(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159091
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】照明ユニットおよびライト
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20221006BHJP
F21V 14/02 20060101ALI20221006BHJP
F21V 13/02 20060101ALI20221006BHJP
F21V 19/00 20060101ALI20221006BHJP
F21V 19/02 20060101ALI20221006BHJP
F21V 23/00 20150101ALI20221006BHJP
G02B 7/00 20210101ALI20221006BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20221006BHJP
F21Y 107/50 20160101ALN20221006BHJP
F21W 131/205 20060101ALN20221006BHJP
【FI】
F21S2/00 355
F21S2/00 610
F21S2/00 311
F21S2/00 340
F21V14/02 200
F21V13/02 400
F21V19/00 150
F21V19/00 170
F21V19/00 450
F21V19/02 100
F21V19/02 300
F21V23/00 140
G02B7/00 J
F21Y115:10
F21Y107:50
F21W131:205
【審査請求】有
【請求項の数】17
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022051304
(22)【出願日】2022-03-28
(31)【優先権主張番号】10 2021 108 309.5
(32)【優先日】2021-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】308011030
【氏名又は名称】ドレーゲルヴェルク アクチェンゲゼルシャフト ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト アウフ アクチェン
【氏名又は名称原語表記】Draegerwerk AG & Co.KGaA
【住所又は居所原語表記】Moislinger Allee 53-55,Luebeck,Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ハノ クレッチュマン
(72)【発明者】
【氏名】ゲオルク シュピールベルガー
【テーマコード(参考)】
3K013
3K014
【Fターム(参考)】
3K013AA02
3K013BA01
3K013CA05
3K013CA16
3K013FA01
3K014AA01
(57)【要約】 (修正有)
【課題】照明ユニットを、殊に容易にかつコスト的に有利に作製可能な照明ユニットを備えたライト用に提供する。
【解決手段】LEDから成る複数のグループは、共通の平坦なプリント基板115に結合され、複数のグループの少なくとも1つのグループ110,110’のそれぞれのLED112,112’には、周囲を取り囲むそれぞれの光学系122,122’が対応付けられ、それぞれのLED・光学系ペア120,120’が形成される。光学系により、構造に起因して、LED・光学系ペアの放射される光束の中央の光束軸線の傾斜角度が、LED・光学系ペアの傾斜方向に設定され、光学系の傾斜方向は、LEDから成る少なくとも1つのグループのLED・光学系ペアの放射される光束のそれぞれの光束軸線が、少なくとも部分的にペア毎に互いにねじれの位置にあるように決定される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LEDから成る複数のグループ(110,110’,110’’)を備えた医療ライト(150)用の照明ユニット(100)であって、LEDから成る複数の前記グループ(110,110’,110’’)は、共通の平坦なプリント基板(115)に結合されており、
複数の前記グループ(110,110’,110’’)の少なくとも1つのグループ(110,110’)のそれぞれのLED(112)には、周囲を取り囲むそれぞれの光学系(122,122’)が対応付けられており、前記光学系(122,122’)により、それぞれのLED・光学系ペア(120,120’)が形成され、
それぞれの前記光学系(122,122’)により、前記光学系(122,122’)の構造(328)に起因して、前記LED・光学系ペア(120,120’)の放射される光束の中央の光束軸線(124,124’)の傾斜角度(125)が、それぞれの前記LED・光学系ペア(120,620)の傾斜方向(627)に設定され、それぞれの前記光学系(122,122’)の前記傾斜方向(627)は、LEDから成る少なくとも1つの前記グループ(110,110’)の前記LED・光学系ペア(120,120’)の放射される前記光束のそれぞれの前記光束軸線(124,124’)が、少なくとも部分的にペア毎に互いにねじれの位置にあるように決定される、照明ユニット(100)。
【請求項2】
前記LED・光学系ペア(120,120’)の、ペア毎に互いにねじれの位置にある前記光束軸線(124,124’)はそれぞれ、ペア毎に異なる傾斜方向(627)を有する、請求項1記載の照明ユニット(100)。
【請求項3】
LEDから成る少なくとも1つの前記グループ(110,110’)のそれぞれLED(112,112’)には、同一に構成された光学系(122,122’)が対応付けられている、請求項1または2記載の照明ユニット(100)。
【請求項4】
少なくとも1つの前記グループ(110,110’)の少なくとも1つのLED(112,112’)には、少なくとも1つ別のLEDが対応付けられており、前記別のLEDは、少なくとも1つの前記LEDと共にLEDクラスタ(412)を形成し、前記LEDクラスタ(412)は、対応付けられている前記光学系(122,122’)と共に、光束軸線(124,124’)を有する共通の光束を生成する、請求項1から3まで少なくとも1項記載の照明ユニット(100)。
【請求項5】
決定可能な前記傾斜方向(627)は、それぞれの前記LED(112,112’)の固定面内での配向角度分の配向であり、前記配向角度の方向に、前記LED・光学系ペア(120,120’)の前記傾斜角度(125)が配向される、請求項1から4までの少なくとも1項記載の照明ユニット(100)。
【請求項6】
前記傾斜方向(627)は、固定機構(340)を介して決定可能であり、
前記固定機構(340)は、対応するコンタクトピン(342)を介する、離散的に設定可能な前記光学系(322)の支持により、前記傾斜方向(627)の確実な決定を可能にする、請求項1から5までの少なくとも1項記載の照明ユニット(100)。
【請求項7】
前記傾斜方向(627)は、固定機構(440)を介して決定可能であり、前記固定機構(440)は、前記光学系(422)の回動可能なそれぞれ1つの支承部、特に共通の前記プリント基板(415)における、前記光学系(422)の回動可能な支承部を含んでいる、請求項1から6までの少なくとも1項記載の照明ユニット(100)。
【請求項8】
前記傾斜方向(627)および/または前記傾斜角度(125)の値により、少なくとも1つの光学系(522)が、位置調整可能であり、特に機械的または電気的に位置調整可能である、請求項1から7までの少なくとも1項記載の照明ユニット(100)。
【請求項9】
