(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158867
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】パネル組立およびパネル連結構造
(51)【国際特許分類】
B62D 33/04 20060101AFI20221006BHJP
F16B 12/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
B62D33/04 B
F16B12/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021196168
(22)【出願日】2021-12-02
(31)【優先権主張番号】P 2021060892
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】594016768
【氏名又は名称】オールセーフ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】カバサル マーク デイヴィッド ファビアン
(72)【発明者】
【氏名】安田 繁二
(72)【発明者】
【氏名】尾関 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】飯塚 裕
【テーマコード(参考)】
3J024
【Fターム(参考)】
3J024AA43
3J024CA18
(57)【要約】 (修正有)
【課題】パネルを頑丈に組立てることができ、組立にかかる時間を短縮することが可能なパネル組立およびパネル連結構造を提供する。
【解決手段】第1パネル4の第1端部に設けられ、所定方向に突出している係合突起11と、第2パネル5の第2端部に設けられ、係合突起11に前記所定方向と交差する交差方向の一方側から係合する第1の被係合部21aと、第2端部に設けられ、係合突起11又は第1端部の他の部分に前記交差方向の他方側から係合する第2の被係合部21bと、第2端部に基端部31が取付けられ、前記交差方向に揺動可能であるロックキー30と、ロックキー30を付勢する付勢部材40と、を備え、係合突起11が第1の被係合部21aに係合している状態でロックキー30が付勢部材40によって係合突起11に向かって付勢されると、ロックキー30の先端部が係合突起11のロックキー係合部11cに係合する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の延在方向に延びる第1パネルと、
前記第1の延在方向と交差する第2の延在方向に延びる第2パネルと、
前記第1パネルにおける前記第1の延在方向の端部である第1端部に設けられると共に所定方向に突出している係合突起と、
前記第2パネルにおける前記第2の延在方向の端部である第2端部に設けられ、前記係合突起に所定方向と交差する交差方向の一方側から係合する第1の被係合部と、
前記第2端部に設けられ、前記係合突起又は前記第1端部の他の部分に前記交差方向の他方側から係合する第2の被係合部と、
前記第2端部に基端部が取付けられ、前記交差方向に揺動可能であるロックキーと、
前記第2端部に設けられ、前記第1の被係合部に係合している前記係合突起に向かって前記ロックキーを付勢する付勢部材と、を備え、
前記係合突起が前記第1の被係合部に係合している状態で前記ロックキーが前記付勢部材によって前記係合突起に向かって付勢されると、前記ロックキーの先端部が前記係合突起のロックキー係合部に係合し、これにより前記係合突起の前記第1の被係合部に対する前記所定方向の移動を規制する、パネル組立。
【請求項2】
前記係合突起は前記第1端部にその長手方向の全体に亘って設けられ、前記所定方向である前記第1の延在方向に突出しており、
前記第1の被係合部は前記第2端部にその長手方向の全体に亘って設けられ、前記係合突起に前記交差方向である前記第2の延在方向の前記一方側から係合し、
第2の被係合部は前記係合突起又は前記他の部分に前記第2の延在方向の前記他方側から係合し、
前記係合突起が前記第1の被係合部に係合している状態で前記ロックキーが前記付勢部材によって前記係合突起に向かって付勢されると、前記ロックキーの先端部が前記係合突起のロックキー係合部に前記第1の延在方向に係合し、これにより前記係合突起の前記第1の被係合部に対する前記第1の延在方向の移動を規制する、請求項1に記載のパネル組立。
【請求項3】
前記ロックキーは、前記先端部を一端とし前記基端部を他端とする突っ支いとして機能し、これにより前記係合突起の前記第1の被係合部に対する移動を規制する、請求項1又は2に記載のパネル組立。
【請求項4】
前記係合突起は、前記第1の被係合部に前記第2の延在方向に係合する第1の面を有し、
前記ロックキー係合部は、前記係合突起における前記第1の面の反対側である第2の面から前記交差方向に延びる面であり、
前記ロックキー係合部である前記面は、前記ロックキーの揺動中心から離れるように前記第2の面から延びる、請求項1~3の何れかに記載のパネル組立。
【請求項5】
前記第2の被係合部は前記第1端部の前記他の部分に前記交差方向の前記他方側から係合し、
前記第2端部は、前記係合突起の先端部に前記交差方向の前記他方側から係合する第3の被係合部を有する、請求項1~4の何れかに記載のパネル組立。
【請求項6】
前記第1の被係合部と前記第2の被係合部とによって形成される谷部は、当該谷部の底に向かって徐々に狭くなる幅減少部を有し、
前記第3の被係合部は前記幅減少部において前記係合突起の先端部に係合する、請求項5に記載のパネル組立。
【請求項7】
前記付勢部材は、前記係合突起側に配置される一端部と、他端部と、を有し、
前記第2端部は、前記ロックキー又は前記付勢部材の前記他端部に接触するロック解除部材が取付けられるように構成され、
前記ロック解除部材は、前記ロックキー又は前記付勢部材の前記他端部を動かすことによって、前記ロックキーの前記先端部と前記ロックキー係合部との係合を解除可能である、請求項1~6の何れかに記載のパネル組立。
【請求項8】
前記ロック解除部材は、前記第2端部の長手方向に長手を有する部材であると共に、前記長手方向に延びる回転軸線周りに回転可能に前記第2端部に取付けられ、
