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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158795
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】レンズユニット及び携帯端末
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20221006BHJP
【FI】
G02B7/02 Z
G02B7/02 A
G02B7/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021105955
(22)【出願日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】202110351018.6
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】516180667
【氏名又は名称】北京小米移動軟件有限公司
【氏名又は名称原語表記】Beijing Xiaomi Mobile Software Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.018, Floor 8, Building 6, Yard 33, Middle Xierqi Road, Haidian District, Beijing 100085, China
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100132241
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 博史
(72)【発明者】
【氏名】尹 志東
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AA02
2H044AB02
2H044AJ02
2H044AJ03
2H044AJ04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】鏡筒の先端面の外径と後鏡筒の先端面の外径との比率を一定の範囲内に制限することで、レンズユニットの光学パラメータが同じであることを前提として、鏡筒全体の寸法を効果的に小さくし、レンズユニット全体の構造をより小型化することができるレンズユニット及び携帯端末を提供することを目的とする。
【解決手段】レンズユニットを提供し、同軸に設けられた前鏡筒10と後鏡筒20とを含む鏡筒を含み、ここで、前記前鏡筒の先端面101の外径と前記後鏡筒の先端面109の外径との比が所定範囲内にある。本発明は、前鏡筒の先端面の外径と後鏡筒の先端面の外径との比率を一定の範囲内に制限することで、光学パラメータが同じであることを前提として、レンズユニット全体の構造をより小型化することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズユニットであって、
同軸に設けられた前鏡筒と後鏡筒とを含む鏡筒を含み、
前記前鏡筒の先端面の外径と前記後鏡筒の先端面の外径との比が所定範囲内にある、
ことを特徴とするレンズユニット。
【請求項2】
前記前鏡筒の先端面の外径と前記後鏡筒の先端面の外径との比は、
0.2<φ1/φ3<1.0という関係式を満たし、
φ1は前記前鏡筒の先端面の外径であり、φ3は前記後鏡筒の先端面の外径である、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項3】
前記前鏡筒は、前記前鏡筒の先端面の外径及び前記前鏡筒の軸方向長さに基づいて決定される、
ことを特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
【請求項4】
前記前鏡筒は、0.8<(φ2-φ1)/H1<1.5という条件式を満たし、
φ2は前記前鏡筒の後端面の外径であり、H1は前記前鏡筒の軸方向長さである、
ことを特徴とする請求項3に記載のレンズユニット。
【請求項5】
前記前鏡筒は、1.5<φ1/H1<2.5という条件式を満たし、
H1は前記前鏡筒の軸方向長さである、
ことを特徴とする請求項3に記載のレンズユニット。
【請求項6】
前記前鏡筒は、前記前鏡筒の先端面と前記前鏡筒の後端面とを接続する前傾斜面を含み、前記前鏡筒は、100°<R1<125°という関係式を満たし、
R1は前記前傾斜面と前記前鏡筒の軸方向に垂直な平面とのなす角である、
ことを特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
【請求項7】
前記後鏡筒は、1.0<φ3/H2<2.0という関係式を満たし、
H2は前記後鏡筒の軸方向長さである、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項8】
前記後鏡筒は、0.3<φ3/φ4<1.0という関係式を満たし、
φ4は前記後鏡筒の後端面の外径の最大寸法である、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項9】
前記後鏡筒は、後傾斜面と段差面とを含み、前記後傾斜面が前記後鏡筒の先端面と前記段差面とを接続する、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項10】
前記後鏡筒は、105°<R2<130°という関係式を満たし、
R2は前記後傾斜面と前記後鏡筒の軸方向に垂直な平面とのなす角である、
ことを特徴とする請求項9に記載のレンズユニット。
【請求項11】
前記鏡筒は、0.2<H1/H2<1.0という関係式を満たし、
H1は前記前鏡筒の軸方向長さであり、H2は前記後鏡筒の軸方向長さである、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項12】
