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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022158992
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】電力変換装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 3/155 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
H02M3/155 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022038058
(22)【出願日】2022-03-11
(31)【優先権主張番号】P 2021062106
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】594158150
【氏名又は名称】学校法人君が淵学園
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100163496
【弁理士】
【氏名又は名称】荒 則彦
(74)【代理人】
【識別番号】100169694
【弁理士】
【氏名又は名称】荻野 彰広
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 友一
(72)【発明者】
【氏名】西嶋 仁浩
【テーマコード(参考)】
5H730
【Fターム(参考)】
5H730AA02
5H730AS04
5H730AS05
5H730BB13
5H730BB14
5H730BB57
5H730BB61
5H730BB82
5H730BB88
5H730DD04
5H730EE13
5H730EE58
5H730FD51
5H730FG05
(57)【要約】
【課題】ZVSアシスト回路のデバイス選定の自由度を高め、ZVSアシスト回路における共振電流のリセット期間を短くしてメインスイッチのターンオフ損失を低減することができる電力変換装置を提供する。
【解決手段】メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、カップルドインダクタの2次巻線と第1整流素子と補助スイッチ素子との第1直列回路と、カップルドインダクタの3次巻線と第2整流素子との第2直列回路と、第1直列回路と第2直列回路とが接続された補助コンデンサとを含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、を備え、2次巻線と3次巻線とは別体であり、第1直列回路と第2直列回路とが補助コンデンサに並列に接続された構成、または、3次巻線が2次巻線と統合されている構成である、電力変換装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、
前記カップルドインダクタの2次巻線と第1整流素子と補助スイッチ素子との第1直列回路と、前記カップルドインダクタの3次巻線と第2整流素子との第2直列回路と、前記第1直列回路と前記第2直列回路とが接続された補助コンデンサとを含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、
を備え、
前記2次巻線と前記3次巻線とは別体であり、前記第1直列回路と前記第2直列回路とが前記補助コンデンサに並列に接続された構成、または、前記3次巻線が前記2次巻線と統合されている構成である、
電力変換装置。
【請求項2】
さらに、制御部を備え、
前記制御部は、前記補助スイッチ素子をオンにした後、前記メインスイッチ素子をオンにし、その後、前記補助スイッチ素子をオフにした後または前記補助スイッチ素子をオフにしたのと同時に、前記メインスイッチ素子をオフにする、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記3次巻線または前記カップルドインダクタの補助巻線の電圧と、前記補助コンデンサの電圧を用いて、前記メインスイッチ素子のオンタイミングを決定する、
請求項2記載の電力変換装置。
【請求項4】
前記コンバータは、昇圧コンバータまたは降圧コンバータであり、
前記第2整流素子の電圧から整流ダイオードを介して定電圧源を得る、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項5】
前記メインスイッチ素子と前記メイン整流素子とを含む多相の系統を有しており、
前記共振アシスト回路は、前記多相に対応する多相共振アシスト回路である、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電力変換装置。
【請求項6】
前記多相共振アシスト回路では、前記補助コンデンサと前記第2整流素子との一方または両方が、少なくとも2つの相で共用されている、
請求項5に記載の電力変換装置。
【請求項7】
メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、
第1整流素子と第1補助コンデンサとの第1直列回路と、第2補助コンデンサと第2整流素子との第2直列回路と、前記カップルドインダクタの2次巻線と補助スイッチ素子とを含み前記第1直列回路と前記第2直列回路が並列に接続される第3直列回路と、前記第1整流素子のアノードと前記第2整流素子のカソードとの間に配置される第3整流素子と、を含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、
を備える電力変換装置。
【請求項8】
メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、
第1整流素子と第1補助コンデンサとの第1直列回路と、第2補助コンデンサと第2整流素子との第2直列回路と、第3整流素子と第3補助コンデンサと第4整流素子との第3直列回路と、前記カップルドインダクタの2次巻線と補助スイッチ素子とを含み前記第1直列回路と前記第2直列回路と前記第3直列回路が並列に接続される第4直列回路と、前記第1整流素子のアノードと前記第4整流素子のカソードとの間に配置される第5整流素子と、前記第2整流素子のカソードと前記第3整流素子のアノードとの間に配置される第6整流素子と、を含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、
を備える電力変換装置。
【請求項9】
メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含み、前記1次巻線の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、
閉ループ回路による共振アシスト回路と、
を備え、
前記閉ループ回路は、
前記カップルドインダクタの2次巻線と、第1整流素子と、前記1次巻線の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチとの第1直列回路と、
前記カップルドインダクタの3次巻線と第2整流素子との第2直列回路と、
前記第1直列回路と前記第2直列回路とが接続された第1補助コンデンサと、を含み、
前記2次巻線と前記3次巻線とは別体であり、前記第1直列回路と前記第2直列回路とが前記第1補助コンデンサに並列に接続された構成、または、前記3次巻線が前記2次巻線と統合されている構成であり、
さらに、前記閉ループ回路は、
第3整流素子と、前記1次巻線の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチと、前記2次巻線との第3直列回路と、
前記3次巻線と第4整流素子との第4直列回路と、
前記第3直列回路と前記第4直列回路とが接続され、且つ、前記第1補助コンデンサと接続された第2補助コンデンサと、を含み、
前記2次巻線と前記3次巻線とは別体であり、前記第3直列回路と前記第4直列回路とが前記第2補助コンデンサに並列に接続された構成、または、前記3次巻線が前記2次巻線と統合されている構成である、
電力変換装置。
【請求項10】
メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、
前記カップルドインダクタの2次巻線と第1整流素子と補助スイッチ素子との直列回路を含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、
前記カップルドインダクタの補助巻線の電圧を用いて、前記メインスイッチ素子のオンタイミングを決定する制御部と、
を備える電力変換装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記補助スイッチ素子をオンにした後、前記補助巻線の電圧により前記メインスイッチ素子をオンにし、その後、前記補助スイッチ素子をオフにした後または前記補助スイッチ素子をオフにしたのと同時に、前記メインスイッチ素子をオフにする、
請求項10に記載の電力変換装置。
【請求項12】
さらに、第2制御部を備え、
前記第2制御部は、前記1次巻線の励磁電流の還流動作を担っているスイッチ素子である前記メイン整流素子に、前記メインスイッチ素子と短絡防止期間を設けた対になるオン/オフ動作をさせ、前記補助スイッチ素子をオンにした後、前記メイン整流素子の電流が任意の負電流値になったとき、前記メイン整流素子をオフにする、
請求項11に記載の電力変換装置。
【請求項13】
メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、
前記カップルドインダクタの2次巻線と第1整流素子と補助スイッチ素子との直列回路を含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、
を備え、
前記コンバータは、昇降圧コンバータ、フライバックコンバータ、または、降圧型コンバータのうちのいずれかであり、
前記2次巻線の電圧から整流ダイオードを介して定電圧源を得る、
電力変換装置。
【請求項14】
メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含み、前記1次巻線の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、
前記カップルドインダクタの正側2次巻線と、第1整流素子と、前記1次巻線の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチとを含む第1閉ループ回路、および、前記カップルドインダクタの負側2次巻線と、第2整流素子と、前記1次巻線の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチとを含む第2閉ループ回路による共振アシスト回路と、
前記カップルドインダクタの補助巻線の電圧を用いて、前記メインスイッチ素子のオンタイミングを決定する制御部と、
を備える電力変換装置。
【請求項15】
メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含み、前記1次巻線の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、
前記カップルドインダクタの2次巻線と、前記1次巻線の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチに並列接続された第1整流素子と、前記1次巻線の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチに並列接続された第2整流素子とを含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、
前記カップルドインダクタの補助巻線の電圧を用いて、前記メインスイッチ素子のオンタイミングを決定する制御部と、
を備える、
電力変換装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記1次巻線の励磁電流の還流動作を担っているスイッチ素子であるメイン整流素子に、前記メインスイッチ素子と短絡防止期間を設けた対になるオン/オフ動作をさせ、前記第1補助スイッチまたは前記第2補助スイッチのいずれか一方をオンにした後、前記メイン整流素子の電流が任意の負電流値になったとき、前記メイン整流素子をオフにする、
請求項15に記載の電力変換装置。
【請求項17】
メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含み、前記1次巻線の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、
前記カップルドインダクタの2次巻線と、第1整流素子と、前記1次巻線の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチとを含む第1閉ループ回路、および、前記カップルドインダクタの2次巻線と、第2整流素子と、前記1次巻線の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチとを含む第2閉ループ回路による共振アシスト回路と、
を備える電力変換装置。
【請求項18】
トーテムポールPFCに適用され、
前記2次巻線と前記第1整流素子と前記第1補助スイッチによる直列回路の間に前記トーテムポールPFCの正側のACダイオードが接続され、
前記2次巻線と前記第2整流素子と前記第2補助スイッチによる直列回路の間に前記トーテムポールPFCの負側のACダイオードが接続される、
請求項17に記載の電力変換装置。
【請求項19】
単相交流入力に接続されたデュアル・ブーストPFCに適用され、
前記メインスイッチ素子と前記メイン整流素子とを含む二つの昇圧回路を有しており、
前記共振アシスト回路は、前記二つの昇圧回路に対応しており、
前記共振アシスト回路では、前記補助スイッチ素子が、共用されている、
請求項1に記載の電力変換装置。
【請求項20】
メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、前記カップルドインダクタの2次巻線と第1整流素子と補助スイッチ素子との直列回路を含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、を備える電力変換装置であって、
単相交流入力に接続されたデュアル・ブーストPFCに適用される前記メインスイッチ素子と前記メイン整流素子とを含む二つの昇圧回路を有しており、
前記共振アシスト回路は、前記二つの昇圧回路に対応しており、
前記共振アシスト回路では、前記補助スイッチ素子が、共用されている、
電力変換装置。
【請求項21】
前記カップルドインダクタの補助巻線の電圧を用いて、前記メインスイッチ素子のオンタイミングを決定する制御部を備える、
請求項20に記載の電力変換装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電力変換装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ZVS(Zero Voltage Switching)回路が知られている。
ZVS回路は、ソフトスイッチング方式により、スイッチ素子の印加電圧が0Vになった状態でスイッチ素子のオン/オフを切り替える。
【0003】
特許文献1には、ZVSアシスト回路を備えた昇圧コンバータおよび降圧コンバータが記載されている(特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11-127575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献に記載されたZVSアシスト回路では、共振電流のリセット期間が長いため、メインスイッチ(例えば、特許文献1に記載されたスイッチ101、102)のターンオフ損失が増加する場合があった。
【0006】
本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、ZVSアシスト回路のデバイス選定の自由度を高め、ZVSアシスト回路における共振電流のリセット期間を短くしてメインスイッチのターンオフ損失を低減することができる電力変換装置を提供することを課題とする。
また、本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、準ZVSアシスト回路のデバイス選定の自由度を高め、準ZVSアシスト回路における共振電流のリセット期間を短くしてメインスイッチのターンオフ損失を低減することができる電力変換装置を提供することを課題とする。
【0007】
さらに、本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、ZVSアシスト回路を備える電力変換装置であって、有効な制御回路を備える電力変換装置を提供することを目的とする。
さらに、本開示は、このような事情を考慮してなされたもので、準ZVSアシスト回路を備える電力変換装置であって、有効な制御回路を備える電力変換装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様は、メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、前記カップルドインダクタの2次巻線と第1整流素子と補助スイッチ素子との第1直列回路と、前記カップルドインダクタの3次巻線と第2整流素子との第2直列回路と、前記第1直列回路と前記第2直列回路とが接続された補助コンデンサとを含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、を備え、前記2次巻線と前記3次巻線とは別体であり、前記第1直列回路と前記第2直列回路とが前記補助コンデンサに並列に接続された構成、または、前記3次巻線が前記2次巻線と統合されている構成である、電力変換装置である。
【0009】
本開示の一態様は、メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、第1整流素子と第1補助コンデンサとの第1直列回路と、第2補助コンデンサと第2整流素子との第2直列回路と、前記カップルドインダクタの2次巻線と補助スイッチ素子とを含み前記第1直列回路と前記第2直列回路が並列に接続される第3直列回路と、前記第1整流素子のアノードと前記第2整流素子のカソードとの間に配置される第3整流素子と、を含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、を備える電力変換装置である。
【0010】
本開示の一態様は、メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、第1整流素子と第1補助コンデンサとの第1直列回路と、第2補助コンデンサと第2整流素子との第2直列回路と、第3整流素子と第3補助コンデンサと第4整流素子との第3直列回路と、前記カップルドインダクタの2次巻線と補助スイッチ素子とを含み前記第1直列回路と前記第2直列回路と前記第3直列回路が並列に接続される第4直列回路と、前記第1整流素子のアノードと前記第4整流素子のカソードとの間に配置される第5整流素子と、前記第2整流素子のカソードと前記第3整流素子のアノードとの間に配置される第6整流素子と、を含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、を備える電力変換装置である。
【0011】
本開示の一態様は、メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含み、前記1次巻線の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、閉ループ回路による共振アシスト回路と、を備え、前記閉ループ回路は、前記カップルドインダクタの2次巻線と、第1整流素子と、前記1次巻線の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチとの第1直列回路と、前記カップルドインダクタの3次巻線と第2整流素子との第2直列回路と、前記第1直列回路と前記第2直列回路とが接続された第1補助コンデンサと、を含み、前記2次巻線と前記3次巻線とは別体であり、前記第1直列回路と前記第2直列回路とが前記第1補助コンデンサに並列に接続された構成、または、前記3次巻線が前記2次巻線と統合されている構成であり、さらに、前記閉ループ回路は、第3整流素子と、前記1次巻線の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチと、前記2次巻線との第3直列回路と、前記3次巻線と第4整流素子との第4直列回路と、前記第3直列回路と前記第4直列回路とが接続され、且つ、前記第1補助コンデンサと接続された第2補助コンデンサと、を含み、前記2次巻線と前記3次巻線とは別体であり、前記第3直列回路と前記第4直列回路とが前記第2補助コンデンサに並列に接続された構成、または、前記3次巻線が前記2次巻線と統合されている構成である、電力変換装置である。
【0012】
本開示の一態様は、メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、前記カップルドインダクタの2次巻線と第1整流素子と補助スイッチ素子との直列回路を含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、補助巻線の電圧を用いて、前記メインスイッチ素子のオンタイミングを決定する制御部と、を備える電力変換装置である。
【0013】
本開示の一態様は、メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、前記カップルドインダクタの2次巻線と第1整流素子と補助スイッチ素子との直列回路を含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、を備え、前記コンバータは、昇降圧コンバータ、フライバックコンバータ、または、降圧型コンバータのうちのいずれかであり、前記2次巻線の電圧から整流ダイオードを介して定電圧源を得る、電力変換装置である。
【0014】
本開示の一態様は、メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含み、前記1次巻線の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、前記カップルドインダクタの正側2次巻線と、第1整流素子と、前記1次巻線の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチとを含む第1閉ループ回路、および、前記カップルドインダクタの負側2次巻線と、第2整流素子と、前記1次巻線の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチとを含む第2閉ループ回路による共振アシスト回路と、補助巻線の電圧を用いて、前記メインスイッチ素子のオンタイミングを決定する制御部と、を備える電力変換装置である。
【0015】
本開示の一態様は、メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含み、前記1次巻線の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、前記カップルドインダクタの2次巻線と、前記1次巻線の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチに並列接続された第1整流素子と、前記1次巻線の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチに並列接続された第2整流素子とを含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、補助巻線の電圧を用いて、前記メインスイッチ素子のオンタイミングを決定する制御部と、を備える、電力変換装置である。
【0016】
本開示の一態様は、メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含み、前記1次巻線の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、前記カップルドインダクタの2次巻線と、第1整流素子と、前記1次巻線の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチとを含む第1閉ループ回路、および、前記カップルドインダクタの2次巻線と、第2整流素子と、前記1次巻線の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチとを含む第2閉ループ回路による共振アシスト回路と、を備える電力変換装置である。
【0017】
本開示の一態様は、メインスイッチ素子とメイン整流素子と出力コンデンサとカップルドインダクタの1次巻線とを含むコンバータと、前記カップルドインダクタの2次巻線と第1整流素子と補助スイッチ素子との直列回路を含む閉ループ回路による共振アシスト回路と、を備える電力変換装置であって、単相交流入力に接続されたデュアル・ブーストPFCに適用される前記メインスイッチ素子と前記メイン整流素子とを含む二つの昇圧回路を有しており、前記共振アシスト回路は、前記二つの昇圧回路に対応しており、前記共振アシスト回路では、前記補助スイッチ素子が、共用されている、電力変換装置である。
【発明の効果】
【0018】
本開示に係る電力変換装置によれば、ZVSアシスト回路のデバイス選定の自由度を高め、ZVSアシスト回路における共振電流のリセット期間を短くしてメインスイッチのターンオフ損失を低減することができる。
また、本開示に係る電力変換装置によれば、準ZVSアシスト回路のデバイス選定の自由度を高め、準ZVSアシスト回路における共振電流のリセット期間を短くしてメインスイッチのターンオフ損失を低減することができる。
【0019】
さらに、本開示に係る電力変換装置によれば、ZVSアシスト回路を備える電力変換装置であって、有効な制御回路を備える電力変換装置を提供することが可能である。
さらに、本開示に係る電力変換装置によれば、準ZVSアシスト回路を備える電力変換装置であって、有効な制御回路を備える電力変換装置を提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図2】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図3】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図4】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図5】実施形態に係るリーケージインダクタまたは追加インダクタを示す図である。
