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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159179
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】吸気装置
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/10 20060101AFI20221006BHJP
   B62J 40/00 20200101ALI20221006BHJP
   B62J 23/00 20060101ALI20221006BHJP
   F02M 35/16 20060101ALI20221006BHJP
   F02M 35/024 20060101ALI20221006BHJP
   F02B 29/02 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
F02M35/10 101E
B62J40/00
B62J23/00 H
B62J23/00 F
F02M35/10 101M
F02M35/10 101L
F02M35/10 301D
F02M35/16 L
F02M35/16 M
F02M35/024 511C
F02B29/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057620
(22)【出願日】2022-03-30
(31)【優先権主張番号】P 2021061800
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原本 貴之
(72)【発明者】
【氏名】森 裕樹
(72)【発明者】
【氏名】▲瀬▼尾 哲
(72)【発明者】
【氏名】岩谷 泰慎
(57)【要約】
【課題】吸気装置の吸気効率を向上する。
【解決手段】吸気装置は、エアクリーナーケースから延出する吸気ダクト(53)を介して吸気し、吸気ダクト(53)内の吸気の流れを吸気ダクト(53)の軸線(53a)を中心に回転する流れにする渦生成部(55)を備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアクリーナーケース(51,251)から延出する吸気ダクト(53,54,253,254)を介して吸気する吸気装置において、
前記吸気ダクト(53,54,253,254)内の吸気の流れを前記吸気ダクト(53,54,253,254)の軸線(53a,54a,253a,254a)を中心に回転する流れにする渦生成部(55,255)を備えることを特徴とする吸気装置。
【請求項2】
前記吸気ダクト(53,54,253,254)は、前記吸気ダクト(53,54,253,254)内に吸気を取り入れる吸気開口部(53b,54b,253b,254b)を先端部に備え、
前記渦生成部(55,255)は、前記吸気開口部(53b,54b,253b,254b)に設けられることを特徴とする請求項1記載の吸気装置。
【請求項3】
前記エアクリーナーケース(51,251)内は、吸気を浄化するエアフィルター(59,259)によって仕切られ、
前記吸気ダクト(53,54,253,254)は、前記エアフィルター(59,259)の上流側において前記エアクリーナーケース(51,251)に左右一対で設けられ、
前記エアクリーナーケース(51,251)は、前記吸気ダクト(53,54,253,254)が接続されるダクト接続開口部(60d,60e,260d,260e)を左右一対備え、左右の前記ダクト接続開口部(60d,60e,260d,260e)は、互いに対向することを特徴とする請求項1または2記載の吸気装置。
【請求項4】
前記吸気ダクト(253,254)の下流端(253c,254c)は、前記ダクト接続開口部(260d,260e)で前記エアクリーナーケース(251)内に開口することを特徴とする請求項3記載の吸気装置。
【請求項5】
前記吸気ダクト(53,54)は、前記エアクリーナーケース(51)から外側に延出する外側ダクト部(63,73)と、前記エアクリーナーケース(51)内を延びる内側ダクト部(64,74)とを備え、
前記渦生成部(55)は、前記外側ダクト部(63,73)に配置され、
前記内側ダクト部(64,74)の下流端(64a,74a)は、前記エアフィルター(59)に向けて開口することを特徴とする請求項3記載の吸気装置。
【請求項6】
前記吸気ダクト(53,54,253,254)は、左右一対設けられ、
前記渦生成部(55,255)は、左右の前記吸気ダクト(53,54,253,254)にそれぞれ配置され、
左右の前記渦生成部(55,255)は、同一方向に吸気の流れを回転させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の吸気装置。
【請求項7】
前記吸気装置は、鞍乗り型車両(10)に搭載され、
鞍乗り型車両(10)は、ラジエーター(37)を側方から覆うラジエーターシュラウド(40)を備え、
前記ラジエーターシュラウド(40)は、前記吸気開口部(53b,54b)を覆う部分を備え、前記渦生成部(55)は、前記ラジエーターシュラウド(40)に一体に設けられることを特徴とする請求項2記載の吸気装置。
【請求項8】
前記鞍乗り型車両(10)は、燃料タンク(29)と、前記燃料タンク(29)の少なくとも一部を覆うタンクカバー(39)とを備え、
前記タンクカバー(39)は、前記吸気開口部(53b,54b)を車両前方及び車幅方向外側から覆い、前記タンクカバー(39)は前方に開口するカバー開口(42c)を備え、
前記ラジエーターシュラウド(40)は、前記カバー開口(42c)の後方且つ前記吸気開口部(53b,54b)の前方に仕切り壁(84)を備え、
前記仕切り壁(84)は、前記カバー開口(42c)からの走行風を後方に通す開口部(84a)を備えることを特徴とする請求項7記載の吸気装置。
【請求項9】
前記吸気ダクト(53,54)は、前記開口部(84a)よりも上方に位置することを特徴とする請求項8記載の吸気装置。
【請求項10】
前記吸気装置は、鞍乗り型車両(10)に搭載され、
前記吸気ダクト(53,54)は、前記エアクリーナーケース(51)から車幅方向外側に延出し、
前記渦生成部(55)は、前記吸気開口部(53b,54b)に連通する入口開口(86c)と、前記入口開口(86c)から前方に延びるガイド部(87)とを備え、
前記入口開口(86c)は、上方及び下方の一方に向けて開口し、
前記ガイド部(87)は、前記入口開口(86c)に対し前記一方の側で車両前後方向に延びる第1ガイド壁(87a)と、前記第1ガイド壁(87a)の後端と前記入口開口(86c)の後端部とを繋ぐ第2ガイド壁(87b)とを備えることを特徴とする請求項2記載の吸気装置。
【請求項11】
