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特開2022-158970無線充電システム、送信側充電装置及び受信側充電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158970
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】無線充電システム、送信側充電装置及び受信側充電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/40 20160101AFI20221006BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20221006BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20221006BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H02J50/40
H02J50/10
H02J50/80
H02J7/00 301D
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022032550
(22)【出願日】2022-03-03
(31)【優先権主張番号】202110348392.0
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
2.ZIGBEE
(71)【出願人】
【識別番号】000002945
【氏名又は名称】オムロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】李 勇
(72)【発明者】
【氏名】朱 宸彦
(72)【発明者】
【氏名】麦 瑞坤
(72)【発明者】
【氏名】王 皓宇
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503CA01
5G503CA11
5G503DA04
5G503GB08
(57)【要約】
【課題】本発明の実施例は、無線充電システム、送信側充電装置及び受信側充電装置を提供する。
【解決手段】無線充電システムは、送信側充電装置及び受信側充電装置を含み、前記受信側充電装置は、第1の受信コイルを含む第1の無線受信回路と、前記第1の無線受信回路における第1の交流電流を第1の直流電流に整流する第1の整流器と、第2の受信コイルを含む第2の無線受信回路と、前記第2の無線受信回路における第2の交流電流を第2の直流電流に整流する第2の整流器と、前記第1の無線受信回路における第1の交流電流と前記第2の無線受信回路における第2の交流電流とが等しくなるように、前記第1の整流器と前記第2の整流器とのうちの少なくとも1つを制御する受信側コントローラと、を含む。これによって、無線充電システムの効率を効率的に高めることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線充電システムであって、
送信側充電装置及び受信側充電装置を含み、
前記受信側充電装置は、
第1の受信コイルを含む第1の無線受信回路と、
前記第1の無線受信回路における第1の交流電流を第1の直流電流に整流する第1の整流器と、
第2の受信コイルを含む第2の無線受信回路と、
前記第2の無線受信回路における第2の交流電流を第2の直流電流に整流する第2の整流器と、
前記第1の無線受信回路における第1の交流電流と前記第2の無線受信回路における第2の交流電流とが等しくなるように、前記第1の整流器と前記第2の整流器とのうちの少なくとも1つを制御する受信側コントローラと、を含むことを特徴とする無線充電システム。
【請求項2】
前記受信側コントローラは、前記第1の整流器と前記第2の整流器とのうちの少なくとも1つの駆動信号を制御することにより、前記第1の無線受信回路における第1の交流電流と前記第2の無線受信回路における第2の交流電流とが等しくなる、ことを特徴とする請求項1に記載の無線充電システム。
【請求項3】
前記受信側コントローラは、前記第1の受信コイルと前記第2の受信コイルとのうちの相互インダクタンスが小さい一方に接続された前記第1の整流器又は前記第2の整流器の正、負の半周期の駆動パルス位相を調節することにより、前記第1の無線受信回路における第1の交流電流と前記第2の無線受信回路における第2の交流電流とが等しくなる、ことを特徴とする請求項2に記載の無線充電システム。
【請求項4】
充電電池をさらに含み、
前記送信側充電装置は、
直流電源と、
前記直流電源から出力された直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、
送信コイルを含み、前記インバータから出力された前記交流電圧に基づいて前記受信側充電装置へ電力を供給する無線送信回路と、
前記インバータから出力された前記交流電圧を制御する送信側コントローラと、を含み、
前記受信側コントローラは、前記充電電池の電池電圧及び電池電流を前記送信側コントローラに送信することにより、前記送信側コントローラが前記電池電圧及び電池電流に基づいて前記インバータを制御する、ことを特徴とする請求項1に記載の無線充電システム。
【請求項5】
前記送信側コントローラは、前記電池電圧及び前記電池電流に基づいて、前記インバータの駆動信号を制御する、ことを特徴とする請求項4に記載の無線充電システム。
【請求項6】
前記送信側コントローラは、前記インバータの駆動信号を制御することにより、前記インバータから出力された前記交流電圧のパルス幅を調整する、ことを特徴とする請求項5に記載の無線充電システム。
【請求項7】
前記送信側コントローラは、前記電池電圧及び前記電池電流と設定値との比較結果に基づいてパラメータを選択して、選択した前記パラメータに基づいて前記インバータの目標位相シフト角度を算出し、前記目標位相シフト角度に基づいて前記インバータの駆動信号を生成する、ことを特徴とする請求項5に記載の無線充電システム。
【請求項8】
