(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159089
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】電気プラグ用のコンタクト要素
(51)【国際特許分類】
H01R 13/11 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
H01R13/11 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022051086
(22)【出願日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】10 2021 108 272.2
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス エットレ
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン ラープ
(57)【要約】 (修正有)
【課題】電気プラグ用のコンタクト要素に関し、小型化にも関わらず、確実な電気的接触かつ機械的接触を保証できるようにする。
【解決手段】ばね要素9は、ベース7に向かうようにおよび/またはベース7から離れるように偏向することができ、2つの側面19、21によって横方向に画定されている、コンタクト要素を設計することによって、電気コネクタ用のコンタクト要素を改良する。ここで、ばね要素9は、一端部13にばね基部15を有し、ばね基部15において、ばね要素9はベース7に接続され、ばね要素9は、ばね基部15から離れるように長手方向17に延び、2つの側面のうちの第1の側面19は、2つの側面のうちの第2の側面21よりもベース7の近くに配置され、長さL1を有し、第2の側面21は、第1の側面19から離れる方を向き、長さL2を有し、L1およびL2は条件L2/L1≧0.5を満たす。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気プラグ用のコンタクト要素(1)であって、
ベース(7)と、
ばね要素(9)とを備え、
前記ばね要素(9)は、前記ベース(7)に向かうようにおよび/または前記ベース(7)から離れるように偏向可能であり、2つの側面(19,21)によって横方向に画定され、
前記ばね要素(9)は、一端部(13)にばね基部(15)を有し、前記ばね基部(15)において、前記ばね要素(9)は前記ベース(7)に接続され、前記ばね要素(9)は、前記ばね基部(15)から離れるように長手方向(17)に延び、前記2つの側面のうちの第1の側面(19)は、前記2つの側面のうちの第2の側面(21)よりも前記ベース(7)の近くに配置され、長さL1を有し、前記第2の側面(21)は、前記第1の側面(19)から離れる方を向き、長さL2を有し、L1およびL2は条件L2/L1≧0.5を満たす、
コンタクト要素(1)。
【請求項2】
前記ばね要素(9)は、前記ベース(7)に向かうようにおよび/または前記ベース(7)から離れるように垂直に偏向可能である、
請求項1に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項3】
L1はL2よりも小さい、
請求項1または2に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項4】
前記ばね要素(9)はL字形断面(33)を有する、
請求項1から3のいずれか一項に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項5】
前記ばね要素(9)は、前記ばね基部(15)に対して遠位で互いに接続された2本の対向するばね脚部(35a、35b)に分割されている、
請求項1から4のいずれか一項に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項6】
一方のばね脚部(35)は他方のばね脚部(35)に沿って延びている、
請求項5に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項7】
前記第1の側面(19)および前記第2の側面(21)は、同じばね脚部(35)に配置されている、
請求項5または6に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項8】
前記第1の側面(19)は、前記2本のばね脚部(35)のうちの第1のばね脚部(35a)に形成され、前記第2の側面(21)は、前記2本のばね脚部(35)のうちの第2のばね脚部(35b)に形成されている、
