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特開2022-158842情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158842
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】情報処理装置、プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20221006BHJP
【FI】
G06Q30/02 398
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021163804
(22)【出願日】2021-10-05
(62)【分割の表示】P 2021062174の分割
【原出願日】2021-03-31
(71)【出願人】
【識別番号】516329543
【氏名又は名称】株式会社バカン
(72)【発明者】
【氏名】河野 剛進
(72)【発明者】
【氏名】高田 悠介
(72)【発明者】
【氏名】新里 純司
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB08
(57)【要約】      (修正有)
【課題】トイレ施設に適した広告表示を制御する情報処理装置、プログラム及び情報処理方法を提供する。
【解決手段】トイレ表示システム1において、表示手段を有し、施設における個室内に設置された情報処理装置であって、個室には、個室を利用する利用者の有無を検出する検出装置も設置され、検出装置による検出結果を示す検出情報が個室への利用者の入室を示す場合に、該利用者の個室の滞在時間を示す滞在時間情報を取得する第1取得手段と、滞在時間情報に基づいて、滞在時間を含む画像を表示手段に表示させる表示制御手段とを有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段を有し、施設における個室内に設置された情報処理装置であって、 前記個室には、前記個室を利用する利用者の有無を検出する検出装置も設置され、 前記検出装置による検出結果を示す検出情報が前記個室への利用者の入室を示す場合に、該利用者の前記個室の滞在時間を示す滞在時間情報を取得する第1取得手段と、 前記滞在時間情報に基づいて、前記滞在時間を含む画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、前記滞在時間情報が所定時間を超えた場合には、前記滞在時間を含む画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
さらに、前記検出情報に基づいて導出された前記施設の混雑度を取得する第2取得手段とを有し、 前記表示制御手段は、前記混雑度に応じて前記滞在時間を含む画像を表示させるタイミングを制御することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記混雑度が前記施設は混雑してることを示す場合には、前記混雑度が前記施設は混雑していないことを示す場合に比べて、早いタイミングで前記表示手段に滞在時間を含む画像を表示させることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記滞在時間情報が前記第1の所定時間を超えた場合には、前記混雑度に応じて前記表示手段に滞在時間を含む画像を表示させ、さらに前記滞在時間情報が前記第2の所定時間を超えた場合には、前記混雑度によらず前記表示手段に滞在時間を含む画像を表示させることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記滞在時間情報が前記第1の所定時間を超え、かつ、前記施設が混雑している場合には前記滞在時間を含む画像を表示させ、前記滞在時間情報が前記第1の所定時間を超え、かつ、前記施設が混雑していない場合には前記滞在時間を含む画像を表示させないことを特徴とする請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記滞在時間を含む画像が表示されるまで、前記利用者の入室中に前記表示手段に広告を表示させることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記個室はトイレ施設であり、前記施設は同じで入り口を共有するエリアである請求項1から7の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記判定結果に関わらず、前記利用者が前記個室を退室したこと場合には前記表示手段に表示中のコンテンツ表示を終了させる請求項1から8の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1~9のいずれか1項に記載の情報処理装置として機能させるプログラム。
【請求項11】
施設における個室内に設置された表示装置に広告を表示させる情報処理方法であって、前記個室には、前記個室を利用する利用者の有無を検出する検出装置も設置され、 前記検出装置による検出結果を示す検出情報が前記個室への利用者の入室を示す場合に該利用者の前記個室の滞在時間を示す滞在時間情報を取得し、 前記滞在時間情報に基づいて、前記滞在時間を含む画像を前記表示手段に表示させることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
トイレ施設の個室等にディスプレイを設置し、利用者が便器に近づくとセンサにより利用者を検知し広告やイベント情報等の画像を表示することで、利用者に対する広告伝達効果を高めようとする広告やイベント情報等の画像を表示する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-155564号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、トイレを利用者が利用している間、コンテンツを表示し続けることで、コンテンツ表示が利用者によるトイレの長時間利用を誘発してしまう場合がある。