請求項1から8までの少なくとも1項記載の少なくとも1つの照明ユニット(100)を含むライト(150)、特に医療ライトであって、前記ライト(150)は、中央のライト軸線(160)を有し、前記ライト(150)の光照射野(775)は、前記ライト(150)から光照射野距離(779)にある、ライト軸線(160)に対して垂直な面において、少なくとも1つの前記照明ユニット(100)の光によって形成される、ライト(150)。
【請求項10】
前記LED・光学系ペア(120、120’)の複数の光束軸線(124,124’)は、前記ライト軸線(160)に対してねじれの位置で構成されている、請求項9記載のライト(150)。
【請求項11】
請求項1から8までの少なくとも1つの請求項記載の、同一に成された複数の照明ユニット(600)を含む、請求項9または10記載のライト(650)。
【請求項12】
請求項1から8までの少なくとも1項記載の複数の照明ユニット(600)を含み、前記照明ユニット(600)は、前記ライト軸線(160)に関して回転対称に配置されている、請求項9から11までの少なくとも1項記載のライト(650)。
【請求項13】
請求項1から8までの少なくとも1項記載の複数の照明ユニット(600、600’)を含み、それぞれの照明ユニット(600)の前記LED・光学系ペア(620)は、別の照明ユニット(600’)の平坦なプリント基板(615)とは異なる平坦なプリント基板(615’)に配置されている、請求項9から12までの少なくとも1項記載のライト(650)。
【請求項14】
前記ライト(650)の前記照明ユニット(600,600’)の異なる少なくとも2つのプリント基板(615,615’)は、プレート傾斜角度(975)だけ互いに傾けられている、請求項13記載のライト(650)。
【請求項15】
前記ライト(650)は、少なくとも、それぞれの前記光学系(622,622’)によって設定される前記傾斜角度(125)が相異なる、少なくとも2つの異なる光学系を含む、請求項9から14までの少なくとも1項記載のライト(650)。
【請求項16】
前記ライト軸線(160)から同じ距離を有するLED・光学系ペア(620)は、それぞれの光束軸線(724)を有し、前記光束軸線(724)は、それぞれの前記LED(112)の位置から前記ライト軸線(160)への垂線により、実質的に同じ値を有する角度を形成する,請求項9から15までの少なくとも1項記載のライト(650)。
【請求項17】
制御ユニット(690)を含み、前記制御ユニット(690)は、少なくとも1つの前記照明ユニット(600)の、LEDから成る少なくとも1つのグループ(610)の、LEDから成る少なくとも1つの下位グループ(611)が、前記下位グループ(611)以外の、LEDから成る、対応する前記グループ(610)の別のLED(112)とは別々に駆動制御されるように構成されている、請求項9から16までの少なくとも1項記載のライト(650)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、LEDから成る複数のグループを備えた医療ライト用の照明ユニットに関する。本発明はさらに、本発明による少なくとも1つの照明ユニットを含むライト、特に医療ライトに関する。
【0002】
プリント基板を介してライトの基体に配置されておりかつこの基体を介してLEDからの熱を排出する、LEDから成る複数のグループを備えた医療ライトは公知である。光源としてLEDを使用することにより、例えば、ライトの色を調整することができ、また熱の発生を少なくすることができる。さらにLEDは一般に、高い出力効率を有し、低電圧しか必要とせず、減光可能であり、かつ光源の設計サイズを小さくすることができる。最後に、LEDは簡単にプリント基板に配置可能でもあり、これによってLEDは、一般的な応用において極めて頑強に取り付けられる。
【0003】
このようなLEDの配向について公知であるのは、LEDに対応付けられている光学系を介して、それぞれのLEDの光に影響を及ぼすこと、例えば、集光する、集束する、かつ/またはコリメートすることであり、かつLEDが設けられている、対応付けられたプリント基板の配向を介して、光学系の配向を決定することである。プリント基板は、発生する熱を排出するために、対応する基体に公知のように載置されている。
【0004】
例えば、独国特許発明第102011008474号明細書には、ライトの光照射野における特に有利な投光を保証するために、多重に折り曲げられたプリント基板に沿い、LEDの配向を形状結合によって行う手術ライトが記載されている。医療の状況において、このような光照射野は、一般的にライトから約1m離れている。
【0005】
本発明の課題は、特に有利な照明ユニットを、対応して有利に構成されるライト用に提供することであり、特に、殊に容易にかつコスト的に有利に作製可能な照明ユニットを備えたライト用に提供することである。
【0006】
この課題を解決するために本発明では、LEDから成る複数のグループを備えた医療ライト用の照明ユニットが提案される。
【0007】
LEDから成る複数のグループは、共通の平坦なプリント基板に結合されており、複数のグループの少なくとも1つのグループのそれぞれのLEDには、周囲を取り囲むそれぞれの光学系が対応付けられており、この光学系により、それぞれのLED・光学系ペアが形成される。本発明では、それぞれの光学系により、その構造に起因して、LED・光学系ペアの放射される光束の中央の光束軸線の傾斜角度が、それぞれのLED・光学系ペアの傾斜方向に設定され、それぞれの光学系の傾斜方向は、LEDから成る少なくとも1つのグループのLED・光学系ペアの放射される光束のそれぞれの光束軸線が、少なくとも部分的に、特にすべてが、ペア毎に互いにねじれの位置にあるように決定される。
【0008】
本発明の枠内において判明したのは、適切な光学系を設けることにより、ライトの光照射野を有利に投光するために、LED・光学系ペアの光束軸線の任意の経過を決定できることである。このために光学系は、傾斜角度と、中央の光束軸線のそれぞれの傾斜角度の傾斜方向とを有する。これにより、わずかに異なる光学系だけですでに、対応するライトからの光照射野距離において、あらかじめ定められた特性にしたがって特に可変に調整される投光を保証することができる。
【0009】
本発明において傾斜角度とは、0°とは異なる角度のことである。したがって、場合によっては生じる製造許容差を考慮しても傾斜角度は、少なくとも0.1°の角度である。
【0010】
本発明では照明ユニットとは、すべてのLEDが共通のプリント基板に接続されている、ライト用のモジュールのことである。LEDは、LEDから成る複数のグループを形成し、少なくとも、LEDから成るこれらのグループの1つについて、それぞれの光学系の本発明による特性を有する、本発明によるLED・光学系ペアが形成される。LEDから成る複数のグループの少なくとも1つのグループには、複数のLEDが含まれている。対応するこれらの複数のLED・光学系ペアについて、対応する光束軸線は、少なくとも部分的に、特に全部がペア毎に互いにねじれの位置にある。
【0011】
本発明の枠内において、ねじれの位置にあるとは、光束軸線が、場合によって生じる製造許容差を考慮しても、空間において交わらずかつ互いに平行でないことを意味する。
【0012】
LEDは公知のように、180°までの立体角で光を放射し、これにより、光学系を設けることは、光束の中央の光束軸線の周りに放射される光束に結び付く。互いにねじれの位置にある光束軸線により、光照射野の投光は、特に可変に設定可能である。例えば、光学系の配向により、光照射野直径および投光深さを調整することができ、光照射野内の光の分布を所望のように設定可能である。
【0013】
それぞれの光学系によって生じる傾斜角度の他に、例えば、対応するライト内に設けられるライト軸線に対して、対応するプリント基板を傾けることにより、光束軸線を付加的に傾けることができる。プリント基板の他に、対応するLEDに結合されている光導体を配置するための固定プレートを設けることも可能である。周囲を取り囲む光学系はつねに、LEDの光出力部の領域に配置されており、この光学系は、光導体が使用される場合、LEDから離隔され、ひいては対応するプリント基板から離隔されていてよい。このような固定プレートは、LEDに結合されるプリント基板の他に、LEDについての付加的な固定面を形成していてよい。
