(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159001
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】電気外科用器具
(51)【国際特許分類】
A61B 18/12 20060101AFI20221006BHJP
A61B 18/16 20060101ALI20221006BHJP
H03B 5/12 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B18/16
H03B5/12 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022038979
(22)【出願日】2022-03-14
(31)【優先権主張番号】21166320
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(71)【出願人】
【識別番号】592245823
【氏名又は名称】エルベ エレクトロメディジン ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】Erbe Elektromedizin GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100109210
【弁理士】
【氏名又は名称】新居 広守
(72)【発明者】
【氏名】ペーター・セリグ
(72)【発明者】
【氏名】コンスタンティン・ドルンホフ
【テーマコード(参考)】
4C160
5J081
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK04
4C160KK19
4C160KK22
4C160KK23
4C160MM32
5J081AA02
5J081BB06
5J081CC23
5J081CC31
5J081CC33
5J081DD04
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5J081FF19
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5J081FF24
5J081GG03
5J081HH03
5J081KK03
5J081LL05
5J081MM01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】無線周波数電圧および電流を長い線にわたって伝送をすることによって発生する放射の問題および電磁適合性に関する問題を回避する。
【解決手段】本発明による電気外科用器具11は、生体組織上に電気的に作用するための少なくとも1つの電極15、16を備える。電極は、電極15および/または16に直接近接して配置された無線周波数発電機と結合される。無線周波数発電機は、100kHzから10MHzの間の周波数で自己制御式に振動し、好ましくは一定のまたは適時に変動する直流電圧によって供給される。したがって、器具11は、低周波電圧または直流電圧を供給する線を介して、供給源、例えば装置19と接続される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトまたは動物の患者を治療するための電気外科用器具(11)であって、
生体組織(17)に電流を印加するための少なくとも2つの電極(15、16)を有し、
供給電圧入力(22)と、前記電極(15、16)に接続された無線周波数出力(21)とを備えるプッシュプル発振器として構成された少なくとも1つの無線周波数発電機(20)を有し、前記無線周波数発電機(20)は、適時に一定の、または適時に変動する供給電圧を無線周波数交流電圧に変換するように構成され、
前記無線周波数発電機(20)の供給電圧入力(22)において、前記無線周波数発電機(20)に電流を供給するための電圧源(27)に接続可能な線(18)を有する、電気外科用器具。
【請求項2】
前記無線周波数発電機(20)が、100kHzから10MHzの間の範囲の周波数を有する電圧(UHF)を提供するように構成されることを特徴とする、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記無線周波数発電機(20)が、2つの交互に切り替わるトランジスタ(T1、T2)を有するプッシュプルフリップフロップを備え、前記トランジスタの出力電極で、1つの電圧増幅器(T3、T4)が、共通ゲートまたは共通ベース回路においてそれぞれ接続されることを特徴とする、請求項1または2に記載の器具。
【請求項4】
前記無線周波数発電機(20)が、互いに並列に接続された少なくとも1つのインダクタ(34)および少なくとも1つのコンデンサ(33)からなる並列共振回路(32)を備え、前記無線周波数発電機(20)が、前記生体組織(17)上に電気的に作用するために前記電極(15、16)に排他的に接続されたデカップリング回路を備えることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の器具。
【請求項5】
前記無線周波数発電機(20)の前記少なくとも1つのインダクタ(34)が、デカップリングインダクタ(36、36’)と変圧器結合構成にあり、前記デカップリングインダクタ(36、36’)が、前記2つの電極(15、16)に接続されることを特徴とする、請求項4に記載の器具。
【請求項6】
前記無線周波数発電機(20)が、前記器具(11)と解放可能に接続されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の器具。
【請求項7】