前記鏡筒は、0.3<φ1/TL<0.8という関係式を満たし、
TLは前記前鏡筒の軸方向長さと前記後鏡筒の軸方向長さとの和である、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項13】
前記前鏡筒と前記後鏡筒とは別体構造であり、前記前鏡筒の後端面と前記後鏡筒の先端面とが固定的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項14】
前記前鏡筒の後端は、径方向外側に向かって凸部を形成し、
前記凸部と前記後鏡筒の先端面とは、0.3<D1/D2<0.8という関係式を満たし、
D1は前記凸部の横断面の径方向幅であり、D2は前記後鏡筒の先端面の横断面の径方向幅である、
ことを特徴とする請求項13に記載のレンズユニット。
【請求項15】
前記凸部は、0.3<h1/D1<1.0という関係式を満たし、
h1は前記凸部の縦断面の軸方向長さである、
ことを特徴とする請求項14に記載のレンズユニット。
【請求項16】
前記レンズユニットは、
前記前鏡筒及び前記後鏡筒内にそれぞれ設けられた少なくとも1つのレンズをさらに含み、
前記前鏡筒内の前記後鏡筒に最も近い前記レンズは、スポット接着剤により前記前鏡筒に固定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項17】
前記レンズユニットは、FOV>90°という関係式を満たし、
FOVは前記レンズユニットの最大画角である、
ことを特徴とする請求項16に記載のレンズユニット。
【請求項18】
携帯端末であって、
請求項1~17のいずれか1項に記載のレンズユニットと、
前記レンズユニットの光出射側に位置し、前記レンズユニットの光出射側から出射された光を受光するためのイメージセンサと、を含む、
ことを特徴とする携帯端末。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像技術の分野に関し、特にレンズユニット及び携帯端末に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話、タブレットコンピュータなどの携帯端末の継続的な発展と進歩に伴い、携帯端末は高集積度、小型化の傾向に向かって発展し、機能デバイスの積み重ねに対してより高い要求を出している。携帯電話、タブレットコンピュータなどの携帯端末は、いずれも撮像機能を備えている。
【0003】
しかしながら、携帯端末の限られたスペース内では、撮像機能として機能するカメラがスペースを比較的大きく占め、携帯端末の小型化の発展に不利である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
関連技術に存在する問題を克服するために、本発明は、前鏡筒の先端面の外径と後鏡筒の先端面の外径との比率を一定の範囲内に制限することで、レンズユニットの光学パラメータが同じであることを前提として、鏡筒全体の寸法を効果的に小さくし、レンズユニット全体の構造をより小型化することができるレンズユニット及び携帯端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明で採用される技術案は、以下のとおりである。
【0006】
本発明の実施例の第1態様によれば、レンズユニットを提供し、同軸に設けられた前鏡筒と後鏡筒とを含む鏡筒を含み、ここで、前記前鏡筒の先端面の外径と前記後鏡筒の先端面の外径との比が所定範囲内にある。
【0007】
一実施例では、前記前鏡筒の先端面の外径と前記後鏡筒の先端面の外径との比は、0.2<φ1/φ3<1.0という関係式を満たし、ここで、φ1は前記前鏡筒の先端面の外径であり、φ3は前記後鏡筒の先端面の外径である。
【0008】
一実施例では、前記前鏡筒は、前記前鏡筒の先端面の外径及び前記前鏡筒の軸方向長さに基づいて決定される。
【0009】
一実施例では、前記前鏡筒は、0.8<(φ2-φ1)/H1<1.5という条件式を満たし、ここで、φ2は前記前鏡筒の後端面の外径であり、H1は前記前鏡筒の軸方向長さである。
【0010】
一実施例では、前記前鏡筒は、1.5<φ1/H1<2.5という条件式を満たし、ここで、H1は前記前鏡筒の軸方向長さである。
【0011】
一実施例では、前記前鏡筒は、前記前鏡筒の先端面と前記前鏡筒の後端面とを接続する前傾斜面を含み、ここで、前記前鏡筒は、100°<R1<125°という関係式を満たし、ここで、R1は前記前傾斜面と前記前鏡筒の軸方向に垂直な平面とのなす角である。
【0012】
一実施例では、前記後鏡筒は、前記後鏡筒の先端面の外径に基づいて決定される。
【0013】
一実施例では、前記後鏡筒は、1.0<φ3/H2<2.0という関係式を満たし、ここで、H2は前記後鏡筒の軸方向長さである。
【0014】
一実施例では、前記後鏡筒は、0.3<φ3/φ4<1.0という関係式を満たし、ここで、φ4は前記後鏡筒の後端面の外径の最大寸法である。
【0015】
一実施例では、前記後鏡筒は、後傾斜面と段差面とを含み、前記後傾斜面が前記後鏡筒の先端面と前記段差面とを接続する。
【0016】
一実施例では、前記後鏡筒は、105°<R2<130°という関係式を満たし、ここで、R2は前記後傾斜面と前記後鏡筒の軸方向に垂直な平面とのなす角である。
【0017】
一実施例では、前記鏡筒は、0.2<H1/H2<1.0という関係式を満たし、ここで、H1は前記前鏡筒の軸方向長さであり、H2は前記後鏡筒の軸方向長さである。
【0018】
一実施例では、前記鏡筒は、0.3<φ1/TL<0.8という関係式を満たし、ここで、TLは前記前鏡筒の軸方向長さと前記後鏡筒の軸方向長さとの和である。
【0019】
一実施例では、前記前鏡筒と前記後鏡筒とは別体構造であり、前記前鏡筒の後端面と前記後鏡筒の先端面とが固定的に接続されている。
【0020】
