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特開2022-158805マイクロ波の漏洩検出方法、マイクロ波の漏洩検出装置、及びセンサ装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158805
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】マイクロ波の漏洩検出方法、マイクロ波の漏洩検出装置、及びセンサ装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/08 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
G01R29/08 D
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021126481
(22)【出願日】2021-08-02
(62)【分割の表示】P 2021063631の分割
【原出願日】2021-04-02
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-02
(71)【出願人】
【識別番号】508067736
【氏名又は名称】マイクロ波化学株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(74)【代理人】
【識別番号】100121223
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 悟道
(72)【発明者】
【氏名】堀 直樹
(57)【要約】
【課題】防爆エリア内で用いられるマイクロ波の漏洩検出装置を提供する。
【解決手段】マイクロ波の漏洩検出装置1は、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の防爆センサ10aと、防爆センサ10aによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出する検出部20とを備える。防爆センサ10は、誘導型の防爆近接センサであり、検出コイル11と、内部回路12とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防爆エリアにおいて、マイクロ波の漏洩を検出したい箇所に、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の1個または2個以上の防爆近接センサを配置するステップと、
前記1個または2個以上の防爆近接センサの少なくともいずれかによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出するステップと、を含むマイクロ波の漏洩検出方法。
【請求項2】
前記防爆センサを配置するステップでは、前記1個または2個以上の防爆近接センサを、マイクロ波が導入される空間を有する中空部材のフランジの接合部に配置する、請求項1記載のマイクロ波の漏洩検出方法。
【請求項3】
前記防爆センサを配置するステップでは、前記1個または2個以上の防爆近接センサを、マイクロ波の照射が行われる容器の内部から外部へのマイクロ波の漏洩を防止するためのチョーク構造の外部側に配置する、請求項1記載のマイクロ波の漏洩検出方法。
【請求項4】
前記防爆近接センサは、指向性を有する、請求項1から請求項3のいずれか記載の漏洩検出方法。
【請求項5】
電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の防爆近接センサと、
前記防爆近接センサによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出する検出部と、を備えたマイクロ波の漏洩検出装置。
【請求項6】
前記防爆近接センサの検出範囲を囲うように設けられた、マイクロ波を透過する保護部材をさらに備えた、請求項5記載のマイクロ波の漏洩検出装置。
【請求項7】
前記防爆近接センサの周囲に設けられた、マイクロ波を前記防爆近接センサに導くための反射部材をさらに備えた、請求項5又は6記載のマイクロ波の漏洩検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロ波の漏洩を検出する漏洩検出方法及び漏洩検出装置、並びにそれらで用いられるセンサ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
可燃性のガス、蒸気、粉塵などを扱うプロセスにおいては、通常、電子機器を使用できるエリアが防爆エリアとして定められている。電子機器が着火源となり、爆発を発生させるおそれがあるからである。そのため、防爆エリア内では、着火源とならないように防爆構造を有する電子機器が用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
マイクロ波の照射プロセスが防爆エリア内で行われることがある。そのような場合に、マイクロ波の漏洩を検出したいという要望があるが、現在のところ、マイクロ波の漏洩を検出可能な防爆構造を有するセンサは広く利用可能ではなく、防爆エリア内においてマイクロ波の照射を行っている際にマイクロ波の漏洩を検出することが困難であるという問題があった。
