(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158860
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】音声制御回路、ホスト装置及び関連する制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 13/38 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
G06F13/38 350
G06F13/38 340Z
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021189074
(22)【出願日】2021-11-22
(31)【優先権主張番号】110111909
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】502081468
【氏名又は名称】瑞▲いー▼半導體股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Realtek Semiconductor Corporation
【住所又は居所原語表記】No. 2, Innovation Road II, Hsinchu Science Park, Hsinchu 300, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】陳 科維
(72)【発明者】
【氏名】劉 兆偉
(72)【発明者】
【氏名】劉 正凱
【テーマコード(参考)】
5B077
【Fターム(参考)】
5B077NN02
(57)【要約】
【課題】種々の異なるパラメータを記憶するには大きな記憶スペースが必要であり、記憶素子のコストとプリント回路基板の面積が増大するとの課題を解決する。
【解決手段】
本発明は、音声制御回路を提供し、前記音声制御回路は、USBインターフェイス回路、特定インターフェイス回路、および処理回路を含む。音声制御回路の動作において、処理回路は、特定インターフェイス回路を介して、ホスト装置から複数のパラメータを受信し、音声制御回路とホスト装置との間のエニュメレーションの間、複数のパラメータを使用してエニュメレーションを実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声制御回路であって、
ホスト装置に接続するように構成されたユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェイス回路と、
ホスト装置に接続するように構成された特定インターフェイス回路と、
前記USBインターフェイス回路および前記特定インターフェイス回路に結合された処理回路であって、前記特定インターフェイス回路を介して前記ホスト装置から複数のパラメータを受信し、前記USBインターフェイス回路を介した前記音声制御回路及び前記ホスト装置のエニュメレーションの間に、前記複数のパラメータを使用して、前記ホスト装置と前記エニュメレーションを実行する、処理回路とを有する音声制御回路。
【請求項2】
前記音声制御回路の電源がオンにされ、前記ホスト装置が前記音声制御回路を認識していないときに、前記処理回路は、前記特定インターフェイス回路を介して前記ホスト装置から前記複数のパラメータを受動的に受信する、請求項1に記載の音声制御回路。
【請求項3】
前記複数のパラメータは、複数のサポートされる構成、ベンダー識別番号(ID)、製品ID、サンプルレート、およびボリューム範囲の少なくとも一部を含み、前記音声制御回路と前記ホスト装置との間の前記エニュメレーションの間、前記処理回路は、前記複数のパラメータの内容を前記ホスト装置に送信して前記エニュメレーションを実行する、請求項1に記載の音声制御回路。
【請求項4】
前記特定インターフェイス回路は、集積回路間(I2C)インターフェイスの仕様に適合する、請求項1に記載の音声制御回路。
【請求項5】
前記特定インターフェイス回路は、シリアルペリフェラルインターフェイスの仕様に適合する、請求項1に記載の音声制御回路。
【請求項6】
前記特定インターフェイス回路は、汎用非同期受信機/送信機(UART)の仕様に適合する、請求項1に記載の音声制御回路。
【請求項7】
音声制御回路に適用可能な制御方法であって、
特定インターフェイス回路を介してホスト装置から複数のパラメータを受信することと、
汎用シリアルバス(USB)インターフェイス回路を介してホスト装置とのエニュメレーションを実行する段階であって、前記USBインターフェイス回路を介した前記音声制御回路と前記ホスト装置とのエニュメレーションの間に、複数のパラメータが使用され、前記ホスト装置とのエニュメレーションが実行されることと、を含む制御方法。
【請求項8】
前記複数のパラメータは、複数のサポートされる構成、ベンダー識別番号(ID)、製品ID、サンプルレート、およびボリューム範囲の少なくとも一部を含み、前記USBインターフェイス回路を介して前記ホスト装置と前記エニュメレーションを実行することは、
USBインターフェイス回路を介した前記ホスト装置とのエニュメレーションの間に、前記複数のパラメータの内容をホスト装置に送信し、前記エニュメレーションを実行することを含む、請求項7に記載の制御方法。
【請求項9】
前記特定インターフェイス回路は、集積回路間(I2C)インターフェイスの仕様、シリアルペリフェラルインターフェイスの仕様、またはユニバーサル非同期受信機/送信機(UART)の仕様に適合する、請求項7に記載の制御方法。
【請求項10】
ホスト装置であって、
音声制御回路に接続するように構成されたユニバーサルシリアルバスインターフェイス回路(USB)と、
前記音声制御回路に接続するように構成された特定インターフェイス回路と、
前記USBインターフェイス回路及び前記特定インターフェイス回路に接続されたコア回路であって、前記コア回路は、前記ホスト装置に電源が供給されると、前記特定インターフェイス回路を介して、前記音声制御回路に複数のパラメータを能動的に送信し、前記複数のパラメータは、前記音声制御回路とホスト装置との間のエニュメレーションの間に、前記音声制御回路が前記ホスト装置に送信しなければならないコンテンツを含む、コア回路とを有する、