前記非閉ループ制御された無線周波数発電機(20)が、外科用途に適合された電流/電圧特性を含むことを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の器具。
【請求項8】
前記供給電圧入力(22)が、少なくとも1つの測定デバイス(23)に接続されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の器具。
【請求項9】
前記測定デバイス(23)が、電流測定デバイス(42)および/または電圧測定デバイス(42)および/または電力測定デバイス(43)および/または周波数測定デバイス(42、43)を備えることを特徴とする、請求項8に記載の器具。
【請求項10】
前記無線周波数発電機(20)の前記供給電圧入力(22)が、電圧変調デバイス(28)に接続されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の器具。
【請求項11】
前記電圧変調デバイス(28)が、前記測定デバイス(23)に接続されることを特徴とする、請求項9および10に記載の器具。
【請求項12】
請求項1から11のいずれか一項に記載の器具を備える装置であって、
ケーブル(18)によって前記器具(11)に接続することができる電圧源(27)を有する装置(19)を備える、装置。
【請求項13】
請求項8に記載の器具(11)を備える装置であって、
前記器具(11)を前記ケーブル(18)によって接続することができる制御可能な電圧源(27)を備える装置(19)が、提供され、
前記電圧源(27)は、前記測定デバイスに接続することができることを特徴とする、装置。
【請求項14】
前記測定デバイス(23)が、前記電圧源(27)に接続された前記装置(19)内に配置されることを特徴とする、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記測定デバイス(23)が、電流測定デバイス(42)および/または電圧測定デバイス(42)および/または電力測定デバイス(43)および/または周波数測定デバイス(42、43)を含むことを特徴とする、請求項14に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトまたは動物の患者に対して電気外科的介入を実施するための通電電極を有する電気外科用器具に関する。
【背景技術】
【0002】
電気外科用器具、プローブなどは、通常、器具に無線周波数交流電流を供給するための電気外科用発電機を必要とする。この目的のために、独国特許出願公開第602004009293号明細書は、器具を接続することができる発電機を有する電気外科用システムを開示しており、器具には、発電機から無線周波数電流が供給される。一実施形態では、器具は、凝固電極、ならびにそれと同時に動作するために高速の順序で交互に供給される切断電極を備える。この目的のために、器具自体にそれぞれの電子セレクタスイッチが設けられている。
【0003】
米国特許第7896875号明細書および米国特許出願公開第2011/0112530号明細書は、それぞれRF器具を記載しており、その外部発電機はバッテリによって供給される。米国特許第9155585号明細書は、さらに、外部制御式トランジスタを有する電池式電気医療用発電機を記載している。バッテリが設置され、発電機が設置された器具が、米国特許出願公開第2015/0305798号明細書から明らかになる。
【0004】
さらに、医療処置のためのマイクロ波の使用が、欧州特許第2572668号明細書および欧州特許第2572669号明細書から知られている。それぞれの器具は、器具内に配置されたマイクロ波増幅器から供給される長手方向シャフトの遠位端に配置されたマイクロ波アンテナを備える。器具は、ケーブルを介してマイクロ波信号発電機に接続され、マイクロ波信号発電機の信号はマイクロ波増幅器に伝えられる。改変された実施形態では、マイクロ波信号発電機は、器具のハンドル内に配置される。セレクタにより、外部の信号発生器のマイクロ波信号と内部の信号発生器のマイクロ波信号とを切り替えることが可能である。
【0005】
患者を治療するための単極電極を備え、治療者を介して電流回路を容量方式で閉じる、発電機が設置された器具も、米国特許第6039734号明細書から知られている。この動作周波数は、5MHzより高い。最後に、さらなる先行技術が、米国特許出願公開第2017/238987号明細書、米国特許出願公開第2017/202607号明細書、米国特許出願公開第2017/079710号明細書、米国特許出願公開第2016/0270841号明細書、米国特許出願公開第2014/148803号明細書、独国実用新案第202008001365号明細書およびカナダ国特許出願公開第2286835号明細書から明らかである。
【0006】
マイクロ波発電機がマイクロ波の放射によって組織を加熱して影響を与える一方で、高周波で動作する手術器具は、著しく低い周波数で動作する。そのような器具によって供給される電流の周波数は、通常、約数100kHzである。そのような器具は、組織を流れ抜ける無線周波数電流の流れで動作し、この目的のために組織と当接する2つの電極を常に必要とする。器具は、例えば、切断、凝固、融合、切除など、生体組織を直接流れ抜ける電流の流れに直接リンクされた異なる手段を実施するように機能する。所望の手術効果は、それぞれの電極の形状および使用によって正確に影響され得る。これにより、異なる変調形態、例えば、非変調RF(CW-「連続波」)、振幅変調、例えばパルス幅変調の有無にかかわらない変調などのように、異なるRF電圧およびRF電流が、使用される。さらに、電流/電圧依存性は、手術の成功に有益なそれぞれの発電機出力特性曲線によって定義することができる。