【0004】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、防爆エリア内においてマイクロ波の照射を行っている際にマイクロ波の漏洩を検出するためのマイクロ波の漏洩検出方法及びマイクロ波の漏洩検出装置、並びにそれらで用いられるセンサ装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明の一態様によるマイクロ波の漏洩検出方法は、防爆エリアにおいて、マイクロ波の漏洩を検出したい箇所に、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の1個または2個以上の防爆センサを配置するステップと、1個または2個以上の防爆センサの少なくともいずれかによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出するステップと、を含むものである。
【0006】
また、本発明の一態様によるマイクロ波の漏洩検出方法では、防爆センサは、誘導型、静電容量型、または磁気型の防爆近接センサであり、マイクロ波の漏洩を検出するステップでは、防爆センサの出力が物体検出に応じた出力となった際にマイクロ波の漏洩を検出してもよい。
【0007】
また、本発明の一態様によるマイクロ波の漏洩検出方法では、防爆センサを配置するステップでは、1個または2個以上の防爆センサを、マイクロ波が導入される空間を有する中空部材のフランジの接合部に配置し、マイクロ波の漏洩を検出するステップでは、空間にマイクロ波が導入されている際にマイクロ波の漏洩の検出が行われてもよい。
【0008】
また、本発明の一態様によるマイクロ波の漏洩検出方法では、防爆センサを配置するステップでは、1個または2個以上の防爆センサを、マイクロ波の照射が行われる容器の内部から外部へのマイクロ波の漏洩を防止するためのチョーク構造の外部側に配置し、マイクロ波の漏洩を検出するステップでは、容器内でマイクロ波が照射されている際にマイクロ波の漏洩の検出が行われてもよい。
【0009】
また、本発明の一態様による漏洩検出方法では、防爆センサは、指向性を有しており、防爆センサを配置するステップでは、1個または2個以上の防爆センサを、漏洩する向きのマイクロ波を検出できるように配置してもよい。
【0010】
本発明の一態様によるマイクロ波の漏洩検出装置は、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の防爆センサと、防爆センサによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出する検出部と、を備えたものである。
【0011】
また、本発明の一態様によるマイクロ波の漏洩検出装置では、防爆センサは、誘導型、静電容量型、または磁気型の防爆近接センサであってもよい。
【0012】
本発明の一態様によるマイクロ波の漏洩検出用のセンサ装置は、誘導型、静電容量型、または磁気型の防爆構造の防爆近接センサと、防爆近接センサの物体検出範囲を囲うように設けられた、マイクロ波を透過する保護部材と、を備えたものである。
【0013】
本発明の一態様によるマイクロ波の漏洩検出用のセンサ装置は、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の防爆センサと、防爆センサの周囲に設けられた、マイクロ波を防爆センサに導くための反射部材と、を備えたものである。
【0014】
また、本発明の一態様によるセンサ装置では、防爆センサは、誘導型、静電容量型、または磁気型の防爆近接センサであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の一態様によるマイクロ波の漏洩検出方法及びマイクロ波の漏洩検出装置によれば、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆センサを、防爆エリアにおいてマイクロ波の漏洩を検出したい箇所に配置することによって、防爆エリア内においてマイクロ波の照射を行っている際にマイクロ波の漏洩を検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態によるマイクロ波の漏洩検出装置の構成を示す模式図
図2A】同実施の形態における防爆センサを用いた実験について説明するための図
図2B】同実施の形態における防爆センサを用いた実験について説明するための図
図3A】同実施の形態によるマイクロ波の漏洩検出装置の他の構成を示す模式図
図3B】同実施の形態によるマイクロ波の漏洩検出装置の他の構成を示す模式図
図4】同実施の形態によるマイクロ波の漏洩検出装置の他の構成を示す模式図
図5】同実施の形態における保護部材を有するセンサ装置を示す図
図6A】同実施の形態における反射部材を有するセンサ装置を示す図
図6B】同実施の形態における反射部材を有するセンサ装置を示す図
図6C】同実施の形態における保護部材及び反射部材を有するセンサ装置を示す図
図7A】同実施の形態における反射部材を有するセンサ装置を示す図
図7B】同実施の形態における反射部材を有するセンサ装置を示す断面図
図8A】同実施の形態における防爆センサの配置について説明するための図
