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特開2022-15914既存柱の補強構造および既存柱の補強方法
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  • 特開-既存柱の補強構造および既存柱の補強方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022015914
(43)【公開日】2022-01-21
(54)【発明の名称】既存柱の補強構造および既存柱の補強方法
(51)【国際特許分類】
   E04G 23/02 20060101AFI20220114BHJP
【FI】
E04G23/02 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020119078
(22)【出願日】2020-07-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002299
【氏名又は名称】清水建設株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001911
【氏名又は名称】特許業務法人アルファ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三輪 隆治
【テーマコード(参考)】
2E176
【Fターム(参考)】
2E176AA07
2E176BB27
(57)【要約】
【課題】既存柱の周囲に小さいスペースしか存在しない構造においても適用可能な補強構造を提供する。
【解決手段】既存柱の補強構造は、既存柱と、少なくとも1つの板状部材と、コンクリート部材と、を備える。補強構造の水平断面において、既存柱は、4つの頂点が既存柱に重なる仮想的な四角形の特定領域の一部または全体である内側領域を規定する第1の部分と第2の部分とからなる組合せであって、第1の部分は、4つの頂点のいずれか1つである第1の頂点に重なる部分であり、第2の部分は、第1の頂点に隣接する頂点である第2の頂点に重なり、かつ、既存柱の第2の部分以外の部分を介さずに第1の部分から離隔している部分である、組合せを少なくとも1つ備える。少なくとも1つの板状部材は、第1の部分と第2の部分とに接触し、かつ、既存柱とともに、内側領域を閉じており、コンクリート部材は、内側領域に充填されている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
既存柱の補強構造であって、
既存柱と、
少なくとも1つの板状部材と、
コンクリート部材と、
を備え、
前記補強構造の水平断面において、
仮想的な四角形の領域であって、前記四角形の4つの頂点が前記既存柱に重なる領域を特定領域としたときに、
前記既存柱は、前記特定領域の一部または全体である内側領域を規定する第1の部分と第2の部分とからなる組合せであって、前記第1の部分は、前記4つの頂点のいずれか1つである第1の頂点に重なる部分であり、前記第2の部分は、前記第1の頂点に隣接する前記頂点である第2の頂点に重なり、かつ、前記既存柱の前記第2の部分以外の部分を介さずに前記第1の部分から離隔している部分である、組合せを少なくとも1つ備え、
前記少なくとも1つの板状部材は、
前記第1の部分と前記第2の部分とに接触し、かつ、前記既存柱とともに、前記内側領域を閉じており、
前記コンクリート部材は、前記内側領域に充填されている、
既存柱の補強構造。
【請求項2】
請求項1に記載の既存柱の補強構造であって、
前記既存柱は、前記組合せを4つ備え、
前記補強構造は、前記板状部材を4つ備える、
既存柱の補強構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の既存柱の補強構造であって、
前記既存柱は、ラチス柱である、
既存柱の補強構造。
【請求項4】
既存柱と、少なくとも1つの板状部材と、コンクリート部材と、を備える補強構造を形成する既存柱の補強方法であって、
前記補強構造の水平断面において、
仮想的な四角形の領域であって、前記四角形の4つの頂点が前記既存柱に重なる領域を特定領域としたときに、
前記既存柱は、前記特定領域の一部または全体である内側領域を規定する第1の部分と第2の部分とからなる組合せであって、前記第1の部分は、前記4つの頂点のいずれか1つである第1の頂点に重なる部分であり、前記第2の部分は、前記第1の頂点に隣接する前記頂点である第2の頂点に重なり、かつ、前記既存柱の前記第2の部分以外の部分を介さずに前記第1の部分から離隔している部分である、組合せを少なくとも1つ備え、
前記補強方法は、
前記第1の部分と前記第2の部分とに接触し、かつ、前記既存柱とともに、前記内側領域を閉じるように前記少なくとも1つの板状部材を設置する設置工程と、