請求項5から7のいずれか一項に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項9】
前記第1の側面(19)は前記第2のばね脚部(35b)から離れる方を向き、前記第2の側面(21)は前記第1のばね脚部(35a)から離れる方を向いている、
請求項8に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項10】
前記ばね要素(9)および前記ベース(7)は、シートメタル(3)から形成されている、
請求項1から9のいずれか一項に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項11】
前記コンタクト要素(1)は0.2mm未満のシート厚を有する、
請求項8に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項12】
前記コンタクト要素(1)は、前記ベース(7)によって一側で画定されている、相補コンタクトを挿入するための受入チャンバ(37)を有する、
請求項1から9のいずれか一項に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項13】
前記受入チャンバ(37)は、前記ベース(7)とは反対側で前記ばね要素(9)によって画定されている、
請求項12に記載のコンタクト要素(1)。
【請求項14】
前記受入チャンバ(37)は、前記相補コンタクトを前記受入チャンバ(37)に挿入するための挿入方向(39)を有し、
前記ばね基部(15)は、前記挿入方向(39)において前記受入チャンバ(37)内にずれて配置され、前記ばね要素(9)は、前記ばね基部(15)から離れるように前記挿入方向(39)とは反対側に延びている、
請求項12または13に記載のコンタクト要素(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気プラグ用のコンタクト要素に関する。
【背景技術】
【0002】
電気プラグ用のコンタクト要素が、従来技術から知られている。多くの場合、このようなコンタクト要素は、コンタクト要素と相補プラグの相手側コンタクト要素との間にばね力により機械的かつ電気的な接続を確立するコンタクトばねを有する。この電気的接触を確実に確立できることを保証するために、プラグの幾何形状、特にコンタクトばねによって実現できる接触力または法線力に応じて、コンタクトばねに様々な要求がなされる。さらに、電気的接続の品質を低下させることなく、このようなコンタクト要素を小型化することが望ましい。しかしながら、サイズが小さいほど、特に、小型化されたコンタクト要素の壁厚が小さいほど、コンタクトばねのばね力が低下する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、本発明の目的は、従来技術の解決策を改良して、小型化にも関わらず、確実な電気的接触かつ機械的接触を保証できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、最初に述べたコンタクト要素に関して、コンタクト要素が、ベースと、ばね要素とを有し、ばね要素は、ベースに向かうようにおよび/またはベースから離れるように偏向することができ、2つの側面(two side flanks)によって横方向に画定され、ばね要素は、一端部にばね基部を有し、ばね基部において、ばね要素はベースに接続され、ばね要素は、ばね基部から離れるように長手方向に延び、2つの側面のうちの第1の側面は、2つの側面のうちの第2の側面よりもベースの近くに配置され、長さL1を有し、第2の側面は、第1の側面から離れる方を向き、長さL2を有し、長さL1、L2は条件L2/L1≧0.5を満たす点で、この目的を解決する。つまり、切断長さは曲げ長さの2倍以下であり、または、曲げ長さは切断長さの半分以上である。
【0005】
驚くべきことに、この長さL1、L2の比は、一定の製造サイズについてコンタクトばねのばね力を高めるという利点を有する。
【0006】
本発明によるコンタクト要素を、以下で説明する特定の実施形態によってさらに改良することができる。これらの実施形態の追加の技術的特徴を、所望通りに互いに組み合わせることができ、または、技術的特徴により実現される技術的効果が重要でない場合にはその技術的特徴を省略することができる。
【0007】
ばね要素の偏向状態において、ベースは弾性変形されていてよい。特に、ベースは、ばね要素がベースに向かって偏向するときに、ばね要素が、例えば、ばね要素から離れるように偏向する方向と同じ方向に湾曲してもよい。
【0008】
ばね要素は、2つの側面によって画定された平坦面を有することができる。ばね要素は、ベースに実質的に垂直に向けられた平面に実質的に位置していてよい。