図8B】同実施の形態における防爆センサの配置について説明するための図
図8C】同実施の形態における防爆センサの配置について説明するための図
図9】同実施の形態における防爆センサの配置について説明するための図
図10】同実施の形態における防爆センサの配置について説明するための図
図11A】同実施の形態における防爆センサの配置について説明するための図
図11B】同実施の形態における防爆センサの配置について説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一態様によるマイクロ波の漏洩検出方法及びマイクロ波の漏洩検出装置、並びにそれらで用いられるセンサ装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素は同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。本実施の形態によるマイクロ波の漏洩検出方法及びマイクロ波の漏洩検出装置は、防爆構造のセンサを用いてマイクロ波の漏洩を検出するものである。また、本実施の形態によるセンサ装置は、そのマイクロ波の漏洩の検出に用いられる装置である。
【0018】
図1図3A図3B図4は、本実施の形態によるマイクロ波の漏洩検出装置1の構成を示す模式図である。マイクロ波の漏洩検出装置1は、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の防爆センサ10と、防爆センサ10によって電界及び磁界の少なくとも一方の増加が検出されたことに応じてマイクロ波の漏洩を検出する検出部20とを備える。なお、図1では、誘導型の防爆近接センサである防爆センサ10aについて示しており、図3A図3Bでは、静電容量型の防爆近接センサである防爆センサ10bについて示しており、図4では、磁気型の防爆近接センサである防爆センサ10cについて示している。防爆センサ10a、10b、10cを特に区別しない場合には、上記のように防爆センサ10と呼ぶ。防爆センサ10は、例えば、耐圧防爆構造、内圧防爆構造、安全増防爆構造、油入防爆構造、または本質安全防爆構造のセンサであってもよい。耐圧防爆構造、内圧防爆構造などの種類は、防爆エリアの種別に適したものを選定することが好適である。
【0019】
図1において、誘導型の防爆近接センサである防爆センサ10aは、検出コイル11と、内部回路12とを有する。防爆センサ10aが近接センサとして用いられる場合には、内部回路12は、検出コイル11によって高周波磁界を発生させる。そして、金属物体が接近すると、その金属物体中に誘導電流(渦電流)が流れ、検出コイル11のインピーダンスが変化する。内部回路12は、そのインピーダンスの変化によって、物体を検出することができる。一方、図1で示されるように、検出コイル11にマイクロ波5が照射された場合にも、高周波磁界が乱されて検出コイル11のインピーダンスが変化するため、内部回路12は、物体検出と同様にして、マイクロ波を検出することができる。すなわち、検出部20は、防爆センサ10aからの出力が、物体検出に応じた出力となった際に、マイクロ波の漏洩を検出してもよい。なお、防爆センサ10aからの出力が物体検出に応じた出力となった場合には、検出コイル11の位置におけるマイクロ波の電磁界の強度が一定の値を超えたことになる。したがって、防爆センサ10aは、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能なセンサであるといえる。
【0020】
誘導型の防爆近接センサを用いて、マイクロ波の検出実験を行った。本実験では、図2Aで示されるように、導波管のフランジの接合部との距離がLとなるように、防爆センサ10aを配置して、導波管のフランジの接合部から漏洩するマイクロ波の検出を行った。図2Aでは、防爆センサ10aの左側に、破線で示される検出コイル11が位置している。本実験は、図2における距離Lが5cmの位置におけるマイクロ波の漏洩量が3(mW/cm)である状況でマイクロ波の検出を行った。マイクロ波の漏洩量は、Narda社製の高周波電磁界測定器(表示器:NBM-520、プローブ:E0391)で測定した。また、防爆センサ10aとしては、IDEC社製の検出距離が5mm、10mm、15mmの3個の防爆構造の近接センサを用いた。実験結果は、次表のとおりである。
【表1】
【0021】
検出距離が5mmである近接センサでは、マイクロ波を検出することはできなかったが、検出距離が10mm、15mmである近接センサでは、それぞれ距離L=1cm、3cmにおいてマイクロ波を検出することができた。それらの距離における電磁界強度は、上の表に記載のとおりである。また、図2Bで示されるように防爆センサ10aを配置した場合には、マイクロ波を検出することはできなかった。したがって、実験に用いた防爆センサ10aでは、図1における矢印D1の方向のマイクロ波5は検出することはできず、矢印D2の方向のマイクロ波5は検出することができた。したがって、誘導型の防爆近接センサである防爆センサ10aは、指向性を有するものである。また、防爆近接センサの検出距離が長いほど、マイクロ波の検出感度が高く、より弱いマイクロ波でも検出できることが確認された。したがって、検出したいマイクロ波の強度に応じた検出距離の防爆近接センサを用いればよいことになる。なお、近接センサの検出距離とは、標準検出体を検出面から垂直方向に接近させた場合に、近接センサが動作する時の距離のことである。