前記内側領域に前記コンクリート部材を充填する、充填工程と、
を備える、
既存柱の補強方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書によって開示される技術は、既存柱の補強構造および既存柱の補強方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、既存柱(例えば、鉄骨造の柱)の耐震力等を向上させるための補強構造として、既存柱の周囲をRCで覆ったRC根巻き補強構造(例えば、特許文献1)や、既存柱の周囲に補強柱を接合させた補強構造(例えば、特許文献2)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-327210号公報
【特許文献2】特開2017-48593号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来の補強構造では、既存柱の周囲にRCまたは補強柱が設置されることにより、水平断面の寸法が既存柱の水平断面の寸法よりも大きくなる。従って、この補強構造を実現(施工)する際には、既存柱の周囲にRCまたは補強柱を設置する十分なスペースが存在することが必要となる。しかしながら、既存柱の周囲に既設建築部材(例えば、配管)等が配置されていて、そのような十分なスペースが存在しないことがある。この補強構造は、そのような十分なスペースが存在しない構造においては、RCまたは補強柱を設置することが出来ず、適用することが出来ない。
【0005】
本明細書では、上述した課題を解決することが可能な技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書に開示される技術は、例えば、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本明細書に開示される既存柱の補強構造は、既存柱と、少なくとも1つの板状部材と、コンクリート部材と、を備える。前記補強構造の水平断面において、仮想的な四角形の領域であって、前記四角形の4つの頂点が前記既存柱に重なる領域を特定領域としたときに、前記既存柱は、前記特定領域の一部または全体である内側領域を規定する第1の部分と第2の部分とからなる組合せであって、前記第1の部分は、前記4つの頂点のいずれか1つである第1の頂点に重なる部分であり、前記第2の部分は、前記第1の頂点に隣接する前記頂点である第2の頂点に重なり、かつ、前記既存柱の前記第2の部分以外の部分を介さずに前記第1の部分から離隔している部分である、組合せを少なくとも1つ備える。前記少なくとも1つの板状部材は、前記第1の部分と前記第2の部分とに接触し、かつ、前記既存柱とともに、前記内側領域を閉じており、前記コンクリート部材は、前記内側領域に充填されている。
【0008】
本補強構造によれば、上述したコンクリート部材を備えることにより、既存柱の耐震力等を向上させることができる。上述したように、既存柱の耐震力等を向上させる部材であるコンクリート部材は、特定領域の一部または全体である内側領域に充填されている。これに対し、仮に従来のように既存柱の耐震力等を向上させる部材(RCまたは補強柱)を既存柱の周囲に設置する構成においては、既存柱の耐震力等を向上させる部材は、内側領域の外部のみに設置される。よって、この構成において、本補強構造における耐震力と同等の耐震力を実現しようとすると、水平断面の寸法が本補強構造の水平断面の寸法よりも大きくなる。以上の説明から明らかなように、本補強構造によれば、既存柱の周囲にRCまたは補強柱を設置する従来の補強構造と比較して、水平断面の寸法が大きくなることが抑制される。そのため、本補強構造は、従来の補強構造においてRCまたは補強柱を設置するために必要なスペースよりも小さいスペースしか存在しない構造においても適用可能である。
【0009】
(2)上記補強構造において、前記既存柱は、前記組合せを4つ備え、前記補強構造は、前記板状部材を4つ備える構成としてもよい。本補強構造によれば、上述したように上記補強構造の水平断面の寸法が大きくなることを抑制しながらも、4つ未満の板状部材を備える構成よりも効果的に、既存柱の耐震力等を向上させることができる。
【0010】
(3)上記補強構造において、前記既存柱は、ラチス柱である構成としてもよい。既存柱がラチス柱である構成においては、上述した課題(水平断面の寸法が大きくなることにより補強構造を適用できないという課題)が生じやすい。従って、上記少なくとも1つの板状部材と、上記コンクリート部材と、を備える本補強構造の構成は、ラチス柱である既存柱に適用されることが特に好適である。
【0011】