【0005】
そこで、本開示は、個室内の利用者への表示システムにおいて、個室の利用者の不必要な長時間利用の誘発を抑制する技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示の情報処理装置は、表示手段を有し、施設における個室内に設置された情報処理装置であって、前記個室には、前記個室を利用する利用者の有無を検出する検出装置も設置され、前記検出情報が前記個室への利用者の入室を示す場合に、該利用者の前記個室の滞在時間を示す滞在時間情報を取得する第1取得手段と、前記滞在時間情報に基づいて、前記滞在時間を含む画像を前記表示手段に表示させる表示制御手段とを有することを特徴とする。
【0007】
本開示に関連する更なる特徴は、本明細書の記述、添付図面から明らかになるものである。また、本開示の態様は、要素及び多様な要素の組み合わせ及び以降の詳細な記述と添付される特許請求の範囲の様態により達成され実現される。本明細書の記述は典型的な例示に過ぎず、本開示の特許請求の範囲又は適用例を如何なる意味に於いても限定するものではない。
【発明の効果】
【0008】
本開示の技術によれば、個室内の利用者への表示システムにおいて、個室の利用者の不必要な長時間利用の誘発を抑制する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】トイレ表示システム1の構成例を示す図である。
図2】トイレにおける設備設置例を示す図である。
図3】管理サーバ10のハードウェア構成例及び表示装置23のハードウェア構成例を示す図である。
図4】管理サーバ10の機能構成を示す図である。
図5】施設情報テーブル、個室管理テーブル、広告テーブルの例を示す図である。
図6】トイレ個室の利用状況を管理するシーケンス図である。
図7】混雑度算出処理のフローチャートである。
図8】個室内の広告表示制御処理のフローチャートである。
図9】表示画像の一例を示す図である。
図10】表示される画像の流れを説明するための図である。
図11】個室内の広告表示制御処理のフローチャートである。
図12】個室内の広告表示制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態について、図面を参照して説明する。同一の構成については、同じ符号を付して説明する。なお、以下の実施形態は本開示の技術を限定するものではなく、本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが上記課題の解決手段に必須のものとは限らない。
【0011】
[第1実施形態] 第1実施形態では、トイレ個室内に表示装置を設置し、トイレ個室に利用者が入室したことを検知すると、トイレ個室内の表示装置がコンテンツを表示するシステムについて説明する。さらに本形態では、利用者が個室内に長期滞在している場合には、トイレ施設における混雑状況に応じて利用者の滞在時間を含む画像を表示する方法を説明する。なお、以下では、同じ出入り口により利用可能なトイレ個室群を、1つのトイレ施設とする。
【0012】
<順番管理システムの構成例> 図1は、本実施形態に係るトイレ表示システムの構成例を示す図である。トイレ表示システム1は、管理サーバ10と、トイレ個室22―1~nそれぞれに設置された検出装置21―1~21―nと表示装置23―1~23―nを備える。なおnは2以上の整数であり、以下、総称して、あるいはいずれかを示す場合には、トイレ個室22、検出装置21あるいは表示装置23のように略して表現する場合がある。 管理サーバ10は、各トイレ個室の検出装置21が利用者を検出した結果に基づいて、各トイレ個室の利用者の有無及びトイレ施設の混雑情報を管理する空室管理機能を有する。また、管理サーバ10は、広告コンテンツの動画データや案内用画像データ、長期滞在用画像データなどを保存し、表示装置23に配信するコンテンツ管理機能を有する。 ネットワーク30は、有線、無線を含む通信ネットワークである。ネットワーク30は例えば、インターネット、公衆回線網、WiFi(登録商標)などを含む。
【0013】
図2は、トイレ施設におけるトイレ個室22に設置された検出装置21や表示装置23の例を示す図である。検出装置21は、トイレ個室ごとに設置され、利用者に利用されるトイレ個室22の空室情報を検知するための機器である。ここで空室情報とは、空室状況(利用者の有無)を示す情報である。検出装置21としては例えば、トイレ個室22内の利用者の人感を検知する人感センサや、トイレ個室22の扉の開閉を検出する磁気センサなどを用いることができる。本形態では、磁気センサを用いるものとする。トイレ個室22が常開式である場合、磁気センサを用いてトイレ個室22の扉が閉まったことを検知したときに、トイレ個室22が利用者に利用されているとみなすことができる。一方、磁気センサ22の扉が閉まったことを検知していない(扉が開いていることを検知している)ときには、トイレ個室22に利用者はいないとみなされる。検出装置21が検知した検知結果は検出装置21の識別情報とともに、ネットワーク30を介して、管理サーバ10に対して検知情報として送信される。本形態では検出装置21は、5秒おきに扉の開閉状態を検知するものとする。
【0014】
表示装置23は、トイレ個室22を利用者が利用中に広告などの動画または画像を表示する情報処置装置である。例えば、タブレット型コンピュータを表示装置23として用いる。表示装置23は、トイレ個室内の壁や扉などに設置される。表示装置23は、管理サーバ10と通信可能なように構成され、管理サーバ10から表示用データ(コンテンツデータ)を受信して記憶することができる。表示用データは、静止画、動画、テキストデータのいずれであってもよく、音声の出力を伴うものであってもよい。また、表示装置23は、管理サーバ10からトイレ施設の混雑状況に関する情報(以下、「混雑情報」とする)と、対応するトイレ個室22(表示装置23が設置された個室)の利用者の有無に関する情報(以下、利用情報)を取得し、混雑情報や利用情報に応じて表示用データを表示する。
【0015】
