一般の人にも飲用しやすい味に確実に調整することができることになる。
【0029】
そして、引き続くステップS26において、前記第1及び第2の計量工程S16、S24で計量したボルトジンユ葉粉末及びグアバ葉粉末を混合する混合工程を実行して、この後、ステップS28において、混合工程S26で混合したボルトジンユ葉粉末とグアバ葉粉末とをティーバッグに投入する投入工程を実行する。
【0030】
尚、この実施例においては、投入工程S28の前に、混合工程を実行すると説明したが、この発明は、この混合工程S26を実行することに限定されることなく、混合工程S26を実行しなくても良く、この場合、前記第1及び第2の計量工程S16、S24で計量したボルトジンユ葉粉末及びグアバ葉粉末は、混合工程S26を経ることなく、直接に、ティーバッグ内に投入する投入工程S28が実行されることになる。
【0031】
そして、ステップS30において、ボルトジンユ葉粉末及びグアバ葉粉末が投入されたティーバッグを封止する封止工程が実行され、一連のボルトジンユブレンド茶の製造方法のすべての製造工程が終了する。
【0032】
尚、以上説明したボルトジンユブレンド茶の製造方法を実行することにより得られるボルトジンユブレンド茶の成分分析結果を、以下の表1に示す。
【0033】
【0034】
この発明は、上述した一実施例の説明で用いた数値、手順に何等限定されることなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々変更・変形可能であることは、言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0035】
以上、詳述したように、本件発明者は、ボルトジンユ茶の飲用の促進を図るために、種々研究・実験を繰り返した結果、ボルトジンユにおける従来ある万能ハーブの健康茶としての飲用の普及の妨げとなっていた「苦み」を、今まで誰もが思いつかないでいたグアバ茶とのブレンドという斬新なアイデアを発明するに至り、これにより「苦み」を効果的に抑制し、且つ、ボルトジンユが本来有する効用を維持させることができることを発明するに至ったものである。更には、ボルトジンユとグアバとの混合比率を、5:3とすることにより、更に、ブレンドの効果を最大限に引き出すことができることを新規に発見したものであり、これにより、目的としていたボルトジンユの飲用の促進を大きく達成することができるものであり、健康促進の観点から、非常な効果を奏することが出来るものである。