(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158984
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】中空シャフト、モータ、電気製品及び中空シャフトの製造方法
(51)【国際特許分類】
H02K 1/22 20060101AFI20221006BHJP
H02K 15/14 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H02K1/22 C
H02K1/22 A
H02K15/14 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022036310
(22)【出願日】2022-03-09
(31)【優先権主張番号】202110345709.5
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】三分一 浩司
(72)【発明者】
【氏名】潘 徳森
(72)【発明者】
【氏名】史 文▲しぇん▼
【テーマコード(参考)】
5H601
5H615
【Fターム(参考)】
5H601AA09
5H601CC01
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD23
5H601DD49
5H601GA02
5H601GC02
5H601GC12
5H601JJ05
5H615AA01
5H615BB01
5H615BB07
5H615BB14
5H615PP24
(57)【要約】 (修正有)
【課題】中空シャフトを加工するのに費やされる工数を低減することができる中空シャフトの製造方法をを提供する。
【解決手段】中空シャフト100は、筒状であり、外縁11が多角形を呈する外周部1と、筒状であり、外周部の径方向内周面に接触する内周部2と、底板と筒体とを備えた底部3であって、底板の延在方向は軸方向に対して垂直であり、筒体は、底板の径方向外周端から、軸方向の外周部に面する方向に沿って延在し、筒体の径方向内周面は、内周部の径方向外周面と接触する底部と、を備える。外周部、内周部及び底部は、別体成形された部材である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状であり、外縁が多角形を呈する外周部と、
筒状であり、前記外周部の径方向内周面に接触する内周部と、
底板と筒体とを備えた底部と、
を備え、
前記底板の延在方向は、軸方向に対して垂直であり、
前記筒体は、前記底板の径方向外周から前記軸方向の前記外周部に面する方向に沿って延在し、
前記筒体の径方向内周面は、前記内周部の径方向外周面と接触し、
前記外周部、前記内周部及び前記底部は、別体成形された部材である、中空シャフト。
【請求項2】
前記外周部は、積層プレス成形された多角形の鋼板である、請求項1に記載の中空シャフト。
【請求項3】
前記底部の前記筒体の軸方向端部は、位置決め面を有し、
前記位置決め面は、前記内周部と前記外周部との少なくとも一方を軸方向に支持する、請求項1又は請求項2に記載の中空シャフト。
【請求項4】
前記内周部の外周面は、段部を有し、
前記段部は、軸方向において前記位置決め面に接触する、請求項3に記載の中空シャフト。
【請求項5】
前記筒体の径方向外周面は、前記外周部の径方向外周面よりも径方向内側に位置する、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の中空シャフト。
【請求項6】
前記筒体の径方向外周面は、前記外周部の径方向外周面よりも径方向外側に位置し、
前記位置決め面は、前記外周部の径方向外周面に設けられた磁石をさらに支持する、請求項3又は請求項4に記載の中空シャフト。
【請求項7】
前記筒体の径方向外周面は、前記磁石の径方向外周面よりも径方向内側に位置する、請求項6に記載の中空シャフト。
【請求項8】
前記内周部の前記底板に近い軸方向の端部の径方向外周端と前記底板との間に軸方向の間隙を有する、請求項3に記載の中空シャフト。
【請求項9】
前記内周部の前記底板に近い軸方向の端部の径方向内周端と前記底板との間は、はんだによってはんだ付けされる、請求項8に記載の中空シャフト。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の中空シャフトを備えるモータ。
【請求項11】
請求項10に記載のモータを備える電気製品。
