(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158847
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置
(51)【国際特許分類】
B65G 3/04 20060101AFI20221006BHJP
B65G 69/20 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B65G3/04 A
B65G69/20
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021169759
(22)【出願日】2021-10-15
(31)【優先権主張番号】202110350477.2
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521445834
【氏名又は名称】▲華▼能国▲際▼▲電▼力股▲分▼有限公司上▲海▼石洞口第一▲電▼厂
(74)【代理人】
【識別番号】100137338
【弁理士】
【氏名又は名称】辻田 朋子
(74)【代理人】
【識別番号】100196313
【弁理士】
【氏名又は名称】村松 大輔
(72)【発明者】
【氏名】張 曉
(72)【発明者】
【氏名】胡 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】朱 平
【テーマコード(参考)】
3F078
【Fターム(参考)】
3F078AA07
3F078CA01
3F078CA04
3F078CA06
3F078EA18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】密封性及び送風効率が高く、占有スペースが小さく、サイロ構造や作業過程に影響しない石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置を提供する。
【解決手段】ダクト回転リング21が第2支持ブラケットによってユーロサイロの中心回転プラットフォーム13に固定して接続され、ダクト固定リング22が第1支持ブラケットによってユーロサイロのサイロトップ架橋3に固定して接続され、ダクト回転リング及びダクト固定リングがユーロサイロの回転中心軸線と同軸に設置され、ダクト回転リングが密封アセンブリによってダクト固定リングに密封接続され、ダクト回転リングとダクト固定リングとの間に1つの環状ダクトが構成される。ダクト固定リングには環状ダクトと連通する吸気管15が設けられ、吸気管の端部にはユーロサイロのサイロ外に位置する送風機16が接続され、ダクト回転リングには環状ダクトと連通する排気管が設けられる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置であって、
ダクト回転リング(21)及びダクト固定リング(22)を備え、
前記ダクト回転リング(21)は第2支持ブラケット(19)によってユーロサイロの中心回転プラットフォーム(13)に固定して接続され、前記ダクト固定リング(22)は第1支持ブラケット(18)によってユーロサイロのサイロトップ架橋(3)に固定して接続され、前記ダクト回転リング(21)及びダクト固定リング(22)はユーロサイロの回転中心軸線と同軸に設置され、
前記ダクト回転リング(21)は密封アセンブリによってダクト固定リング(22)に密封接続され、前記ダクト回転リング(21)とダクト固定リング(22)との間に1つの環状ダクトが構成され、
前記ダクト固定リング(22)には環状ダクトと連通する吸気管(15)が設けられ、該吸気管(15)の端部にはユーロサイロのサイロ外に位置する送風機(16)が接続され、前記ダクト回転リング(21)には環状ダクトと連通する排気管(17)が設けられ、
前記送風装置が動作するとき、前記ダクト固定リング(22)の位置が固定され、前記ダクト回転リング(21)は中心回転プラットフォーム(13)と同期して回転し、ユーロサイロのサイロ外の空気は順に送風機(16)、吸気管(15)、環状ダクト及び排気管(17)を通過して、ユーロサイロの中心回転プラットフォーム(13)の近傍に排出されることを特徴とする石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置。
【請求項2】
前記ダクト固定リング(22)は円筒(223)及び第3環状プレート(221)を備え、該円筒(223)の両端に2枚の第4環状プレート(222)が対称的に設けられ、前記第4環状プレート(222)の縁部に第8環状プレート(2221)が垂直に設けられ、前記第3環状プレート(221)は第8環状プレート(2221)に固定して接続され、