一実施例では、前記前鏡筒の後端は、径方向外側に向かって凸部を形成し、前記凸部と前記後鏡筒の先端面とは、0.3<D1/D2<0.8という関係式を満たし、ここで、D1は前記凸部の横断面の径方向幅であり、D2は前記後鏡筒の先端面の横断面の径方向幅である。
【0021】
一実施例では、前記凸部は、0.3<h1/D1<1.0という関係式を満たし、ここで、前記h1は前記凸部の縦断面の軸方向長さである。
【0022】
一実施例では、前記レンズユニットは、前記前鏡筒及び前記後鏡筒内にそれぞれ設けられた少なくとも1つのレンズをさらに含み、ここで、前記前鏡筒内の前記後鏡筒に最も近い前記レンズは、スポット接着剤により前記前鏡筒に固定されている。
【0023】
一実施例では、前記レンズユニットは、FOV>90°という関係式を満たし、ここで、FOVは前記レンズユニットの最大画角である。
【0024】
本開示の実施例の第2態様によれば、携帯端末を提供し、上記第1態様のいずれか1つの実施例のレンズユニットであるレンズユニットと、前記レンズユニットの光出射側に位置し、前記レンズユニットの光出射側から出射された光を受光するためのイメージセンサと、を含む。
【発明の効果】
【0025】
本発明の実施例で提供される技術案は、以下の有益な効果を含むことができる。前鏡筒の先端面の外径と後鏡筒の先端面の外径との比率を一定の範囲内に制限することで、レンズユニットの光学パラメータが同じであることを前提として、鏡筒全体の寸法を効果的に小さくし、レンズユニット全体の構造をより小型化することができ、レンズユニットを携帯端末に取り付ける場合、携帯端末の内部スペースへの占有を減らすことができ、他のデバイスの積み重ね及び配置にスペースを提供し、携帯端末の小型化にも有利である。
【0026】
なお、上記一般的な説明と後述の詳細な説明は、例示的且つ説明的なものにすぎず、本発明を限定するものではないことを理解すべきである。
【0027】
ここの添付図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成し、本発明に適合する実施例を示し、本明細書と共に本発明の原理を説明するために使用される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本開示の例示的な一実施例によって示されるレンズユニットの概略断面図
図2】本開示の例示的な一実施例によって示される鏡筒の概略断面図
図3】本開示の例示的な一実施例によって示されるレンズユニットの概略断面図の一部
図4】本開示の例示的な一実施例によって示されるレンズユニットの概略断面図
図5】本開示の例示的な別の実施例によって示されるレンズユニットの概略断面図
図6】本開示の例示的な一実施例によって示される携帯端末の概略構造図
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで、例示的な実施例をここで詳細に説明し、その例を添付の図面に示す。以下の説明が図面に言及している場合、特に明記しない限り、異なる図面の同じ番号は、同じ又は類似の要素を示す。以下の例示的な実施例に記載されている実施形態は、本発明と一致する全ての実施形態ではない。それどころか、それらは、添付の特許請求の範囲に詳述された、本発明のいくつかの態様と一致する装置及び方法の単なる例である。
【0030】
図1は、本開示の例示的な一実施例によって示されるレンズユニットの概略断面図である。図6は、本開示の例示的一実施例によって示される携帯端末の概略構造図である。
【0031】
本開示の実施例は、携帯端末2に適用可能なレンズユニット1を提供する。携帯端末2は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、スマートブレスレットやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイス、カメラ、ビデオカメラなどの写真撮影又は撮像機能を有する電子機器であってもよい。
【0032】
レンズユニット1は、外光を集光し、且つ外光を屈折させて携帯端末2の内部のイメージセンサに集光する。例えば、使用時に、撮影対象物からの光がレンズユニット1によって屈折調整されて、イメージセンサに投射され、イメージセンサが光情報をデジタル情報に変換してから、携帯電話の内部プロセッサによって処理し、スクリーンに表示する。
【0033】
いくつかの実施例では、レンズユニット1は、携帯端末2のリアカメラとして使用されることができる。別の実施例では、レンズユニット1は、携帯端末2のフロントカメラとして使用されることができる。レンズユニット1が携帯端末2のフロントカメラとして使用されるかリアカメラとして使用されるかにかかわらず、その数は1つまたは複数であってもよい。
【0034】
図1に示すように、レンズユニット1は、鏡筒と鏡筒内に設けられたレンズとを含む。レンズユニット1は、物体側と像側とを含むことができ、ここで、撮影対象物に近い側が物体側、イメージセンサに近い側が像側である。
【0035】
鏡筒は、同軸に設けられた前鏡筒10と後鏡筒20とを含む。前鏡筒10の中心軸と後鏡筒20の中心軸とは同軸であり且ついずれもレンズユニット1の光軸Oと重なる。前鏡筒10と後鏡筒20とは、別体構造であってもよいし、一体構造であってもよい。前鏡筒10及び後鏡筒20の材質は、金属材質または樹脂材質であってもよい。前鏡筒10及び後鏡筒20の内壁には、各種光学素子を受け入れて整合させるための階段状の環状支承面がそれぞれ複数形成されていてもよい。
【0036】
前鏡筒10及び後鏡筒20内には、それぞれ光の屈折経路を変化させ、光を集光するための少なくとも1つのレンズが設けられている。ここで、後鏡筒20に最も近い前鏡筒10内のレンズは、スポット接着剤により前鏡筒10に固定されていてもよい。レンズは、凸レンズ、凹レンズ、又はその組み合わせであってもよい。レンズの材質は、プラスチックレンズ、ガラスレンズであってもよい。
【0037】