図6】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた電力変換装置における波形の例を示す図である。
図7】実施形態に係るZVSアシスト回路の適用例に係る電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図8】実施形態に係るZVSアシスト回路の適用例に係る電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図9】実施形態に係るZVSアシスト回路の適用例に係る電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図10】実施形態に係るZVSアシスト回路の適用例に係る電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図11】実施形態に係るZVSアシスト回路の変形例に係る回路構成の一例を示す図である。
図12】実施形態に係るZVSアシスト回路の変形例に係る回路構成の一例を示す図である。
図13】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた多相の電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図14】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図15】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図16】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図17】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置における波形の例を示す図である。
図18】実施形態に係るZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図19】実施形態に係るZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図20】実施形態に係るZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図21】(A)、(B)、(C)は実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図22】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図23】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図24】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図25】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置における波形の例を示す図である。
図26】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図27】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図28】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の回路構成の等価回路の一例を示す図である。
図29】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置における波形の例を示す図である。
図30】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図31】(A)、(B)は実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図32】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図33】実施形態に係るZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図34】実施形態に係る準ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図35】実施形態に係る準ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図36】実施形態に係る準ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図37】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を含む電力変換装置の構成例を示す図である。
図38】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を含む電力変換装置の構成例を示す図である。
図39】実施形態に係る準ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図40】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図41】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図42】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた多相の電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図43】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた多相の電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図44】実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
図45】実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の回路構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照し、本開示の実施形態について説明する。
以下の実施形態では、スイッチ素子がオンの状態であるときには導通している状態であるとし、スイッチ素子がオフの状態であるときには開放している状態であるとする。
【0022】
(ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の基本構成例)
図1図5を参照して、ZVSアシスト回路(ZVS共振アシスト回路)を備えた電力変換装置の基本構成例を説明する。
図1図5では、電力変換装置がブースト(昇圧型)コンバータから構成される場合を示す。
【0023】
図1の例に係る電力変換装置>
図1は、実施形態に係るZVSアシスト回路A1を備えた電力変換装置1の回路構成の一例を示す図である。
図1の例では、制御回路の図示を省略している。
【0024】
電力変換装置1は、メイン回路と、ZVSアシスト回路A1と、を備える。
メイン回路は、MOS型FET(Field Effect Transistor)からなるメインのスイッチ素子11(Qmain)と、メインのダイオード12(Dm)と、出力コンデンサであるコンデンサ13(Co)と、カップルドインダクタの1次巻線31(Np)と、を備える。
また、図1には、直流の電源21(Vi)を示してある。ここで、電源21は、例えば、商用の交流電源が整流回路(例えば、ダイオードブリッジなど)によって直流に変換された電源であってもよい。
なお、一般に、カップルドインダクタでは、構成要素となる2個以上の巻線が相互に磁気結合する。当該巻線としては、例えば、1次巻線および2次巻線があり、さらに、3次巻線、補助巻線などがある場合もある。
【0025】
説明の便宜上、電力変換装置1において、負荷(図示を省略)が接続される側の2個の出力端子を第1出力端子T1、第2出力端子T2と呼んで説明する。図1の例では、第1出力端子T1がグラウンド(GND)側であり、第2出力端子T2がプラス(+)側である。
【0026】
ここで、メイン回路では、カップルドインダクタの1次巻線31の両端のそれぞれに、電源21およびスイッチ素子11のそれぞれが接続されている。スイッチ素子11とダイオード12とが直列に接続されている。スイッチ素子11とダイオード12との直列回路と、コンデンサ13とが並列になっている。
【0027】
ZVSアシスト回路A1は、カップルドインダクタの1次巻線31(Np)と2次巻線32(Ns)と3次巻線33(Nt)と、ダイオード34(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子35(Qsub)と、ダイオード36(Ds2)と、補助コンデンサであるコンデンサ37(Cs)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線31(Np)は、ZVSアシスト回路A1には含まれないと捉えられてもよい。
【0028】
第1出力端子T1と、コンデンサ13の一端と、スイッチ素子11のソースと、電源21の一端(図1の例では、-端子)とが接続されている。
第2出力端子T2と、コンデンサ13の他端と、ダイオード12のカソードとが接続されている。
電源21の他端(図1の例では、+端子)と、ZVSアシスト回路A1の1次巻線31の一端とが接続されている。
1次巻線31の他端と、スイッチ素子11のドレインと、ダイオード12のアノードとが接続されている。
【0029】
第1出力端子T1と、コンデンサ37の一端と、3次巻線33の一端と、スイッチ素子35のソースとが接続されている。
スイッチ素子35のドレインと、ダイオード34のカソードとが接続されている。
ダイオード34のアノードと、2次巻線32の一端とが接続されている。
2次巻線32の他端とコンデンサ37の他端と、ダイオード36のカソードとが接続されている。
3次巻線33の他端と、ダイオード36のアノードとが接続されている。
【0030】
図2の例に係る電力変換装置>
図2は、実施形態に係るZVSアシスト回路A2を備えた電力変換装置2の回路構成の一例を示す図である。
図2の例では、制御回路の図示を省略している。
【0031】
電力変換装置2は、メイン回路と、ZVSアシスト回路A2と、を備える。
メイン回路は、図1の例に係るメイン回路と同様であり、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図2には、図1に示されるのと同様な電源21(Vi)を示してある。
【0032】
ZVSアシスト回路A2は、図1の例に係るZVSアシスト回路A1と同様な回路素子を備えており、当該回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
ZVSアシスト回路A2は、図1の例に係るZVSアシスト回路A1と比べて、コンデンサ37の一端、3次巻線33の一端、および、スイッチ素子35のソースが、第1出力端子T1と接続されていない点で相違している。
【0033】
ここで、ZVSアシスト回路A2のマイナス(-)電位は、一般的にはメインのスイッチ素子11と同じグラウンド電位とされるが、任意の電位とされてもよい。
図2の例では、コンデンサ37の一端、3次巻線33の一端、および、スイッチ素子35のソースは、任意の電位の端子と接続されてもよい。
【0034】
図3の例に係る電力変換装置>
図3は、実施形態に係るZVSアシスト回路A3を備えた電力変換装置3の回路構成の一例を示す図である。
図3の例では、制御回路の図示を省略している。
【0035】
電力変換装置3は、メイン回路と、ZVSアシスト回路A3と、を備える。
メイン回路は、図1の例に係るメイン回路と同様であり、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図3には、図1に示されるのと同様な電源21(Vi)を示してある。
【0036】
ZVSアシスト回路A3では、図1の例に係るZVSアシスト回路A1と同様な回路素子については、同じ符号を用いて図示してある。
ZVSアシスト回路A3は、図1の例に係るZVSアシスト回路A1と比べて、図1に示される3次巻線33とダイオード36の代わりに、これらの接続順を逆にした3次巻線41(Nt)と、ダイオード42(Ds2)と、を備える。
ダイオード42のアノードは、第1出力端子T1と接続されている。
ダイオード42のカソードと、3次巻線41の一端とが接続されている。
3次巻線41の他端は、2次巻線32の他端およびコンデンサ37の他端と接続されている。
【0037】
図4の例に係る電力変換装置>
図4は、実施形態に係るZVSアシスト回路A4を備えた電力変換装置4の回路構成の一例を示す図である。
図4の例では、制御回路の図示を省略している。
【0038】
電力変換装置4は、メイン回路と、ZVSアシスト回路A4と、を備える。
メイン回路は、図1の例に係るメイン回路と同様であり、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図4には、図1に示されるのと同様な電源21(Vi)を示してある。
【0039】
ZVSアシスト回路A4では、図1の例に係るZVSアシスト回路A1と同様な回路素子については、同じ符号を用いて図示してある。
ZVSアシスト回路A4は、図1の例に係るZVSアシスト回路A1と比べて、図1に示される2次巻線32、3次巻線33、ダイオード36の代わりに、巻線51(Nc=Ns-Nt)と、3次巻線52(Nt)と、ダイオード53(Ds2)と、を備える。
巻線51の一端は、ダイオード34のアノードと接続されている。
巻線51の他端と、3次巻線52の一端とが接続されている。
3次巻線52の他端は、コンデンサ37の他端と接続されている。
ダイオード53のカソードは、第1出力端子T1と接続されている。
ダイオード53の他端と、巻線51の他端と、3次巻線52の一端とが接続されている。
【0040】
巻線51と3次巻線52とで2次巻線(Ns)が構成されている。
ここで、本実施形態では、説明の便宜上、タップ付きの巻線が2つの巻線(図4の例では、巻線51と3次巻線52)から構成されるとして説明するが、これら2つの巻線はタップ付きの1つの巻線として説明されてもよい。
【0041】
図5は、実施形態に係るリーケージインダクタまたは追加インダクタを示す図である。
追加インダクタは、例えば、調整が必要な場合に用いられる。
図5には、図1に示されるZVSアシスト回路A1における一部の回路(2次巻線32および3次巻線33に関する回路)を示してある。
【0042】
例えば、2次巻線32とダイオード34との間に存在するインダクタ71が、2次巻線32のリーケージインダクタ(Lks)に相当する。または、追加インダクタ(Ladd)であるインダクタ71が、2次巻線32とダイオード34との間(挿入箇所)に設けられてもよい。
例えば、3次巻線33とダイオード36との間に存在するインダクタ72が、3次巻線33のリーケージインダクタ(Lkt)に相当する。または、追加インダクタ(Ladd)であるインダクタ72が、3次巻線33とダイオード36との間(挿入箇所)に設けられてもよい。
【0043】
本実施形態では、ZVSアシスト回路A1(ZVSアシスト回路A2~A4も同様)は、タップドインダクタの2次巻線32と3次巻線33との一方または両方におけるリーケージインダクタまたはそれに追加したインダクタ(追加インダクタ)と、メインスイッチ(図1図4の例では、スイッチ素子11)とメイン整流素子(図1図4の例では、ダイオード12)と並列の共振容量成分(Cr)との共振動作を発生させる。
ここで、スイッチと並列の共振容量成分(Cr)は、スイッチの寄生容量成分と、スイッチと並列に接続されたコンデンサの容量との合計に相当する。
【0044】
<電力変換装置の動作例>
図6を参照して、図1に示される電力変換装置1において行われる動作の例を説明する。
なお、図2図4に示される電力変換装置2~4において行われる動作の例についても同様である。
【0045】
図6は、実施形態に係るZVSアシスト回路A1を備えた電力変換装置1における波形の例を示す図である。
本実施形態では、制御部により行われる制御によって、スイッチ素子35(Qsub)がオンになった後に、スイッチ素子11(Qmain)がオンになる。また、当該制御によって、スイッチ素子35(Qsub)がオフになった後またはそれと同時に、スイッチ素子11(Qmain)がオフになる。
【0046】
図6に示されるグラフでは、横軸は時間(t)を表しており、縦軸はそれぞれの波形のレベルを表している。
図6(A)には、スイッチ素子35(Qsub)のゲートのオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形2011を示してある。
図6(B)には、スイッチ素子11(Qmain)のゲートのオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形2012を示してある。
【0047】
図6(C)には、スイッチ素子35(Qsub)を流れる電流の波形2013を示してある。
また、図6(C)には、モード5に関して、ダイオード36に流れる電流(IDs2)を示してある。
図6(D)には、2次巻線32(Ns)側を換算した1次巻線31(Np)側の等価回路における励磁インダクタLmに流れる電流の波形2014を示してある。
また、図6(D)には、スイッチ素子11(Qmain)を流れる電流の波形2015を示してある。
また、図6(D)には、モード2およびモード3に関して、入力電流Iinの波形を示してある。
【0048】
図6(E)には、2次巻線32(Ns)側を換算した1次巻線31(Np)側の等価回路における励磁インダクタLmにかかる電圧の波形2016を示してある。
図6(F)には、スイッチ素子35(Qsub)にかかる電圧の波形2017を示してある。
図6(G)には、スイッチ素子11(Qmain)にかかる電圧の波形2018を示してある。
【0049】
図6には、動作モードであるモード(Mode)の遷移を示してある。
電力変換装置1では、時間の流れにしたがって、モード1の状態からモード7の状態まで順番に遷移し、モード7の状態の後に再びモード1の状態に戻る。
【0050】
ここで、図6に示されるモード1~モード7の概略を示す。
なお、ここでは、理想デバイスを想定し、入力電圧Viはスイッチング周期Tswの間は一定であるとする。
【0051】
(モード1)
モード1の期間は、インダクタ励磁電流ILmがダイオード12(Dm)を導通するコンバータのオフデューティ期間である。
【0052】
(モード2)
モード2の期間では、スイッチ素子35(Qsub)がターンオンする。そして、スイッチ素子35(Qsub)を流れる電流が所定の電流傾きで増加し、入力電流Iinは減少する。
【0053】
(モード3)
モード3の期間では、ダイオード12(Dm)を流れる電流が0[A]になり、ダイオード12(Dm)がオフする。このとき、所定の電流傾きによるソフトリカバリー動作が得られ、ダイオード12(Dm)のリカバリー損を低減することができる。
【0054】
ここで、ZVSオン条件として、スイッチ素子11(Qmain)にかかる電圧の最小値が0以下である場合を想定すると、(式1)のZVS条件が得られる。
(式1)では、一般的な昇圧回路の電流臨界モード(CRM)のZVS条件である(Vo>Vi/2)に、調整可能なNt/Nsが追加されている。(式1)を満足するNsとNtの巻数比を設計することで、全入力電圧の範囲でZVSが可能となる。昇圧比下限のVo=Viを想定すると、巻数比の上限であるNt/Ns≦1/2が求まる。
【0055】
(モード4)
モード4の期間では、共振動作によりスイッチ素子11(Qmain)にかかる電圧が0[V]になると、スイッチ素子11(Qmain)のボディダイオードが導通する。このダイオード導通期間tm4_Neg.の間にスイッチ素子11(Qmain)をターンオンすることでZVSオンとなる。
ここで、リーケージインダクタ(Lks)に所定電圧が印加されて所定の電流傾きでスイッチ素子35(Qsub)を流れる電流が減少する。入力電流Iinは、所定の電流傾きで励磁電流ILmまで増加する。
【0056】
(モード5)
モード5の期間では、入力電流Iinが励磁電流ILmに達し、コンバータのオンデューティ期間に移行する。補助ダイオード(Ds1)を流れる電流が0[A]となり、所定の電流傾きによるソフトリカバリー動作でオフする。
なお、モード2~モード4におけるアシスト電流により補助コンデンサ(Cs)の電圧が減少しているため、3次巻線からリーケージインダクタ(Lkt)とダイオード(Ds2)を介した充電電流が流れる。この充電電流はトランスを介し、入力電流Iinに重畳されてスイッチ素子11(Qmain)を流れる。
【0057】
(モード6)
モード6の期間では、補助コンデンサ(Cs)の充電が完了すると、励磁電流ILmのみがスイッチ素子11(Qmain)を導通する。
なお、モード4~モード6の間にスイッチ素子35(Qsub)をオフすると、スイッチ素子35(Qsub)のターンオフ損は発生しない。
【0058】
(モード7)
モード7の期間では、スイッチ素子11(Qmain)をターンオフする。このとき、ダイオード12とスイッチ素子11(Qmain)のそれぞれの並列コンデンサによりZVSターンオフとなる。
ここで、励磁インダクタ(Lm)が十分大きく、電流源近似すると、スイッチ素子11(Qmain)にかかる電圧が上昇して出力電圧Voに到達して、再び、モード1に移行する。
なお、既にスイッチ素子35(Qsub)はオフしているが、電圧印加により、寄生容量チャージ電流ICossが流れる。
【0059】
以上のように、本実施形態に係る電力変換装置1~4では、ZVSアシスト回路のデバイス選定の自由度を高め、ZVSアシスト回路A1~A4における共振電流のリセット期間を短くしてメインスイッチ(Qmain)のターンオフ損失を低減することができる。
本実施形態に係る電力変換装置1~4では、補助コンデンサ(Cs)のバイアス電圧を下げることで、ZVSアシスト回路A1~A4における共振電流のリセット期間を短くしてメインスイッチ(Qmain)のターンオフ損失を低減することができる。
【0060】
本実施形態に係る電力変換装置1~4では、ZVSアシスト回路の電圧がメイン回路の電圧に依存しないように構成することができ、デバイスが高コスト化することなどを抑制することができる。
【0061】
本実施形態に係る電力変換装置1~4では、タップドインダクタによる少ない部品点数で、低dI/dtによるソフトリカバリー効果と、共振動作によるZVSやValleyスイッチングを実現し、損失低減と低ノイズ化が可能である。また、本実施形態に係る電力変換装置1~4では、ZVSアシスト回路A1~A4の電圧を巻き数比により任意に設計することができ、デバイス選定の自由度を高めることができる。
【0062】
本実施形態に係る電力変換装置1~4では、カップルドインダクタを用いた少ない部品点数でZVSを実現しつつ、カップルドインダクタの巻数比により、所望の素子耐圧を選定することができる。このため、リカバリー特性に優れ、寄生容量チャージのリンギングが少ないパワー半導体の選定が期待できる。また、本実施形態に係る電力変換装置1~4では、補助コンデンサ(Cs)により幅広い入出力電圧比においてZVS動作が可能である。
なお、サブのスイッチ素子(Qsub)はZCS(Zero Current Switching)オンとなるため、寄生容量電荷がスイッチのオン抵抗により放電消費されるが、低電圧化することで寄生容量損失の低減も期待できる。
【0063】
ここで、本実施形態に係る電力変換装置1~4では、スイッチ素子としてFETが用いられる場合を示したが、他のスイッチ素子が用いられてもよい。
また、本実施形態に係る電力変換装置1~4では、整流素子としてダイオードが用いられる場合を示したが、他の整流素子が用いられてもよい。
例えば、メインのダイオード12(Dm)の代わりに、MOS型FETなどのスイッチ素子が用いられてもよい。
【0064】
本実施形態に係るZVSアシスト回路は、例えば、カップルドインダクタの1次巻線(Np)を平滑、昇圧、あるいは、降圧を目的に接続した昇圧コンバータ、降圧コンバータ、昇降圧コンバータ、あるいは、フライバックコンバータに適用可能である。
【0065】
ここで、図1図4の例では、直流の電源21が用いられる場合を示したが、他の構成例として、この電源は、脈流を含んだ全波整流電圧あるいは半波整流電圧でもよく、一般的な力率改善回路(PFC)にも適用が可能である。
【0066】
(ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の適用構成例)
図7図10を参照して、ZVSアシスト回路(ZVS共振アシスト回路)を備えた電力変換装置の適用構成例を説明する。
【0067】
図7の例に係る電力変換装置>
図7は、実施形態に係るZVSアシスト回路の適用例に係る電力変換装置101の回路構成の一例を示す図である。
図7の例では、制御回路の図示を省略している。
【0068】
電力変換装置101は、メイン回路と、ZVSアシスト回路と、ダイオード118と、を備える。
メイン回路は、図1の例に係るメイン回路と同様であり、カップルドインダクタの1次巻線111(Np)以外は、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図7には、図1に示されるのと同様な電源21(Vi)を示してある。
また、図7には、第1出力端子T1と接続されるグラウンド端子G1を示してある。
【0069】
図7の例に係るZVSアシスト回路は、図4の例に係るZVSアシスト回路A4と同様な回路素子を備えている。
具体的には、図7の例に係るZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線111(Np)と巻線112(Nc)と3次巻線113(Nt)と、ダイオード114(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子115(Qsub)と、ダイオード116(Ds2)と、補助コンデンサであるコンデンサ117(Cs)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線111(Np)は、ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