前記送信側コントローラは、前記電池電圧及び前記電池電流と設定値との比較結果に基づいて充電モードを決定する、ことを特徴とする請求項5に記載の無線充電システム。
【請求項9】
前記第1の受信コイルと前記第2の受信コイルとは、同じの構造を有して、一部が重なって設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の無線充電システム。
【請求項10】
前記第1の受信コイル及び前記第2の受信コイルは、デカップリングBP二重コイル構造である、ことを特徴とする請求項1又は9に記載の無線充電システム。
【請求項11】
受信側充電装置であって、
第1の受信コイルを含む第1の無線受信回路と、
前記第1の無線受信回路における第1の交流電流を第1の直流電流に整流する第1の整流器と、
第2の受信コイルを含む第2の無線受信回路と、
前記第2の無線受信回路における第2の交流電流を第2の直流電流に整流する第2の整流器と、
前記第1の無線受信回路における第1の交流電流と前記第2の無線受信回路における第2の交流電流とが等しくなるように、前記第1の整流器と前記第2の整流器とのうちの少なくとも1つを制御する受信側コントローラと、を含むことを特徴とする受信側充電装置。
【請求項12】
送信側充電装置であって、
直流電源と、
前記直流電源から出力された直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、
送信コイルを含み、前記インバータから出力された前記交流電圧に基づいて前記受信側充電装置へ電力を供給する無線送信回路と、
前記受信側充電装置から受信された電池電圧及び電池電流に基づいて前記インバータから出力された前記交流電圧を制御する送信側コントローラと、を含むことを特徴とする送信側充電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線電力伝送技術分野に関し、特に、無線充電システム、送信側充電装置及び受信側充電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在で、有線電力伝送は非常に広く応用されている充電技術である。有線電力伝送は、簡単で、経済で、損失が低く、伝送距離が遠いなどの利点を有する。しかしながら、科学技術の発展に伴い、従来の有線電力伝送の欠点も徐々に露出しておき、例えば、電線接続を必要とし、電線継手に漏電、スパーク、アーク腐食等が発生しやすく、装置の柔軟性が低い等がある。
【0003】
無線電力伝送(Wireless power transfer)は、磁界などの軟質媒体により電力伝送を実現する新規な電力供給技術である。導線を必要とせずに電力を伝送することができ、電源の接触による摩耗、アーク腐食等の問題を回避する。電力供給システムの柔軟性及び安全性を大幅に高める。工業生産、電力、電子製品、軍事、航空スペース、都市電化交通などの分野に重要な応用価値及び広い応用見通しを有する。
【0004】
ここで注意すべきなのは、以上の技術背景に対する紹介は、本発明の技術案に対してより明瞭かつ完全な説明を行うことに利便を図りながら、当業者が理解しやすいように供するものに過ぎない。それらの技術案が本発明の背景技術の部分に記載されていることだけで、上記の技術案が当業者により公知されたものであると認定してはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願の発明者らは、従来技術において、無線充電方式の固有な特性によって、無線充電システムの受信装置と送信装置との両方の位置がずれて、又は、無線充電システムの受信側電流が大きい場合に、充電効率が低下しやすく、大規模に普及使用を実現しにくいことを発見した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題のうちの少なくとも1つ又は他の類似的な課題を解決するために、本発明の実施例は、無線充電システム、送信側充電装置及び受信側充電装置を提供し、無線充電システムの電力損失を低減することができ、無線充電システムの効率を効率的に高めることができる。
【0007】
本発明の実施例の第1の態様によれば、送信側充電装置及び受信側充電装置を含み、前記受信側充電装置は、第1の受信コイルを含む第1の無線受信回路と、前記第1の無線受信回路における第1の交流電流を第1の直流電流に整流する第1の整流器と、第2の受信コイルを含む第2の無線受信回路と、前記第2の無線受信回路における第2の交流電流を第2の直流電流に整流する第2の整流器と、前記第1の無線受信回路における第1の交流電流と前記第2の無線受信回路における第2の交流電流とが等しくなるように、前記第1の整流器と前記第2の整流器とのうちの少なくとも1つを制御する受信側コントローラと、を含むことを特徴とする無線充電システムを提供する。
【0008】
本発明の実施例の第2の態様によれば、第1の受信コイルを含む第1の無線受信回路と、前記第1の無線受信回路における第1の交流電流を第1の直流電流に整流する第1の整流器と、第2の受信コイルを含む第2の無線受信回路と、前記第2の無線受信回路における第2の交流電流を第2の直流電流に整流する第2の整流器と、前記第1の無線受信回路における第1の交流電流と前記第2の無線受信回路における第2の交流電流とが等しくなるように、前記第1の整流器と前記第2の整流器とのうちの少なくとも1つを制御する受信側コントローラと、を含むことを特徴とする受信側充電装置を提供する。
【0009】
本発明の実施例の第3の態様によれば、直流電源と、前記直流電源から出力された直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、送信コイルを含み、前記インバータから出力された前記交流電圧に基づいて前記受信側充電装置へ電力を供給する無線送信回路と、前記受信側充電装置から受信された電池電圧及び電池電流に基づいて前記インバータから出力された前記交流電圧を制御する送信側コントローラと、を含むことを特徴とする送信側充電装置を提供する。
【0010】
本発明の実施例の有益な効果としては、二重受信コイル構造を採用して、第1の無線受信回路及び第2の無線受信回路における電流に対して等化制御を行うことにより、無線充電システムの電力損失を低減して、無線充電システムの効率を効率的に高めることができることにある。