図2は、本開示の例示的な一実施例によって示される鏡筒の概略断面図である。図1及び図2に示すように、前鏡筒10は、内部が中空構造となり、連通する先端面101と後端面105とを含み、ここで、前鏡筒10の先端面101が鏡筒10の物体側に近接している。後鏡筒20も、内部が中空構造になり、連通する先端面109と後端面113とを含み、後鏡筒20の先端面109と前鏡筒10の後端面105とが接着剤により固定的に接続されていてもよいが、これに限らず、後鏡筒20の先端面109と前鏡筒10の後端面105とが磁気部品によって吸着可能に接続されていてもよい。撮影対象物の光は、前鏡筒10の先端面101の開口を介して入射し、前鏡筒10の後端面105の開口及び後鏡筒20の先端面109の開口を順次経て、最後に後鏡筒20の後端面113から出射される。
【0038】
ここで、前鏡筒10の先端面101の外径φ1と後鏡筒20の先端面109の外径φ3との比は、所定範囲内にある。ここで、前鏡筒10の先端面101の外径φ1は、前鏡筒10の先端面101の最大直径である。該所定範囲は、前鏡筒10の先端面101及び後鏡筒20の先端面109の径方向寸法を制御するために用いられ、それによって鏡筒全体の寸法を制限する。前鏡筒10の先端面101の外径は、前鏡筒10の最先端の外壁の直径、即ち前鏡筒10の最先端(レンズユニットの物体側に近い端)の径方向寸法である。後鏡筒20の先端面109は、後鏡筒20の最先端の直径、即ち後鏡筒20の最先端(レンズユニットの物体側に近い端)の径方向寸法である。
【0039】
本開示のいくつかの実施例のレンズユニット1は、まずレンズユニットに必要な光学パラメータ(例えば1つ又は複数のレンズの構造)に基づいて、レンズを収容する鏡筒の内部構造寸法(例えば長さ、幅)を決定し、次に本開示のいくつかの対応する寸法比率範囲に基づいて、鏡筒の外部の寸法を決定し、それによってレンズユニット全体の寸法を最大限に小さくすることができる。組立需要に応じてまず鏡筒の外部面のあるパラメータ寸法を決定し、さらに寸法比率範囲に基づいて、他のパラメータの寸法を調整することもできる。
【0040】
本開示は、上述したように、前鏡筒10の最先端の径方向寸法と後鏡筒20の最先端の径方向寸法との比率を一定の範囲内に制限することで、レンズユニットの光学パラメータ(レンズ構造)が同じであることを前提として、鏡筒全体の寸法を効果的に制御することができ、このように、レンズユニット1全体の構造のさらなる小型化に寄与する。レンズユニット1を携帯端末2に取り付けることで、携帯端末2の内部スペースへの占有を減らすことができ、それによって他のデバイスの積み重ね及び配置に利便性を提供し、携帯端末2の小型化にも有利である。
【0041】
レンズユニット1が携帯端末2のフロントカメラとされるシーンでは、通常、レンズユニット1の頭部の大きさが携帯端末2のスクリーン開口部の大きさを決定する。前鏡筒10の最先端の径方向寸法と後鏡筒20の最先端の径方向寸法との比率が一定の範囲内に制御されているので、レンズユニットの光学パラメータ(レンズ構造)が同じであることを前提として、前鏡筒10の頭部が良好に制限され、前鏡筒10の小型化に寄与し、このように、スクリーン開口部の縮小、スクリーン占有率の向上に寄与することができる。
【0042】
一実施例では、図2に示すように、前鏡筒10の先端面101の外径と後鏡筒20の先端面109の外径との比は、0.2<φ1/φ3<1.0という関係式を満たし、ここで、φ1は前鏡筒10の先端面の外径であり、φ3は後鏡筒20の先端面109の外径、すなわち後鏡筒20の先端面109の最大直径である。φ1及びφ3は、そのうちの一方の値に基づいて他方の値の範囲を制限することができる。例えば、φ3の値が固定値であり、例えばφ3=2.92mmである場合、φ1の値は上記関係式に基づいて一定の範囲に決定され、それによって前鏡筒10の先端面の外径φ1がこの範囲内に制限され、このように、レンズユニット1の先端部の寸法の小型化に寄与し、携帯端末2のスクリーン占有率を向上させる。一例として、φ1の値は1.80mmであってもよい。
【0043】
一実施例では、前鏡筒10は、前鏡筒10の先端面101の外径φ1及び前鏡筒10の軸方向長さH1に基づいて決定される。前鏡筒10は、先端面101の外径φ1及び軸方向長さH1に基づいて、前鏡筒10の径方向及び軸方向の寸法を決定することができ、このように、前鏡筒10全体の寸法を決定することができる。外径φ1と軸方向長さH1との比の範囲を合理的に制御することで、前鏡筒構造が小さな寸法を有することを効果的に保証でき、レンズユニットの端部の寸法を小さくすることに寄与する。
【0044】
一例では、前鏡筒10は、0.8<(φ2-φ1)/H1<1.5という条件式を満たし、ここで、φ2は前鏡筒10の後端面105の外径、すなわち前鏡筒の後端面105の最大直径であり、H1は前鏡筒10の軸方向長さである。φ2とφ1との差及び前鏡筒10の軸方向長さH1のうちの一方のパラメータが固定値であれば、上記条件式により他方のパラメータの範囲を制限することができる。このように、前鏡筒10全体の寸法を制御することに有利であり、前鏡筒10を小型化することに寄与する。例えばφ2及びφ1の値がそれぞれφ2=2.94mm、φ1=1.80mmであってもよく、その差φ2-φ1=1.14mmであり、上記関係式に基づいて、H1の範囲を決定することができ、即ち前鏡筒10の軸方向長さH1を一定の範囲内に制限することで、前鏡筒10の軸方向長さを小さくすることに寄与し、一例として、H1の値はH1=0.25mmであってもよい。
【0045】
また例えば、H1に基づいてφ1の寸法を決定することもでき、即ちH1に基づいてφ1を一定の範囲内に制限することができ、このように、前鏡筒10の先端面の外径を小さくすることに寄与し、このように、レンズユニット1を携帯端末2に取り付けてフロントカメラとして使用する場合、スクリーンの開口部を減らし、スクリーン占有率を向上させることができる。要すると、レンズユニット1の光学パラメータが同じであることを前提として、上記関係式により、前鏡筒10全体の構造寸法を効果的に小さくすることができ、レンズユニット1の小型化を実現することに寄与する。