【0022】
図3Aにおいて、静電容量型の防爆近接センサである防爆センサ10bは、電極13と、内部回路14とを有する。防爆センサ10bが近接センサとして用いられる場合には、内部回路14は、例えば、高周波発振回路を有しており、誘電体などの物体が接近すると、電極13の電荷が変化し、それに応じて変化する発振状態によって物体を検出することができる。一方、図3Aで示されるように、電極13にマイクロ波が照射された場合にも、電極13の電荷が変化することになるため、内部回路14は、物体検出と同様にして、マイクロ波を検出することができる。すなわち、検出部20は、防爆センサ10bからの出力が、物体検出に応じた出力となった際に、マイクロ波の漏洩を検出してもよい。なお、防爆センサ10bからの出力が物体検出に応じた出力となった場合には、電極13の位置におけるマイクロ波の電界の強度が一定の値を超えたことになる。したがって、防爆センサ10bは、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能なセンサであるといえる。
【0023】
静電容量型の防爆センサ10bでは、図3Aの矢印D1の方向のマイクロ波5の方が、矢印D2の方向のマイクロ波5よりも、電極13における電荷をより大きく変化させることができる。したがって、防爆センサ10bは、矢印D2の方向のマイクロ波5よりも矢印D1の方向のマイクロ波5を検出しやすいことになり、指向性を有している。
【0024】
なお、静電容量型の防爆近接センサを用いて、マイクロ波の検出実験を行ったところ、図3Aで示される構成よりも、図3Bで示されるように、電極13に対向するように金属板23を配置した構成の方が、マイクロ波の検出感度が高く、より弱いマイクロ波を検出することができた。この金属板23は、通常、平板であり、電極13と同程度の大きさか、または、電極13より大きいことが好適である。この場合には、防爆センサ10bは、図3Bで示されるように、電極13と、内部回路14と、電極13と対向するように設けられた金属板23とを有していてもよい。金属板23は、電極13に対して、近接センサの物体検出側に配置される。図3Bで示される防爆センサ10bでは、電極13または金属板23の平面に対して法線方向に進行するマイクロ波は、金属板23でシールドされて電極13に到達しないため、矢印D2の方向のマイクロ波5を検出することになる。したがって、図3Bで示される防爆センサ10bも、指向性を有するものである。
【0025】
図4において、磁気型の防爆近接センサである防爆センサ10cは、ホールIC15と、内部回路16とを有する。防爆センサ10cが近接センサとして用いられる場合には、磁界を発生させる物体(例えば、永久磁石など)が接近すると、その磁界によってホールIC15にホール電圧が生じる。内部回路16は、そのホール電圧を増幅して検出することによって、物体を検出することができる。一方、図4で示されるように、ホールIC15にマイクロ波5が照射された場合にも、そのマイクロ波5の磁界によってホールIC15にホール電圧が生じるため、内部回路16は、物体検出と同様にして、マイクロ波5を検出することができる。すなわち、検出部20は、防爆センサ10cからの出力が、物体検出に応じた出力となった際に、マイクロ波の漏洩を検出してもよい。なお、防爆センサ10cからの出力が物体検出に応じた出力となった場合には、ホールIC15の位置におけるマイクロ波の磁界の強度が一定の値を超えたことになる。したがって、防爆センサ10cは、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能なセンサであるといえる。
【0026】
ここでは、防爆センサ10cが、ホール素子であるホールIC15を備えた防爆近接センサである場合について説明したが、防爆センサ10cは、ホールIC15に代えて磁気抵抗素子を備えた防爆近接センサであってもよい。この場合には、その磁気抵抗素子の抵抗の増加に応じてマイクロ波が検出されてもよい。なお、ホールIC15では一方向の磁界が検出されるため、ホールIC15を用いた防爆センサ10cは指向性を有している。一方、磁気抵抗素子では検出位置における磁界の増加が検出されるため、磁気抵抗素子を用いた防爆センサ10cは指向性を有しておらず、矢印D1の方向のマイクロ波5も、矢印D2の方向のマイクロ波5も検出することができる。また、ホールIC15を用いた防爆センサ10cであっても、例えば、複数のホールIC15を用いるなどのように、複数の検出方向をカバーできる構成にした場合には、指向性のない防爆センサ10cとすることができる。
【0027】
なお、誘導型、静電容量型、または磁気型の防爆近接センサである防爆センサ10a、10b、10cは、すでに市販されているため、それらの詳細な説明は省略する。また、防爆センサ10を用いて検出されるマイクロ波の周波数は、例えば、915MHz、2.45GHz、5.8GHz、24GHzの付近であってもよく、その他の300MHzから300GHzの範囲内の周波数であってもよい。
【0028】