【請求項12】
前記外周部、前記内周部及び前記底部を別体成形するステップと、
前記底部と前記内周部の径方向外周面を一体に組み付けるステップと、
前記内周部を前記外周部の径方向内周面に組み付けるステップと、
を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載の中空シャフトを製造する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、中空シャフト、モータ、電気製品及び中空シャフトの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータにおいて、中空シャフトを使用することがあり、中空シャフトの外周は多角形の形状を有し、磁石を設置するために用いられる。
【0003】
通常、中空シャフトは一体成形して作製され、且つ、切削加工の方式によって該中空シャフトの外周面及び内周面を加工することで、所要の形状を形成する。
【0004】
技術的背景についての上記の説明は、本願発明が解決しようとする課題について明確且つ十全に説明するとともに、当業者の理解を容易にするために叙述したものであるに過ぎない。これらの課題について、本願の背景技術において叙述を行っていることのみを理由に、当業者にとって公知であると見なしてはならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術においては、一体成形された中空シャフトの径方向内周面及び径方向外周面を切削加工しており、比較的多くの工数を費やすことになる。特に、中空シャフトの径方向外周面は、周方向に沿って分布する複数の平面であり、各々の平面はいずれも切削加工を経て形成しなければならず、費やす工数が比較的多い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題のうち少なくとも1つ又は他の類似した課題を解決するため、本願発明の実施例は、中空シャフト、モータ、電気製品及び中空シャフトの製造方法を提供する。該中空シャフトは、別体成形された3つの独立部材を備えており、独立部材に対する加工が比較的簡単であるため、中空シャフトを加工するのに費やされる工数を低減することができる。
【0008】
本願発明の実施例の1つの中空シャフトによれば、筒状であり、外縁が多角形を呈する外周部と、筒状であり、前記外周部の径方向内周面に接触する内周部と、底板と筒体とを備えた底部と、を備え、前記底板の延在方向は、前記軸方向に対して垂直であり、前記筒体は、前記底板の径方向外周端から、前記軸方向の前記外周部に面する方向に沿って延在し、前記筒体の径方向内周面は、前記内周部の径方向外周面と接触し、前記外周部、前記内周部及び前記底部は、別体成形された部材である。
【0009】
本願発明の実施例のもう1つの中空シャフトによれば、前記外周部は、積層プレス成形された多角形の鋼板である。
【0010】
本願発明の実施例のもう1つの中空シャフトによれば、前記底部の前記筒体の軸方向端部は、位置決め面を有し、前記位置決め面は、前記内周部と前記外周部との少なくとも一方を軸方向に支持する。
【0011】
本願発明の実施例のもう1つの中空シャフトによれば、前記内周部は、径方向外周面に段部を有し、前記段部は、軸方向において前記位置決め面に接触する。
【0012】
本願発明の実施例のもう1つの中空シャフトによれば、前記筒体の径方向外周面は、前記外周部の径方向外周面よりも径方向内側に位置する。
【0013】
本願発明の実施例のもう1つの中空シャフトによれば、前記筒体の径方向外周面は、前記外周部の径方向外周面よりも径方向外側に位置し、前記位置決め面は、前記外周部の径方向外周面に設けられた磁石をさらに支持する。
【0014】
本願発明の実施例のもう1つの中空シャフトによれば、前記筒体の径方向外周面は、前記磁石の径方向外周面よりも径方向内側に位置する。
【0015】
本願発明の実施例のもう1つの中空シャフトによれば、前記内周部の前記底板に近い軸方向の端部の径方向外周端と前記底板との間に軸方向の間隙を有する。
【0016】
本願発明の実施例のもう1つの中空シャフトによれば、前記内周部の前記底板に近い軸方向の端部の径方向内周端と前記底板との間は、はんだによってはんだ付けされる。
【0017】
本願発明の実施例は、上述のいずれかの中空シャフトを製造する方法を提供し、前記方法は、前記外周部、前記内周部及び前記底部を別体成形するステップと、前記底部と前記内周部の径方向外周面を一体に組み付けるステップと、前記内周部を前記外周部の径方向内周面に組み付けるステップと、を含む。
