(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158985
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】モータ及び電気製品
(51)【国際特許分類】
H02K 29/08 20060101AFI20221006BHJP
H02K 11/01 20160101ALI20221006BHJP
H02K 11/215 20160101ALI20221006BHJP
H02K 5/22 20060101ALI20221006BHJP
H02K 3/52 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
H02K29/08
H02K11/01
H02K11/215
H02K5/22
H02K3/52 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022037028
(22)【出願日】2022-03-10
(31)【優先権主張番号】202110346391.2
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】村上 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】車 紅▲る▼
【テーマコード(参考)】
5H019
5H604
5H605
5H611
【Fターム(参考)】
5H019BB01
5H019BB05
5H019BB19
5H019BB22
5H019CC03
5H019DD01
5H604BB01
5H604BB10
5H604BB14
5H604BB16
5H604CC01
5H604CC05
5H604CC16
5H604QB04
5H604QB16
5H605AA11
5H605BB05
5H605BB10
5H605BB14
5H605CC01
5H605EC20
5H611AA01
5H611BB01
5H611BB07
5H611BB08
5H611QQ03
5H611RR02
5H611UA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】バスバーがホール素子に対して発生させる電磁障害を低減し、ホール素子の磁気検知精度を高めることができるモータの提供。
【解決手段】モータは、ロータ10と、ロータ10と径方向に対向して配置されるステータ20と、ロータ10の軸方向一方側に位置する軸受ホルダ30と、軸受ホルダ30の軸方向一方側に位置するバスバーホルダ40と、ロータ10、ステータ20、軸受ホルダ30及びバスバーホルダ40を収容するハウジング50と、を有し、軸受ホルダ30の軸方向一方側に誘導磁気ループMが配置され、バスバーホルダ40は、内部にバスバー41を封入し、バスバーホルダ40の軸方向他方側の面に回路基板42が配置され、回路基板42の軸方向他方側の面にホール素子Hが配置され、ホール素子Hとバスバー41とは、周方向において異なる位置に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータと、
前記ロータと径方向に対向して配置されるステータと、
前記ロータの軸方向一方側に位置する軸受ホルダと、
前記軸受ホルダの軸方向一方側に位置するバスバーホルダと、
前記ロータ、前記ステータ、前記軸受ホルダ及び前記バスバーホルダを収容するハウジングと、
を有し、
前記軸受ホルダの軸方向一方側に誘導磁気ループが配置され、
前記バスバーホルダは、内部にバスバーを封入し、
前記バスバーホルダの軸方向他方側の面に回路基板が配置され、
前記回路基板の軸方向他方側の面にホール素子が配置され、
前記ホール素子と前記バスバーとは、周方向において異なる位置に配置される、モータ。
【請求項2】
前記回路基板は、軸方向において前記誘導磁気ループと前記バスバーとの間に位置する、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記バスバーの数は、少なくとも3つであり、
各々の前記バスバーは、周方向に並んで配置されるとともに周方向に間隙を有し、
前記ホール素子は、前記回路基板の軸方向他方側の面の前記間隙に対応する位置に配置される、請求項1又は請求項2に記載のモータ。
【請求項4】
前記バスバーの数は3つであり、そのうち第1のバスバーと第2のバスバー及び第3のバスバーとは、周方向に並んで配置され、
前記第2のバスバーと前記第3のバスバーとは、軸方向において部分的に重なり合い、
3つの前記バスバーは、周方向に間隙を有し、
前記ホール素子は、前記回路基板の軸方向他方側の面の前記間隙に対応する位置に配置される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項5】
