(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159040
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】油性固形化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/897 20060101AFI20221006BHJP
A61K 8/92 20060101ALI20221006BHJP
A61Q 1/06 20060101ALI20221006BHJP
A61Q 1/10 20060101ALI20221006BHJP
A61Q 1/08 20060101ALI20221006BHJP
A61Q 17/04 20060101ALI20221006BHJP
A61K 8/895 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
A61K8/897
A61K8/92
A61Q1/06
A61Q1/10
A61Q1/08
A61Q17/04
A61K8/895
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022045957
(22)【出願日】2022-03-22
(31)【優先権主張番号】P 2021060532
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】松尾 櫂
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AA122
4C083AB172
4C083AB212
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC011
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC102
4C083AC122
4C083AC242
4C083AC342
4C083AC372
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC442
4C083AC472
4C083AC482
4C083AC552
4C083AC792
4C083AC852
4C083AC862
4C083AC912
4C083AD021
4C083AD022
4C083AD042
4C083AD071
4C083AD072
4C083AD092
4C083AD112
4C083AD151
4C083AD152
4C083AD171
4C083AD172
4C083AD242
4C083BB11
4C083CC01
4C083CC11
4C083CC12
4C083CC13
4C083CC14
4C083CC19
4C083DD11
4C083DD21
4C083EE09
(57)【要約】
【課題】 本発明は、薄膜な化粧膜を有しながらも密着感に優れ、かつ仕上がりのマット感があり、伸び広がりの軽さ、油感のなさ、化粧膜の均一性に優れる油性固形化粧料の開発を課題とする。
【解決手段】 次の成分(A)~(C);
(A)フッ素含有基を有するシリコーンエラストマー
(B)成分(A)以外のシリコーンエラストマー
(C)ワックス
を含有する油性固形化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)~(C);
(A)フッ素含有基を有するシリコーンエラストマー
(B)成分(A)以外のシリコーンエラストマー
(C)ワックス
を含有する油性固形化粧料。
【請求項2】
前記成分(A)が、部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物である請求項1に記載の油性固形化粧料。
【請求項3】
前記成分(B)が非乳化型の架橋型メチルポリシロキサンである請求項1又は2に記載の油性固形化粧料。
【請求項4】
前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量が2~10質量%である請求項1~3の何れか1項に記載の油性固形化粧料。
【請求項5】
前記成分(A)に対する前記成分(B)の含有質量割合(B)/(A)が0.1~5である請求項1~4の何れか1項に記載の油性固形化粧料。
【請求項6】
さらに、成分(D)球状粉体を含有する請求項1~5の何れか1項に記載の油性固形化粧料。
【請求項7】
前記成分(D)が(D1)有機球状粉体及び(D2)無機球状粉体を含有する請求項6に記載の油性固形化粧料。
【請求項8】
前記成分(D)球状粉体の含有量が、油性固形化粧料に含まれる粉体全量に対して50質量%以上である請求項6または7に記載の油性固形化粧料。
【請求項9】
前記成分(C)ワックスが、炭化水素ワックスである請求項1~8の何れか1項に記載の油性固形化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油性固形化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
油性固形化粧料は、口紅、コンシーラー、アイライナー、アイシャドウ、チーク等の化粧品に広く用いられており、その化粧膜の仕上がりや使用感は多様化している。化粧膜の仕上がりは、ツヤ感やマットな質感の化粧膜や、化粧膜の均一性、薄膜な化粧膜、厚みのある化粧膜等の化粧膜の厚薄等が消費者から求められることがある。また、使用感は、塗布した際の伸び広がりの軽さや肌や唇に化粧膜が保持される密着感等が消費者から求められることがある。特に最近は不自然なツヤを与えず素の肌や唇に近い落ち着いた印象を与える、マットな質感の化粧料が好まれる傾向にある。油性固形化粧料にマットな質感を与える方法として、粉体がよく用いられるが、粉体を多量に含有すると様々な面で使用感を損ねることがある。例えば、板状粉体の含有量を増やすと伸び広がりが抑制され、化粧膜も厚く、不均一となりやすい。一方、球状粉体は伸び広がりの改善に有効であるが、肌や唇への密着感に劣り、板状粉体と同様に不均一な化粧膜の要因ともなる。そのため、特に近年は化粧膜の仕上がりだけではなく、快適な使用感を兼ね備えた化粧料が求められ、種々の検討がなされてきた。
【0003】
これまでにも、固形ワックス、ポリウレタン以外のポリマー成分からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体を含有し、前記化粧料中のポリウレタン以外のポリマー成分からなる核部をポリウレタンが被覆してなる複合粉体の含有量が5~30質量%であることによって、マット効果と使用感(伸び広がり、感触)が良好で、経日安定性に優れたスティック状油性固型化粧料が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、固型ワックスを5~45質量%、油ゲル化剤を0.1~5質量%、および弾性粉末(例えば、シリコーン樹脂粉末、ウレタン樹脂粉末、ポリアミド樹脂粉末、等)を15~55質量%含有することで、既存のメーキャップ化粧料を用いても補正することが困難な皮膚上の大きな凹凸を穴埋め効果により補正することができ、さらに、使用性(皮膚へののび、べたつかない)、仕上がり感(適度なマット感)に優れた凹凸補正用化粧料が提案されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-183368号公報
【特許文献2】特開2010-30971号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術ではマットな質感と伸び広がりの軽さを両立できても、密着感と薄膜な化粧膜を両立することが困難であった。特に粉体を多量に含有する場合には、マットな質感と密着感が得られるものの、化粧膜が不均一で膜厚になりやすいという欠点があった。また屈折率の低い油剤などでマットな質感を補いつつ粉体の含有量を下げた場合には、伸び広がりの軽さや均一な薄膜な化粧膜が得られるものの、密着感に劣り、同時にぬるついた油感のある化粧膜となるという欠点があった。