【0014】
LEDから成る少なくとも1つのグループに属さない他のLEDは、例えば、周囲を取り囲む光学系なしに、または対応する傾斜角度のない光学系によって構成されていてよい。したがって本発明によって教示されるのは、少なくともいくつかのLED、すなわち、LEDから成る少なくとも1つのグループのLEDは、周囲を取り囲む光学系の対応する構造を介し、その光束軸線について特に容易に影響が及ぼされることであり、これにより、傾斜角度および傾斜方向が、ペア毎に互いにねじれの位置にある配向が得られる。これによって有利には、殊に個別に構成可能な光照射野を得ることができ、特に、目標として設定された光設計および目標として設定された全体光照射野に対して、最善の寄与が得られるようになるまで光を偏向させることができる。
【0015】
さらに、傾斜角度が容易に得られることは、光束を傾けるために、従来技術から公知であるように、コストをかけて作製される、プリント基板の湾曲および/または多重の折り曲げが省略されることに結び付き得る。
【0016】
平坦なプリント基板の使用は、特に効率的にかつ容易にLEDから熱を排出できるという利点を有する。このことは、LEDが、放出される熱が不足していると加熱してしまうために必要である。したがって、対応するヒートブリッジは、平坦なプリント基板に載置される基体を介して、特に容易に得ることができる。さらに、湾曲しかつ/または多重に折り曲げられたプリント基板を省略することは、電子装置のより頑強な構造に、したがって照明ユニットのより長い寿命に結び付き得る。最後に、平坦なプリント基板の作製は、湾曲したまたは多重に折り曲げられたプリント基板の作製よりもより容易かつよりコスト的に有利である。
【0017】
傾斜角度および傾斜方向を決定するそれぞれの光学系の構造は、例えば、レンズおよび/またはミラーのような少なくとも1つの光学素子を含んでおり、これにより、光束軸線に対して0°とは異なる傾斜角度が得られる。これは、光学系の、特に光学素子の非対称構造によって行うことが可能である。択一的または補足的には、これは、対応するLEDのプリント基板および/または固定プレートの法線方向に対して相対的に光学素子を傾けることによって行うことが可能である。択一的または補足的にはこれは、例えば、回折格子のような回折構造、プリズム構造、自由形状光学系、ミラー光学系、グラジェントレンズ、フレネルレンズまたはこれに類するもののなどによって行うことが可能である。光学系の焦点からの対応するLEDのオフセット、または屈折光学系、回折光学系、反射光学系、ナノ構造化光学系かつ/またはマイクロ構造化光学系の組み合わせを行うことも可能である。特に好ましくは、光学系の本発明による実施には、外側領域においてTIR構造を介して光を反射し、内側領域においてレンズとして光を集束するTIR光学系(Total Internal Reflection Optik)が使用される。光学系分野の当業者には、設定された傾斜方向にLEDの光を集束する多くの選択肢が公知であり、ゆえに以下ではこのような構造の詳細には触れない。
【0018】
周囲を取り囲む光学系は好適には、固定機構を介して、対応するLEDの領域に固定されている。この場合に固定は、プリント基板において直接に行われてよい。例えば、光学系は、接着を介し、プラグ接続を介し、ねじ止めを介し、形状結合またはこれに類するものを介し、対応するLEDの領域において固定可能である。
【0019】
以下では、本発明による照明ユニットの好ましい実施形態を説明する。
【0020】
特に好ましい実施形態では、LED・光学系ペアの、ペア毎に互いにねじれの位置にある光束軸線はそれぞれ、ペア毎に異なる傾斜方向を有する。傾斜方向を調整することにより、作製プロセスにおいて特に容易に、ねじれの位置にある光束軸線の本発明による構成を実現することができる。
【0021】
特に有利な実施形態では、LEDから成る少なくとも1つのグループのそれぞれLEDには、同一に構成された光学系が対応付けられている。この実施形態により、異なる光学系を準備する必要がないため、特に容易かつ好都合な、照明ユニットの作製方法が可能になる。したがってLEDから成る少なくとも1つのグループに、同じ傾斜角度を有する同じ光学系が使用され、傾斜方向に沿ったこの傾斜角度の配向だけが、LEDから成るこのグループ内でLED毎に相異なっていてよい。この実施形態では、共通の平坦なプリント基板において、プリント基板を煩雑に傾けることなく、または光学素子を設定することなく、同一に構成された光学系を使用して、可変に作製可能な光照射野がコスト的に有利に可能になるという、本発明による照明ユニットの中心的な態様が利用される。このためには、例えば、異なる傾斜方向を可能にする、光学系用の異なるスロットおよび/またはこれに相当する固定機構により、異なる傾斜方向の本発明による設定だけが可能であればよい。
【0022】
別の実施形態では、少なくとも1つのグループの少なくとも1つのLEDには、少なくとも1つ別のLEDが対応付けられており、この別のLEDは、少なくとも1つのLEDと共にLEDクラスタを形成し、このLEDクラスタは、対応付けられている光学系と共に、光束軸線を有する共通の光束を生成する。LEDクラスタを構成することにより、例えば、好適には相異なる色温度を有しかつ光が光学系によって組み合わせされる複数のLEDに相異なる電流を通流することにより、異なる色調または色温度および色の強度が提供可能である。この光学系は好適には、LEDから成る少なくとも1つのグループの少なくとも1つのLEDだけではなく、共通のLEDクラスタ内の別のLEDも取り囲んでいる。好適には1つのLEDクラスタの複数のLEDは、別々に駆動制御可能である。LEDクラスタは、共通の光束軸線を有する共通の光束を提供するために設けられており、これにより、共通に周囲を取り囲む光学系が、容易かつ付加的な構成的な障害物なしに可能になる。
【0023】
ある実施形態では、決定可能な傾斜方向は、それぞれのLEDの固定面内での配向角度分の配向であり、この方向にLED・光学系ペアの傾斜角度が配向される。さらに傾斜角度は、それぞれのLEDの固定面に対する面法線を基準にした角度である。すなわち固定面内の配向角度は、固定面内に辺がある角度である。配向角度は、照明ユニットの作製プロセス中に、設定された傾斜方向を決定するために光学系を回動させなければならない回動角度であってよい。それぞれのLEDの固定面を基準にして傾斜方向および傾斜角度を設定することにより、互いにねじれの位置にある光束軸線の決定が、特に容易に構造的に可能になる。固定面は、LED・光学系ペアがプリント基板に直接に配置される場合、基本的にプリント基板よって形成されていてよい。択一的または補足的には、固定面は、LEDおよび/またはLEDクラスタの少なくとも1つの光出力が行われる別の固定プレートによって形成されていてよい。
【0024】