前記第2ガイド壁(87b)は、前記吸気ダクト(53,54)の軸方向視で、前記吸気ダクト(53,54)の内周に沿う円弧状に形成されていることを特徴とする請求項10記載の吸気装置。
【請求項12】
前記渦生成部(55)は、前記入口開口(86c)の下流側に、前記渦生成部(55)によって回転させられた吸気の回転方向に向かうに従って車幅方向内側に位置するように傾斜する斜面部(86b)を備えることを特徴とする請求項10または11記載の吸気装置。
【請求項13】
前記ガイド部(87)を流れる吸気は、前記吸気ダクト(53,54)の軸方向視で、前記第1ガイド壁(87a)及び第2ガイド壁(87b)に沿って流れて70°以上向きを変えられて、前記入口開口(86c)に流れることを特徴とする請求項10から12のいずれかに記載の吸気装置。
【請求項14】
鞍乗り型車両(10)は、ラジエーター(37)を側方から覆うラジエーターシュラウド(40)を備え、
前記ラジエーターシュラウド(40)は、前記吸気開口部(53b,54b)を覆う部分を備え、前記渦生成部(55)は、前記ラジエーターシュラウド(40)に一体に設けられ、
前記鞍乗り型車両(10)は、燃料タンク(29)と、前記燃料タンク(29)の少なくとも一部を覆うタンクカバー(39)とを備え、
前記タンクカバー(39)は、前記吸気開口部(53b,54b)を車両前方及び車幅方向外側から覆うとともに、前方に開口するカバー開口(42c)を備え、
前記ラジエーターシュラウド(40)は、前記カバー開口(42c)の後方且つ前記吸気開口部(53b,54b)の前方に仕切り壁(84)を備え、
前記仕切り壁(84)は、前記カバー開口(42c)からの走行風を後方に通す開口部(84a)を備え、
前記入口開口(86c)は、下方に向けて開口し、
前記第1ガイド壁(87a)は、前記入口開口(86c)に対し下方側で車両前後方向に延び、前記第2ガイド壁(87b)は、前記第1ガイド壁(87a)から前記入口開口(86c)の前記後端部に向けて上方に延び、
前記開口部(84a)は、前記入口開口(86c)の下方且つ前記第1ガイド壁(87a)の前方に位置することを特徴とする請求項10から13のいずれかに記載の吸気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸気装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、エアクリーナーケースと、エアクリーナーケースから車両前方に延出する吸気ダクトとを備え、吸気ダクトの前面の吸気口から取り入れた吸気が吸気ダクト内を車両後方に流れる吸気装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、走行風の流れを利用して、エアクリーナーケースに吸気できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000-87815号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、吸気装置では、吸気効率を向上することが望まれる。
本発明は、吸気装置の吸気効率を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
吸気装置は、エアクリーナーケースから延出する吸気ダクトを介して吸気する吸気装置において、前記吸気ダクト内の吸気の流れを前記吸気ダクトの軸線を中心に回転する流れにする渦生成部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
吸気装置の吸気効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。
図2】鞍乗り型車両を前方から見た正面図である。
図3】鞍乗り型車両を車幅方向の中央部で切断した断面図である。
図4】吸気装置を前方側から見た正面図である。
図5】蓋部を取り外した状態で吸気装置を上方から見た図である。
図6図1のVI-VI断面図である。
図7】第2タンクカバーを外した状態における鞍乗り型車両の前部の左側面図である。
図8】導風部及びエアクリーナーケースを左前方側から見た斜視図である。
図9図2のIX-IX断面図である。
図10】ラジエーターグリルが取り付けられたラジエーターの左側面図である。
図11】キャニスターの支持構造を示す平面図である。
図12】第2の実施の形態の渦生成部材の周辺部の左側面図である。
図13図12のXIII-XIII断面図である。
図14】エアクリーナーケースの模式的な内部構造を左側方側から見た図である。
図15】第3の実施の形態において、図3に対応する断面図である。
図16図16は、第3の実施の形態においてエアクリーナーケースを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。なお、説明中、前後左右および上下といった方向の記載は、特に記載がなければ車体に対する方向と同一とする。また、各図に示す符号FRは車体前方を示し、符号UPは車体上方を示し、符号LHは車体左方を示す。
【0009】
[実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両10の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
【0010】
車体フレーム11は、車体フレーム11の前端部に設けられるヘッドパイプ18と、ヘッドパイプ18の後方に位置するフロントフレーム19と、フロントフレーム19の後方に位置するリアフレーム20とを備える。フロントフレーム19の前端部は、ヘッドパイプ18に接続される。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
【0011】
フロントフォーク14は、ヘッドパイプ18によって左右に操舵自在に支持される。前輪13は、フロントフォーク14の下端部に設けられる車軸13aに支持される。乗員が把持する操舵用のハンドル21は、フロントフォーク14の上端部に取り付けられる。
【0012】
スイングアーム16は、車体フレーム11に支持されるピボット軸22に支持される。ピボット軸22は、車幅方向に水平に延びる軸である。スイングアーム16の前端部には、ピボット軸22が挿通される。スイングアーム16は、ピボット軸22を中心に上下に揺動する。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
【0013】
パワーユニット12は、前輪13と後輪15との間に配置され、車体フレーム11に支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
【0014】
また、鞍乗り型車両10は、前輪13を上方から覆うフロントフェンダー26と、後輪15を上方から覆うリアフェンダー27と、乗員が足を載せるステップ28と、パワーユニット12が使用する燃料を蓄える燃料タンク29とを備える。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