【発明の効果】
【0018】
本願発明の実施例において、中空シャフトは、別体成形された3つの独立部材を備えており、独立部材に対する加工が比較的簡単であるため、中空シャフトを加工するのに費やされる工数を低減することができる。
【0019】
後述の説明及び図面を参照すると、本願発明の特定の実施形態を詳細に開示しており、本願発明の原理が採用され得る形態を明示している。本願発明の実施形態は、後述の説明及び図面に開示されているものに限定されない。特許請求の範囲内において、本願発明の実施形態は多くの変更、修正及び均等を含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、本願発明の第1の実施例の中空シャフトの立体概略図である。
【
図2】
図2は、本願発明の第1の実施例の中空シャフトの分解概略図である。
【
図3】
図3は、本願発明の第1の実施例の中空シャフトの軸断面の概略図である。
【
図4】
図4は、本願発明の第2の実施例のモータの立体概略図である。
【
図5】
図5は、本願発明の第2の実施例のモータの軸断面の概略図である。
【
図6】
図6は、本願発明の第3の実施例の中空シャフトの製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照すると、以下の明細書によって、本願発明の前述の特徴及びその他の特徴が明確になる。本願発明を採用可能な一部の実施形態を示している、本願発明の特定の実施形態を、明細書及び図面において具体的に開示している。本願発明は、記述された実施形態に限定されない。逆に、本願発明は、添付された特許請求の範囲に該当するすべての修正、変形及び均等物を含む。
【0022】
以下の説明で使用する各図においては、各構造要素を、図面上で識別可能な程度の大きさにするため、個々の構造要素に応じて縮尺が異なる。本願発明は、これらの図中に記載された構造要素の数、構造要素の形状、構造要素の大きさの比率、及び、各構造要素の相対的位置関係に限定されない。
【0023】
本願発明の実施例において、「第1の」、「第2の」等の用語は、異なる要素を呼称の面から区別するために用いられるが、これらの要素の空間配列又は時間順序等は、限定されない。「及び/又は」という用語は、関連して列挙される用語の1つ又は複数のうちのいずれか1つ及びすべての組み合わせを含む。「を含む」、「を備える」、「を有する」等の用語は、申し述べる特徴、要素、部品又はアセンブリの存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、要素、部品又はアセンブリが存在するか又はそれらを付加することを排除しない。
【0024】
本願発明の実施例においては、「一」、「該」等の単数形は複数形を含んでおり、「一種の」又は「一タイプの」であると広義に理解するべきであり、「1つの」という意味合いに限定するものではない。また、「前記」という用語は、前後で別途明示されていない限り、単数形も複数形も含む。また、前後で別途明示されていない限り、「によれば」という用語は、「少なくとも部分的に……によれば」と理解するべきであり、「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に……に基づいて」と理解するべきである。
【0025】
本願発明の実施例においては、中空シャフトの中心軸に沿って延在する方向又はそれと平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。中心軸を中心とする半径方向を「径方向」と呼ぶ。中心軸を取り囲む方向を「周方向」と呼ぶ。「軸方向」において、底部から内周部を指向する方向を「上」方向と呼び、「上」方向と逆の方向を「下」方向と呼ぶ。本明細書における、各方向についての定義は、本願発明の実施例を説明するための便宜であるに過ぎず、中空シャフト等の、使用及び製造時における方向を限定しない。
【0026】
第1の実施例
【0027】
本願発明の第1の実施例は、中空シャフトを提供する。
【0028】
図1は、本願発明の第1の実施例の中空シャフトの立体概略図である。
図2は、第1の実施例の中空シャフトの分解概略図である。
図3は、第1の実施例の中空シャフトの軸断面の概略図である。
【0029】
図1~
図3に示すように、中空シャフト100は、外周部1、内周部2及び底部3を備える。