ホスト装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声制御回路に関し、より詳細にはユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェイスを有する音声制御回路に関する。
【背景技術】
【0002】
USBインターフェイスを使用する音声制御回路では、通常、異なるカスタマイズされたパラメータが必要となります。従って、音声制御回路は、ホスト装置への接続を使用するための種々のパラメータを格納する記憶素子を追加的に備えることができる。しかし、種々の異なるパラメータを記憶するには大きな記憶スペースが必要であり、記憶素子のコストとプリント回路基板の面積を増大させることになる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的の一つは、ホスト装置から複数のパラメータを受信し、ホスト装置でエニュメレーション(enumeration)を実行するために前記複数のパラメータを使用して、前記問題を解決することができる音声制御回路を提供することである。
【0004】
本発明の少なくとも1つの実施例は、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェイス回路、特定インターフェイス回路、および処理回路を備える音声制御回路を提供する。USBインターフェイス回路は、ホスト装置に接続するように構成されている。特定インターフェイス回路は、ホスト装置に接続するように構成されている。処理回路は、USBインターフェイス回路および特定インターフェイス回路に結合される。処理回路は、特定インターフェイス回路を介してホスト装置から複数のパラメータを受信し、USBインターフェイス回路を介して音声制御回路とホスト装置との間のエニュメレーション中に、複数のパラメータを使用してホスト装置とのエニュメレーションを実行する。
【0005】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、音声制御回路に適用可能な制御方法を提供する。該方法は、特定インターフェイス回路を介して、ホスト装置から複数のパラメータを受信することと、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェイス回路を介して、ホスト装置とエニュメレーションを実行するステップとを含み、前記USBインターフェイス回路を介した前記音声制御回路と前記ホスト装置との間のエニュメレーションの間、前記複数のパラメータは、前記ホスト装置とエニュメレーションを実行するために使用される。
【0006】
本発明の少なくとも1つの実施形態は、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェイス回路、特定インターフェイス回路、およびコア回路を含むホスト装置を提供する。USBインターフェイス回路は、音声制御回路に接続するように構成されている。特定インターフェイス回路は、音声制御回路に接続するように構成されている。コア回路は、USBインターフェイス回路および特定インターフェイス回路に接続されている。ホスト装置の電源がオンにされると、コア回路は、特定インターフェイス回路を介して複数のパラメータを音声制御回路に能動的に送信し、複数のパラメータは、音声制御回路とホスト装置とのエニュメレーションの間に音声制御回路がホスト装置に送信しなければならないコンテンツを含む。
【0007】
本発明のこれらの目的および他の目的は、種々の図面等に例示されている好ましい実施形態の以下の詳細な説明を読めば当業者には明らかになるであろう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許出願公開第102981989A号
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態による電子装置を示す図である。
【0010】
【
図2】本発明の一実施形態による制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の一実施形態による電子装置100を示す図である。
図1に示すように、電子装置100は、ホスト装置110と音声制御回路120とを備える。ホスト装置110は、コア回路112と、USBインターフェイス回路114と、特定インターフェイス回路116と、記憶素子118とを備える。音声制御回路120は、処理回路122と、USBインターフェイス回路124と、特定インターフェイス回路126とを備える。本実施形態では、電子装置100は、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、または音声再生機能を有する他の電子装置であってもよく、音声制御回路120は、マザーボード上に内蔵された音声装置であってもよく、すなわち、ホスト装置110および音声制御回路120は、1つのマザーボード上に作られていてもよい。
【0012】
一実施形態では、記憶素子118は、フラッシュメモリ、電子的消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EEPROM)、ワンタイムプログラマブルリードオンリーメモリ(OTPROM)、または他のタイプの不揮発性記憶素子であってもよい。また、本実施の形態では、記憶素子118がホスト装置110に配置される。別の実施形態では、記憶素子118は、ホスト装置110の外側に配置されてもよい。
【0013】
本実施形態では、ホスト装置110は、電子装置100の処理チップセットであってもよく、USBインターフェイス回路114を介して音声制御回路120のUSBインターフェイス回路124に接続される。ホスト装置110は、関連する処理(符号化及び復号等)のために、USBインターフェイス回路114及び124を介して処理回路122に音声信号を送信し、次に、出力音声信号を生成して再生のためにスピーカ106に送る。スピーカ106は、電子装置100の外部にあってもよいし、電子装置100の内蔵スピーカ装置であってもよい。