【0015】
フロントフレーム19は、ヘッドパイプ18の上部から後下方に延びる左右一対のメインフレーム31と、ヘッドパイプ18の下部から後下方に延びる左右一対のダウンフレーム32と、メインフレーム31の後端部から下方に延びる左右一対のピボットフレーム33と、ヘッドパイプ18の後方でダウンフレーム32とを接続するガセット34とを備える。
リアフレーム20は、メインフレーム31の後端部から後上方に延びる左右一対のシートフレーム35と、ピボットフレーム33の上端部から後上方に延びてシートフレーム35の後端部に接続される左右一対のサブフレーム36とを備える。
パワーユニット12は、メインフレーム31の下方で、ダウンフレーム32とピボットフレーム33との間に配置される。
シリンダー部24は、クランクケース23の前部の上面から上方に延出する。
【0016】
燃料タンク29は、メインフレーム31の上方において、車両前後方向でシート17とヘッドパイプ18との間に配置される。燃料タンク29は、メインフレーム31に支持される。
パワーユニット12の冷却水が通るラジエーター37は、シリンダー部24及びダウンフレーム32の前方に配置され、ダウンフレーム32に取り付けられる。ラジエーター37は、板状であり、板厚方向を車両前後方向に指向させて配置される。
【0017】
図2は、鞍乗り型車両10を前方から見た正面図である。
図1及び図2を参照し、鞍乗り型車両10は、車体カバーとして、ヘッドパイプ18を前方側から覆うフロントカバー38と、燃料タンク29を前方側から覆うタンクカバー39と、ラジエーター37を車幅方向外側から覆う左右一対のラジエーターシュラウド40と、シート17の下方の車体を車幅方向外側から覆う左右一対のサイドカバー41とを備える。
【0018】
タンクカバー39は、燃料タンク29を前方側から覆う第1タンクカバー42と、第1タンクカバー42の後方且つ燃料タンク29前方に設けられる左右一対の第2タンクカバー43とを備える。
第1タンクカバー42は、燃料タンク29とヘッドパイプ18との間に配置されてメインフレーム31の前端部を上方から覆う上面部42aを備える。上面部42aは、車幅の中央部に配置される。また、第1タンクカバー42は、上面部42aの左右の側部から下方に延出する下方延出部42bを左右一対備える。
第2タンクカバー43は、第1タンクカバー42と別体で設けられる。第2タンクカバー43は、車両側面視で下方延出部42bと燃料タンク29の前縁との間に配置され、車体の前端部を車幅方向外側から覆う。
【0019】
ラジエーター37は、タンクカバー39の下方に配置される。ラジエーター37は、正面視で、前輪13を左右に跨いで車幅方向に延びる。
鞍乗り型車両10は、ラジエーター37の前面を前方から覆うラジエーターグリル44を備える。
【0020】
図3は、鞍乗り型車両10を車幅方向の中央部で切断した断面図である。
図1及び図3を参照し、燃料タンク29は、燃料タンク29の前部の下面が上方へ段状に凹む段部29aを備える。
また、鞍乗り型車両10は、シリンダー部24に吸気を供給する吸気装置50を備える。
【0021】
図4は、吸気装置50を前方側から見た正面図である。
図3及び図4を参照し、吸気装置50は、吸気を浄化するエアクリーナーケース51と、シリンダー部24に供給する吸気の量を調整する左右一対のスロットル装置52と、エアクリーナーケース51に吸気を取り込む左右一対の吸気ダクト53,54と、吸気ダクト53,54内の吸気の流れを渦状にする渦生成部55とを備える。渦生成部55は、ラジエーターシュラウド40に設けられる。スロットル装置52は、図4には不図示である。
スロットル装置52の上流端は、エアクリーナーケース51に接続され、スロットル装置52の下流端は、シリンダー部24の後面に設けられる吸気ポートに接続される。
【0022】
エアクリーナーケース51は、上下に分割されたケース本体57と蓋部58とを合わせることで中空のケース状に形成される。エアクリーナーケース51内には、吸気を浄化するエアフィルター59が設けられる。
エアクリーナーケース51は、車両前後方向では、ヘッドパイプ18と燃料タンク29との間に配置される。エアクリーナーケース51は、車幅方向では、左右のメインフレーム31の間に配置される。エアクリーナーケース51の後部は、燃料タンク29の段部29aに配置されており、燃料タンク29の前部によって上方から覆われる。
【0023】
図5は、蓋部58を取り外した状態で吸気装置50を上方から見た図である。
ケース本体57は、上面が開口した箱状の箱状部60と、箱状部60の上縁部から前方、左右の両側方、及び後方に延出するフランジ部61とを備える。フランジ部61は、箱状部60を周囲から囲む板状部である。
蓋部58は、蓋部58の周縁部がフランジ部61の周縁部に合わさって締結されることで、ケース本体57に取り付けられる。
【0024】
吸気ダクト53,54は、箱状部60に接続される。
エアフィルター59は、箱状部60の上面の開口60aを塞ぐ板状部材であり、開口60aに取り付けられる。
エアクリーナーケース51内の空間は、エアフィルター59によって上下に仕切られる。
エアフィルター59の下方の箱状部60内の空間は、エアフィルター59を通過する前の吸気が通るダーティーサイド51a(図3)である。エアクリーナーケース51内においてエアフィルター59の上方の空間は、エアフィルター59を通過した吸気が通るクリーンサイド51b(図3)である。
【0025】
箱状部60は、平面視では、車両前方側に向かうに従って先細る略三角形状に形成される。すなわち、ダーティーサイド51aは、略三角形状の部屋である。
箱状部60の左右の側壁60b,60cは、平面視で、後方に向かうに従って互いの間隔が広くなるように傾斜している。
【0026】
エアクリーナーケース51は、スロットル装置52に接続される供給ダクト62を左右一対備える。
供給ダクト62は、クリーンサイド51b内の後部からフランジ部61の後部を下方に貫通して下方に延出する。供給ダクト62の下流端である下端は、スロットル装置52に接続される。
【0027】
図6は、図1のVI-VI断面図である。
図4図6を参照し、左右の一方側(左側)の吸気ダクト53は、エアクリーナーケース51から車幅方向外側に延出する。詳細には、吸気ダクト53は、ケース本体57の左側の側壁60bの前端部から車幅方向外側に延出する。
【0028】
側壁60bには、吸気ダクト53が嵌合して接続されるダクト接続開口部60dが設けられる。吸気ダクト53は、ダクト接続開口部60dを通ってエアクリーナーケース51内に入る。
【0029】
吸気ダクト53は、エアクリーナーケース51から外側に延出する外側ダクト部63と、外側ダクト部63に接続されるとともにエアクリーナーケース51内を延びる内側ダクト部64とを備える。
外側ダクト部63は、ダクト接続開口部60dから車幅方向外側に延出する。