前記ダクト回転リング(21)は環状溝(212)を備え、前記環状溝(212)の側壁は密封アセンブリによって第3環状プレート(221)に接続されることを特徴とする請求項1に記載の石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置。
【請求項3】
前記環状溝(212)の側壁に第2環状プレート(213)が垂直に設けられ、前記第2環状プレート(213)にはそれに平行する第1環状プレート(211)が設けられ、
前記密封アセンブリは密封テープ(26)及び環状フックプレート(29)を備え、前記密封テープ(26)は一端がフェルール(24)によって第1環状プレート(211)に固定され、他端が環状フックプレート(29)に密着され、前記環状フックプレート(29)は第3環状プレート(221)に固定して接続されることを特徴とする請求項2に記載の石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置。
【請求項4】
前記環状フックプレート(29)に斜面(291)が設けられ、前記密封テープ(26)は斜面(291)に密着されることを特徴とする請求項3に記載の石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置。
【請求項5】
前記第1環状プレート(211)にフランジ(2111)が設けられ、前記密封テープ(26)はフランジ(2111)に被覆されることを特徴とする請求項3に記載の石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置。
【請求項6】
前記環状フックプレート(29)には鉛直方向に沿うスロットホール(31)が設けられ、前記第3環状プレート(221)はスロットホール(31)を通る第4ボルト(27)によって環状フックプレート(29)に接続され、第4ボルト(27)のスロットホール(31)を通る位置を調整することにより環状フックプレート(29)の高さを調節することを特徴とする請求項3に記載の石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置。
【請求項7】
前記環状フックプレート(29)に第5環状プレート(292)が設けられ、前記第3環状プレート(221)に第6環状プレート(2211)が設けられ、第5環状プレート(292)は第3ボルト(25)によって第6環状プレート(2211)に接続されることを特徴とする請求項3に記載の石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置。
【請求項8】
前記第2環状プレート(213)と第1環状プレート(211)との間に調節スクリュー(32)が設けられ、前記調節スクリュー(32)にナットが設けられ、調節スクリュー(32)におけるナットを回転することにより第1環状プレート(211)と第2環状プレート(213)との距離を調節することを特徴とする請求項3に記載の石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置。
【請求項9】
前記環状溝(212)と第2環状プレート(213)との間に補強リブプレート(30)が設けられることを特徴とする請求項8に記載の石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置。
【請求項10】
前記環状フックプレート(29)と第3環状プレート(221)との間にO型密封リング(28)が設けられることを特徴とする請求項3に記載の石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は石炭貯蔵技術に関し、特に石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーロサイロによる石炭貯蔵は中国国内で最新鋭の環境保護石炭貯蔵方式であり、国外でユーロサイロによる石炭貯蔵に使用される炭種は中国国内のものと異なって、国外の炭種の水分含有量がより低く、石炭貯蔵時に揮発した水蒸気がより少ない。実際の石炭貯蔵過程においてはユーロサイロ内の水蒸気の濃度がより低く、ユーロサイロ内の環境に影響しない。しかし、中国国内で使用する炭種は主に褐炭であり、石炭の粉状粒子の比率が高く、揮発分及び水分がいずれもより高く、且つ自然発火しやすい。このため、石炭貯蔵のためのユーロサイロ内で水蒸気の濃度がより高く、より高い濃度の水蒸気はサイロ内の装置やサイロ体の金属構造に接触すると水滴に凝結して、サイロ内の様々な石炭から放出したガスと結合した後に様々な酸性腐食物質を生成し、ユーロサイロのサイロ内の金属部材の表面に付着される場合、これらの金属装置に対して腐食損害を生じ、更に不利な影響をもたらしてしまう。