前記第1のバスバーは、接続端子であるV端子及びW端子を有し、
前記第2のバスバーは、接続端子であるU端子及びV端子を有し、
前記第3のバスバーは、接続端子であるW端子及びU端子を有し、
前記間隙は、前記第1のバスバーのV端子と前記第3のバスバーのU端子との間に設けられ、
前記第1のバスバーのW端子と前記第2のバスバーのU端子とは隣接し、
前記第2のバスバーのV端子と前記第3のバスバーのW端子とは隣接する、請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記ステータは、コイルを有し、
前記ホール素子は3つであり、前記コイルのW相、U相及びV相にそれぞれ対応し、
前記W相に対応する前記ホール素子、前記V相に対応する前記ホール素子、及び前記U相に対応する前記ホール素子は、前記間隙に対応する位置に、周方向に沿って反時計回りに配置される、請求項5に記載のモータ。
【請求項7】
前記3つのホール素子は、前記回路基板において、前記バスバーより径方向内側に配置される、請求項6に記載のモータ。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか一項に記載のモータを備える電気製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、モータ及び電気製品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のモータ構造においては、回路基板がバスバーの軸方向下側に位置しており、回路基板のバスバーと反対側の面にホール素子が設けられている。
【0003】
技術的背景についての上記の説明は、本願の技術的解決策について明確且つ十全に説明するとともに、当業者の理解を容易にするために叙述したものであるに過ぎないことには留意しなければならない。これらの解決策が本願の背景技術部分において叙述を行っていることのみを理由に、上記の技術的解決策が当業者にとって公知であると見なしてはならない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明者は、従来の構造において、ホール素子がバスバーの径方向内側に位置し、バスバーと比較的近いため、バスバーに通電する際にバスバーが発生させる電磁障害が、ホール素子の磁気検知精度に影響をもたらし、ホール素子の磁気検知精度を低下させ得ることを見出した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するため、本願発明の実施例は、モータ及び電気製品を提供する。
【0006】
本願発明の実施例の1つのモータによれば、ロータと、前記ロータと径方向に対向して配置されるステータと、前記ロータの軸方向一方側に位置する軸受ホルダと、前記軸受ホルダの軸方向一方側に位置するバスバーホルダと、前記ロータ、前記ステータ、前記軸受ホルダ及び前記バスバーホルダを収容するハウジングと、を有し、前記軸受ホルダの軸方向一方側に誘導磁気ループが配置され、前記バスバーホルダは、内部にバスバーを封入し、前記バスバーホルダの軸方向一方側の面に回路基板が配置され、前記回路基板の軸方向他方側の面にホール素子が配置され、前記ホール素子と前記バスバーとは、周方向において異なる位置に配置される。
【0007】
いくつかの実施例では、前記回路基板は、軸方向において前記誘導磁気ループと前記バスバーとの間に位置する。
【0008】
いくつかの実施例では、前記バスバーの数は少なくとも3つであり、各々の前記バスバーは、周方向に並んで配置されるとともに周方向に間隙を有し、前記ホール素子は、前記回路基板の軸方向他方側の面の前記間隙に対応する位置に配置される。
【0009】
いくつかの実施例では、前記バスバーの数は3つであり、そのうち第1のバスバーと第2のバスバー及び第3のバスバーとは、周方向に並んで配置され、前記第2のバスバーと前記第3のバスバーとは、軸方向において部分的に重なり合い、3つの前記バスバーは、周方向に間隙を介して配置され、前記ホール素子は、前記回路基板の軸方向他方側の面の前記間隙に対応する位置に配置される。
【0010】
いくつかの実施例では、前記第1のバスバーは、接続端子であるV端子及びW端子を有し、前記第2のバスバーは、接続端子であるU端子及びV端子を有し、前記第3のバスバーは、接続端子であるW端子及びU端子を有し、前記間隙は、前記第1のバスバーのV端子と前記第3のバスバーのU端子との間に設けられ、前記第1のバスバーのW端子と前記第2のバスバーのU端子とは、隣接し、前記第2のバスバーのV端子と前記第3のバスバーのW端子とは、隣接する。
【0011】
いくつかの実施例では、前記ステータは、コイルを有し、前記ホール素子は3つであり、前記コイルのW相、U相及びV相にそれぞれ対応し、前記W相に対応するホール素子、前記V相に対応するホール素子、及び前記U相に対応するホール素子は、前記間隙に対応する位置に、周方向に沿って反時計回りに配置される。