内側ダクト部64は、ダクト接続開口部60dからダーティーサイド51a内を後上方に延びる。内側ダクト部64の下流端64aである上端は、上方のエアフィルター59に向けて開口する。
【0030】
吸気ダクト53は、ダクト接続開口部60dに接続される第1ダクト部材65と、第1ダクト部材65に接続される第2ダクト部材66とを備える。
第1ダクト部材65は、内側ダクト部64を構成する。
また、第1ダクト部材65の上流側の端部65aは、ダクト接続開口部60dから車幅方向外側に延びる。第2ダクト部材66は、第1ダクト部材65の端部65aの内周に嵌合し、端部65aから車幅方向外側に延びる。すなわち、外側ダクト部63は、第1ダクト部材65の端部65a及び第2ダクト部材66によって構成される。
【0031】
吸気ダクト53は、断面円形の管である。
吸気ダクト53の軸線53aは、外側ダクト部63の部分では、車幅方向に直線状に延びる。エアクリーナーケース51の外側では吸気ダクト53の軸線53aは車幅方向に延びるため、車両側面視は、吸気ダクト53の軸方向視である。
吸気ダクト53の上流端は、車幅方向外側に開口する吸気開口部53bである。吸気開口部53bは、外側ダクト部63の車幅方向外側の端である。
吸気ダクト53の上流側の端部には、吸気開口部53bから下流側に向かうに従って内径が小さくなるテーパー部53cが設けられる。
【0032】
左右の他方側(右側)の吸気ダクト54は、エアクリーナーケース51から車幅方向外側に延出する。詳細には、吸気ダクト54は、ケース本体57の右側の側壁60cの前端部から車幅方向外側に延出する。
【0033】
側壁60cには、吸気ダクト54が嵌合して接続されるダクト接続開口部60eが設けられる。吸気ダクト53は、ダクト接続開口部60eを通ってエアクリーナーケース51内に入る。
【0034】
吸気ダクト54は、エアクリーナーケース51から外側に延出する外側ダクト部73と、外側ダクト部73に接続されるとともにエアクリーナーケース51内を延びる内側ダクト部74とを備える。
外側ダクト部73は、ダクト接続開口部60eから車幅方向外側に延出する。
内側ダクト部74は、ダクト接続開口部60eからダーティーサイド51a内を後上方に延びる。内側ダクト部74の下流端74aである上端は、上方のエアフィルター59に向けて開口する。
【0035】
吸気ダクト54は、ダクト接続開口部60eに接続される第1ダクト部材75と、第1ダクト部材75に接続される第2ダクト部材76とを備える。
第1ダクト部材75は、内側ダクト部74を構成する。
また、第1ダクト部材75の上流側の端部75aは、ダクト接続開口部60eから車幅方向外側に延びる。第2ダクト部材76は、第1ダクト部材75の端部75aの内周に嵌合し、端部75aから車幅方向外側に延びる。すなわち、外側ダクト部73は、第1ダクト部材75の端部75a及び第2ダクト部材76によって構成される。
【0036】
吸気ダクト54は、断面円形の管である。
吸気ダクト54の軸線54aは、外側ダクト部73の部分では、車幅方向に直線状に延びる。
吸気ダクト54の上流端は、車幅方向外側に開口する吸気開口部54bである。吸気開口部54bは、外側ダクト部73の車幅方向外側の端である。
吸気ダクト54の上流側の端部には、吸気開口部54bから下流側に向かうに従って内径が小さくなるテーパー部54cが設けられる。
【0037】
エアクリーナーケース51のダクト接続開口部60dとダクト接続開口部60eとは、対向する。すなわち、車両側面視では、ダクト接続開口部60dとダクト接続開口部60eとは少なくとも一部が重なる。
左側の内側ダクト部64の下流端64aと右側の内側ダクト部74の下流端74aとは、互いに前後にオフセットして配置される。
【0038】
図7は、第2タンクカバー43を外した状態における鞍乗り型車両10の前部の左側面図である。
図2及び図7を参照し、第1タンクカバー42の下方延出部42bは、メインフレーム31及びダウンフレーム32の外側方を上下に延びる。下方延出部42bは、燃料タンク29の側部を前方から覆う板状である。
下方延出部42bの下部には、前方に開口するカバー開口42cが設けられる。
【0039】
図1及び図7を参照し、第2タンクカバー43(図1)は、ラジエーターシュラウド40の上部を車幅方向外側から覆う。
左側のラジエーターシュラウド40の上部は、走行風をガイドする導風部79である。ラジエーターシュラウド40は、導風部79の前部から下方に延出するシュラウド部80を備える。シュラウド部80は、ラジエーター37を車幅方向外側から覆う板状のカバー部である。
【0040】
図8は、導風部79及びエアクリーナーケース51を左前方側から見た斜視図である。図9は、図2のIX-IX断面図である。
図4図9を参照し、導風部79は、車体フレーム11の前端部、エアクリーナーケース51の前端部、及び吸気ダクト53等を車幅方向外側から覆う。
導風部79は、吸気ダクト53を流れる吸気を渦状にする渦生成部55と、渦生成部55の下方で車両前後方向に延びる底壁部82と、渦生成部55の前方で上下に延びる前壁部83と、前壁部83の前方で上下に延びる仕切り壁84と、渦生成部55から上方に延びる取付部85とを一体に備える。
【0041】
底壁部82は、シュラウド部80の上縁から車幅方向内側に延びる板状部である。底壁部82は、車両側面視で後上がりに傾斜する。
渦生成部55は、吸気ダクト53の吸気開口部53bを車幅方向外側から覆う。渦生成部55は、底壁部82の上方に設けられる。
渦生成部55は、吸気ダクト53の吸気開口部53bに設けられる。渦生成部55は、吸気ダクト53の吸気開口部53bの上部から車幅方向外側に膨出する膨出部86と、膨出部86の下方に設けられるガイド部87とを備える。ここで、吸気開口部53bの上部は、車両側面視で、吸気開口部53bの上側の半分の部分である。
膨出部86は、吸気開口部53bの上部の内周に沿う円弧状の周壁部86aと、車両側面視で周壁部86aによって区画される開口を車幅方向外側から覆う側壁部86b(斜面部)とを備える。側壁部86bは、吸気開口部53bの上部を車幅方向外側から覆う。
【0042】
周壁部86aは、吸気開口部53bの上半部から車幅方向外側に延出する。周壁部86aは、吸気開口部53bの内周の上部に嵌合する。なお、周壁部86aは、吸気開口部53bの全周に嵌合する円形であっても良い。
側壁部86bは、膨出部86の前端から後方に向かうに従って車幅方向外側に位置するように傾斜する。
膨出部86の後部の下面には、下方に開口する入口開口86cが設けられる。入口開口86cは、膨出部86の内側の空間を膨出部86の外側の下方に連通させる。
【0043】
ガイド部87は、底壁部82の上方に設けられる。
ガイド部87は、入口開口86cの下方で車両前後方向に延びる第1ガイド壁87aと、第1ガイド壁87aの後端と入口開口86cの後端部とを繋ぐ第2ガイド壁87bとを備える。
第1ガイド壁87aは、車両側面視において、入口開口86cの前下方に位置し、後上がりの姿勢で直線状に車両前後方向に延びる。