巻線112と3次巻線113とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
【0070】
ここで、図7の例に係るZVSアシスト回路は、図4の例に係るZVSアシスト回路A4と同様な回路構成を有している。なお、図7の例では、図4の例と比べて、ZVSアシスト回路の回路構成を図面において左右逆(1次巻線111の極性を左右逆)に示してある。
【0071】
電力変換装置101は、図4に示される電力変換装置4と比べて、さらにダイオード118を備えている。
ダイオード118のアノードは、ダイオード116のカソードと接続されている。
図7の例に係る電力変換装置101では、ダイオード116のカソードにおいて、電圧源(Vcc)を得ることができる。
当該電圧源(Vcc)は、任意の用途で使用されてもよく、例えば、スイッチ素子11あるいはスイッチ素子115のゲート電圧の制御に使用されてもよい。
【0072】
ここで、図7に示される電力変換装置101では、ZVS条件を満足するターン割合(turn ratio)は(式1)で表される。(式1)において、Ntは3次巻線113の巻き数を表しており、Nsは2次巻線の巻き数を表しており、Voはメイン回路の出力電圧(第1出力端子T1と第2出力端子T2との間にかかる電圧)を表しており、Viは電源21の電圧を表している。
【0073】
【数1】
【0074】
なお、電力変換装置101におけるZVSアシスト回路の動作原理は、図1図4に示されるZVSアシスト回路A1~A4と同様である。
【0075】
図8の例に係る電力変換装置>
図8は、実施形態に係るZVSアシスト回路の適用例に係る電力変換装置102の回路構成の一例を示す図である。
電力変換装置102は、バック(降圧型)コンバータから構成されている。
図8の例では、制御回路の図示を省略している。
【0076】
電力変換装置102は、メイン回路と、ZVSアシスト回路と、ダイオード158と、を備える。
メイン回路は、出力コンデンサであるコンデンサ131(Co)と、MOS型FETからなるメインのスイッチ素子132(Qmain)と、メインのダイオード133(Dm)と、カップルドインダクタの1次巻線151(Np)と、を備える。
また、図8には、直流の電源121(Vi)を示してある。ここで、電源121は、図7に示される電源21と同様である。
【0077】
説明の便宜上、電力変換装置102において、負荷(図示を省略)が接続される側の2個の出力端子を第1出力端子T11、第2出力端子T12と呼んで説明する。図8の例では、第1出力端子T11がグラウンド(GND)側であり、第2出力端子T12がプラス(+)側である。
図8には、第1出力端子T11と接続されるグラウンド端子G1を示してある。
【0078】
ここで、メイン回路では、カップルドインダクタの1次巻線151の一端に、電源121とスイッチ素子132との直列回路と、ダイオード133と、コンデンサ131とが並列に接続されている。
【0079】
第1出力端子T11と、コンデンサ131の一端と、ダイオード156のアノードと、電源121の一端(図8の例では、-端子)とが接続されている。
電源121の他端(図8の例では、+端子)と、スイッチ素子132のドレインとが接続されている。
第2出力端子T12と、コンデンサ131の他端とが接続されている。
ダイオード133のカソードおよびスイッチ素子132のソースが、ZVSアシスト回路の1次巻線111を介して、第2出力端子T12と接続されている。
【0080】
ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線151(Np)と巻線152(Nc)と3次巻線153(Nt)と、ダイオード154(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子155(Qsub)と、ダイオード156(Ds2)と、補助コンデンサであるコンデンサ157(Cs)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線151(Np)は、ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
巻線152と3次巻線153とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
【0081】
図8の例に係るZVSアシスト回路の回路構成は、図7に示されるZVSアシスト回路と同様である。
図8の例に係るZVSアシスト回路は、メイン回路のコンデンサ131とダイオード133との間に配置されている。
【0082】
電力変換装置102は、さらにダイオード158を備えている。
ダイオード158のアノードは、ダイオード156のカソードと接続されている。
図8の例に係る電力変換装置102では、ダイオード156のカソードにおいて、電圧源(Vcc)を得ることができる。
当該電圧源(Vcc)は、任意の用途で使用されてもよく、例えば、スイッチ素子132あるいはスイッチ素子155のゲート電圧の制御に使用されてもよい。
【0083】
ここで、図8に示される電力変換装置102では、ZVS条件を満足するターン割合(turn ratio)は(式2)で表される。(式2)において、Ntは3次巻線153の巻き数を表しており、Nsは2次巻線の巻き数を表しており、Voはメイン回路の出力電圧(第1出力端子T11と第2出力端子T12との間にかかる電圧)を表しており、Viは電源121の電圧を表している。
【0084】
【数2】
【0085】
なお、電力変換装置102におけるZVSアシスト回路の動作原理は、図1図4に示されるZVSアシスト回路A1~A4と同様である。
【0086】
図9の例に係る電力変換装置>
図9は、実施形態に係るZVSアシスト回路の適用例に係る電力変換装置103の回路構成の一例を示す図である。
電力変換装置103は、バック-ブースト(昇降圧型)コンバータから構成されている。
図9の例では、制御回路の図示を省略している。
【0087】
電力変換装置103は、メイン回路と、ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、出力コンデンサであるコンデンサ181(Co)と、メインのダイオード182(Dm)と、MOS型FETからなるメインのスイッチ素子183(Qmain)と、カップルドインダクタの1次巻線211(Np)と、を備える。
また、図9には、直流の電源171(Vi)を示してある。ここで、電源171は、図7に示される電源21と同様である。
【0088】
説明の便宜上、電力変換装置103において、負荷(図示を省略)が接続される側の2個の出力端子を第1出力端子T21、第2出力端子T22と呼んで説明する。図9の例では、第1出力端子T21がグラウンド(GND)側であり、第2出力端子T22がプラス(+)側である。
【0089】
ここで、メイン回路では、カップルドインダクタの1次巻線211に、電源171とスイッチ素子183との直列回路と、ダイオード182とコンデンサ181との接続回路とが、並列に接続されている。
【0090】
第1出力端子T21と、コンデンサ181の一端と、電源171の一端(図9の例では、-端子)とが接続されている。
電源171の他端(図9の例では、+端子)と、スイッチ素子183のドレインとが接続されている。
第2出力端子T22と、コンデンサ181の他端と、ダイオード182のアノードとが接続されている。
ダイオード182のカソードとスイッチ素子183のソースとが接続されている。
【0091】
ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線211(Np)と巻線212(Nc)と3次巻線213(Nt)と、ダイオード214(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子215(Qsub)と、ダイオード216(Ds2)と、補助コンデンサであるコンデンサ217(Cs)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線211(Np)は、ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
巻線212と3次巻線213とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
【0092】
1次巻線211の一端は、第1出力端子T21と接続されている。
1次巻線211の他端は、ダイオード182のカソードおよびスイッチ素子183のソースと接続されている。
また、1次巻線211の配置を除いて、図9の例に係るZVSアシスト回路の回路構成は、図7に示されるZVSアシスト回路と同様である。
図9の例に係るZVSアシスト回路は、メイン回路のコンデンサ181と1次巻線211との間に配置されている。
【0093】
ここで、図9に示される電力変換装置103では、ZVS条件を満足するターン割合(turn ratio)は(式3)で表される。(式3)において、Ntは3次巻線213の巻き数を表しており、Nsは2次巻線の巻き数を表しており、Voはメイン回路の出力電圧(第1出力端子T21と第2出力端子T22との間にかかる電圧)を表しており、Viは電源171の電圧を表している。
【0094】
【数3】
【0095】
なお、電力変換装置103におけるZVSアシスト回路の動作原理は、図1図4に示されるZVSアシスト回路A1~A4と同様である。
【0096】
また、本実施形態に係る電力変換装置103では、整流素子としてダイオードが用いられる場合を示したが、他の整流素子が用いられてもよい。
例えば、メインのダイオード182(Dm)の代わりに、MOS型FETなどのスイッチ素子が用いられてもよい。
【0097】
図10の例に係る電力変換装置>
図10は、実施形態に係るZVSアシスト回路の適用例に係る電力変換装置104の回路構成の一例を示す図である。
電力変換装置104は、フライバックコンバータから構成されている。
図10の例では、制御回路の図示を省略している。
【0098】
電力変換装置104は、メイン回路と、ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、出力コンデンサであるコンデンサ241(Co)と、メインのダイオード242(Dm)と、スイッチングトランスを構成する2つの巻線(巻線243、および、1次巻線244(Np)と呼んで説明する。)と、MOS型FETからなるメインのスイッチ素子245(Qmain)と、を備える。
巻線243と1次巻線244との巻き数比は1対nとなっている。
また、図10には、直流の電源251(Vi)を示してある。ここで、電源251は、図7に示される電源21と同様である。
【0099】
説明の便宜上、電力変換装置104において、負荷(図示を省略)が接続される側の2個の出力端子を第1出力端子T31、第2出力端子T32と呼んで説明する。図10の例では、第1出力端子T31がグラウンド(GND)側であり、第2出力端子T32がプラス(+)側である。
【0100】
ここで、メイン回路では、カップルドインダクタの1次巻線244の両端のそれぞれに、電源251およびスイッチ素子245のそれぞれが接続されている。1次巻線244と対になっている巻線243とダイオード242との直列回路と、コンデンサ241とが並列に接続されている。
【0101】
第1出力端子T31と、コンデンサ241の一端と、巻線243の一端とが接続されている。
巻線243の他端と、ダイオード242のアノードとが接続されている。
第2出力端子T32と、コンデンサ241の他端と、ダイオード242のカソードとが接続されている。
電源251の一端(図10の例では、-端子)と、スイッチ素子245のソースとが接続されている。
スイッチ素子183のドレインと、1次巻線244の一端とが接続されている。
1次巻線244の他端と、電源251の他端(図10の例では、+端子)とが接続されている。
【0102】
ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線244(Np)と巻線261(Nc)と3次巻線262(Nt)と、ダイオード263(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子264(Qsub)と、ダイオード265(Ds2)と、補助コンデンサであるコンデンサ266(Cs)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線244(Np)は、ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
巻線261と3次巻線262とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
【0103】
1次巻線244の配置を除いて、図10の例に係るZVSアシスト回路の回路構成は、図4に示されるZVSアシスト回路A4と同様である。
図10の例に係るZVSアシスト回路は、メイン回路のスイッチ素子245と電源251との間に配置されている。
【0104】
ここで、図10に示される電力変換装置104では、ZVS条件を満足するターン割合(turn ratio)は(式4)で表される。(式4)において、Ntは3次巻線262の巻き数を表しており、Nsは2次巻線の巻き数を表しており、Voはメイン回路の出力電圧(第1出力端子T31と第2出力端子T32との間にかかる電圧)を表しており、Viは電源251の電圧を表しており、nは巻線243と1次巻線244からなるトランスの巻き数比を表している。
【0105】
【数4】
【0106】
なお、電力変換装置104におけるZVSアシスト回路の動作原理は、図1図4に示されるZVSアシスト回路A1~A4と同様である。
【0107】
また、本実施形態に係る電力変換装置104では、整流素子としてダイオードが用いられる場合を示したが、他の整流素子が用いられてもよい。
例えば、メインのダイオード242(Dm)の代わりに、MOS型FETなどのスイッチ素子が用いられてもよい。
【0108】
ここで、図7図10の例では、直流の電源21、121、171、251が用いられる場合を示したが、他の構成例として、この電源は、脈流を含んだ全波整流電圧あるいは半波整流電圧でもよく、一般的な力率改善回路(PFC)にも適用が可能である。
【0109】
(ZVSアシスト回路の変形例)
図11図12を参照して、ZVSアシスト回路(ZVS共振アシスト回路)の変形例を説明する。
【0110】
図11の例に係るZVSアシスト回路>
図11は、実施形態に係るZVSアシスト回路301の変形例に係る回路構成の一例を示す図である。
ZVSアシスト回路301は、図2に示されるZVSアシスト回路A2において2次巻線の巻き数(Ns)と3次巻線の巻き数(Nt)との巻き数比が2対1(Ns:Nt=2:1)である場合の変形例である。
図11の例では、カップルドインダクタの1次巻線(Np)については図示を省略してある。
【0111】
ZVSアシスト回路301は、2次巻線311(Ns)と、MOS型FETからなるサブのスイッチ素子312(Qsub)と、補助コンデンサであるコンデンサ313(Cs)と、ダイオード314(Ds1’)と、ダイオード315(Ds2’)と、補助コンデンサであるコンデンサ316(Cs)と、ダイオード317(Ds1’)と、を備える。
【0112】
スイッチ素子312のソースと、ダイオード314のアノードと、コンデンサ316の一端とが接続されている。
スイッチ素子312のドレインと、2次巻線311の一端とが接続されている。
ダイオード314のカソードと、コンデンサ313の一端と、ダイオード315のアノードとが接続されている。
コンデンサ316の他端と、ダイオード315のカソードと、ダイオード317のアノードとが接続されている。
2次巻線311の他端と、コンデンサ313の他端と、ダイオード317のカソードとが接続されている。
【0113】
図12の例に係るZVSアシスト回路>
図12は、実施形態に係るZVSアシスト回路302の変形例に係る回路構成の一例を示す図である。
ZVSアシスト回路302は、図2に示されるZVSアシスト回路A2において2次巻線の巻き数(Ns)と3次巻線の巻き数(Nt)との巻き数比が3対1(Ns:Nt=3:1)である場合の変形例である。
図12の例では、カップルドインダクタの1次巻線(Np)については図示を省略してある。
【0114】
ZVSアシスト回路302は、2次巻線331(Ns)と、MOS型FETからなるサブのスイッチ素子332(Qsub)と、補助コンデンサであるコンデンサ333(Cs)と、ダイオード334(Ds1’)と、ダイオード335(Ds2’)と、補助コンデンサであるコンデンサ336(Cs)と、ダイオード337(Ds2’)と、ダイオード338(Ds1’)と、ダイオード339(Ds1’)と、補助コンデンサであるコンデンサ340(Cs)と、ダイオード341(Ds1’)と、を備える。
【0115】
スイッチ素子332のソースと、ダイオード334のアノードと、コンデンサ336の一端と、ダイオード339のアノードとが接続されている。
スイッチ素子332のドレインと、2次巻線331の一端とが接続されている。
ダイオード334のカソードと、コンデンサ333の一端と、ダイオード335のアノードとが接続されている。
ダイオード339のカソードと、コンデンサ340の一端と、ダイオード337のアノードとが接続されている。
ダイオード335のカソードと、コンデンサ340の他端と、ダイオード341のアノードとが接続されている。
ダイオード337のカソードと、コンデンサ336の他端と、ダイオード338のアノードとが接続されている。
2次巻線331の他端と、ダイオード338のカソードと、コンデンサ333の他端と、ダイオード341のカソードとが接続されている。
【0116】
なお、図11の例では(Ns:Nt=2:1)の場合を示し、図12の例では(Ns:Nt=3:1)の場合を示したが、(Ns:Nt=q:1)でqが4以上である場合についても同様に変形回路の構成が可能である。
【0117】
図11および図12の例のように、非線形コンデンサにより、アシスト巻線および端子数(ピン数)を簡素化することができる。非線形コンデンサの直列数mが大きいほど、部品点数は不利となるものの、タップドインダクタのピン数を削減することができる。この場合、Nt/Ns=1/mとなる。
【0118】
ここで、図11図12の例では、ZVSアシスト回路の変形例をブーストコンバータに適用した場合を示したが、ZVSアシスト回路の変形例は、バックコンバータ、バック-ブーストコンバータ、あるいは、フライバックコンバータに適用されてもよい。
【0119】
なお、図11および図12の例と同様に、(Ns:Nt=q:1)である場合に、1以上の整流素子(Ds1’)と、1以上の整流素子(Ds2’)と、q個の補助コンデンサ(Cs)と、スイッチ素子(Qsub)と、2次巻線(Ns)とを組み合わせた回路を構成し、整流素子(Ds1’)と整流素子(Ds2’)とのうちのいずれか一方がオンで他方がオフのときにq個の補助コンデンサ(Cs)が直列に接続される等価回路となり、当該他方がオンで当該一方がオフのときにq個の補助コンデンサ(Cs)が並列に接続される等価回路となるようにすることができる。
【0120】
図11の例に係る回路では、カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と、補助コンデンサ(Cs)と、整流素子(Ds2’)のアノードを介したカソードと、補助コンデンサ(Cs)と、補助スイッチ素子(Qsub)と接続された閉ループ回路を有し、また、補助コンデンサ(Cs)と、2次巻線(Ns)と、補助スイッチ素子(Qsub)と、整流素子(Ds1’)と接続された閉ループ回路を有する。
図12の例に係る回路では、図11の例と同様な接続則を有した補助コンデンサ(Cs)と整流素子(Ds1’)と整流素子(Ds2’)を含み、例えば、整流素子(Ds1’)と補助コンデンサ(Cs)と整流素子(Ds1’)からなる縦続接続回路を有する。
【0121】
(ZVSアシスト回路を備えた多相の電力変換装置の構成例)
図13を参照して、ZVSアシスト回路(ZVS共振アシスト回路)を備えた多相の電力変換装置の構成例を説明する。
図13では、電力変換装置がブースト(昇圧型)コンバータから構成される場合を示す。
【0122】
図13の例に係るZVSアシスト回路>
図13は、実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた多相の電力変換装置401の回路構成の一例を示す図である。
図13の例では、2相の電力変換装置401の構成例を示す。
図13の例では、制御回路の図示を省略している。
【0123】
電力変換装置401は、メイン回路と、ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、1相目におけるMOS型FETからなるメインのスイッチ素子411(Qmain)およびメインのダイオード412(Dm)と、2相目におけるMOS型FETからなるメインのスイッチ素子413(Qmain)およびメインのダイオード414(Dm)と、出力コンデンサであるコンデンサ415(Co)と、1相目に対応したカップルドインダクタの1次巻線431(Np)と、2相目に対応したカップルドインダクタの1次巻線432(Np)と、を備える。
図13には、電源423を示してある。
【0124】
説明の便宜上、電力変換装置401において、負荷(図示を省略)が接続される側の2個の出力端子を第1出力端子T51、第2出力端子T52と呼んで説明する。図13の例では、第1出力端子T51がグラウンド(GND)側であり、第2出力端子T52がプラス(+)側である。
【0125】
ZVSアシスト回路は、1相目に対応したカップルドインダクタの1次巻線431(Np)と、2相目に対応したカップルドインダクタの1次巻線432(Np)と、を備える。
また、ZVSアシスト回路は、1相目の1次巻線431に対応した回路部として、巻線441(Nt)と、3次巻線442と、ダイオード445(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子446(Qsub)と、ダイオード447(Ds2)と、補助コンデンサであるコンデンサ448(Cs)と、を備える。
巻線441と3次巻線442とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
また、ZVSアシスト回路は、2相目の1次巻線432に対応した回路部として、巻線451(Nt)と、3次巻線452と、ダイオード453(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子454(Qsub)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線431(Np)およびカップルドインダクタの1次巻線432(Np)は、ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
【0126】
巻線451と3次巻線452とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
なお、ここでは、ダイオード461が備えられる場合をまとめて説明するために、巻線451(Nt)と3次巻線452とを分けて説明するが、ダイオード461が備えられない場合には、巻線451(Nt)および3次巻線452はタップの無い1つの巻線として説明される。
【0127】
第1出力端子T51と、コンデンサ415の一端と、スイッチ素子411のソースと、スイッチ素子413のソースと、電源423の一端(図1の例では、-端子)とが接続されている。
第2出力端子T52と、コンデンサ415の他端と、ダイオード412のカソードと、ダイオード414のカソードとが接続されている。
電源423の他端(図1の例では、+端子)と、ZVSアシスト回路の1次巻線431の一端および1次巻線432の一端とが接続されている。
1次巻線431の他端と、スイッチ素子411のドレインと、ダイオード412のアノードとが接続されている。
1次巻線432の他端と、スイッチ素子413のドレインと、ダイオード414のアノードとが接続されている。
【0128】
ここで、ZVSアシスト回路の1相目の回路部は、図4の例に係るZVSアシスト回路A4と同様な回路構成を有している。
また、ZVSアシスト回路の2相目の回路部は、1相目のコンデンサ448を共用している。
また、ZVSアシスト回路の2相目の回路部では、ダイオード461を備えていてもよく、あるいは、ダイオード461を備えていなくてもよい。ダイオード461が備えられる場合、ダイオード461のアノードは第1出力端子T51と接続され、ダイオード461のカソードは巻線451と3次巻線452との間の点と接続されている。
【0129】
なお、図13の例では、2相の電力変換装置401の構成例を示したが、3相以上の電力変換装置において各相に対応してZVSアシスト回路の回路部を備えることも可能である。
また、図13の例では、ZVSアシスト回路における1相目の回路部と2相目の回路部とで一部の回路素子(図13の例では、コンデンサ448)が共用される構成例を示したが、それぞれの相ごとに別々にZVSアシスト回路の回路部が備えられてもよい。
【0130】
ここで、図13の例では、ZVSアシスト回路を多相のブーストコンバータに適用した場合を示したが、ZVSアシスト回路は、多相のバックコンバータ、多相のバック-ブーストコンバータ、あるいは、多相のフライバックコンバータに適用されてもよい。
【0131】
ここで、図13の例では、直流の電源423が用いられる場合を示したが、他の構成例として、この電源は、脈流を含んだ全波整流電圧あるいは半波整流電圧でもよく、一般的な力率改善回路(PFC)にも適用が可能である。
【0132】
また、本実施形態に係る電力変換装置401では、整流素子としてダイオードが用いられる場合を示したが、他の整流素子が用いられてもよい。
例えば、メインのダイオード412(Dm)およびメインのダイオード414(Dm)の代わりに、MOS型FETなどのスイッチ素子が用いられてもよい。
【0133】
(ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の構成例)
図14図16を参照して、ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の構成例を説明する。
図14図16では、電力変換装置がブースト(昇圧型)コンバータから構成される場合を示す。
【0134】
図14の例に係る電力変換装置>
図14は、実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた電力変換装置501の回路構成の一例を示す図である。
図14の例では、制御回路の図示を省略している。