<管理サーバ10および表示端末23のハードウェア構成例> 図3(a)は、管理サーバ10のハードウェア構成図である。管理サーバ10は、CPU(Central Processing Unit)110、ROM(Read Only Memory)120、RAM(Random Access Memory)130、記憶装置140及び通信装置150を備える。CPU110は、後述するプログラムを実行することにより、管理サーバ10が提供する機能を実現する。ROM120及びRAM130は、CPU110が用いるデータを保持する。記憶装置140は、後述するプログラム及びデータベースを格納する。通信装置150は、ネットワーク30を介して検出装置21や表示装置23と通信する。
【0016】
図3(b)は、表示装置23のハードウェア構成図である。表示装置23は、CPU(Central Processing Unit)230、ROM(Read Only Memory)231、RAM(Random Access Memory)232、記憶装置233、通信装置235及びディスプレイ236を備える。CPU230は、表示装置23が備える各部の動作を制御する。ROM231及びRAM232は、CPU230が用いるデータを保持する。記憶装置233は、後述するプログラム及びデータベースを格納する。通信装置235は、ネットワーク30を介して管理サーバ10と通信する。ディスプレイ236は、広告を含む画像を表示するための表示画面である。
【0017】
<管理サーバー10および表示装置23の機能構成例> 図4は、管理サーバ10の機能構成および表示装置23の機能構成を示すブロック図である。管理サーバ10は、CPU11が実行するソフトウェアモジュール(各種プログラムがCPU110の内部メモリに展開されて構成される機能)として、受信部311、更新部312、混雑度導出部313、広告制御部314、記憶部315を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュールを動作主体として記載する場合があるが、実際にこれらモジュールを実行するのはCPU110であるため、CPU110を動作主体とすることもできる。
【0018】
受信部311は、検出装置21から検知情報を受信したり、表示装置23からのリクエスト要求を受け付ける。記憶部315は、建物情報テーブル316、個室管理テーブル317、広告テーブル318を有している。図5は、建物情報テーブル316、個室管理テーブル317、広告テーブル318の構成例を示す図である。各テーブルは、例えばレコードの内容を記述したデータを記憶蔵置140内に格納することによって構成できる。なお、本形態では、建物情報テーブル316、個室管理テーブル317、広告テーブル318をテーブル形式としたが、この形式に限らず、各データが紐付けされていればどのような形式で構築してもよい。
【0019】
図5(a)に示す建物情報テーブル316は、各トイレ施設が入居する建物の情報を管理するデータテーブルである。建物情報テーブル316は、例えば、建物ID(建物を識別可能な識別情報)、建物名、建物ジャンル、住所、営業時間、初期画面などを構成項目として有している。ここで、営業時間とは、トイレ施設が入居する建物の営業が開始する時間と終了する時間とによって定義される時間帯であり、トイレ施設が利用者に利用されうる時間帯である。また、初期画面は、広告コンテンツデータを表示させていない間に表示する画面であり、本形態では建物ごとに登録できるものとする。例えば、「綺麗にご利用いただきありがとうございます」などのテキストが表示された画像などが初期画面として用いられる。
【0020】
図5(b)に示す個室管理テーブル317は、各トイレ個室の利用状況や混雑度を管理するためのデータテーブルである。例えば、個室管理テーブル317は、センサID、建物ID、エリアID、個室属性、利用状況、混雑度を構成項目とする。 センサIDは、トイレ個室に設置された検出装置21の識別情報である。建物IDは、トイレ施設が入居している建物の識別情報である。また、個室属性は、利用可能な性別や多目的トイレなど利用者を限定する属性を示す情報であり、例えば男性、女性、共用、多目的などが紐づけられる。また、タブレットIDは、トイレ個室に設置された表示装置23の識別情報である。エリアIDは、トイレ個室を含むトイレ施設を特定するための識別情報である。例えば1つの建物の各フロアにトイレ施設がある場合には、各フロアのトイレ施設ごとにエリアIDが割り当てられることになる。3フロアの建物において、各フロアの北側に男性トイレ、女性トイレ、南側に男性トイレ、女性トイレ、多目的トイレがある場合、この建物には、全部で15のトイレ施設があることになり、この建物の建物IDにはエリアIDは互いに異なる15の識別情報が紐づいて記憶されることになる。
【0021】
個室管理テーブル317における利用状況を示す情報(以下、利用情報とする)は、その
トイレ個室に利用者がいるかいないかを示す情報を示す。ここでは、利用者がいない状態を「空き」、利用者がいる状態は「利用中」とテキストで表示することとしたが、利用者がいない場合を「0」、利用者がいる場合を「1」と言うように記憶しておいてもよい。混雑度は、トイレ個室を含むトイレ施設の混雑の度合いを示す情報である。本形態では、トイレ施設における「利用中」の残り個室数を分子、トイレ施設に含まれるトイレ個室数を分母とする分数を混雑度とする。混雑度は、数値が1に近いほど混雑していると言える。例えば、エリアID「001」のトイレ施設は、トイレ個室2つからなる女性のトイレで、今1つのトイレ個室が「空き」で、もう1つのトイレ個室が「利用中」なので、エリアID「001」の残り個室数(混雑度)は1/2である。そのため、エリアIDが「001」である2つのトイレ個室の混雑度は、「1/2」と記憶されている。
【0022】
広告テーブル318は、トイレ表示システムにおいて表示され得る広告に関する情報を管理するデータテーブルである。広告テーブル318は、複数の広告それぞれについて、その広告を識別する情報(広告ID)、広告を提供している広告主、広告を表示する表示期間、広告を表示する建物を特定する建物ID、広告コンテンツデータを構成項目とする。本実施形態では、各広告はいずれも15秒の動画とする。