【0011】
後述する説明と図面を参照して、本発明の特別な実施の形態は詳しく開示され、本発明の原理が使用されることも示された。理解すべきことは、本発明の実施の形態は、範囲上にそれで限定されていない。添付される特許請求の範囲の精神及び請求項の範囲内において、本発明の実施の形態は多くの変更、修正及び均等物を含む。
【0012】
1つの実施の形態の記載及び/又は示された特徴に対して、同様又は類似する態様で1つ又は更に多くのその他の実施の形態に使用され、その他の実施の形態の特徴と組み合わせ、又はその他の実施の形態の特徴を切り替えることができる。
【0013】
強調すべきことは、用語である「第1」、「第2」などは、異なる要素を、名称上に区別させるために用いられるが、それらの要素の空間的配列又は時間的順序などを示すものではなく、それらの要素はそれらの用語によって限定されていない。用語「及び/又は」は関連して挙げられた用語の一種又は複数のうちのいずれか一つ及び全ての組み合わせを含む。用語である「含める」、「含む」、「備える」は記載された特徴、元素、素子又は部材の存在を示すが、1つ又は更に多くのその他の特徴、元素、素子又は部材の存在又は付加が排除されるわけではない。
【0014】
本発明の実施例では、単数態様を示す「一」、「当該」などは、複数態様を含み、「1種」又は「1類」として広義的に理解されるべきであるが、「1つ」の意味に限られていない。また、用語である「前記」は、上下文に別途で説明した場合を除き、単数態様も複数態様も含むものとして理解されるべきである。また、用語である「による」は、上下文に別途で説明した場合を除き、「少なくとも一部は……による」と理解されるべきであり、用語である「基づく」は、上下文に別途で説明した場合を除き、「少なくとも一部は……に基づく」と理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0015】
添付図面は本発明の実施例をさらに理解するために供されるもので、明細書の一部を構成し、本発明の好ましい実施形態を例示するとともに、文字記載と合わせて本発明の原理を説明するものである。後述する添付図面は本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとって、創意工夫を払わないことを前提として、それらの添付図面に基づいて、他の添付図面を取得することができるのは、自明である。添付図面において、
図1図1は、本発明の実施例1に係る無線充電システムを示す図である。
図2図2は、本発明の実施例1に係る充電モードを示す図である。
図3A図3Aは、本発明の実施例1に係る送信コイル、第1の受信コイル及び第2の受信コイルを示す図である。
図3B】本発明の実施例1に係る送信コイル、第1の受信コイル及び第2の受信コイルを示す別の図である。
図3C図3Cは、本発明の実施例1に係る送信コイル、第1の受信コイル及び第2の受信コイルを示す別の図である。
図4図4は、本発明の実施例1に係る無線充電システムの回路を示す図である。
図5図5は、本発明の実施例1に係る電流等化制御を示す図である。
図6図6は、本発明の実施例1に係るインバータに対して同期対称位相シフト制御を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図面を参照して、下記の明細書によれば、本発明の前述した内容及びその他の特徴がより明瞭になるであろう。明細書及び図面において、本発明の特定実施形態は具体的に開示され、本発明の原理を採用可能な実施形態の一部が示されるが、本発明は記載される実施形態に限らないということにも注意すべきである。逆に、本発明には、添付される請求の範囲内に属するすべての修正、変形及び均等物を含むこととする。
【0017】
実施例1
本発明の実施例1は無線充電システムを提供する。図1は本発明の実施例1に係る無線充電システム1を示す図である。図1に示されたように、当該無線充電システム1は、送信側充電装置11及び受信側充電装置12を含む。
【0018】
ここで、受信側充電装置12は、第1の受信コイル1211を含む第1の無線受信回路121と、第1の無線受信回路121における第1の交流電流を第1の直流電流に整流する第1の整流器122と、第2の受信コイル1231を含む第2の無線受信回路123と、第2の無線受信回路123における第2の交流電流を第2の直流電流に整流する第2の整流器124と、第1の無線受信回路121における第1の交流電流と第2の無線受信回路123における第2の交流電流とが等しくなるように、第1の整流器122と第2の整流器124とのうちの少なくとも1つを制御する受信側コントローラ125と、を含む。
【0019】
上記実施例によれば、第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231からなる二重受信コイル構造を採用して第1の無線受信回路121及び第2の無線受信回路123における電流に対して等化制御を行うことで、無線充電システムの電力損失を低減して、無線充電システム1の効率を効率的に高めることができる。
【0020】
1つ又は複数の実施例において、当該無線充電システム1は、各分野の無線充電に適用されてもよい。
【0021】
例えば、無線充電システム1は、自動化生産分野に適用されて、その受信側充電装置12が自動誘導車両(Automated Guided Vehicle、AGV)に設けられてもよい。これによって、当該無線充電システム1は、充電ステーションがない場合にAGV電池に充電し続けて、所定の時間内に充電することができる。無線充電システムによりAGVを充電し、充電電池のサイズを大きくする必要がなく、また、充電インターフェースの数を多くする必要もなく、充電プロセスを容易に完成することができる。また、有線充電システムに比べて、無線充電システム1は、金属接触がなく、充電中に発生する感電等の現象を回避することができ、工業応用の安全、耐用年数、電気的隔離、作業者の充電時の負荷低減等の要求を満たすことができる。
【0022】