前記ロック解除部材は、所定の回転位置において前記付勢部材の前記他端部を前記ロックキーおよび/又は前記係合突起から離れる方向に移動させ、前記ロックキーの前記先端部と前記ロックキー係合部との係合を解除する、請求項7に記載のパネル組立。
【請求項9】
前記ロック解除部材は、前記所定の回転位置において前記付勢部材の前記他端部を前記ロックキーおよび/又は前記係合突起から離れる方向に移動させた後に、前記付勢部材の前記他端部を前記ロックキーおよび/又は前記係合突起からさらに離れる方向に強制的に移動可能である、請求項8に記載のパネル組立。
【請求項10】
前記ロック解除部材は、前記付勢部材の前記他端部を前記ロックキーから離れる方向に動かすことによって前記ロックキーの前記先端部と前記ロックキー係合部との係合を解除するように構成されている、請求項7に記載のパネル組立。
【請求項11】
前記第2端部は、その長手方向の端に設けられ、前記第2端部の前記長手方向の端を閉鎖する端閉鎖板部を有し、
前記端閉鎖板部には、前記ロックキーの位置を確認するための確認窓が形成されている、請求項1~10の何れかに記載のパネル組立。
【請求項12】
第1の延在方向に延びる第1パネルの端部に取付けられる第1部材と、前記第1の延在方向と交差する第2の延在方向に延びる第2パネルの端部に取付けられる第2部材と、を備え、前記第1パネルと前記第2パネルとを連結するパネル連結構造であって、
前記第1部材に設けられ、所定方向に突出している係合突起と、
前記第2部材に設けられ、前記所定方向と交差する交差方向の一方側から係合する第1の被係合部と、
前記第2部材に設けられ、前記係合突起又は前記第1部材の他の部分に前記交差方向の他方側から係合する第2の被係合部と、
前記第2部材に基端部が取付けられ、前記交差方向に揺動可能であるロックキーと、
前記第2部材に設けられ、前記第1の被係合部に係合している前記係合突起に向かって前記ロックキーを付勢する付勢部材と、を備え、
前記係合突起が前記第1の被係合部に係合している状態で前記ロックキーが前記付勢部材によって前記係合突起に向かって付勢されると、前記ロックキーの先端部が前記係合突起のロックキー係合部に係合し、これにより前記係合突起の前記第1の被係合部に対する前記所定方向の移動を規制する、パネル連結構造。
【請求項13】
前記第1部材は前記第1パネルの前記端部に沿って長い部材であり、
前記第2部材は前記第2パネルの前記端部に沿って長い部材であり、
前記係合突起は前記第1部材にその長手方向の全体に亘って設けられ、前記所定方向である前記第1の延在方向に突出しており、
前記第1の被係合部は前記第2部材にその長手方向の全体に亘って設けられ、前記係合突起に前記交差方向である前記第2の延在方向の前記一方側から係合し、
前記第2の被係合部は前記係合突起又は前記他の部分に前記交差方向の前記他方側から係合し、
前記係合突起が前記第1の被係合部に係合している状態で前記ロックキーが前記付勢部材によって前記係合突起に向かって付勢されると、前記ロックキーの先端部が前記係合突起のロックキー係合部に前記第1の延在方向に係合し、これにより前記係合突起の前記第1の被係合部に対する前記第1の延在方向の移動を規制する、請求項12に記載のパネル連結構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はパネル組立およびパネル連結構造に関する。
【背景技術】
【0002】
トラックの荷室のフロントパネルとサイドパネルとの連結構造として、断面L字形状を有するアルミニウム製の連結部材を用いるものが知られている。例えば特許文献1を参照されたい。当該連結構造では、フロントパネルの端部を連結部材の一端部に接着剤を付けて挿入し、また、フロントパネルの端部と連結部材との隙間に楔部材を入れる。サイドパネルもフロントパネルと同様の方法で連結部材の他端部に固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
荷室内には重量物が積載される場合があり、トラックの走行時に荷室に大きな加速度が加わる場合がある。このため、前記連結構造では、前記接着剤および楔部材を用いる構造が採用されている。このため、荷室を組立てるためには、トラックの上において、接着剤の塗布作業、接着剤を塗布したパネルを連結部材に密着させる作業、および楔部材の挿入作業を正確に行う必要がある。
【0005】
このため、荷室の組立作業に長時間を要する場合がある。また、荷室の強度を確保するために前記各作業を正確に行う必要があるので、荷室の組立てに高度な技術等が必要になる場合がある。
【0006】
前述の事情に鑑み、組立てに比較的慣れていない者でもパネルを頑丈に組立てることができ、しかも組立にかかる時間を短縮することが可能なパネル組立およびパネル連結構造が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様のパネル組立は、第1の延在方向に延びる第1パネルと、前記第1の延在方向と交差する第2の延在方向に延びる第2パネルと、前記第1パネルにおける前記第1の延在方向の端部である第1端部に設けられると共に所定方向に突出している係合突起と、前記第2パネルにおける前記第2の延在方向の端部である第2端部に設けられ、前記係合突起に所定方向と交差する交差方向の一方側から係合する第1の被係合部と、前記第2端部に設けられ、前記係合突起又は前記第1端部の他の部分に前記交差方向の他方側から係合する第2の被係合部と、前記第2端部に基端部が取付けられ、前記交差方向に揺動可能であるロックキーと、前記第2端部に設けられ、前記第1の被係合部に係合している前記係合突起に向かって前記ロックキーを付勢する付勢部材と、を備え、前記係合突起が前記第1の被係合部に係合している状態で前記ロックキーが前記付勢部材によって前記係合突起に向かって付勢されると、前記ロックキーの先端部が前記係合突起のロックキー係合部に係合し、これにより前記係合突起の第1の被係合部に対する前記所定方向の移動を規制する。