なお、図14の例は、トーテムポールPFCへの応用回路例である。図14の例では、ZVSアシスト回路において、電流極性により上下アームのアシスト動作の有無を制御することが行われる。
【0135】
電力変換装置501は、メイン回路と、ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、MOS型FETからなるメインのスイッチ素子511(Qmain)およびスイッチ素子512(Qmain)と、入力電圧の半波整流素子である半波整流ダイオード513(BD+)および半波整流ダイオード514(BD-)と、出力コンデンサであるコンデンサ515(Co)と、カップルドインダクタの1次巻線541(Np)と、を備える。
また、図14には、交流の電源523(Vi)を示してある。ここで、電源523は、例えば、商用の交流電源であってもよい。
ここで、2つのメインのスイッチ素子(Qmain)であるスイッチ素子511およびスイッチ素子512は、交流の電源523が正の期間において、スイッチ素子512が、1次巻線541の励磁電流の還流動作を担うメイン整流素子(QSR+)となり、また、交流の電源523が負の期間において、スイッチ素子511が、1次巻線541の励磁電流の還流動作を担うメイン整流素子(QSR-)となる。
このように、入力電圧の正負に応じて、2つのメインのスイッチ素子(Qmain)であるスイッチ素子511およびスイッチ素子512のいずれか一方が、メイン整流素子(QSR)となる。
【0136】
説明の便宜上、電力変換装置501において、負荷(図示を省略)が接続される側の2個の出力端子を第1出力端子T61、第2出力端子T62と呼んで説明する。図14の例では、第1出力端子T61がグラウンド(GND)側であり、第2出力端子T62がプラス(+)側である。
【0137】
ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線541(Np)と巻線542(Nc)と3次巻線543(Nt)と、ダイオード544(Ds1+)と、MOS型FETからなるスイッチ素子545(Qsub+)と、ダイオード546(Ds2+)と、補助コンデンサであるコンデンサ547(Cs+)と、を備える。
また、ZVSアシスト回路は、ダイオード548(Ds1-)と、MOS型FETからなるスイッチ素子549(Qsub-)と、ダイオード550(Ds2-)と、補助コンデンサであるコンデンサ551(Cs-)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線541(Np)は、ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
巻線542と3次巻線543とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
【0138】
第1出力端子T61と、コンデンサ515の一端と、半波整流ダイオード513のアノードと、スイッチ素子511のソースと、スイッチ素子545のソースと、ダイオード546のアノードと、コンデンサ547の一端とが接続されている。
第2出力端子T62と、コンデンサ515の他端と、半波整流ダイオード514のカソードと、スイッチ素子512のドレインとが接続されている。
電源523の一端(図1の例では、-端子)と、半波整流ダイオード513のカソードと、半波整流ダイオード514のアノードとが接続されている。
電源523の他端(図1の例では、+端子)と、1次巻線541の一端とが接続されている。
1次巻線541の他端と、スイッチ素子511のドレインと、スイッチ素子512のソースとが接続されている。
【0139】
スイッチ素子545のドレインと、ダイオード544のカソードとが接続されている。
巻線542の一端と、ダイオード544のアノードと、スイッチ素子549のソースとが接続されている。
巻線542の他端と、3次巻線543の一端と、ダイオード546のカソードと、ダイオード550のアノードとが接続されている。
3次巻線543の他端と、コンデンサ547の他端と、コンデンサ551の一端とが接続されている。
スイッチ素子549のドレインと、ダイオード548のカソードとが接続されている。
コンデンサ551の他端と、ダイオード550のカソードと、ダイオード548のアノードとが接続されている。
【0140】
図14の例では、方向P1を示してある。
図14の例では、方向P1を極性が+である方向であるとする。
【0141】
図15の例に係る電力変換装置>
図15は、実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた電力変換装置502の回路構成の一例を示す図である。
なお、図15の例は、トーテムポールPFCへの応用回路例である。
図15の例では、制御回路の図示を省略している。
【0142】
電力変換装置502は、メイン回路と、ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、図14の例に係るメイン回路と同様であり、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、1次巻線541および方向P1についても、図14の例と同様であり、同じ符号を用いて図示してある。
また、図15には、図14に示されるのと同様な電源523を示してある。
【0143】
ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線541(Np)と巻線572(Nc)および3次巻線573(Nt)と巻線574および3次巻線575と、ダイオード576(Ds1+)と、MOS型FETからなるスイッチ素子577(Qsub+)と、サイリスタ578(SCR+)と、補助コンデンサであるコンデンサ579(Cs)と、を備える。
また、ZVSアシスト回路は、ダイオード580(Ds1-)と、MOS型FETからなるスイッチ素子581(Qsub-)と、サイリスタ582(SCR-)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線541(Np)は、ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
巻線572と3次巻線573とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
巻線574と3次巻線575とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
コンデンサ579は、3次巻線573と3次巻線575とで共用されている。
【0144】
ここで、1次巻線541、巻線572(Nc)および3次巻線573、ダイオード576と、スイッチ素子577、サイリスタ578、コンデンサ579からなる回路部は、図4に示されるZVSアシスト回路A4と比べて、図4に示されるダイオード53の代わりに、サイリスタ578を備えている点を除いて、同様である。なお、図15の例では、図4の例と比べて、当該回路部の回路構成を図面において左右逆(巻線572および3次巻線573の極性を左右逆)に示してある。
【0145】
また、1次巻線541、巻線574(Nc)および3次巻線575、ダイオード580と、スイッチ素子581、サイリスタ582、コンデンサ579からなる回路部は、図4に示されるZVSアシスト回路A4と比べて、図4に示されるダイオード53の代わりに、サイリスタ582を備えている点を除いて、同様である。
【0146】
図15の例に係る電力変換装置502では、ローサイドドライブのみで実現されており、電流の極性に応じて、サイリスタ578およびサイリスタ582の駆動が制御される。
【0147】
図16の例に係る電力変換装置>
図16は、実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた電力変換装置503の回路構成の一例を示す図である。
なお、図16の例は、トーテムポールPFCへの応用回路例である。
図16の例では、制御回路の図示を省略している。
【0148】
電力変換装置503は、メイン回路と、ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、図14の例に係るメイン回路と同様であり、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、1次巻線541および方向P1についても、図14の例と同様であり、同じ符号を用いて図示してある。
また、図16には、図14に示されるのと同様な電源523を示してある。
【0149】
ZVSアシスト回路は、図15の例に係るZVSアシスト回路と比べて、図15に示されるサイリスタ578、582の代わりにダイオード592、593を備えている点と、スイッチ素子であるFET591を備えている点を除いて、同様であり、同じ符号を用いて図示してある。
FET591は、第1出力端子T61とコンデンサ579との間に備えられている。
FET591のソースは、第1出力端子T61と接続されている。FET591のドレインは、コンデンサ579の一端と接続されている。
FET591は、スイッチ素子577(Qsub+)とスイッチ素子581(Qsub-)のオアドライブスイッチとなっている。
【0150】
図17を参照して、図16に示される電力変換装置502および図17に示される電力変換装置503において行われる動作の例をまとめて説明する。
【0151】
図17は、実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置502、503における波形の例を示す図である。
電力変換装置502では、制御部により行われる制御によって、スイッチ素子577(Qsub+)のオン/オフと、スイッチ素子581(Qsub-)のオン/オフと、サイリスタ578(SCR+)のオン/オフと、サイリスタ582(SCR-)のオン/オフが切り替えられる。
電力変換装置503では、制御部により行われる制御によって、スイッチ素子577(Qsub+)のオン/オフと、スイッチ素子581(Qsub-)のオン/オフと、FET591のオン/オフが切り替えられる。
【0152】
図17に示されるグラフでは、横軸は時間(t)を表しており、縦軸はそれぞれの波形のレベルを表している。
図17(A)には、FET591のオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形2111を示してある。
図17(B)には、サイリスタ582(SCR-)のオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形2112を示してある。
図17(C)には、サイリスタ578(SCR+)のオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形2113を示してある。
【0153】
図17(D)には、スイッチ素子581(Qsub-)のオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形2114を示してある。
図17(E)には、スイッチ素子577(Qsub+)のオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形2115を示してある。
図17(F)には、電源523の電圧(Vi)を表す波形2116、および、電源523からの電流(Iin)を表す波形2117を示してある。
【0154】
なお、図14図16の例において、メイン回路の半波整流ダイオード513および半波整流ダイオード514のそれぞれをMOS型FETなどのスイッチ素子に置き換えてもよく、この場合、双方向のコンバータが実現される。
【0155】
ここで、図14図17の例では、ZVSアシスト回路をブーストコンバータに適用した場合を示したが、ZVSアシスト回路は、バックコンバータ、バック-ブーストコンバータ、あるいは、フライバックコンバータに適用されてもよい。
【0156】
なお、トーテムポールPFCにおいて半波整流ダイオード(図14図16の例では、半波整流ダイオード513、514に相当する)が逆電流でオフして、本共振動作の妨げになる場合、半波整流ダイオード(図14図16の例では、半波整流ダイオード513、514に相当する)と並列に容量成分を接続することで、共振動作への干渉を防ぐことができる。または、半波整流ダイオード(図14図16の例では、半波整流ダイオード513、514に相当する)に逆電流を流せるように、図14図16の例における半波整流ダイオード513、514をFETなどのスイッチ素子に置き換えることでも共振動作への干渉を防止することができる。
【0157】
(ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例)
図18図20を参照して、ZVSアシスト回路(ZVS共振アシスト回路)の制御部(駆動回路)の構成例を説明する。
図18図20では、電力変換装置がブースト(昇圧型)コンバータから構成される場合を示す。
【0158】
図18の例に係るZVSアシスト回路の制御部>
図18は、実施形態に係るZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図18には、図4に示される電力変換装置4と同様な構成を有するとともに、制御部を備えた電力変換装置601を示してある。図18の例では、図4に示されるのと同様な回路部については同じ符号を用いて示してある。
図18には、電源23を示してある。
なお、第1出力端子T1は、グラウンド端子G1と接続されている。
【0159】
制御部は、補助巻線611と、演算器612と、比較器613と、AND614と、AND615と、オンディレイ回路616と、OR617と、を備える。
AND614は、イネーブル(Enable)信号とPWM(Pulse Width Modulation)信号とを入力し、これらの論理結果をスイッチ素子35(Qsub)のゲートに出力する。
一般に、オンディレイ回路は立ち上がりエッジのみを遅延させ、オフディレイ回路は立ち下がりエッジのみを遅延させる。
【0160】
ここで、本実施形態では、制御IC(図示を省略)が、イネーブル信号およびPWM信号を出力する。
イネーブル信号は、ZVSアシストの有無を制御する信号である。例えば、イネーブル信号を用いて、条件によってZVSアシスト動作を停止し、無効電流損失低減機能と、スイッチ素子35(Qsub)へのサージ電圧を防止する機能を付加することが可能である。
【0161】
補助巻線611の一端は第1出力端子T1と接続され、補助巻線611の他端は比較器613の+入力端と接続される。
なお、補助巻線611と比較器613の+入力端との間に、補助巻線611から比較器613への方向が順方向となるダイオード621が設けられてもよく、あるいは、設けられなくてもよい。
【0162】
演算器612は、コンデンサ37の他端と接続されており、コンデンサ37の両端にかかる電圧をK倍にして比較器613の-入力端に出力する。
比較器613は、+入力端および-入力端の入力に応じた値をAND615に出力する。具体的には、比較器613は、+入力端の入力が-入力端の入力よりも大きい場合には1値を出力し、+入力端の入力が-入力端の入力よりも小さい場合には0値を出力する。
【0163】
AND615は、PWM信号および比較器613からの出力を入力し、これらの論理結果をOR617に出力する。
オンディレイ回路616は、PWM信号を遅延させてOR617に出力する。
OR617は、AND615からの出力およびオンディレイ回路616からの出力を入力し、これらの論理結果をスイッチ素子11(Qmain)のゲートに出力する。
【0164】
ここで、演算器612によって乗算される値(本例では、K倍)は、例えば、リーケージインダクタ(および、追加インダクタが備えられる場合には追加インダクタ)により求まり、当該値とコンデンサ37の両端にかかる電圧から比較器613の閾値(-入力端の値)が求まる。
具体例として、リーケージインダクタ(Lk)のみでタップドインダクタを構成する場合の理論値は、K=1/2が基本となる。ただし、リーケージインダクタンス比が1次巻線と2次巻線とで不平衡な場合は、それに対応してKが調整される。
タップドインダクタのリーケージインダクタ(Lk)のみで共振アシストする場合、コンデンサ37(Cs)の電圧の1/2と、3次巻線52(Nt)または補助巻線611(Nt’)の電圧との比較により、スイッチ素子11(Qmain)のオンのタイミングを決定することができる。
【0165】
また、追加インダクタ(Ladd)がある場合には、Kを調整する必要があり、K=1/2±αとなる。αは調整値である。
追加インダクタ(Ladd)を用いる場合には、比較するコンデンサ37(Cs)の電圧の係数Kを変化させる。
【0166】
なお、補助巻線611(Nt’)の巻き数をNt/Kとし、コンデンサ37(Cs)の電圧と比較しても同じ動作が実現される。
【0167】
図19の例に係るZVSアシスト回路の制御部>
図19は、実施形態に係るZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図19には、図4に示される電力変換装置4と同様な構成を有するとともに、制御部を備えた電力変換装置602を示してある。図19の例では、図4に示されるのと同様な回路部については同じ符号を用いて示してある。
図19には、電源23を示してある。
なお、第1出力端子T1は、グラウンド端子G1と接続されている。
【0168】
制御部は、ダイオード651と、コンデンサ652と、演算器642と、比較器643と、AND644と、AND645と、オンディレイ回路646と、OR647と、を備える。
ここで、図19に示される制御部の構成は、図18に示される制御部の構成と比べて、比較器643の入力側の構成が異なっており、他の点については同様である。
【0169】
ダイオード651のアノードと、比較器643の-入力端と、ダイオード53のカソードとが接続されている。
なお、ダイオード53のカソードと比較器643の-入力端との間に、ダイオード53から比較器643への方向が順方向となるダイオード661が設けられてもよく、あるいは、設けられなくてもよい。
【0170】
演算器642の1つの入力端と、コンデンサ37(Cs)の他端とが接続されている。
演算器642の他の1つの入力端と、ダイオード651のカソードとが接続されている。
コンデンサ652の一端と、グラウンド端子G1とが接続されている。
コンデンサ652の他端と、ダイオード651のカソードとが接続されている。
演算器642の出力端と、比較器643の+入力端とが接続されている。
【0171】
図19の例では、3次巻線(Nt)または補助巻線(Nt’)を使用しない例である。
演算器642の関数f(n)は、コンデンサ37(Cs)の電圧(そこから得られる入力電圧Vi)と、ダイオード53(Ds2)の電圧から得られる出力電圧(Vo)のn倍の電圧を用いて、出力値を得る。
比較器643は、演算器642の出力と、ダイオード53(Ds2)の電圧とを比較して、スイッチ素子11(Qmain)を制御するための信号を生成する。
【0172】
図20の例に係るZVSアシスト回路の制御部>
図20は、実施形態に係るZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図20には、図2に示される電力変換装置2と同様な構成を有するとともに、制御部を備えた電力変換装置603を示してある。図20の例では、図2に示されるのと同様な回路部については同じ符号を用いて示してある。
図20には、電源23を示してある。
なお、第1出力端子T1は、グラウンド端子G1と接続されている。
【0173】
制御部は、演算器682と、比較器683と、AND684と、AND685と、オンディレイ回路686と、OR687と、を備える。
ここで、図20に示される制御部の構成は、図18に示される制御部の構成と比べて、比較器683の入力側の構成が異なっており、他の点については同様である。
【0174】
ダイオード36(Ds2)のアノードと、比較器683の+入力端とが接続されている。
なお、ダイオード36(Ds2)のアノードと比較器683の+入力端との間に、ダイオード36(Ds2)のアノードから比較器683への方向が順方向となるダイオード691が設けられてもよく、あるいは、設けられなくてもよい。
【0175】
演算器682は、コンデンサ37の他端およびダイオード36(Ds2)のカソードと接続されており、コンデンサ37の両端にかかる電圧をK倍にして比較器683の-入力端に出力する。
【0176】
図20の例では、3次巻線33(Nt)を別巻線として、補助巻線(Nt’)を使用しない例である。
【0177】
なお、図18図20の例において、オンディレイ回路616、646、686が備えられない構成が用いられてもよい。
図18図20の例では、過渡動作においてスイッチ素子35(Qsub)がオンしないケースが存在するため、オンディレイ回路616、646、686によって、規定デッドタイム(tdead)経過後に強制的にオンさせている。
【0178】
ここで、図18図20の例では、ZVSアシスト回路をブーストコンバータに適用した場合を示したが、ZVSアシスト回路は、バックコンバータ、バック-ブーストコンバータ、あるいは、フライバックコンバータに適用されてもよい。
【0179】
ここで、図18図20の例では、直流の電源23が用いられる場合を示したが、他の構成例として、この電源は、脈流を含んだ全波整流電圧あるいは半波整流電圧でもよく、一般的な力率改善回路(PFC)にも適用が可能である。
【0180】
(準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置の基本構成例)
図21図24を参照して、準ZVSアシスト回路(準ZVS共振アシスト回路)を備えた電力変換装置の基本構成例を説明する。
【0181】
図21の例に係る電力変換装置>
図21(A)は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置1001の回路構成の一例を示す図である。
図21(A)では、電力変換装置がブースト(昇圧型)コンバータから構成される場合を示す。
図21(A)の例では、制御回路の図示を省略している。
【0182】
電力変換装置1001は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、図1の例に係るメイン回路と同様であり、カップルドインダクタの1次巻線1131(Np)以外は、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図21(A)には、図1に示されるのと同様な電源21(Vi)を示してある。
【0183】
準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線1131(Np)と2次巻線1132(Ns)と、ダイオード1133(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1134(Qsub)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線1131(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
【0184】
第1出力端子T1と、2次巻線1132の一端と、スイッチ素子1134のソースとが接続されている。
2次巻線1132の他端と、ダイオード1133のアノードとが接続されている。
ダイオード1133のカソードと、スイッチ素子1134のドレインとが接続されている。
【0185】
ここで、図21(A)に示される準ZVSアシスト回路の構成は、図1に示されるZVSアシスト回路A1と比べて、3次巻線33(Nt)と、ダイオード36(Ds2)と、コンデンサ37(Cs)が備えられていない。
【0186】
ここで、電力変換装置1001では、準ZVS条件を満足する入出力電圧比は(式5)で表される。(式5)において、Voはメイン回路の出力電圧(第1出力端子T1と第2出力端子T2との間にかかる電圧)を表しており、Viは電源21の電圧を表している。
【0187】
【数5】
【0188】
準ZVSアシスト回路では、VoおよびViがZVS条件を満足していない場合にも適用可能である。
例えば、Nt/Ns≦0でもZVS条件を満足する場合、補助コンデンサ(Cs)およびダイオード(Ds2)を削除した構成(準ZVSアシスト回路)にすることが可能である。
準ZVSアシスト回路では、ZVSではなく、Valleyスイッチングとなり、スイッチ素子11(Qmain)のターンオン時に寄生容量損失は生じるが、ソフトリカバリー効果とソフトスイッチング効果は得られるため、低損失である。
【0189】
図21(B)は、図21(A)に示される準ZVSアシスト回路の他の構成例である。
図21(B)に示される準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線1131a(Np)と2次巻線1132a(Ns)と、ダイオード1133a(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1134a(Qsub)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線1131a(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
図21(B)に示される準ZVSアシスト回路では、図21(A)の例と比べて、回路素子の接続の仕方が異なっており、ダイオード1133a(Ds1)の配置が異なっている。
図21(B)の例のようにダイオード1133a(Ds1)の位置が変わっても図21(A)の例と等価である。
【0190】
図21(C)は、図21(A)に示される準ZVSアシスト回路の他の構成例である。
図21(C)に示される準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線1131b(Np)と2次巻線1132b(Ns)と、ダイオード1133b(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1134b(Qsub)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線1131b(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
図21(C)に示される準ZVSアシスト回路では、図21(A)の例と比べて、回路素子の接続の仕方が異なっており、ダイオード1133b(Ds1)の配置が異なっている。図21(C)の例では、2次巻線1132bの一端にスイッチ素子1134bのドレインが接続され、2次巻線1132bの他端にダイオード1133bのカソードが接続され、スイッチ素子1134bのソースおよびダイオード1133bのアノードが第1出力端子T1と接続される。