電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の防爆センサ10は、センシング位置におけるマイクロ波の強度が閾値を超えた際に、出力が変化するセンサであってもよい。その閾値を調整できる場合には、防爆センサ10を配置する前に、所望の強度のマイクロ波の漏洩を検出することができるように、閾値のキャリブレーションが行われてもよい。一方、市販の防爆近接センサである防爆センサ10を用いる場合には、通常、キャリブレーションを行うことが困難である。この場合には、マイクロ波が漏洩する箇所と、防爆センサ10との距離を調整することによって、所望の強度のマイクロ波の漏洩を検出できるようにしてもよい。例えば、導波管のフランジの接合部から漏洩するマイクロ波を検出する場合には、接合部により近い位置に防爆センサ10を配置することによって、より微弱なマイクロ波の漏洩を検出することができ、接合部からより離れた位置に防爆センサ10を配置することによって、漏洩するマイクロ波の強度がより高い場合にマイクロ波の漏洩を検出することができるようになる。
【0029】
検出部20は、防爆センサ10によって、電界及び磁界の少なくとも一方の増加が検出されたことに応じて、マイクロ波の漏洩を検出する。なお、防爆センサ10が防爆近接センサである場合には、検出部20は、防爆センサ10の出力が、物体検出に応じた出力となった際にマイクロ波の漏洩を検出してもよい。検出部20がマイクロ波の漏洩を検出するとは、例えば、その検出結果をあらかじめ決められた方法で出力することであってもよく、マイクロ波の漏洩を検出した際に、あらかじめ決められた制御などの処理を行うことであってもよい。検出結果の出力は、例えば、検出結果の表示、音出力、送信等であってもよい。また、制御などの処理を行う場合には、例えば、マイクロ波の漏洩を検出した際に、検出部20は、マイクロ波の照射を停止するためにマイクロ波発生器によるマイクロ波の発生を停止させる制御を行ってもよい。なお、防爆センサ10は、通常、防爆エリアに配置される。一方、検出部20は、通常、防爆エリア外に配置される。このように、検出部20が防爆エリア外に配置される場合には、検出部20は、防爆構造でなくてもよい。また、図1図3A図3B図4では、1個の防爆センサ10が検出部20に接続されている場合について示しているが、2個以上の防爆センサ10が検出部20に接続されてもよいことは言うまでもない。したがって、マイクロ波の漏洩検出装置1は、2個以上の防爆センサ10を有してもよい。2個以上の防爆センサ10が検出部20に接続されている場合には、検出部20は、2個以上の防爆センサ10の少なくともいずれかによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加が検出されたことに応じて、マイクロ波の漏洩を検出してもよい。
【0030】
次に、本実施の形態によるセンサ装置8について説明する。図5は、防爆センサ10の物体検出範囲31に設けられた保護部材30を有するセンサ装置8を示す図であり、図6A図6C図7A図7Bは、マイクロ波を防爆センサ10に導くための反射部材40を有するセンサ装置8を示す図である。マイクロ波の漏洩検出装置1において、防爆センサ10に代えてセンサ装置8を用いてもよい。
【0031】
図5において、センサ装置8は、防爆センサ10と、保護部材30とを有している。この防爆センサ10は、例えば、上記した防爆近接センサであってもよい。保護部材30は、防爆センサ10の物体検出範囲31を囲うように設けられている。この保護部材30は、物体検出範囲31に物体が入ることがないようにするためのものである。そのため、保護部材30は、物体検出範囲31の全体を囲うように設けられることが好適である。また、保護部材30が防爆センサ10によって検出される材料で構成されている場合には、防爆センサ10によって保護部材30が検出されることがないようにするため、保護部材30は、物体検出範囲31内に存在しないことが好適である。一方、保護部材30が防爆センサ10によって検出されない材料で構成されている場合には、保護部材30は、物体検出範囲31内に存在してもよい。保護部材30が、防爆センサ10の物体検出範囲31を囲うように設けられているとは、このように、防爆センサ10によって検出されない材料で構成されている保護部材30が物体検出範囲31内に存在することを含む概念である。この保護部材30を設けることにより、防爆センサ10によって、接近した物体が検出されるのではなく、マイクロ波が検出されるようになる。また、防爆センサ10によってマイクロ波が検出されるようにするため、保護部材30は、マイクロ波を透過する材料によって構成されることが好適である。マイクロ波を透過する材料は、比誘電損失が小さい材料であり、特に限定されるものではないが、例えば、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂、石英、ガラス、セラミック、樹脂等であってもよい。マイクロ波透過性材料の比誘電損失は、例えば、検出対象のマイクロ波の周波数及び漏洩を検出する際の温度において、1より小さいことが好適であり、0.1より小さいことがより好適であり、0.01より小さいことがさらに好適である。
【0032】
図6Aにおいて、センサ装置8は、防爆センサ10と、マイクロ波5を防爆センサ10に導くための反射部材40aとを有している。反射部材40aは、防爆センサ10の周囲に設けられており、図6Aで示されるように、ホーン形状であってもよい。
【0033】