また、現在、中国国内では発電企業は一般的に石炭を使用し、揮発分がより高く、揮発量がより大きく、石炭貯蔵時に石炭から揮発したメタンガス、一酸化炭素がより多く、これらの可燃性ガスがサイロ内の空間に集まると、様々な火災を引き起こし、又はサイロ内に入った点検修理者及び作業者の身の安全に脅かしやすい。石炭が自然発火することを防止するために、中国国内では発電企業は一般的に窒素ガスを用いて石炭の酸化反応を防止し、ユーロサイロの底部から大量の窒素ガスを放出して、窒素ガスを石炭粒子間の隙間にいっぱいに充填させ、これによって石炭の周りの酸素を隔絶し、石炭に酸化反応が生じることを回避するか又はその可能性を低減するが、このような方式において不可避なのは、一部の窒素ガスがサイロ内に堆積した石炭から滲出して、サイロ内の石炭を堆積しない空間に発散することであり、これによって、サイロ内に石炭を堆積しない空間内の酸素の含有量も低減し、作業者はサイロ内に入って装置を保守又は操作する必要がある場合、酸素の濃度が低すぎるため窒息する危険があり、作業者は通常の陽圧呼吸器以外の他の各種類のフェイスシールドを装着すると、正常に呼吸するように効果的に確保できない場合が多いが、作業者は陽圧呼吸器を装着した後、動きがより不便となり、正常の作業要件を満足することができない。
【0003】
ユーロサイロはサイロの頂部に換気扇が配置されるが、実際の排気効果が低く、その理由は主に、生成された様々なガス及び水蒸気が主に堆積石炭の近傍即ちサイロ内の石炭の山の上表面の近傍の領域に集まるためである。そして、サイロの頂部の換気扇から排出されたのは主に換気扇の近傍の領域のガスであるが、ユーロサイロは密封された容器ではなく、ユーロサイロの多くの構造的結合箇所、例えばサイロの頂部と筒体との間に常に様々な隙間があり、ガスがサイロ内に入って換気扇に流れて換気扇により排出されるようにし、その理由は、ガスの流れが常に抵抗の最も小さい場所で開始するが、サイロ内の石炭の山寄りのガスが相対的に遅く流れており、特にユーロサイロ内の石炭の山の高さがより低く、即ち石炭貯蔵量がより少ない場合、石炭の山の表面と換気扇との距離がより長ければ、サイロの頂部の送風機による排風の石炭の山の表面の近傍のガスに対する吸収能力がより悪く、これによって、サイロ内のガスをすべて換気するために少なくとも10時間以上の時間をかける必要があり、また、換気扇の排気量が隙間から入った空気量より多い場合、サイロ内に陰圧を形成してサイロの頂部に不必要な負荷を与えるだけであり、石炭の山の近傍のガスをサイロの頂部寄り位置に効果的に流すことができず、効果的に換気できないため、作業者がサイロに入って作業する即時性を厳しく制限し、又はユーロサイロによる石炭貯蔵に潜在的な安全上の問題を引き起こすことになるが、このような状況はユーロサイロによる正常の石炭貯蔵の生産運転に深刻な影響を与えてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、上記従来技術の欠陥を克服して、石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置を提供することにあり、密封性が高く、送風効率が高く、占有スペースが小さく、ユーロサイロの元の構造及び作業過程に影響することなく、回転架橋での送風ニーズを満足する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の目的は下記技術案により実現できる。
【0006】
石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置であって、ダクト回転リング及びダクト固定リングを備え、
前記ダクト回転リングは第2支持ブラケットによってユーロサイロの中心回転プラットフォームに固定して接続され、前記ダクト固定リングは第1支持ブラケットによってユーロサイロのサイロトップ架橋に固定して接続され、前記ダクト回転リング及びダクト固定リングはユーロサイロの回転架橋の回転中心軸線と同軸に設置され、
前記ダクト回転リングは密封アセンブリによってダクト固定リングに密封接続され、前記ダクト回転リングとダクト固定リングとの間に1つの環状ダクトが構成され、
前記ダクト固定リングには環状ダクトと連通する吸気管が設けられ、該吸気管の端部にはユーロサイロのサイロ外に位置する送風機が接続され、前記ダクト回転リングには環状ダクトと連通する排気管が設けられ、