図21(C)の例のようにダイオード1133b(Ds1)の位置が変わっても図21(A)の例と等価である。
【0191】
また、本実施形態に係る電力変換装置1001では、整流素子としてダイオードが用いられる場合を示したが、他の整流素子が用いられてもよい。
例えば、メインのダイオード12(Dm)の代わりに、MOS型FETなどのスイッチ素子が用いられてもよい。
【0192】
図22の例に係る電力変換装置>
図22は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置1002の回路構成の一例を示す図である。
図22では、電力変換装置がバック(降圧型)コンバータから構成される場合を示す。
図22の例では、制御回路の図示を省略している。
【0193】
電力変換装置1002は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、図8の例に係るメイン回路と同様であり、カップルドインダクタの1次巻線1151(Np)以外は、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図22には、図8に示されるのと同様な電源121(Vi)を示してある。
また、図22には、グラウンド端子G1を示してある。
【0194】
準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線1151(Np)と2次巻線1152(Ns)と、ダイオード1153(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1154(Qsub)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線1151(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
【0195】
第1出力端子T11と、2次巻線1152の一端と、スイッチ素子1154のソースとが接続されている。
2次巻線1152の他端と、ダイオード1153のアノードとが接続されている。
ダイオード1153のカソードと、スイッチ素子1154のドレインとが接続されている。
【0196】
ここで、図22に示される準ZVSアシスト回路の構成は、図8に示されるZVSアシスト回路と比べて、3次巻線153(Nt)と、ダイオード156(Ds2)と、コンデンサ157(Cs)が備えられていない。
【0197】
ここで、電力変換装置1002では、準ZVS条件を満足する入出力電圧比は(式6)で表される。(式6)において、Voはメイン回路の出力電圧(第1出力端子T11と第2出力端子T12との間にかかる電圧)を表しており、Viは電源121の電圧を表している。
【0198】
【数6】
【0199】
電力変換装置1002は、さらにダイオード1155を備えている。
ダイオード1155のアノードは、ダイオード1153のアノードと接続されている。
図22の例に係る電力変換装置1002では、ダイオード1155のカソードにおいて、電圧源(Vcc)を得ることができる。
当該電圧源(Vcc)は、任意の用途で使用されてもよく、例えば、スイッチ素子132あるいはスイッチ素子1154のゲート電圧の制御に使用されてもよい。
【0200】
また、本実施形態に係る電力変換装置1002では、整流素子としてダイオードが用いられる場合を示したが、他の整流素子が用いられてもよい。
例えば、メインのダイオード133(Dm)の代わりに、MOS型FETなどのスイッチ素子が用いられてもよい。
【0201】
図23の例に係る電力変換装置>
図23は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置1003の回路構成の一例を示す図である。
図23では、電力変換装置がバックブースト(昇降圧)コンバータから構成される場合を示す。
図23の例では、制御回路の図示を省略している。
【0202】
電力変換装置1003は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、図9の例に係るメイン回路と同様であり、カップルドインダクタの1次巻線1171(Np)以外は、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図23には、図9に示されるのと同様な電源171(Vi)を示してある。
また、図23には、グラウンド端子G1を示してある。
【0203】
準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線1171(Np)と2次巻線1172(Ns)と、ダイオード1173(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1174(Qsub)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線1171(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
1次巻線1171の配置は、図9の例と同様である。
【0204】
第1出力端子T21と、2次巻線1172の一端と、スイッチ素子1174のソースとが接続されている。
2次巻線1172の他端と、ダイオード1173のアノードとが接続されている。
ダイオード1173のカソードと、スイッチ素子1174のドレインとが接続されている。
【0205】
ここで、図23に示される準ZVSアシスト回路の構成は、図9に示されるZVSアシスト回路と比べて、3次巻線213(Nt)と、ダイオード216(Ds2)と、コンデンサ217(Cs)が備えられていない。
【0206】
ここで、電力変換装置1003では、準ZVS条件を満足する入出力電圧比は(式7)で表される。(式7)において、Voはメイン回路の出力電圧(第1出力端子T21と第2出力端子T22との間にかかる電圧)を表しており、Viは電源171の電圧を表している。
【0207】
【数7】
【0208】
電力変換装置1003は、さらにダイオード1181を備えている。
ダイオード1181のアノードは、ダイオード1173のアノードと接続されている。
図23の例に係る電力変換装置1003では、ダイオード1181のカソードにおいて、電圧源(Vcc)を得ることができる。
当該電圧源(Vcc)は、任意の用途で使用されてもよく、例えば、スイッチ素子183あるいはスイッチ素子1174のゲート電圧の制御に使用されてもよい。
【0209】
また、本実施形態に係る電力変換装置1003では、整流素子としてダイオードが用いられる場合を示したが、他の整流素子が用いられてもよい。
例えば、メインのダイオード182(Dm)の代わりに、MOS型FETなどのスイッチ素子が用いられてもよい。
【0210】
図24の例に係る電力変換装置>
図24は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置1004の回路構成の一例を示す図である。
図24では、電力変換装置がフライバックコンバータから構成される場合を示す。
図24の例では、制御回路の図示を省略している。
【0211】
電力変換装置1004は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、図10の例に係るメイン回路と同様であり、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図24には、図10に示されるのと同様な電源251(Vi)を示してある。
また、図24には、グラウンド端子G1を示してある。
【0212】
準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線244(Np)と2次巻線1211(Ns)と、ダイオード1212(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1213(Qsub)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線244(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
【0213】
スイッチ素子245(Qmain)のソースと、電源251の一端と、2次巻線1211の一端と、スイッチ素子1213のソースとが接続されている。
2次巻線1211の他端と、ダイオード1212のアノードとが接続されている。
ダイオード1212のカソードと、スイッチ素子1213のドレインとが接続されている。
【0214】
ここで、図24に示される準ZVSアシスト回路の構成は、図10に示されるZVSアシスト回路と比べて、3次巻線262(Nt)と、ダイオード265(Ds2)と、コンデンサ266(Cs)が備えられていない。
【0215】
ここで、電力変換装置1004では、準ZVS条件を満足する入出力電圧比は(式8)で表される。(式8)において、Voはメイン回路の出力電圧(第1出力端子T31と第2出力端子T32との間にかかる電圧)を表しており、Viは電源251の電圧を表している。
【0216】
【数8】
【0217】
電力変換装置1004は、さらにダイオード1221を備えている。
ダイオード1221のアノードは、ダイオード1212のアノードと接続されている。
図24の例に係る電力変換装置1004では、ダイオード1221のカソードにおいて、電圧源(Vcc)を得ることができる。
当該電圧源(Vcc)は、任意の用途で使用されてもよく、例えば、スイッチ素子245あるいはスイッチ素子1213のゲート電圧の制御に使用されてもよい。
【0218】
また、本実施形態に係る電力変換装置1004では、整流素子としてダイオードが用いられる場合を示したが、他の整流素子が用いられてもよい。
例えば、メインのダイオード242(Dm)の代わりに、MOS型FETなどのスイッチ素子が用いられてもよい。
【0219】
ここで、図21図24の例では、直流の電源21、121、171、251が用いられる場合を示したが、他の構成例として、この電源は、脈流を含んだ全波整流電圧あるいは半波整流電圧でもよく、一般的な力率改善回路(PFC)にも適用が可能である。
【0220】
<電力変換装置の動作例>
図25を参照して、図21に示される電力変換装置1001において行われる動作の例を説明する。
なお、図22図24に示される電力変換装置1002~1004において行われる動作の例についても同様である。
【0221】
図25は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置1001における波形の例を示す図である。
本実施形態では、制御部により行われる制御によって、スイッチ素子1134(Qsub)がオンになった後に、スイッチ素子11(Qmain)がオンになる。また、当該制御によって、スイッチ素子1134(Qsub)がオフになった後またはそれと同時に、スイッチ素子11(Qmain)がオフになる。
【0222】
図25に示されるグラフでは、横軸は時間(t)を表しており、縦軸はそれぞれの波形のレベルを表している。
図25(A)には、スイッチ素子1134(Qsub)のゲートのオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形3011を示してある。
図25(B)には、スイッチ素子11(Qmain)のゲートのオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形3012を示してある。
【0223】
図25(C)には、スイッチ素子1134(Qsub)を流れる電流の波形3013を示してある。
図25(D)には、2次巻線1132(Ns)側を換算した1次巻線1131(Np)側の等価回路における励磁インダクタLmに流れる電流の波形3014を示してある。
また、図25(D)には、スイッチ素子11(Qmain)を流れる電流の波形3015を示してある。
また、図25(D)には、モード2およびモード3に関して、入力電流Iinの波形を示してある。
【0224】
図25(E)には、2次巻線1132(Ns)側を換算した1次巻線1131(Np)側の等価回路における励磁インダクタLmにかかる電圧の波形3016を示してある。
図25(F)には、スイッチ素子1134(Qsub)にかかる電圧の波形3017を示してある。
図25(G)には、スイッチ素子11(Qmain)にかかる電圧の波形3018を示してある。
【0225】
電力変換装置1001では、時間の流れにしたがって、モード1の状態からモード6の状態まで順番に遷移し、モード6の状態の後に再びモード1の状態に戻る。
【0226】
以上のように、本実施形態に係る電力変換装置1001~1004では、準ZVSアシスト回路により、Nt/Ns≦0であってもZVS条件を満足する場合、より部品点数を少なくすることができる。
本実施形態に係る電力変換装置1001~1004では、準ZVSアシスト回路のデバイス選定の自由度を高め、準ZVSアシスト回路における共振電流のリセット期間を短くしてメインスイッチのターンオフ損失を低減することができる。
【0227】
なお、準ZVSアシスト回路では、モード5における補助コンデンサ(Cs)の充電電流が生じない動作となる。
本実施形態に係る準ZVSアシスト回路は、例えば、カップルドインダクタの1次巻線(Np)を平滑、昇圧、あるいは、降圧を目的に接続した昇圧コンバータ、降圧コンバータ、昇降圧コンバータ、あるいは、フライバックコンバータに適用可能である。
【0228】
(準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の構成例)
図26図27を参照して、準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の構成例を説明する。
図26図27では、電力変換装置がブースト(昇圧型)コンバータから構成される場合を示す。
【0229】
図26の例に係る電力変換装置の準ZVSアシスト回路>
図26は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路の回路構成の一例を示す図である。
図26の例では、メイン回路および制御回路の図示を省略している。
ここで、メイン回路は、図14に示されるメイン回路と同様である。
【0230】
準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線541(Np)と2次巻線1311(Ns+)および2次巻線1312(Ns-)と、ダイオード1313(Ds1+)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1314(Qsub+)と、ダイオード1315(Ds1-)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1316(Qsub-)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線541(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
なお、図26の例では、1次巻線541(Np)の図示を省略してある。
【0231】
2次巻線1312の一端と、ダイオード1315のアノードとが接続されている。
ダイオード1315のカソードと、スイッチ素子1316のドレインとが接続されている。
2次巻線1312の他端と、2次巻線1311の一端と、スイッチ素子1316のソースと、スイッチ素子1314のソースとが接続されている。
2次巻線1311の他端と、ダイオード1313のアノードとが接続されている。
ダイオード1313のカソードと、スイッチ素子1314のドレインとが接続されている。
【0232】
図27の例に係る電力変換装置>
図27は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置1301の回路構成の一例を示す図である。
図27の例では、制御回路の図示を省略している。
【0233】
電力変換装置1301は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、図14の例に係るメイン回路と同様であり、カップルドインダクタの1次巻線1331(Np)以外は、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図27には、図14に示されるのと同様な電源523を示してある。
【0234】
準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線1331(Np)と2次巻線1332(Ns)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1333(Qsub+)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1334(Qsub-)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線1331(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
なお、1次巻線1331の配置は、図14に示される1次巻線541の配置と同様である。
【0235】
2次巻線1332の一端と、スイッチ素子1334のドレインとが接続されている。
2次巻線1332の他端と、スイッチ素子1333のドレインとが接続されている。
スイッチ素子1333のソースと、スイッチ素子1334のソースとが接続されている。
【0236】
図27の例では、スイッチ素子1333(Qsub+)は、逆阻止機能を有さないMOSFETから構成されており、そのスイッチング部と並列に接続される整流素子 (Ds1-)が存在するとみなすことができる。
同様に、図27の例では、スイッチ素子1334(Qsub-)は、逆阻止機能を有さないMOSFETから構成されており、そのスイッチング部と並列に接続される整流素子(Ds1+)が存在するとみなすことができる。
なお、他の構成例として、整流素子 (Ds1-)と整流素子(Ds1+)との一方または両方の構成部品として、他の構成部品が用いられてもよい。
【0237】
ここで、準アシスト回路におけるスイッチ素子(Qsub+、Qsub-)のソースの電位としては、任意の箇所の電位と接続されてもよい。
当該電位としては、一般的に、図27の例では、第1出力端子T61の電位(図27における点B1の電位)、スイッチ素子511のドレインおよびスイッチ素子512のソースの電位(図27における点B2の電位)、または、半波整流ダイオード513のカソードおよび半波整流ダイオード514のアノードの電位(図27における点B3の電位)が用いられる。
なお、図27における点B1、点B2、点B3は、説明の便宜上で示したものであり、電力変換装置1301の回路構成を限定するものではない。
【0238】
ここで、図26図27の例では、準ZVSアシスト回路をブーストコンバータに適用した場合を示したが、準ZVSアシスト回路は、バックコンバータ、バック-ブーストコンバータ、あるいは、フライバックコンバータに適用されてもよい。
【0239】
<同期整流の電流吸込みによる準ZVSアシスト回路の動作例>
図28図29を参照して、図27の例に係る準ZVSアシスト回路の動作例を説明する。
ここでは、トーテムポールPFCのようなハーフブリッジ構成における、同期電流の電流吸込みによるZVSアシスト動作(SR-ZVSアシスト動作)について説明する。
【0240】
図28の例に係る等価回路>
図28は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置1301の回路構成の等価回路1401の一例を示す図である。
等価回路1401は、Vi>0の場合の等価回路である。
【0241】
等価回路1401として、第1出力端子T61、第2出力端子T62、電源523を示してあるとともに、MOS型FETからなるスイッチ素子1411(Qmain)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1412(QSR)と、励磁インダクタ1421(Lm)と、インダクタ1422(Lks)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1423(Qsub+)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1424(Qsub-)と、を示してある。
なお、モードSにおいては第1出力端子T61から電源523への方向が順方向である半波整流ダイオード1431が設けられてもよく、あるいは、設けられなくてもよい。
また、トーテムポールPFCにおいて半波整流ダイオード1431が逆電流でオフして、本共振動作の妨げになる場合、半波整流ダイオード1431(図27の例では、半波整流ダイオード513、514に相当する)と並列に容量成分を接続することで、共振動作への干渉を防ぐことができる。または、半波整流ダイオード1431(図27の例では、半波整流ダイオード513、514に相当する)に逆電流を流せるように、図27の例における半波整流ダイオード513、514をFETなどのスイッチ素子に置き換えることでも共振動作への干渉を防止することができる。
【0242】
図28には、所定のモード(説明の便宜上、モードSと呼ぶ。)における電流の流れを示してある。
図28の例では、1次巻線(Np)の励磁電流の還流動作を担っているスイッチ素子1412(QSR)が、スイッチ素子1411(Qmain)と短絡防止期間を設けた対になるオン/オフ動作(同期整流動作)をするように制御される。
【0243】
図29を参照して、図28に示される電力変換装置1301(等価回路1401)において行われる動作の例を説明する。
【0244】
図29は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置1301(等価回路1401)における波形の例を示す図である。
本実施形態では、制御部により行われる制御によって、スイッチ素子1423(Qsub+)がオンになった後に、スイッチ素子1411(Qmain)がオンになる。また、当該制御によって、スイッチ素子1423(Qsub+)がオフになった後またはそれと同時に、スイッチ素子1411(Qmain)がオフになる。
【0245】
図29に示されるグラフでは、横軸は時間(t)を表しており、縦軸はそれぞれの波形のレベルを表している。
図29(A)には、スイッチ素子1423(Qsub+)のゲートのオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形3111を示してある。
図29(B)には、スイッチ素子1411(Qmain)のゲートのオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形3112を示してある。
図29(C)には、スイッチ素子1412(QSR)のゲートのオン(ON)とオフ(OFF)を表す波形3113を示してある。
【0246】
図29(D)には、スイッチ素子1423(Qsub+)を流れる電流の波形3114を示してある。
図29(E)には、励磁インダクタ1421(Lm)に流れる電流の波形3115を示してある。
また、図29(E)には、スイッチ素子1411(Qmain)を流れる電流の波形3116を示してある。
また、図29(E)には、モード2、モードSおよびモード3に関して、入力電流Iinの波形を示してある。
【0247】
図29(F)には、励磁インダクタ1421(Lm)にかかる電圧の波形3117を示してある。
図29(G)には、スイッチ素子1423(Qsub+)にかかる電圧の波形3118を示してある。
図29(H)には、スイッチ素子1411(Qmain)にかかる電圧の波形3119を示してある。
【0248】
電力変換装置1301(等価回路1401)では、時間の流れにしたがって、モード1の状態からモード2の状態、モードSの状態、モード3からモード6の状態まで順番に遷移し、モード6の状態の後に再びモード1の状態に戻る。
【0249】
図29の例では、スイッチ素子1423(Qsub+)がオンした後、スイッチ素子1412(QSR)の電流が任意の負電流値になったときに、スイッチ素子1412(QSR)をオフすると、モード3になる。モード3の状態で、スイッチ素子1411(Qmain)にかかる電圧(V Qmain)がゼロ電圧へ遷移する遷移時間tbが経過した後、スイッチ素子1411(Qmain)のターンオンはZVSオンとなり、モード4に移行する。その後、モード6において、スイッチ素子1411(Qmain)がオフすると、スイッチと並列の容量成分を充放電する期間tcが経過した後、スイッチ素子1412(QSR)が還流動作となり、モード1になる。モード1の状態で、スイッチ素子1412(QSR)をオンすると、同期整流による導通損の低減が可能となる。
【0250】
電力変換装置1301(等価回路1401)では、Vi>Vo/2を含む全入力電圧Viの範囲でZVS動作が可能である。
電力変換装置1301(等価回路1401)では、仮にVi>Vo/2であっても、Valleyスイッチングとなりソフトリカバリー動作が得られる。
Vi>Vo/2のように入力電圧(Vi)が高いときにおけるPFC損失は、入力電圧(Vi)が低いときと比べて小さい。また、CRM-PFCのように入力電圧(Vi)が高いときにスイッチング周波数は増加しない。
【0251】
なお、図27の例において、メイン回路の半波整流ダイオード513および半波整流ダイオード514のそれぞれをMOS型FETなどのスイッチ素子に置き換えてもよく、この場合、双方向のコンバータが実現される。
【0252】
ここで、図28図29の例では、準ZVSアシスト回路をブーストコンバータに適用した場合を示したが、準ZVSアシスト回路は、バックコンバータ、バック-ブーストコンバータ、あるいは、フライバックコンバータに適用されてもよい。
【0253】
図30の例に係る電力変換装置>
図30は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置1501の回路構成の一例を示す図である。
図30の例は、準ZVSアシスト回路をACスイッチのブリッジレスPFCに適用した場合の例である。
図30の例では、制御回路の図示を省略している。
【0254】
電力変換装置1501は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、MOS型FETからなる4個のスイッチ素子1511~1514と、出力コンデンサであるコンデンサ1515(Co)と、MOS型FETからなる2個のスイッチ素子1516~1517と、カップルドインダクタの1次巻線1541(Np)と、を備える。