【0023】
更新部312は、受信部311が検出装置21から受信した検知情報に基づいて、個室管理テーブル317を更新する。検知情報には、検出装置21の識別情報(センサID)と利用者の検知結果を示す情報が含まれているので、更新部312は、識別情報を参照してトイレ個室を特定し、対応する利用状況を更新する。混雑度導出部313は、各トイレ施設の混雑度を導出する。上述の通り、ここでは「利用中」(利用者がいる)のトイレ個室の数を分子、トイレ施設に含まれるトイレ個室の総数を分母とする分数を混雑度とする。混雑度導出部313は、エリアIDごとに混雑度を導出すると、導出した混雑度を用いて、個室管理テーブル317におけるトイレのエリアIDに対応するトイレ個室の混雑度を更新する。
【0024】
広告制御部314は、広告を表示する表示装置23と通信を行い、表示装置23に広告表示に必要なデータを送信する。まず、広告制御部314は、トイレ施設ごとに指定された時間帯(例えば深夜時間帯や営業時間外など利用者が少ない期間が望ましい)に、トイレ個室22に設置された表示装置23に、予め広告コンテンツデータを配信しておく。表示装置23は、広告コンテンツデータを受信し、広告コンテンツデータを記憶装置234に予め記憶しておく。ここでは、広告制御部314は、表示装置23が表示可能な広告コンテンツデータとして、3つの広告コンテンツデータを配信しておくものとする。また、広告制御部314は、受信部311が表示装置23からリクエストを受信すると、広告制御部314は表示装置23が広告を表示するか否かを判定するのに必要な情報として、利用情報及び混雑度を表示装置23に送信する。
【0025】
次に表示装置23の機能構成を説明する。表示装置23は、CPU230が実行するソフトウェアモジュール(各種プログラムがCPU230の内部メモリに展開されて構成される機能)として、取得部2340、設定部2341、判定部2342、表示制御部2343を備える。以下では記載の便宜上、これらモジュールを動作主体として記載する場合があるが、実際にこれらモジュールを実行するのはCPU230であるため、CPU230を動作主体とすることもできる。
【0026】
取得部2340は、管理サーバ10が保持する利用情報や混雑度、自端末に関する情報や、表示装置23の表示に必要な初期設定に関する情報などを管理サーバ10から取得する。設定部2341は、表示装置23における表示に必要な設定を行う。例えば、設定部2341は、初期画面や長期滞在時に表示する長期滞在用画像データなどを設定する。判定部2342は、管理サーバ10から取得した利用情報に基づいて、対応するトイレ個室22が利用中であるか否かを判定したり、滞在時間情報や混雑度に応じて長期滞在用表示画像を表示するか否かを判定する。なお、本実施形態では、長期滞在用表示画像として第1画像と第2画像が設定されている。それぞれの画像の詳細については、後述する。また、判定部2342は、利用中が検出された後も定期的に利用情報を取得し、利用者が退室したことを監視するため、利用情報が「利用中」から「空き」に更新されたか否かを判定する。
【0027】
表示制御部2343は、ディスプレイ236における表示を制御する。本形態では、トイレ個室22に利用者が入室していない間は初期画面(静止画像)を表示させ、利用者が入室すると、広告コンテンツデータ(動画)を表示させる。さらに、利用者の滞在時間が長期化すると、トイレ施設が混雑している場合には長期滞在用表示画像を表示させる。カウント部2344は、トイレ個室22における利用者の滞在時間をカウントし、滞在時間を示す滞在時間情報を出力する。取得部2340が取得した利用情報が「空き」から「利用中」に更新されると、カウント部2344は経過時間のカウントを開始する。カウント部2344は、計測時間を利用者の滞在時間情報として保存しておく。また、取得部2340が取得した利用情報が「利用中」から「空き」に更新されると、カウント部2344は、経過時間をリセットする。
【0028】
<トイレ個室の利用状況を管理するシーケンス> 図6は、トイレ個室の利用状況を管理するシーケンス図を示す。なお、各工程(ステップ)を「S」と表記する。S601においてトイレ個室22に設置された検出装置21は、所定の時間ごと(例えば、10秒ごと)にトイレ個室が利用されているか否かを検出する。ここでは、トイレ個室のドアに設置された磁気センサを検出装置21として用いているので、検出装置21はトイレ個室の扉が閉じた状態であるか、開いた状態であるかを検出することになる。ここで、検出装置21は扉が閉じている状態である(つまり利用者が入室したことを示す)ことを検出したとする。S602において検出装置21は、扉が閉状態であることを示す検知結果と、検出装置21自身の識別情報とを、検知情報として管理サーバ10に送信する。
【0029】
S603において管理サーバ10における受信部311は検出装置21から検知情報を受信すると、S604において更新部312が受信した検知情報に基づいて、個室管理テーブル318を更新する。具体的には、検知情報に含まれる識別情報を参照し、個室管理テーブル317の対応する個室の利用状況を「利用中」に更新する。トイレ個室の利用者が退室すると、S605において検出装置21が扉の開状態を検知し、S606において検出装置21は扉が開状態であることを示す検知結果と、検出装置21自身の識別情報とを、検知情報として管理サーバ10に送信する。なお本実施形態では、検出装置21は5秒おきに扉の開閉状態を検知するので、S602の後も検出装置21は扉が閉状態であることを示す検知結果を管理サーバ10に送信し続けているが、説明を簡単にするため省略している。
【0030】
S607において管理サーバ10における受信部311は、検知情報を受信すると、S608において更新部312が受信した検知情報に基づいて、個室管理テーブル318を更新する。ここでは個室管理テーブル317の対応する個室の利用状況を「空き」に更新する。なお、本形態では、検出装置21は5秒おきに検出情報を管理サーバ10に送信することとしたが、さらに5秒おきの定期的なデータ送信に加えて、検出装置21が扉が閉じた状態を検知したら扉が閉じた状態であることを管理サーバ10に送信するようにしてもよい。