第2ガイド壁87bは、車両側面視で、第1ガイド壁87aの後端から後上方に延び、第2ガイド壁87bの上端は、入口開口86cの後端部に下方から接続される。
第2ガイド壁87bは、車両側面視で、吸気開口部53bの内周に沿う円弧状に形成される。
車両側面視で、第1ガイド壁87aに対する第2ガイド壁87bの上端部の傾斜角θは70°以上であり、入口開口86cは側面視で地面と水平となるように下方に開口する。
【0044】
入口開口86cが開口する下方は、渦生成部55に対する上方及び下方の一方である。
取付部85は、渦生成部55から、上方及び下方の他方である上方に延出する。
取付部85の上端部は、締結具85aによって車体に締結される。取付部85は、第2タンクカバー43が係合する係合部85bを締結具85aの下方に備える。
【0045】
前壁部83は、第1ガイド壁87aの前端部の近傍から車幅方向内側に延びる。前壁部83は、膨出部86の前端部と底壁部82とを上下に接続する。
仕切り壁84は、前壁部83を前方から覆う。仕切り壁84は、膨出部86の前端部と底壁部82の前端部とを上下に接続する。
仕切り壁84は、仕切り壁84を前後に貫通する開口部84aを備える。また、仕切り壁84は、第1タンクカバー42の下方延出部42bが係合する係合部84bを備える。
係合部84bは、開口部84aに対し車幅方向外側に設けられる。開口部84aは、前壁部83に前方から重なる。
【0046】
右側のラジエーターシュラウド40は、左側のラジエーターシュラウド40と略左右対称に構成されるため、右側のラジエーターシュラウド40についての詳細な説明は省略する。
右側のラジエーターシュラウド40の渦生成部55は、右側の吸気ダクト54の吸気開口部54bに接続される。
【0047】
図4図9を参照し、吸気装置50を通る吸気の流れを説明する。
鞍乗り型車両10の走行風は、前方からカバー開口42cを通り、タンクカバー39内に流入する。タンクカバー39に流入した走行風は、仕切り壁84の開口部84aを通って後方に流れ、前壁部83に沿って車幅方向外側且つ後方に流れる。この走行風の一部は、吸気W(図7)として、渦生成部55に流れる。
【0048】
左側の渦生成部55では、吸気Wは、第1ガイド壁87aの上面に沿って後上方に流れた後、第2ガイド壁87bの上面に沿って円弧状に後上方へ流れ、入口開口86cに流入する。
傾斜角θが70°以上であるため、吸気Wは、第1ガイド壁87a及び第2ガイド壁87bを通ることで、流れる向きが車両側面視で70°以上変わる。
【0049】
入口開口86cに流入した吸気Wは、膨出部86の内側で周壁部86a及び側壁部86bに沿って円弧状に流れる。
すなわち、吸気Wは、渦生成部55を通ることで、車両側面視で吸気ダクト53の軸線53aを中心に回転する渦状の流れになる。
渦生成部55では、吸気Wは、後方に流れた後、上方に流れて回転するため、車両側面視で半時計回りに回転する。
【0050】
膨出部86の側壁部86bは、吸気Wの回転方向に向かうに従って車幅方向内側に位置するように傾斜する斜面部である。このため、膨出部86を流れる吸気Wは、半時計回りに回転しながら、車幅方向内側に向かって吸気ダクト53の軸方向に流れる。
【0051】
右側の渦生成部55においても同様に、吸気W(不図示)は、車両側面視で吸気ダクト54の軸線54aを中心に回転する渦状の流れになる。車両の右側面視では、右側の渦生成部55で発生する吸気Wの回転方向は時計回りである。すなわち、図7のような車両の左側面視では、左側の渦生成部55及び右側の渦生成部55で発生する吸気Wの渦の回転方向は、半時計回りであり、左右の各渦生成部55で発生する渦の回転方向は同一方向である。
【0052】
吸気装置50では、吸気ダクト53,54内の吸気Wの流れが、軸線53a,54aを中心に回転する渦状になるため、吸気Wの流速が大きくなる。このため、吸気装置50の吸気効率を向上できる。
【0053】
吸気ダクト53,54のテーパー部53c,54cでは、吸気ダクト53,54の内径が下流側に向かうに従って小さくなる。このため、吸気Wは、テーパー部53c,54cを通過すると流速が上がる。
吸気Wは、吸気ダクト53内を渦状に回転しながら進み、内側ダクト部64の下流端64aからダーティーサイド51aに流入する。
また、吸気Wは、吸気ダクト54内を渦状に回転しながら進み、内側ダクト部74の下流端74aからダーティーサイド51aに流入する。
下流端64aからダーティーサイド51aに流入する渦の回転方向と下流端74aからダーティーサイド51aに流入する渦の回転方向とは同じである。このため、吸気Wの渦の回転を促進できる。
吸気Wは、ダーティーサイド51aからエアフィルター59を通過してクリーンサイド51bに流れ、供給ダクト62及びスロットル装置52を通ってシリンダー部24に流れる。
【0054】
図6を参照し、タンクカバー39内には、第2タンクカバー43の内面と底壁部82の外端部との間に形成される下側通路88aと、第2タンクカバー43の内面と導風部79の上部との間に形成される上側通路88bとが設けられる。上側通路88bは、渦生成部55よりも上方にある。
カバー開口42cからタンクカバー39内に流入した走行風の一部は、下側通路88a及び上側通路88bを通って後方に排出される。このため、タンクカバー39内に走行風を効率良く流すことができる。
【0055】
図10は、ラジエーターグリル44が取り付けられたラジエーター37の左側面図である。
図2図3、及び図10を参照し、ラジエーター37の前面は、ラジエーター37における空気(走行風)の導入面である。
ラジエーターグリル44は、ラジエーター37の前面を前方から覆う板状のメッシュ部44aと、メッシュ部44aの左右の縁から車幅方向外側に延出する左右一対の導風板44bとを備える。
【0056】
メッシュ部44aは、ラジエーター37の前面の略全体を覆う矩形の板である。メッシュ部44aは、多数の開口を備え、通気性を有する。
導風板44bは、メッシュ部44aの上下の長さの略全体に亘って設けられる。
導風板44bは、前方且つ車幅方向外側に向かって傾斜して延びる。
前方からラジエーター37に向かう走行風の一部は、導風板44bの傾斜した前面に沿って後方且つ車幅方向内側に流れ、メッシュ部44aに導かれる。このため、導風板44bによってラジエーター37に走行風を効率良く流すことができる。
【0057】
図1及び図3を参照し、蒸発燃料を貯留するキャニスター90は、パワーユニット12の後方でシート17の真下に配置される。
キャニスター90は、配管によって燃料タンク29に接続されている。燃料タンク29の蒸発燃料は、筒状のキャニスター90の内部に設けられた活性炭等の吸着材に吸着される。
【0058】
図11は、キャニスター90の支持構造を示す平面図である。
左右のシートフレーム35の間には、板状のフェンダー91が設けられる。フェンダー91は、車幅方向において、左右のシートフレーム35の間の空間の略全体を塞ぐ。