【0007】
そこで本発明は、薄膜な化粧膜を有しながらも密着感に優れ、かつ仕上がりのマット感があり、伸び広がりの軽さ、油感のなさ、化粧膜の均一性に優れる油性固形化粧料の開発を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記実情に鑑み、本発明者は、伸び広がりの軽さとマットな質感を両立させるために汎用されるシリコーンエラストマーを中心として鋭意研究を行ったが、通常汎用されるシリコーンエラストマーでは油感のなさに劣り(ぬるついた使用感がある)、密着感にも劣った。そこで本発明者は、フッ素含有基を有する油剤や粉体がぬるつきのないさらっとした感触を有することに着目し、その特性を付加できる化学修飾のシリコーンエラストマーにより、密着感の改善と油感の軽減を試みた。これらの検討の結果から、フッ素含有基を有するシリコーンエラストマー、前記フッ素含有基を有するシリコーンエラストマー以外のシリコーンエラストマー、及びワックスを含有する油性固形化粧料とすることで、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さを保ちながら、密着感、化粧膜の均一性、油感のなさ、薄膜な化粧膜に優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は、次の成分(A)~(C);
(A)フッ素含有基を有するシリコーンエラストマー
(B)成分(A)以外のシリコーンエラストマー
(C)ワックス
を含有する油性固形化粧料を提供するものである。
【0010】
前記成分(A)が、部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物である前記記載の油性固形化粧料を提供するものである。
【0011】
前記成分(B)が非乳化型の架橋型メチルポリシロキサンである前記記載の油性固形化粧料を提供するものである。
【0012】
前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量が2~10質量%である前記記載の油性固形化粧料を提供するものである。
【0013】
前記成分(A)に対する前記成分(B)の含有質量割合(B)/(A)が0.1~5である前記記載の油性固形化粧料を提供するものである。
【0014】
さらに、成分(D)球状粉体を含有する前記記載の油性固形化粧料を提供するものである。
【0015】
前記成分(D)が(D1)有機球状粉体及び(D2)無機球状粉体を含有する前記記載の油性固形化粧料を提供するものである。
【0016】
前記成分(D)球状粉体の含有量が、油性固形化粧料に含まれる粉体全量に対して、50質量%以上である前記記載の油性固形化粧料を提供するものである。
【0017】
前記成分(C)ワックスが、炭化水素ワックスである前記記載の油性固形化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さ、密着感、化粧膜の均一性、油感のなさ、薄膜な化粧膜に優れる油性固形化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の詳細について以下に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。また、本発明における「平均粒子径」とは、画像解析装置(ルーゼックスAP、ニレコ社製)による測定により求めたメジアン径D50値である。なお、非対称形状の場合、本発明においては最も大きい粒子径の分布から求めたメジアン径D50を平均粒子径とする。
【0020】
本発明の成分(A)フッ素含有基を有するシリコーンエラストマーは、シリコーンで構成されるエラストマー(弾性物質)にフッ素元素を有する官能基を導入したものである。本発明における成分(A)フッ素含有基を有するシリコーンエラストマーは、通常化粧料に使用されるものであれば、特に限定されないが、特に部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物が好ましい。部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物は、下記一般式(1)で示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン及び/又は下記一般式(2)で示されるオルガノポリシロキサンを、白金化合物(例えば、塩化白金酸、アルコール変性塩化白金酸、塩化白金酸-ビニルシロキサン錯体等)又はロジウム化合物の存在下、室温又は加温下(約50℃~120℃)で反応させることで得られる。当該反応は無溶媒で行なわれてよく、又は、必要に応じて有機溶媒を使用して行われうる。有機溶媒としては具体的には、メタノール、エタノール、2-プロパノール、ブタノール等の脂肪族アルコール、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、n-ペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素、アセトン、メチルエチルケトン系溶剤等が挙げられる。
【0021】
R1
aHbSiO(4-a-b)/2・・・・(1)
R1
cR2
dSiO(4-c-d)/2・・・・(2)
(但し、式中R1はそれぞれ同じか又は異なってもよく、脂肪族不飽和結合を有しない、置換又は非置換の、炭素数1~20の一価炭化水素基であって、その11~60モル%がフッ素基置換一価炭化水素基である一価炭化水素基であり、R2は末端ビニル基を有する炭素数2~10の一価炭化水素基であり、aは1.0~2.3、bは0.001~1.0、cは1.0~2.3、dは0.001~1.0であって、1.5≦a+b≦2.6、1.5≦c+d≦2.6を満たす。)
【0022】
本発明においてフッ素含有基とは、フッ素原子が含まれた官能基であればよく、例えば、炭化水素基の水素原子の一部または全部をフッ素原子に置換したものが挙げられる。このような置換基として、例えば、トリフルオロメチル基等が挙げられる。このような部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物としては、例えば、INCI名で(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)クロスポリマーが挙げられる。本発明における成分(A)は、油剤に分散させるとゲルを形成し、油性固形化粧料への分散性に優れることで、伸び広がりの軽さ、化粧膜の均一性に優れる効果を奏するため、予め油剤に分散したものを用いることが好ましい。市販品としては、例えば、当該部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物とトリフルオロプロピルシクロポリシロキサンとの混合物であるKSG-51(固形分20%、信越化学工業社製)等が挙げられる。
【0023】
成分(A)として、部分架橋型フッ素変性オルガノポリシロキサン重合物を用いることで、油性固形化粧料中でフッ素含有基による撥水撥油性により、油感のなさ(ぬるつきのないさらっとした感触)に優れる効果を奏する。また、撥油性によって吸油性が低いことからエラストマーとしての特性を損なわず、その弾力特性により、油性固形化粧料を塗布した際に伸び広がりの軽さに寄与することが期待される。また、成分(A)は、フッ素含有基により他の油剤と馴染みにくいため、後述の成分(B)を用いることで、適度に油剤と馴染み、油感のなさ、伸び広がりの軽さに優れる効果を奏する。
【0024】