【0031】
<混雑度導出処理>管理サーバ10における混雑度導出部313が実行する混雑度導出処理の詳細を説明する。図7は、混雑度導出処理のフローチャートを示す。管理サーバ10のCPU110が図7に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップを実現することができる。まずS701において混雑度導出部313は、処理対象となるエリアIDを決定する。本形態では、登録されたエリアIDを順に処理対象とすることとする。さらに例えば、エリアIDごとに利用可能時間帯を登録しておき、利用可能時間帯であるエリアIDのみを処理対象とするようにしてもよいし、更新部312によって利用情報が更新されたトイレ個室に対応するトイレ施設を処理対象とするようにしてもよい。S702において混雑度導出部313は、処理対象のエリアIDのトイレ個室22を特定し、各トイレ個室の利用情報を取得する。
【0032】
S702において混雑度導出部313は、処理対象のエリアIDのトイレ個室の数をカウントし、トイレ個室数とする。また、処理対象のエリアIDのトイレ個室のうち、利用情報が「利用中」であるトイレ個室の数をカウントし、残り個室数とする。混雑度導出部313は、残り個室数を分子、トイレ個室数を分母とする分数を、エリアIDに対応する混雑度として決定する。
【0033】
S703において、処理対象のエリアIDに対応する少なくとも1つ以上のトイレ個室の混雑度を、S702において導出した混雑度により更新する。S705において混雑度導出部313は、次に処理すべきエリアIDがあるか否かを判定し、未処理のエリアIDがある場合(YES)にはS701に戻り、未処理のエリアIDがない場合(NO)には、処理を完了する。なお、本形態では、登録されたエリアIDを処理対象とするため、S705において混雑度導出部313は、エリアIDに対応づくデータセットが個室管理テーブル317にある限り、未処理のエリアIDがあると判定されることになる。例えば、2つのエリアIDが登録されている場合は、2つのエリアIDに関して交互に混雑度が導出されることになる。ここでは管理サーバ10が個室管理テーブル317にアクセスできなくなったり、通信装置150を介した外部からの操作やCPU110により混雑度導出処理の終了が指示されると、S705においてNOと判定されるものとする。以上により、管理サーバ10における混雑度導出処理は完了する。
【0034】
<広告表示制御処理のフローチャート>表示装置23における広告表示制御処理の詳細を説明する。図8は、広告表示制御処理のフローチャートを示す。表示装置23のCPU230が図8に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップを実現することができる。例えば、表示装置23は、表示装置23が設置されたトイレ施設の営業時間開始の際など、事前に指定された時間に、以下のフローチャートを開始するものとする。S801において取得部2340は、表示装置23自身の識別情報(タブレットID)とともに、表示制御の設定に関連する情報(以下、表示設定情報とする)を管理サーバ10にリクエストし、表示設定情報を取得する。本形態では、表示設定情報としては、自装置の識別情報に対応するエリアID、属性、建物IDに対応する営業時間を示す情報や初期画面として用いる画像データ、長期滞在用画像データを取得するものとする。
【0035】
S802において設定部2341は、S801において取得した表示設定情報に基づいて、表示に関する設定を行う。設定部2341は、初期画面として取得した画像データを初期画面に設定し、利用者が長期滞在している場合に表示する第1の長期滞在用画像データおよび第2の長期滞在用画像データする。また設定部2341は、利用者の長期滞在を判定するための第1の所定時間及び第2の所定時間を設定する。本実施形態では、第1の所定時間として10分、第2の所定時間として20分が設定されるものとする。S803において表示制御部2343は、初期画面として設定された画像データをディスプレイ236に表示させる。
【0036】
S804において取得部2340は、管理サーバ10から、自端末に対応する混雑度および利用情報(利用中か空き状態かを示す情報)
を取得する。ここで取得する混雑度は、自端末が設置されたトイレ個室22を含むトイレ施設の混雑状況を示す。S805において判定部2342は、利用情報を参照して、表示装置23自身が設定されたトイレ個室が利用中か否かを判定する。本形態では、取得した利用情報が「利用中」である場合には、カウント部2344におけるカウントを開始してS806およびS812に進み、「空き」である場合にはS811に進む。
【0037】
S806~S809までの処理は、利用者がそのままトイレ個室内に滞在していると想定した場合に実行される処理である。S806において表示制御部2343は、事前に配信されたN個の広告コンテンツデータをディスプレイ236に表示させる。本形態では、事前に3つの広告コンテンツデータが配信され、記憶装置234に記憶されており、表示制御部2343は、3つの広告コンテンツデータからランダムな順で順次再生させる。なおここでは、表示制御部2343が他の画像(または動画)に切り替えるまで、最初に再生した順で3つのコンテンツデータが繰り返し再生されるものとする。
【0038】
S807においてカウント部2344は入室時点からの利用者の滞在時間情報を参照し、第1の所定時間の経過を検出すると、S808に進む。S808において判定部2342はさらに、混雑度を参照して、自端末に対応するトイレ個室22を含むトイレ施設が混雑しているか否かを判定する。本実施形態では判定部2342は、混雑度を示す分数が1か否かを判定する。これはつまり、判定部2342はトイレ施設が満室(トイレ施設内のすべてのトイレ個室が利用中である)であるかにより混雑状況を判定していると言い換えることができる。判定部2342は、混雑していない(満室ではない)と判定した場合にはS810に進み、混雑している(満室である)と判定した場合にはS809に進む。
【0039】