フェンダー91は、シートフレーム35の前端部から後端部まで延びる。フェンダー91は、後輪15を上方から覆う。
フェンダー91の前端部には、上方に開口するトレイ状に形成されたキャニスター収納部91aが設けられる。キャニスター90は、キャニスター収納部91aに配置され、キャニスター収納部91aに固定される。キャニスター90は、キャニスター90の軸方向が車幅方向を向くように配置される。
【0059】
以上説明したように、本発明を適用した実施の形態によれば、吸気装置50は、エアクリーナーケース51から延出する吸気ダクト53,54を介して吸気し、吸気ダクト53,54内の吸気の流れを吸気ダクト53,54の軸線53a,54aを中心に回転する流れにする渦生成部55を備える。
この構成によれば、吸気ダクト53,54内の吸気Wは、渦生成部55によって吸気ダクト53,54の軸線53a,54aを中心に回転する渦状の流れとなり、エアクリーナーケース51に流れる。これにより、吸気Wの流速が大きくなるため、吸気効率を向上できる。
【0060】
また、吸気ダクト53,54は、吸気ダクト53,54内に吸気を取り入れる吸気開口部53b,54bを先端部に備え、渦生成部55は、吸気開口部53b,54bに設けられる。
この構成によれば、吸気ダクト53,54内に吸気Wを取り入れる吸気開口部53b,54bの位置から渦状の流れが発生するため、吸気ダクト53,54内に渦状の流れを効率良く発生させることができる。
【0061】
また、エアクリーナーケース51内は、吸気を浄化するエアフィルター59によって仕切られ、吸気ダクト53,54は、エアフィルター59の上流側においてエアクリーナーケース51に左右一対で設けられ、エアクリーナーケース51は、吸気ダクト53,54が接続されるダクト接続開口部60d,60eを左右一対備え、左右のダクト接続開口部60d,60eは、互いに対向する。
この構成によれば、吸気ダクト53,54をエアフィルター59の上流側でエアクリーナーケース51の左右にバランス良く配置できる。
【0062】
さらに、吸気ダクト53,54は、エアクリーナーケース51から外側に延出する外側ダクト部63,73と、エアクリーナーケース51内を延びる内側ダクト部64,74とを備え、渦生成部55は、外側ダクト部63,73に配置され、内側ダクト部64,74の下流端64a,74aは、エアフィルター59に向けて開口する。
この構成によれば、吸気ダクト53,54を流れる流速の大きい渦状の流れを、内側ダクト部64,74の下流端64a,74aからエアフィルター59に向けて流すことができる。このため、吸気効率が良い。また、吸気ダクト53,54を長くできるため、吸気音を低減できる。
【0063】
また、吸気ダクト53,54は、左右一対設けられ、渦生成部55は、左右の吸気ダクト53,54にそれぞれ配置され、左右の渦生成部55は、同一方向に吸気の流れを回転させる。
この構成によれば、左右の吸気ダクト53,54を流れる渦状の吸気Wの回転が同一方向であるため、渦状の吸気Wの回転を促進させることができ、吸気効率が良い。
【0064】
また、吸気装置50は、鞍乗り型車両10に搭載され、鞍乗り型車両10は、ラジエーター37を側方から覆うラジエーターシュラウド40を備え、ラジエーターシュラウド40は、吸気開口部53b,54bを覆う部分を備え、渦生成部55は、ラジエーターシュラウド40に一体に設けられる。
この構成によれば、ラジエーターシュラウド40を利用して簡単な構造で渦生成部55を設けることができる。
【0065】
また、鞍乗り型車両10は、燃料タンク29と、燃料タンク29の少なくとも一部を覆うタンクカバー39とを備え、タンクカバー39は、吸気開口部53b,54bを車両前方及び車幅方向外側から覆い、タンクカバー39は前方に開口するカバー開口42cを備え、ラジエーターシュラウド40は、カバー開口42cの後方且つ吸気開口部53b,54bの前方に仕切り壁84を備え、仕切り壁84は、カバー開口42cからの走行風を後方に通す開口部84aを備える。
この構成によれば、タンクカバー39のカバー開口42cからタンクカバー39内に流入する走行風を、仕切り壁84の開口部84aを通して吸気開口部53b,54bに流すことができる。
【0066】
また、吸気ダクト53,54は、開口部84aよりも上方に位置する。
この構成によれば、開口部84aと吸気ダクト53,54とが上下に離れるため、タンクカバー39内で開口部84aと吸気ダクト53,54との間に空気(走行風)を溜めることができ、吸気ダクト53,54に流れる空気量を多くできる。
【0067】
さらに、吸気装置50は、鞍乗り型車両10に搭載され、吸気ダクト53,54は、エアクリーナーケース51から車幅方向外側に延出し、渦生成部55は、吸気開口部53b,54bに連通する入口開口86cと、入口開口86cから前方に延びるガイド部87とを備え、入口開口86cは、上方及び下方の一方である下方に向けて開口し、ガイド部87は、入口開口86cに対し下方側で車両前後方向に延びる第1ガイド壁87aと、第1ガイド壁87aの後端と入口開口86cの後端部とを繋ぐ第2ガイド壁87bとを備える。
この構成によれば、第1ガイド壁87aに沿って後方に流れる吸気Wは、第2ガイド壁87bに沿って上下方向に向きを変えられ、入口開口86cから吸気ダクト53,54に入る。このため、吸気ダクト53,54の軸線53a,54aを中心に回転する流れを発生させることができる。
【0068】
また、第2ガイド壁87bは、吸気ダクト53,54の軸方向視で、吸気ダクト53,54の内周に沿う円弧状に形成されている。
この構成によれば、吸気ダクト53,54の内周に沿う円弧状の第2ガイド壁87bによって、吸気ダクト53,54の軸線53a,54aを中心に回転する流れを効率良く発生させることができる。
【0069】
また、渦生成部55は、入口開口86cの下流側に、渦生成部55によって回転させられた吸気Wの回転方向に向かうに従って車幅方向内側に位置するように傾斜する斜面部として側壁部86bを備える。
この構成によれば、側壁部86bによって、渦状の吸気Wを吸気ダクト53,54の軸方向であって車幅方向内側に効率良く向かわせることができる。
【0070】
また、ガイド部87を流れる吸気Wは、吸気ダクト53,54の軸方向視で、第1ガイド壁87a及び第2ガイド壁87bに沿って流れて70°以上向きを変えられて、入口開口86cに流れる。
この構成によれば、吸気Wは、第1ガイド壁87a及び第2ガイド壁87bに沿って流れて70°以上向きを変えられて、入口開口86cに流れるため、渦状の流れを効率良く発生させることができる。
【0071】