有利かつ特に好ましい実施形態では、傾斜方向は、固定機構を介して決定可能であり、この固定機構は、対応するコンタクトピンを介する、離散的に設定可能な光学系の支持により、傾斜方向の確実な決定を可能にする。コンタクトピンを構成することは、好適には少なくとも部分的に自動化される作製プロセスの枠内においてコスト的に有利に実現可能である特に容易な固定の仕方である。コンタクトピンは、光学系および/または固定機構に、例えばプリント基板に配置可能である。コンタクトピンは好適には、固定面の面法線に関して非対称に配置される。このような非対称の配置は、対応して固定される光学系の回動ロックに寄与することができ、これにより、固定ユニットの頑強性をサポートすることができる。好適には、コンタクトピンの位置に対応してプリント基板にスロットが設けられ、これにより、スロットにコンタクトピンを挿入することによって、対応する光学系についての設定された傾斜方向が得られる。択一的または補足的には、光学系におけるスロットの位置に対応して、プリント基板にコンタクトピンを設けることができ、これにより、スロットにコンタクトピンを挿入することによって、対応する光学系について設定された傾斜方向が得られるようにする。前の2つの例とは択一的に本発明では、コンタクトピン用の対応するスロットにより、コンタクトピンとスロットとの間の異なる対応付けの選択肢が可能になる。これにより、それぞれのLED・光学系ペアについて、相異なる傾斜方向が可能になる。コンタクトピンを設けることにより、好適には少なくとも4つの異なる傾斜方向に、特に少なくとも8つの異なる傾斜方向に、離散的に傾斜方向を変更することができる。コンタクトピンおよび対応するスロットを介する光学系の固定は、特に頑強でありかつ容易に提供可能な固定の仕方であり、この固定の仕方は、病院の日常において、対応する照明ユニットを急激に移動した後であっても、高い信頼性を有し得る。好適にはこのような固定機構は、例えば接着または圧着のような素材結合および/または力結合によってサポートされる。
【0025】
別の実施形態では、傾斜方向は、固定機構を介して決定可能であり、固定機構は、光学系の回動可能なそれぞれ1つの支承部、特に共通のプリント基板における光学系の回転可能な支承部を含んでいる。光学系の回動可能な支承部により、照明ユニットの作製プロセス中に、特に快適に傾斜方向を設定することができ、好適には連続的に設定可能である。このような回動可能な支承部は、例えば、固定機構おける光学系の形状結合を介して可能であってよい。好適には、回動可能な支承部の回動軸線は、それぞれのLED・光学系ペアの中心を通って延在している。これにより、光学系の回動により、回動軸線周りの光束軸線の均一な回動が可能になる。
【0026】
固定機構は、本発明の枠内では、光学系と、プリント基板または固定プレートとの間の形状結合、力結合および/または素材結合を可能にする構造である。好適には固定機構は、結合を行うために互いに協働する光学系側の構造と、プレート側の構造とによって形成される。
【0027】
別の実施形態では、傾斜方向および/または傾斜角度の値により、少なくとも1つの光学系が、位置調整可能であり、特に機械的または電気的に位置調整可能である。傾斜方向および/または傾斜角度の値のこのような制御により、光照射野を動的に位置調整することができる。位置調整は好適には、ユーザインタフェースを介してユーザによってトリガされる電気信号を介して行われる。この実施形態による位置調整可能性の一例は、液体レンズまたは位置調整可能な光学系のモータの電気的な駆動制御である。択一的または補足的には、位置調整可能な支承は、例えば、手動で傾斜方向および/または傾斜角度の値を調整可能なピボットジョイントまたはねじによって可能になる。
【0028】
本発明による、周囲を取り囲む光学系は好適には、プラスチックから形成される。特に好ましくは、周囲を取り囲む光学系は、射出成形法によって作製される。択一的には、他の適切な作製プロセス、例えば、射出圧縮成形、発泡成形、成形、鋳造、ダイヤモンドターニングまたはダイヤモンドミリング、研磨および研削、3Dプリント、金属製または二色性のミラー層による少なくとも部分的な蒸着、および/またはプラスチック光学系、ガラス光学系またはミラー用の他の公知の作製などが知られている。
【0029】
本発明の別の態様によれば、上記の課題を解決するために、上述の実施形態の少なくとも1つによる少なくとも1つの照明ユニットを含むライト、特に医療ライトが提案される。ライトは、中央のライト軸線を有し、ライトの光照射野は、ライトから光照射野距離にある、ライト軸線に対して垂直な面において、少なくとも1つの照明ユニットの光によって形成される。
【0030】
本発明のこの別の態様によるライトは、本発明による照明ユニットを含んでおり、したがってこの照明ユニットについて説明されたすべての利点も含んでいる。
【0031】
光照射野距離は、医療分野において一般に、設定された距離であり、ここでは好適には0.4m~1.5m、特に好ましくは1mの範囲内にある。手術ライトは一般に、約1mの光照射野距離を有する。検査ライトは一般に、約0.5mの光照射野距離を有する。本発明におけるライトは、例えば、手術ライトまたは検査ライトであってよい。
【0032】
本発明による照明ユニットは好適には、本発明によるライトに容易に使用可能なコンポーネントである。このようなモジュール方式の構造により、ライトについての特に容易な作製プロセスが可能になる。特に好ましくは、本発明によるライトに本発明による複数の照明ユニットが使用可能である。この実施形態の特に有利な変形形態では、ライトは、対応する照明ユニットをそれぞれはめ込むことができる適切な収容部を有する。この収容部により、接続領域が設けられることによって照明ユニットのそれぞれのプリント基板と、本発明によるライトの電子装置との電気接続が保証される。好適にはさらに、収容部により、面積が大きく、形状結合によるかつ熱伝導性のコンタクト面であって、少なくとも、それぞれのLEDの近傍の平坦なプリント基板の領域までに至るコンタクト面が、熱排出のために確保される。収容部を介する固定により、ライトおよびライト軸線に対する平坦なプリント基板の機械的な配向、すなわち傾斜が定められる。さらに、モジュール方式の構造により、例えば、ライトの計画された使用シナリオに応じて、例えば計画された医療手術に応じて、本発明によるライトへの相異なる本発明による照明ユニットの使用が可能になる。
【0033】
照明ユニットと、ライトのライトケーシングとの間の結合は、例えば、ねじ止めを介して実現可能である。対応する照明ユニットのそれぞれのプリント基板には、設けられるねじ山に適合する中ぐり穴を設けることができる。択一的または補足的には、ライトに照明ユニットをはめ込むための係止機構を設けることができる。
【0034】
本発明による照明ユニットにより、特にライトの作製プロセス中に、対応するLED・光学系ペア用の本発明によるそれぞれの光学系を介し、特に容易にかつコスト的に有利にライトの光照射野を設定するかつ/または調整することができる。
【0035】
好ましい実施形態では、LED・光学系ペアの複数の光束軸線は、光束軸線に対してねじれの位置で構成されている。これにより、異なる傾斜方向を設定することを介し、光照射野の特に可変な特徴的な特性、例えば、光照射野直径、光照射野内の強度分布、投光深さ、影の状態などを設定可能である。特に好ましくは、LED・光学系ペアの光束軸線の少なくとも10%は、ライト軸線に対してねじれの位置で構成されている。択一的または補足的には、LED・光学系ペアの光束軸線の最大で90%は、ライト軸線に対してねじれの位置で構成されている。
【0036】
有利な実施形態では、本発明によるライトは、照明ユニットについての少なくとも1つの実施形態による、同一に構成された複数の照明ユニットを含む。このようなライトにより、取り付けの際に、相異なる照明ユニット間で区別する必要がないため、特に容易な作製が可能になる。さらに、この実施形態では有利には、同一の照明ユニットの作製される種類が好適にはただ1つに減らされる。これにより、特に容易でありかつ好適な作製方法が可能になる。最後に、同一の照明ユニットを使用することにより、放射される光束の実質的に対称な配置と、したがって光照射野の対称の投光とに結び付き得る。
【0037】
別の有利な実施形態では、本発明によるライトは、照明ユニットについての少なくとも1つの実施形態による複数の照明ユニットを含み、照明ユニットは、ライト軸線に関して回転対称に配置されている。この実施形態の好ましい変形形態では、複数の照明ユニットから成る照明ユニットは、実質的に同一に構成されている。照明ユニットを回転対称に配置することによって有利には、光照射野の均一な投光をサポートすることができる。
【0038】