【0012】
いくつかの実施例では、前記3つのホール素子は、前記回路基板において、前記バスバーより径方向内側に配置される。
【0013】
本願発明の実施例のもう1つの実施例は、前述のいずれか1つの実施例に記載のモータを有する電気製品を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本願発明の実施例において、ホール素子をバスバーから可能な限り離して配置することによって、バスバーに通電した際に、バスバーがホール素子に対して発生させる電磁障害を低減し、ホール素子の磁気検知精度を高めることができる。
【0015】
後述の説明及び図面を参照すると、本願発明の特定の実施形態を詳細に開示しており、本願発明の原理が採用され得る形態を明示している。本願発明の実施形態は、後述の説明及び図面に開示されているものに限定されない。添付された特許請求の範囲内において、本願発明の実施形態は多くの変更、修正及び均等を含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本願発明の第1の実施例のモータの断面図である。
【
図2】
図2は、
図1に示すモータの斜視図であって、ハウジング及びバスバーホルダの樹脂部分を取り除いた状態を示す図である。
【
図3】
図3は、
図1に示すモータを軸方向一方側から見た図である。
【
図4】
図4は、
図1に示すモータを軸方向一方側から見た図であって、バスバーホルダの樹脂部分を取り除いた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図面を参照すると、以下の明細書によって、本願発明の前述の特徴及びその他の特徴が明確になる。本願発明を採用可能な一部の実施形態を示している、本願発明の特定の実施形態を、明細書及び図面において具体的に開示している。本願発明は、記述された実施形態に限定されない。本願発明は、添付された特許請求の範囲に該当するすべての修正、変形及び均等物を含む。
【0018】
本願発明の実施例においては、「及び/又は」という用語は、関連して列挙される用語の1種又は複数のうちのいずれか1つ及びすべての組み合わせを含む。「を含む」、「を備える」、「を有する」等の用語は、申し述べる特徴、要素、部品又はアセンブリの存在を指すが、1つ又は複数の他の特徴、要素、部品又はアセンブリが存在するか又はそれらを付加することを排除しない。
【0019】
本願発明の実施例においては、「一」、「該」等の単数形は複数形を含んでいてよく、「一種の」又は「一タイプの」であると広義に理解するべきであり、「1つの」という意味合いに限定するものではない。また、「前記」という用語は、前後で別途明示されていない限り、単数形も複数形も含む。また、前後で別途明示されていない限り、「によれば」という用語は「少なくとも部分的に……によれば」と理解するべきであり、「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に……に基づいて」と理解するべきである。
【0020】
なお、本願発明の下記説明においては、説明の都合のために、モータの中心軸Oに沿って延在する方向又はそれと平行な方向を「軸方向」と呼ぶ。モータハウジングの底部からモータハウジングの開口を指向する方向を「上方」又は「上側」又は「軸方向上側」又は「軸方向一方側」と呼ぶ。モータハウジングの開口からモータハウジングの底部を指向する方向を「下方」又は「下側」又は「軸方向下側」又は「軸方向他方側」と呼ぶ。中心軸Oを中心とする半径方向を「径方向」と呼ぶ。中心軸Oに近づく方向を「径方向内側」と呼ぶ。中心軸Oから離れる方向を「径方向外側」と呼ぶ。中心軸Oを取り囲む方向を「周方向」と呼ぶ。ただし、これらは説明の都合のためであるに過ぎず、モータの使用及び製造時の向きを限定しない。
【0021】
以下、図面を参照し、本願発明の実施例の実施形態について説明する。
【0022】
第1の実施例
【0023】
本願発明の第1の実施例は、モータを提供する。
【0024】
図1は、本願発明の第1の実施例のモータの断面図である。
図1は、軸方向に沿って切り開いた状態の該モータを示している。
図2は、
図1に示すモータの斜視図であって、ハウジング及びバスバーホルダの樹脂部分を取り除いた状態を示す図である。
図1及び
図2に示すように、本願発明の第1の実施例のモータは、ロータ10と、ロータ10と径方向に対向して配置されたステータ20と、ロータ10の軸方向一方側に位置する軸受ホルダ30と、軸受ホルダ30の軸方向一方側に位置するバスバーホルダ40と、ロータ10、ステータ20、軸受ホルダ30及びバスバーホルダ40を収容する略筒状のハウジング50と、を有する。ステータ20は、導線等から構成される少なくとも1つのコイルを有する。本実施例において、ステータ20は、複数のコイルを有する。