【0009】
長さL1は、切断長さ(cut length)と呼ぶことができ、ばね要素がベースから機械的に分離される長さを示す。ばね要素は、ばね基部によって一端部でベースに接続されてよく、この端部とは長手方向反対側に、偏向可能な端部を有することができる。偏向可能な端部とばね基部との間の距離は、切断長さまたはL1に対応する。
【0010】
特に、複数の側面がある場合、L1は、ベースに最も近い、すなわちベースまで最小の距離を有する側面の長さであってよい。
【0011】
長さL2は、曲げ長さ(bending length)と呼ぶことができ、ばね要素がベースに向かうようにおよび/またはベースから離れるように偏向することができる長さを示すことができる。L2は、ばねアームの長さと考えることができる。
【0012】
最も簡単な場合、2つの側面は、特に1つの平面において互いに反対側に配置されていてよい。2つの側面は、平坦面を画定することができ、反対方向を向くことができる。
【0013】
側面は、ばね基部から直線状に離れて長手方向に延びることができるが、略長手方向にのみ延びていてもよい。この場合、側面は、長手方向に対して部分的に比例して垂直に延びていてもよく、すなわち長手方向に対して傾斜して延びていてもよい。
【0014】
側面は、長手方向において互いに向かって延びることができ、ばね要素は、ばね基部とは反対側の端部に向かってテーパ状になっている。ばね基部とは反対側の端部を、自由端と呼ぶこともできる。
【0015】
曲げ長さと切断長さとの差を、ばね基部の長さL3と呼ぶことができる。ばね基部の長さの選択、すなわち、曲げ長さと切断長さとの比の選択は、ばね要素によって加えられる復元力を決定するため、および、ばね要素の不可逆的な永久歪みまたは変形のために、非常に決定的であり得ることがわかっている。
【0016】
例えば、切断長さが曲げ長さよりも長いが、曲げ長さの2倍以下であるコンタクト要素の場合、ばね要素の永久変形は最小限に抑えられるが、復元力は非常に低くなる。一方、切断長さが曲げ長さに比べて短いほど、復元力が大きくなるだけでなく、ばね要素の不可逆的な永久変形も大きくなる。
【0017】
したがって、切断長さを変化させることによって、復元力を変化させることができる。
【0018】
ばね要素は、ベースに向かうようにおよび/またはベースから離れるように垂直に偏向可能であり得ることが好ましい。これにより、ばね要素が偏向するときに、ばね基部におけるベースの効果的な偏向が可能になり得る。これは、ばね要素がベースに向かうようにおよび/またはベースから離れるように垂直に偏向すると、ベースが隆起するからである。ばね要素の偏向がベースに対して90°ではない角度で発生すると、ベースに作用する力の一部が、ベースの平面内でベースに作用し得る。ベースの平面内において、ベースは(ベースに垂直な曲げと比べて)ねじり剛性が高いため、ベースの平面内に力が加わってもばね要素のリセットをサポートしない。
【0019】
長さL1が長さL2よりも小さいと特に有利である。つまり、したがって、切断長さは曲げ長さよりも短いか、または曲げ長さに一致する。L2/L1の比が規定されているとき、この比は、本実施形態については1より大きくてよい。この範囲では、ばね要素の永久変形が許容範囲から無視できる範囲であり得、ばね要素は十分に大きい復元力を有することができる。
【0020】
コンタクト要素のさらなる有利な実施形態において、ばね要素は、L字形断面を有することができる。L字形のばね要素は、曲げにより、曲げがない場合よりも偏向時の復元力を大きくすることができるという利点を有する。L字形断面は長手方向に見られる。したがって、このようなばね要素は、ベースに垂直な平面に向けられ得る断面と、ベースに平行に向けられ得る別の断面とを有することができる。
【0021】
コンタクト要素は、ばね要素を、ばね基部に対して遠位で互いに接続された2本の対向するばね脚部に分割することによってさらに改良され得る。このような実施形態は、ばね要素の安定性を低下させることなく、材料および重量を節約することができる。さらに、本実施形態により、例えばL字形断面が形成される場合に、より容易な曲げが可能になる。さらに、ばね脚部を、ばね基部において互いに接続してもよい。
【0022】
コンタクト要素のさらなる実施形態において、一方のばね脚部は他方のばね脚部に沿って延びていてよい。特に、一方のばね脚部は他方のばね脚部に平行に延びていてよい。
【0023】
コンタクト要素のさらなる有利な実施形態において、第1の側面および第2の側面は、同じばね脚部に配置されていてよい。これは、ベースから離れる方を向く第1のばね脚部の側面が曲げ長さを有意に決定する場合に当てはまる。これは、例えば、第2のばね脚部が第1のばね脚部に向かって曲げられる、または第1のばね脚部上に曲げ返されることにより、ばね要素が補強される場合に当てはまる。