鞍乗り型車両10は、ラジエーター37を側方から覆うラジエーターシュラウド40を備え、ラジエーターシュラウド40は、吸気開口部53b,54bを覆う部分を備え、渦生成部55は、ラジエーターシュラウド40に一体に設けられ、鞍乗り型車両10は、燃料タンク29と、燃料タンク29の少なくとも一部を覆うタンクカバー39とを備え、タンクカバー39は、吸気開口部53b,54bを車両前方及び車幅方向外側から覆うとともに、前方に開口するカバー開口42cを備え、ラジエーターシュラウド40は、カバー開口42cの後方且つ吸気開口部53b,54bの前方に仕切り壁84を備え、仕切り壁84は、カバー開口42cからの走行風を後方に通す開口部84aを備え、入口開口86cは、下方に向けて開口し、第1ガイド壁87aは、入口開口86cに対し下方側で車両前後方向に延び、第2ガイド壁87bは、第1ガイド壁87aから入口開口86cの後端部に向けて上方に延び、開口部84aは、入口開口86cの下方且つ第1ガイド壁87aの前方に位置する。
この構成によれば、仕切り壁84の開口部84aを通る走行風を、第1ガイド壁87a及び第2ガイド壁87bによって後方且つ上方にガイドし、効率良く入口開口86cに流すことができる。
【0072】
なお、上記実施の形態は本発明を適用した一態様を示すものであって、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、入口開口86cは、下方に向けて開口し、ガイド部87は、入口開口86cに対し下方で車両前後方向に延びる第1ガイド壁87aと、第1ガイド壁87aの後端と入口開口86cの後端部とを繋ぐ第2ガイド壁87bとを備えるものとして説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、入口開口は、上方に向けて開口し、ガイド部は、入口開口に対し上方で車両前後方向に延びる第1ガイド壁と、第1ガイド壁から下方に延びて第1ガイド壁の後端と入口開口の後端部とを繋ぐ第2ガイド壁とを備えても良い。
上記実施の形態では、鞍乗り型車両10として自動二輪車を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明は、前輪または後輪を2つ備える3輪の鞍乗り型車両及び4輪以上を備える鞍乗り型車両に適用可能である。
【0073】
[第2の実施の形態]
以下、図12図14を参照して、本発明を適用した第2の実施の形態について説明する。この第2の実施の形態において、上記第1の実施の形態と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第2の実施の形態では、上記渦生成部55と異なる形状の渦生成部材255(渦生成部)が設けられる点等が、上記実施の形態と異なる。
【0074】
図12は、第2の実施の形態の渦生成部材255の周辺部の左側面図である。図13は、図12のXIII-XIII断面図である。
左右のメインフレーム31の間には、エアクリーナーケース51に替えて、エアクリーナーケース251が設けられる。
【0075】
図14は、エアクリーナーケース251の模式的な内部構造を左側方側から見た図である。
図12図14を参照し、箱状のエアクリーナーケース251内には、吸気を浄化するエアフィルター259が設けられる。エアフィルター259は、エアクリーナーケース251内の空間を前後に仕切る。
エアクリーナーケース251においてエアフィルター259の前方の空間は、エアフィルター259を通過する前の吸気が通るダーティーサイド251aである。エアクリーナーケース251においてエアフィルター259の後方の空間は、エアフィルター259を通過した吸気が通るクリーンサイド251bである。
供給ダクト262は、クリーンサイド251bから下方に延びてスロットル装置52に接続される。
【0076】
エアクリーナーケース251には左右一対の吸気ダクト253,254が接続される。
左側の吸気ダクト253は、エアクリーナーケース251の左側の側壁260bから車幅方向外側に延出する。
右側の吸気ダクト254は、エアクリーナーケース251の右側の側壁260cから車幅方向外側に延出する。
【0077】
側壁260bには、吸気ダクト253が嵌合して接続されるダクト接続開口部260dが設けられる。
側壁260cには、吸気ダクト254が嵌合して接続されるダクト接続開口部260eが設けられる。
ダクト接続開口部260d及びダクト接続開口部260eは、ダーティーサイド251a側において、エアフィルター259の前下方に設けられる。
エアフィルター259は、ダクト接続開口部260d及びダクト接続開口部260eの後上方で上下に延びる板状である。
【0078】
ダクト接続開口部260dとダクト接続開口部260eとは、対向する。すなわち、車両側面視では、ダクト接続開口部260dとダクト接続開口部260eとは少なくとも一部が重なる。
吸気ダクト253の下流端253cは、ダクト接続開口部260dでダーティーサイド251aに開口する。
吸気ダクト254の下流端254cは、ダクト接続開口部260eでダーティーサイド251aに開口する。
下流端253cと下流端254cとは対向する。
【0079】
吸気ダクト253の軸線253a及び吸気ダクト254の軸線254aは、車幅方向に延びる。
吸気ダクト253の車幅方向外側の先端部には、吸気ダクト253内に吸気を取り入れる吸気開口部253bが設けられる。
吸気ダクト254の車幅方向外側の先端部には、吸気ダクト254内に吸気を取り入れる吸気開口部254bが設けられる。
【0080】
ラジエーターシュラウド240は、タンクカバー39の下方でラジエーター37を車幅方向外側から覆う。
タンクカバー39の内側には、渦生成部材255が左右一対で設けられる。
渦生成部材255は、第1タンクカバー42の下方延出部42bの後方に配置され、第2タンクカバー43によって車幅方向外側から覆われる。
左側の渦生成部材255は、吸気開口部253bを車幅方向外側から覆う。右側の渦生成部材255は、吸気開口部254bを車幅方向外側から覆う。
【0081】
左側の渦生成部材255は、吸気開口部253bの車幅方向外側に配置される側壁290と、側壁290から車幅方向内側に延出する筒状部293と、側壁290から車幅方向外側に延出するガイド壁292と、側壁290の前縁から車幅方向外側に延出する前壁294とを備える。
【0082】
筒状部293の車幅方向外側の端は、側壁290を車幅方向に貫通する側壁開口部290aである。側壁開口部290aは、吸気開口部253bに連通する。
渦生成部材255は、筒状部293の車幅方向内側の端が吸気開口部253bに車幅方向外側から嵌合することで、吸気ダクト253に接続される。すなわち、渦生成部材255は、吸気開口部253bに設けられる。
【0083】
ガイド壁292は、車両側面視で、側壁開口部290aを囲むように設けられる螺旋状の壁である。
詳細には、ガイド壁292は、側壁開口部290aの周縁部に沿って車幅方向外側に延出する内側ガイド壁295と、内側ガイド壁295を周囲から囲む外側ガイド壁296とを備える。
【0084】
内側ガイド壁295は、車両側面視で、側壁開口部290aの周縁部の後側の略半分に設けられる半円筒形である。このため、内側ガイド壁295の前面は前方に開口している。