1つ又は複数の実施例において、第1の無線受信回路121における第1の交流電流と第2の無線受信回路123における第2の交流電流とが等しくなるのは、第1の交流電流と第2の交流電流とが全く等しくなってもよいし、又は、第1の交流電流と第2の交流電流とがほぼ等しくなってもよく、例えば、第1の交流電流と第2の交流電流との差の絶対値が所定の値よりも小さい。
【0023】
1つ又は複数の実施例において、無線充電システム1における送信側充電装置は、従来の構造を採用してもよく、本発明の実施例に固有な構造を採用してもよい。以下で、まず、送信側充電装置が従来の構造を採用することを例として説明する。
【0024】
例えば、図1に示されたように、送信側充電装置1は、直流電源111、インバータ112、無線送信回路113を含むことができる。ここで、インバータ112は、直流電源111から出力された直流電圧を交流電圧に変換する。無線送信回路113は、送信コイル1131を含み、インバータ112から出力された交流電圧に基づいて受信側充電装置12へ電力を供給する。
【0025】
1つ又は複数の実施例において、第1の無線受信回路121の第1の交流電流が、第1の受信コイル1211と送信側充電装置11における送信コイル1131との間で電磁誘導により発生した交流電流であってもよく、第2の無線受信回路123の第2の交流電流が、第2の受信コイル1231と送信側充電装置11における送信コイル1131との間で電磁誘導により発生した交流電流であってもよい。
【0026】
1つ又は複数の実施例において、受信側コントローラ125は、第1の整流器122と第2の整流器124とのうちの少なくとも1つの駆動信号を制御することにより、第1の無線受信回路121における第1の交流電流と第2の無線受信回路123における第2の交流電流とが等しくなる。
【0027】
1つ又は複数の実施例において、第1の無線受信回路121における第1の交流電流と第2の無線受信回路123における第2の交流電流とが等しくなるために、受信側コントローラ125は、第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231とのうちの相互インダクタンスが小さい方に接続された第1の整流器121又は第2の整流器124の駆動信号を制御してもよい。ここで、第1の受信コイル1211の相互インダクタンスが、第1の受信コイル1211と送信側充電装置11における送信コイル1131との間の電磁誘導であってもよく、第2の受信コイル1231の相互インダクタンスが第2の受信コイル1231と送信側充電装置11における送信コイル1131との間の電磁誘導であってもよい。
【0028】
1つ又は複数の実施例において、相互インダクタンスの大きさが、電磁誘導により発生した交流電流の大きさにより決定されてもよい。例えば、仮に、第1の無線受信回路121における第1の交流電流が第2の無線受信回路123における第2の交流電流よりも小さいと、第1の受信コイル1211の相互インダクタンスが小さいことを示し、受信側コントローラ125によって制御されるのは、第1の無線受信回路121に接続される第1の整流器122の駆動信号である。
【0029】
実際の充電プロセスにおいて、送信コイル1131に対する第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231の位置がずれた場合に、第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231との相互インダクタンスが等しくない可能性がある。第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231との相互インダクタンスが等しくない場合に、相互インダクタンスが小さい受信コイルに対応する整流器の駆動信号を調整することにより、相互インダクタンスが小さい受信コイルにおける交流電流を大きくして、これによって、第1の無線受信回路121における第1の交流電流と第2の無線受信回路123における第2の交流電流とが等しくなる目的を達成することができる。
【0030】
1つ又は複数の実施例において、受信側コントローラ125は、第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231とのうちの相互インダクタンスが小さい方に接続されえた第1の整流器121又は第2の整流器124の正、負の半周期の駆動パルス位相を調節することにより、第1の無線受信回路121における第1の交流電流と第2の無線受信回路123における第2の交流電流とが等しくなることができる。例えば、受信側コントローラ125が、同期対称位相シフトの方式で第1の整流器121又は第2の整流器124の駆動信号を制御することができるが、本願はこれに限らず、他の方式で第1の整流器121又は第2の整流器124の駆動信号を制御することもできる。
【0031】
1つ又は複数の実施例において、図1に示されたように、受信側充電装置12が充電電池126を更に含んでもよい。ここで、当該充電電池126が、いずれかのタイプの充電電池であってもよく、例えば、受信側充電装置12がAGVに適用される場合に、当該充電電池126がAGVへ電力を供給する車載電池であってよい。
【0032】
1つ又は複数の実施例において、受信側コントローラ125が充電電池126の電池電圧及び電池電流を検出することができ、また、受信側コントローラ125が第1の無線受信回路121における第1の交流電流と第2の無線受信回路123における第2の交流電流を検出してもよい。ここで、受信側コントローラ125が各種の方法で上記電池電圧及び電池電流と、第1の交流電流及び第2の交流電流とを検出することができ、本発明は、これを具体的に限定しない。
【0033】
1つ又は複数の実施例において、送信側充電装置1が、従来構造と異なる固有な構造を採用してもよく、図1に示されたように、送信側充電装置1が、受信側充電装置12から受信された電池電圧及び電池電流に基づいて、インバータ112から出力された交流電圧を制御する送信側コントローラ114を更に含んでもよい。
【0034】