【0024】
あるいは、本発明によるコンタクト要素のさらなる実施形態において、第1の側面は、2本のばね脚部のうちの第1のばね脚部に形成されていてよく、第2の側面は、2本のばね脚部のうちの第2のばね脚部に形成されていてよい。このような実施形態において、第2のばね脚部は、第1のばね脚部よりも長く、曲げ長さを規定することができる。
【0025】
この場合、第1の側面は第2のばね脚部から離れる方を向き、第2の側面は第1のばね脚部から離れる方を向いていると特に有利である。この場合、第1の側面は、第2のばね脚部から離れる方を向く第1のばね脚部の側に位置することができ、第2の側面は、第1のばね脚部から離れる方を向く第2のばね脚部の側に位置することができる。
【0026】
ばね要素およびベースはシートメタル(金属薄板)から形成されていると特に有利である。このような打抜き曲げ部品は、簡単な方法で、特に、略所望の回数だけ安価に製造することができる。さらに、本実施形態は、ばね要素とベースとの簡単な接続部を提供することができる。この接続部は打ち抜くだけでよい。
【0027】
コンタクト要素は0.2mm未満のシート厚を有することができる。シート厚は0.1mm~0.2mmであってよく、特に0.12mmであってよい。このようなシート厚では、例えば接触のためにばね要素によって加えられる法線力が低すぎて、確実な電気的接触を確立できない可能性があり得る。しかしながら、切断長さを変化させることによって、このばね力を変化させることができる。
【0028】
本発明によるコンタクト要素は、ベースによって一側で画定されている、相補コンタクトを挿入するための受入チャンバを有することによって、さらに改良され得ると有利である。これは、ベースが、ばね要素と共に十分に高い法線力を可能にする機能を有するだけでなく、同時にコンタクト要素の幾何学的要素となるという利点を有する。特に、ベースは、受入チャンバの画定壁であってよい。
【0029】
受入チャンバは、ベースとは反対側でばね要素によって画定されていると特に有利である。このような受入チャンバは、ばね要素とベースとによって既に十分に決定され得る。これは、矩形または正方形の相補コンタクト要素の場合に例示的に当てはまる。円形断面を有するコンタクト要素の場合、受入チャンバは、さらなる壁を提供することができる。
【0030】
コンタクト要素のさらなる実施形態において、受入チャンバは、相補コンタクトを受入チャンバに挿入するための挿入方向を有することができ、ばね基部は、挿入方向において受入チャンバ内にずれて配置されていてもよく、ばね要素は、ばね基部から離れるように挿入方向とは反対側に延びていてもよい。
【0031】
以下で、添付図面を参照しながら、本発明について、実施形態を用いて例示的により詳細に説明する。図中、構造および/または機能に関して互いに対応する要素には、同一の参照符号を付す。
【0032】
個々の実施形態において図示し説明する特徴の組合せは、説明のためのものに過ぎない。上記に従って、実施形態の特徴の技術的効果が特定の適用に重要でなければ、その特徴を省略することができる。逆に、上記に従って、別の特徴の技術的効果が特定の適用に有利または必要であれば、その特徴を実施形態に追加することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図1】本発明によるコンタクト要素の実施形態を示す図である。
【
図2】本発明によるコンタクト要素のさらなる実施形態を示す図である。
【
図3】本発明によるコンタクト要素のさらなる実施形態を示す図である。
【
図4】本発明によるコンタクト要素のさらなる実施形態を示す図である。
【
図5】本発明によるコンタクト要素のさらに別の実施形態を示す図である。
【
図6】
図1~
図5のコンタクト要素の異なる実施形態の復元力の概略図である。
【
図7】
図1~
図5のコンタクト要素の異なる実施形態についての永久変形およびばね力の概略図である。
【
図9】ばね要素のさらなる実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1~
図5は各々、本発明によるコンタクト要素1の側面図である。例えば、コンタクト要素1はシートメタル3から形成されていることが有利である。したがって、コンタクト要素1は、打抜き曲げ部品5であることが好ましい。
【0035】
コンタクト要素1の各々は、ベース7とばね要素9とを有する。ばね要素9は、偏向方向11に沿って、または偏向方向11とは反対側に、ベース7に向かうように、またはベース7から離れるように偏向することができる。偏向方向11は、
図1にのみ示されている。
【0036】
ばね要素9は、