前記送風装置が動作するとき、前記ダクト固定リングの位置が固定され、前記ダクト回転リングは中心回転プラットフォームと同期して回転し、ユーロサイロのサイロ外の新鮮で乾燥した空気は順に送風機、吸気管、環状ダクト及び排気管を通過して、ユーロサイロの中心回転プラットフォームの近傍に排出され、回転架橋の近傍の湿った有毒有害ガスを迅速に吹き散らし、ユーロサイロのサイロ内の金属部材の防食要件を満足するとともに、回転架橋での送風ニーズも満足でき、ここで作業する人の身の安全を確保する。
【0007】
更に、前記ダクト固定リングは円筒及び第3環状プレートを備え、該円筒の両端に2枚の第4環状プレートが対称的に設けられ、前記第4環状プレートの縁部に第8環状プレートが垂直に設けられ、前記第3環状プレートは第8環状プレートに固定して接続され、
前記ダクト回転リングは環状溝を備え、前記環状溝の開口方向は水平に環状溝の中心軸方向に向かい、前記環状溝の側壁は密封アセンブリによって第3環状プレートに接続される。
【0008】
更に、前記環状溝の側壁に第2環状プレートが垂直に設けられ、前記第2環状プレートにはそれに平行する第1環状プレートが設けられ、
前記密封アセンブリは密封テープ及び環状フックプレートを備え、前記密封テープは摩耗に耐えられ、フレキシブルで弾性引張が可能な非金属材料を用い、前記密封テープは一端がフェルールによって第1環状プレートに固定され、他端は環状フックプレートに密着され、前記環状フックプレートは第3環状プレートに固定して接続される。
【0009】
更に、前記環状フックプレートには水平方向に沿う第5環状プレートが設けられ、前記第3環状プレートには水平方向に沿う第6環状プレートが設けられ、第5環状プレートは鉛直方向に沿う第3ボルトによって第6環状プレートに接続され、
前記環状フックプレートには鉛直方向に沿うスロットホールが設けられ、前記第3環状プレートはスロットホールを通る第4ボルトによって環状フックプレートに接続され、第4ボルトのスロットホールを通る位置を調整することにより環状フックプレートの高さを調節し、第3ボルトと第4ボルトは共同で環状フックプレートの位置の固定を実現し、構造が安定する。
【0010】
更に、前記環状フックプレートに斜面が設けられ、前記密封テープは斜面に密着され、環状フックプレートが上向きに移動するとき、密封テープの張出部分の端部と斜面との接触面積が大きければ大きいほど、張出部分の端部の直径が大きくなり、これにより、張出部分の端部を斜面に更に密着されるように引っ張られ、環状ダクトの密封性を確保する。
【0011】
更に、前記フェルールの直径は第1環状プレートの外側壁の直径より大きく、前記第1環状プレートにフランジが設けられ、前記密封テープはフランジに被覆され、密封テープのフランジに被覆される部分は密封テープをフランジにしっかりと巻き付けさせるように引っ張られるとともに、密封テープの張出部分の端部もフランジの密封テープに対する引張作用を受けて引っ張られ、且つ引張量はフランジでの密封テープの引張量より小さく、密封テープの張出部分の端部を常に環状のフランジに類似する円形に維持できるようにする。
【0012】
更に、前記第2環状プレートと第1環状プレートとの間に調節スクリューが設けられ、前記調節スクリューにナットが設けられ、調節スクリューにおけるナットを回転することにより第1環状プレートと第2環状プレートとの距離を調節し、前記環状溝と第2環状プレートとの間に補強リブプレートが設けられ、第2環状プレートが常に環状溝の側壁に垂直であるように確保し、従って、調節スクリューにより第1環状プレートの位置を調整することができ、環状のフランジの円形公差を設定範囲内にし、柔軟に操作でき、密封テープのテンション度を柔軟に調整できるとともに、密封テープを容易に着脱できる。
【0013】
更に、前記環状フックプレートと第3環状プレートとの間には第3環状プレートと環状フックプレートとの接触面の間の隙間を密閉させるO型密封リングが設けられ、密封性が高い。
【発明の効果】
【0014】
従来技術に比べて、本発明は、以下のような有益な効果を有する。
(1)本発明の送風装置は動作するとき、ダクト固定リングの位置が固定され、ダクト回転リングは中心回転プラットフォームと同期して回転し、ユーロサイロのサイロ外の新鮮で乾燥した空気が順に送風機、吸気管、環状ダクト及び排気管を通過して、ユーロサイロの中心回転プラットフォームの近傍に排出され、中心回転プラットフォームの近傍の湿った有毒有害ガスを迅速に吹き散らし、ユーロサイロのサイロ内の金属部材の防食要件を満足するとともに、回転架橋での送風ニーズも満足でき、ここで作業する人の身の安全を確保し、排気管は同期して回転し、排気管から排出された空気が均一に拡散できるようにし、中心回転プラットフォームの近傍の湿った有毒有害ガスを十分に散らさせ、ユーロサイロのサイロ内の金属部材の防食要件を満足するとともに、回転架橋での送風ニーズも満足でき、作業する人の身の安全を確保する。