一例では、第1の延在方向に延びる第1パネルと、前記第1の延在方向と交差する第2の延在方向に延びる第2パネルと、前記第1パネルにおける前記第1の延在方向の端部である第1端部にその長手方向の全体に亘って設けられ、前記第1の延在方向に突出している係合突起と、前記第2パネルにおける前記第2の延在方向の端部である第2端部にその長手方向の全体に亘って設けられ、前記係合突起に前記第2の延在方向の一方側から係合する第1の被係合部と、前記第2端部に設けられ、前記係合突起又は前記第1端部の他の部分に前記第2の延在方向の他方側から係合する第2の被係合部と、前記第2端部に基端部が取付けられ、前記第2の延在方向に揺動可能であるロックキーと、前記第2端部に設けられ、前記第1の被係合部に係合している前記係合突起に向かって前記ロックキーを付勢する付勢部材と、を備え、前記係合突起が前記第1の被係合部に係合している状態で前記ロックキーが前記付勢部材によって前記係合突起に向かって付勢されると、前記ロックキーの先端部が前記係合突起のロックキー係合部に前記第1の延在方向に係合し、これにより前記係合突起の前記第1の被係合部に対する前記第1の延在方向の移動を規制する。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の延在方向に延びる第1パネルの端部に取付けられる第1部材と、前記第1の延在方向と交差する第2の延在方向に延びる第2パネルの端部に取付けられる第2部材と、を備え、前記第1のパネルと前記第2のパネルとを連結するパネル連結構造であって、前記第1部材に設けられ、所定方向に突出している係合突起と、前記第2部材に設けられ、前記所定方向と交差する交差方向の一方側から係合する第1の被係合部と、前記第2部材に設けられ、前記係合突起又は前記第1部材の他の部分に前記交差方向の他方側から係合する第2の被係合部と、前記第2部材に基端部が取付けられ、前記交差方向に揺動可能であるロックキーと、前記第2部材に設けられ、前記第1の被係合部に係合している前記係合突起に向かって前記ロックキーを付勢する付勢部材と、を備え、前記係合突起が前記第1の被係合部に係合している状態で前記ロックキーが前記付勢部材によって前記係合突起に向かって付勢されると、前記ロックキーの先端部が前記係合突起のロックキー係合部に係合し、これにより前記係合突起の前記第1の被係合部に対する前記所定方向の移動を規制する。
一例では、第1の延在方向に延びる第1パネルの端部に取付けられる第1部材と、前記第1の延在方向と交差する第2の延在方向に延びる第2パネルの端部に取付けられる第2部材と、を備え、前記第1のパネルと前記第2のパネルとを連結するパネル連結構造であって、前記第1部材は前記第1パネルの前記端部に沿って長い部材であり、前記第2部材は前記第2パネルの前記端部に沿って長い部材であり、前記第1部材にその長手方向の全体に亘って設けられ、前記第1の延在方向に突出している係合突起と、前記第2部材にその長手方向の全体に亘って設けられ、前記係合突起に前記第2の延在方向の一方側から係合する第1の被係合部と、前記第2部材に設けられ、前記係合突起又は前記第1部材の他の部分に前記第2の延在方向の他方側から係合する第2の被係合部と、前記第2部材に基端部が取付けられ、前記第2の延在方向に揺動可能であるロックキーと、前記第2部材に設けられ、前記第1の被係合部に係合している前記係合突起に向かって前記ロックキーを付勢する付勢部材と、を備え、前記係合突起が前記第1の被係合部に係合している状態で前記ロックキーが前記付勢部材によって前記係合突起に向かって付勢されると、前記ロックキーの先端部が前記係合突起のロックキー係合部に前記第1の延在方向に係合し、これにより前記係合突起の前記第1の被係合部に対する前記第1の延在方向の移動を規制する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の第1実施形態のパネル組立を用いた荷室を取付ける車両の斜視図である。
【
図2】第1実施形態のパネル組立を用いた荷室の一部および車両の斜視図である。
【
図3】第1実施形態のパネル組立を用いた荷室および車両の斜視図である。
【
図4】第1実施形態のパネル組立を用いた荷室の要部平面図である。
【
図5】
図4のパネル組立の連結を解除した状態の荷室の要部平面図である。
【
図6】第1実施形態のパネル組立を用いた荷室の要部断面図である。
【
図7】第1実施形態のパネル組立を用いた荷室の要部断面図である。
【
図8】第1実施形態のパネル組立を用いた荷室の要部断面図である。
【
図10】第1実施形態の荷室の後部の断面図である。
【
図11】第1実施形態の第1変形例のパネル組立を用いた荷室の要部平面図である。
【
図12】第1実施形態の第2変形例のパネル組立を用いた荷室の要部平面図である。
【
図13】第2実施形態の住居、居室、又は室を示す分解斜視図
【
図14】第2実施形態の住居、居室、又は室の斜視図
【
図15】第2実施形態の住居、居室、又は室の端閉鎖板部を取外した状態の要部断面図
【
図16】第2実施形態の住居、居室、又は室の端閉鎖板部を取外した状態の要部斜視図
【
図17】第2実施形態の住居、居室、又は室の要部斜視図
【
図18】第2実施形態の住居、居室、又は室の端閉鎖板部を取外した状態の要部端面図
【
図19】第2実施形態の住居、居室、又は室の要部端面図
【
図20】第2実施形態の住居、居室、又は室の端閉鎖板部を取外した状態の要部端面図
【
図21】第2実施形態の第1変形例の住居、居室、又は室の要部分解斜視図である。
【
図22】第2実施形態の第1変形例の住居、居室、又は室の要部断面図である。
【
図23】第2実施形態の第2変形例の住居、居室、又は室の要部分解斜視図である。
【
図24】第2実施形態の第3変形例の住居、居室、又は室の要部端面図である。
【
図25】第2実施形態の第4変形例の住居、居室、又は室の要部端面図である。
【
図26】第1実施形態の第3変形例のパネル組立を用いた荷室の要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の第1実施形態に係るパネル組立が、図面を用いながら以下説明されている。
このパネル組立は、例えば
図1~3に示す車両1の荷室2に用いられる。荷室2は、フロアパネル3と、フロントパネル4と、一対のサイドパネル5と、リアパネル6と、ルーフパネル7とを有する。フロアパネル3は車両1の例えばベース等に固定されている。
【0011】
パネル組立の一例として、フロントパネル4と一方のサイドパネル5とが連結されたパネル組立について説明する。
当該パネル組立は、