【0046】
別の例では、前鏡筒10は、1.5<φ1/H1<2.5という条件式を満たす。例えば、前鏡筒10先端面の外径φ1は固定値であってもよく、例えばφ1=1.80mmであり、上記関係式に基づいて、前鏡筒10の軸方向長さH1を一定の範囲内に制限することで、前鏡筒10の軸方向長さを小さくすることに寄与する。レンズユニット1を携帯端末2に取り付ける場合、携帯端末2の厚さスペースへの占有を減らすことに寄与し、携帯端末2の超薄型化に有利である。一例として、H1の値はH1=0.25mmであってもよい。
【0047】
図3は、本開示の例示的な一実施例によって示されるレンズユニットの概略断面図の一部である。一実施例では、図3に示すように、前鏡筒10は、前傾斜面102を含み、前傾斜面102が前鏡筒10の先端面101と前鏡筒10の後端面105とを接続し、ここで、前鏡筒10は、100°<R1<125°という関係式を満たし、ここで、R1は前傾斜面102と前鏡筒10の軸方向(光軸O)に垂直な平面とのなす角である。
【0048】
前鏡筒10は、テーパ構造であってもよく、前鏡筒10の先端面101の内径(開口直径)が前鏡筒10の後端面105の内径(開口直径)よりも小さく、それによって前鏡筒10の外壁が前傾斜面102を形成する。また、前鏡筒10の後端面105が径方向(光軸Oに垂直な方向)の外部に延ぶことで、前傾斜面102と連結する垂直面103を形成し、ここで、該前傾斜面102と垂直面103とのなす角はR1である。R1を上記100°~125°の範囲内に制限することで、前鏡筒10の先端部を小型化することに寄与し、またレンズユニット1の先端と携帯端末2上の取り付け位置を嵌合しやすく、取り付けがより容易になり、後鏡筒20とよりよく連結することもできる。
【0049】
いくつかの実施例では、図2及び図3に示すように、後鏡筒20は、後鏡筒20の先端面109の外径φ3に基づいて決定される。
【0050】
一例では、後鏡筒20は、1.0<φ3/H2<2.0という関係式を満たし、ここで、H2は後鏡筒20の軸方向長さである。後鏡筒の先端面109の外径φ3が前述の前鏡筒10の先端面101の外径によって制限されるため、後鏡筒20は、後鏡筒20の先端面109の外径φ3の値の範囲に基づいて後鏡筒20の径方向長さ及び軸線長さを制限することができ、後鏡筒20の小型化に寄与する。φ3とH2とのうちの一方のパラメータが固定値であれば、上記条件式により他方のパラメータの範囲を制限することができる。このように、後鏡筒20全体の寸法を制御することに有利であり、後鏡筒20の小型化に寄与する。例えば、φ3の値はそれぞれφ3=2.29mmであってもよく、上記関係式に基づいて、H2の範囲を決定することができ、即ち後鏡筒20の軸方向長さH2を一定の範囲内に制限することで、後鏡筒20の軸方向長さを小さくすることに寄与する。一例として、H2の値はH2=2.62mmであってもよい。このように、レンズユニット1を携帯端末2に取り付ける場合、携帯端末2の厚さスペースへの占有を減らすことに寄与し、携帯端末2の超薄型化に有利である。
【0051】
別の例では、後鏡筒20は、0.3<φ3/φ4<1.0という関係式を満たし、ここで、φ4は後鏡筒20の後端面113の外径の最大寸法である。φ3の値はそれぞれφ3=2.29mmであってもよく、上記関係式に基づいて、φ4の範囲を決定することができ、即ち後鏡筒20の後端面の外径の最大寸法を一定の範囲内に制限することで、後鏡筒20の径方向寸法を小さくすることに寄与する。一例として、φ4の値はφ4=5.70mmであってもよい。このように、レンズユニット1を携帯端末2に取り付ける場合、携帯端末2のスペースへの占有を減らすことに寄与し、他のデバイスの積み重ねにより多くのスペースを提供する。
【0052】
レンズユニット1の光学パラメータが同じであることを前提として、後鏡筒20の先端面109及び後端面113の径方向寸法を一定の範囲内に制御することで、後鏡筒20全体の径方向寸法を小さくすることにも寄与し、それによってレンズユニット1をより小型化し、鏡筒加工に必要な材料及びレンズユニットの体積を低減することに寄与し、構造コンパクト性及び組立安定性を向上させるとともに、携帯端末2の内部スペースへの占有を減らし、他のデバイスの積み重ねにより多くのスペースを提供することができる。
【0053】
いくつかの実施例では、図4に示すように、後鏡筒20は、後傾斜面110と段差面とを含み、後傾斜面110が後鏡筒20の先端面109と段差面とを接続する。後鏡筒20は、テーパ構造であってもよく、且つ外壁に複数の段差がある。段差は、2つの微傾斜面112と2つの鉛直面111とで形成されることができる。後傾斜面110は、後鏡筒20の先端面109と最先端の鉛直面111とを接続することができる。後鏡筒20の外壁の段差構造は、従来の直筒構造に比べて、後鏡筒20の壁厚さを効果的に減らすことができ、材料コストも減らすことができる。
【0054】
一例では、後鏡筒20は、105°<R2<130°という関係式を満たし、ここで、R2は後傾斜面110と後鏡筒20の軸方向(光軸O方向)に垂直な平面とのなす角であり、すなわち、R2は後傾斜面110と最先端の鉛直面111とのなす角である。R2を上記105°~130°の範囲内に制限することで、後鏡筒20の先端部を小型化することに寄与し、前鏡筒10とよりよく連結することができ、前鏡筒10との連結精度を向上させることに寄与する。
【0055】
いくつかの実施例では、鏡筒は、0.2<H1/H2<1.0という関係式を満たし、ここで、H1は前鏡筒10の軸方向長さであり、H2は後鏡筒20の軸方向長さである。前後鏡筒の軸方向長さを一定の範囲内に制御することで、レンズユニット1全体の軸方向長さを効果的に減らすことができ、このように、レンズユニット1を携帯端末2に取り付ける場合、携帯端末2の厚さスペースへの占有を減らすことに寄与し、携帯端末2の超薄型化に有利である。
【0056】