図6Bにおいて、センサ装置8は、防爆センサ10と、マイクロ波5を防爆センサ10に導くための反射部材40bとを有している。反射部材40bは、防爆センサ10の周囲に設けられており、図6Bで示されるように、パラボラ形状であってもよい。なお、反射部材40a、40bを特に区別しない場合には、上記のように反射部材40と呼ぶ。他の反射部材についても同様であるとする。
【0034】
反射部材40は、例えば、マイクロ波反射性の材料によって構成されてもよい。マイクロ波反射性の材料は、例えば、金属であってもよい。金属は、特に限定されるものではないが、例えば、ステンレス鋼、炭素鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、ニッケル合金、銅、銅合金などであってもよい。
【0035】
このように、反射部材40を用いることによって、例えば、誘導型の防爆近接センサなどの指向性がある防爆センサ10に、マイクロ波5を反射させて導くことができ、指向性とは異なる向きのマイクロ波をも検出することができるようになる。
【0036】
図6Cにおいて、センサ装置8は、防爆センサ10と、保護部材30と、反射部材40aとを有している。このように、センサ装置8は、保護部材30と反射部材40との両方を有していてもよい。
【0037】
図7A図7Bは、一面が開口した直方体形状の反射部材40cと、その反射部材40cの内部に配置された防爆センサ10とを有するセンサ装置8を示す図である。図7Aは、そのセンサ装置8を開口41側から見た図であり、図7Bは、図7AのVIIB-VIIB線断面図である。図7Bにおいて、防爆センサ10の内部構造は省略している。反射部材40cも、上記したマイクロ波反射性の材料によって構成されてもよい。防爆センサ10は、物体検出範囲31に反射部材40cが存在しないように反射部材40cの内部に配置されることが好適である。このセンサ装置8では、開口41から内部に導入されたマイクロ波は、反射部材40cの内面で反射して、防爆センサ10によって検出されることになる。
【0038】
次に、マイクロ波の漏洩検出装置1を用いたマイクロ波の漏洩検出方法について説明する。マイクロ波の漏洩検出方法は、防爆エリアにおいて、マイクロ波の漏洩を検出したい箇所に1個または2個以上の防爆センサ10を配置するステップと、その1個または2個以上の防爆センサ10の少なくともいずれかによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出するステップとを含む。
【0039】
まず、防爆センサ10を配置するステップでは、防爆エリアにおいて、マイクロ波の漏洩を検出したい箇所に、1個または2個以上の防爆センサ10を配置する。防爆センサ10が指向性を有する場合には、1個または2個以上の防爆センサ10を、漏洩する向きのマイクロ波を検出できるように配置することが好適である。
【0040】
マイクロ波の漏洩を検出したい箇所は、例えば、マイクロ波が導入される空間を有する中空部材のフランジの接合部であってもよい。フランジの接合部における接合が適切でなかった場合には、その接合部からマイクロ波が漏洩する可能性があるからである。マイクロ波が導入される空間を有する中空部材は、例えば、導波管であってもよく、内部でマイクロ波の照射が行われる容器であってもよく、その容器に接続される接続管であってもよく、マイクロ波が導入される空間を有するその他の中空部材であってもよい。接続管は、例えば、覗き窓、原材料等の投入口、生成物等の排出口、洗浄ライン、吸気口、または排気口などの接続管であってもよい。
【0041】
この場合には、1個または2個以上の防爆センサ10を、マイクロ波が導入される空間を有する中空部材のフランジの接合部に配置してもよい。フランジの接合部に防爆センサ10を配置するとは、例えば、フランジの接合部の周囲に防爆センサ10を配置することであってもよく、フランジの接合部に設けられた中空部に防爆センサ10を配置することであってもよい。ここでは、前者について図8A図8Cを用いて説明し、後者について図9を用いて説明する。
【0042】
図8A図8Bは、導波管51、52のフランジ51a、52aの接合部50の周囲に、4個の防爆センサ10が配置される例を示す図である。図8Aは、導波管51、52を、導波管51、52の中心軸に垂直な方向から見た図であり、図8Bは、図8AのVIIIB-VIIIB線断面図である。図8A図8Bで示されるように、円形の導波管51のフランジ51aと円形の導波管52のフランジ52aとは、ボルト53及びナット54によって接続されている。また、一部のボルト53によって、4個の取り付け具55がフランジ51aに固定されており、その取り付け具55に、防爆センサ10が固定されている。フランジ51a、52aの接合部50から漏洩するマイクロ波は、接合面に沿った方向に進むと考えられる。したがって、防爆センサ10が、誘導型の防爆近接センサである場合には、指向性があるため、図8A図8Bで示されるように防爆センサ10が配置されることが好適である。すなわち、漏洩するマイクロ波が図1の矢印D2で示される方向となるように、防爆センサ10が配置されることが好適である。また、図8Bで示されるように、4個の防爆センサ10は、導波管51、52の長手方向の中心軸を中心として、均等な角度、すなわち90度ごとになるように配置されることが好適である。そのため、3個の防爆センサ10を配置する場合には、図8Cで示されるように、導波管51、52の中心軸を中心として、120度ごとになるように配置されることが好適である。このように、フランジの接合部の周囲に複数の防爆センサ10を配置する際には、フランジの中心軸を中心として、均等な角度となるように配置されることが好適である。