有利な実施形態では、本発明によるライトは、照明ユニットについて少なくとも1つの実施形態による複数の照明ユニットを含み、それぞれの照明ユニットのLED・光学系ペアは、別の照明ユニットの平坦なプリント基板とは異なる平坦なプリント基板に配置されている。異なる平坦なプリント基板を設けることにより、例えば、ライトのモジュール方式の構造をサポートすることができる。さらに、異なる平坦なプリント基板を設けることにより、本発明によるライトの電子装置の特に簡単な構造が可能になる。この実施形態の好ましい変形形態では、ライトの照明ユニットの異なる少なくとも2つのプリント基板は、プレート傾斜角度だけ互いに傾けられている。このようなプレート傾斜角度を介して、LED・光学系ペアを互いに傾けることができ、これにより、個々のLED・光学系ペアの傾斜角度によってさらに、プレート傾斜角度に対してわずかに副次的な傾斜が実現される。例えば、ライト軸線に対して垂直な平面に対して、11.5°の角度だけLED・光学系ペアを傾けようとする場合、この平面に対する11°の仰角により、個々のLED・光学系ペアの傾斜角度はさらにわずかに0.5°であればよいことになり得る。このような仰角を提供するための2つのプリント基板間のプレート傾斜角度がどのくらいの大きさでなければならないかは、具体的なライト幾何学形状に依存し、当業者には直ちに理解される。これによって好適には、一般には大きな光学的な結像エラーと、非対称なビーム束と、得ようとされる傾斜した光束軸線から離れた、光束の縁部領域の余り良好でない集光とに結び付く極めて大きな傾斜角度に比べて、特に対称に放射される光束が可能になる。仰角を設定することは、LED・光学系ペアについて、ライト軸線に対して垂直な平面に対して、例えば9°~13°の具体的な傾斜角度範囲を設定する場合に特に有利である。したがって、上で示された例については、11°の仰角を設定することができ、それぞれ光学系の傾斜角度は、わずかに0.1°~2°であればよい。したがってここで好適には、異なる光学系が設けられることになる。プリント基板の仰角と、光学系の傾斜角度とこの協働の例は、
図2で説明される。
【0039】
ライトの選択された構造に起因して、例えば仰角に起因して、光学系による傾斜角度を有しないLED・光学系ペアは、それぞれの光学系によって傾斜角度が設定される複数のグループの少なくとも1つのグループに属しない。この意味において、本発明では、LEDから成る少なくとも1つのグループのLED・光学系ペアの他に、別の特性および別の光学系、特に傾斜角度を有しない光学系を備えた別のグループのLED・光学系ペアも設けられていてよい。
【0040】
好ましい実施形態では、ライトは、少なくとも、それぞれの光学系によって設定される傾斜角度が相異なる、少なくとも2つの異なる光学系を含む。複数の異なる傾斜角度を設けることによって有利には、ライトの光照射野を特に詳細に決定することができる。特に、異なる傾斜角度を有する光学系により、ライトの領域、例えば、ライト中央の周りに環状に配置されたライトの領域が可能になり、これらのライトは、設定されるただ1つの傾斜角度を有するそれぞれの光学系と、好適には相異なる傾斜方向とを有する。
【0041】
好ましい実施形態では、ライト軸線から同じ距離を有するLED・光学系ペアは、それぞれの光束軸線を有し、これらの光束軸線は、それぞれのLEDの位置からライト軸線への垂線により、実質的に同じ値を有する角度を形成する。これらのようなLED・光学系ペアにより、これらのLEDに個別に電流を通流することによって光照射野における機能および/光照射野位置調整を達成するのに特に適した、ライトの環状の領域を形成することができる。このような光照射野位置調整は、例えば、光照射野直径、光照射野形状、光照射野距離および/光照射野色の変更であってよい。
【0042】
特に好ましい実施形態では、ライトはさらに制御ユニットを含み、この制御ユニットは、少なくとも1つの照明ユニットの、LEDから成る少なくとも1つのグループの、LEDなら成る少なくとも1つの下位グループが、この下位グループ以外の、LEDから成る対応するグループの別のLEDとは別々に駆動制御されるように構成されている。この駆動制御により、例えば、対応して駆動制御される、LEDから成る下位グループの光出力、強度、色またはオン/オフ状態を変更可能である。このような変更は、例えば、有利にはLEDから成る下位グループのすべてのLEDについて同時に行われる。
【0043】
以下では、図面に略示した有利な実施例に基づき、本発明を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【
図1】本発明の別の態様によるライトの第1実施例用の、本発明による照明ユニットの第1実施例を示す概略図である。
【
図2】本発明による照明ユニットの第1実施例の異なるLED・光学系ペアを示す断面図である。
【
図3】周囲を取り囲む光学系の異なる構造と、異なる固定機構とを有する、LED・光学系ペアの実施例を示す断面図である。
【
図4】周囲を取り囲む光学系の異なる構造と、異なる固定機構とを有する、LED・光学系ペアの別の実施例を示す断面図である。
【
図5】周囲を取り囲む光学系の異なる構造と、異なる固定機構とを有する、LED・光学系ペアのさらに別の実施例を示す断面図である。
【
図6】本発明の別の態様によるライトの第2実施例用の、本発明による照明ユニットの第2実施例を示す概略図である。
【
図7】別の実施例にしたがい、ライトの光束軸線と、対応する光照射野とを示す概略図である。
【
図8】本発明による2つのLED・光学系ペアの傾斜角度および傾斜方向を示す概略図である。
【
図9】ライトの第3実施例用の、本発明による照明ユニットの第3実施例を示す概略図である。
【
図10】
図9の第3実施例によるライトを示す断面図である。
【0045】
図1には、本発明の別の態様によるライト150、特に医療ライト150の第1実施例用の本発明による照明ユニット100の第1実施例の概略図が示されている。
【0046】
照明ユニット100は、LEDから成る複数のグループ110,110’,110’’、すなわちこの実施例ではLEDから成る3つのグループを含んでいる。グループ110、110’のLEDは、この実施例では、図表面に垂直に交わる、ライト150の中央のライト軸線160からほぼ同じ距離を有する。残りのLEDは、この実施例では、第3グループ110’’を形成する。LEDから成るそれぞれのグループ110,110’,110’’は、照明ユニット100の共通の平坦なプリント基板115に結合されており、このプリント基板に完全に配置されている。択一的な実施例では、LEDの光出力部は少なくとも部分的に、例えば、
図4に示されているように、プリント基板115に少なくとも結合されている固定プレートに配置されている。
【0047】
これらの複数のグループの少なくとも1つのグループ110,110’のそれぞれのLED112,112’には、それぞれ周囲を取り囲む光学系122,122’が対応付けられており、これらの光学系122,122’により、それぞれのLED・光学系ペア120,120’が形成される。図示された実施例では、LEDから成る複数のグループ110,110,110’’のLED112,112’,112’ ’から成るそれぞれのグループは、それぞれ周囲を取り囲む光学系122,122’,122’’を有する。しかしながら、本発明によるグループ110,110’だけが、LED・光学系ペア120,120’を有し、これらのLED・光学系ペア120,120’では、それぞれの光学系122,122’は、それらの構造によって傾斜方向において傾斜角度を有する。以下の実施例の枠内において、光学系のこの構造を説明する。
【0048】
さらに