(4)本明細書に開示される既存柱の補強方法は、既存柱と、少なくとも1つの板状部材と、コンクリート部材と、を備える補強構造を形成する。前記補強構造の水平断面において、仮想的な四角形の領域であって、前記四角形の4つの頂点が前記既存柱に重なる領域を特定領域としたときに、前記既存柱は、前記特定領域の一部または全体である内側領域を規定する第1の部分と第2の部分とからなる組合せであって、前記第1の部分は、前記4つの頂点のいずれか1つである第1の頂点に重なる部分であり、前記第2の部分は、前記第1の頂点に隣接する前記頂点である第2の頂点に重なり、かつ、前記既存柱の前記第2の部分以外の部分を介さずに前記第1の部分から離隔している部分である、組合せを少なくとも1つ備える。前記補強方法は、前記第1の部分と前記第2の部分とに接触し、かつ、前記既存柱とともに前記内側領域を閉じるように前記少なくとも1つの板状部材を設置する設置工程と、前記内側領域に前記コンクリート部材を充填する、充填工程と、を備える。本補強方法によれば、上述した補強構造により得られる効果と同様に、既存柱の周囲に、従来のようにRCまたは補強柱を設置するために必要なスペースよりも小さいスペースしか存在しない構造においても適用可能である、という効果が得られる。
【0012】
なお、本明細書に開示される技術は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、既存柱の補強構造、既存柱の補強方法等の形態で実現することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本実施形態の既存柱10の補強構造100の構成を示す説明図
図2図1のII-IIの位置における補強構造100の水平断面(XY断面)構成を示す説明図
図3】本実施形態の既存柱10の補強方法の流れを示すフローチャート
図4】本実施形態の既存柱10の補強方法の概要を示す説明図
図5】変形例の補強構造100Aの構成を示す説明図
図6】変形例の補強構造100Bの構成を示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0014】
A.実施形態:
A-1.本実施形態の既存柱10の補強構造100の構成:
各図には、方向を特定するための互いに直交するXYZ軸が示されている。図1は、本実施形態の既存柱10の補強構造100の構成を示す説明図である。Z軸正方向が上方向であり、Z軸負方向が下方向である。図1には、水平方向(Y軸方向)視における補強構造100の上部の外観構成が示されている(下部の図示は省略)。図2は、図1のII-IIの位置における補強構造100の水平断面(XY断面)構成を示す説明図である。
【0015】
本実施形態の補強構造100は、既存柱10を備え、さらに、既存柱10の耐震力等を向上させるための4つの板状部材(31、・・・、34)およびコンクリート部材40が設けられることにより補強された後の構造体である。なお、板状部材(31、・・・、34)およびコンクリート部材40の詳細構成については後述する。
【0016】
図1および図2に示すように、既存柱10は、ラチス柱であり、長手方向が上下方向(Z軸方向)に沿うように備えられた4つの山型鋼(アングル)(第1の山型鋼11、・・・、第4の山型鋼14)と、これらの内の2つの山型鋼からなる各組合せにより挟まれた複数の平鋼(ラチス)20とを備えている。
【0017】
以下、図2を参照しつつ、4つの山型鋼(第1の山型鋼11、・・・、第4の山型鋼14)の水平断面の構成について説明する。
【0018】
第1の山型鋼11は、Y軸方向に延伸するY軸延伸部111と、Y軸延伸部111のY軸負方向の端部からX軸負方向に延伸するX軸延伸部112と、を備えている。同様に、第2の山型鋼12は、X軸方向に延伸するX軸延伸部121と、X軸延伸部121のX軸負方向の端部からY軸正方向に延伸するY軸延伸部122と、を備えている。同様に、第3の山型鋼13は、Y軸方向に延伸するY軸延伸部131と、Y軸延伸部131のY軸正方向の端部からX軸正方向に延伸するX軸延伸部132と、を備えている。同様に、第4の山型鋼14は、X軸方向に延伸するX軸延伸部141と、X軸延伸部141のX軸正方向の端部からY軸負方向に延伸するY軸延伸部142と、を備えている。以上の説明から明らかなように、各山型鋼は、補強構造100の水平断面において、山型の山頂側が外側に位置するように備えられている。
【0019】
4つの山型鋼(第1の山型鋼11、・・・、第4の山型鋼14)は、補強構造100の水平断面における仮想的な四角形(後述する特定領域SA1を規定する仮想的な四角形)の4つの頂点(V11、・・・、V14)の各頂点に1つの山型鋼が重なるように備えられている。具体的には、第1の山型鋼11は、頂点V11に重なっており、第2の山型鋼12は、頂点V12に重なっており、第3の山型鋼13は、頂点V13に重なっており、第4の山型鋼14は、頂点V14に重なっている。なお、頂点V11は、頂点V14と頂点V12とに隣接する頂点であり、頂点V12は、頂点V11と頂点V13とに隣接する頂点であり、頂点V13は、頂点V12と頂点V14とに隣接する頂点であり、頂点V14は、頂点V13と頂点V11とに隣接する頂点である。ここでいう「ある頂点Aに隣接する頂点B」とは、上記四角形の一辺を頂点Aと共有する頂点である(以下同様)。