【0025】
本願発明の第1の実施例においては、
図1及び
図2に示すように、軸受ホルダ30の、バスバーホルダ40に面する側(軸方向上側、つまり軸方向一方側)に誘導磁気ループMが配置されている。誘導磁気ループMは、バスバーホルダ40の軸方向一方側において、ロータ10に取り付けられている。バスバーホルダ40は、内部にバスバー41を封入している。バスバーホルダ40の、軸受ホルダ30に面する側の表面(軸方向下側表面、つまり軸方向他方側の面)に回路基板42が配置されている。回路基板42の、軸受ホルダ30に面する側の表面(軸方向下側表面、つまり軸方向他方側の面)にホール素子Hが配置されている。ホール素子Hは、誘導磁気ループMによって生じ、ロータ10の回転に応じて変化する磁気を検知する。
【0026】
本願発明の第1の実施例において、ホール素子Hとバスバー41とは、周方向において異なる位置に配置される。つまり、
図2に示すように、ホール素子Hは、バスバー41の径方向内側の位置に配置されていない。ホール素子Hは、バスバー41の径方向内側の位置と、周方向において一定の距離だけずらして配置されている。例えば、ホール素子Hの元来の設置位置に対し、該ホール素子Hは周方向に一定の距離だけ偏倚しており、ホール素子Hがバスバー41の径方向内側に位置しない。つまり、該ホール素子Hは、バスバー41から可能な限り離れている。これにより、バスバー41に通電した際に、バスバー41のホール素子Hに対して発生させる電磁障害を低減し、ホール素子Hの磁気検知精度を高めている。
【0027】
以上は、該モータの構造について例を挙げて説明したものに過ぎず、該モータはさらに、例えば軸受60など、他の通常のアセンブリを備えていてよく、関連技術を具体的に参照してよい。
【0028】
いくつかの実施例では、
図1に示すように、回路基板42は、軸方向において誘導磁気ループMとバスバー41との間に位置する。回路基板42を誘導磁気ループMとバスバー41との間に配置することによって、バスバー41に通電した際に、バスバー41が回路基板42に設けられた他の電子部品に対して発生させる電磁障害を低減し、モータの軸方向寸法を短くすることができる。
【0029】
図3は、
図1に示すモータを軸方向一方側から見た図である。つまり、
図3は、軸方向上側から該モータを見た状態を示している。
図4は、
図1に示すモータを軸方向一方側から見た図であって、バスバーホルダの樹脂部分を取り除いた状態を示す図である。つまり、
図4は、軸方向上側から該モータを見た状態を示しており、且つ、バスバー41とホール素子Hの設置位置H’とを示している。
【0030】
いくつかの実施例では、
図2及び
図4に示すように、バスバー41の数は少なくとも3つである。各々のバスバー41は、周方向に並んで配置されるとともに、周方向に間隙Gを有している。言い換えると、隣り合うバスバー41同士の間には、間隙Gが構成される。ホール素子Hは、回路基板42の軸受ホルダ30に面する側の表面(軸方向下側表面、つまり軸方向他方側の面)の間隙Gに対応する位置に配置される。
【0031】
図4に示すように、本実施例では、バスバー41の数は3つであり、そのうち第1のバスバー41-1と第2のバスバー41-2及び第3のバスバー41-3とは、周方向に並んで配置される。第2のバスバー41-2と第3のバスバー41-3とは、軸方向において部分的に重なり合う。3つのバスバー41は、周方向に間隙Gを有する。ホール素子Hは、回路基板42の軸受ホルダ30に面する側の表面(軸方向下側表面、つまり軸方向他方側の面)の、間隙Gに対応する位置に配置される。なお、バスバー41の数は、3つに限られず、4つ以上であってもよい。
【0032】
これにより、ホール素子Hをバスバー41から可能な限り離して配置し、バスバー41に通電した際に、バスバー41がホール素子Hに対して発生させる電磁障害をさらに低減し、ホール素子Hの磁気検知精度を高めることができる。
【0033】
本実施例では、
図4に示すように、第1のバスバー41-1は、V端及びW端という2つの接続端子を有する。第1のバスバー41-1は、V端子及びW端子を有する。第2のバスバー41-2は、2つの接続端子を有する。第2のバスバー41-2は、U端子及びV端子を有する。第3のバスバー41-3は、2つの接続端子を有する。第3のバスバー41-3は、W端子及びU端子を有する。各バスバーのW端子は、W相を構成するコイルから引き出された導線と電気的に接続される。各バスバーのV端子は、V相を構成するコイルから引き出された導線と電気的に接続される。各バスバーのU端子は、U相を構成するコイルから引き出された導線と電気的に接続される。ここで、第1のバスバー41-1のV端子と第3のバスバー41-3のU端子との間には、間隙Gが設けられる。第1のバスバー41-1のW端子と第2のバスバー41-2のU端子とは、隣接する。第2のバスバー41-2のV端子と第3のバスバー41-3のW端子とは、隣接する。