また、図30には、交流の電源1523を示してある。ここで、電源1523は、例えば、商用の交流電源であってもよい。
【0255】
説明の便宜上、電力変換装置1501において、負荷(図示を省略)が接続される側の2個の出力端子を第1出力端子T101、第2出力端子T102と呼んで説明する。図30の例では、第1出力端子T101がグラウンド(GND)側であり、第2出力端子T102がプラス(+)側である。
【0256】
第1出力端子T101と、スイッチ素子1511のソースと、スイッチ素子1513のソースと、コンデンサ1515の一端とが接続されている。
第2出力端子T102と、スイッチ素子1512のドレインと、スイッチ素子1514のドレインと、コンデンサ1515の他端とが接続されている。
スイッチ素子1511のドレインと、スイッチ素子1512のソースと、スイッチ素子1516のドレインと、電源1523の一端とが接続されている。
電源1523の他端と、1次巻線1541の一端とが接続されている。
1次巻線1541の他端と、スイッチ素子1513のドレインと、スイッチ素子1514のソースと、スイッチ素子1517のドレインとが接続されている。
スイッチ素子1516のソースと、スイッチ素子1517のソースとが接続されている。
【0257】
準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線1541(Np)と2次巻線1542(Ns)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1543(Qsub+)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1544(Qsub-)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線1541(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
なお、準ZVSアシスト回路の構成は、図27の例と同様である。
【0258】
なお、図30の例においても、図27の例と同様に、準ZVSアシスト回路のスイッチ素子(Qsub+、Qsub-)の電位は、任意の電位に接続されてもよい。
一般的に、図30の例では、当該電位は、パワー回路のFETのソース電位のいずれかが用いられる。
【0259】
図31の例に係る電力変換装置>
図31(A)は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置1601の回路構成の一例を示す図である。
図31(A)の例は、準ZVSアシスト回路をインバータに適用した場合の例である。
図31(A)の例では、制御回路の図示を省略している。
【0260】
電力変換装置1601は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、MOS型FETからなる4個のスイッチ素子1611~1614と、カップルドインダクタの1次巻線1641(Np)と、を備える。
また、図31(A)には、直流の電源1631と、交流の電源1623を示してある。
【0261】
スイッチ素子1613のドレインと、スイッチ素子1614のソースと、1次巻線1641の一端とが接続されている。
1次巻線1641の他端と、電源1623の一端とが接続されている。
スイッチ素子1611のドレインと、スイッチ素子1612のソースと、電源1623の他端とが接続されている。
スイッチ素子1613のソースと、スイッチ素子1611のソースと、電源1631の一端とが接続されている。
スイッチ素子1614のドレインと、スイッチ素子1612のドレインと、電源1631の他端とが接続されている。
【0262】
準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線1641(Np)と2次巻線1642(Ns)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1643(Qsub+)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1644(Qsub-)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線1641(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
なお、準ZVSアシスト回路の構成は、図27の例と同様である。
【0263】
図31(A)の例では、準ZVSアシスト回路のスイッチ素子(Qsub+、Qsub-)の電位として、スイッチ素子1643のソースおよびスイッチ素子1644のソースは、スイッチ素子1613のソースおよびスイッチ素子1611のソース(ならびに、電源1631の一端)と接続されている。
【0264】
ここで、電源1623は、図31(B)に示される負荷回路部に置き換えられてもよい。
図31(B)に示される回路部は、抵抗1671とコンデンサ1672との並列回路である。
【0265】
図32の例に係る電力変換装置>
図32は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置1701の回路構成の一例を示す図である。
図32の例は、準ZVSアシスト回路をHブリッジ昇降圧コンバータに適用した場合の例である。
図31の例では、制御回路の図示を省略している。
【0266】
電力変換装置1701は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、MOS型FETからなる4個のスイッチ素子1711~1714と、出力コンデンサであるコンデンサ1715(Co)と、カップルドインダクタの1次巻線1741(Np)と、を備える。
また、図31には、直流の電源1731を示してある。
【0267】
説明の便宜上、電力変換装置1701において、負荷(図示を省略)が接続される側の2個の出力端子を第1出力端子T121、第2出力端子T122と呼んで説明する。図32の例では、第1出力端子T121がグラウンド(GND)側であり、第2出力端子T122がプラス(+)側である。
【0268】
第1出力端子T121と、スイッチ素子1711のソースと、スイッチ素子1713のソースと、コンデンサ1715の一端と、電源1731の一端とが接続されている。
第2出力端子T122と、スイッチ素子1712のドレインと、コンデンサ1715の他端とが接続されている。
電源1731の他端と、スイッチ素子1714のドレインとが接続されている。
スイッチ素子1713のドレインと、スイッチ素子1714のソースと、1次巻線1741の一端とが接続されている。
1次巻線1741の他端と、スイッチ素子1711のドレインと、スイッチ素子1712のソースとが接続されている。
【0269】
準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線1741(Np)と2次巻線1742(Ns)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1743(Qsub+)と、MOS型FETからなるスイッチ素子1744(Qsub-)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線1741(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
なお、準ZVSアシスト回路の構成は、図27の例と同様である。
【0270】
図32の例では、準ZVSアシスト回路のスイッチ素子(Qsub+、Qsub-)の電位として、スイッチ素子1743のソースおよびスイッチ素子1744のソースは、スイッチ素子1711のソースおよびスイッチ素子1713のソース(ならびに、第1出力端子T121および電源1731の一端)と接続されている。
【0271】
(準ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例)
準ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例は、図18図20に示される制御部(駆動回路)の構成例と同様であるが、準ZVSアシスト回路では補助コンデンサ(Cs)が用いられない点に関して相違する。
図18の例では、準ZVSアシスト回路に適用すると、3次巻線52とダイオード53とコンデンサ37が備えられないため、演算器612の入力端がショートとなると考えられる。この場合、比較器613の-入力端の電位は0[V]となり、比較器613による比較結果に基づいてメインのスイッチ素子(Qmain)のオン/オフのタイミングが制御される。
【0272】
なお、比較器613の-入力端の電位は必ずしも0[V]でなくてもよく、例えば、0[V]にノイズマージンを設けたオフセット(OFFSET)電圧が比較器613の-入力端に印加される構成が用いられてもよい。
ここで、オフセット電圧は、比較器613の入力電圧範囲を考慮して設定されてもよく、例えば、0[V]~1[V]程度のオフセット電圧が設定されてもよい。
【0273】
以下、ZVSおよび準ZVSに関して、さらに、構成例を示す。
図33の例に係るZVSアシスト回路の制御部>
図33は、実施形態に係るZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図33の例は、概略的には、図18の例におけるANDとORとの順序を入れ替えて、ANDの代替として非同期クリア端子付きのD型フリップフロップを用いた場合の例である。
図33の例では、フリップフロップ機能およびラッチ機能により、メインのスイッチ素子11(Qmain)のゲートへのダブルパルス防止が図られている。
【0274】
図33には、図18に示される電力変換装置601の制御部とは異なる構成の制御部を備えた電力変換装置4001を示してある。図33の例では、図18に示されるのと同様な回路部については同じ符号を用いて示してある。
また、図33には、電源23を示してある。
なお、第1出力端子T1は、グラウンド端子G1と接続されている。
【0275】
ここで、図33の例では、図18の例における巻線51、3次巻線52、ダイオード53、ダイオード34、スイッチ素子35、コンデンサ37の代わりに、巻線4051、3次巻線4052、ダイオード4053、ダイオード4034、スイッチ素子4035、コンデンサ4037を備える構成を示してあるが、これらは実質的には同様なZVSアシスト回路である。
【0276】
制御部は、補助巻線4111(Nt’:NZCD)と、演算器4112と、比較器4113と、オンディレイ回路4116と、OR4117と、オフディレイ回路4118と、非同期クリア端子付きのD型フリップフロップ(D-FF)4119と、を備える。
ここで、図33の例では、図18の例における補助巻線611に対応する構成部として、補助巻線4111を備えている。
【0277】
補助巻線4111の一端は第1出力端子T1と接続され、補助巻線4111の他端は比較器4113の+入力端と接続される。
なお、補助巻線4111と比較器4113の+入力端との間に、補助巻線4111から比較器4113への方向が順方向となるダイオード(図33では図示を省略)が設けられてもよく、あるいは、設けられなくてもよい。
【0278】
演算器4112は、コンデンサ4037と3次巻線4052との間の点(図18の例におけるコンデンサ37の他端に対応する箇所)と接続されており、コンデンサ4037の両端にかかる電圧をK倍にして比較器4113の-入力端に出力する。
比較器4113は、+入力端および-入力端の入力に応じた値をOR4117に出力する。具体的には、比較器4113は、+入力端の入力が-入力端の入力よりも大きい場合には1値を出力し、+入力端の入力が-入力端の入力よりも小さい場合には0値を出力する。
【0279】
ここで、本実施形態では、制御IC(図示を省略)が、PWM信号を出力する。当該PWM信号は、補助のスイッチ素子4035(Qsub)のゲート、オンディレイ回路4116、オフディレイ回路4118、D型フリップフロップ4119のD端子(入力端子)のそれぞれに出力される。
【0280】
オンディレイ回路4116は、PWM信号を入力し、オンディレイ動作の結果をOR4117に出力する。
OR4117は、比較器4113からの出力およびオンディレイ回路4116からの出力を入力し、これらの論理結果をD型フリップフロップ4119のクロック端子に出力する。
【0281】
オフディレイ回路4118は、PWM信号を入力し、オフディレイ動作の結果をD型フリップフロップ4119の非同期クリア端子(負論理のR)に出力する。
D型フリップフロップ4119は、D端子の入力と、クロック端子の入力と、非同期クリア端子(負論理のR)の入力と、に基づく結果を、Q端子からメインのスイッチ素子11(Qmain)のゲートに出力する。
【0282】
図33の例では、D型フリップフロップ4119の入力として、PFCの制御ICから出力されるPWM信号を入力する。
図33の例では、NZCDタップ(図33の例では、補助巻線4111のタップ)によるゼロ電流検出ZCDコンパレータ(図33の例では、比較器4113)の立ち上りエッジをD型フリップフロップ4119にエッジ入力することで、メインのスイッチ素子11(Qmain)をZVSターンオンさせつつ、ラッチ機能を実現する。
【0283】
ただし、起動時は、ゼロ電流検出ZCDに関わらず、メインのスイッチ素子11(Qmain)を強制オンする必要があるため、D型フリップフロップ4119のエッジ入力にZCDコンパレータの出力とオンディレイ回路4116の出力とのOR信号が接続されることで、ラッチ機能および強制オン機能を実装する。また、D型フリップフロップ4119の非同期クリア端子に、メインのスイッチ素子11(Qmain)のオフタイミングを制御することを目的に、オフディレイ回路4118を接続することで、補助のスイッチ素子4035(Qsub)をメインのスイッチ素子11(Qmain)よりも先にオフさせる。これにより、この回路構成における調整要素は、オンディレイ回路4116によるPWM信号の遅延時間、オフディレイ回路4118によるPWM信号の遅延時間、および、ZCDコンパレータの3要素となる。
【0284】
図34の例に係る準ZVSアシスト回路の制御部>
図34は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図34には、図21(A)に示される電力変換装置1001と同様な構成を有するとともに、図18の例とほぼ同様な制御部を備えた電力変換装置4201を示してある。図34の例では、図21(A)あるいは図18に示されるのと同様な回路部については同じ符号を用いて示してある。
また、図34には、電源21を示してある。
なお、第1出力端子T1は、グラウンド端子G1と接続されている。
【0285】
ここで、図34の例では、図21(A)の例における1次巻線1131、2次巻線1132、ダイオード1133、スイッチ素子1134の代わりに、1次巻線4231、2次巻線4232、ダイオード4233、スイッチ素子4234を備える構成を示してあるが、これらは実質的には同様な準ZVSアシスト回路である。
【0286】
制御部は、補助巻線611と、比較器613と、AND614と、AND615と、オンディレイ回路616と、OR617と、オフセット電源4251と、を備える。
なお、ダイオード621は、設けられてもよく、あるいは、設けられなくてもよい。
本実施形態では、制御IC(図示を省略)が、イネーブル信号およびPWM信号を出力する。
【0287】
ここで、図34の例における制御部の構成は、図18の例における制御部の構成と比べて、比較器613の-入力端への入力が異なっている。
図34の例では、オフセット電源4251の電圧が比較器613の-入力端に出力される。
オフセット電源4251は、0[V]以上のオフセット電圧を出力する。
【0288】
図35の例に係る準ZVSアシスト回路の制御部>
図35は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図35の例は、概略的には、図34の例におけるANDとORとの順序を入れ替えて、ANDの代替として非同期クリア端子付きのD型フリップフロップを用いた場合の例である。
図35の例では、フリップフロップ機能およびラッチ機能により、メインのスイッチ素子11(Qmain)のゲートへのダブルパルス防止が図られている。
【0289】
図35には、図34に示される電力変換装置4201の制御部とは異なる構成であって図33の例とほぼ同様な制御部を備えた電力変換装置4301を示してある。図35の例では、図34あるいは図33に示されるのと同様な回路部については同じ符号を用いて示してある。
また、図35には、電源21を示してある。
なお、第1出力端子T1は、グラウンド端子G1と接続されている。
【0290】
ここで、図35の例では、図34の例における1次巻線4231、2次巻線4232、ダイオード4233、スイッチ素子4234の代わりに、1次巻線4331、2次巻線4332、ダイオード4333、スイッチ素子4334を備える構成を示してあるが、これらは実質的には同様な準ZVSアシスト回路である。
【0291】
制御部は、補助巻線4111と、比較器4113と、オンディレイ回路4116と、OR4117と、オフディレイ回路4118と、非同期クリア端子付きのD型フリップフロップ(D-FF)4119と、オフセット電源4351と、を備える。
なお、補助巻線4111と比較器4113の+入力端との間に、補助巻線4111から比較器4113への方向が順方向となるダイオード(図35では図示を省略)が設けられてもよく、あるいは、設けられなくてもよい。
本実施形態では、制御IC(図示を省略)が、PWM信号を出力する。
【0292】
ここで、図35の例における制御部の構成は、図33の例における制御部の構成と比べて、比較器4113の-入力端への入力が異なっている。
図35の例では、オフセット電源4351の電圧が比較器4113の-入力端に出力される。
オフセット電源4351は、0[V]以上のオフセット電圧を出力する。
【0293】
図36の例に係る準ZVSアシスト回路の制御部>
図36は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
ここで、図28では、図27の例におけるVi>0(Viの極性が正である期間)の場合の等価回路1401を示して、動作例を説明した。
図36には、図28の例に係る動作が行われているときにおける制御部の回路(制御回路)の例を示してある。
【0294】
図36に示される電力変換装置4501について説明する。
電力変換装置4501は、第1出力端子T211と、第2出力端子T212と、メインのスイッチ素子4511(Qmain)と、スイッチ素子4512(QSR)と、コンデンサ4515と、1次巻線4531と、2次巻線4532と、補助のスイッチ素子4533(Qsub)と、ダイオード4534と、を備える。
これらは、それぞれ、図27の例における第1出力端子T61と、第2出力端子T62と、メインのスイッチ素子511(QSR-)と、スイッチ素子512(QSR+)と、コンデンサ515と、1次巻線1331と、2次巻線1332と、補助のスイッチ素子1333(Qsub+)と、補助のスイッチ素子1334(Qsub-)に対応する。
また、図36には、電源4523を示してある。
なお、第1出力端子T211は、グラウンド端子G1と接続されている。
【0295】
制御部は、補助巻線4611(Nt’:NZCD)と、オフセット電源4612と、比較器4613と、AND4614と、オンディレイ回路4615と、OR4616と、NOT4617と、オンディレイ回路(SR)4618と、AND4619と、PWM制御部4711と、検出部4721と、回路部4731と、を備える。
AND4614は、イネーブル(Enable)信号とPWM信号とを入力し、これらの論理結果を補助のスイッチ素子4533(Qsub)のゲートに出力する。
【0296】
ここで、本実施形態では、制御ICが、イネーブル信号およびPWM信号を出力する。図36の例では、当該制御ICを構成するPWM制御部4711を示してある。PWM制御部4711は、PWM信号を出力する機能を有する。イネーブル信号を出力する機能は、例えば、PWM制御部4711に備えられてもよく、あるいは、PWM制御部4711とは別体で備えられてもよい。
イネーブル信号は、ZVSアシストの有無を制御する信号である。例えば、イネーブル信号を用いて、条件によってZVSアシスト動作を停止し、無効電流損失低減機能と、補助のスイッチ素子4533(Qsub)へのサージ電圧を防止する機能を付加することが可能である。
【0297】
補助巻線4611の一端は第1出力端子T211と接続され、補助巻線4611の他端は比較器4613の+入力端と接続される。
なお、補助巻線4611と比較器4613の+入力端との間に、補助巻線4611から比較器4613への方向が順方向となるダイオード(図36では図示を省略)が設けられてもよく、あるいは、設けられなくてもよい。
【0298】
オフセット電源4612は、0[V]以上のオフセット電圧を比較器4613の-入力端に出力する。
比較器4613は、+入力端および-入力端の入力に応じた値をOR4616に出力する。具体的には、比較器4613は、+入力端の入力が-入力端の入力よりも大きい場合には1値を出力し、+入力端の入力が-入力端の入力よりも小さい場合には0値を出力する。
【0299】
PWM制御部4711は、PWM信号を、AND4614、オンディレイ回路4615、AND4619のそれぞれに出力する。
ここで、検出部4721は、電源4523の第1出力端子T211の側に流れる電流(ILSENS)を検出して、その検出結果をPWM制御部4711に出力する。
PWM制御部4711は、当該電流の検出結果に基づいて、PWM信号を出力する。
【0300】
また、PWM制御部4711は、スイッチ素子4512(QSR)を制御するための電圧(ゲートSRの信号)を、回路部4731を介して、スイッチ素子4512(QSR)のゲートに出力する。
当該電圧(ゲートSRの信号)は、PWM制御部4711からNOT4617にも出力される。
なお、回路部4731は、任意の回路であってもよい。
例えば、回路部4731は、GND電位の異なるQSRゲート入力を駆動する機能を有する。回路部4731は、絶縁ゲートドライバあるいはブートストラップ回路付ゲートドライバなどの任意の回路であってもよい。
【0301】
オンディレイ回路4615は、PWM信号を遅延させてOR4616に出力する。
OR4616は、比較器4613からの出力およびオンディレイ回路4615からの出力を入力し、これらの論理結果をAND4619に出力する。
NOT4617は、PWM制御部4711からの電圧を反転(正負を反転)させてオンディレイ回路(SR)4618に出力する。
オンディレイ回路(SR)4618は、NOT4617から入力される信号(例えば、電圧)を遅延させてAND4619に出力する。
AND4619は、PWM信号、OR4616からの出力、およびオンディレイ回路(SR)4618からの出力を入力し、これらの論理結果をメインのスイッチ素子4511(Qmain)のゲートに出力する。
【0302】
ここで、図28および図29では、所定のモード(モードS)を含む動作の例を説明した。
図36の例に係る制御部では、1次巻線の励磁電流の還流動作を担っているスイッチ素子4512(QSR)が、メインのスイッチ素子4511(Qmain)と短絡防止期間を設けた対になるオン/オフ動作(同期整流動作)をするように、メインのスイッチ素子4511(Qmain)へのゲート電圧(Qmainの信号)、スイッチ素子4512(QSR)へのゲート電圧(QSRの信号)を制御することができる。
【0303】
図36の例では、図28に係るアシスト動作において、NZCD検出コンパレータ(図28の例では、比較器4613)による主スイッチのZVSオンタイミングを実現している。
図36の例では、短絡防止期間を設けるために、メインのスイッチ素子4511(Qmain)へのゲート電圧(Qmainの信号)を出力するAND4619として、3入力のANDが用いられている。3入力としては、PWM信号(ゲートmainの信号)、OR4616からの出力(NZCD検出コンパレータの信号)、オンディレイ回路(SR)4618からの出力信号(反転したゲートSRの信号に短絡防止期間(tdead_SR)を設けた信号)が用いられている。
【0304】
図37図39の説明)
図37の例に係る準ZVSアシスト回路を含む電力変換装置>
図37は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を含む電力変換装置5001の構成例を示す図である。
なお、電力変換装置5001の制御部については、図39を用いて説明する。
【0305】
図37に示される電力変換装置5001について説明する。
電力変換装置5001は、第1出力端子T231と、第2出力端子T232と、メインのスイッチ素子5111(Qmain+)と、スイッチ素子5112(Qmain-)と、コンデンサ5113と、1次巻線5131と、2次巻線5151および2次巻線5152と、ダイオード5153と、サブのスイッチ素子5154(Qsub+)と、ダイオード5155と、サブのスイッチ素子5156(Qsub-)と、を備える。
また、図37には、電源5123を示してある。
なお、第1出力端子T231は、グラウンド端子G1と接続されている。
【0306】
ここで、第1出力端子T231と、第2出力端子T232と、スイッチ素子5111(Qmain+)と、スイッチ素子5112(Qmain-)と、コンデンサ5113と、1次巻線5131と、電源5123の配置は、図36の例における第1出力端子T211と、第2出力端子T212と、スイッチ素子4511(Qmain)と、スイッチ素子4512(QSR)と、コンデンサ4515と、1次巻線4531と、電源4523の配置と同様である。
【0307】
また、2次巻線5151および2次巻線5152と、ダイオード5153と、スイッチ素子5154(Qsub+)と、ダイオード5155と、スイッチ素子5156(Qsub-)の配置は、図26の例における2次巻線1311および2次巻線1312と、ダイオード1313と、スイッチ素子1314(Qsub+)と、ダイオード1315と、スイッチ素子1316(Qsub-)の配置と同様である。
図37の例では、スイッチ素子5154(Qsub+)のソースと、スイッチ素子5156(Qsub-)のソースと、2次巻線5151と2次巻線5152との接続点と、が第1出力端子T231と接続されている。
【0308】
図37には、制御部の構成部として、補助巻線5211(Nt’:NZCD)と、ダイオード5212と、ダイオード5213と、検出部5221と、回路部5231と、を示してある。