【0020】
第1の山型鋼11は、既存柱10の第1の山型鋼11以外の部分を介さずに第4の山型鋼14から離隔している。第2の山型鋼12は、既存柱10の第2の山型鋼12以外の部分を介さずに第1の山型鋼11から離隔している。第3の山型鋼13は、既存柱10の第3の山型鋼13以外の部分を介さずに第2の山型鋼12から離隔している。第4の山型鋼14は、既存柱10の第4の山型鋼14以外の部分を介さずに第3の山型鋼13から離隔している。ここでいう「部分Aは、部分Bを介さずに部分Cから離隔している」とは、部分Aは、部分Aと部分Cとを結ぶ直線上において、部材Bを介さずに部分Cから離隔しているということである(以下、同様)。従って、第1の山型鋼11は、部分第1の山型鋼11と第4の山型鋼14とを結ぶ直線上において、既存柱10の第1の山型鋼11以外の部分を介さずに第4の山型鋼14から離隔しており、そのような構成であれば、本実施形態のように平鋼20を介して第4の山型鋼14と接続していてもよい(第2の山型鋼12、・・・、第4の山型鋼14についても同様)。
【0021】
上記の説明から明らかなように、本実施形態の既存柱10は、下記の条件を満たしている。
【0022】
第1の山型鋼11と第2の山型鋼12とからなる組合せ(以下、「組合せC1」という。)においては、第1の山型鋼11は、頂点V11に重なっており、第2の山型鋼12は、頂点V12(頂点V11に隣接する頂点)に重なり、かつ、既存柱10の第2の山型鋼12以外の部分を介さずに第1の山型鋼11から離隔している。なお、第1の山型鋼11と第2の山型鋼12とからなる組合せC1において、第1の山型鋼11は、特許請求の範囲における第1の部分に相当し、第2の山型鋼12は、特許請求の範囲における第2の部分に相当し、頂点V11は、特許請求の範囲における第1の頂点に相当し、頂点V12は、特許請求の範囲における第2の頂点に相当する。
【0023】
第2の山型鋼12と第3の山型鋼13とからなる組合せ(以下、「組合せC2」という。)においては、第2の山型鋼12は、頂点V12に重なっており、第3の山型鋼13は、頂点V13(頂点V12に隣接する頂点)に重なり、かつ、既存柱10の第3の山型鋼13以外の部分を介さずに第2の山型鋼12から離隔している。なお、第2の山型鋼12と第3の山型鋼13とからなる組合せC2において、第2の山型鋼12は、特許請求の範囲における第1の部分に相当し、第3の山型鋼13は、特許請求の範囲における第2の部分に相当し、頂点V12は、特許請求の範囲における第1の頂点に相当し、頂点V13は、特許請求の範囲における第2の頂点に相当する。
【0024】
第3の山型鋼13と第4の山型鋼14とからなる組合せ(以下、「組合せC3」という。)においては、第3の山型鋼13は、頂点V13に重なっており、第4の山型鋼14は、頂点V14(頂点V13に隣接する頂点)に重なり、かつ、既存柱10の第4の山型鋼14以外の部分を介さずに第3の山型鋼13から離隔している。なお、第3の山型鋼13と第4の山型鋼14とからなる組合せC3において、第3の山型鋼13は、特許請求の範囲における第1の部分に相当し、第4の山型鋼14は、特許請求の範囲における第2の部分に相当し、頂点V13は、特許請求の範囲における第1の頂点に相当し、頂点V14は、特許請求の範囲における第2の頂点に相当する。
【0025】
第4の山型鋼14と第1の山型鋼11とからなる組合せ(以下、「組合せC4」という。)においては、第4の山型鋼14は、頂点V14に重なっており、第1の山型鋼11は、頂点V11(頂点V14に隣接する頂点)に重なり、かつ、既存柱10の第1の山型鋼11以外の部分を介さずに第4の山型鋼14から離隔している。なお、第4の山型鋼14と第1の山型鋼11とからなる組合せC4において、第4の山型鋼14は、特許請求の範囲における第1の部分に相当し、第1の山型鋼11は、特許請求の範囲における第2の部分に相当し、頂点V14は、特許請求の範囲における第1の頂点に相当し、頂点V11は、特許請求の範囲における第2の頂点に相当する。
【0026】
各平鋼20は、梁材(ラチス)であり、図1に示すように、長手方向が水平方向(図1においては、X軸方向)に対して傾斜するように備えられている。各平鋼20の傾斜方向は、上下方向(Z軸方向)の隣の平鋼20の傾斜方向とは逆である。各平鋼20の長手方向の両端には平鋼用ボルト50が備えられており、各平鋼20は、この2つの平鋼用ボルト50により、当該平鋼20を挟む2つの山型鋼に接合されている。