S809において表示制御部2343は、混雑度と滞在時間情報に基づいて滞在時間を含む第1画像を生成し、ディスプレイ236に表示させる。図9(a)は、第1画像の一例を示す図である。第1画像には、トイレ施設の空き状況と、利用者の滞在時間とが表示されている。これは、トイレ施設が混雑している際に、利用者が不必要に長期滞在してしまうことにより、他の利用者がトイレ個室を利用できない状況を防ぐため、長期滞在中の利用者にトイレ個室の迅速な利用を意識してもらうための画像である。滞在時間が第1の所定時間を経過すると、ディスプレイ236上の広告表示は、第1画像に切り替えられる。表示制御部2343は、第1の長期滞在用画像データを用いて生成した画像に、混雑度を示すテキストデータと、滞在時間を示すテキストデータを挿入することで、第1画像を生成する。なおここでは、混雑度が1であるため、「満室」を示すテキストデータが表示されることになる。
【0040】
次にS810においてカウント部2344は、利用者が入室した時点からの滞在時間情報を参照し、第2の所定時間の経過を検出する。カウント部2344が、滞在時間が第2の所定時間を超えたことを検出すると、S811に進む。S811において表示制御部2343は、第2の長期滞在用画像データを用いて生成した画像に、滞在時間情報に基づいて滞在時間を含む第2画像を生成し、ディスプレイ236に表示させる。図9(b)は、第2画像の一例を示す図である。第2画像には、滞在時間とともに、係員を呼ぶためのボタン領域が表示されている。これは、第1画像を表示した後もさらに長期間トイレ個室を利用している人の中には、具合が悪いなど何らかの事情により出られなくなってしまっている可能性があるため、係員の呼び出しをできるようにしている。仮に、利用者が「係員を呼ぶ」と記載されたボタンをタップすると、表示装置23は事前に設定された連絡先や事前に登録された情報処理装置に、トイレ個室22を識別可能な情報とともに、利用者による呼び出しがあったことをメールを送信したり、通知するようにする。第2画像が一定期間(例えば1時間など)表示されると、利用者の退室が検知されるまで、表示装置23のディスプレイ236には第2画像が表示され続ける。
【0041】
S806からS809までの処理と並行して、S814において判定部2342は、トイレ個室22を利用中の利用者の退室を監視する。具体的には判定部2342は、所定の時間ごと(例えば5秒)おきに管理サーバ10に利用情報のリクエストを送信し、管理サーバ10から継続的にトイレ個室22の利用情報を取得し、利用情報が「空き」になったか否かを判定する。判定部2342は、取得した利用情報が「空き」を示したら、S812に進む。
【0042】
S812において表示制御部2343は、S803において表示した初期画面と同じ初期画面用の画像データをディスプレイ236に表示させる。ここでS814からS812に進んだ場合は、広告や第1画像など他のコンテンツを表示中であっても強制的に終了し、初期画面の表示を固定されるようにする。なお本形態では、S803とS810は同じ静止画がディスプレイ236に表示されるようにしたが、異なる画像を表示させてもよい。例えば、S810は表示装置23が利用者に対して広告を表示した後に表示されるため、「ご利用ありがとうございました」や「お忘れ物にご注意ください」というテキストを含む静止画などでもよい。ただし、S810において表示する画像は、長期滞在の誘発を抑制するため、変化を含む動画ではなく静止画であることが望ましい。
【0043】
S812において判定部2342は、処理を完了するかどうかを判定する。具体的には、判定部2342は、自端末が設置されたトイレ施設を含む建物の営業時間内か否かを判定する。現在時刻が営業時間内である場合には、終了しないとみなしてS804に戻り、営業時間外である場合には終了する判定して、処理を完了する。以上で表示装置23における広告表示制御処理が完了する。
【0044】
<トイレ個室における広告表示の流れ> 図10は、表示される広告の流れを説明するための図である。横軸は時間の経過を模式的に示し、表示されたコンテンツ内容を順に示している。なお、入室して初期画面が広告に更新された以降のコンテンツ内容を示し、初期画面の表示については省略している。図10(a)は、利用者の滞在時間が第1の所定時間未満であり、初期画像の後は広告のみが再生されている場合を示す。利用者の退室が検出されるまでの間、表示装置23には広告が表示されている。
【0045】
ここで広告表示時間が長くなることで、トイレ個室の滞在時間が長くなりトイレ施設が混雑してしまうと他の利用者の利便性が下がり、望ましくない。そこで図10(b)に示すように、利用者の滞在時間が第1の所定時間を超えた時点で、利用者が利用するトイレ個室を含むトイレ施設が混雑している場合には、表示装置23に表示された広告の表示を終了し、滞在時間を含む第1画像に切り替えられる。広告の表示を停止することで、広告閲覧による利用者の長期滞在の誘発を抑制し、また、利用者に混雑状況とともに滞在時間を知らせることで、退室を促すことができる。一方、利用者の滞在時間が第1の所定時間を超えても、トイレ施設が混雑していない場合には、利用者の退室が検出されるまで広告を表示し続ける。トイレ施設内に他にも空き個室がある場合には、利用者が長期滞在していても、他の利用者およびトイレ施設運営者にとってはあまり不利益にはならないため、退室を促す表示をせず、広告表示を継続する。
【0046】
さらに、滞在時間が第1の所定時間よりも長い第2の所定時間を超えた場合、トイレ施設の混雑状況に関わらず、滞在時間を含む第2画像を表示させる。第2画像には、滞在時間とともに利用者への安否を確認するテキストと、係員を呼ぶことができるボタンが表示される。第2画像は、不必要に長期滞在している場合には、混雑に関わらず利用者に退室を促しつつ、何らかの事情があってトイレ個室から退出できない状態にある可能性も鑑みて、利用者への安否確認を行うことを目的としている。
【0047】