【0043】
フランジ51a、51bの接合部50の周囲に配置される防爆センサ10の個数は問わない。フランジ51a、51bの接合部50の周囲に、例えば、2個の防爆センサ10が配置されてもよく、5個以上の防爆センサ10が配置されてもよい。なお、マイクロ波の漏洩が接合部50のどの位置で発生するのかは、通常、事前にはわからないため、接合部50の任意の位置から漏洩したマイクロ波を検出できるように防爆センサ10を配置することが好適である。また、配置される防爆センサ10と接合部50との距離が短い場合には、より多くの防爆センサ10が配置されてもよく、その距離が長い場合には、より少ない防爆センサ10が配置されてもよい。
【0044】
図9は、導波管51、52のフランジ51a、52aの接合部50に設けられた中空部56に防爆センサ10が配置されている例を示す図である。なお、図9では、フランジ51a、52aを固定するために用いられるボルト及びナットは省略している。中空部56は、導波管51、52の中心軸を中心として均等な角度で複数の個数(例えば、3個、4個など)だけ設けられていてもよい。そして、各中空部56にそれぞれ1個の防爆センサ10が配置されてもよい。図9では省略しているが、防爆センサ10の出力用の配線が、接合部50またはフランジ51aに設けられた配線用の孔を介して導波管51、52の外部に延びていてもよい。
【0045】
また、マイクロ波の漏洩を検出したい箇所は、例えば、マイクロ波の照射が行われる容器の内部から外部へのマイクロ波の漏洩を防止するためのチョーク構造の設置位置であってもよい。チョーク構造が適切に機能しなかった場合には、チョーク構造の箇所からマイクロ波が漏洩する可能性があるからである。この場合には、マイクロ波の照射が行われる容器の内部から外部へのマイクロ波の漏洩を防止するためのチョーク構造の外部側に、1個または2個以上の防爆センサ10を配置してもよい。チョーク構造は、例えば、マイクロ波の照射が行われる容器と、その容器の外部から内部に延びる撹拌軸との隙間に設けられてもよく、マイクロ波の照射が行われる容器と、その容器に開閉可能に設けられた扉またはシャッタとの隙間に設けられてもよい。
【0046】
図10は、内部でマイクロ波の照射が行われる容器61と、容器61の外部から内部に延びる撹拌軸62との一例を示す断面図である。図10において、容器61のボス部61aと、撹拌軸62との隙間63に、チョーク構造が設けられているものとする。そして、そのチョーク構造の外部側に、複数の防爆センサ10が設けられている。
【0047】
なお、ここでは、複数の防爆センサ10を配置する場合について主に説明したが、1個の防爆センサ10が配置されてもよい。1個の防爆センサ10が配置される場合には、フランジの接合部などからのマイクロ波の漏洩を適切に検出できるようにするため、反射部材40が用いられてもよい。図11A図11Bは、フランジ51a、52aの接合部の周囲に、1個の防爆センサ10と円筒形状の反射部材40dとが配置された状況を示す図である。図11Aは、導波管51、52を、導波管51、52の中心軸に垂直な方向から見た図であり、図11Bは、図11AのXIB-XIB線断面図である。なお、図11A図11Bにおいて、反射部材40dを導波管51、52に取り付けるための取り付け具については、図示を省略している。図11A図11Bで示されるように、導波管51、52のフランジ51a、52aの接合部の周囲には、中心軸が、導波管51、52の中心軸と一致するように円筒形状の反射部材40dが配置されている。したがって、フランジ51a、52aの接合部のいずれかの箇所で漏洩したマイクロ波は、円筒形状の反射部材40dの内周面、または導波管51、52の外周面で反射されて1個の防爆センサ10に導かれ、その防爆センサ10によって検出される。このように、反射部材40を適宜、配置することによって、防爆センサ10の個数を減らすこともできる。
【0048】
次に、マイクロ波の漏洩を検出するステップでは、配置された1個または2個以上の防爆センサ10の少なくともいずれかによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出する。このステップは、マイクロ波の照射プロセスが行われている際に行われてもよい。すなわち、中空部材の内部空間にマイクロ波が導入されている際に、または、チョーク構造の設けられている容器内においてマイクロ波が照射されている際に、マイクロ波の漏洩の検出が行われてもよい。このマイクロ波の漏洩の検出は、例えば、検出部20によって行われてもよい。また、マイクロ波の漏洩を検出するステップでは、防爆センサ10の少なくともいずれかによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出した場合に、例えば、マイクロ波の漏洩があったことを出力してもよく、または、マイクロ波発生器を停止させる処理などのマイクロ波の漏洩に対処するための処理を行ってもよい。
【0049】