【0027】
A-2.板状部材(31、・・・、34)およびコンクリート部材40の詳細構成:
図1および図2に示すように、板状部材(31、・・・、34)は、例えば木材または鋼材により構成され、後述する内側領域IA1にコンクリート部材40を充填する際の型枠の一部として機能する部材である。各板状部材(31、・・・、34)の上下方向(Z軸方向)の全長は、山型鋼(第1の山型鋼11、・・・、第4の山型鋼14)の上下方向の全長と略同一である。また、各板状部材(31、・・・、34)は、後述するように内側領域IA1を閉じるために十分な寸法を有している。コンクリート部材40は、既存柱10を補強するための部材である。
【0028】
以下、図2を参照しながら、板状部材(31、・・・、34)およびコンクリート部材40の水平断面の構成について説明する。板状部材(31、・・・、34)およびコンクリート部材40は、上下方向(Z軸方向)の略全長に亘って下記に説明する構成をなしている。なお、図2に示す仮想的な四角形(以下、「上記四角形」という。)の領域を「特定領域SA1」という。当該四角形は、本実施形態では、矩形であり、より具体的には正方形である(図5に示す変形例、および図6に示す変形例においても同様)。また、特定領域SA1は、以下に説明する構成である限りにおいて任意の構成であってよい(変形例における特定領域(SA1、SA2)についても同様)。
【0029】
各板状部材(31、・・・、34)は、当該板状部材に接触する2つの山型鋼の間に位置し、かつ、板厚方向が上記四角形の辺に直交するように備えられている。
【0030】
板状部材31は、第1の山型鋼11と第2の山型鋼12とに接触している。より具体的には、板状部材31は、第1の山型鋼11のX軸延伸部112のX軸負方向の端部と、第2の山型鋼12のX軸延伸部121のX軸正方向の端部とに接触している。
【0031】
同様に、板状部材32は、第2の山型鋼12と第3の山型鋼13とに接触している。より具体的には、板状部材32は、第2の山型鋼12のY軸延伸部122のY軸正方向の端部と、第3の山型鋼13のY軸延伸部131のY軸負方向の端部とに接触している。
【0032】
同様に、板状部材33は、第3の山型鋼13と第4の山型鋼14とに接触している。より具体的には、板状部材33は、第3の山型鋼13のX軸延伸部132のX軸正方向の端部と、第4の山型鋼14のX軸延伸部141のX軸負方向の端部とに接触している。
【0033】
同様に、板状部材34は、第4の山型鋼14と第1の山型鋼11とに接触している。より具体的には、板状部材34は、第4の山型鋼14のY軸延伸部142のY軸負方向の端部と、第1の山型鋼11のY軸延伸部111のY軸正方向の端部とに接触している。
【0034】
図1に示すように、各板状部材(31、・・・、34)は、2つの板状部材用ボルト60により、平鋼20に接合されている。また、4つの板状部材のうちの1つである板状部材31の上部には、開口部310が形成されている。開口部310は、コンクリート部材40を形成する硬化前のコンクリート40Aを内側領域IA1に流し込む際に利用するためのものである。本実施形態では、一例として、開口部310は、Y軸方向視において略円形状である。
【0035】
上述した山型鋼の各組合せ(C1、・・・、C4)は、特定領域SA1の一部である領域(以下、「内側領域IA1」という。)の外周の一部を規定している。4つの板状部材(31、・・・、34)は、内側領域IA1の外周の残りの部分を規定している。すなわち、内側領域IA1の外周の全体は、4つの組合せC1、・・・、C4と、4つの板状部材(31、・・・、34)と、により規定されている。換言すると、内側領域IA1は、山型鋼の組合せC1~C4と、4つの板状部材(31、・・・、34)とが備えられることにより、閉じられている。
【0036】
コンクリート部材40は、内側領域IA1に充填されている。
【0037】
A-3.既存柱10の補強方法:
図3は、本実施形態の既存柱10の補強方法の流れを示すフローチャートである。図4は、本実施形態の既存柱10の補強方法の概要を示す説明図である。はじめに、上述した4つの板状部材(31、・・・、34)を準備する(S10)。このとき、上述したように、4つの板状部材のうちの1つについては、上部に開口部310が形成された板状部材31を準備する。
【0038】
次に、既存柱10に、4つの板状部材(31、・・・、34)を設置する(S11)。このとき、上述したように内側領域IA1を閉じるように4つの板状部材(31、・・・、34)を設置する。以下、S11の工程を「設置工程S11」という。
【0039】