いくつかの実施例では、鏡筒は、0.3<φ1/TL<0.8という関係式を満たし、ここで、TLは前鏡筒10の軸方向長さと後鏡筒20の軸方向長さとの和である。前鏡筒10の先端面の外径φ1及び鏡筒全体の径方向寸法を一定の範囲内に制限することで、レンズユニット全体の構造の小型化に寄与し、レンズユニットをよりコンパクトにする。
【0057】
いくつかの実施例では、前鏡筒10と後鏡筒20とは、別体に設けられ、即ち別体構造であり、前鏡筒10の後端面105と後鏡筒20の先端面とは、固定的に接続されている。前鏡筒10の後端面105は、接着剤により後鏡筒20の先端面109に固定することができる。前後鏡筒の別体構造により、レンズを前鏡筒10及び後鏡筒20に取り付ける場合、同時に組み立てることができ、このように、組み立て効率を向上させることができるとともに、レンズの取り付けも容易であり、レンズの取り付け位置の精度も向上でき、レンズユニット1の品質が優れる。
【0058】
一実施例では、図3に示すように、前鏡筒10の後端は、径方向外側に向かって凸部を形成し、凸部は、先端面103と後端面105とを含み、凸部の後端面105が前鏡筒10の後端面であり、接着剤により後鏡筒20の先端面109に固定することができる。前鏡筒10の凸部と後鏡筒20の先端面109とは、0.3<D1/D2<0.8という関係式を満たし、ここで、D1は凸部の横断面の径方向幅(例えば最大幅)、すなわち前鏡筒10の後端面105の横断面の径方向幅であり、D2は後鏡筒20の先端面109の横断面の径方向幅(例えば最大幅)である。このように設定することで、前鏡筒10と後鏡筒20との接続位置の接触面積を制御することに寄与し、接着固定の信頼性を確保する。
【0059】
一実施例では、図3に示すように、前鏡筒10の凸部は、0.3<h1/D1<1.0という関係式を満たし、ここで、h1は凸部の縦断面の軸方向長さ(例えば最大軸方向長さ)、すなわち凸部の先端面103から凸部の後端面105までの距離であり、ここで、先端面103は垂直面であってもよい。このように設定することで、前鏡筒10の後端面105の壁厚さを制御することに寄与し、後鏡筒20の先端面109との接着信頼性を確保する。
【0060】
いくつかの実施例では、レンズは、FOV>90°という関係式を満たし、ここで、FOVはレンズユニット1の最大画角である。FOV>90°とすることにより、本開示のレンズユニット1が広角機能を有し、より広い画角範囲を得ることができ、より長い被写界深度を得ることができ、撮影された画面もより広くかつ鮮明度が高いものになる。上記いずれかの実施例の鏡筒の寸法パラメータを合わせることにより、レンズユニット1が広角機能を有することを前提として、小型化を両立させることができる。
【0061】
図4は、本開示の例示的な一実施例によって示されるレンズユニットの概略断面図である。一例として、図4に示すように、レンズユニット1は、鏡筒及び鏡筒内に設けられた少なくとも1つのレンズを含む。鏡筒は、同軸に設けられた前鏡筒10と後鏡筒20とを含む。前鏡筒10は、内部が中空のテーパ構造であり、連通する先端面101と後端面105とを含み、前鏡筒10の先端面101の内径(開口直径)が前鏡筒10の後端面105の内径(開口直径)よりも小さく、それによって前鏡筒10の外壁が前傾斜面102を形成する。また、前鏡筒10の後端面105が径方向(光軸Oに垂直な方向)の外部に延ぶことで、前傾斜面102と連結する垂直面103を形成し、垂直面103と後端面105との間に微傾斜面104が連結している。
【0062】
後鏡筒20も、内部が中空構造であり、連通する先端面109と後端面113とを含み、後鏡筒20の先端面109と前鏡筒10の後端面105とが接着剤により固定的に接続されてもよい。後鏡筒20は、後傾斜面110と段差面とをさらに含み、後傾斜面110が後鏡筒20の先端面109と段差面とを接続する。後鏡筒20は、テーパ構造であってもよく、且つ外壁に複数の段差がある。段差は、2つの微傾斜面112と2つの鉛直面111とで形成されることができる。微傾斜面112は、後鏡筒20の先端面109と最先端の鉛直面111とを接続することができる。
【0063】
鏡筒内に5つのレンズが設けられ、光軸Oに沿って順次第1レンズ106、第2レンズ107、第3レンズ114、第4レンズ116、第5レンズ119である。ここで、前鏡筒10内に第1レンズ106が設けられ、スポット接着剤108により前鏡筒10内に固定される。後鏡筒20内に第2レンズ107、第3レンズ114、第4レンズ116、及び第5レンズ119が設けられる。各レンズはいずれも有効径部分と非有効径部分とを含み、ここで、有効径部分はレンズの周縁部分であり、光に対して屈折作用を発揮せず、鏡筒の内壁に接続して固定するために用いられる。非有効径部分は光に対して屈折作用を発揮し、光を集光するために用いられる。また、第3レンズ114の非有効径部分と第4レンズ116の非有効径部分との間に第1スペーサ115がさらに設けられてもよく、第4レンズ116と第5レンズ119との間に絞り117が設けられてもよく、絞り117と第5レンズ119との間に第2スペーサ118が設けられている。
【0064】
図5は、本開示の例示的な別の実施例によって示されるレンズユニットの概略断面図である。別の例として、図5に示すように、レンズユニット1は、鏡筒及び鏡筒内に設けられた少なくとも1つのレンズを含む。鏡筒は、同軸に設けられた前鏡筒10と後鏡筒20とを含む。前鏡筒10は、内部が中空のテーパ構造であり、連通する先端面201と後端面205とを含み、前鏡筒10の先端面201の内径(開口直径)が前鏡筒10の後端面205の内径(開口直径)よりも小さく、それによって前鏡筒10の外壁が前傾斜面202を形成する。また、前鏡筒10の後端面205が径方向(光軸Oに垂直な方向)の外部に延ぶことで、前傾斜面202と連結する垂直面203を形成し、ここで、垂直面203と後端面205とを接続する平面が微傾斜面204である。
【0065】