図4および5に示すように、第1パネルとしてのフロントパネル4と、フロントパネル4の延在方向である第1の延在方向と交差する第2の延在方向に延びる第2パネルとしてのサイドパネル5と、を有する。第1の延在方向は、
図5のように、フロントパネル4の外面又は内面が実質的に延びる方向である。外面および内面が平面でない場合でも、外面および内面が全体的に延びる方向が第1の延在方向となる。第2の延在方向も同様である。
【0012】
第1の延在方向と第2の延在方向とは交差しており、実施形態では略直交している。実施形態では第1の延在方向と第2の延在方向とが成す角度は90°であるが、第1の延在方向と第2の延在方向とが成す鋭角が80°以上である時、両者が略直交しているものとする。
なお、第1の延在方向と第2の延在方向とが他の角度である45°、135°等で交差している時でも、後述の効果を奏する。
【0013】
図4および5に示すように、当該パネル組立では、フロントパネル4の端部を構成する第1部材(第1端部)10がフロントパネル4の端部に取付けられ、サイドパネル5の端部を構成する第2部材(第2端部)20がサイドパネル5の端部に取付けられている。第1部材10は、フロントパネル4の端部に沿って長い部材であり、
図2に示すように前記端部の長手方向の全体に亘って設けられている。
図2では、フロントパネル4の上下の端の僅かな範囲だけ第1部材10が設けられていない。僅かな範囲は例えば20cm以下であり、50cm以下であれば後述の効果を奏し得る。
【0014】
なお、複数の第1部材10は、前記端部に間隔をおいて取付けられても、前記端部の長手方向の全体に亘って設けられていると言える。当該間隔が数十cmとなる場合もあり得る。各第1部材10の長さは10cm以上であることが好ましい。これらの場合でも後述の効果を奏し得る。
第2部材20も第1部材10と同様にサイドパネル5の端部の長手方向の全体に亘って設けられている。
【0015】
図4および5に示すように、第1部材10には第1の延在方向に突出している係合突起11が設けられている。本実施形態では、第1部材10はアルミニウム等の金属を押出成形することにより作られている。このため、第1部材10は、その長さの全体に亘って
図4および5に示す断面形状を有し、係合突起11も第1部材10の全体に亘って設けられている。係合突起11が第1部材10の長手方向に間隔をおいて設けられる場合も、係合突起11が第1部材10の全体に亘って設けられていると言える。当該間隔が数十cmとなる場合もあり得る。第1部材10が硬質プラスチック等の他の部材から形成される場合もある。これらの場合でも後述の効果を奏し得る。
【0016】
第1部材10には、係合突起11と第2の延在方向に異なる位置に配置され、第1の延在方向に突出している別係合突起12が設けられている。別係合突起12も係合突起11と同様に第1部材10の全体に亘って設けられている。
第2部材20も、
図2、
図3等に示すようにサイドパネル5の端部の長手方向の全体に亘って設けられている。本実施形態では、第2部材20はサイドパネル5の端部に沿って長い部材であり、第1部材10に対応するようにサイドパネル5の端部に設けられている。
【0017】
図4および5に示すように、第2部材20には第1の延在方向に突出している第1突起21が設けられている。第1突起21における第2の延在方向の内側面(第1の被係合部)21aは、係合突起11における第2の延在方向を向いている第1の面11aと第2の延在方向に係合する。前記内側面21aはどちらかと言うと荷室2の内側を向いているので内側面と称する。本実施形態では荷室2の内側および外側を基準に方向が説明される場合がある。
【0018】
第2部材20には第1の延在方向に突出している第2突起22が設けられ、
図4および5に示すように第2突起22は第1突起21よりも荷室2の内側に配置されている。第2突起22の第2の延在方向を向いている外側面22aの少なくとも一部は内側面(第1の被係合部)21aを臨んでおり、外側面22aと内側面21aとの間に谷部24が形成されている。谷部24は、その底24aに向かって徐々に狭くなっている幅減少部24bを有する。
図5において幅減少部24bはその符号で示された斜線の部分である。
【0019】
また、第1突起21における第2の延在方向を向いている外側面21bは、別係合突起12における第2の延在方向の内側面12aに第2の延在方向に係合する。
第2部材20には第1の延在方向に突出している第3突起23が設けられ、
図4および5に示すように第3突起23は第1突起21および第2突起22よりも荷室2の内側に配置されている。第3突起23には、
図4および5に示すように、第2部材20の長手方向に直交する断面が円弧形状である凹部23aが形成されている。凹部23aは第2部材20の長手方向の全体に亘って形成されている。凹部23aが第2部材20の長手方向に間隔をおいて設けられる場合も、凹部23aが第2部材20の全体に亘って設けられていると言える。当該間隔が数十cm、1m以上等となる場合もあり得る。
【0020】
凹部23aによって少なくとも1つのロックキー(ロック部材)30の基端部31が支持され、ロックキー30は第2の延在方向に揺動可能である。本実施形態では、基端部31は、凹部23aに沿う形状を有すると共に、第2部材20の長手方向に直交する断面が円弧形状であり、当該円弧形状は凹部23aの円弧形状よりも少し小さい。本実施形態では、凹部23aはその開口部23bが内部よりも少し狭いので、ロックキー30は凹部23aから抜け落ちない。
【0021】
ロックキー30の先端部の近傍には板バネである付勢部材40の一端が取付けられ、付勢部材40の他端は第2部材20の例えば第3突起23に第2の延在方向に当接している。ロックキー30は付勢部材40によって第1突起21側に付勢されている。付勢部材40はコイルスプリング等の他のスプリングであってもよいが、板バネは、ロックキー30によってパネル同士の連結を安定して保持する上で有利であり、省スペース化にも貢献する。
【0022】
第2部材20の長手方向における各ロックキー30の長さは、連結強度を上げるために、5cm以上であることが好ましく、10cm以上であることがより好ましく、20cm以上であることがより好ましい。本実施形態では、複数のロックキー30が第2部材20の長手方向に間隔をおいて設けられている。当該構成は、第1部材10と第2部材20との連結強度を上げるために好ましい。ロックキー30が第2部材20の長手方向に十分に長ければ、単一のロックキー30によって第1部材10と第2部材20とを連結することも可能である。