図4のA欄には、板状部材(31、・・・、34)を設置する前の状態が示されており、B欄には板状部材(31、・・・、34)を設置した後の状態が示されている。図4のB欄に示すように、設置工程S11では、第1の山型鋼11と第2の山型鋼12とに接触し、かつ、既存柱10とともに、内側領域IA1を閉じるように板状部材31を設置する。また、第2の山型鋼12と第3の山型鋼13とに接触し、かつ、既存柱10とともに、内側領域IA1を閉じるように板状部材32を設置する。また、第3の山型鋼13と第4の山型鋼14とに接触し、かつ、既存柱10とともに、内側領域IA1を閉じるように板状部材33を設置する。また、第4の山型鋼14と第1の山型鋼11とに接触し、かつ、既存柱10とともに、内側領域IA1を閉じるように板状部材34を設置する。このとき、各板状部材(31、・・・、34)は、上述したように板状部材用ボルト60(本実施形態では、2つの板状部材用ボルト60)により、平鋼20に接合する。また、内側領域IA1から外部への漏水等を防止するために、内側領域IA1を封止するためのシーリング材の充填などを行う。
【0040】
次に、内側領域IA1にコンクリート部材40を充填する(S12)。具体的には、図4のC欄に示すように、コンクリート部材40を形成するための硬化前のコンクリート40Aを、板状部材31の開口部310から内側領域IA1に流し込んだ後、養生を行うことにより、コンクリート40Aを硬化させることにより、内側領域IA1に充填されたコンクリート部材40を形成する。S12の工程は、特許請求の範囲の充填工程に相当する。以上の工程を経て、本実施形態の既存柱10の補強構造100は実現(施工)される。
【0041】
A-4.本実施形態の効果:
以上説明したように、本実施形態の既存柱10の補強構造100は、既存柱10と、4つの板状部材(31、・・・、34)と、コンクリート部材40と、を備えている。補強構造100の水平断面(XY断面)において、既存柱10は、特定領域SA1の一部である内側領域IA1を規定する第1の部分と第2の部分とからなる組合せであって、第1の部分は、4つの頂点(V11、・・・、V14)のいずれか1つである第1の頂点に重なる部分であり、第2の部分は、第1の頂点に隣接する頂点である第2の頂点に重なり、かつ、既存柱10の第2の部分以外の部分を介さずに第1の部分から離隔している部分である、組合せを4つ備えている(C1、・・・、C4)。本実施形態では、第1の部分と第2の部分とからなる組合せとは、第1の山型鋼11(第1の部分)と第2の山型鋼12(第2の部分)とからなる組合せC1、第2の山型鋼12(第1の部分)と第3の山型鋼13(第2の部分)とからなる組合せC2、第3の山型鋼13(第1の部分)と第4の山型鋼14(第2の部分)とからなる組合せC3、第4の山型鋼14(第1の部分)と第1の山型鋼11(第2の部分)とからなる組合せC4の4つである。特定領域SA1は、補強構造100の水平断面における仮想的な四角形の領域であって、四角形の4つの頂点(V11、・・・、V14)が既存柱10に重なる領域である。上述した板状部材(31、・・・、34)は、第1の部分と第2の部分とに接触し、かつ、既存柱10とともに、内側領域IA1を閉じている。コンクリート部材40は、内側領域IA1に充填されている。
【0042】
本実施形態の補強構造100によれば、上述したコンクリート部材40を備えることにより、既存柱10の耐震力等を向上させることができる。上述したように、既存柱10の耐震力等を向上させる部材であるコンクリート部材40は、特定領域SA1の一部である内側領域IA1に充填されている。これに対し、仮に従来のように既存柱10の耐震力等を向上させる部材(RCまたは補強柱)を既存柱10の周囲に設置する構成においては、既存柱10の耐震力等を向上させる部材は、内側領域IA1の外部のみに設置される。よって、この構成において、本実施形態の補強構造100における耐震力と同等の耐震力を実現しようとすると、水平断面の寸法が本実施形態の補強構造100の水平断面の寸法よりも大きくなる。以上の説明から明らかなように、本実施形態の補強構造100によれば、既存柱10の周囲にRCまたは補強柱を設置する従来の補強構造と比較して、水平断面の寸法が大きくなることが抑制される。そのため、本補強構造100は、従来の補強構造においてRCまたは補強柱を設置するために必要なスペースよりも小さいスペースしか存在しない構造においても適用可能である。
【0043】
既存柱10は、上記組合せを4つ備えている(C1、・・・、C4)。既存柱10の補強構造100は、板状部材を4つ備えている(31、・・・、34)。そのため、本実施形態の既存柱10の補強構造100によれば、上述したように補強構造100の水平断面の寸法が大きくなることを抑制しながらも、4つ未満の板状部材を備える構成よりも効果的に、既存柱10の耐震力等を向上させることができる。
【0044】