後鏡筒20も、内部が中空構造であり、連通する先端面209と後端面213とを含み、後鏡筒20の先端面209と前鏡筒10の後端面205とが接着剤220により固定的に接続されてもよい。後鏡筒20は、後傾斜面と段差面とをさらに含み、後傾斜面210が後鏡筒20の先端面209と段差面とを接続する。後鏡筒20は、テーパ構造であってもよく、且つ外壁に複数の段差がある。段差は、2つの微傾斜面212と2つの鉛直面211とで形成されることができる。後傾斜面210は、後鏡筒20の先端面209と最先端の鉛直面211とを接続することができる。鏡筒内にも5つのレンズが設けられ、光軸Oに沿って順次第1レンズ206、第2レンズ207、第3レンズ214、第4レンズ216、第5レンズ219である。各レンズはいずれも有効径部分と非有効径部分とを含み、ここで、有効径部分はレンズの周縁部分であり、光に対して屈折作用を発揮せず、鏡筒の内壁に接続して固定するために用いられる。非有効径部分は光に対して屈折作用を発揮し、光を集光するために用いられる。異なるのは、前鏡筒10内に第1レンズ206及び第2レンズ207が設けられ、第2レンズ207が後鏡筒20により近接し、且つスポット接着剤208により前鏡筒10内に固定される。後鏡筒20内に第3レンズ214、第4レンズ216、第5レンズ219が設けられる。また、第3レンズ114の非有効径部分と第4レンズ116の非有効径部分との間に第1スペーサ215がさらに設けられてもよく、第4レンズ216と第5レンズ219との間に絞り217が設けられてもよく、絞り217と第5レンズ219との間に第2スペーサ218が設けられている。
【0066】
一例として、上記図4及び図5の2つの実施例において、鏡筒の基本パラメータの値は、表1に示される。
【0067】
【表1】
【0068】
一例として、上記図4及び図5の2つの実施例において、各条件式の値は表2に示される。
【0069】
【表2】
【0070】
図6は、本開示の例示的な一実施例によって示される携帯端末の概略構造図である。図6に示すように、本開示の実施例によれば、携帯端末2を提供し、ここで、上記いずれかの実施例のレンズユニット1とイメージセンサとを含み、ここで、イメージセンサは、前記レンズユニットの光出射側に位置し、前記レンズユニットの光出射側から出射された光を受光するために用いられる。携帯端末2は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ノートブックコンピュータ、スマートブレスレットやスマートウォッチなどのウェアラブルデバイス、カメラ、ビデオカメラなどの写真撮影又は撮像機能を有する電子機器であってもよい。
【0071】
イメージセンサは、レンズユニットによって屈折されて集光された入射光を受光して結像し、光学像を電気信号に変換するために用いられる。イメージセンサは、電荷結合素子(Charge Coupled Device、CCD)又は相補型金属酸化物半導体(Complementary Metal Oxide Semiconductor、CMOS)であってもよい。
【0072】
本開示のレンズユニット1を設け、前鏡筒10の最先端の径方向寸法と後鏡筒20の最先端の径方向寸法との比率を一定の範囲内に制限することで、レンズユニットの光学パラメータ(レンズ構造)が同じであることを前提として、鏡筒全体の寸法を効果的に制御することができ、このように、レンズユニット1全体の構造をより小型化することに寄与する。レンズユニット1を携帯端末2に取り付けることで、携帯端末2の内部スペースへの占有を減らすことができ、それによって他のデバイスの積み重ね及び配置に利便性を提供し、携帯端末2の小型化にも有利である。
【0073】
前鏡筒10の最先端の径方向寸法と後鏡筒20の最先端の径方向寸法との比率が一定の範囲内に制御されているので、前鏡筒10の頭部がよく制限され、前鏡筒10の小型化に寄与し、このように、スクリーン開口部の縮小、スクリーン占有率の向上に寄与することができる。
【0074】
FOV>90°とすることで、本開示の携帯端末2が広角機能を有し、より広い画角範囲、より長い被写界深度を得ることができ、撮影された画面もより広くかつ鮮明度が高く、且つ小型化の特徴を兼ね備えている。
【0075】
なお、本発明において、「複数」とは、2つ又は2つ以上を指し、他の数量詞は類似していることが理解され得る。「及び/又は」は、関連付けられたオブジェクトの関連関係を説明し、3つの関係があり得ることを示し、例えば、A及び/又はBは、Aのみの存在、A及びBの両方の存在、Bのみの存在という3つの場合を示し得る。文字「/」は、一般に、前後の関連付けられたオブジェクトが「又は」の関係にあることを示す。単数形の「1つ」、「前記」及び「該」も、文脈が他の意味を明確に示していない限り、複数形を含むことを意図している。
【0076】
さらに、「第1」、「第2」などの用語は、様々な情報を説明するために使用されるが、これらの情報がこれらの用語に限定されるべきではないことが理解され得る。これらの用語は、同じ種類の情報を互いに区別するためにのみ使用され、特定の順序や重要度を示すものではない。実際には、「第1」、「第2」などの表現は、完全に互換的に使用されることができる。例えば、本発明の範囲から逸脱することなく、第1情報は、第2情報とも呼ばれ得、同様に、第2情報は、第1情報とも呼ばれ得る。
【0077】
さらに、「中央」、「縦方向」、「横方向」、「前」、「後」、「上」、「下」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づくものであり、本実施例の説明及び説明の簡略化を図るためのものにすぎず、言及された装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構築及び操作されなければならないことを示すか又は暗示するものではないことが理解され得る。
【0078】
さらに、特に明記しない限り、「接続」は、他の構成要素が存在しない両者間の直接的な接続を含み、他の構成要素が存在する両者間の間接的な接続も含むことが理解され得る。