図1に示すように、中空シャフト100は、中心軸Cを有する。
【0030】
本実施例では、外周部1、内周部2及び底部3が、別体成形された部材である。
【0031】
ここで、外周部1は筒状であり、且つ、外周部1の外縁11(
図2に示す)が多角形を呈する。例えば、外周部1の径方向外周面は、周方向に沿って連続して分布する複数の平面12(
図2に示す)を備えていてよい。
【0032】
内周部2は筒状であり、外周部1の径方向内周面に接触する。例えば、内周部2は、締まり嵌めによって、外周部1の径方向内周面に接触して設けられる。
【0033】
図3に示すように、底部3は、底板31と筒体32とを備えていてよい。底板31の延在方向は軸方向に対して垂直である。筒体32は、底板31の径方向外周端から、軸方向の外周部1に面する方向に沿って延在する。筒体32の径方向内周面は、内周部2の径方向外周面と接触する。例えば、筒体32の径方向内周面と内周部2の径方向外周面との間は、締まり嵌めによって一体に組み付けられる。
【0034】
本願発明の第1の実施例によれば、中空シャフトは、別体成形された3つの独立部材を備えている。一体成形された中空シャフトに対する加工に比べ、3つの独立部材に対する加工の方が簡単であるため、中空シャフトを加工するのに費やされる工数を低減することができる。
【0035】
本実施例では、外周部1は、積層プレス成形された多角形の鋼板である。これにより、外周部1の径方向外周面を切削加工しなくても、外周部1の径方向外周面に、周方向に沿って連続して分布する複数の平面12を形成することができる。そのため、中空シャフト100を製造するのに費やされる工数を低減することができる。
【0036】
本実施例では、
図1、
図2及び
図3に示すように、底部3の筒体32の軸方向端部は、位置決め面33を有する。位置決め面33は、内周部2を軸方向に支持することができる。例えば、
図2及び
図3に示すように、内周部2の径方向外周面は、段部21を有する。段部21が軸方向において位置決め面33に接触することにより、位置決め面33が内周部2を軸方向に支持するようにする。
【0037】
なお、本実施例は、これに限定されない。
図3に示すように、位置決め面33が、さらに、外周部1を軸方向に支持してもよい。これにより、位置決め面33は、外周部1及び内周部2を軸方向に支持することができる。或いは、内周部2の径方向外周面は、段部21を有さなくてもよい。内周部2の径方向外周面と位置決め面33が軸方向において接触しないことにより、位置決め面33が、軸方向において外周部1を支持するが、内周部2を支持しないようにすることができる。
【0038】
位置決め面33を設けることによって、外周部1、内周部2及び底部3を一体に組み付ける過程において、内周部2及び/又は外周部1を軸方向に位置決めしやすくなる。これにより、寸法管理を簡略化して、位置決め精度を高めることができる。
【0039】
本実施例では、筒体32の径方向外周面は、外周部1の径方向外周面よりも径方向内側に位置してもよい。これにより、筒体32の径方向寸法を制御することができ、且つ、筒体32に対して寸法管理を行いやすい。
【0040】
図3に示すように、外周部1の径方向外周面に磁石4が設けられており、磁石4の数は複数個あってよい。ここで、各磁石4は、外周部1の径方向外周面の各平面12(
図2に示す通り)上に配置することができる。
【0041】
図3に示すように、筒体32の径方向外周面は、外周部1の径方向外周面よりも径方向外側に位置し、且つ、位置決め面33は、さらに磁石4の軸方向端部を支持する。つまり、位置決め面33は、磁石4の軸方向下側の端部を支持する。これにより、磁石4の軸方向の位置決めを行いやすい。
【0042】
本実施例では、筒体32の径方向外周面は、磁石4の径方向外周面よりも径方向内側に位置する、或いは径方向において磁石4の径方向外周面と面一である。これにより、筒体32の径方向寸法を制御することができ、且つ、筒体32に対して寸法管理を行いやすい。
【0043】
本実施例では、
図3に示すように、内周部2の底板31に近い軸方向の端部22(すなわち内周部2の下端)の径方向外周端と底板31との間に軸方向の間隙Aを有している。これにより、内周部2の軸方向下側の端部22が、底板31と接触するのを回避している。内周部2の段部21が、軸方向において位置決め面33と接触することを保証することにより、内周部2に対する軸方向の位置決めを実現することができる。
【0044】
本実施例では、