既存柱10は、ラチス柱である。既存柱10がラチス柱である構成においては、上述した課題(水平断面の寸法が大きくなることにより補強構造を適用できないという課題)が生じやすい。従って、上記板状部材(31、・・・、34)と、上記コンクリート部材40と、を備える補強構造100の構成は、本実施形態のようにラチス柱である既存柱10に適用されることが特に好適である。
【0045】
B.変形例:
本明細書で開示される技術は、上述の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の形態に変形することができ、例えば次のような変形も可能である。
【0046】
例えば、上記実施形態では、既存柱10は、内側領域IA1を規定する第1の部分と第2の部分とからなる組合せであって、第1の部分は、4つの頂点(V11、・・・、V14)のいずれか1つである第1の頂点に重なる部分であり、第2の部分は、第1の頂点に隣接する頂点である第2の頂点に重なり、かつ、既存柱10の第2の部分以外の部分を介さずに第1の部分から離隔している部分である、組合せ(以下、「上記組合せ」という。)を4つ備えている(C1、・・・、C4)。しかしながら、既存柱10が備える当該組合せの個数は、1つ以上であればよく、特に限定されるものではない。従って、1~3つ、または5つ以上の当該組合せを備える既存柱に、上記実施形態のような、少なくとも1つの板状部材およびコンクリート部材を備える構成を適用してもよい。
【0047】
また、上記実施形態(または変形例、以下同様)では、補強構造100は、4つの板状部材(31、・・・、34)を備えているが、4つの板状部材(31、・・・、34)のうちの1~3つのみを備えるとしてもよい。また、既存柱が備える上記組合せの個数を上限とする任意の個数の板状部材を備えるとしてもよい。
【0048】
また、上記実施形態では、「既存柱は、内側領域(コンクリート部材が充填される領域)を規定する第1の部分と第2の部分とからなる組合せであって、第1の部分は、4つの頂点のいずれか1つである第1の頂点に重なる部分であり、第2の部分は、第1の頂点に隣接する頂点である第2の頂点に重なり、かつ、既存柱10の第2の部分以外の部分を介さずに第1の部分から離隔している部分である、組合せを少なくとも1つ備える。」、かつ、「板状部材は、第1の部分と第2の部分とに接触し、かつ、既存柱とともに、内側領域を閉じている。」という条件を満たす限り、既存柱、板状部材、および平鋼等の他部材の構成(形状、材質など)は上述したものに限定されるものではない。
【0049】
図5は、変形例の補強構造100Aの構成を示す説明図である。図5には、変形例の補強構造100Aの水平断面(XY断面)の構成が示されている。例えば、上記実施形態において、図5に示すように、板状部材(31A、・・・、34A)は、当該板状部材に接触する2つの山型鋼の間ではなく、当該板状部材に接触する2つの山型鋼の外側に位置し、かつ、板厚方向が上記四角形の辺に直交する構成としてもよい。図5の変形例においては、補強構造100Aの水平断面(例えば、図5に示す断面)において、既存柱10は、特定領域SA1の一部である内側領域IA2を規定する第1の部分と第2の部分とからなる組合せであって、第1の部分は、4つの頂点(V11、・・・、V14)のいずれか1つである第1の頂点に重なる部分であり、第2の部分は、第1の頂点に隣接する頂点である第2の頂点に重なり、かつ、既存柱10の第2の部分以外の部分を介さずに第1の部分から離隔している部分である、組合せを4つ備えている(C1、・・・、C4)。
【0050】
上述した板状部材(31、・・・、34)は、第1の部分と第2の部分とに接触し、かつ、既存柱10とともに、内側領域IA2を閉じている。コンクリート部材41は、内側領域IA2に充填されている。
【0051】
図5の変形例においても、上記実施形態と同様の効果(既存柱10の周囲に、従来のようにRCまたは補強柱を設置するために必要なスペースよりも小さいスペースしか存在しない構造においても適用可能である)が得られる。なお、このとき、板状部材(31、・・・、34)は、上記実施形態のように平鋼20に、ではなく、当該板状部材(31、・・・、34)に接触する2つの山型鋼(第1の山型鋼11、・・・、第4の山型鋼14)に、ボルト等により接合された構成とするとよい。
【0052】
また、上記実施形態のようにラチス柱である既存柱10ではなく、ラチス柱以外の種類の既存柱に、上記板状部材と、上記コンクリート部材と、を備える補強構造の構成を適用してもよい。
【0053】
図6は、変形例の補強構造100Bの構成を示す説明図である。図6には、変形例の補強構造100Bの水平断面(XY断面)の構成が示されている。例えば、図6に示すように、H型鋼で構成された既存柱10Bに、板状部材(31B、32B)と、コンクリート部材(40B、41B)と、を備える補強構造100Bの構成を適用してもよい。既存柱10B(H型鋼)の長手方向は、上下方向(Z軸方向)に沿っている。