本発明において成分(A)の含有量は、特に限定されないが、油性固形化粧料全量に対し、1質量%(以下、「%」と略す)以上が好ましく、1.5%以上がより好ましく、2%以上がさらにより好ましい。また、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、6%以下がさらにより好ましい。また、1~10%が好ましく、1.5~8%がより好ましく、2~6%がさらにより好ましい。尚、成分(A)の含有量は、有機溶媒に分散したものを用いる場合は、固形分換算として計算する。この範囲であれば、薄膜な化粧膜、伸び広がりの軽さ、油感のなさにより優れより好ましい。
【0025】
本発明における成分(B)成分(A)以外のシリコーンエラストマーは、フッ素含有基を含有しないシリコーンエラストマーが成分(B)に相当する。例えば、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型メチルポリシロキサン、(ジメチコン/フェニルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型メチルフェニルポリシロキサンが挙げられる。また、分子中にポリオキシアルキレン基を含有する重合物としては、例えば、ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマー等の架橋型ポリエーテル変性シリコーンが挙げられる。分子中に長鎖アルキル基を含有する重合物としては、例えば、(ビニルジメチコン/ラウリルジメチコン)クロスポリマー等の架橋型アルキル変性シリコーンが挙げられる。分子中にポリオキシアルキレン基及び長鎖アルキル基を含有する重合物としては、例えば、PEG-15ラウリルジメチコンクロスポリマー等の架橋型アルキル・ポリエーテル共変性シリコーンが挙げられる。分子中にグリセリル基を含有する重合物としては、例えば、(ジメチコン/ポリグリセリン-3)クロスポリマー等の架橋型ポリグリセリン変性シリコーンが挙げられる。(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー等の架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体等が挙げられ、これらを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。また、架橋型ポリエーテル変性シリコーンや架橋型ポリグリセリン変性シリコーンは親水基を持つため、乳化型の架橋型メチルポリシロキサンと称されることもあり、前述のような親水基を持たないものを非乳化型の架橋型メチルポリシロキサンと称されることがある。
【0026】
これらの中でも、仕上がりのマット感、油感のなさの観点から、非乳化型の架橋型メチルポリシロキサンが好ましく、架橋型メチルポリシロキサン、架橋型メチルフェニルポリシロキサン、及び架橋型シリコーン・網状型シリコーンブロック共重合体よりなる群から選択される1種または2種以上がより好ましく、架橋型メチルポリシロキサン、及び架橋型メチルフェニルポリシロキサンよりなる群から選択される1種または2種以上がさらにより好ましい。
【0027】
本発明において成分(B)の含有量は、特に限定されないが、油性固形化粧料全量に対し、1%以上が好ましく、1.5%以上がより好ましく、2%以上がさらにより好ましい。また、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましく、6%以下がさらにより好ましい。また、1~10%が好ましく、1.5~8%がより好ましく、2~6%がさらにより好ましい。尚、成分(B)の含有量は、有機溶媒に分散したものを用いる場合は、固形分換算として計算する。この範囲であれば、密着感、伸び広がりの軽さ、油感のなさにより優れより好ましい。
【0028】
本発明において、前記成分(A)及び前記成分(B)の含有量は適宜調整されるため、前記成分(A)及び前記成分(B)の合計含有量は特に限定されないが、成分(A)及び成分(B)の合計含有量は2%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、4%以上がさらにより好ましい。また、10%以下が好ましく、9%以下がより好ましく、8%以下がさらにより好ましい。また、2~10%が好ましく、3~9%がより好ましく、4~8%がさらにより好ましい。この範囲であれば、薄膜な化粧膜、油感のなさにより優れるため、より好ましい。
【0029】
本発明において、前記成分(A)~(C)を適宜含有することで効果が得られるものではあるものの、前記成分(A)及び前記成分(B)の質量割合を特定することにより、薄膜な化粧膜、密着感、伸び広がりの軽さ、油感のなさにより優れるため、より好ましい。このような成分(A)に対する成分(B)の含有質量割合(B)/(A)は、0.1以上が好ましく、0.5以上がより好ましく、1以上がさらにより好ましい。また、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、3以下がさらにより好ましい。また、0.1~5が好ましく、0.5~4がより好ましく、1~3がさらにより好ましい。
【0030】
本発明における成分(C)ワックスは、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されず、天然ロウ及び合成ロウのいずれも使用することができ、例えば、炭化水素ワックス、エステルロウ、シリコーンワックス等が挙げられる。具体的には、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライトワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、エチレン・プロピレンコポリマーなどの炭化水素ワックス、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、ビーズワックス、ライスワックス、モクロウ、ゲイロウ、ジロウ、モンタンワックス等のエステルロウ、シリコーンワックス等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0031】
これらの中でも、膜薄な化粧膜、密着感、伸び広がりの軽さ、油感のなさの観点から、炭化水素ワックスよりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、パラフィンワックス、セレシンワックス、オゾケライトワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、及びエチレン・プロピレンコポリマーよりなる群から選択される1種または2種以上がより好ましく、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、ポリエチレンワックス、及びエチレン・プロピレンコポリマーよりなる群から選択される1種または2種以上がさらにより好ましい。
【0032】
本発明におけるワックスの融点は特に限定されないが、伸び広がりの軽さ、薄膜な化粧膜の観点において、70℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましい。尚、融点は、以下の方法により測定することができる。試料を約2mg秤量し、アルミニウム試料パン中に入れる。このパンにアルミニウムカバーを取り付け、示差走査熱量計「DSC7020」(日立ハイテクサイエンス社製、製品名)中に設置する。電気冷却ユニット「Polyscience」(日立ハイテクサイエンス社製、製品名)を用いて、窒素ガス流量30~50mL/minのもと試料及び基準試料を-10℃で1分間保持した後、昇温速度10℃/minで-10℃から100℃まで昇温させ、降温条件-10℃/minで100℃から-10℃まで降温させ、再び昇温速度10℃/minで-10℃から100℃まで昇温することにより、融解吸熱カーブを得る。このときの2回目の昇温における融解吸熱カーブのピーク温度を融点として採用する。なお、ピーク温度が複数ある場合、融解温度が最も高いピーク温度を融点とする。
【0033】