図8に簡略化された形で示されている。ばね要素9は、ばね基部15によって一端部13でベース7に接続されていることが好ましい。ばね要素9は、このばね基部15から離れるように長手方向17に延びている。
【0037】
ばね要素は、第1の側面19および第2の側面21を有し、第1の側面は第2の側面21よりもベース7の近くに配置されていることが有利である。第1の側面19は長さL1を有し、これは切断長さ23と呼ぶこともできる。
【0038】
第2の側面21は長さL2を有し、これは曲げ長さ25と呼ぶことができる。明確にするために、曲げ長さ25は、
図3および
図8にのみ示されている。曲げ長さ25は、
図1~
図5の実施形態について同一である。
【0039】
しかしながら、切断長さ23は、図示した実施形態において異なる。これらは、以下で23a~23eと呼ばれる。
【0040】
所与の例において、曲げ長さは2.8mm、切断長さはそれぞれ以下の通りである。
23a:3.30mm
23b:2.80mm
23c:2.25mm
23c:2.00mm
23d:1.525mm
【0041】
これらのサイズは単に例示的なものであり、他の実施形態において、例えば、±200%外れることがある。
【0042】
以下で、
図6および
図7を参照して、本発明によるコンタクト要素1のこれらの単に例示的な実施形態の特性を比較する。
【0043】
図6において、ばね要素9のばね力Fが、偏向27に対してプロットされている。
【0044】
図7において、特定の偏向27におけるばね力F(この偏向27の正確な量は、この考察には無関係である)、および
図1~
図5の5つの構成の永久変形29がプロットされている。
【0045】
図1の実施形態において、切断長さ23aは、曲げ長さ25よりも長いことが好ましく、曲げ長さ25の2倍以下であることがさらに好ましい。この場合、得られるばね力Fは小さいが、永久変形29はほとんどない。
【0046】
図2の実施形態において、切断長さ23bは曲げ長さ25に正確に等しいため、その比は1である。
図6の破線曲線からわかるように、本実施形態のばね要素9は、既にヒステリシス31を示している。これが生じるのは、ばね要素9に作用する力と結果として生じる位置エネルギーとが、ばね要素9の変形に部分的に使用されるため、ばね要素9の復元効果を介して戻すことができなくなったからである。
【0047】
ヒステリシス31は、切断長さ23が短くなるにつれてますます顕著になる。
【0048】
図3~
図5の実施形態については、切断長さ23c、23d、および23eは各々、曲げ長さ25よりも短いことが好ましい。
【0049】
対応するばね要素9がこのように偏向方向11または偏向方向11とは反対側に偏向する場合、ベース7が変形することができると有利であり、ベース7の一時的な変形の際に位置エネルギーを蓄えることができると好ましい。ばね要素9をばね行程に沿った初期位置、例えば挿入されたコンタクト要素に戻す動きの形で、このエネルギーを、ばね要素9を介して戻すことができると好ましい。
【0050】
図5の実施形態は、非常に短い切断長さ23eとそれに対応する大きいばね基部15とを有する。したがって、他の実施形態と比較して、本実施形態により、高いばね力Fを実現できることが有利である。しかしながら、
図6のヒステリシス31から明らかにわかるように、これは永久変形29が大きくなるのと引き換えに実現される。
【0051】
図9は、コンタクト要素1、特にばね要素9のさらなる実施形態を示す。前記ばね要素9は、L字形断面33を有することが好ましく、2本の対向するばね脚部35から構成されることが好ましい。
【0052】
ばね脚部35は、ばね基部15に対して遠位で互いに接続されることが好ましい。さらに、両ばね脚部35は、実質的に長手方向17に沿って互いに平行に延びている。
【0053】
図9に示すばね要素9の実施形態において、第1の側面19は第1のばね脚部35aに位置し、第2の側面21は第2のばね脚部35bに位置していることが好ましい。
【0054】
ばね要素9とベース7とは、例えば、相補コンタクト要素(図示せず)を挿入方向39に受け入れることができる受入チャンバ37を規定することが好ましい。挿入方向39は、長手方向17とは反対側に向けられることが好ましい。
【符号の説明】
【0055】
1 コンタクト要素
3 シートメタル
5 打抜き曲げ部品
7 ベース
9 ばね要素
11 偏向方向
13 端部
15 ばね基部
17 長手方向
19 第1の側面
21 第2の側面
23 切断長さ
23a~23e 例示的な切断長さ
25 曲げ長さ
27 偏向
29 永久変形
31 ヒステリシス
33 L字形断面
35 ばね脚部
35a 第1のばね脚部
35b 第2のばね脚部
37 受入チャンバ
39 挿入方向
F ばね力
【外国語明細書】