図3に示すように、内周部2の端部22の径方向内周端と底板31との間は、はんだBによってはんだ付けされている。これにより、内周部2と底部3との連結をより堅固にすることができる。1つの実施形態では、内周部2の段部21が、軸方向において位置決め面33と接触している場合に、はんだBによって内周部2の端部22の径方向内周端と底板31とをはんだ付けすることができる。これにより、内周部2に対する軸方向位置決めを実現することができ、内周部2と底部3との連結をより堅固にすることもできる。
【0045】
本願発明の第1の実施例によれば、中空シャフトは、別体成形された3つの独立部材を備えている。一体成形された中空シャフトに対する加工に比べ、3つの独立部材に対する加工の方が簡単であるため、中空シャフトを加工するのに費やされる工数を低減することができ、製造コストを低減しており、且つ、中空シャフトを製造する生産効率を高めている。
【0046】
第2の実施例
【0047】
第2の実施例は、第1の実施例に記載の中空シャフト100を備えるモータを提供している。中空シャフト100の構造については、第1の実施例において説明しており、その内容がここに取り入れられるので、ここでは説明を省略する。
【0048】
図4は、第2の実施例のモータの立体概略図である。
図5は、第2の実施例のモータの軸断面の概略図である。
【0049】
図4及び
図5に示すように、モータ200は、中空シャフト100を備える。なお、
図5に示すように、中空シャフト100は、外周部1、内周部2及び底部3を備える。モータ200は、磁石4をさらに備える。磁石4は、外周部1の径方向外周面に配置される。なお、
図5中に示すモータ200の他の部品については、関連技術を参照してよい。
【0050】
本実施例のモータは、第1の実施例に記載の中空シャフトの構造を採用しているため、中空シャフトを製造するコストを低減し、且つ、中空シャフトを製造する生産効率を高め、さらにはモータを製造する生産効率を高めることができる。
【0051】
本実施例では、該モータは、電気製品に応用することができる。該電気製品は、例えば、空気調和機の室内機、空気調和機の室外機、給水機、洗濯機、掃除機、圧縮機、送風機、ミキサー等の家電機器である。或いは、該電気製品は、例えば、自動車の電子真空ポンプ、自動車のブレーキ、自動車のトランスミッション等、モータを使用する車載製品であってもよい。或いは、該電気製品は、モータを使用する種々の情報機器、産業機器等であってもよい。
【0052】
第3の実施例
【0053】
本実施例は、第1の実施例に記載の中空シャフト100を製造するために用いることができる中空シャフトの製造方法を提供している。ここで、中空シャフト100の構造については、第1の実施例を参照することができ、その内容がここに取り入れられるので、ここでは説明を省略する。
【0054】
図6は、本願発明の第3の実施例の中空シャフトの製造方法のフローチャートである。少なくとも1つの実施例においては、
図6に示すように、中空シャフトの製造方法は、外周部1、内周部2及び底部3を別体成形するステップ601と、内周部2を外周部1の径方向内周面に組み付け、底部3の筒体32と内周部2の径方向外周面とを組み付けるステップ602と、を含んでいてよい。
【0055】
ここで、ステップ602において、まず、底部3と内周部2の径方向外周面を一体に組み付けた後、内周部2を外周部1の径方向内周面に組み付けてもよい。
【0056】
なお、上述の製造方法においては、中空シャフト100を製造する他のステップをさらに含むことができる。該他のステップについては関連技術を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0057】
本実施例の中空シャフトの製造方法によれば、外周部1、内周部2及び底部3を別体成形した後、これら3つの別体成形された独立部材を組み立てる。一体成形された中空シャフトに対する加工に比べ、3つの独立部材に対する加工の方が簡単であるため、中空シャフトを加工するのに費やされる工数を低減することができ、製造コストを低減しており、且つ、中空シャフトを製造する生産効率を高めている。
【0058】
以上、具体的な実施形態を結び付けて本願発明について記述したが、これらの記述はいずれも例示的なものであり、本願の特許請求の範囲に対する限定ではない。当業者は本願発明の趣旨と原理に基づいて本願発明に対して種々の変形や修正を行うことができ、これらの変形や修正も本願の特許請求の範囲内にある。