本発明において成分(C)の含有量は、特に限定されないが、油性固形化粧料全量に対し、1%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上がさらにより好ましい。また、20%以下が好ましく、18%以下がより好ましく、15%以下がさらにより好ましい。また、1~20%が好ましく、3~18%がより好ましく、5~15%がさらにより好ましい。この範囲であれば、薄膜な化粧膜、密着感、伸び広がりの軽さにより優れより好ましい。
【0034】
本発明はさらに、成分(D)球状粉体を含有することができる。ここで球状とは、真球状だけでなく、略球状、楕円球状、偽球状などを包含し、長径/短径の比が好ましくは1.5/1~1/1、より好ましくは、1.2/1~1/1の範囲のものである。また、表面が平滑なものでも、表面に孔が開いているものや、表面に微小の凹凸があるものを用いても良いが、薄膜な化粧膜、伸び広がりの軽さ、化粧膜の均一性の観点から、表面が平滑なものが好ましい。平均粒子径は特に限定されないが、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましく、3μm以上がさらにより好ましい。また、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましく、10μm以下がさらにより好ましい。また、0.1~30μmが好ましく、1~20μmがより好ましく、3~10μmがさらにより好ましい。この範囲であると、薄膜な化粧膜、化粧膜の均一性により優れるため、より好ましい。
【0035】
本発明における成分(D)球状粉体は、通常化粧料に使用するものであればいずれのものも使用できる。例えば酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、硫酸バリウム等の白色無機顔料、酸化鉄、カーボンブラック、チタン・酸化チタン焼結物、酸化クロム、水酸化クロム、紺青、群青等の有色無機顔料、タルク、マイカ、セリサイト、合成金雲母、カオリン、炭化珪素、ベントナイト、スメクタイト、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、珪ソウ土、ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、窒化ホウ素等の白色体質粉体等、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂、セルロース系樹脂、スチレン-アクリル共重合樹脂等のコポリマー樹脂、ポリプロピレン系樹脂の有機高分子樹脂粉体、金属石鹸粉体、N-アシルリジン等の有機低分子性粉体、アクリルデンプン、コメデンプン等のデンプン粉末、ナイロン末、ガラス末、シルク粉末、セルロース粉末、デキストリン粉末等の天然有機粉体、シリコーン末、ポリメチルメタクリレート末、ポリスチレン末、ウレタン末等が挙げられる。ここで、本発明の成分(D)に用いられるシリコーン末は、成分(A)及び(B)のエラストマーは除くものである。
【0036】
本発明の成分(D)球状粉体は、有機化合物で構成される球状粉体の有機球状粉体(D1)、及び無機化合物で構成される球状粉体の無機球状粉体(D2)よりなる群から選択される1種または2種以上を用いることができる。
【0037】
成分(D1)有機球状粉体としては、例えば、ナイロン末、N-アシルリジン、セルロース末、ポリメチルシルセスキオキサン等のシリコーン末、ポリメチルメタクリレート末、ポリスチレン末、ウレタン末等の有機粉体類等が挙げられる。これらの中でも、ナイロン末、セルロース末、シリコーン末、ポリメチルメタクリレート末及びウレタン末よりなる群から選択される1種または2種以上が好ましく、ナイロン末、及びシリコーン末よりなる群から選択される1種または2種以上がより好ましい。
【0038】
また、成分(D2)無機球状粉体としては、無水ケイ酸、ケイ酸マグネシウム等の無機粉体類等が挙げられる。これらの中でも、無水ケイ酸が好ましい。
【0039】
本発明において成分(D)の含有量は、特に限定されないが、化粧料全量に対し、5%以上が好ましく、7%以上がより好ましく、12%以上がさらにより好ましい。また、40%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、20%以下がさらにより好ましい。また、5~40%が好ましく、7~30%がより好ましく、12~20%がさらにより好ましい。また、成分(D)の含有量は、本発明の油性固形化粧料に含まれる粉体全量に対し、50%以上が好ましく、60%以上がより好ましく、70%以上がさらにより好ましい。また、99%以下が好ましく、95%以下がより好ましく、90%以下がさらにより好ましい。また、50~99%が好ましく、60~95%がより好ましく、70~90%がさらにより好ましい。この範囲であれば、薄膜な化粧膜、伸び広がりの軽さ、化粧膜の均一性により優れより好ましい。
【0040】
本発明において成分(D)球状粉体に対する成分(D1)の含有質量割合(D1)/(D)は、特に限定されないが、0~0.9が好ましく、0.3~0.8がより好ましく、0.4~0.6がさらにより好ましい。また、成分(D)球状粉体に対する成分(D2)の含有質量割合(D2)/(D)は、特に限定されないが、0.1~1が好ましく、0.3~0.8がより好ましく、0.4~0.6がさらにより好ましい。この範囲であれば、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さにより優れるためより好ましい。
【0041】
本発明においては、(D1)有機球状粉体及び(D2)無機球状粉体を含有することが好ましい。成分(D1)有機球状粉体及び(D2)無機球状粉体は適宜含有することができるが、その割合を特定することで仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さにより優れるためより好ましい。このような成分(D2)に対する成分(D1)の含有質量割合(D1)/(D2)は、特に限定されないが、0.5~2が好ましい。
【0042】
本発明はさらに、板状粉体を含有することができる。ここで板状とは、アスペクト比が3以上のものをいい、面が平滑なものでも、微細な穴や凹凸があるものでも良いが、面が平滑なものが好ましい。ここでアスペクト比は、電子顕微鏡写真により測定した20個の粒子の粒子厚で、平均粒子径を除した平均値により算出する。本発明における板状粉体に使用できる粉体は、前記例示した粉体から、形状が板状のものを使用することができる。例えば、マイカ、合成マイカ、タルク、窒化ホウ素、雲母チタン、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレン積層末のラメ剤等が挙げられ、これらから1種または2種以上を用いることができる。また、本発明における板状粉体は、リン脂質、アミノ酸、アミノ酸誘導体、セラミド、デキストリン誘導体、シリコーン化合物、脂肪酸金属塩、フッ素化合物、界面活性剤等の通常公知の処理剤により表面処理を施して用いても良い。本発明において、表面処理した板状粉体を用いることで、伸び広がりの軽さ、油感のなさにより優れるため、より好ましい。板状粉体は、表面処理した板状粉体が好ましく、疎水化処理した板状粉体がより好ましく、シリコーン処理した板状粉体がさらにより好ましく、ジメチコン処理した板状粉体が特に好ましい。板状粉体に対する表面処理剤の処理量は特に限定されないが、密着感の観点から0.1~5%が好ましく、0.5~4%がより好ましく、1~3%がさらにより好ましい。
【0043】
本発明において、板状粉体を適宜含有することができ、更にその含有量も限定されないが、本発明の油性固形化粧料に含有する粉体において、板状粉体の粉体中の含有量を特定することで、伸び広がりの軽さ、化粧膜の均一性、薄膜な化粧膜により優れるため、より好ましい。このような板状粉体の含有量は、粉体中1%以上が好ましく、3%以上がより好ましく、5%以上がさらにより好ましい。また、50%以下が好ましく、30%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。また、1~50%が好ましく、3~30%がより好ましく、5~10%がさらに好ましい。