【0007】
しかし、そのような外科用器具の動作のためには、通常、外部外科用発電機が必要とされ、この外部外科用発電機は、必要とされるモードを提供しなければならず、そこから無線周波数電力がケーブルを介して器具に伝送される。これらのモードは、例えば、電圧、電流、電力、変調などによって区別される。
【0008】
独国特許出願公開第2901153号明細書、米国特許出願公開第2010/0137854号明細書、米国特許出願公開第2011/0245826号明細書および欧州特許第1599146号明細書は、1つまたは複数の共振回路を励起するための外部制御スイッチを有する発電機を開示している。
【0009】
医療用途に加えて、例えば電気通信技術では、例えば独国特許出願公開第19780481号明細書、独国特許出願公開第19780470号明細書、独国特許出願公開第19719440号明細書または独国特許出願公開第19719441号明細書から知られているように、自己振動発電機が使用される。これらの発電機は、1~20GHzの超/超高周波領域用の電圧制御プッシュプル発振器として構成される。それにより、この発電機は、例えばわずか4.5Vの非常に低い動作電圧で動作するものとする。回路は、ミリワットレンジに適している。反対に、電気外科の分野では、この発電機は、これより著しく高い電圧、高い電力、および実質的により高い電圧で動作する。これにより、個々の構成要素の電圧過負荷の危険性が、存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、改良された器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本目的は、請求項1に記載の器具、これに加えて請求項12または13に記載の装置によって解決される。
【0012】
本発明による電気外科用器具は、生体組織に作用するための2つの電極を備える。組織に作用するために1つの電極のみが設けられる場合、手術位置から離間した中性電極として患者に取り付けられる少なくとも1つの第2の電極が、設けられる。したがって、器具は、外科的介入を実施するための電極と、治療電流用の電気回路を閉じるために患者に取り付けられる中性電極(または中性電極用の接続部)とを有する単極器具として構成することができる。自励発振器として構成された器具の上または中に、無線周波数発電機が配置される。無線周波数発電機は、外科的介入に必要な電力を供給する。
【0013】
入力側または一次側では、無線周波数発電機は、直流電圧源または低周波交流電圧源(例えば、50Hzまたは60Hz)に接続されるか、または接続可能である。出力側または二次側では、無線周波数発電機は、電極に接続される。電極は、器具の遠位端に設けられた2つの活性電極、または無線周波数発電機の無線周波数出力に接続された1つの単一の活性電極および中性電極とすることができる。無線周波数発電機は、100kHzから10MHzの間の周波数、典型的には数100kHz、例えば350kHz、500kHzで、または指示された範囲内の別の周波数(例えば、4または5MHz)で振動する。電気外科用器具における無線周波数の生成により、無線周波数電圧および電流をより長い線(数メートルの長さ)にわたって伝送するという要件は省略され、それにより、特に放射の問題および電磁適合性に関する問題も省略される。
【0014】
電極に流れる電流が狭いスペクトルを含むように、無線周波数発電機を単一の周波数で振動させることが可能である。しかし、無線周波数発電機から出力される電流を、広い周波数スペクトルが生成されるように変調することも可能であり、通常はその結果、電線を介した伝送中、関連する無線周波数放射のアンテナ効果により、隣接する電気装置に妨害をもたらし得る。これは、特に、非常に高い電圧(数千ボルト)を有する非常に短いインパルスを有するパルス幅変調の場合に生じる。無線周波数発電機と電極との間が直接近接しているため、広帯域で強力な信号の場合でも、放射の問題を大幅に回避することができる。供給ラインが低い電磁干渉放射を発する、または電磁干渉放射を発しないように、直流電圧または低周波交流電圧を電気外科用器具に供給することで十分である。器具の電流供給のためのケーブルは、2つまたは複数のコア(導体)を有する非シールド線とすることができる。そのようなケーブルは、シールドケーブルよりも実質的に柔軟であり得る。
【0015】
無線周波数発電機は、好ましくは、プッシュプル発振器、特にフリーランニング式プッシュプル発振器として構成される。「フリーランニング」とは、プッシュプル発振器の振動が正帰還によってプッシュプル発振器内に維持されることを意味する。このようなプッシュプル発振器を、特に高効率かつ非常に低い電力損失で構築することが可能である。これは、プッシュプル発振器が、2つの交互に切り替わるトランジスタを備えたプッシュプルフリップフロップを備え、そのトランジスタの出力電極に1つの電圧増幅器がそれぞれ接続される場合に特に当てはまる。トランジスタの出力電極は、PNPトランジスタを使用する場合、コレクタである。電界効果トランジスタが使用される場合、出力電極は、それらのドレイン電極である。下流側電圧増幅器は、例えば、共通のベース回路内のバイポーラトランジスタまたは共通のゲート回路内の電界効果トランジスタである。基本的にNPNトランジスタ、IGBT、ディプレッション型またはエンハンスメント型のN-またはP-MOSFET、接合ゲート電界効果トランジスタ、窒化ガリウムトランジスタ(GaN)などをトランジスタとして用いることができる。無線周波数発電機の自己制御により、プッシュプルフリップフロップのトランジスタは、重複して切り替えず、印加電圧無しおよび/または電流が流れないアイドル状態でそれぞれ切り替え、それにより、トランジスタにおける電力損失が最小になる。接続された電圧増幅器は、無線周波数発電機出力において提供された典型的には100Vを超える高電圧を、フリップフロップから離したままにする。フリップフロップは、わずか10または20ボルト、すなわち低電圧で動作することができる。