【0054】
図6を参照しつつ、変形例の補強構造100Bの水平断面の構成について説明する。
【0055】
既存柱10Bは、Y軸方向に延伸する第1のY軸延伸部11Bと、第1のY軸延伸部11Bに対してX軸負方向側に位置し、Y軸方向に延伸する第2のY軸延伸部12Bと、第1のY軸延伸部11Bと第2のY軸延伸部12Bとに接続し、X軸方向に延伸するX軸延伸部13Bと、を備えている。図6に示す仮想的な四角形の領域である特定領域SA2の四角形の4つの頂点(V21、・・・、V24)は、既存柱10Bに重なっている。
【0056】
第1のY軸延伸部11BのY軸負方向側の部分111Bと、第2のY軸延伸部12BのY軸負方向側の部分121Bと、からなる組合せ(以下、「組合せC11」という。)においては、第1のY軸延伸部11BのY軸負方向側の部分111Bは、頂点V21に重なっており、第2のY軸延伸部12BのY軸負方向側の部分121Bは、頂点V22(頂点V21に隣接する頂点)に重なり、かつ、既存柱10Bの第2のY軸延伸部12BのY軸負方向側の部分121B以外の部分を介さずに第1のY軸延伸部11BのY軸負方向側の部分111Bから離隔している。また、板状部材31Bは、第1のY軸延伸部11BのY軸負方向側の部分111Bと、第2のY軸延伸部12BのY軸負方向側の部分121Bとに接触している。なお、第1の山型鋼11と第2の山型鋼12とからなる組合せC1において、第1のY軸延伸部11BのY軸負方向側の部分111Bは、特許請求の範囲における第1の部分に相当し、第2のY軸延伸部12BのY軸負方向側の部分121Bは、特許請求の範囲における第2の部分に相当し、頂点V21は、特許請求の範囲における第1の頂点に相当し、頂点V22は、特許請求の範囲における第2の頂点に相当する。
【0057】
図6の変形例においては、補強構造100Bの水平断面(例えば、図6に示す断面)において、既存柱10Bは、特定領域SA2の一部である内側領域IA3および内側領域IA4を規定する第1の部分と第2の部分とからなる組合せであって、第1の部分は、4つの頂点(V21、・・・、V24)のいずれか1つである第1の頂点に重なる部分であり、第2の部分は、第1の頂点に隣接する頂点である第2の頂点に重なり、かつ、既存柱10の第2の部分以外の部分を介さずに第1の部分から離隔している部分である、組合せを4つ備えている(C11、・・・、C14)。
【0058】
上述した板状部材(31B、32B)は、第1の部分と第2の部分とに接触し、かつ、既存柱10Bとともに、特定領域SA2の一部である内側領域IA3および内側領域IA4を閉じている。コンクリート部材40は、内側領域IA3および内側領域IA4に充填されている。
【0059】
図6の変形例においても、上記実施形態と同様の効果(既存柱10Bの周囲に、従来のようにRCまたは補強柱を設置するために必要なスペースよりも小さいスペースしか存在しない構造においても適用可能である)が得られる。
【0060】
上記実施形態において、特定領域(SA1、・・・、SA4)を規定する仮想的な四角形は、矩形以外の四角形(例えば、平行四辺形、台形)であってもよい。
【0061】
また、上記実施形態では、内側領域(IA1、・・・、IA4)は、特定領域SA1の一部であるが、特定領域(SA1、SA2)の全体であってもよい。
【0062】
また、上述した補強構造を構成する各部材を接合する構造は、上述した構造に限られるものではない。上記実施形態では、各部材をボルトで接合した構成であるが、各部材を、例えば溶接により接合した構成であってもよい。
【0063】
また、上記第1実施形態等において、山型鋼(第1の山型鋼11、・・・、第4の山型鋼14)に換えて平鋼を用いてもよい。
【符号の説明】
【0064】
10、10B:既存柱 11:第1の山型鋼 11B:第1のY軸延伸部 12:第2の山型鋼 12B:第2のY軸延伸部 13:第3の山型鋼 13B:X軸延伸部 14:第4の山型鋼 20:平鋼 31~34、31B、32B:板状部材 40、41:コンクリート部材 40A:硬化前のコンクリート 50:平鋼用ボルト 60:板状部材用ボルト 100、100A、100B:補強構造 111:第1の山型鋼のY軸延伸部 111B:第1のY軸延伸部のY軸負方向側の部分 112:第1の山型鋼のX軸延伸部 121:第2の山型鋼のX軸延伸部 121B:第2のY軸延伸部のY軸負方向側の部分 122:第2の山型鋼のY軸延伸部 131:第3の山型鋼のY軸延伸部 132:第3の山型鋼のX軸延伸部 141:第4の山型鋼のX軸延伸部 142:第4の山型鋼のY軸延伸部 310:開口部 C1~C4、C11~C14:第1の部分と第2の部分からなる組合せ IA1~IA4:内側領域 SA1、SA2:特定領域 V11~V14、V21~V24:特定領域の四角形の頂点
図1
図2
図3
図4
図5
図6