【0044】
本発明の油性固形化粧料は、上記の成分(A)~(D)の他に、通常化粧料に使用される成分、例えば、粉体、油性成分、ゲル化剤、界面活性剤、繊維、アルコール類(一価アルコール、多価アルコール等)、水溶性高分子、保湿剤等の水性成分、糖類、酸化防止剤、消泡剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を妨げない範囲で含有することができる。本発明の化粧料の好ましい態様としては、以下に示すものを挙げることができる。
【0045】
本発明において、成分(D)及び板状粉体以外の粉体(以下、その他の粉体と呼ぶ)を含有することができる。本発明におけるその他の粉体は、通常化粧料に使用される粉体であれば、紡錘状、針状、繊維状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級などの粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、いずれのものも使用できる。例えば、マイカ、合成マイカ、タルク、窒化ホウ素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、カオリン、炭化珪素、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、無水ケイ酸、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、酸化鉄、紺青、群青、ベンガラ、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム等の無機粉体類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛等の金属石鹸、オキシ塩化ビスマス、有機顔料処理雲母チタン、二酸化チタン被覆雲母、酸化鉄被覆雲母、二酸化チタン被覆合成金雲母、酸化チタン被覆合成金雲母、二酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化鉄雲母チタン、紺青処理雲母チタン、カルミン処理雲母チタン、魚鱗箔、二酸化チタン被覆ガラス末、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の樹脂積層末等の光輝性粉体、ナイロン末、N-アシルリジン、セルロース末、シリコーン末、ポリメチルメタクリレート末、ポリスチレン末、ウレタン末等の有機粉体、赤色201号、赤色202号、赤色205号、赤色226号、赤色228号、橙色203号、橙色204号、青色404号、黄色401号等の有機顔料粉体、赤色3号、赤色104号、赤色106号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等のジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料粉体、アルミニウム粉、金粉、銀粉等の金属粉体が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
【0046】
また、本発明において、全ての粉体の含有量、即ち、成分(D)、板状粉体、及びその他の粉体の合計含有量は、特に限定されないが、5%以上が好ましく、10%以上がより好ましく、15%以上がさらにより好ましい。また、50%以下が好ましく、40%以下がより好ましく、30%以下がさらにより好ましい。また、5~50%が好ましく、10~40%が好ましく、15~30%がさらにより好ましい。この範囲であれば、薄膜な化粧膜、伸び広がりの軽さ、化粧膜の均一性により優れるため、より好ましい。
【0047】
本発明において、煙霧状シリカを含有することができる。煙霧状シリカとは、微細な非晶質のシリカであり、例えば四塩化ケイ素を水素と酸素炎中で加水分解して得られるものが挙げられ、通常化粧料に用いられるものであれば、いずれのものも使用することができる。煙霧状シリカを含有すると、ワックスの結晶阻害効果を有し、油性固形化粧料を使用する際に、結晶構造を崩しやすくなると考えられるため、薄膜な化粧膜、密着感により優れるため、より好ましい。また、煙霧状シリカがより密着感を向上させることに寄与すると考えられるため、密着感により優れより好ましい。煙霧状シリカの平均粒子径は、特に限定はされないが、は50nm以下が好ましく、20nm以下が特に好ましい。さら煙霧状シリカは疎水化処理して用いても良く、その疎水化処理の方法としては、特に限定はされないが、トリメチルシリルクロライドやヘキサメチルジシラザンによるトリメチルシロキシ処理、オクチルシラン化処理、メチルハイドロジェンポリシロキサンを用いたコーティング焼き付け処理、金属石鹸によるコーティング等が挙げられる。本発明においては、密着感の観点から疎水化処理された煙霧状無水ケイ酸が好ましく、ジメチルシリル化処理された煙霧状シリカがより好ましい。
【0048】
市販品としては、AEROSIL 90、AEROSIL 130、AEROSIL 200、AEROSIL 200F、AEROSIL 300、AEROSIL 380、AEROSIL R972、AEROSIL R974、AEROSIL R976S、AEROSIL RX200、AEROSIL R202、AEROSIL R805、AEROSIL R812、AEROSIL RA200H(いずれも日本アエロジル社製)、タラノックス500(タルコ社製)、キャボジルTS―530(キャボット社製)等が挙げられる。
【0049】
本発明において、煙霧状シリカの含有量は特に限定されないが、0.01%以上が好ましく、0.1%以上がより好ましく、0.5%以上がさらにより好ましい。また、2%以下が好ましく、1.8%以下がより好ましく、1.5%以下がさらにより好ましい。また、0.01~2%が好ましく、0.1~1.8%がより好ましく、0.5~1.5%がさらにより好ましい。この範囲であれば、薄膜な化粧膜、密着感により優れるため、より好ましい。
【0050】
本発明の油性固形化粧料は常法に従って製造することができる。例えば、まず、成分(A)~(C)をワックスの融点以上の温度(例えば、100℃)に加熱し、均一に混合する。次に必要に応じて成分(D)を含む粉体を添加混合するが、必要があれば粉体と、前記(A)~(C)の一部または全部とを、ロールミル等で粉体を粉砕処理しても良い。得られた混合物を90℃に加熱して、スティック状容器に流し込み、25℃に冷却して得ることができるが、この製造方法に限定されるものではない。
【0051】
本発明における油性固形化粧料の硬度は、特に限定されないが、例えば、レオメーター(レオテック社製、FUDOU RHEO METER)を用いて測定することができる。測定は、針入弾性アダプター3mmφ、針入速度6cm/min、針入度2mmの条件下で、測定した値(単位:N(ニュートン))が30℃のときに50以上であるものが好ましく、100以上であるものがより好ましい。また、500以下であるものが好ましく、400以下であるものがより好ましい。また、50~500が好ましく、100~400がより好ましい。
【0052】
本発明の油性固形化粧料は、1気圧、25℃で流動性を有しない油性化粧料である。油性とは、油を連続相とするものを指す。本発明の油性固形化粧料は、実質的に水を含有しないことが好ましい。ここで、実質的に含有しないとは、全く含有しないか、含有したとしても、本発明に影響を与えない程度に微量であることを意味するものであり、含有量としては、例えば、5%未満が好ましく、1%未満がより好ましく、0.1%未満がさらに好ましい。
【0053】