【0016】
無線周波数発電機は、好ましくは、互いに並列に接続された少なくとも1つのインダクタおよび少なくとも1つのコンデンサからなる並列共振回路を備える。並列共振回路は、好ましくは、無線周波数発電機の周波数決定構成要素を形成し、プッシュプルフリップフロップへのフィードバックは、2つの電圧増幅器を流れる電流によって達成される。
【0017】
並列共振回路からの電気無線周波数エネルギーのデカップリングは、好ましくは、変圧器内で並列共振回路のインダクタと結合しているデカップリングインダクタによって実施される。このように構成された変圧器は、患者回路と規格に準拠する無線周波数発電機との間の電位絶縁に合わせて構成することができる。好ましくは、デカップリングインダクタの両端は、生体組織と接触する電極と直接接続される。特に好ましくは、インダクタと電極との間に追加の構成要素は配置されず、特に電流または電圧測定センサは配置されない。そうする際、浮遊容量を有する無線周波数発電機の無線周波数出力の負荷および容量性漏れ電流の発生が、最小限に抑えられる。RF側の任意の電流および電圧センサの省略により、容量性漏れ電流が最小化されるだけでなく、特定の単純な回路構成も達成される。これは、電圧および/または電流および/または電力および/または周波数を検出するための測定デバイスを直流電圧側に配置することができることを示している。したがって、それぞれの測定デバイスを器具内または供給装置内に配置することができる。測定デバイスは、無線周波数発電機の動作の開ループまたは閉ループ制御に役立つ信号を生成することができる。例えば、生体組織に出力される電力、電流、電圧または別の電気的パラメータを調整することができる。電流が印加される組織の状態は、測定された電流に基づいて、または測定された周波数に基づいて決定することができ、それに応じて器具を制御することができる。例えば、組織融合プロセスが完了した場合、無線周波数発電機をオフに切り替えることができる。電流が閾値を下回る場合、電流に基づいて完了を検出することができる。代替的または追加的に、無線周波数発電機は、時間制御された方法でオフに切り替えることができる。
【0018】
無線周波数発電機の供給電圧入力を、器具内または供給装置内に配置することができる電圧変調デバイスに接続することがさらに可能である。電圧変調デバイスは、所望の電流/電圧特性または所望の変調を有するRF電力を提供するために、測定デバイスと接続することができる。
【0019】
したがって、直流電圧源は、規定された変動しない直流電圧、経時的に変動しない調整可能な直流電圧、または時間もしくは負荷に応じて変動する直流電圧を出力することができる。(プッシュプル)発振器の損失は低く、負荷範囲にわたって実質的に一定であるため、無線周波数発振器の一次側(直流電圧側)の電圧および電力は、双極凝固などの単純な効果を実現するのに十分な精度で無線周波数側(二次側)の電圧、電流および電力を示し、無線周波数発電機、特にその電力またはその電圧の閉ループ制御を完全に回避することもできる。例えば、この目的のために、無線周波数発電機の内部抵抗は、それぞれの外科用途に適合させることができる。そのような適合は、例えば、発電機またはその構成要素などの寸法決めによって、または発電機の調整手段によって実施することができる。特に、そのような適応は、デカップリングインダクタに対する共振回路インダクタの巻線比の適切な定義によって実施することができる。
【0020】
本発明による概念により、RF電圧のそれぞれの変調により、極めて低い電力入力と同時に最大5MHzの周波数で動作することが可能になる。例えば、電力入力は、非常に低いパルス/休止比を有するRF信号のパルス/休止変調によって非常に低くすることができる。それにより、電極で生成される可能性のあるプラズマを低温に保つことができ、それによって、その化学効果は医学的に有効となり、熱外科効果は、バックグラウンドに押し込まれるか、または消失する。
【0021】
本発明の有利な実施形態のさらなる詳細は、特許請求の範囲ならびに図面およびそれぞれの説明から導かれる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】器具および供給装置を有する装置の説明図である。
【
図3】
図1の装置の改変された実施形態を示すブロック図である。
【
図4】
図1の装置のさらなる改変された実施形態を示すブロック図である。
【
図5】無線周波数発電機の回路概念を明確にするための
図1から
図4の装置の回路原理を示す図である。
【
図7】
図1の装置のさらなる改変された実施形態を示すブロック図である。
【
図8】
図1の装置のさらなる改変された実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
患者への外科的影響のための装置10が、
図1に示されている。ここでは明確にするために腹腔鏡バイポーラ器具として示されている器具11は、装置10の一部である。ハウジングとして構成されたそのハンドルから開始して、シャンク13が遠位端に延び、その遠位端には、ハンドレバー14の作動によって鉗子のタイプにおいて開閉することができる、例えば2つの顎部を有するツールが支持されている。例えば、互いに対向する顎部の両側には、電極15、16が配置され、これらの電極は、その間に位置し、ハンドレバー14の作動によって圧縮された組織17に電流を直接印加するのに適しており、すなわち、電流の流れが、組織17を介して電極15、16間で可能にされる。組織17は、破線の図示されたオーミック抵抗によってそれぞれ