ここで、ダイオード5212のアノードと、ダイオード5213のアノードと、は第1出力端子T231と接続されている。
ダイオード5212のカソードとダイオード5213のカソードとの間に、補助巻線5211が設けられている。
電力変換装置5001の制御部では、ダイオード5212のカソードの側の信号(例えば、電圧信号)をP信号として抽出し、ダイオード5213のカソードの側の信号(例えば、電圧信号)をN信号として抽出する。
【0309】
検出部5221は、図36の例における検出部4721と同様な箇所を流れる電流を検出する。
回路部5231は、図36の例における回路部4731と同様に、スイッチ素子5112(Qmain-)のゲートの側に設けられている。
【0310】
図38の例に係る準ZVSアシスト回路を含む電力変換装置>
図38は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を含む電力変換装置5301の構成例を示す図である。
なお、電力変換装置5301の制御部については、図39を用いて説明する。
【0311】
図38に示される電力変換装置5301について説明する。
ここで、電力変換装置5301の構成は、図37の例における電力変換装置5001の構成と比べて、準ZVSの回路部分が異なる点を除いて同様である。このため、図38では、図37に示される構成部と同様な構成部については、同じ符号を付してある。
図38の例では、図37の例における2次巻線5151および2次巻線5152と、ダイオード5153と、スイッチ素子5154(Qsub+)と、ダイオード5155と、スイッチ素子5156(Qsub-)の回路部分の代わりに、2次巻線5332と、サブのスイッチ素子5333(Qsub+)と、サブのスイッチ素子5334(Qsub-)と、を備える。
【0312】
サブのスイッチ素子5333(Qsub+)のソースと、サブのスイッチ素子5334(Qsub-)のソースと、は第1出力端子T231と接続されている。
サブのスイッチ素子5333(Qsub+)のドレインとサブのスイッチ素子5334(Qsub-)のドレインとの間に、2次巻線5332が設けられている。
【0313】
図39の例に係る準ZVSアシスト回路の制御部>
図39は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路の制御部(駆動回路)の構成例を示す図である。
図39の例に係る制御部は、図37に示される電力変換装置5001と図38に示される電力変換装置5301のいずれにも適用可能であり、ここでは、まとめて説明する。
【0314】
制御部は、補助巻線5211および2個のダイオード5212、5213と、検出部5221と、回路部5231と、PWM制御部5711と、を備える。
また、制御部は、オフセット電源5512と、比較器5513と、AND5514と、オンディレイ回路5515と、OR5516と、NOT5517と、オンディレイ回路(SR)5518と、AND5519と、を備える。
また、制御部は、オフセット電源5612と、比較器5613と、AND5614と、オンディレイ回路5615と、OR5616と、NOT5617と、オンディレイ回路(SR)5618と、AND5619と、を備える。
なお、オンディレイ回路(SR)5518は、オンディレイ回路5515とは遅延時間が異なっている。
また、オンディレイ回路(SR)5618は、オンディレイ回路5615とは遅延時間が異なっている。
【0315】
ここで、本実施形態では、制御ICが、イネーブル信号およびPWM信号を出力する。図39の例では、当該制御ICを構成するPWM制御部5711を示してある。PWM制御部5711は、PWM信号を出力する機能を有する。イネーブル信号を出力する機能は、例えば、PWM制御部5711に備えられてもよく、あるいは、PWM制御部5711とは別体で備えられてもよい。
イネーブル信号は、ZVSアシストの有無を制御する信号である。例えば、イネーブル信号を用いて、条件によってZVSアシスト動作を停止し、無効電流損失低減機能と、補助のスイッチ素子(Qsub)へのサージ電圧を防止する機能を付加することが可能である。
図39の例では、サブのスイッチ素子(Qsub+)に対応するイネーブル(ENA+)信号と、サブのスイッチ素子(Qsub-)に対応するイネーブル(ENA-)信号が用いられる。
【0316】
PWM制御部5711は、PWM信号を、AND5514、オンディレイ回路5515、AND5519、AND5614、オンディレイ回路5615、AND5619のそれぞれに出力する。
ここで、検出部5221は、電源5123の第1出力端子T231の側に流れる電流(ILSENS)を検出して、その検出結果をPWM制御部5711に出力する。
PWM制御部5711は、当該電流の検出結果に基づいて、PWM信号を出力する。
【0317】
AND5514は、サブのスイッチ素子(Qsub+)に対応するイネーブル(ENA+)信号とPWM信号とを入力し、これらの論理結果をサブのスイッチ素子(Qsub+)のゲートに出力する。
当該スイッチ素子(Qsub+)は、図37の例ではスイッチ素子5154(Qsub+)であり、図38の例ではスイッチ素子5333(Qsub+)である。
【0318】
オフセット電源5512は、0[V]以上のオフセット電圧を比較器5513の-入力端に出力する。
比較器5513の+入力端には、図37の例および図38の例におけるP信号が入力される。
比較器5513は、+入力端および-入力端の入力に応じた値をOR5516に出力する。具体的には、比較器5513は、+入力端の入力が-入力端の入力よりも大きい場合には1値を出力し、+入力端の入力が-入力端の入力よりも小さい場合には0値を出力する。
【0319】
オンディレイ回路5515は、PWM信号を遅延させてOR5516に出力する。
OR5516は、比較器5513からの出力およびオンディレイ回路5515からの出力を入力し、これらの論理結果をAND5519に出力する。
NOT5517は、AND5619からの出力電圧を入力し、入力した電圧を反転(正負を反転)させてオンディレイ回路(SR)5518に出力する。
オンディレイ回路(SR)5518は、NOT5517からの入力を遅延させてAND5519に出力する。
AND5519は、PWM信号、OR5516からの出力、およびオンディレイ回路(SR)5518からの出力を入力し、これらの論理結果をメインのスイッチ素子(Qmain+)のゲートに出力する。
当該スイッチ素子(Qmain+)は、図37の例および図38の例ではスイッチ素子5111(Qmain+)である。
【0320】
AND5614は、サブのスイッチ素子(Qsub-)に対応するイネーブル(ENA-)信号とPWM信号とを入力し、これらの論理結果をサブのスイッチ素子(Qsub-)のゲートに出力する。
当該スイッチ素子(Qsub-)は、図37の例ではスイッチ素子5156(Qsub+)であり、図38の例ではスイッチ素子5334(Qsub+)である。
【0321】
オフセット電源5612は、0[V]以上のオフセット電圧を比較器5613の-入力端に出力する。
比較器5613の+入力端には、図37の例および図38の例におけるN信号が入力される。
比較器5613は、+入力端および-入力端の入力に応じた値をOR5616に出力する。具体的には、比較器5613は、+入力端の入力が-入力端の入力よりも大きい場合には1値を出力し、+入力端の入力が-入力端の入力よりも小さい場合には0値を出力する。
【0322】
オンディレイ回路5615は、PWM信号を遅延させてOR5616に出力する。
OR5616は、比較器5613からの出力およびオンディレイ回路5615からの出力を入力し、これらの論理結果をAND5619に出力する。
NOT5617は、AND5519からの出力電圧を入力し、入力した電圧を反転(正負を反転)させてオンディレイ回路(SR)5618に出力する。
オンディレイ回路(SR)5618は、NOT5617からの入力を遅延させてAND5619に出力する。
AND5619は、PWM信号、OR5616からの出力、およびオンディレイ回路(SR)5618からの出力を入力し、これらの論理結果を、回路部5231を介して、スイッチ素子(Qmain-)のゲートに出力する。
当該スイッチ素子(Qmain-)は、図37の例および図38の例ではスイッチ素子5112(Qmain-)である。
【0323】
ここで、図39の例は、図26および図27に示されるような交流コンバータにおいて、補助巻線5211を用いてメインのスイッチ素子であるスイッチ素子5111(Qmain+)およびスイッチ素子5112(Qmain-)のZVSを実現する制御回路の例である。
例えば、単一方向コンバータの制御回路に、検出部5221(ILSENS)および交流入力電圧極性に基づいて生成されるアシスト動作のイネーブル信号(ENA+、ENA-)を付与することで、拡張が容易に可能である。この理由は、極性により切り替わるメイン整流素子(QSR)のオンタイミングにおいては、対応するNZCD検出点(P/N)のコンパレータ出力はハイ(High)であるため、NZCD検出のメイン整流素子(QSR)のオンタイミングに影響を及ぼさないためである。
【0324】
(準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の構成例)
図40図41を参照して、準ZVSアシスト回路を備えた交流コンバータからなる電力変換装置の構成例を説明する。
図40図41では、電力変換装置がブースト(昇圧型)コンバータから構成される場合を示す。
【0325】
図40の例に係る電力変換装置の準ZVSアシスト回路>
図40は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路の回路構成の一例を示す図である。
図40の例では、メイン回路および制御回路の図示を省略している。
ここで、メイン回路は、図14に示されるメイン回路と同様である。
【0326】
準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線541(Np)と2次巻線6011と、ダイオード6012(Dsub+)と、MOS型FETからなるスイッチ素子6013(Qsub+)と、ダイオード6014(Dsub-)と、MOS型FETからなるスイッチ素子6015(Qsub-)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線541(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
なお、図40の例では、1次巻線541(Np)の図示を省略してある。
【0327】
2次巻線6011の一端と、ダイオード6012のカソードと、ダイオード6014のアノードと、が接続されている。
ダイオード6014のカソードと、スイッチ素子6015のドレインとが接続されている。
2次巻線6011の他端と、スイッチ素子6015のソースと、スイッチ素子6013のドレインとが接続されている。
ダイオード6012のアノードと、スイッチ素子6013のソースとが接続されている。
【0328】
図41の例に係る電力変換装置>
図41は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置6001の回路構成の一例を示す図である。
図41の例では、制御回路の図示を省略している。
【0329】
電力変換装置6001は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、図14の例に係るメイン回路と同様であり、カップルドインダクタの1次巻線6051(Np)以外は、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図41には、図14に示されるのと同様な電源523を示してある。
【0330】
準ZVSアシスト回路は、図40の例と同様な構成を有している。
具体的には、準ZVSアシスト回路は、カップルドインダクタの1次巻線6051(Np)と、2次巻線6011と、ダイオード6012(Dsub+)と、MOS型FETからなるスイッチ素子6013(Qsub+)と、ダイオード6014(Dsub-)と、MOS型FETからなるスイッチ素子6015(Qsub-)と、を備える。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線6051(Np)は、準ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
なお、1次巻線6051の配置は、図14に示される1次巻線541の配置と同様である。
【0331】
2次巻線6011の一端と、半波整流ダイオード513のカソードと、半波整流ダイオード514のアノードと、が接続されている。
ダイオード6012(Dsub+)のカソードと、半波整流ダイオード513のアノードとが接続されている。
ダイオード6014(Dsub-)のアノードと、半波整流ダイオード514のカソードとが接続されている。
【0332】
ここで、図26に示される回路構成では2個の2次巻線1311、1312(Ns巻線)が必要であるのに対して、図40の例では、1個の2次巻線6011を備えればよい。
図40に示される回路構成は、図26に示される回路構成と同様に、補助FETのボディダイオード特性が悪いとき、あるいは、補助巻線によるZVSオン制御の簡単化に有効である。
【0333】
図41に示される回路構成は、図40に示される構成をトーテムポールPFCに適用したものである。
図41に示される回路構成によって、ACダイオードである半波整流ダイオード513(BD+)および半波整流ダイオード514(BD-)に関する以下のような課題を解決することができる。
【0334】
すなわち、トーテムポールPFCにおいては、負方向の所定の電流(iQSR_off)により、ACダイオード(BD+/-)はオフするため、リカバリー損失がACダイオード(BD+/-)に発生する。
さらに、ACダイオード(BD+/-)のオフにより、ACダイオードの電流の0クロスにおけるコモンモードノイズが悪化することが知られている。
このため、ACダイオード(BD+/-)をFETに置き換えて同期整流させることが一般的であるが、コストが上昇する。
他の例として、ACダイオード(BD+/-)に比較的大きなコンデンサを接続することで、問題は緩和されるが対策として十分でない。
【0335】
このようなACダイオードの課題に対して、図41に示されるTCM(Triangular Current Mode)を有するZVSアシスト回路の構成が用いられてもよい。
図41に示される回路では、入力電圧が正であるときにのみアシスト動作を行う補助スイッチであるスイッチ素子6013(Qsub+)と、入力電圧が負であるときにのみアシスト動作を行う補助スイッチであるスイッチ素子6015(Qsub-)が、それぞれに対応した極性のACダイオード(BD+/-)、補助ダイオード(Dsub+/-)を介して、2次巻線6011(Ns)と接続される。
【0336】
ここで、2次巻線6011(Ns)の巻き数と1次巻線6051(Np)の巻き数とが等しい場合には、ACダイオード(BD+/-)を導通する電流は、アシスト電流が重畳しない入力電流ILmと同値となる。よって、負方向の電流(iQSR_off)によるACダイオード(BD+/-)のオフは発生しない。
これにより、上記の課題を解決することができ、ACダイオード(BD+/-)を同期整流FETから、安価な一般整流ダイオードに置き換えることが可能となる。
ただし、アシスト動作をしない極性半周期において常時オフしているスイッチ素子(Qsub)には、図40の例よりも大きなVds=Vi+Voが印加される。
なお、図41の例において、例えば、ダイオード6012(Dsub+)とスイッチ素子6013(Qsub+)との配置(並びの順序)は逆であってもよく、また、ダイオード6014(Dsub-)とスイッチ素子6015(Qsub-)との配置(並びの順序)は逆であってもよい。
【0337】
(ZVSアシスト回路を備えた多相の電力変換装置の構成例)
図42を参照して、ZVSアシスト回路(ZVS共振アシスト回路)を備えた多相の電力変換装置の構成例を説明する。
図42では、電力変換装置がブースト(昇圧型)コンバータから構成される場合を示す。
【0338】
図42の例に係るZVSアシスト回路>
図42は、実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた多相の電力変換装置6301の回路構成の一例を示す図である。
図42の例では、ZVSアシスト回路をデュアル・ブースト(Dual-Boost)PFC回路に適用した場合を示し、2相の電力変換装置6301の構成例を示す。
図42の例では、制御回路の図示を省略している。例えば、補助巻線を含む制御回路の構成が図42の例に適用されてもよい。
図42の例では、図13に示される構成部と同様な構成部については、同一の符号を付してある。
なお、デュアル・ブーストPFCは、例えば、デュアル・ブースト・ブリッジレスPFC(Dual-Boost-bridgeless PFC)、あるいは、デュアル・ブースト・セミ・ブリッジレスPFC(Dual-Boost semi-bridgeless PFC)などと呼ばれる場合もある。
【0339】
電力変換装置6301は、メイン回路と、ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、1相目におけるMOS型FETからなるメインのスイッチ素子411(Qmain)およびメインのダイオード412(Dm)と、2相目におけるMOS型FETからなるメインのスイッチ素子413(Qmain)およびメインのダイオード414(Dm)と、出力コンデンサであるコンデンサ415(Co)と、1相目に対応したカップルドインダクタの1次巻線431(Np)と、2相目に対応したカップルドインダクタ(Np)の1次巻線432と、を備える。
また、メイン回路は、1相目に対応したダイオード6391と、2相目に対応したダイオード6392と、を備える。
また、図42には、単相交流である電源6423を示してある。
【0340】
ここで、ダイオード6391のアノードと、ダイオード6392のアノードと、第1出力端子T51と、が接続されている。
ダイオード6391のカソードと、電源6423の1相目の側の箇所と、が接続されている。
ダイオード6392のカソードと、電源6423の2相目の側の箇所と、が接続されている。
【0341】
ZVSアシスト回路は、1相目に対応したカップルドインダクタの1次巻線431(Np)と、2相目に対応したカップルドインダクタの1次巻線432(Np)と、を備える。
また、ZVSアシスト回路は、1相目の1次巻線431に対応した回路部として、巻線6341(Nc)と、3次巻線6342(Nt)と、ダイオード6345(Ds1)と、MOS型FETからなるスイッチ素子6346(Qsub+/-)と、ダイオード6347(Ds2)と、補助コンデンサであるコンデンサ6348(Cs)と、を備える。
巻線6341と3次巻線6342とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
ここで、これらの回路部の配置は、図42の例では2個のダイオード6391、6392が備えられている点を除いて、図13の例の場合と同様である。
【0342】
また、ZVSアシスト回路は、2相目の1次巻線432に対応した回路部として、巻線6351(Nc)と、3次巻線6352(Nt)と、ダイオード6353(Ds1)と、ダイオード6361と、を備える。また、2相目の1次巻線432に対応した回路部は、スイッチ素子6346(Qsub+/-)を1相目と共用している。
ここで、カップルドインダクタの1次巻線431(Np)およびカップルドインダクタの1次巻線432(Np)は、ZVSアシスト回路には含まれないと捉えられてもよい。
巻線6351と3次巻線6352とで2次巻線(Ns=Nc+Nt)が構成されている。
【0343】
ここで、これらの回路部の配置について説明する。
第1出力端子T51と、コンデンサ6381の一端と、ダイオード6361のアノードとが接続されている。
コンデンサ6381の他端と、巻線6351(Nc)の一端とが接続されている。
巻線6351の他端と、ダイオード6361のカソードと、3次巻線6352の一端とが接続されている。
3次巻線6352の他端と、ダイオード6353(Ds1)のアノードとが接続されている。
ダイオード6353(Ds1)のカソードと、サブのスイッチ素子6346(Qsub+/-)のドレインとが接続されている。
【0344】
ここで、ZVSアシスト回路の2相目の回路部は、1相目のサブのスイッチ素子6346(Qsub+/-)を共用している。
なお、図42の例では、2相の電力変換装置6301の構成例を示したが、3相以上の電力変換装置において各相に対応してZVSアシスト回路の回路部を備えることも可能である。
【0345】
ここで、図42の例は、単一の補助スイッチ素子であるスイッチ素子6346(Qsub+/-)を用いたデュアル・ブーストPFCのZVS回路の適用例である。
スイッチ素子6346(Qsub+/-)のゲート信号は、入力極性が正である期間はQ1+ゲート信号(Qmain+のゲート信号)に基づいて生成され、入力極性が負である期間はQ1-ゲート信号(Qmain-のゲート信号)に基づいて生成される。
入力極性が正である場合には、負極側インダクタL-の電圧は抵抗ドロップ分を除いて0[V]であるため、スイッチ素子6346(Qsub+/-)のオンによるアシスト電流は発生しない。このため、動作干渉を生じることなく、図6に示される動作波形と同様なZVS動作が正極側の昇圧回路にて得られる。
【0346】
(準ZVSアシスト回路を備えた多相の電力変換装置の構成例)
図43を参照して、準ZVSアシスト回路(準ZVS共振アシスト回路)を備えた多相の電力変換装置の構成例を説明する。
図43では、電力変換装置がブースト(昇圧型)コンバータから構成される場合を示す。
【0347】
図43の例に係る準ZVSアシスト回路>
図43は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた多相の電力変換装置6501の回路構成の一例を示す図である。
図43の例では、準ZVSアシスト回路をデュアル・ブーストPFC回路に適用した場合を示し、2相の電力変換装置6501の構成例を示す。
図43の例では、制御回路の図示を省略している。例えば、補助巻線を含む制御回路の構成が図43の例に適用されてもよい。
図43の例では、図42に示される構成部と同様な構成部については、同一の符号を付してある。
【0348】
電力変換装置6501は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路の構成は、図42の例におけるメイン回路の構成と同様である。
また、図43には、電源6423を示してある。
【0349】
準ZVSアシスト回路は、1相目に対応したカップルドインダクタの1次巻線431(Np)と、2相目に対応したカップルドインダクタの1次巻線432(Np)と、を備える。
また、準ZVSアシスト回路は、1相目の1次巻線431に対応した回路部として、2次巻線6531(Ns)と、ダイオード6532と、MOS型FETからなる補助のスイッチ素子6533(Qsub+/-)と、を備える。
【0350】
ここで、2次巻線6531(Ns)の一端と、第1出力端子T51とが接続されている。
2次巻線6531(Ns)の他端と、ダイオード6532のアノードとが接続されている。
ダイオード6532のカソードと、補助のスイッチ素子6533(Qsub+/-)のドレインとが接続されている。
補助のスイッチ素子6533(Qsub+/-)のソースと、第1出力端子T51とが接続されている。
【0351】
また、準ZVSアシスト回路は、2相目の1次巻線432に対応した回路部として、2次巻線6551(Ns)と、ダイオード6552と、を備える。また、2相目の1次巻線432に対応した回路部は、補助のスイッチ素子6533(Qsub+/-)を1相目と共用している。
ここで、2次巻線6551(Ns)の一端と、第1出力端子T51とが接続されている。
2次巻線6551(Ns)の他端と、ダイオード6552のアノードとが接続されている。
ダイオード6552のカソードと、補助のスイッチ素子6533(Qsub+/-)のドレインとが接続されている。
【0352】
このように、準ZVSアシスト回路の2相目の回路部は、1相目のスイッチ素子6533(Qsub+/-)を共用している。
なお、図43の例では、2相の電力変換装置6501の構成例を示したが、3相以上の電力変換装置において各相に対応して準ZVSアシスト回路の回路部を備えることも可能である。
【0353】
ここで、図43の例は、単一の補助スイッチ素子であるスイッチ素子6533(Qsub+/-)を用いたデュアル・ブーストPFCの準ZVS回路の適用例である。
スイッチ素子6533(Qsub+/-)のゲート信号は、入力極性が正である期間はQ1+ゲート信号(Qmain+のゲート信号)に基づいて生成され、入力極性が負である期間はQ1-ゲート信号(Qmain-のゲート信号)に基づいて生成される。
入力極性が正である場合には、負極側インダクタL-の電圧は抵抗ドロップ分を除いて0[V]であるため、スイッチ素子6533(Qsub+/-)のオンによるアシスト電流は発生しない。このため、動作干渉を生じることなく、図25に示される動作波形と同様な準ZVS動作が正極側の昇圧回路において得られる。
【0354】
(ダイオード・クランプ回路)
図44図45を参照して、ダイオード・クランプ回路を示す。
【0355】
図44の例に係る電力変換装置>
図44は、実施形態に係るZVSアシスト回路を備えた電力変換装置7001の回路構成の一例を示す図である。
図44の例では、制御回路の図示を省略している。
【0356】
電力変換装置7001は、メイン回路と、ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、図4の例に係るメイン回路と同様であり、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図44には、図4に示されるのと同様な電源21(Vi)を示してある。
【0357】
ZVSアシスト回路は、1次巻線7031(Np)と、巻線7051(Nc=Ns-Nt)と、3次巻線7052(Nt)と、ダイオード7034と、スイッチ素子7035と、コンデンサ7037と、ダイオード7053と、を備える。
【0358】
ここで、図44の例では、図4の例における1次巻線31(Np)と、巻線51(Nc=Ns-Nt)と、3次巻線52(Nt)と、ダイオード34と、スイッチ素子35と、コンデンサ37と、ダイオード53の代わりに、1次巻線7031(Np)と、巻線7051(Nc=Ns-Nt)と、3次巻線7052(Nt)と、ダイオード7034と、スイッチ素子7035と、コンデンサ7037と、ダイオード7053を備える構成を示してあるが、これらは実質的には同様なZVSアシスト回路である。