本発明の油性固形化粧料は、特に限定されず、例えば、ファンデーション、下地、白粉、コンシーラー等の全顔用メイクアップ化粧料、アイシャドウ、アイブロウ等の目元用メイクアップ化粧料、口紅、リップクリーム等の口唇化粧料、頬紅等の部分使用メイクアップ化粧料、ボディパウダー、制汗パウダー等のスキンケア化粧料等が挙げられる。これらの中でも部分使用メイクアップ化粧料、及び口唇化粧料よりなる群から選ばれる1種または2種以上が好ましく、口唇化粧料よりなる群から選ばれる1種または2種以上がより好ましく、口紅またはリップクリームがさらにより好ましい。
【実施例0054】
以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。
【0055】
実施例1~32及び比較例1~4:口紅
下記表1~4に示す処方の口紅を調製し、イ.薄膜な化粧膜、ロ.密着感、ハ.仕上がりのマット感、ニ.伸び広がりの軽さ、ホ.油感のなさ、ヘ.化粧膜の均一性について下記評価方法により評価した。その結果も併せて表1及び2に示す。
【0056】
(評価方法)
下記イ~ヘの項目について、各試料について化粧品評価専門パネル12名による使用テストを行った。下記評価項目に対し、パネル各人が良好か否かを回答し、良好の回答数に応じて、下記判定基準に基づき判定を行った。
【0057】
<評価項目>
(イ)各試料を唇に塗布した直後の化粧膜に、隠蔽感を感じさせない自然で薄膜な化粧膜を感じるかどうか。
(ロ)各試料を唇に塗布した化粧膜に、唇にぴったりと追従するような密着感を感じるかどうか
(ハ)各試料の塗布直後の化粧膜を観察し、マットな質感を感じるかどうか
(ニ)各試料を唇に塗布する際に、唇を引っ張らず、するすると軽く伸び広がるかどうか
(ホ)各試料の塗布時および塗布直後の化粧膜が、ぬるつきやべたつきといった油感を感じるかどうか(油感を感じない場合に良好と回答)。
(ヘ)各試料を唇に塗布した化粧膜が、色や粉体によるムラのない、均一な化粧膜であるかどうか。
【0058】
<判定基準>
(判定):(評価)
A :12人中、10人以上が良好と回答
B :12人中、7人以上9人以下が良好と回答
C :12人中、4人以上6人以下が良好と回答
D :12人中、3人以下が良好と回答
【0059】
(硬度測定)
下記製造方法で製造した口紅を直径6cm、深さ3cmの丸型皿に充填し、30℃恒温槽に1日保管後、レオメーター(レオテック社製、FUDOU RHEO METER)を用いて、30℃にて進入弾性アダプター3mmφ、針入速度6cm/min、針入度2mmの条件下で、測定した。
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
※1:CIREWAX 80(CIREBELLE社製)
※2:EPSワックス(日本ナチュラルプロダクツ株式会社製)
※3:精製キャンデラワックスSR-3(日本ナチュラルプロダクツ株式会社製)
※4:LIPWAX A-4(日本ナチュラルプロダクツ株式会社製)
※5:MULTIWAX W445(SONNEBORN,LLC製)
※6:KF-96A-6CS(信越化学工業株式会社製)
※7:KF-5002(信越化学工業株式会社製)
※8:KSG-51(架橋物20%、信越化学工業株式会社製)
※9:KSG-016F(架橋物25%、信越化学工業株式会社製)
※10:KSG-43(架橋物30%、信越化学工業株式会社製)
※11:KSG-18(架橋物15%、信越化学工業株式会社製)
※12:KSG-310(架橋物30%信越化学工業株式会社製)
※13:KSP-100(信越化学工業株式会社製)
※14:KSP-102(信越化学工業株式会社製)
※15:赤色202号:黄色4号:酸化チタン:黒色酸化鉄=0.01:0.005:0.003:0.002の比率で混合したもの
※16:AEROSIL R976S(日本アエロジル株式会社製)
※17:マイカY-2300WA3(株式会社ヤマグチマイカ製)
※18:MICA POWDER Y-2300(株式会社ヤマグチマイカ製)
※19:SA-PDM-10L(三好化成株式会社製)
※20:CHIFFONSIL P-3R(日揮触媒化成株式会社製)
※21:TOSPEARL 3000A(モメンテイブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
※22:TOSPEARL 150KA(モメンテイブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
※23:オルガソール 2002D(アルケマ株式会社製)
※24:サンスフェアNP-100(AGCエスアイテック製)
※25:サンスフェアNP-200(AGCエスアイテック製)
※26:サンスフェアNP-30(AGCエスアイテック製)
【0065】
(製造方法)
A:成分(1)~(17)を100℃で均一に混合する。
B:Aに成分(18)~(31)を添加し、均一に混合する。
C:Bを100℃で加熱混合した後、口紅スティック容器に充填し、室温に冷却して口紅を得た。
【0066】
表1~4の結果から明らかなように、本発明の実施例は、比較例に比べ、薄膜な化粧膜、密着感、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さ、油感のなさ、化粧膜の均一性の全てに優れたものであった。一方、成分(B)を含有しない比較例1は、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さ、化粧膜の均一性に満足する品質を得られず、成分(A)を含有しない比較例2および3は、密着感、仕上がりのマット感、油感のなさに満足のいく品質が得られず、成分(B)を含有しない比較例1の伸び広がりの軽さを改良するためにペースト油を含有した比較例4は、伸び広がりの軽さは改良されるものの、油感のなさが低下等、満足のいく品質を得ることはできなかった。
【0067】
実施例33:油性アイカラー(パレットタイプ)
(成分) (%)
1.(エチレン/プロピレン)コポリマー※2 2.0
2.キャンデリラワックス※3 1.0
3.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 20.0
4.ジカプリン酸PG 10.0
5.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 残量
6.ジメチルポリシロキサン※27 3.5
7.ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸
/ロジン酸)ジペンタエリスリチル 2.0
8.メチルパラベン 0.2
9.(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※8 13.0
10.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロスポリマー※14 5.0
11.ポリメチルシルセスキオキサン※21 13.0
12.ナイロン-12※28 8.0
13.無水ケイ酸※24 3.0
14.セリサイト※29 8.0
15.二酸化チタン ※30 2.0
16.黄色酸化鉄 0.1
17.雲母チタン ※31 4.0
19.雲母チタン ※32 5.0
20.ラウリン酸亜鉛 1.0
※27:KF-96(20CS)(信越化学工業株式会社製)
※28:オルガソール2002 EXD(アルケマ株式会社製)
※29:SS-ZL6(東色ピグメント株式会社製)
※30:OTS-3 チタン JR-800(大東化成工業株式会社製)
※31:SAS-フラメンコスパークルゴールド(三好化成株式会社製)
※32:SA-フラメンコウルトラスパークル4500(三好化成株式会社製)
【0068】
(製造方法)
A:成分(1)~(8)を100~110℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(9)~(20)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、金皿に流し込み充填し、25℃に冷却して成形し、油性アイカラーを得た。
【0069】