以上のように、本実施の形態によるマイクロ波の漏洩検出装置1及びマイクロ波の漏洩検出方法によれば、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な市販されている防爆センサ10を用いることによって、防爆エリア内においてマイクロ波の漏洩を安価に検出することができる。そして、マイクロ波の漏洩の検出に応じてマイクロ波の照射を停止したり、作業者が防爆エリアから退避したりすることができ、安全性を高めることができる。例えば、防爆センサ10をフランジの接合部に配置することによって、その接合部からのマイクロ波の漏洩を検出することができる。また、例えば、防爆センサ10をチョーク構造の外部側に配置することによって、そのチョーク構造の箇所からのマイクロ波の漏洩を検出することができる。
【0050】
また、本実施の形態によるセンサ装置8では、防爆センサ10のセンシング範囲に設けられた保護部材30を有することによって、防爆センサ10によるマイクロ波以外のセンシングが行われないようにすることができ、マイクロ波以外の誤検出を行わないようにすることができる。また、センサ装置8が、マイクロ波を防爆センサ10に導く反射部材40を有している場合には、例えば、指向性の方向を変化させたり、より少ない個数のセンサ装置8でマイクロ波の漏洩を検出できるようにしたり、1個のセンサ装置8でマイクロ波の漏洩を検出できる範囲をより広くしたりすることができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、防爆センサ10が防爆近接センサである場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。防爆センサ10は、防爆近接センサ以外の、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造のセンサであってもよい。
【0052】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0053】
1 漏洩検出装置
8 センサ装置
10、10a、10b、10c 防爆センサ
20 検出部
30 保護部材
40、40a、40b、40c、40d 反射部材
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11A
図11B
【手続補正書】
【提出日】2022-02-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
防爆エリアにおいて、マイクロ波の漏洩を検出したい箇所である、マイクロ波が導入される空間を有する中空部材のフランジの接合部に、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の1個または2個以上の防爆近接センサを配置するステップと、
前記1個または2個以上の防爆近接センサの少なくともいずれかによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出するステップと、を含むマイクロ波の漏洩検出方法。
【請求項2】
防爆エリアにおいて、マイクロ波の漏洩を検出したい箇所である、マイクロ波の照射が行われる容器の内部から外部へのマイクロ波の漏洩を防止するためのチョーク構造の外部側に、電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の1個または2個以上の防爆近接センサを配置するステップと、
前記1個または2個以上の防爆近接センサの少なくともいずれかによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出するステップと、を含むマイクロ波の漏洩検出方法。
【請求項3】
前記防爆近接センサは、指向性を有する、請求項1または請求項記載の漏洩検出方法。
【請求項4】
電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の防爆近接センサと、
前記防爆近接センサによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出する検出部と、を備え
前記防爆近接センサは、防爆エリアにおいて、マイクロ波が導入される空間を有する中空部材のフランジの接合部に配置される、マイクロ波の漏洩検出装置。
【請求項5】
電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出可能な防爆構造の防爆近接センサと、
前記防爆近接センサによって電界及び磁界の少なくとも一方の増加を検出したことに応じてマイクロ波の漏洩を検出する検出部と、を備え、
前記防爆近接センサは、防爆エリアにおいて、マイクロ波の照射が行われる容器の内部から外部へのマイクロ波の漏洩を防止するためのチョーク構造の外部側に配置される、マイクロ波の漏洩検出装置。
【請求項6】
前記防爆近接センサの検出範囲を囲うように設けられた、マイクロ波を透過する保護部材をさらに備えた、請求項4または請求項5記載のマイクロ波の漏洩検出装置。
【請求項7】
前記防爆近接センサの周囲に設けられた、マイクロ波を前記防爆近接センサに導くための反射部材をさらに備えた、請求項4から請求項6のいずれか記載のマイクロ波の漏洩検出装置。