図2、
図3および
図4に示されている。
【0024】
器具11は、基本的には図示されていない別の方法で構成することもできる。器具を例えば電気外科用鉗子器具などの開腹手術器具として構成すること、または電極15、16に加えて1つまたは複数の追加の電極を設けることが特に可能である。例えば、好ましくは組織17の凝固のために設けられる電極15、16に加えて、切断電極などを設けることができる。また、器具11を、ただ1つの活性電極15を有する単極器具(
図7)として構成することも可能である。この場合、対向電極16が活性電極15に割り当てられ、この対向電極は、例えば、電流回路を閉じるために患者に取り付けられる大面積の中性電極として構成される(
図7)。
【0025】
器具11は、器具11への電流の供給に役立つ線、例えば好ましくは遮蔽されていない2本または複数本のコアケーブル18を介して装置19に接続される。
【0026】
さらなる説明のために、
図2を参照する。器具11および装置19は、そこでは鎖線のブロックとして概略的に示されている。器具11は、無線周波数出力21と供給電圧入力22とを備える無線周波数発電機20を備える。無線周波数出力は、無線周波数電圧UHF(
図5)を少なくとも2つの電極15、16に供給し、それぞれの無線周波数電流を供給するために、少なくとも2つの電極15、16に接続される。電極15、16に印加される電圧は、典型的には、100Vから数100Vの間である。これはまた、個々の場合において、例えば切断電極の供給のために、例えば最大で数1000Vのピーク電圧など、著しく高い値を有することもできる。
【0027】
供給電圧入力22は、直流電圧入力であり、または整流ブロックGが存在する場合、低周波交流電圧の入力である。この場合、供給電圧入力22は、使用される整流回路に応じて、直流電圧ならびに低周波交流電圧を受け入れるように構成することができる。供給電圧入力22は、それぞれの線を介して測定デバイス23に接続され、この測定デバイスは、少なくとも1つの物理的電気的パラメータ、例えば、供給電圧入力22に印加される電圧および/または供給電圧入力22に流れる電流および/または供給電圧入力22に供給される電力および/または無線周波数発電機20の発振周波数を検出する。発振周波数を決定するために、測定デバイス23は、無線周波数発電機に流れる電流の無線周波数リップルを検出および評価することができる。リップルの周波数は、無線周波数発電機20の発振周波数に依存する。したがって、測定デバイス23は、示された物理的パラメータのうちの1つまたは複数を検出し、それぞれの測定値を信号線24を介して装置19に供給することができる。信号線24は、ケーブル18の一部とすることができ、ケーブルは、これに加えて、器具11の電流供給のための少なくとも2つのコア25、26を備える。
【0028】
装置19は、典型的には100V、150V、200Vの供給電圧、または12から500Vの間の範囲の別の電圧を出力することができる電圧源27を備える。電圧は、直流電圧またはそれぞれの低周波交流電圧とすることができる。電圧源は、必要な電力で電圧を器具に供給する。それにより、供給されるべき電力は、数ワットから数100Wまでの範囲であることができ、典型的には100Wから300Wの間の範囲内にある。電力は、それによってケーブル18のコア25、26を介して直流または低周波電力として器具11に供給される。
【0029】
装置19内には、装置19から出力される供給電圧の量に影響を及ぼすように構成された電圧変調デバイス28を設けることができる。電圧変調デバイス28は、電圧源27の一部とすることができ、または
図2に象徴的に示されているように、別個のブロックとして構成することができる。電圧源27は、バッテリ動作電圧源27またはグリッド動作電圧源27とすることができる。好ましくは、電圧源は、電力グリッドと器具側に設けられた供給電圧との間に、規格に適合する電位分離をもたらす。
【0030】
図1および
図2に示す器具11および装置19は、以下のように動作する。
【0031】
器具11がケーブル18を介して装置19に接続されると、器具11は使用する準備が整う。ハンドレバー14によって、電極15、16を有する顎部を移動させることができ、互いの間に組織17を保持させることができる。次に、無線周波数発電機20は、スイッチ29によって作動させることができる。例えば、スイッチ29は、この目的のために測定デバイス23に接続することができ、測定デバイスは、その後、信号線24を介して装置19に解放信号を送信する。解放信号は、電圧源27が作動されるという効果、および/または電圧変調デバイス28が提供された直流または交流電圧をコア25、26に印加し、したがって器具11に電圧および電流を供給するという効果を有することができる。最も単純な場合、電圧変調デバイス28は、スイッチのみである。スイッチ29の代わりに、装置19を作動させるか、またはコア25、26に電流を放出するフットスイッチなどを設けることもできる。
【0032】
電圧源27が作動されると、無線周波数発電機20は、その供給電圧入力22において直流電圧または低周波交流電圧を取得する。無線周波数発電機は、無線周波数で振動し始め、その無線周波数出力21で治療電圧または治療電流を出力する。したがって、これは、環境内の電磁干渉が予想されないように、電極15、16に直接近接して生成される。これにより、例えばビデオ内視鏡検査中またはロボティックス適用中の他のデバイスの干渉が特に回避される。
【0033】