図1では、収容部155から成る3つの領域が破線で示されており、これらの領域には、別の照明ユニット、例えば、図示された本発明による照明ユニットと同じ構造を有する照明ユニットがはめ込み可能である。収容部155は好適には、ライト150の残りの部分、例えば、ライトケーシングにおける図示されていないライト電子装置と、はめ込まれるべき照明ユニットとの間の電気接続を保証する接続領域を有する。このために照明ユニットは、図示されていない電子接続部も有し、これにより、ライトの電子装置は、プリント基板115を介して、照明ユニット100のLED112,112’,112’’に接続される。それぞれ照明ユニットの、対応する収容部155へのはめ込みは好適には、形状結合および/または力結合を介し、特に係止機構を介して行われる。択一的または補足的にこの固定は、ねじを介するはめ込みにしたがって行うことができ、これにより、特に容易に、基体との均一な接触接続を、したがって良好な熱流を提供することができる。
【0049】
図示された実施例では、ライト150は、下から、すなわち投光される領域から見て丸く、特に円形に構成されている。図示されていない実施例ではライトは、楕円形または矩形に、特に規則的なn角形の形状に構成されている。特に好ましくはライトは、下から見ると、ライト軸線に対して点対称に、例えば花形、星形または衛星形に構成されている。
【0050】
収容部によってライト150は、同一に構成された複数の照明ユニットを含むことができる。これらの複数の照明ユニットは、収容部155に対応し、ライト軸線160に関して回転対称に配置されていてよい。
【0051】
それぞれの照明ユニットは、照明ユニット100に対応して、LEDと、図示されていないライトの電子装置との電気接続のための別体の専用のプリント基板115を有することになる。択一的または補足的には、LEDの動作のための電子装置または電子装置の複数の部分はすでに、対応する平坦なプリント基板に含まれていてよい。例えば、LED駆動部が、プリント基板上に含まれていてよい。好適には照明ユニットの外部には、ライトの電圧供給用の電子装置および制御ユニットだけが設けられる。
【0052】
このようなモジュール方式の構造を介し、異なる照明ユニットを互いに組み合わせることができる。さらに、モジュール方式の構造により、異なって形成される本発明によるライト、例えば、本発明による照明ユニットの相異なる個数および/または配向を有するライトを提供することができる。
【0053】
図2には、本発明による照明ユニット100の第1実施例の異なるLED・光学系ペア120,120’,120’’の断面図が示されている。
【0054】
それぞれ周囲を取り囲む光学系122,122’,122’’により、それらの形状に基づいて、対応するLED・光学系ペア120,120’,120’’の放射される光束の中央の光束軸線124,124’,124’’が決定される。光束は、複数のビームによって形成され、これらのビームは、実質的に光束軸線に沿って延在し、ここでは光束の外側の領域において、光学系の使用される幾何学形状および製造許容差に依存する、光束軸線との開き角を形成する。LED112’’から成る第3グループの光束軸線124’’は、傾斜角度を有さず、この実施例ではプリント基板115に沿って配向されている固定面の面法線に沿って配向されている。本発明によるLED・光学系ペア120,120’の2つの中央の光束軸線124,124’は、固定面の面法線に対して傾斜角度125を有し、この傾斜角度125は、2つのLED・光学系ペア120,120’について同じであるが、相異なる傾斜方向に配向されている。したがってLEDから成る第1グループ110のLED・光学系120の光束軸線124は、ライト150の中心の方向に向かって配向される。これに対し、LEDから成る第2グループ110’のLED・光学系120’の光束軸線124’は、ライト150の縁部領域の方向に向かって配向される。本発明では、例えば
図6に示されているように、反対方向を向いたこれらの2つの傾斜方向の間の図示されない他の配向も可能である。光束軸線124,124’は、図平面内に正確に延在していない。したがって、相異なる傾斜方向は、光束軸線124,124’が、図平面内に入る相異なる傾斜方向を有し、これにより、これらが、互いにねじれの位置にある、すなわち、それぞれの光束軸線124,124’が乗っている直線に沿って交わらないように選択される。
【0055】
それぞれ周囲を取り囲む光学系122,122’,122’’は、図示された実施例において、それぞれレンズ形状の中央領域を有し、この中央領域は、残りの光学系と共にいわゆるTIR(Total Internal Reflection)光学系を形成し、このTIR光学系により、それぞれのLEDの無指向的に放射される光が、対応する光束軸線124,124’,124’’に沿った光束に配向される。このようなTIR光学系は、例えばレンズによって形成される中央の屈折領域と、反射性の縁部領域とを含んでいる。択一的な実施形態は、
図4および
図5に示されている。
【0056】
対応する光束軸線124,124’の傾斜角度に加えて、ライト軸線160に対して垂直な平面に対する仰角116が設けられており、この仰角116だけプリント基板が傾けられる。この仰角116は、図示された実施例において4°~20°、特に8°~14°、好適には約11°である。したがって2つの光学系122,122’の相異なる傾斜方向により、仰角116から同一の角度距離を有しかつライトに関して、対応する光束軸線の異なる2つの傾斜角度が得られる。したがって本発明によれば、同じ光学系でありながら対応して設定される傾斜角度の相異なる傾斜方向を使用することにより、ライトの光照射野について、異なる傾斜角度が得られる。プリント基板が傾けられる付加的な仰角116を設けることにより、対応して傾斜方向を調整することにより、対応する光学系の傾斜角度を差し引いた仰角と、対応する光学系の傾斜角度を加えた仰角との間で変化可能な角度域を設定することができる。したがって本発明により、作製されるべき1つの光学コンポーネント、すなわちあらかじめ定められた傾斜角度を有する1つの光学系だけによって、ライトに関して、対応する光束軸線の複数の傾斜角度の選択肢が可能になる。
【0057】
別の実施例では、本発明によるライトに対して、少なくとも傾斜角度が相異なる、少なくとも2つの異なる光学系が設けられている。
【0058】
本発明によるLED・光学系ペアを形成するための対応する光学系の固定の異なる実施例を、以下の実施例に示す。
【0059】
図3、
図4および
図5には、周囲を取り囲む光学系322,422,522の異なる構造328,428,528と、異なる固定機構340,440,540とを有する、LED・光学系ペア320,420,520のそれぞれの実施例の断面図が示されている。
【0060】
図3には、中央のレンズ形状の領域が傾けられたTIR光学系322が示されており、この領域は、基本的にはすでに
図2に示されている。わかりやすくするために、この光学系が断面図で示されているのに対し、プリント基板は斜視図で示されている。光学系の幾何学形状が傾けられる角度は、光学系によって提供される傾斜角度と確かに相関付けされるが、これと同一である必要はない。しかしながらここでは付加的に、プリント基板150に光学系322を固定する固定機構340が示されている。例えば、光学系322は、プリント基板115に配置されているLED112を取り囲むために、プリント基板115において利用可能なスロット344にそれぞれはめ込み可能な少なくとも2つのコンタクトピン342、好適に3つのコンタクトピンを有する。少なくとも3つのコンタクトピンを設けることによって、光学系の回動ロックを付加的に向上させることができる。異なるスロット344を設けることにより、光学系322の傾斜角度の異なる傾斜方向を決定することができる。スロット344を離散的に設けることにより、図示されたLED・光学系ペア320用に離散のあらかじめ定められた個数の異なる傾斜方向を決定することができ、特にライトの作製の枠内において決定可能である。択一的には、プリント基板の作製時にすでに、得ようとする傾斜方向を考慮し、これにより、コンタクトピン用に設けられる位置に対応して、この傾斜方向に対してのみ、スロットが得られるようにすることが可能である。これにより、光学系を手動で固定する際の誤りが、作製中に回避される。