【0079】
さらに、本発明の実施例において、図面において特定の順序で操作が記述されているが、示された特定の順序又は直列の順序でこれらの操作を実行することが要求されるか、あるいは、示された操作の全てを実行して所望の結果を得ることが要求されると解釈されるべきではないことが理解され得る。特定の環境では、マルチタスク及び並列処理が有利であり得る。
【0080】
明細書を考慮し、本明細書に開示された実施例を実施した後、当業者は、本発明の他の実施形態を容易に考えるであろう。本願は、本発明の任意の変形、使用、又は適応変更をカバーすることを意図しており、これらの変形、使用、又は適応変更は、本発明の一般原則に従い、且つ本発明に開示されていない当技術分野における公知の常識又は慣用の技術的手段を含む。明細書及び実施例は、単に例示的なものと見なされ、本発明の真の範囲及び精神は、以下の特許請求の範囲によって示される。
【0081】
本発明は、上記で説明し、図面に示された正確な構造に限定されず、その範囲から逸脱することなく、様々な修正及び変更を行うことができることを理解されたい。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ制限される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【手続補正書】
【提出日】2022-07-15
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズユニットであって、
同軸に設けられた前鏡筒と後鏡筒とを含む鏡筒を含み、
前記前鏡筒の先端面の外径と前記後鏡筒の先端面の外径との比が所定範囲内にあり、
前記前鏡筒の先端面の外径と前記後鏡筒の先端面の外径との比は、
0.2<φ1/φ3<1.0という関係式を満たし、
φ1は前記前鏡筒の先端面の外径であり、φ3は前記後鏡筒の先端面の外径であり、
前記前鏡筒は、前記前鏡筒の先端面と前記前鏡筒の後端面とを接続する前傾斜面を含み、前記前鏡筒は、100°<R1<125°という関係式を満たし、
R1は前記前傾斜面と前記前鏡筒の軸方向に垂直な平面とのなす角である、
ことを特徴とするレンズユニット。
【請求項2】
前記前鏡筒全体の寸法は、前記前鏡筒の先端面の外径及び前記前鏡筒の軸方向長さに基づいて決定される、
ことを特徴とする請求項に記載のレンズユニット。
【請求項3】
前記前鏡筒は、0.8<(φ2-φ1)/H1<1.5という条件式を満たし、
φ2は前記前鏡筒の後端面の外径であり、H1は前記前鏡筒の軸方向長さである、
ことを特徴とする請求項に記載のレンズユニット。
【請求項4】
前記前鏡筒は、1.5<φ1/H1<2.5という条件式を満たし、
H1は前記前鏡筒の軸方向長さである、
ことを特徴とする請求項に記載のレンズユニット。
【請求項5】
前記後鏡筒は、1.0<φ3/H2<2.0という関係式を満たし、
H2は前記後鏡筒の軸方向長さである、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項6】
前記後鏡筒は、0.3<φ3/φ4<1.0という関係式を満たし、
φ4は前記後鏡筒の後端面の外径の最大寸法である、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項7】
前記後鏡筒は、後傾斜面と段差面とを含み、前記後傾斜面が前記後鏡筒の先端面と前記段差面とを接続する、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項8】
前記後鏡筒は、105°<R2<130°という関係式を満たし、
R2は前記後傾斜面と前記後鏡筒の軸方向に垂直な平面とのなす角である、
ことを特徴とする請求項に記載のレンズユニット。
【請求項9】
前記鏡筒は、0.2<H1/H2<1.0という関係式を満たし、
H1は前記前鏡筒の軸方向長さであり、H2は前記後鏡筒の軸方向長さである、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項10】
前記鏡筒は、0.3<φ1/TL<0.8という関係式を満たし、
TLは前記前鏡筒の軸方向長さと前記後鏡筒の軸方向長さとの和である、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項11】
前記前鏡筒と前記後鏡筒とは別体構造であり、前記前鏡筒の後端面と前記後鏡筒の先端面とが固定的に接続されている、
ことを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項12】
前記前鏡筒の後端は、径方向外側に向かって凸部を形成し、
前記凸部と前記後鏡筒の先端面とは、0.3<D1/D2<0.8という関係式を満たし、
D1は前記凸部の横断面の径方向幅であり、D2は前記後鏡筒の先端面の横断面の径方向幅である、
ことを特徴とする請求項11に記載のレンズユニット。
【請求項13】
前記凸部は、0.3<h1/D1<1.0という関係式を満たし、
h1は前記凸部の縦断面の軸方向長さである、
ことを特徴とする請求項12に記載のレンズユニット。
【請求項14】
前記レンズユニットは、
前記前鏡筒及び前記後鏡筒内にそれぞれ設けられた少なくとも1つのレンズをさらに含み、
前記前鏡筒内の前記後鏡筒に最も近い前記レンズは、スポット接着剤により前記前鏡筒に固定されている、
ことを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項15】
前記レンズユニットは、FOV>90°という関係式を満たし、
FOVは前記レンズユニットの最大画角である、
ことを特徴とする請求項14に記載のレンズユニット。
【請求項16】
携帯端末であって、
請求項1~15のいずれか1項に記載のレンズユニットと、
前記レンズユニットの光出射側に位置し、前記レンズユニットの光出射側から出射された光を受光するためのイメージセンサと、を含む、
ことを特徴とする携帯端末。