(2)本発明の送風装置は全体的に環状であって、回転架橋の回転中心軸と同軸に設置され、ユーロサイロのサイロ内の装置の構造的特徴を十分に利用し、又はユーロサイロのサイロ内の装置の構造的特徴にフィットすることができ、ユーロサイロの元の構造を変更する必要がなく、回転架橋の構造と干渉することもなく、ユーロサイロの作業に影響することなく、ユーロサイロの点検修理への影響が小さいとともに、送風装置が回転する際に受けた抵抗は小さく、送風効率が高い。
(3)本発明の環状フックプレートには鉛直方向に沿うスロットホールが設けられ、第3環状プレートはスロットホールを通る第4ボルトによって環状フックプレートに接続され、第4ボルトのスロットホールを通る位置を調整することにより環状フックプレートの高さを調節することができ、環状フックプレートに斜面が設けられ、密封テープは斜面に密着され、環状フックプレートが上向きに移動するとき、密封テープの張出部分の端部と斜面との接触面積が大きければ大きいほど、張出部分の端部の直径が大きくなり、これにより、張出部分の端部を斜面に更に密着されるように引っ張られ、環状ダクトの密封性を確保し、従って、環状フックプレートの高さを調節することにより密封テープと斜面との密着度を向上させることができ、柔軟に操作できるとともに、ダクト回転リングが回転するとき、密封テープは同期して回転し、その位置が降下する可能性があり、このとき、密封テープの張出部分の端部と斜面との接触面積も大きくなり、密封性が影響を受けず、環状ダクトの密封性及び安定性が良い。
(4)本発明の環状ダクト内に輸送する空気の気圧は環状ダクト外の空気の気圧より大きく、環状ダクトは正圧ダクトであり、密封テープは気圧の作用圧で斜面に更に密着され、密封効果を果たし、且つ環状ダクト内の気圧の上昇につれて、更に密着されることとなり、密封テープの張出部分の端部が一定の長さを有するため、ダクト回転リング、ダクト固定リング(22)及び密封テープの同心度に一定のばらつきがあるか、又は環状フックプレートの真円度に一定のばらつきがある場合でも、依然としてより高い密封効果を実現することができ、環状ダクトの密封性及び安定性が高い。
(5)本発明の環状フックプレートには水平方向に沿う第5環状プレートが設けられ、第3環状プレートには水平方向に沿う第6環状プレートが設けられ、第5環状プレートは鉛直方向に沿う第3ボルトによって第6環状プレートに接続され、第3ボルトと第4ボルトは共同で環状フックプレートの位置の固定を実現し、構造が安定し、
(6)本発明のフェルールの直径は第1環状プレートの外側壁の直径より大きく、第1環状プレートにフランジが設けられ、密封テープはフランジに被覆され、密封テープのフランジに被覆される部分は密封テープをフランジにしっかりと巻き付けさせるように引っ張られる。
(7)本発明の第2環状プレートと第1環状プレートとの間に調節スクリューが設けられ、前記調節スクリューにナットが設けられ、調節スクリューにおけるナットを回転することにより第1環状プレートと第2環状プレートとの距離を調節し、前記環状溝と第2環状プレートとの間に補強リブプレートが設けられ、第2環状プレートが常に環状溝の側壁に垂直であるように確保し、従って、調節スクリューによって第1環状プレートの位置を調整することができ、環状のフランジの円形公差を設定範囲内にし、柔軟に操作でき、密封テープのテンション度を柔軟に調整できるとともに、密封テープを容易に着脱できる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図3】ダクト固定リング及び密封アセンブリの組立模式図である。
【
図8】環状回転送風装置のユーロサイロでの取付位置の模式図である。
【
図10】O型密封リングの取付位置の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら具体的な実施例によって本発明を詳しく説明する。本実施例は本発明の技術案を基に実施され、詳しい実施形態及び具体的な操作過程を示すが、本発明の保護範囲は下記実施例に限らない。
【0017】