例えば、受信側コントローラ125は、充電電池126の電池電圧及び電池電流を送信側コントローラ114に送信することで、送信側コントローラ114が電池電圧及び電池電流に基づいてインバータ112を制御することができる。このように、バイラテラルDC-DCコンバータを採用しない場合に、受信コイルと送信コイルとの間に大きなオフセットが発生すると、システムの出力電圧が一定であることを確保することができ、システムの実装体積及び煩雑性を低減した。
【0035】
1つ又は複数の実施例において、受信側コントローラ125は、例えば、セルラー通信ネットワーク、Wi-Fi(IEEE 802.11プロトコル)、Bluetooth、ZigBee、赤外線、NFC、UWB等のようないずれかの無線通信で電池電圧及び電池電流を受信側コントローラ114に送信してもよい。
【0036】
1つ又は複数の実施例において、送信側コントローラ114が電池電圧及び電池電流に基づいてインバータ112の駆動信号を制御することができる。例えば、送信側コントローラ114が電池電圧及び電池電流に基づいて、同期対称位相シフトの方式で駆動信号を制御することで、充電を満たすように、インバータ112から出力された等価交流電圧を調節してもよい。
【0037】
1つ又は複数の実施例において、送信側コントローラ114が、電池電圧及び電池電流と設定値との比較結果に基づいてパラメータを選択して、選択したパラメータに基づいてインバータ112の目標位相シフト角度を算出し、目標位相シフト角度に基づいてインバータ112の駆動信号を生成してもよい。例えば、送信側コントローラ114が電池電圧及び電池電流と設定値とを比較して、比較結果に基づいてパラメータを選択して、選択したパラメータに基づいてPID制御アルゴリズムを基に送信側充電装置11におけるインバータ112の目標位相シフト角度を算出し、当該目標位相シフト角度に基づいてPWM信号を生成して、インバータが作動するように駆動する。
【0038】
図2は、本発明の実施例1に係る充電モードを示す図である。以下で図2を組み合わせて目標位相シフト角度を算出する方式を例示的に説明する。図2に示されたように、充電電池126が定電圧、定電流との2つの充電モードを有してもよい。低電量の場合に、充電電池126の等価負荷が小さく、定電流充電モードになっており、この場合に、電池電流Ioutをパラメータとする。仮に、定格出力電流がIrefであると(設計時にIref≦Iout)、インバータ112から出力された電圧のパルス幅αが下記の関係式を満たす。sin(α/2)=Iref/Iout、つまり、α=2arcsin(Iref/Iout)。この時に、目標位相シフト角が(π-α)/2であり、つまり、[π-2arcsin(Iref/Iout)]/2。電池等価負荷が大きくなることに伴って、充電電池126が定電圧充電モードになっており、この場合に、充電電圧Uoutをパラメータとする。仮に、定格出力電圧がUref(負荷が大きくなることに伴って、UoutがUrefよりも大きい)であると、インバータ112から出力された電圧のパルス幅αが下記の関係式を満たす。sin(α/2)=Uref/Uout、つまり、α=2arcsin(Uref/Uout)。この時に、目標位相シフト角が(π-α)/2であり、つまり、[π-2arcsin(Uref/Uout)]/2。
【0039】
ただし、本発明はこれに限らず、他の方式で目標位相シフト角度を算出して、さらに、インバータ112の駆動信号を生成してもよい。
【0040】
1つ又は複数の実施例において、送信側コントローラ114がインバータ112の駆動信号を制御することにより、インバータ112から出力された交流電圧のパルス幅を調整することができ、これによって、インバータ112から出力された交流電圧を制御することができる。
【0041】
1つ又は複数の実施例において、送信側コントローラ114が電池電圧及び電池電流と設定値との比較結果に基づいて充電モードを決定することができる。例えば、定格出力電圧Urefを設定値として、電池電圧Uoutと定格出力電圧Urefとの関係に基づいて、定電圧又は定電流の充電モードを決定することができる。具体的には、電池電圧Uoutが定格出力電圧Urefに達していない場合、つまり、低電量の場合に、充電電池126の等価負荷が小さく、定電流充電モードになっている。電量が大きくなることに伴って、等価抵抗が立ち上がり、電池電圧Uoutが定格出力電圧Urefに達した場合に、充電電池126が定電圧充電モードになっている。
【0042】
図3Aは、本発明の実施例1に係る送信コイル1131、第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231を示す図であり、図3Bは、本発明の実施例1に係る送信コイル1131、第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231を示す別の図であり、図3Cは、本発明の実施例1に係る送信コイル1131、第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231を示す別の図である。
【0043】
1つ又は複数の実施例において、図3A図3Bに示されたように、第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231は、同じの構造を有し、かつ、一部が重なって設けられてもよい。例えば、第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231とは、2つの同じの極性のDコイルであってもよく、両方を重なって配置することにより、重ね合わせ面積を調整してピアスイン、ピアスアウトされる磁界が等しくなると、第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231との間でクロスカップリングがなく、これによって、デカップリングを実現することができる。
【0044】
1つ又は複数の実施例において、図3A図3Bに示されたように、第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231は、一部が送信コイル1131と重なって設けられてもよい。
【0045】