【0023】
上記の構造を有するパネル組立を組立てる場合について以下説明する。
先ず、予め工場等において、第1パネル(フロントパネル4)の端部に、特開平10-194166号公報等に示される従来の工法、接着剤、楔部材等を用いて、第1部材10を固定する。同様に、第2パネル(サイドパネル5)の端部にも第2部材20を固定する。
【0024】
続いて、例えば
図2に示すように、フロントパネル4である第1パネルがフロアパネル3の前端に固定されている状態で、第1パネルの左右の第1部材10にそれぞれ第2パネルである2つのサイドパネル5の第2部材20を連結する。当該連結は、
図5に示すように第1部材10の係合突起11を第2部材20の第1突起21とロックキー30との間に挿入する。これにより、
図4に示すように、第2部材20の内側面(第1の被係合部)21aが係合突起11に第2の延在方向の一方側から係合する。
【0025】
上記の状態で、係合突起11が所定の位置まで挿入されると、
図4に示すように係合突起11に形成されたロックキー係合部11cにロックキー30が第1の延在方向に係合する。これにより、内側面21aに対する係合突起11の第1の延在方向の移動、つまり係合突起11が抜ける方向の移動が規制される。より具体的には、ロックキー30は、ロックキー30の前記先端部を一端としロックキー30の基端部31を他端とする突っ支いとして機能する。
【0026】
本実施形態では、当該所定の位置において、係合突起11の先端部が第2突起22における第3の被係合部として機能する外側面22aに係合する。本実施形態では当該係合が谷部24の幅減少部24bにおいて起こる。このため、ロックキー30がロックキー係合部11cに係合した状態で、係合突起11の先端部が第2の延在方向に動きにくい。当該構成は、第2パネルに対する第1パネルの動きを抑制するために有利である。
【0027】
図4および5に示すように、本実施形態では、ロックキー係合部11cは、係合突起11において第1の面11aの反対側である第2の面11bから第2の延在方向に延びる面である。また、ロックキー係合部11cはロックキー30の揺動中心30aから離れるように第2の面11bから延びている。つまり、ロックキー係合部11cは、
図4に示す揺動中心30aを中心とし、ロックキー30の先端部を通過する円から徐々に離れる形状を有する。このため、第1部材10および第2部材20の各部品の寸法にばらつきがあっても、隙間を限りなく小さくした状態で、又は隙間が無い状態で、ロックキー30がロックキー係合部11cに係合する。当該構成は、第2パネルに対する第1パネルの動きを抑制する上で有利である。
【0028】
また、本実施形態では、係合突起11が所定の位置まで挿入されると、第1部材10において係合突起11とは他の部分である別係合突起12が第2部材20に第2の延在方向の他方側から係合する。例えば、別係合突起12の内側面12aが、第2の被係合部として機能する第1突起21における外側面21bに、第2の延在方向の他方側から係合する。本実施形態では、
図4に示すように、第1の延在方向と内側面12aとが成す鋭角が、第1の延在方向と外側面21bとが成す鋭角よりも大きい。このため、第1部材
10において第1の面11aとは異なる他の部分が第2部材20の第2の被係合部に係合すると、係合突起11が第2部材20の内側面(第1の被係合部)21aに押付けられる。当該構成は、第2パネルに対する第1パネルの動きを抑制する上で有利である。
【0029】
また、本実施形態では、
図4および5に示すように、係合突起11と別係合突起12との間の谷部にシール収容部13が形成され、シール収容部13にゴム状弾性を有する材料から成るシール部材14が収容されている。このため、第1部材10と第2部材20との間からの雨水の侵入が防止又は低減される。また、第3突起23と第1部材10との間の隙間を塞ぐための図示しないシール部材が設けられてもよい。この場合は荷室2内の洗浄のための液、荷室2内のほこり等の汚れが、第1部材10と第2部材20との隙間に入り難い。
【0030】
上記構成において、端部を構成する第2部材(第2端部)20がフロントパネル4に取付けられ、端部を構成する第1部材(第1端部)10がサイドパネル5に取付けられてもよい。この場合でも第2パネルであるフロントパネル4が第1パネルであるサイドパネル5に連結される。
【0031】
同様に、本実施形態の荷室2では、
図6に示すように、第1パネルとしてのフロントパネル4と第2パネルとしてのフロアパネル3とが第1部材(第1端部)10および第2部材(第2端部)20によって連結されている。端部を構成する第2部材(第2端部)20がフロントパネル4に取付けられ、端部を構成する第1部材(第1端部)10がフロアパネル3に取付けられてもよい。
【0032】
同様に、本実施形態の荷室2では、
図7に示すように、第1パネルとしてのサイドパネル5と第2パネルとしてのフロアパネル3とが第1部材(第1端部)10および第2部材(第2端部)20によって連結されている。
図6の場合と同様に第1部材(第1端部)10と第2部材(第2端部)20を交換することも可能である。
【0033】
同様に、本実施形態の荷室2では、
図8に示すように、第1パネルとしてのフロントパネル4又はサイドパネル5と第2パネルとしてのルーフパネル7とが第1部材(第1端部)10および第2部材(第2端部)20によって連結されている。
図6の場合と同様に第1部材(第1端部)10と第2部材(第2端部)20を交換することも可能である。
なお、
図6~8のように、第1部材10および第2部材20の全体の形状は適宜変更可能である。
【0034】
本実施形態の荷室2では、
図9および10に示すように、リアパネル6のフレームにフロアパネル3又は車両1のフレームとルーフパネル7とが図示しないボルト等の締結部材によって固定されている。一対のサイドパネル5も同様にフレームにボルト等の締結部材によって固定されている。