図1に示すように、ユーロサイロの筒体1の頂部にサイロトップ架橋3が設けられ、サイロトップ架橋3内にベルトコンベヤが設けられ、筒体1内に回転架橋4、中心伸縮材料排出管6、螺旋フレーム8及びA型ブラケット11が設けられ、螺旋フレーム8及びA型ブラケット11は昇降ワイヤロープ7及びウインチによって回転架橋4に掛けられ、螺旋フレーム8はA型ブラケット11に接続され、螺旋フレーム8に螺旋機9が設けられ、回転架橋4は走行機構5によって筒体1の内側壁上の環状レールに設置され、回転架橋4の中心に中心巻き上げプラットフォーム12が設けられる。中心伸縮材料排出管6は筒体1と同軸であって、中心巻き上げプラットフォーム12を通り、中心伸縮材料排出管6は上端がサイロトップ架橋3上の材料供給口2に位置合わせられ、下端が材料案内溝によって螺旋機9に接続され、且つ材料案内溝に材料案内溝用の防塵カバー10が設けられ、石炭は材料供給口2からベルトコンベヤによって材料供給口2に輸送されて、中心伸縮材料排出管6によって螺旋機9に輸送され、石炭は螺旋機9の材料排出口から筒体1内に落ちる。螺旋機9は回転架橋4の回転につれて回転するとともに、昇降ワイヤロープ7によって昇降運動をすることで、石炭が筒体1内に均一に貯蔵できるようにする。中心伸縮材料排出管6は複数セグメントの異なる直径の丸管が同心に接続してなり、各セグメントの丸管の両端には異なる直径の階段が設けられ、隣接する2セグメントの丸管同士を互いに引っ掛けっているとともに、丸管の軸方向に沿って相対的にスライド可能であり、複数セグメントの丸管は1つの軸線に係合され、中心伸縮材料排出管6の両端間の距離の増加又は短縮につれて徐々に展開又は収縮するため、中心伸縮材料排出管6の両端間の距離は回転架橋4と螺旋フレーム8との距離の変化につれて変化可能である。
【0018】
サイロ外から送風のための様々な配管又は装置を固定して取り付けると、ユーロサイロ内の回転する回転架橋4の構造と干渉しやすいため、従来の送風装置はこの要件を満足することができない。
【0019】
石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置は
図2、
図3、
図4、
図5、
図6、
図7、
図8、
図9及び
図10に示されるとおり、ダクト回転リング21及びダクト固定リング22を備え、
ダクト回転リング21は第2支持ブラケット19によって中心回転プラットフォーム13に固定して接続され、且つ回転架橋4の回転につれて回転し、ダクト固定リング22は第1支持ブラケット18によってサイロトップ架橋3に固定して接続され、位置が固定されるように保持し、ダクト回転リング21及びダクト固定リング22はユーロサイロの回転中心軸線と同軸に設置され、ユーロサイロの回転中心軸線とは筒体1の軸線を指し、回転架橋4、中心回転プラットフォーム13及び螺旋フレーム8が回転する中心軸線でもあり、中心伸縮材料排出管6の中心軸線でもある。
【0020】
ダクト固定リング22は垂直に設置される円筒223を備え、円筒223の両端には水平方向に沿う2枚の第4環状プレート222が対称的に設けられ、第4環状プレート222の縁部に第8環状プレート2221が垂直に設けられる。
【0021】
ダクト回転リング21は環状溝212を備え、環状溝212の開口方向は水平に環状溝212の中心軸方向に向かい、環状溝212の2つの側壁はそれぞれ密封アセンブリによって第4環状プレート222に密封接続され、円筒223、第4環状プレート222及び環状溝212により1つの密閉された環状ダクトが構成される。
【0022】
ダクト回転リング21には環状ダクトと連通する排気管17が水平に設けられ、ダクト固定リング22には環状ダクトと連通する吸気管15が設けられ、吸気管15の端部に送風機16が設けられ、吸気管15及び送風機16はサイロトップ架橋3又はユーロサイロのサイロトップに固定される。
【0023】
ダクト固定リング22は更に第3環状プレート221を備え、密封アセンブリは密封テープ26及び環状フックプレート29を備え、密封テープ26は摩耗に耐えられ、フレキシブルで弾性引張が可能な非金属材料を用い、環状溝212の側壁に第2環状プレート213が垂直に設けられ、第2環状プレート213にはそれに平行する第1環状プレート211が設けられ、環状フックプレート29に斜面291及び第5環状プレート292が設けられ、密封テープ26は一端がフェルール24によって第1環状プレート211に固定され、他端即ち張出部分の端部261が斜面291に密着され、フェルール24の端部は第1ボルト20により接続され、第3環状プレート221は第2ボルト23によって第8環状プレート2221に固定して接続され、第3環状プレート221に第6環状プレート2211が垂直に設けられ、第6環状プレート2211は第3ボルト25によって第5環状プレート292に固定して接続される。
【0024】
環状フックプレート29には鉛直方向に沿うスロットホール31が設けられ、第3環状プレート221はスロットホール31を通る第4ボルト27によって環状フックプレート29に固定して接続され、第4ボルト27のスロットホール31を通る位置を調整することにより環状フックプレート29の高さを調節することができ、環状フックプレート29が上向きに移動するとき、密封テープ26の張出部分の端部261と斜面291との接触面積が大きければ大きいほど、張出部分の端部261の直径が大きくなり、これにより、張出部分の端部261を斜面291に密着されるように引っ張られ、環状ダクトの密封性を確保する。