実施例33の油性アイカラーは、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さ、密着感、化粧膜の均一性、油感のなさ、薄膜な化粧膜に優れたものであった。また、上記の硬度測定条件と同条件で測定した結果、硬度値は215であった。
【0070】
実施例34:油性頬紅(パレットタイプ)
(成分) (%)
1.パラフィン・マイクロクリスタリンワックス混合物※33 2.0
2.ポリプロピレン・トリエチルヘキサノイン混合物※34 20.0
3.ジメチルポリシロキサン※6 7.0
4.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 残量
5.フェニルトリメチコン 3.5
6.(アクリレーツ/アクリル酸エチルヘキシル
/メタクリル酸ジメチコン)コポリマー※35 0.2
7.イソステアリン酸デキストリン※36 0.1
8.スクワラン 0.1
9.ジプロピレングリコール 0.1
10.エタノール 0.1
11.精製水 0.1
12.(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※8 10.0
13.(ジメチコン/ビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※37 16.0
14.ポリメタクリル酸メチル※38 9.0
15.無水ケイ酸※25 4.0
16.煙霧状無水ケイ酸※39 1.3
17.ベンガラ被覆雲母チタン※40 2.0
18.マイカ※18 4.0
19.雲母チタン※41 3.0
20.酸化チタン ※42 1.0
21.黒色酸化鉄 0.3
22.赤色酸化鉄 1.1
23.赤226号 0.1
※33:合成セレシン JNP-81(日本ナチュラルプロダクツ株式会社製)
※34:TOWAX-8B2(東亜化成株式会社製)
※35:KP-578P((信越化学工業株式会社製)
※36:ユニフィルマHVY(千葉製粉株式会社製)
※37:KSG-16(架橋物25%、信越化学工業株式会社製)
※38:ガンツパールGM2800(アイカ工業株式会社製)
※39:AEROSIL 300(日本アエロジル株式会社製)
※40:BLONDEE SUPER RUSSET N-2660S(CQV社製)
※41:COSMETICA FINE WHITE N-8000D(CQV社製)
※42:MP-1133(テイカ株式会社製)
【0071】
(製造方法)
A:成分(1)~(9)を100~110℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(10)~(23)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、金皿に流し込み充填し、25℃に冷却して成形し、油性頬紅を得た。
【0072】
実施例34の油性頬紅は、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さ、密着感、化粧膜の均一性、油感のなさ、薄膜な化粧膜に優れたものであった。また、上記の硬度測定条件と同条件で測定した結果、硬度値は107であった。
【0073】
実施例35:油性コンシーラー(パレットタイプ)
(成分) (%)
1.ポリエチレン※43 3.5
2.トリイソステアリン酸ポリグリセリル-2 10.0
3.ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール 残量
4.ワセリン 8.0
5.ジカプリン酸PG 4.5
6.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 1.1
7.デカエチルヘキサン酸ポリグリセリル-10 2.0
8.トリメリト酸トリトリデシル 2.0
9.ミネラルオイル 3.0
10.ジプロピレングリコール 0.5
11.精製水 0.1
12.トリメチルシロキシケイ酸、シクロメチコン混合物※44 1.0
13.トリフルオロアルキルジメチルトリメチルシロキシケイ酸
シクロメチコン混合物※45 1.5
14.(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※8 20.0
15.(ジメチコン/ビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※37 14.0
16.メタクリル酸メチルクロスポリマー※46 10.0
17.無水ケイ酸 ※24 3.0
18.セリサイト ※47 1.2
19.二酸化チタン ※48 7.0
20.赤色酸化鉄(トリエトキシカプリリルシラン処理2%) 0.6
21.黄色酸化鉄(トリエトキシカプリリルシラン処理2%) 2.4
22.黒色酸化鉄(トリエトキシカプリリルシラン処理2%) 0.1
※43:PERFORMALENE500(株式会社ニューフェーズテクノロジー製)
※44:KF-7312J(信越化学工業株式会社製)
※45:XS66-B8226(モメンテイブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)
※46:MX-3000C(綜研化学株式会社製)
※47:SA-S-JS-1(三好化成株式会社製)
※48:TIPAQUE CR-50(石原産業株式会社製)
【0074】
(製造方法)
A:成分(1)~(10)を100~110℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(11)~(22)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、金皿に流し込み充填し、25℃に冷却して成形し、油性コンシーラーを得た。
【0075】
実施例35の油性コンシーラーは、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さ、密着感、化粧膜の均一性、油感のなさ、薄膜な化粧膜に優れたものであった。また、上記の硬度測定条件と同条件で測定した結果、硬度値は134であった。
【0076】
実施例36:油性コンシーラー(パレットタイプ)
(成分) (%)
1.パラフィン・マイクロクリスタリンワックス混合物※33 7.0
2.トリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル 残量
3.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 15.0
4.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル※49 6.0
5.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル※50 2.0
6.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシ
フェニルトリアジン※51 1.0
7.(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※8 24.0
8.(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)
クロシポリマー※13 3.0
9.(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキキサン)
クロスポリマー※52 2.0
10.メタクリル酸メチルクロスポリマー※46 5.0
11.(スチレン/DVB)コポリマー※53 2.0
12.無水ケイ酸※24 10.0
13.セリサイト※47 7.0
14.酸化チタン※54 7.0
15.赤色酸化鉄 0.2
16.黄色酸化鉄 0.2
※49:UVINUL MC80(BASF社製)
※50:ユビナールA PLUS GRANULAR(BASF社製)
※51:TINOSORB S(BASF社製)
※52:KSP-300(信越化学工業株式会社製)
※53:ガンツパールGC-0605(アイカ工業株式会社製)