測定デバイス23は、例えば、無線周波数出力21における電流出力と密接な関係にある、無線周波数発電機20への電流供給を監視する。例えば、治療持続時間と電極15、16間の電力出力との間の所望の依存性が調整されるものとする場合、電圧変調デバイス28は、所望の期間後に器具11の電流供給をオフに切り替えることができる。例えば、パルス幅変調されたRF信号が無線周波数出力21で出力されるものとする場合、直流電圧変調デバイス28は、器具11に供給される直流(または交流)電圧の量を変調することができ、例えば、これをオンおよびオフに切り替えるか、または例えば10Vから150Vの2つの値間で交互に切り替える。また、電圧変調デバイス28は、例えば、コア25、26への電圧出力が所望の関数に従って電流の増加と共に減少するという点で、無線周波数発電機20の所望の内部抵抗、すなわち、所望の電圧/電流特性曲線を生成することができる。測定デバイス23が電流測定デバイスであり、信号線24が電流測定信号を電圧変調デバイス28に伝送する場合、電圧変調デバイス28は、例えば所望の曲線に従って、所望の方法で測定された電流に応じて電圧を調整することができる。無線周波数発電機20が一定の有効性で動作する場合、所望の特性、すなわちRF出力電圧とRF出力電流との間の所望の依存性は、このようにしてその無線周波数出力21で調整される。
【0034】
ケーブル28は、例えば、最大で数ヘルツまたは数kHzまたは数10kHzの低周波数で変調することができる直流電圧および直流電流(または低周波の交流電圧および交流電流)を案内する。ケーブル18を介した容量性漏れ電流の干渉放射または漏れは、発生しない。
【0035】
提示される概念は、様々な点で変化し得る。第1の変形例を
図3に示す。
図3による器具11は、無線周波数発電機20と電極15、16とを備える。それとは別に、上記の説明は、それに応じて以下の逸脱を条件として適用される。
【0036】
測定デバイス23は、器具11内ではなく、装置19内に位置する。結果として、ケーブル18は、実際にコア25、26を含むが、信号線は、必要ではない。したがって、ケーブル18は、単純な二芯非シールド線とすることができる。作動スイッチは、
図3には示されていない。これはフットスイッチとして構成することができ、直流電圧の出力を放出または遮断するために装置19に直接接続することができる。作動スイッチ29を器具11に取り付け、作動スイッチによって信号線を介して装置19を制御することも可能である。さらに、ケーブル18を介して装置19によって供給電圧入力22に供給された電圧または供給電圧入力から供給された電圧を供給または遮断するために、一方または両方のコア25、26内にオン/オフスイッチとしてのみの作動スイッチを置くことも可能である。
【0037】
さらなる改変例を
図4に示す。この実施形態では、無線周波数発電機20、ならびに測定デバイス23および電圧変調デバイス28は、器具11内に配置される。装置19は、変動しない直流電圧(または低周波交流電圧)を出力するように構成された電圧源27のみを備える。例えば、電圧源27は、通常の直流電圧電源、例えば高電力USB電源、または手術台上に設けられた電圧源、例えば直流電圧用のソケットとすることができる。例えば50Hzまたは60Hzの交流電圧を有する交流電圧源を電圧源として設け、さらに電圧変調デバイス28の上流に整流ブロックGを接続することも可能である。それとは別に、先行する実施形態を参照する上記の説明が、それに応じて、器具11、ケーブル18および装置19からなるシステムの機能に関して適用される。
【0038】
無線周波数発電機20の構造は、基本的に
図5で説明される。無線周波数発電機20は、好ましくは電界効果トランジスタ(および/またはGaNトランジスタ)(好ましくはnチャネル、エンハンスメント型、すなわち自己ブロッキング)として構成された、合計で少なくとも4つのスイッチングトランジスタT1、T2、T3、T4を有するプッシュプル発振器として構成される。しかし、基本的に、例えば逆電圧極性、pチャネル電界効果トランジスタまたはバイポーラトランジスタ(npnまたはpnp)、IGBTなどの場合、他のトランジスタも同一の回路構成で使用することができる。
【0039】
トランジスタT1、T2は、ソース電極が共通の基準電位30(接地)に接続されている。ドレイン電極は、それぞれタップZ1、Z2を形成する。2つのトランジスタT1およびT2のゲートは、それぞれ他方のトランジスタのタップに接続されている。したがって、トランジスタT1およびT2は共に、プッシュプルモードで動作する2つのトランジスタT1およびT2を有するフリップフロップを形成する。タップZ1およびZ2上には、0から数ボルト(例えば20V)の間の方形波電圧が印加され、トランジスタT1およびT2は決して同時にオンにならず、または決して同時にオフにならない。
【0040】
タップZ1およびZ2には、共通のゲート配置の電圧増幅器として動作するトランジスタT3およびT4の電流入力が接続されている。電流入力は、それらのソース電極によって実現される。トランジスタT3およびT4の2つのゲートは、定電圧回路31によって提供される変動しない電圧に接続される。
【0041】
2つのトランジスタT3、T4のドレイン電極は、並列共振回路32に接続された増幅器出力を形成する。これは、コンデンサ33(または例えば直列接続で配置された複数のコンデンサ)およびインダクタ34(または直列接続された複数のインダクタ)からなる。インダクタ34は、供給電圧入力22の正電位に接続されたタップ35を備える。
【0042】