【0034】
これにより、バスバー41に通電した際に、バスバー41がホール素子Hに対して発生させる電磁障害をさらに低減することができる。
【0035】
本実施例では、
図4に示すように、ホール素子Hは3つ設けられる。コイルのW相、U相及びV相にそれぞれ対応するホール素子Hを、
図4においてHw、Hu及びHvとして示している。ここで、W相に対応するホール素子Hw、V相に対応するホール素子Hv、及びU相に対応するホール素子Huは、間隙Gに対応する位置に、周方向に沿って反時計回りに配置される。
【0036】
これにより、バスバー41に通電した際に、バスバー41がホール素子Hに対して発生させる電磁障害をより低減することができる。
【0037】
本実施例では、
図1に示すように、ホール素子Hは、回路基板42の径方向内側の、バスバー41から離れた位置に配置される。つまり、前記ホール素子Hは、回路基板42において、バスバー41よりも径方向内側に配置される。例えば、
図4に示すように、ホール素子Hw、Hu及びHvは、同じ径方向位置(つまり、これら3つのホール素子Hは、中心軸Oからの距離が等しい)にあり、且つ、周方向において異なる位置に配置されており、径方向においてバスバー41から離れている。
【0038】
これにより、バスバー41に通電した際に、バスバー41がホール素子Hに対して発生させる電磁障害をより低減することができる。
【0039】
上記実施例においては、ホール素子Hおよびバスバー41の径方向位置が、異なる場合を例にしている(つまり、バスバー41の径方向位置に対し、ホール素子Hは径方向内側寄りである)が、本願発明はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施例では、ホール素子Hおよびバスバー41の径方向位置が、同じであってもよい。つまり、中心軸Oからホール素子Hまでの距離が、中心軸Oからバスバー41までの距離と同じである。これにより、バスバー41が形成する間隙Gにホール素子Hが配置される。そのため、バスバー41に通電した際に、バスバー41がホール素子Hに対して発生させる電磁障害を低減することができる。
【0040】
以上は、本願発明に関連するモータの構成について例示的説明を行ったものに過ぎず、本願発明はこれに限定されない。各実施例をベースに適当な変形を行ってもよい。また、各部材についても例示的説明を行ったものに過ぎず、本願発明はこれに限定されない。各部材の具体的内容については、関連技術を参照してもよい。また、
図1~
図4に示していない部材を追加するか、或いは、
図1~
図4中の1つ又は複数の部材を減らしてもよい。モータの他の構成及び構造については、関連技術を参照することができ、ここでは説明を省略する。
【0041】
本願発明の実施例によれば、ホール素子をバスバーから可能な限り離して配置することによって、バスバーに通電した際に、バスバーがホール素子に対して発生させる電磁障害を低減し、ホール素子の磁気検知精度を高めることができる。
【0042】
第2の実施例
【0043】
本願発明の第2の実施例は、第1の実施例に記載のモータを有する電気製品を提供する。第1の実施例において、該モータの構造について詳しく説明しており、その内容がここに取り入れられるので、ここでは説明を省略する。
【0044】
本願発明の第2の実施例においては、該電気製品は、モータを備える任意の電気機器であってよい。例えば、該電気製品は、空気調和機の室内機、空気調和機の室外機、給水機、洗濯機、掃除機、圧縮機、送風機、ミキサー等の家電機器である。或いは、該電気製品は、ポンプ、コンベア、エレベータ、標準工業用汎用マウンター、風力発電機、磨砕機、トラクションモータ等の工業機器又は各種情報処理機器であってもよい。該電気製品は、自動車の電気式パワーステアリングシステム、自動車のサンルーフ調節部材、シート調節部材、トランスミッション、ブレーキ装置など、自動車の各部材であってもよい。
【0045】
以上、具体的な実施形態を結び付けて本願発明について記述したが、これらの記述はいずれも例示的なものであり、本願発明の特許請求の範囲に対する限定ではない。当業者は、本願発明の趣旨と原理に基づいて本願発明に対して種々の変形や修正を行うことができ、これらの変形や修正も本願発明の特許請求の範囲内にある。
【0046】
以上、図面を参照して本願発明の好ましい実施形態について記述した。これらの実施形態の多くの特徴及び利点は、該詳細な明細書によると明白である。従って、添付された特許請求の範囲は、これらの実施形態の、真の趣旨及び範囲に該当するこれらの特徴及び利点をすべてカバーする。なお、当業者は多くの修正及び変更を容易に想到するため、本願発明の実施形態を、例示及び記述された精確な構造及び操作に限定するのではなく、その特許請求の範囲に該当する適当な修正及び均等物をすべて包含することができる。