1つ又は複数の実施例において、図3Cに示されたように、送信コイル1131の第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231から離れる側には、第1のフェライトコア1132を設けて、第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231の送信コイル1131から離れる側には第2のフェライトコア1212を設けてもよい。
【0046】
1つ又は複数の実施例において、第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231とは、デカップリングBP二重コイル構造であってもよい。これによって、第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231との間の相互カップリングによる干渉を低減することができ、無線充電システム1の効率を高めることができる。
【0047】
図4は、本発明の実施例1に係る無線充電システム1の回路を示す図である。以下で、図4を例として、無線充電システム1の回路構造を例示的に説明する。
【0048】
1つ又は複数の実施例において、図4に示されたように、受信側充電装置12側において、第1の無線受信回路121が受信コイルLS1(第1の受信コイル1211)、受信補償コンデンサCS1を含んでもよく、第2の無線受信回路123が受信コイルLS2(第2の受信コイル1231)、受信補償コンデンサCS2を含んでもよい。
【0049】
第1の整流器122が、それぞれMOSFET P、MOSFET P、MOSFET P及びMOSFET Pである4つのMOSFETを含んでもよい。第2の整流器124が、それぞれMOSFET P、MOSFET P10、MOSFET P11及びMOSFET P12MOSFETである4つのMOSFETを含んでもよい。
【0050】
また、受信側充電装置12側において、Cは、第1の整流器122及び第2の整流器124の後方の定電圧コンデンサであり、Rが直流負荷抵抗であり、RS1及びRS2は、それぞれ第1の無線受信回路121及び第2の無線受信回路123の等価抵抗であり、IS1及びIS2は、それぞれ第1の無線受信回路121及び第2の無線受信回路123の第1の交流電流及び第2の交流電流であり、Uout及びIoutは、それぞれ電池電圧及び電池電流である。
【0051】
1つ又は複数の実施例において、図4に示されたように、送信側充電装置11側において、無線送信回路113が送信コイルL(送信コイル1131)、送信補償コンデンサCを含んでもよい。インバータ112が、それぞれMOSFET P、MOSFET P、MOSFET P及びMOSFET Pである4つのMOSFETを含んでもよい。
【0052】
また、送信側充電装置11側において、Udcは、出力電圧が一定である直流電源(直流電源111)であり、 Idcが直流電源の出力電流であり、Uinが反転後の等価交流電圧であり、Iが無線送信回路113における交流電流である。
【0053】
図4に示されたように、MPS1は、送信コイルLと受信コイルLS1との間の相互インダクタンスを示し、MPS2は、送信コイルLと受信コイルLS2との間の相互インダクタンスを示す。
【0054】
無線充電システム1の回路が共振状態で作動する場合に、下記の式を満たす。
【数1】
【0055】
ここで、ωは、インバータ回路(インバータ112)の作動頻度である。基本波分析により、回路モデルが下記の式を満たす。
【数2】
【0056】
無線送信回路113が高圧小電流であり、第1の無線受信回路121及び第2の無線受信回路123の低圧大電流に比べて、その線路損失とスイッチ損失を無視することができる。仮に、
【数3】
ここで、βは、第1の無線受信回路121における第1の交流電流IS1と、電池電流Ioutとの比である。第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231がBP構造を採用した場合に(図3A図3Cに示された通り)、第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231とが全く一致するため、RS1=RS2=Rと認定することができ、第1の無線受信回路121及び第2の無線受信回路123の損失は、下記のように示されてもよい。
【数4】
【0057】
上記の式4により、βに関する導関数がゼロであり、損失が最も低い時のβに対応する値が下記の通りであることを得られる。
【数5】
【0058】
この場合に、第1の無線受信回路121の第1の交流電流IS1、第2の無線受信回路123の第2の交流電流IS2、第1の無線受信回路121及び第2の無線受信回路123の損失Ploss_minがそれぞれ下記の通りである。
【数6】
【0059】
つまり、第1の無線受信回路121の第1の交流電流IS1と、第2の無線受信回路123の第2の交流電流IS2とが等しくなると、無線充電システム1の効率が最適である。内部抵抗が同じであり、出力が同じである単一コイル構造の無線充電システムにとって、その損失は下記の通りである。
【数7】
【0060】
これにより分かるように、二重受信コイル構造(第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231)を採用した無線充電システム1の無線受信回路損失が半分低下した。そのため、二重受信コイル構造を採用して電流等化制御を行うのは、無線充電システム1の効率を効率的に高めることができる。
【0061】
図5は、本発明の実施例1に係る電流等化制御を示す図であり、図面において、駆動信号#5、駆動信号#6、駆動信号#7及び駆動信号#8は、それぞれ第1の整流器122におけるMOSFET P、MOSFET P、MOSFET P及びMOSFET Pの駆動信号である。ここで、図5の左図が、電流等化制御前の第1の交流電流IS1、第2の交流電流IS2及び第1の整流器122の駆動信号を示し、図面に示されたように、電流等化制御前に、駆動信号#5、駆動信号#6、駆動信号#7及び駆動信号#8が同期整流の方式で第1の整流器122を駆動し、第1の交流電流IS1が第2の交流電流IS2よりも小さい。図5の右図が、電流等化制御後の第1の交流電流IS1、第2の交流電流IS2及び第1の整流器122の駆動信号を示し、図面に示されたように、電流等化制御後に、同期対称位相シフトの方式で第1の整流器121の駆動信号#1、駆動信号#2、駆動信号#3及び駆動信号#4の位相を調整することで、第1の交流電流IS1が第2の交流電流IS2と等しくなる。