デカップリングインダクタ36は、並列共振回路32からのRF電力をデカップリングする役割を果たし、デカップリングインダクタ36は、インダクタ34と変圧器結合方式で結合される。インダクタ36は、追加の構成要素を介在させることなく電極15、16と接続され、したがってそれらにRF電力を出力する。必要に応じて、さらに詳細には図示しない追加の電極、例えば切断電極Sへの供給に役立つ追加のデカップリングインダクタ36’を設けることができる。例えば、この電極は、器具11の顎部内に位置することができる。インダクタ36’は、増加した電圧を出力するために、インダクタ36と直列に接続することができる。また、異なるインダクタ構成を選択することも可能である。好ましくは、デカップリングインダクタは、電極15、16の間に保持された組織17と共に、分岐のないガルバニック回路を形成する。
【0043】
トランジスタT1およびT3は共に、カスコード回路を形成する。同様に、トランジスタT2およびT4は共に、カスコード回路を形成する。並列共振回路32は、2つのカスコード回路と共に、プッシュプルフリップフロップT1、T2の発振周波数を規定する並列共振回路32付きプッシュプル発振器を形成する。プッシュプル発振器は、完全に対称的であることができ、または好ましいように、構造および寸法に関してわずかに非対称に構成することもできる。非対称性は、特にトランジスタに関する部品のばらつき、わずかなインダクタの非対称性(共振インダクタのタップは正確に中心にない)、異なる浮遊容量などに存在し得る。これは、例えば、無線周波数発振器の振動の開始をサポートすることができる。
【0044】
図6は、
図5による無線周波数発電機20をわずかにより詳細な図で示す。上記の
図5による回路の説明に基づいて、これに加えて、トランジスタT1およびT2によって形成されるプッシュプルフリップフロップは、タップZ1およびZ2がそれぞれトランジスタT1およびT2のゲートとコンデンサ37、38を介して接続されるという点で容量性結合を含むことができることが示される。さらに、2つのゲートは、時間平均で同電位に保つため、抵抗39を介して互いに接続することができる。好ましくは、コンデンサ37、38は、抵抗39と共に、並列共振回路によって設定される振動周波数よりも低い、トランジスタT1およびT2によって実現されるプッシュプルフリップフロップのフリップフロップ周波数を規定する。トランジスタT1からT4は、共通のハウジング内に配置することができ、通常、冷却を必要としない。これらは冷却されない。
【0045】
並列共振回路は、並列共振回路32における過電圧を回避するために、基準電位30に2つのZダイオードZD1およびZD2を介して接続することができる。
【0046】
定電圧回路31は、ZダイオードZD3と、抵抗41を介して電流が供給されるコンデンサ40との並列接続によって実現することができる。
【0047】
図6による回路は、無線周波数発電機20に加えて、ここでは一例としてシャント42によって表される測定デバイス23も備える。これは、電圧源27から無線周波数発振器20に至る線内に位置する低オーミック抵抗によって実現される。さらに、ブロック43は、測定デバイス23の一部であり、この測定デバイスは、電流測定のためにシャント42上に印加される電圧を検出し、それぞれの制御信号を電圧変調デバイス28に供給する。線44を介して、ブロック43はまた、電圧入力22において印加される電圧を検出することもできる。
【0048】
電圧変調デバイス28は、トランジスタT5によって実現することができ、そのドレインソース接続(またはコレクタエミッタ接続)は、電圧源27から供給電圧入力22に至る線内に配置される。信号線24は、トランジスタT5のゲートに接続することができる。
【0049】
電圧源27によって無線周波数発電機20に供給される電流を平滑化するために、タップ35に通じる線内にリアクタDを設けることができる。さらに、バッファコンデンサを、電圧入力(整流ブロックGが存在する場合、整流ブロックGの下流)に設けることができる。
【0050】
ブロック43は、無線周波数発電機20の所望の機能を制御することができる。無線周波数発電機20がトランジスタT5を介して定電圧を受け取る限り、この発電機は、その出力において、電極15、16に電流を印加するための特定の無線周波数電圧を提供する。電極15、16に流れる電流は、シャント42およびブロック43によって検出される。ブロック43は、所望の電流/電圧依存性を規定することができる。異なる電流/電圧依存性が提供され、選択可能であることを実現することが可能である。例えば、発電機出力電圧が電流の増加に伴って低下するものとする場合、ブロック43は、それに応じて線24を介してトランジスタT5を制御することができる。ブロック43は、
図6に破線で示す線を介して供給電圧入力22に接続することができ、そこに印加される電圧を測定することができる。測定された電圧は、トランジスタT5の制御に用いることができる。トランジスタT5は、アナログまたはパルス(オン/オフ)動作モードで動作することができる。線24を介してトランジスタT5をそれぞれ解放または遮断することによって、無線周波数発電機20をオンまたはオフに切り替えることができ、あるいは高電力と低電力との間で切り替えることができる。他のタイプの変調も可能である。
【0051】
本発明による概念は、様々な利点を有する。
図5および
図6によるプッシュプル発振器は、特に小さい構成での実現を可能にする。トランジスタT1からT4の冷却は不要であり、実際には、無線周波数発電機が100Wを超える電力を出力する場合も不要である。さらに、患者回路内、すなわち無線周波数発電機20の無線周波数側では、任意の電流または電圧センサを省略することができる。患者回路は、非分岐回路である。測定デバイス23(および必要に応じて追加の測定デバイス)を直流回路内に設けることができる。無線周波数発電機20の振動周波数でさえ、シャント42で、例えば、そこで発生する電流リップルにより検出することができる。一次側の電流、電圧および電力は、患者側のRF電圧を十分に正確に示す。これは、無線周波数発電機20の損失が低く、その負荷範囲にわたって実質的に一定であるためである。こうして、直流側で決定された一次測定値によるRF電圧、RF電流またはRF電力の閉ループ制御を実現することができる。RF側の電流および電圧センサの省略により、直流回路とRF回路との間の、規格によって規定される非常に長い絶縁距離にわたる結合容量も低減される。したがって、システムの無線周波数漏れ電流が、低減される。