【0061】
図4には、ミラー423、好適にはパラボラミラー、非球面ミラーおよび/または自由形状ミラーにより、あらかじめ定められた光束軸線に沿ってあらかじめ定められた傾斜角度で、対応するLED112の光を放射する光学系422が示されている。傾斜角度を得るために、ミラーは好適には非対称に構成される。
【0062】
ミラー423は、固定機構440を介して固定プレート417に固定されている。この実施例では固定機構440は、対応する光学系をはめ込むことが可能な溝444を備えた環状部分442を含んでおり、これにより、光学系422の係止を介して環状部分442に固定が行われる。択一的には、市販のLED・光学系ソケットにより、本発明による照明ユニット内での光学系の固定を行うことも可能である。好適には、図示された実施例において固定機構440により、光学系を回動可能に支持することも可能であり、これにより、LED・光学系ペア420について連続的な異なる傾斜方向を決定することができる。
【0063】
さらに
図4には、固定プレート417と、プリント基板415とが異なっていてよいことが示されている。したがってLED412は、図示された実施例においてプリント基板415に配置されており、ガラスファイバ419を介し、固定プレート417における対応する光出力部470に光が導かれる。図示されていない実施例では、固定プレートとプリント基板との間の角度は、ライトの制御ユニットを介して調整可能である。
【0064】
ここではLED412はLEDクラスタを形成し、このLEDクラスタにより、対応付けられている光学系422を介して、光束軸線を備えた共通の光束が生成される。択一的には、LEDクラスタの光をただ1つの導光体において混合することができる。このためには公知のように導光ロッドなどが使用可能である。
【0065】
図5には、非対称ホルダによって傾けられたレンズによって形成される光学系522が示されている。非対称ホルダは、プリント基板に接着されており、これにより、固定機構540は、ホルダの平坦な接着箇所を介して形成される。この実施例では光学系522は、位置調整ユニット580を介して駆動制御され、これにより、対応する信号を受信した後、回動されることが可能である。図示された実施例ではさらに、非対称ホルダは、位置調整ユニット580を介して位置調整可能である。この際にレンズの傾斜を変更することができる。回動および傾斜はこの実施例では、図示されておらずかつ位置調整ユニット580によって駆動制御されるモータを介して機械的に行われる。
【0066】
図6には、本発明の別の態様によるライト650の第2実施例用の、本発明による照明ユニット600の第2実施例の概略図が、光照射野の視線方向からライト軸線に沿って示されている。
【0067】
照明ユニット600は、
図1の照明ユニット100とは、複数のLED612が設けられており、かつこれらのLEDが、ライト650の中央の制御ユニット690を介して、グループ毎に駆動制御可能である点が相違している。この実施例では、図示されたLEDのうち、LEDから成る少なくとも2つのグループ610,610’は、同一に図示されている3つの照明ユニット600のそれぞれにおいて、本発明によるLED・光学系ペア620,620’によって構成されている。わかりやすくするために、照明ユニット600についてのみ、それぞれの照明ユニットの特徴を示す。照明ユニット600は、
図6に示されていない傾斜角度と、図においてLED・光学系ペア620,620’におけるそれぞれの矢印によって印が付けられた傾斜方向627とを有し、この傾斜方向627は、LED・光学系ペアについて、LEDから成るグループ610,610’内でも相違している。この実施例では傾斜方向627は、このLEDの傾斜角度が配向されている、それぞれのLEDの固定面内での方向である。傾斜角度と傾斜方向とのこの協働は、
図2の枠内ですでに説明されており、
図8ではより詳細に示される。特に、それぞれのLED・光学系ペアの、対応して図示されない光束軸線は、互いにねじれの位置で構成されている。特に、ライト軸線160から同じ距離を有するLED・光学系ペアは、それぞれの光束軸線を有し、これらのLED・光学系ペアは、それぞれのLEDの位置の、ライト軸線への垂線と、実質的に同じ値を有するそれぞれの角度を形成する。この配向により、垂線の角度の値と傾斜方向とが実質的に等しいことにもなる。傾斜方向の類似の配向についての光束軸線の例示的な配置は、
図7に示されている。
【0068】
ライト軸線160の領域ではさらに、例えば手術室における使用中にライト650の位置を調整するように構成されている、ライト650のグリップ665が配置されている。
【0069】
制御ユニット690は、少なくとも1つの照明ユニット600の、LEDから成る少なくとも1つのグループ610,610’の、LEDから成る少なくとも1つの下位グループ611が、この下位グループ611以外の、LEDから成る対応するグループ610,610’の別のLEDとは別に駆動制御されるように構成されている。
【0070】
択一的または補足的には、LEDから成るグループ610,610’も別々に駆動制御することができ、この駆動制御を介して、例えば、対応して駆動制御される、LEDから成る下位グループ611の、光出力、強度、色、色温度および/またはオン/オフ状態を変更することができる。
【0071】
このようなグループ毎の駆動制御により、かつ/または本発明による、LEDから成るグループの、LEDから成る下位グループの駆動制御により、本発明による照明ユニットを備えた本発明によるライトによる、光照射野の特に有利な投光、例えば、好ましい光照射野直径、好ましい光照射野形状、光照射野の好ましい色温度、好ましいシェーディング、光の好ましい半径方向の強度経過などを保証することができる。この実施例では特に、本発明による、LEDから成るグループ610,610’により、均一な光強度の環状の領域を提供可能である。
【0072】
好適には、図示された、LEDから成るグループの傾斜角度は、実質的に等しい。択一的には、LEDから成るグループ610,610’は、それぞれの傾斜方向の選択の他に、図示されていない傾斜角度によって相違している。この実施例では、グループ610の光学系622と、別のグループ610’の光学系622’とはそれぞれの傾斜角度が相違している。
【0073】
ライト650の照明ユニット600,600’は、同一に構成されている。この実施例では照明ユニット600,600’のプリント基板615,615’は、別々のプリント基板615,615’を形成し、これらのプリント基板615,615’は、図示された実施例において、図示されていないプレート傾斜角度だけ互いに傾けられている。
【0074】
図7には、別の実施例にしたがい、図示されていない本発明によるライトの光束軸線724と、対応する光照射野775との概略図が示されている。
【0075】
それぞれのLED・光学系ペア720の傾斜角度の、ライト軸線160に対する図示された同一の配向により、図示された実施例では、この実施例のライトの広がりと比べると特に細くなっている鞍部領域777が生じている。
【0076】
本発明によるライトは、有利には、光照射野距離779の周りの距離領域において、光照射野に対して大きなビーム強度を提供可能である。光束軸線を点状に一点に配向する場合には、この点の周りで強度が大きく低下させられてしまうことがある。この作用は、図示された環状の投光によって回避可能である。この実施例では、LED・光学系ペアから成る異なるグループは、異なる環状の投光の領域を提供することができ、これによって有利には、光照射野の領域において、光照射野縁部に比べて大きな強度を有する大きな領域を提供することができる。光照射野距離779は有利には、80cm~1.30m、特に90cm~1.10mであり、特に有利には約1mである。光照射野775は、有利には鞍部領域777に、または鞍部領域777の近傍にある。