【0014】
一実施形態では、ホスト装置110の特定インターフェイス回路116及び音声制御回路120の特定インターフェイス回路126は、集積回路間(I2C)インターフェイスの仕様、シリアルペリフェラルインターフェイスの仕様、又は汎用非同期受信機/送信機(UART)の仕様に適合するが、本発明はこれらに限定されるものではない。他の実施形態では、ホスト装置110の特定インターフェイス回路116と音声制御回路120の特定インターフェイス回路126とが互いにデータ伝送を行うことができる限り、USBインターフェイス回路以外の任意の適切な仕様を採用することができる。
【0015】
電子装置100の動作については、まず、電子装置100は、電源をオンにされ初期化動作を行い、ホスト装置110が音声制御回路120のタイプを完全に認識する前に、コア回路112が、音声制御回路120が使用できる複数のパラメータを記憶素子118から取得する。例えば、複数のパラメータは、複数のサポートされる構成(configurations)、ベンダー識別番号、製品ID、サンプルレート、ボリューム範囲などを含んでもよい。複数のパラメータは、特定インターフェイス回路116を介して音声制御回路120に送信され、音声制御回路120の処理回路122は、特定インターフェイス回路126を介して複数のパラメータを受信する。次に、ホスト装置110と音声制御回路120との間のエニュメレーション(enumeration)の間に、音声制御回路120は、複数のパラメータを使用して、ホスト装置110と通信して、関連する設定を完了することができる。具体的には、エニュメレーションの間、ホスト装置110は、USBインターフェイス回路114を介して音声制御回路120にUSBパケットを送信し、アドレスを割り当てる。次に、音声制御回路120は、USBインターフェイス回路124を介してホスト装置110に報告して、自機が音声機能を有する装置である旨を通知し、USBインターフェイス回路124を介してホスト装置110に関連情報を送信する。関連情報は、ホスト装置110から特定インターフェイス回路126を介してあらかじめ受信される複数のパラメータを含み、サポートされる構成の数、ベンダーID、プロダクトID、サンプルレート、ボリュームレンジ等を含み得る。最後に、ホスト装置110は、音声制御回路120の種類を認識し、音声制御回路120にUSB音声クラス(UAC)関連のパケットを送信し、エニュメレーション(enumeration)を終了する。なお、エニュメレーションプロセスの動作は当業者には周知であり、エニュメレーションにおける音声制御回路120で使用される複数のパラメータはホスト装置110からのものであることに着目すると、上述の説明は、エニュメレーションの主な動作を説明したものに過ぎず、エニュメレーションの他の詳細については簡略化のため省略する。
【0016】
エニュメレーションが終了した後、ホスト装置110は、USBインターフェイス回路114を介して音声データを音声制御回路120に送信することができる。音声データは、再生のためにスピーカ106への出力音声信号を生成する処理回路122によって使用される。
【0017】
図1の実施形態では、ホスト装置110は、電源がオンされたときに、特定インターフェイス回路116を介して、エニュメレーションにおいて音声制御回路120によって使用される複数のパラメータを能動的に送信する。したがって、音声制御回路120自体は、サポートされる構成の数、ベンダーID、製品ID、サンプルレート、ボリューム範囲などを含む上記の複数のパラメータを格納する記憶素子を備える必要はない。このようにして、音声制御回路120の製造コストを低減することができる。さらに、ホスト装置110は、処理チップセットであり、本来、プログラムコードおよびその他のパラメータを記憶するための記憶素子118を有する。従って、音声制御回路120によって使用される複数のパラメータを記憶素子118に格納しても、コストはあまり増加しない。
【0018】
他方、ホスト装置110が、電源オン時に音声制御回路120によって使用される複数のパラメータを能動的に提供するので、音声制御回路120は、複数のパラメータを能動的に検索するのではなく、複数のパラメータを受動的に受信する。
【0019】
図2は、本発明の一実施形態による制御方法を示すフローチャートである。上記の実施形態を参照しつつ、フローは以下の通りである。
【0020】
ステップ200:フローが始まる。
【0021】
ステップ202:ホスト装置が複数のパラメータを音声制御回路に送信する。
【0022】
ステップ204:ホスト装置と音声制御回路がエニュメレーションの実行を開始する。
【0023】
ステップ206:音声制御回路は、複数のパラメータを使用して、ホスト装置とエニュメレーションを実行する。
【0024】
ステップ208:ホスト装置と音声制御回路がエニュメレーションを終了する。
【0025】
ステップ210:ホスト装置は音声信号をUSBインターフェイス回路を介して音声制御回路に送信し、音声制御回路はその音声信号を使用して、出力音声信号を生成して再生のためスピーカに送る。
【0026】
本発明を簡潔に要約すると、本発明の音声制御回路、ホスト装置、および関連する制御方法において、音声制御回路は、ブートプロセス中に特定インターフェイス回路を介して複数のパラメータを受信する。複数のパラメータは、USBインターフェイス回路とホスト装置との間の後続のエニュメレーションに使用される。従って、エニュメレーションにおいて音声制御回路によって使用される複数のパラメータはホスト装置によって提供されるので、音声制御回路は、これらのパラメータを格納するための記憶素子を備える必要がなく、これにより音声制御回路のコストを低減する。
【0027】
当業者には言うまでもなく、本発明の教示を保持しつつ、装置および方法の多くの修正および変更を行うことができる。従って、上記の開示は、添付の特許請求の範囲の範囲によってのみ限定されると解釈されるべきである。