【0062】
1つ又は複数の実施例において、二重受信コイル(第1の受信コイル1211及び第2の受信コイル1231)がBPコイル構造を採用したので、第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231とが相互にデカップリングする。キルヒホッフの電圧法則により、システム定常状態の記述式は、下記の通りである。
【数8】

ここで、Rac1、Rac2は、受信回路における交流等価負荷である。第1の受信コイル1211と第2の受信コイル1231における電流が常に等しくなることを維持するように、電流等化制御を採用したので、相互インダクタンスが小さい受信回路における等価負荷を制御することにより、Rac1/Rac2=MPS1/MPS2を満たさせ、電圧電流Ioutは下記のように示されてもよい。
【数9】
【0063】
電池電流Ioutの安定を維持するために、インバータ112が対称位相シフト方法により交流電圧Uinを調節することができる。仮に、交流電圧Uinのパルス幅がαであると、交流電圧Uinは下記のように示されてもよい。
【数10】
【0064】
電池電流Ioutの記述式が下記の通りである。
【数11】
【0065】
つまり、交流電圧Uinのパルス幅αを調整することにより、電池電流Ioutを調節する目的を達することができる。これによって、受信コイルと送信コイルとの間にはオフセットが発生した場合に、無線充電システム1によって充電電池へ供給された電池電圧及び電池電源が安定であることを確保することができ、無線充電システム1には、バイラテラルDC-DCコンバータを設ける必要がなく、システムの実装体積及び煩雑性を低減した。
【0066】
図6は、本発明の実施例1に係るインバータ112に対して同期対称位相シフト制御を行うことを示す図であり、図面における駆動信号#1、駆動信号#2、駆動信号#3及び駆動信号#4が、それぞれインバータ112におけるMOSFET P、MOSFET P、MOSFET P及びMOSFET Pの駆動信号である。ここで、図6の左図は、インバータ112に対して同期対称位相シフト制御を行う前の交流電圧Uin、インバータ112の駆動信号、電池電圧Uout及び電池電流Ioutである。図面に示されたように、図面に示された駆動信号#1、駆動信号#2、駆動信号#3及び駆動信号#4に基づいて、交流電圧Uinのパルス幅αが40であり、対応する電池電圧Uoutが17.21Vであり、電池電流Ioutが7.47Aである。
【0067】
図6の右図は、インバータ112に対して同期対称位相シフト制御を行った後の交流電圧Uin、インバータ112の駆動信号、電池電圧Uout及び電池電流Ioutである。図面に示されたように、インバータ112に対して同期対称位相シフト制御を行った後に、第1の整流器121の駆動信号#1、駆動信号#2、駆動信号#3及び駆動信号#4の位相を調整し、交流電圧Uinのパルス幅αが180であり、対応する電池電圧Uoutが52.25Vであり、電池電流Ioutが22.68Aである。つまり、同期対称位相シフト制御を行った後に、交流電圧Uinのパルス幅が大きくなり、無線充電受信側の電池電圧Uout及び電池電流Ioutも相応的に大きくなる。
【0068】
上記実施例によれば、二重受信コイル構造を採用して第1の無線受信回路及び第2の無線受信回路における電流に対して等化制御を行うことにより、無線充電システムの電力損失を低減して、無線充電システムの効率を効率的に高めることができる。
【0069】
実施例2
本発明の実施例2は、受信側充電装置を提供する。当該受信側充電装置の構造及び機能は、実施例1の無線充電システム1の受信側充電装置12と同じであってもよく、その内容をここに合わせて、ここで、贅言しない。
【0070】
1つ又は複数の実施例において、受信側充電装置は、第1の受信コイルを含む第1の無線受信回路と、前記第1の無線受信回路における第1の交流電流を第1の直流電流に整流する第1の整流器と、第2の受信コイルを含む第2の無線受信回路と、前記第2の無線受信回路における第2の交流電流を第2の直流電流に整流する第2の整流器と、前記第1の無線受信回路における第1の交流電流と前記第2の無線受信回路における第2の交流電流とが等しくなるように、前記第1の整流器と前記第2の整流器とのうちの少なくとも1つを制御する受信側コントローラと、を含んでもよい。
【0071】
上記実施例によれば、二重受信コイル構造を採用して第1の無線受信回路及び第2の無線受信回路における電流に対して等化制御を行うことにより、無線充電システムの効率を効率的に高めることができる。
【0072】
1つ又は複数の実施例において、受信側コントローラは、第1の無線受信回路における第1の交流電流と第2の無線受信回路における第2の交流電流とが等しくなるように、第1の整流器と第2の整流器とのうちの少なくとも1つ的駆動信号を制御する。
【0073】
1つ又は複数の実施例において、受信側コントローラは、第1の受信コイルと第2の受信コイルとのうちの相互インダクタンスが小さい方に接続された第1の整流器又は第2の整流器の正、負の半周期の駆動パルス位相を調節することにより、第1の無線受信回路における第1の交流電流と第2の無線受信回路における第2の交流電流とが等しくなる。
【0074】
1つ又は複数の実施例において、受信側充電装置が充電電池をさらに含む。
【0075】
1つ又は複数の実施例において、受信側コントローラは、充電電池の電池電圧及び電池電流を送信側コントローラに送信することにより、送信側コントローラが電池電圧及び電池電流に基づいてインバータを制御する。
【0076】
1つ又は複数の実施例において、第1の受信コイルと第2の受信コイルとは、同じの構造を有し、一部が重なって設けられる。