【0077】
傾斜方向727の配向は、
図6の、LEDから成るグループ610の傾斜方向627の配向に類似しており、すなわち、これにより、ライト軸線160から同じ距離を有するLED・光学系ペア720は、それぞれの光束軸線724を有し、これらの光束軸線724と、それぞれのLEDの位置からライト軸線160への垂線とは、実質的に同じ値を有するそれぞれの角度を形成する。光照射野775の領域においてこれによって形成される、投光の環状の領域は、傾斜方向727と、実質的に同じ複数のLED・光学系ペア720の対応する傾斜角度とによって実質的に定められる。
【0078】
図示された例示的な、LEDから成るグループの他に、LEDから成る別のグループにより、光照射野775の周辺において、環状に投光される別の領域が対応して生じてよい。この際には好適には、制御ユニットにより、LEDから成るそれぞれのグループおよび/またはLEDから成るグループのそれぞれの下位グループを駆動制御することができ、これにより、実際の投光の特性をライトによって制御し、例えば温度制御することができる。
【0079】
図8には、本発明による2つのLED・光学系ペアの傾斜角度825および傾斜方向827,827’との概略図が示されている。この図の説明は、本発明に本質的であり、したがってすべての実施例および実施形態にも類似して当てはまる。
【0080】
LED812,812’は、本発明ではプリント基板815に配置されている。2つのLED・光学系ペアの図示された光学系は、同じ構造をしており、したがって同じ傾斜角度825を有する。しかしながら2つの光学系は、それらの配向が、したがってその傾斜方向827,827’が相違している。
【0081】
2つのLED・光学系ペアはそれぞれ、光束軸線824,824’を有する光束を放射し、これらの光束軸線824,824’は、互いにねじれの位置になっておりかつプリント基板法線に対し、空間内にある角度を有する。この空間内にある角度は、球座標系において表すことができる。これにより、本発明での傾斜方向および傾斜角度という用語を説明する。球座標系における記述のために、プリント基板815によって形成される平面は、赤道面を表す光学系の光出射面のそれぞれの中心に対して平行にシフトされ、LED812,812’の中心を通る対応する面法線はこれに対する極軸を表す。この場合に光束軸線824,824’の立体角は、方位角884,884’(経度)および極角888(緯度)によって表すことができる。したがって、同じ2つの光学系を使用することにより、これらの光学系は、同じ極角888、すなわち本発明では同じ傾斜角度825も有する。したがって傾斜角度825および極角888は、本発明では同一である。この傾斜角度825は、光学系の一特性である。付加的な自由度は、好適にはプリント基板に、対応する光学系を取り付ける間に行われる、極軸周りの、すなわちプリント基板法線の周りの方位角884、884’分の光学系の回動によって得られる。2つの光学系が同じ方位角884,884’を有する場合、光束軸線824,824’は平行に延在する。この角度が180°だけシフトされる場合、光束軸線824,824’は、空間における一点において交わり、2つの光束軸線824,824’は互いにねじれの位置にならない。方位角884,884’が0°または180°だけ異なっていない場合、光束軸線824,824’は互いにねじれの位置で延在する。方位角884,884’は、本発明では傾斜方向827,827’を表す。本発明の一実施例には、同じ光学系の少なくとも1つのグループを有する、したがって同じ傾斜角度824も有するが、同時にペア毎に相異なる傾斜方向827,827’を有する照明ユニットが含まれる。
【0082】
図9には、ライト950の第3実施例用の、本発明による照明ユニット900の第3実施例の概略図が示されている。
【0083】
照明ユニット900は、多重に同一に構成されて、ライト950に設けられている。それぞれの照明ユニット内でそれぞれ異なる傾斜方向927を有するLED・光学系ペア920の構造は、わかりやすくするために詳細には示されていない。傾斜方向927を有するLED・光学系ペア920に加え、それぞれの照明ユニット900は、傾斜角度921を有さず、ひいては傾斜方向も有しないLED・光学系ペアを有する。
【0084】
照明ユニット900は、ライト軸線160に対して回転対称に配置されている。
【0085】
図10の断面図から見て取れるのは、傾斜方向927の変更が、供給される光束の放射方向にどのような影響を及ぼすかである。
【0086】
回転対称に配置された照明ユニット900に加え、ライト950は、ライト軸線160の周りに少なくとも部分的に環状に構成されている中央の照明ユニット900’を有する。中央の照明ユニット900’のLED・光学系ペア920’の傾斜角度925’は、
図10に示されているように、回転対称に配置された照明ユニット900のLED・光学系ペア920の傾斜角度925とは相違している。傾斜角度925,925’で示された2つの光束については、対応する傾斜角度を
図10から見て取ることができる。というのは、対応する傾斜方向927は、
図9に対応して、断面線980に対して実質的に平行だからである。
【0087】
最後に
図10では、それぞれのプリント基板915,915’におけるLED・光学系ペアの配置も示されている。この実施例では、回転対称に配置された照明ユニット900のプリント基板915と、中央の照明ユニット900’の固定プレート915’とは互いに相対的にプレート傾斜角度975を有する。さらに
図10にはプリント基板915,915’と、ライト950の基体990との間の有利な直接的な結合も示されている。基体990は、ライト950のヒートシンクとして使用されており、これによってLEDからの熱流は、基体990に向かって流れる。ライト950のコンポーネントを構成するための有利な材料は当業者には公知であるため、以下ではこのことについて触れない。
【0088】
この実施例では同様に、異なるLED・光学系ペアの光束、ならびにそれらの相異なる傾斜角度および傾斜方向も示されている。
図9および
図10からこのことが明確に見て取れないとしても、図示された光束軸線のいくつかは、ペア毎に互いにねじれの位置にあり、これにより、これらはライト950の前の空間において交わらない。
【0089】
それぞれの光学系の構造は、異なるLED・光学系ペア間で相違していてよい。
【符号の説明】
【0090】
100,600,600’,900,900’ 照明ユニット
110,110’,110’’,610,610’ LEDから成るグループ
112,112’,112’’,412,812,812’ LED
115,415,615,615’,815,915,915’ プリント基板
116 仰角
120,120’,320,420,520,620,620’,720,920,920’ LED・光学系ペア
122,122’,122’’,322,422,522,622,622’ 光学系
124,124’,124’’,724,824,824’,924 光束軸線
125,825,925,925’ 傾斜角度
150,650,950 ライト
155 照明ユニット用の収容部
160 ライト軸線
328,428,528 光学系の構造
340,440,540 固定機構
342 コンタクトピン
344 スロット
417 固定プレート
419 ガラスファイバ
423 ミラー化された壁部
442 環状部分
444 溝
470 光出力部
580 位置調整ユニット
627,727,827,827’,927 傾斜方向
611 LEDから成る下位グループ
665 グリップ
690 制御ユニット
775 光照射野
777 鞍部領域
779 光照射野距離
884,884’ 極角
888 方位角
921 傾斜角度を有しないLED・光学系ペア
975 プレート傾斜角度
980 断面線
990 ライトの基体
【外国語明細書】