<第1実施形態のまとめ>以上の通り本実施形態は、トイレ個室に利用者が入室した後に、トイレ個室内に設置された表示装置23に広告動画が表示される。利用者が第1の所定時間まで滞在し続けると、トイレ施設の混雑状況に応じて、広告動画がそのまま表示されるか滞在時間を含む画像に切り替わるか、いずれかの表示形態となる。さらに利用者がトイレ個室内に滞在し続け、滞在時間が第2の所定時間を超えると、トイレ施設の混雑状況に関わらず、広告動画の表示は終了になり、滞在時間を含む画像が表示される。すなわち、トイレ施設の混雑状況に応じて、滞在時間が表示されるタイミングを制御する。混雑している場合には、混雑していない場合に比べて、早いタイミングで滞在時間をトイレ個室内の表示装置23に表示させる。これにより、広告動画の表示によるトイレ個室の長期滞在の誘発を防ぐことが望ましい場合には、混雑状況に応じて広告表示時間を変動させるとともに、混雑状況に応じて滞在時間を表示させる。トイレ施設が混雑している場合には、利用者には迅速な利用を促すため、早めに広告表示を停止して滞在時間を表示させ、トイレ施設が混雑していない場合には、混雑している場合に比べて長時間広告を表示させた後に滞在時間を含む画像を表示させる。以上本実施形態によれば、トイレ施設における混雑状況に応じて、表示装置23に滞在時間を表示させるタイミングを制御することで、利用者に適度に退出を促進することができる。
【0048】
[第2実施形態] 第1実施形態では、混雑状況及び滞在時間情報に応じて、利用者の退室を促すための滞在時間を含む画像を、トイレ個室22内の表示装置23に表示させる方法について説明した。第2実施形態では、コンビニエンスストアなどトイレ個室が1つしかない場合においては、混雑状況によらず滞在時間を含む画像を表示する方法について説明する。なお、第1実施形態と同様の構成については、詳細な説明を省略し、異なる処理について説明する。
【0049】
図11は、第2実施形態における広告表示制御処理のフローチャートを示す。表示装置23のCPU230が図11に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップを実現することができる。第1実施形態とは、S815の処理が追加されている点で異なる。S815において判定部2342は、混雑度に応じた表示処理を実行するか否かを判定する。本実施形態では判定部2342は、トイレ個室の総数が複数あるか否かを判定することとする。具体的には、S804において取得した混雑度は、分母がトイレ個室の総数を示すので、判定部2342は、混雑度の分母が2以上であるか否かにより、混雑に応じた表示を実行するか否かを判定する。ここで、トイレ個室数が2以上である(つまりトイレ施設内に複数のトイレ個室がある)場合には、S807に進み、第1実施形態と同様に混雑状況と滞在時間情報に応じて表示制御する。一方、トイレ個室数が1である(つまりトイレ施設内には他のトイレ個室がない)場合には、S809に進む。
【0050】
以上、第2実施形態によれば、トイレ施設に複数のトイレ個室がある場合には、利用者がトイレ個室内に長期滞在すると、混雑状況と滞在時間情報に基づいて広告表示が停止され、滞在時間を含む画像が表示される。トイレ施設にトイレ個室が1つのみである場合には、利用者がトイレ個室内に長期滞在すると、滞在時間にのみ基づいて広告表示が停止され、滞在時間を含む画像が表示される。 以上本実施形態によれば、トイレ個室内に設置された表示装置23に広告動画を表示するシステムにおいて、他のトイレ個室の利用状況に応じた混雑状況を導出できないトイレ施設においては、滞在時間情報のみに基づいて滞在時間を含む画像を表示することで、長時間の広告表示による長期滞在の誘発を防ぐことができる。
【0051】
なお、トイレ個室数に基づいて混雑状況を参照するか否かを判定する方法のみではなく、例えば、他にもオフィスとして利用されるオフィスビルなど混雑状況に関わらず長
期滞在が望まれない場合には、S815において判定部2342はトイレ施設が設置された建物のジャンル(商業ビルかオフィスビルかなど)に応じて判定してもよい。この場合、判定部2342は、トイレ施設がオフィスビルである場合にはS808の処理を行わずS811に進み、トイレ施設が商業施設である場合にはS807に進むようにする。
【0052】
[第3実施形態] 第1及び第2実施形態では、滞在時間を含む画像(第1画像または第2画像)が表示されうるタイミングは、入室を検知した後、第1の所定時間の経過時点か第2の所定時間の経過時点かのみとした。第3実施形態では、第1の所定時間が経過した後、定期的に混雑度を取得することで、第1の所定時間から第2の所定時間の間でトイレ施設が混雑した時点で滞在時間を含む画像(ここでは第1画像)を表示させるシステムについて説明する。なお第1実施形態と同様の構成については同一の符号を用いて説明し、処理の詳細を省略する。
【0053】
図12は、第2実施形態における広告表示制御処理のフローチャートを示す。表示装置23のCPU230が図11に示すフローチャートを実現可能なプログラムを読み込んで実行させることで、各ステップを実現することができる。第1実施形態における図8に示すフローチャートと異なる処理について説明する。 まずS804の代わりに、S1201において取得部2340は、管理サーバ10から自端末に対応する利用情報を取得する。S805において利用情報に基づいて利用者による入室が検知されると、S1202において取得部2340は、管理サーバ10から自端末に対応する混雑度を取得する。なお、後述するA1203やS1204からS1202に戻った場合には、前回S1202を実行した時点から所定の間隔(例えば10秒)以上経過した後に再実行するようにする。
【0054】
S1203において判定部2342は、カウント部2344がカウントした滞在時間が、第1の所定時間以上か否かを判定し、滞在時間が第1の所定時間以上であればS1204に進み、滞在時間が第1の所定時間未満であればS1202に戻る。滞在時間が第1の所定時間以上になるとS1204に進み、判定部2342は、混雑度に基づいてトイレ施設が混雑しているか否かを判定する。混雑している場合は、S809に進み、混雑していない場合は、S1202に戻る。S809以降の処理については、第1実施形態と同様である。
【0055】