【0359】
さらに、本実施形態に係る電力変換装置7001は、ダイオード7111を備える。
ダイオード7111のアノードは、ダイオード7034のカソードおよびスイッチ素子7035のドレインと接続されている。
ダイオード7111のカソードは、第2出力端子T2と接続されている。
【0360】
このようなダイオード7111を用いたダイオード・クランプ回路は、実機において補助スイッチ(スイッチ素子7035)へのサージ電圧対策となる。
【0361】
このような構成により、(式9)においてVQsubがVoよりも小さいときに利用可能な無損失クランプ回路が実現される。
(式9)において、VQsubはスイッチ素子7035の両端にかかる電圧を表しており、VNsは2次巻線(Ns)にかかる電圧を表しており、VCcはコンデンサ7037にかかる電圧を表しており、Npは1次巻線7031の巻き数を表しており、Nsは2次巻線の巻き数を表しており、Ntは3次巻線7052の巻き数を表しており、Voはメイン回路の出力電圧(第1出力端子T1と第2出力端子T2との間にかかる電圧)を表しており、Viは電源21の電圧を表している。
【0362】
【数9】
【0363】
図45の例に係る電力変換装置>
図45は、実施形態に係る準ZVSアシスト回路を備えた電力変換装置7301の回路構成の一例を示す図である。
図45の例では、制御回路の図示を省略している。
【0364】
電力変換装置7301は、メイン回路と、準ZVSアシスト回路と、を備える。
メイン回路は、図21(A)の例に係るメイン回路と同様であり、メイン回路の回路素子を同じ符号を用いて図示してある。
また、図45には、図21(A)に示されるのと同様な電源21(Vi)を示してある。
【0365】
準ZVSアシスト回路は、1次巻線7331(Np)と、2次巻線7332(Ns)と、ダイオード7333と、スイッチ素子7334と、を備える。
ここで、これらの回路の配置は、実質的には、図21(C)に示される準ZVSアシスト回路の場合と同様である。
【0366】
さらに、本実施形態に係る電力変換装置7301は、ダイオード7411と、ダイオード7412と、を備える。
ダイオード7411のアノードは、ダイオード7333のカソードと接続されている。
ダイオード7411のカソードは、第2出力端子T2と接続されている。
ダイオード7412のアノードは、補助のスイッチ素子7334のドレインと接続されている。
ダイオード7412のカソードは、第2出力端子T2と接続されている。
【0367】
このようなダイオード7411、7412を用いたダイオード・クランプ回路は、実機において補助スイッチ(スイッチ素子7334)へのサージ電圧対策となる。
【0368】
このような構成により、(式10)においてVDsubがVoよりも小さいときにクランプ回路を接続可能である。
(式10)において、VDsubはダイオード7333の両端にかかる電圧を表しており、VNsは2次巻線7332(Ns)にかかる電圧を表しており、Npは1次巻線7331の巻き数を表しており、Nsは2次巻線7332の巻き数を表しており、Viは電源21の電圧を表している。
【0369】
【数10】
【0370】
<構成例>
[ZVSアシスト回路の構成例]
一構成例(図1図4図7図10の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線)(Np)とを含むコンバータと、当該カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と第1整流素子(Ds1)と補助スイッチ素子(Qsub)との第1直列回路と、当該カップルドインダクタの3次巻線(Nt)と第2整流素子(Ds2)との第2直列回路と、第1直列回路と第2直列回路とが接続された補助コンデンサ(Cs)とを含む閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、を備える。
そして、2次巻線と3次巻線とは別体であり、第1直列回路と第2直列回路とが補助コンデンサに並列に接続された構成(図1図3の例)、または、3次巻線が2次巻線と統合されている構成(図4図7図10の例)である。
ここで、2次巻線と3次巻線とが別体である構成は、2次巻線と3次巻線とが別々の巻線であること(図1の例では、2次巻線32と3次巻線33とが別々の巻線であること)を表す。
また、3次巻線が2次巻線と統合されている構成は、2次巻線が3次巻線と他の巻線とで構成されていること(図4の例では、巻線51と3次巻線52とで2次巻線(Ns)が構成されていること)を表す。
【0371】
一構成例(図6図18の例)として、電力変換装置は、さらに、制御部(例えば、制御回路)を備え、制御部は、補助スイッチ素子(Qsub)をオンにした後、メインスイッチ素子(Qmain)をオンにし、その後、補助スイッチ素子(Qsub)をオフにした後または補助スイッチ素子(Qsub)をオフにしたのと同時に、メインスイッチ素子(Qmain)をオフにする。
【0372】
一構成例(図18の例)として、電力変換装置では、制御部は、3次巻線(Nt)または補助巻線(Nt’)の電圧と、補助コンデンサ(Cs)の電圧を用いて、メインスイッチ素子(Qmain)のオンタイミングを決定する。
【0373】
一構成例(図7図8の例)として、電力変換装置では、コンバータは、昇圧コンバータまたは降圧コンバータであり、第2整流素子(Ds2)の電圧から整流ダイオード(図7図8の例では、ダイオード118、158)を介して定電圧源(Vcc)を得る。
【0374】
一構成例(図13の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)とを含む多相の系統を有しており、共振アシスト回路は、当該多相に対応する多相共振アシスト回路である。
一構成例(図13の例)として、電力変換装置において、多相共振アシスト回路では、補助コンデンサ(Cs)と第2整流素子(Ds2)との一方または両方が、少なくとも2つの相で共用されている。
【0375】
一構成例(図11の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含むコンバータと、第1整流素子(図11の例では、ダイオード317(Ds1’))と第1補助コンデンサ(図11の例では、コンデンサ316(Cs))との第1直列回路と、第2補助コンデンサ(図11の例では、コンデンサ313(Cs))と第2整流素子(図11の例では、ダイオード314(Ds1’))との第2直列回路と、当該カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と補助スイッチ素子(Qsub)とを含み第1直列回路と第2直列回路が並列に接続される第3直列回路と、第1整流素子のアノードと第2整流素子のカソードとの間に配置される第3整流素子(Ds2’)と、を含む閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、を備える。
【0376】
一構成例(図12の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含むコンバータと、第1整流素子(図12の例では、ダイオード338(Ds1’))と第1補助コンデンサ(図12の例では、コンデンサ336(Cs))との第1直列回路と、第2補助コンデンサ(図12の例では、コンデンサ333(Cs))と第2整流素子(図12の例では、ダイオード334(Ds1’))との第2直列回路と、第3整流素子(図12の例では、ダイオード341(Ds1’))と第3補助コンデンサ(図12の例では、コンデンサ340(Cs))と第4整流素子(図12の例では、ダイオード339(Ds1’))との第3直列回路と、当該カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と補助スイッチ素子(Qsub)とを含み第1直列回路と第2直列回路と第3直列回路が並列に接続される第4直列回路と、第1整流素子のアノードと第4整流素子のカソードとの間に配置される第5整流素子(図12の例では、ダイオード337(Ds2’))と、第2整流素子のカソードと第3整流素子のアノードとの間に配置される第6整流素子(図12の例では、ダイオード335(Ds2’))と、を含む閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、を備える。
【0377】
一構成例(図14の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含み、1次巻線の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、を備え、閉ループ回路は、当該カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と、第1整流素子(Ds1+)と、1次巻線の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチ(Qsub+)との第1直列回路と、当該カップルドインダクタの3次巻線(Nt)と第2整流素子(Ds2+)との第2直列回路と、第1直列回路と第2直列回路とが接続された第1補助コンデンサ(Cs+)と、を含み、さらに、閉ループ回路は、第3整流素子(Ds1-)と、1次巻線の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチ(Qsub-)と、2次巻線(Ns)との第3直列回路と、3次巻線(Nt)と第4整流素子(Ds2-)との第4直列回路と、第3直列回路と第4直列回路とが接続され、且つ、第1補助コンデンサ(Cs+)と接続された第2補助コンデンサ(Cs-)と、を含む。
そして、2次巻線と3次巻線とは別体であり、第1直列回路と第2直列回路とが第1補助コンデンサに並列に接続された構成、または、3次巻線が2次巻線と統合されている構成である。
同様に、2次巻線と3次巻線とは別体であり、第3直列回路と第4直列回路とが第2補助コンデンサに並列に接続された構成、または、3次巻線が2次巻線と統合されている構成である。
ここで、図14の例では、3次巻線が2次巻線と統合されている構成例を示したが、他の構成例として、2次巻線と3次巻線とが別体である構成が用いられてもよい。
【0378】
一構成例(図42の例)として、電力変換装置は、単相交流入力に接続されたデュアル・ブーストPFCに適用され、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)とを含む二つの昇圧回路を有しており、共振アシスト回路は、当該二つの昇圧回路に対応しており、共振アシスト回路では、補助スイッチ素子(Qsub+/-)が、共用されている。
【0379】
[準ZVSアシスト回路の構成例]
一構成例(図21図24の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含むコンバータと、当該カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と第1整流素子(Ds1)と補助スイッチ素子(Qsub)との直列回路を含む閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、を備える。
【0380】
一構成例(図25の例)として、電力変換装置は、さらに、制御部(例えば、制御回路)を備え、制御部は、補助スイッチ素子(Qsub)をオンにした後、メインスイッチ素子(Qmain)をオンにし、その後、補助スイッチ素子(Qsub)をオフにした後または補助スイッチ素子(Qsub)をオフにしたのと同時に、メインスイッチ素子(Qmain)をオフにする。
【0381】
一構成例(図21図24および図25の変形例)として、電力変換装置は、さらに、第2制御部(例えば、制御回路)を備え、第2制御部は、1次巻線(Np)の励磁電流の還流動作を担っているスイッチ素子であるメイン整流素子(Dm)に、メインスイッチ素子(Qmain)と短絡防止期間を設けた対になるオン/オフ動作をさせ、補助スイッチ素子(Qsub)をオンにした後、メイン整流素子(Dm)の電流が任意の負電流値になったとき、メイン整流素子(Dm)をオフにする。
ここで、図21図24の例では、メイン整流素子(Dm)がダイオードであるが、変形例として、メイン整流素子(Dm)をスイッチ素子として、上記の制御が可能である。
なお、第2制御部は、上記した図25の例に関する制御部と共通であってもよく、あるいは、別の制御部であってもよい。
【0382】
一構成例(図22図23図24の例)として、電力変換装置では、コンバータは、昇降圧コンバータ、フライバックコンバータ、または、降圧型コンバータのうちのいずれかであり、2次巻線の電圧から整流ダイオード(図22図23図24の例では、ダイオード1155、1181、1221)を介して定電圧源(Vcc)を得る。
【0383】
一構成例(図26の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含み、1次巻線の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、当該カップルドインダクタの正側2次巻線(Ns+)と、第1整流素子(Ds1+)と、1次巻線(Np)の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチ(Qsub+)とを含む第1閉ループ回路、および、当該カップルドインダクタの負側2次巻線(Ns-)と、第2整流素子(Ds1-)と、1次巻線(Np)の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチ(Qsub-)とを含む第2閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、を備える。
【0384】
一構成例(図27の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含み、1次巻線(Np)の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、当該カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と、1次巻線(Np)の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチ(Qsub+)に並列接続された第1整流素子と、1次巻線(Np)の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチ(Qsub-)に並列接続された第2整流素子とを含む閉ループ回路による共振アシスト回路を備える。
【0385】
一構成例(図28図29の例)として、電力変換装置は、さらに制御部(例えば、制御回路)を備え、制御部は、1次巻線(Np)の励磁電流の還流動作を担っているスイッチ素子であるメイン整流素子(QSR)に、メインスイッチ素子(Qmain)と短絡防止期間を設けた対になるオン/オフ動作をさせ、第1補助スイッチ(Qsub+)または第2補助スイッチ(Qsub-)のいずれか一方をオンにした後、メイン整流素子(QSR)の電流が任意の負電流値になったとき、メイン整流素子(QSR)をオフにする。
【0386】
一構成例(図34図35の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含むコンバータと、当該カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と第1整流素子(Ds1)と補助スイッチ素子(Qsub)との直列回路を含む閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、補助巻線(Nt’)の電圧を用いて、メインスイッチ素子(Qmain)のオンタイミングを決定する制御部と、を備える。
一構成例(図34図35の例)として、電力変換装置では、制御部は、補助スイッチ素子(Qsub)をオンにした後、補助巻線(Nt’)の電圧によりメインスイッチ素子(Qmain)をオンにし、その後、補助スイッチ素子(Qsub)をオフにした後または補助スイッチ素子(Qsub)をオフにしたのと同時に、メインスイッチ素子(Qmain)をオフにする。
さらに、一構成例(図34図35の例)として、電力変換装置は、第2制御部を備え、第2制御部は、1次巻線(Np)の励磁電流の還流動作を担っているスイッチ素子であるメイン整流素子(Dm)に、メインスイッチ素子(Qmain)と短絡防止期間を設けた対になるオン/オフ動作をさせ、補助スイッチ素子(Qsub)をオンにした後、メイン整流素子(Dm)の電流が任意の負電流値になったとき、メイン整流素子(Dm)をオフにする。
【0387】
一構成例(図37図39の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain+)とメイン整流素子(Qmain-)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含み、1次巻線(Np)の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、カップルドインダクタの正側2次巻線(Ns+)と、第1整流素子(Ds1+)と、1次巻線(Np)の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチ(Qsub+)とを含む第1閉ループ回路、および、カップルドインダクタの負側2次巻線(Ns-)と、第2整流素子(Ds1-)と、1次巻線(Np)の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチ(Qsub-)とを含む第2閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、補助巻線(Nt’:NZCD)の電圧を用いて、メインスイッチ素子(Qmain+)のオンタイミングを決定する制御部と、を備える。
【0388】
一構成例(図38図39の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain+)とメイン整流素子(Qmain-)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含み、1次巻線(Np)の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と、1次巻線(Np)の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチ(Qsub+)に並列接続された第1整流素子と、1次巻線(Np)の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチ(Qsub-)に並列接続された第2整流素子とを含む閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、補助巻線(Nt’:NZCD)の電圧を用いて、メインスイッチ素子(Qmain+)のオンタイミングを決定する制御部と、を備える。
さらに、一構成例(図38図39の例)として、電力変換装置では、制御部は、1次巻線(Np)の励磁電流の還流動作を担っているスイッチ素子であるメイン整流素子(Qmain-)に、メインスイッチ素子(Qmain+)と短絡防止期間を設けた対になるオン/オフ動作をさせ、第1補助スイッチ(Qsub+)または第2補助スイッチ(Qsub-)のいずれか一方をオンにした後、メイン整流素子(Qmain+)の電流が任意の負電流値になったとき、メイン整流素子(Qmain-)をオフにする。
【0389】
一構成例(図40の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含み、1次巻線(Np)の電流極性が正負に切り替わるコンバータと、カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と、第1整流素子(Dsub+)と、1次巻線(Np)の電流極性が正であるときに駆動される第1補助スイッチ(Qsub+)とを含む第1閉ループ回路、および、カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と、第2整流素子(Dsub-)と、1次巻線(Np)の電流極性が負であるときに駆動される第2補助スイッチ(Qsub-)とを含む第2閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、を備える。
一構成例(図41の例)として、電力変換装置は、トーテムポールPFCに適用され、2次巻線(Ns)と第1整流素子(Dsub+)と第1補助スイッチ(Qsub+)による直列回路の間にトーテムポールPFCの正側のACダイオード(BD+)が接続され、2次巻線(Ns)と第2整流素子(Dsub-)と第2補助スイッチ(Qsub-)による直列回路の間にトーテムポールPFCの負側のACダイオード(BD-)が接続される。
【0390】
一構成例(図43の例)として、電力変換装置は、メインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)と出力コンデンサ(Co)とカップルドインダクタの1次巻線(Np)とを含むコンバータと、カップルドインダクタの2次巻線(Ns)と第1整流素子と補助スイッチ素子との直列回路を含む閉ループ回路による共振アシスト回路(ZVSアシスト回路)と、を備える電力変換装置であって、単相交流入力に接続されたデュアル・ブーストPFCに適用されるメインスイッチ素子(Qmain)とメイン整流素子(Dm)とを含む二つの昇圧回路を有しており、共振アシスト回路は、二つの昇圧回路に対応しており、共振アシスト回路では、補助スイッチ素子(Qsub+/-)が、共用されている。
さらに、一構成例(図43の例)として、電力変換装置は、カップルドインダクタの補助巻線(Nt’)の電圧を用いて、メインスイッチ素子(Qmain)のオンタイミングを決定する制御部を備える。
【0391】
以上、この開示の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0392】
1~4、101~104、401、501~503、601~603、1001~1004、1301、1501、1601、1701、4001、4201、4301、4501、5001、5301、6001、6301、6501、7001、7301…電力変換装置、11、35、115、132、155、183、215、245、264、312、332、411、413、446、454、511、512、545、549、577、581、591、1134、1134a、1134b、1154、1174、1213、1314、1316、1333、1334、1411、1412、1423、1424、1511~1514、1516、1517、1543、1544、1611~1614、1643、1644、1711~1714、1743、1744、4035、4234、4334、5111、5112、5154、5156、5333、5334、6013、6346、6533、7035、7334…スイッチ素子、12、34、36、42、53、114、116、118、133、154、156、158、182、214、216、242、263、265、314、315、317、334、335、337、338、339、341、412、414、445、447、453、461、544、546、548、550、576、580、592、593、621、651、661、691、1133、1133a、1133b、1153、1155、1173、1181、1212、1221、1313、1315、4034、4053、4233、4333、5153、5155、5212、5213、6012、6014、6345、6347、6353、6361、6391、6392、6532、6552、7053、7333、7411、7412…ダイオード、13、37、117、131、157、181、217、241、266、313、316、333、336、340、415、448、515、547、551、579、652、1413、1515、1672、1715、4037、5113、6348、6381、7037…コンデンサ、21、23、121、171、251、423、523、1523、1623、1631、1731、5123、6423…電源、31、111、151、211、244、431、432、541、1131、1131a、1131b、1151、1171、1331、1541、1641、1741、4231、4331、5131、6051、7031、7331…1次巻線、32、311、331、1132、1132a、1132b、1152、1172、1211、1311、1312、1332、1542、1642、1742、4232、4332、5151、5152、5332、6011、6531、6551、7332…2次巻線、33、41、52、113、153、213、262、442、452、543、573、575、4052、6342、6352、7052…3次巻線、51、112、152、212、243、261、441、451、542、572、574、4051、6341、6351、7051…巻線、71、72、1422…インダクタ、578、582…サイリスタ、611、4111、5211…補助巻線、612、642、682、4112…演算器、613、643、683、4113、5513、5613…比較器、614、615、644、645、684、685、5514、5519、5614、5619…AND、616、646、686、4116、4615、5515、5615…オンディレイ回路、617、647、687、4117、5516、5616…OR、1401…等価回路、1421…励磁インダクタ、513、514、1431…半波整流ダイオード、1671…抵抗、2011~2018、2111~2117、3011~3018、3111~3119…波形、4118…オフディレイ回路、4119…D型フリップフロップ、4251、4351、5512、5612…オフセット電源、4711…PWM制御部、4731、5231…回路部、5221…検出部、5517、5617…NOT、4618、5518、5618…オンディレイ回路(SR)、A1~A4、301、302…ZVSアシスト回路、B1~B3…点、G1…グラウンド端子、P1…方向、T1、T12、T22、T32、T52、T62、T102、T121、T231…第1出力端子、T2、T11、T21、T31、T51、T61、T101、T122、T232…第2出力端子
図1
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