【0077】
1つ又は複数の実施例において、第1の受信コイルと第2の受信コイルとはデカップリングBP二重コイル構造である。
【0078】
上記実施例によれば、二重受信コイル構造を採用して第1の無線受信回路及び第2の無線受信回路における電流に対して等化制御を行うことにより、無線充電システムの電力損失を低減して、無線充電システムの効率を効率的に高めることができる。
【0079】
実施例3
本発明の実施例3は、送信側充電装置を提供する。当該送信側充電装置の構造及び機能は、実施例1に係る無線充電システム1の送信側充電装置11と同じであってもよく、その内容をここに合わせて、ここで、贅言しない。
【0080】
1つ又は複数の実施例において、送信側充電装置は、直流電源と、前記直流電源から出力された直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、送信コイルを含み、前記インバータから出力された前記交流電圧に基づいて前記受信側充電装置へ電力を供給する無線送信回路と、前記受信側充電装置から受信された電池電圧及び電池電流に基づいて前記インバータから出力された前記交流電圧を制御する送信側コントローラと、を含んでもよい。
【0081】
1つ又は複数の実施例において、送信側コントローラは、電池電圧及び電池電流に基づいて、インバータの駆動信号を制御する。
【0082】
1つ又は複数の実施例において、送信側コントローラは、インバータの駆動信号を制御することにより、インバータから出力される交流電圧のパルス幅を調整する。
【0083】
1つ又は複数の実施例において、送信側コントローラは、電池電圧及び電池電流と設定値との比較結果に基づいてパラメータを選択して、選択した前記パラメータに基づいてインバータの目標位相シフト角度を算出し、目標位相シフト角度に基づいてインバータの駆動信号を生成する。
【0084】
1つ又は複数の実施例において、送信側コントローラは、電池電圧及び電池電流と設定値との比較結果に基づいて充電モードを決定する。
【0085】
上記実施例によれば、電池電圧及び電池電流に基づいてインバータから出力された交流電圧を制御することにより、バイラテラルDC-DCコンバータを採用しない場合に、受信コイルと送信コイルとの間には大きなオフセットが発生すると、システムの出力電圧が一定であることを確保することができ、システムの実装体積及び煩雑性を低減した。
【0086】
本発明の前述した装置及びシステムはハードウェアにより実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアの組み合わせにより実現されてもよい。本発明は、論理的部品により実行される場合、該論理的部品に前記装置又は構成部品を実現させ、又は該論理的部品に前述した各種の方法又はステップを実現させる、コンピュータ可読プログラムに関することができる。本発明は、例えばハードディスク、磁気ディスク、光ディスク、DVD、flashメモリなど、前述したプログラムを記憶するための記憶媒体に関する。
【0087】
本発明の実施例を組み合わせて記述された装置/システムは、直接に、ハードウェア、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールまたは両者の組み合わせとして現れてもよい。例えば、図1に示す機能ブロック図のうちの1つまたは複数、及び/または、機能ブロック図のうちの1つまたは複数の組み合わせは、コンピュータプログラムのプロセスにおける各ソフトウェアモジュールに対応することができるし、各ハードウェアモジュールにも対応できる。それらのソフトウェアモジュールは、例えば、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)により、それらのソフトウェアモジュールを固定化して実現することができる。
【0088】
ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROMまたは当業界における既知の他の形式の記憶メモリに位置してもよい。1つの記憶媒体をプロセッサに結合することで、プロセッサは当該記憶媒体から情報を読み取ることができ、かつ、当該記憶媒体に情報を書き込むことができ、または、当該記憶媒体はプロセッサの組成部分であってもよい。プロセッサと記憶媒体はASICに位置してもよい。当該ソフトウェアモジュールは、移動端末のメモリに記憶してもよいし、移動端末に挿入可能なメモリカードに記憶してもよい。例えば、情報処理装置が大容量のMEGA-SIMカード又は大容量のフラッシュ装置を採用すると、当該ソフトウェアモジュールは、当該MEGA-SIMカード又は大容量のフラッシュ装置に記憶されてもよい。
【0089】
図面に記述された機能ブロック図のうちの1つまたは複数、及び/または、機能ブロック図のうちの1つまたは複数の組み合わせは、本発明に記載の機能を実行するための汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、専用集成回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、または、任意の適切な組み合わせとして実現されてもよい。図面に示した機能ブロックのうちの1つまたは複数、及び/または、機能ブロックのうちの1つまたは複数との組み合わせについて、コンピュータ機器の組み合わせとして実現されてもよい。たとえば、DSPとマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPと通信して組み合わせた1つまたは複数のマイクロプロセッサまたは任意の他のその配置に実現されてもよい。
【0090】
以上、具体的な実施の形態を組み合わせて本発明を説明した。ただし、当業者が理解すべきことは、それらの記載はいずれも例示するものに過ぎず、本発明の保護範囲に対する限定ではない。当業者は本発明の原理に基づいて、本発明に対して種々変形や修正を行うことができるが、それらの変形と修正も本発明の範囲内にある。
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
【外国語明細書】