図10に示すように、第3環状プレート221と環状フックプレート29との間には第3環状プレート221と環状フックプレート29との接触面の間の隙間を密閉させるO型密封リング28が設けられ、密封性が良い。
【0025】
第1環状プレート211の端部にフランジ2111が設けられ、フェルール24の直径は第1環状プレート211の外側壁の直径より大きく、フランジ2111の最大直径は第1環状プレート211の外側壁の直径より大きいため、密封テープ26のフランジ2111に被覆される部分は密封テープ26をフランジ2111にしっかりと巻き付けさせるように引っ張られ、
第1環状プレート211と第2環状プレート213との間に調節スクリュー32が設けられ、調節スクリュー32にナットが設けられ、第2環状プレート213と環状溝212の側壁との間に補強リブプレート30が設けられ、第2環状プレート213が常に環状溝212の側壁に垂直であるように確保し、密封テープ26はフェルール24によって第1環状プレート211に巻き付けられるため、調節スクリュー32におけるナットを回転することにより第1環状プレート211と第2環状プレート213との距離を調節することができ、これによって第1環状プレート211の位置を調整し、フランジ2111の円形公差を≦5mmにする。
【0026】
環状ダクト内に輸送する空気の気圧は環状ダクト外の空気の気圧より大きく、環状ダクトは正圧ダクトであり、密封テープ26は気圧の作用圧で斜面291に更に密着されることができ、密封効果を果たし、密封テープ26の張出部分の端部261は一定の長さを有するため、ダクト回転リング21、ダクト固定リング22及び密封テープ26の同心度に一定のばらつきがあり、又は、環状フックプレート29の真円度に一定のばらつきがある場合でも、依然としてより高い密封効果を実現することができる。
【0027】
回転架橋4が回転するとき、環状フックプレート29は同期して回転し、常に静止する密封テープ26と斜面291との間にスリップ現象が発生し、引っ張られる密封テープ26に生じた引き締め力及び環状ダクト内の気圧の作用下で、密封テープ26の張出部分の端部261が常に斜面291に密着され、且つ環状ダクト内の気圧の増加につれて、更に密着されることとなる。
【0028】
ユーロサイロのサイロ外の新鮮で乾燥した空気は送風機16及び吸気管15を通過して環状ダクトに入り、ダクト回転リング21は回転架橋4の回転につれて回転し、環状ダクト内の空気は排気管17によって中心回転プラットフォーム13の近傍に排出されて、中心回転プラットフォーム13の近傍の湿った有毒有害ガスを迅速に吹き散らし、ユーロサイロのサイロ内の金属部材の防食要件を満足するとともに、回転架橋4での送風ニーズも満足でき、ここで作業する人の身の安全を確保する。
【0029】
本実施例は石炭貯蔵ユーロサイロ用の環状回転送風装置を提供し、ユーロサイロは揮発分がより高く、水分含有量がより高く、窒素ガスを放出することにより自然発火又は酸化を防止する必要がある石炭を貯蔵する際に生じた問題を解決することができ、ユーロサイロの様々な石炭種類の貯蔵への適応能力を向上させる。
【0030】
以上は本発明の好ましい具体的な実施例を詳しく説明した。理解されるように、当業者は創造的な労力を要することなく本発明の構想に基づいて種々の修正や変化を行うことができる。従って、当業者が本発明の構想に基づいて従来技術を基に論理分析、推理又は限られた実験によって取得し得る技術案は、いずれも特許請求の範囲により決定された保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0031】
1 筒体
2 材料供給口
3 サイロトップ架橋
4 回転架橋
5 走行機構
6 中心伸縮材料排出管
7 昇降ワイヤロープ
8 螺旋フレーム
9 螺旋機
10 材料案内溝用の防塵カバー
11 A型ブラケット
12 中心巻き上げプラットフォーム
13 中心回転プラットフォーム
15 吸気管
16 送風機
17 排気管
18 第1支持ブラケット
19 第2支持ブラケット
20 第1ボルト
21 ダクト回転リング
22 ダクト固定リング
23 第2ボルト
24 フェルール
25 第3ボルト
26 密封テープ
27 第4ボルト
28 O型密封リング
29 環状フックプレート
30 補強リブプレート
31 スロットホール
32 調節スクリュー
211 第1環状プレート
212 環状溝
213 第2環状プレート
221 第3環状プレート
222 端板
223 円筒
261 張出部分の端部
291 環状フックプレート
292 第4環状プレート
293 第5環状プレート
2111 フランジ
2211 第6環状プレート