図9および10に示すように、リアパネル6には扉が開閉可能に取付けられている。高い強度が求められる場合、このように少なくとも1つのパネルと他のパネルとが締結部材によって固定され、他のパネル同士が第1部材10および第2部材20を用いて連結されてもよい。
なお、リアパネル6のフレームにフロアパネル3、ルーフパネル7、および一対のサイドパネル5が第1部材10および第2部材20を用いて連結されてもよい。
【0035】
本実施形態では、荷室2のパネル組立が第1部材10および第2部材20を用いて連結されているので、組立てに比較的慣れていない者でもパネルを頑丈に組立てることができ、しかも組立にかかる時間を短縮することが可能である。
【0036】
なお、本実施形態では車両1の荷室2に上記パネル組立を用いる例を示した。代わりに、上記パネル組立を用いて仮設住宅等の住居、居室等を作ることも可能である。また、上記パネル組立を用いて倉庫、物置等の固定式の室を作ることも可能である。これらの場合、住居、居室、又は室は、例えば、フロアパネル3と、一対のサイドパネル5と、フロントパネル4と同様の構成を有する端面パネルと、リアパネル6と同様の構成を有する端面パネルと、ルーフパネル7とを有する。また、フロアパネル3は地面等の所定位置に載置又は固定される。
【0037】
また、このようなパネル組立を用いて間仕切りを形成することも可能である。間仕切りを形成する場合、間仕切り用の複数のパネルを互いに第1部材(第1端部)10および第2部材(第2端部)20を用いて連結する。この場合、隣り合うパネル同士が成す角度、すなわち第1の延在方向と第2の延在方向とが交差する鋭角が10°以下となる場合もある。
【0038】
なお、上記実施形態において、
図11に示すように、第1部材(第1端部)10に別係合突起12を設けずに、係合突起11の第2の面11bが、第2部材20の第2の被係合部として機能する第2突起22に係合してもよい。当該変形例の第2突起22は上記実施形態のそれよりも大きく突出している。この場合、係合突起11が前記所定の位置まで挿入されると、係合突起11の第2の面11bが、第2部材20の第2の被係合部である外側面22aに、第2の延在方向の前記他方側から係合する。この場合、第2部材20の長手方向の1箇所又は複数箇所に、第2突起22が設けられていない非設置部、又は、第2突起22が低い低突起部が設けられる。そして、非設置部又は低突起部に対応した位置にロックキー30が配置される。なお、上記実施形態では、別係合突起12と第2の被係合部との係合と、係合突起11の先端部と第3の被係合部との係合の、何れかの係合があればよい。
【0039】
なお、上記実施形態において、第2部材(第2端部)20の第2突起22を別形状とし、第2部材(第2端部)20を第2の延在方向と垂直方向、つまり第1の延在方向に延びる壁とすることもできる。例えば、
図12に示すように、第2の延在方向と垂直方向に延びる第2部材(第2端部)20の第2突起22の頂部の断面形状を円弧突出形状とし、これにより前記幅減少部24bを形成することも可能である。
図12において幅減少部24bはその符号で示された斜線の部分である。
【0040】
前記住居、前記居室、又は前記室の例を第2実施形態として
図13~
図20に示す。
図14における拡大図はコーナーカバー8が取外された状態を示す。
図13および
図14でも前述と同じパネル組立およびパネル連結構造が使われている。使われている箇所は、フロントパネル4とサイドパネル5との連結部、フロントパネル4とルーフパネル7との連結部、ルーフパネル7とリアパネル6との連結部、サイドパネル5とリアパネル6との連結部、サイドパネル5とルーフパネル7との連結部、フロアパネル3とフロントパネル4、サイドパネル5、およびリアパネル6との連結部等である。
【0041】
ルーフパネル7とフロントパネル4とから成るパネル組立を一例として
図15を参照しながら説明する。
図15では、ルーフパネル7が第1パネルでありフロントパネル4が第2パネルである。
図15に示すように、
図1~
図8の場合と同様にルーフパネル7の延在方向である第1の延在方向とフロントパネル4の延在方向である第2の延在方向は略直交している。また、ルーフパネル7の端部を構成する第1部材(第1端部)10がルーフパネル7の端部に取付けられ、フロントパネル4の端部を構成する第2部材(第2端部)20がフロントパネル4の端部に取付けられている。
【0042】
第1部材10には
図4~
図8と同じ係合突起11、別係合突起12、シール収容部13、およびシール部材14が設けられている。また、係合突起11は
図4~
図8と同じ第1の面11a、第2の面11b、およびロックキー係合部11cを有し、別係合突起12は
図4~
図8と同じ内側面12aを有する。
【0043】
また、
図15および
図20に示すように、第2部材20には
図4~
図8と同じ第1突起21、第2突起22、第3突起23、谷部24、幅減少部24b、ロックキー30、および付勢部材40が設けられている。また、第1突起21は
図4~
図8と同じ内側面(第1の被係合部)21aおよび外側面(第2の被係合部)21bを有し、第2突起22は
図4~
図8と同じ外側面(第3の被係合部)22aを有し、第3突起23は
図4~
図8と同じ凹部23aおよび開口部23bを有する。第1部材10および第2部材20の他の部分が
図4~
図8と同様であってよい。
【0044】
図15に示すように、係合突起11は第1部材10から所定方向に突出しており、内側面(第1の被係合部)21aは前記所定方向と略直交する交差方向の一方側から係合突起11の第1の面11aに係合しており、これらは
図4~
図8と同じである。なお、
図15では前記所定方向および前記交差方向がそれぞれ第2の延在方向および第1の延在方向に対応しているのに対し、
図4~
図8では前記所定方向および前記交差方向がそれぞれ第1の延在方向および第2の延在方向に対応しているが、何れでも内側面(第1の被係合部)21aは前記交差方向の一方側から係合突起11に係合している。
【0045】
また、
図15に示すように、外側面(第2の被係合部)21bは第1部材10の別係合突起12に前記交差方向の他方側から係合しており、これも
図4~
図8と同じである。また、
図15に示すように、外側面(第3の被係合部)22aは係合突起11の先端部に前記交差方向の他方側から係合しており、これも
図4~
図8と同じである。
【0046】
そして、