※54:MT-01(ティカ株式会社製)
【0077】
(製造方法)
A:成分(1)~(6)を100~110℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(7)~(16)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、金皿に流し込み充填し、25℃に冷却して成形し、油性コンシーラーを得た。
【0078】
実施例36の油性コンシーラーは、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さ、密着感、化粧膜の均一性、油感のなさ、薄膜な化粧膜に優れたものであった。また、上記の硬度測定条件と同条件で測定した結果、硬度値は315であった。
【0079】
実施例37:油性頬紅(スティックタイプ)
(成分) (%)
1.(エチレン/プロピレン)コポリマー※2 4.0
2.パラフィン・マイクロクリスタリンワックス混合物※33 6.0
3.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 残量
4.ジメチルポリシロキサン※27 10.0
5.リンゴ酸ジイソステアリル 10.0
6.エチルヘキサン酸セチル 6.0
7.水添ポリイソブテン※55 3.0
8.(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※8 10.0
9.(ジメチコン/ビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※37 10.0
10.ナイロン-12※23 5.5
11.ポリメチルシルセスキオキサン※21 8.5
12.無水ケイ酸※25 2.0
13.ジメチルシリル化シリカ※56 2.0
14.マイカ※57 6.0
15.ベンガラ被覆雲母チタン※58 2.0
16.雲母チタン※59 9.0
17.グンジョウ 0.3
18.酸化チタン※42 3.0
19.赤色202号 0.3
20.黄色4号 0.4
21.黒色酸化鉄 0.1
※55:パールリーム18(日油株式会社製)
※56:AEROSIL R972(日本アエロジル株式会社製)
※57:雲母粉Y-2300WA1(株式会社ヤマグチマイカ製)
※55:SILICA MICROBEAD BA-1(日揮触媒化成株式会社製)
※58:GEMTONE TAN OPAL G005(BASF社製)
※59:FLAMENCO SPARKLE GOLD 220J(BASF社製)
【0080】
(製造方法)
A:成分(1)~(7)を100~110℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(8)~(21)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、スティック容器に流し込み充填し、25℃に冷却して成形し、油性頬紅を得た。
【0081】
実施例37の油性頬紅は、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さ、密着感、化粧膜の均一性、油感のなさ、薄膜な化粧膜に優れたものであった。また、上記の硬度測定条件と同条件で測定した結果、硬度値は274であった。
【0082】
実施例38:油性コンシーラー(スティックタイプ)
(成分) (%)
1.(エチレン/プロピレン)コポリマー※2 1.0
2.パラフィン・マイクロクリスタリンワックス混合物※33 4.0
3.テトラエチルヘキサン酸ジペンタエリスリチル 3.0
4.イソノナン酸イソトリデシル 4.6
5.ジプロピレングリコール 0.3
6.ジメチルポリシロキサン※6 残量
7.ジメチルポリシロキサン※27 6.0
8.(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー混合物※9 23.0
9.(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※8 12.0
10.ポリメチルシルセスキオキサン※21 7.0
11.ポリメチルシルセスキオキサン※22 4.0
12.無水ケイ酸※24 11.0
13.ジメチルシリル化シリカ※56 1.0
14.酸化チタン※60 10.0
15.赤色酸化鉄(トリエトキシカプリリルシラン処理2%) 0.3
16.黄色酸化鉄(トリエトキシカプリリルシラン処理2%) 0.7
17.黒色酸化鉄(トリエトキシカプリリルシラン処理2%) 0.1
18.雲母チタン※61 4.4
19.香料 0.2
※60:NAI-チタンMP-1133(三好化成株式会社製)
※61:SA-フラメンコオレンジ(三好化成株式会社製)
【0083】
(製造方法)
A:成分(1)~(7)を100~110℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(8)~(19)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、スティック容器に流し込み充填し、25℃に冷却して成形し、油性コンシーラーを得た。
【0084】
実施例38の油性コンシーラーは、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さ、密着感、化粧膜の均一性、油感のなさ、薄膜な化粧膜に優れたものであった。また、上記の硬度測定条件と同条件で測定した結果、硬度値は289であった。
【0085】
実施例39:油性日焼け止めスティック
(成分) (%)
1.ポリエチレン※43 6.0
2.パラフィン・マイクロクリスタリンワックス混合物※33 4.0
3.マイクロクリスタリンワックス※5 2.0
4.トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル 残量
5.エチルヘキサン酸セチル 5.0
6.メトキシケイヒ酸エチルヘキシル※49 7.4
7.ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル※50 2.3
8.ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシ
フェニルトリアジン※51 2.0
9.イソステアリン酸デキストリン※36 1.0
10.トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 4.0
11.ミネラルオイル 8.0
12.デカメチルシクロペンタシロキサン 20.0
13.(トリフルオロプロピルジメチコン/トリフルオロプロピルジビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※8 3.0
14.(ジメチコン/ポリグリセリンー3)
クロスポリマー混合物※62 3.0
15.(ジメチコン/ビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物※37 2.0
16.無水ケイ酸※63 4.0
17.ポリメチルシルセスキオキサン※22 8.0
18.ジメチルシリル化シリカ※56 1.0
19.酸化亜鉛※64 10.0
※62:KSG-710(架橋物25%、信越化学工業株式会社製)
※63:サイリシア550(富士シリシア化学株式会社製)
※64:MZY-500SHE(ティカ株式会社製)
【0086】
(製造方法)
A:成分(1)~(11)を100~110℃にて均一に混合する。
B:Aに成分(12)~(19)を加え、均一に混合分散する。
C:Bを脱泡後、スティック容器に流し込み充填し、25℃に冷却して成形し、油性日焼け止めスティックを得た。
【0087】
実施例39の油性日焼け止めスティックは、仕上がりのマット感、伸び広がりの軽さ、密着感、化粧膜の均一性、油感のなさ、薄膜な化粧膜に優れたものであった。また、上記の硬度測定条件と同条件で測定した結果、硬度値は258であった。