本実施形態においては、以下のタイミングにおいて滞在時間を含む画像が表示されることになる。(ア)滞在時間が第1の所定時間から第2の所定時間の間で、トイレ施設が混雑していることが検知された時点(イ)滞在時間が第2の所定時間を経過したことが検出された時点このように本実施形態では、滞在時間が第1の所定時間から第2の所定時間の間に定期的に混雑度を取得するため、途中でトイレ施設が混雑すると、迅速な退室を促すための長期滞在用表示画像が表示されることになる。
【0056】
<その他の実施形態>なお、上述の実施形態では、第1の所定時間及び第2の所定時間を固定としたが、例えば、トイレ施設毎、やトイレ施設が設置されている建物毎に事前に登録されていてもよい。この場合は、図8に示すフローチャートのうちS807の処理が実行される前までに、事前に登録されたトイレ個室22に対応する第1の所定時間及び第2の所定時間を読み込んで設定しておく。例えば、混雑しやすいトイレ施設では第1の所定時間及び第2の所定時間を比較的短く設定し、あまり混雑が発生しないトイレ施設では、第1の所定時間や第2の所定時間を長く設定すればよい。あるいは、第1の所定時間と第2の所定時間の間隔は、トイレ施設によって異ならせることもできる。
【0057】
上述の実施形態では、トイレ個室に利用者が入室すると、表示装置23に広告動画を表示することとしたが、表示制御部2343は広告以外のコンテンツや滞在時間を含む画像以外は初期画像のみ表示することとしてもよい。さらに表示制御部2343は、滞在時間が第1の所定時間以上で第2の所定時間未満で、トイレ施設が混雑していない場合には、広告表示としてトイレ個室の長期利用に関連する内容の広告を選択して表示するようにしてもよい。トイレ個室を長期利用する利用者の中には、腹痛を起こしやすい属性の人が多い傾向にあるとみなして、例えば整腸剤や便秘薬などの広告動画を優先的に配信するようにしてもよい。
【0058】
また、上述の実施形態ではトイレ施設の混雑時、利用者が第2の所定時間以上の滞在している場合には第1画像と第2画像とを表示させることとしたが、共通の画像を表示させるようにしてもよい。この場合例えば、表示制御部2343は、滞在時間が第1の所定時間を超えた場合、トイレ施設が混雑している場合には第1画像を表示させ、トイレ施設が混雑していない場合には入室後に表示されたコンテンツ(広告など)をそのまま表示させる。さらに、滞在時間が第2の所定時間を超えた場合、トイレ施設の混雑状況に関わらず第1画像を表示させる。つまりトイレ施設が混雑している場合には第1画像がそのまま表示され続ける。また、長期滞在用画像データは建物やトイレ施設に関わらず固定のデータを用いることとしたが、初期画面と同様に、建物やトイレ施設ごとに設定できるようにしてもよい。
【0059】
また、混雑度を示す情報として、利用中の個室数/トイレ施設内の個室数以外の情報を用いてもよい。混雑度導出部313は、例えば、利用情報が「空き」状態にある個室数を混雑度として導出することもできる。この場合、混雑度を取得した表示装置23は、S808において混雑度が0か否かを判定することにより、広告表示を停止するか否かを判定してもよい。あるいは。混雑度は数値でなくてもよい。例えば、混雑度導出部313は、トイレ施設に含まれるトイレ個室の総数における利用中の個室数の比率に応じて、混雑状況を示すテキストを混雑度として出力するようにしてもよい。この場合、「空き」「やや混雑」「満室」のように混雑状況を示すテキストを表示装置23に送信し、表示装置23は事前に設定された混雑状況のステータスに応じて広告表示時間を制御するようにすることもできる。また、第1実施形態において判定部2342は、混雑度が1か否か(満室か否か)により判定したが、これに限らない。例えば、判定部2342は、トイレ施設の混雑度を示す分数に対して、0.8など80%の個室が利用中である場合を、トイレ施設が混雑しているとみなすこともできる。
【0060】
また、上述の実施形態では、利用者が入室した後、広告表示が停止されるまでの間広告動画をループ再生させることを例に説明したが、必ずしもループ再生ではなくてもよい。例えば、表示装置23は、長時間の広告動画を表示してもよい場合には、表示する広告コンテンツデータを増やしたり、ランダムに広告コンテンツデータを選択して表示するようにしてもよい。
【0061】
また、上述の実施形態では、表示装置23におけるカウント部2344が利用者の利用時間(滞在時間)をカウントすることとしたら、管理サーバ10がカウント部2344の機能を有するようにすることもできる。この場合は、表示装置23の取得部2340は、ディスプレイ236にコンテンツを表示させている間、定期的に(所定の時間毎に)管理サーバ10から対応するトイレ個室22の滞在時間を示す情報を取得する。また、上述の実施形態では、S804において取得部2340が混雑度を取得することとしたが、よりリアルタイムな混雑状況を参照するために、所定の時間毎に、あるいは、S808の処理を実行する直前に混雑度を管理サーバ10から取得することとしてもよい。
【0062】
以上の通り、本開示の技術は、上述の実施形態の1つ以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し作動させる処理によって実現することができる。また、1以上の機能を実現する回路によって実現しても良い。
【0063】
本開示は、上述した実施形態に限定されるものでなく、様々な変形例を含んでいる。例えば、上述した実施形態は、本開示を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備える必要はない。また、ある実施形態の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることもできる。さらにまた、各実施形態の構成の一部について、他の実施形態の構成の一部を追加、削除又は置換することもできる。
【符号の説明】
【0064】
管理サーバ10、CPU110、表示装置23、CPU230、検出装置21、受信部311、更新部312、混雑度導出部313、広告制御部314、取得部2340、設定部2341、判定部2342、表示制御部2343
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12