図15に示すように、ロックキー30は前記交差方向に揺動可能であり、ロックキー30がロックキー係合部11cに係合することにより、係合突起11が第2部材20から前記所定方向に抜ける動きが規制され、これらも
図4~
図8と同じである。なお、
図4~
図8および
図15では、ロックキー30は付勢部材40によって前記交差方向に付勢されている。このように、
図15でも
図4~
図8と同様にロックキー30は突っ支いとして機能する。
【0047】
また、
図15でも
図4~
図8と同様に第2パネルに対する第1パネルの動きが効果的に抑制される。また、
図15でもロックキー30が第2部材20の長手方向に間隔をおいて設けられていれば、第1部材10と第2部材20との連結強度を向上することができる。
図15の態様では、第3突起23と付勢部材40との間にロック解除部材50が挿入されている。ロック解除部材50は、第2部材20の長手方向に長手を有し、
図15では第2部材20の長手方向に延びる筒部材である。ロック解除部材50の中心軸線である回転軸線50aは第2部材20の長手方向に沿って配置されている。好ましくは
図15に示すようにロック解除部材50は円筒部材である。
【0048】
図21に示すように、一例では、複数の付勢部材40が第2部材20の長手方向に間隔をおいて配置されている。また、複数のロックキー30が第2部材20の長手方向に間隔をおいて配置されていてもよい。ロック解除部材50は前記長手方向に延びる回転軸線50a周りに回転可能であり、ロック解除部材50の回転軸線50a周りの周方向の一部には切欠き51が形成されている。前記長手方向において、切欠き51がロック解除部材50の全体に設けられていてもよく、切欠き51が付勢部材40に対応する範囲だけ設けられていてもよい。
【0049】
第2部材(第2端部)20は、その長手方向の端に端閉鎖板部60が設けられている(
図16、
図17、および
図19)。
図16に示すように、一例では、端閉鎖板部60はボルト(締結部材)Bによって第2部材20の端に固定されている。
端閉鎖板部60と共に操作つまみ等の操作部61が設けられ、操作部61は回転方向目印61aを有する。また、操作部61はロック解除部材50と共に回転するように構成され、端閉鎖板部60の操作部61の周囲には「LOCK」、「UNLOCK」、「HOLD」等が記載され、これらはロックキー30および/又は付勢部材40の状態をあらわす目印である。
【0050】
ここで、
図15に示すように、付勢部材40は、係合突起11側に配置される一端部40aと、その逆側の他端部40bとを有する。
図15の状態では、操作部61は回転方向目印61aが「LOCK」を指す回転位置に配置されている。この状態では、
図15に示すように、付勢部材40の他端部40bはロック解除部材50の切欠き51が設けられていない外周面に接触している。このため、他端部40bは付勢部材40の付勢力に抗して一端部40a側に押された状態になっている。つまり、付勢部材40によってロックキー30がロックキー係合部11cに押付けられた状態が維持される。
【0051】
図19に示すように、回転方向目印61aが「UNLOCK」を指す回転位置に操作部61およびロック解除部材50を回転させると、
図18に示すように、付勢部材40の他端部40bが切欠き51に対応した位置に配置される。この時、他端部40bは切欠き51内に進入し、付勢部材40およびロックキー30が付勢部材40の他端部40bの側(第3突起23の側)に移動可能となる。
【0052】
これにより、ロックキー30とロックキー係合部11cとの前記係合が解除される状態となる。なお、ロック解除部材50が円柱部材等である場合、切欠き51は凹部等であってもよい。当該解除される状態は、係合突起11を第2部材20から前記所定方向に抜くことができる状態である。第2部材20の配置によっては、ロックキー30は重力に応じて前記係合が解除される位置まで移動する。ロックキー30を前記係合が解除される方向に付勢するためにトーションスプリング等の別の付勢部材を設けることも可能である。
【0053】
ロックキー30が重力によって前記係合が解除される位置まで移動しない場合、回転方向目印61aが「HOLD」を指す回転位置に操作部61およびロック解除部材50を回転させることができる。ロック解除部材50を「HOLD」に対応した位置に回転させる時に、
図20に示すように、切欠き51に付勢部材40の他端部40bが引っ掛かり、付勢部材40の他端部40bがロックキー30および/又は係合突起11から離れる方向に強制的に移動される。つまり、他端部40bがロック解除部材50の切欠き51又は凹部に進入した状態で、ロック解除部材50を回転軸線50a周りの所定の回転方向に回転させると、他端部40bに前記回転方向に力が加わるように構成されている。
【0054】
上記の各態様では、付勢部材40の他端部40bがロックキー30および/又は係合突起11から離れる方向にスムーズに移動できる。当該構成は、第1パネルと第2パネルとのスムーズな分解に寄与する。 また、上記各態様では、ロック解除部材50を回転軸線50a周りに回転させるだけで、複数の付勢部材40および複数のロックキー30のロック/ロック解除を同時に行うことができる。
【0055】
また、上記態様では、ロック解除部材50の外周面によって他端部40bを付勢部材40の付勢力に抗して係合突起11側に押す。この状態はロック解除部材50の回転位置が少しずれても維持され得る。これは、ロックキー30をロックキー係合部11cに押付けられた状態とするためのシンプル且つ確実な構造であると言える。
【0056】
上記態様では、
図16、
図17等に示すように、ロック解除部材50又は操作部61の回転を規制する回転規制部材63が設けられている。一例では、回転規制部材63はロック解除部材50又は操作部61と回転方向に係合する部材である。本実施形態では、回転規制部材63には孔63aが形成され、孔63aが操作部61に回転軸線50a周りの回転方向に係合する。回転規制部材63は、ボルト等の支持部材63bによって、端閉鎖板部60に回転軸線50aに沿った方向に移動可能に支持されている。
【0057】
また、回転規制部材63又は支持部材63bは、スプリング63cによって、回転軸線50aに沿った方向に付勢されている。より具体的には、スプリング63cの付勢力によって、操作部61が孔63a内に入った状態が維持される。また、