【0052】
双極凝固などのより単純な効果を実現するために、閉ループ制御を完全に省略することもできる。例えば、非閉ループ制御された無線周波数発電機20の電力曲線は、この目的のために外科用途に適合させることができる。そして、負荷インピーダンス(すなわち、生体組織17の抵抗)は、流れる電流を規定する。対応する調整は、発電機の出力回路、例えばインダクタ34、36の互いに対する巻線比を変更することによって、またはインダクタ34、36間の結合係数をそれぞれ定義することによって行うことができる。共振回路のL/C比を用いた共振回路インダクタ34とデカップリングインダクタ36との間の結合係数の適切な寸法決めによって、リアクタDの適切な寸法決めによって、無線周波数発電機の内部抵抗、すなわち組織17によって形成される負荷からのRF電流の依存性を決定することができる。
【0053】
このような調整は、別の点での干渉によって、例えばトランジスタT3、T4のゲートのゲートバイアスの変更によって行うこともできる。加えて、短絡またはアイドリングなどの特定の負荷条件の複雑な監視は必要ない。既知の発電機と比較して、実質的に単純化された設計結果が得られる。また、既知の発電機の場合のように、制御による周波数の複雑な追跡は必要ではない。自励発振システム、すなわち無線周波数発電機20は、外部クロック発生器も特定の監視回路も必要としない。
【0054】
図7に示すように、無線周波数発電機20はまた、中性電極16上に配置することもでき、したがって器具11の一部とみなされる必要がある。したがって、
図1~
図6による実施形態の上記の説明は、既に導入された参照符号に基づいて適用される。すべての実施形態において、器具11内または器具11の隣に無線周波数発電機20が位置することにより、より高い周波数、例えば4MHzの発電機を合理的に使用する可能性が提供される。このような高放射周波数の場合でも、本発明による概念では、発生する干渉および容量性漏れ電流は低い。
【0055】
図8は、無線周波数発電機20に解放可能に接続された器具11を有する本発明の好都合な実施形態を示しており、無線周波数発電機は、例えば器具11のハウジングに差し込まれるように直接構成することができ、またはケーブル18の延長部内に配置することができる。例えば、無線周波数発電機20はまた、ケーブル18がそれによって装置19に接続されることになるケーブル18の近位コネクタ内に配置することもできる。
図8による器具は、非閉ループ制御されて動作する無線周波数発電機20とすることができ、そのRF出力側の内部抵抗は、所望の外科効果、例えば凝固または組織融合に適合される。無線周波数発電機20の内部抵抗は、線形または非線形とすることができる。これは、インダクタ34、36間の結合係数のそれぞれの寸法設定(
図5および
図6)、リアクタDの適切な値の寸法設定(
図6)、または電圧源18の内部抵抗のそれぞれの設定によって、必要に応じて定義することができる。
図8による実施形態では、測定デバイス23および電圧変調デバイス28を省略することができる。しかし、
図3の基礎となるように、測定デバイス23および電圧変調デバイス28を無線周波数発電機20上に直接配置するか、または代替として装置19内に配置することも可能である。
図8による実施形態に基づくすべてのそのような改変形態では、発電機は、器具11から取り外すことができ、したがって再使用可能な器具ケーブル18内に取り付けることができる。次いで、器具11は、単回使用のみでその後に廃棄するために提供することができる。発電機20はまた、器具11およびそのケーブル18と装置19との間に取り付けられる中間コネクタまたは中間ケーブルとしての別個のハウジング内に設けることもできる。無線周波数発電機20はまた、
図7に着想されるように、中性電極16上またはその近傍の別個の取り外し可能なハウジング内に設けることもできる。
【0056】
本発明による電気外科用器具11は、生体組織に電気的に作用するための少なくとも1つの電極15、16を備える。電極は、電極15および/または16に直接近接して配置された無線周波数発電機20と結合される。無線周波数発電機は、100kHzから10MHzの間の周波数で自己制御式に振動し、好ましくは一定のまたは適時に変動する直流電圧によって供給される。したがって、器具11は、低周波電圧または直流電圧を供給する線を介して、供給源、例えば装置19と接続される。
【符号の説明】
【0057】
10 装置
11 器具
12 ハンドル
13 シャンク
14 ハンドレバー
15 電極
16 電極または中性電極
17 生体組織
18 ケーブル
19 装置
20 無線周波数発電機
21 無線周波数出力
22 供給電圧入力
G 任意選択の整流ブロック
UHF 無線周波数電圧
23 測定デバイス
24 信号線
25、26 ケーブル18のコア
27 電圧源
28 電圧変調デバイス
29 スイッチ
30 基準電位
T1~T4 トランジスタ
31 定電圧回路
32 並列共振回路
33 コンデンサ
34 インダクタ
35 タップ
36、36’ デカップリングインダクタ
S 切断電極
37、38 コンデンサ
39 抵抗
ZD1~ZD4 Zダイオード
40 コンデンサ
41 抵抗
42 シャント
T5 トランジスタ
D リアクタ
43 ブロック、測定デバイス
44 導管
【外国語明細書】