図17に示すように、スプリング63cの付勢力に抗して回転規制部材63を回転軸線50aに沿った方向に移動させると、操作部61が孔63aから抜ける。本実施形態では、
図17に示すように、操作部61が孔63aから抜けた状態で、孔63aと操作部61とが対応しない位置まで回転規制部材63を支持部材63b周りに回転できる。
【0058】
図16、
図19等に示すように、端閉鎖板部60にロックキー30の揺動位置を確認するための確認窓62が形成されてもよい。前述のように、ロック解除部材50を回転軸線50a周りに回転させるだけで、複数のロックキー30のロック/ロック解除が同時に行われるので、確認窓62を介して一番手前のロックキー30の揺動位置を確認することによって、全てのロックキー30の状態を容易に確認又は推定できる。
【0059】
図21および
図22に示すように、ロック解除部材50の代わりにロック解除部材70を設けることも可能である。ロック解除部材70は第2部材20に揺動可能に支持されている。ロック解除部材70は第2部材20の長手方向に長手を有する部材であり、複数の付勢部材40に対応している。ロック解除部材70が係合突起11側に揺動した状態では、ロック解除部材70によって複数の付勢部材40の他端部40bが同時に係合突起11側に押され、ロックキー30がロック状態となる。ロック解除部材70が係合突起11および/又はロックキー30から離れた位置に揺動すると、ロックキー30がロック解除状態となる。
【0060】
ロック解除部材70の揺動は、端閉鎖板部60に設けられた操作部61の回転によって行うことも可能である。この場合、例えば、操作部61がロック解除部材70に固定され、操作部61の回転中心がロック解除部材70の揺動中心と一致する。または、
図21および
図22に示すように、複数のボルトBによってロック解除部材70の揺動位置を調整してもよい。
【0061】
図23に示すように、ロック解除部材70の代わりにロック解除部材80を設けることも可能である。ロック解除部材80は第2部材20の長手方向に移動可能であり、ロック解除部材80の操作部81が第2部材20に設けられた長孔20aから突出している。操作部81は長孔20aを介してロック解除部材80に螺合しているボルト等である。長孔20aは第2部材20の長手方向に長い孔である。
【0062】
ロック解除部材80には、複数の付勢部材40にそれぞれ対応する凹部82が形成され、凹部82はロックキー30および/又は係合突起11から離れる方向に凹んでいる。また、前記長手方向において、凹部82の一方側又は両側に傾斜面83が形成されている。
図23には1つのロックキー30だけ記載されているが、作業者が操作部81を持ってロック解除部材80を前記長手方向に移動させることによって、複数のロックキー30のロック/ロック解除が同時に行われる。
【0063】
なお、第1パネルと第2パネルとを連結する時は、ロック解除部材50,70,80によってロックキー30を第1突起21側に移動しておく。つまり、ロック解除部材50,70,80は、ロックキー30をロックキー係合部11cに押付けるための位置に配置する。この状態で第1部材10の係合突起11を第2部材20に挿入し、ロックキー30がロックキー係合部11cに係合すると、当該係合の音が発生する。このため、作業者はロックキー30とロックキー係合部11cとの係合を確認しながら作業できる。
【0064】
なお、
図24に示すように、付勢部材40の代わりにロックキー30に突出部41を設けることも可能である。突出部41は弾性変形しない又は殆ど弾性変形しない。この場合、前記ロック解除部材50を付勢部材として機能させることが可能である。
図25に示すように、ロック解除部材50の外周面が、回転軸線50aからの距離が徐々に変化するカム式外周面であってもよい。
図24および
図25に示すように、ロック解除部材50を付勢用の回転位置に配置することによって、ロック解除部材50の外周面によって複数のロックキー30が同時にロックキー係合部11c側に付勢され、複数のロックキー30とロックキー係合部11cとが係合する。なお、上記各実施形態では、スプリングである付勢部材40を用いてロックキー30とロックキー係合部11cとを係合させる方が、第1パネルと第2パネルとが互いにしっかりと連結される傾向がある。
【0065】
また、前述のように回転方向目印61aが「UNLOCK」を指す回転位置に操作部61およびロック解除部材50を回転させ、これにより突出部41がロックキー30および/又は係合突起11から離れる方向に移動し、ロックキー30とロックキー係合部11cとの係合が解除される。ロック解除部材70,80を同様に付勢部材として機能させることも可能である。
また、上記各態様では、ロック解除部材50,70,80を手動で移動又は回転させるが、ロック解除部材50,70,80を移動又は回転させるためのモータ等の駆動装置を設けることも可能である。
【0066】
また、前記所定方向および前記交差方向を第1の延在方向および第2の延在方向と異ならせることも可能である。一例では、
図26に示すように、前記所定方向および前記交差方向をそれぞれ第1の延在方向および第2の延在方向に対して45°異ならせることができる。この場合でも前述と同様の作用効果を達成することが可能であり、前述と同様にロック解除部材50,70,80を設けることが可能である。第1実施形態と同様に前記所定方向および前記交差方向が45°、135°等で交差してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1 車両
2 荷室
3 フロアパネル
4 フロントパネル
5 サイドパネル
6 リアパネル
7 ルーフパネル
10 第1部材(第1端部)
11 係合突起
11a 第1の面
20 第2部材(第2端部)
21 第1突起
21a 内側面(第1の被係合部)
21b 外側面(第2の被係合部)
22 第2突起
22a 外側面(第3の被係合部)
23 第3突起
24 谷部
24b 幅減少部
30 ロックキー
31 基端部
40 付勢部材
50 ロック解除部材
50a 回転軸線
51 切欠き
60 端閉鎖板部
61 操作部
62 確認窓
63 回転規制部材
70,80 ロック解除部材