外側ガイド壁296は、車両側面視で、内側ガイド壁295の上端を始端部296aとして、始端部296aから側壁開口部290aの前下方に延出し、その後、内側ガイド壁295の周囲を反時計回りに回り、始端部296aの上方まで延びる。
【0085】
外側ガイド壁296と内側ガイド壁295との間に形成される通路は、吸気をガイドする吸気ガイド通路297である。吸気ガイド通路297の入口297aは、側壁開口部290aの上方側にある。吸気ガイド通路297は、車両側面視で、吸気ダクト253の軸線253aを中心に側壁開口部290aの周囲を時計回りに渦巻状に回る。
【0086】
前壁294は、ガイド壁292の前方に配置される。前壁294の下部には、開口294aが設けられる。開口294aは、側壁開口部290a及びガイド壁292の前下方に位置する。
【0087】
右側の渦生成部材255は、左側の渦生成部材255と略左右対称に構成されるため、右側の渦生成部材255についての詳細な説明は省略する。
右側の渦生成部材255の筒状部293は、右側の吸気ダクト254の吸気開口部254bに接続される。
【0088】
カバー開口42c(図2)からタンクカバー39に流入した走行風は、前壁294の開口294aを通って渦生成部材255内に流入する。渦生成部材255に流入した走行風の一部は、吸気W(図12)として、上方の吸気ガイド通路297に流れる。
吸気Wは、吸気ガイド通路297を通ることで、車両側面視で側壁開口部290aの回りを回転した後、側壁開口部290aに流入する。
詳細には、吸気ガイド通路297を通る吸気Wは、車両側面視で吸気ダクト253の軸線253aを中心に時計回りに回転する渦状の流れになる。
側壁開口部290aに流入した渦状の吸気Wは、吸気ダクト253内を時計回りに回転しながら、車幅方向内側に向かって吸気ダクト253の軸方向に流れ、ダーティーサイド251aに流入する。
【0089】
右側の渦生成部材255においても同様に、吸気W(不図示)は、車両側面視で吸気ダクト254の軸線254aを中心に回転する渦状の流れになる。車両の右側面視では、右側の渦生成部材255で発生する吸気Wの回転方向は時半計回りである。すなわち、図12のような車両の左側面視では、左側の渦生成部材255及び右側の渦生成部材255で発生する吸気Wの渦の回転方向は、時計回りであり、左右の各渦生成部材255で発生する渦の回転方向は同一方向である。
右側の渦生成部材255において、側壁開口部290aに流入した渦状の吸気Wは、車両左側面視で時計回りに回転しながら、車幅方向内側に向かって吸気ダクト254の軸方向に流れ、ダーティーサイド251aに流入する。
【0090】
図13及び図14を参照し、ダクト接続開口部260d及びダクト接続開口部260eからそれぞれダーティーサイド251aに流入する吸気Wは、車両左側面視で共に時計回りに回転する。このため、吸気Wの回転を促進できる。また、ダクト接続開口部260dとダクト接続開口部260eとが対向するため、ダクト接続開口部260dからの吸気Wとダクト接続開口部260eからの吸気Wとが合わさり易く、吸気Wの回転を促進できる。
また、吸気Wは、車両左側面視においてダーティーサイド251aで時計回りに回転すするため、ダーティーサイド251aの前壁部251c及び上壁部251dの内面に沿って後上方に流れ易い。このため、ダーティーサイド251aの吸気Wを効率良くエアフィルター259に流すことができる。
【0091】
以上説明したように、本発明を適用した第2の実施の形態によれば、吸気ダクト253,254の下流端253c,254cは、ダクト接続開口部260d,260eでエアクリーナーケース251内に開口する。
この構成によれば、軸線253a,254aを中心に回転する渦状の吸気Wは、ダクト接続開口部260d,260eからエアクリーナーケース251内に流入し、エアクリーナーケース251の内面に沿ってエアフィルター259に流れる。このため、エアクリーナーケース251内で渦状の吸気Wの流れを利用して吸気Wをエアフィルター259に効率良く流すことができる。
【0092】
[第3の実施の形態]
以下、図15及び図16を参照して、本発明を適用した第3の実施の形態について説明する。この第3の実施の形態において、上記第1の実施の形態(実施の形態)と同様に構成される部分については、同符号を付して説明を省略する。
本第3の実施の形態では、下側吸気ダクト399が設けられる点が、上記実施の形態と異なる。
【0093】
図15は、第3の実施の形態において、図3に対応する断面図である。図16は、第3の実施の形態においてエアクリーナーケース51を示す斜視図である。
エアクリーナーケース51は、ケース本体57の下面を構成する底壁60fに、下側吸気ダクト399を備える。下側吸気ダクト399は、底壁60fの前部から下方に延びて下方に開口する管である。下側吸気ダクト399は、ダーティーサイド51aをエアクリーナーケース51の外部に連通させる。
エアクリーナーケース51は、吸気ダクト53,54に加えて、下側吸気ダクト399からも吸気を取り込む。
【0094】
[上記実施の形態によりサポートされる構成]
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
【0095】
(構成1)エアクリーナーケースから延出する吸気ダクトを介して吸気する吸気装置において、前記吸気ダクト内の吸気の流れを前記吸気ダクトの軸線を中心に回転する流れにする渦生成部を備えることを特徴とする吸気装置。
この構成によれば、吸気ダクト内の吸気は、渦生成部によって吸気ダクトの軸線を中心に回転する渦状の流れとなり、エアクリーナーケースに流れる。これにより、吸気の流速が大きくなるため、吸気効率を向上できる。
【0096】
(構成2)前記吸気ダクトは、前記吸気ダクト内に吸気を取り入れる吸気開口部を先端部に備え、前記渦生成部は、前記吸気開口部に設けられることを特徴とする構成1記載の吸気装置。
この構成によれば、吸気ダクト内に吸気を取り入れる吸気開口部の位置から渦状の流れが発生するため、吸気ダクト内に渦状の流れを効率良く発生させることができる。
【0097】
(構成3)前記エアクリーナーケース内は、吸気を浄化するエアフィルターによって仕切られ、前記吸気ダクトは、前記エアフィルターの上流側において前記エアクリーナーケースに左右一対で設けられ、前記エアクリーナーケースは、前記吸気ダクトが接続されるダクト接続開口部を左右一対備え、左右の前記ダクト接続開口部は、互いに対向することを特徴とする構成1または2記載の吸気装置。
この構成によれば、吸気ダクトをエアフィルターの上流側でエアクリーナーケースの左右にバランス良く配置できる。
【0098】
(構成4)前記吸気ダクトの下流端は、前記ダクト接続開口部で前記エアクリーナーケース内に開口することを特徴とする構成3記載の吸気装置。
この構成によれば、ダクトの軸線を中心に回転する渦状の吸気は、ダクト接続開口部から内に流入し、エアクリーナーケースの内面に沿ってエアフィルターに流れる。このため、エアクリーナーケース内で渦状の吸気の流れを利用して吸気をエアフィルターに効率良く流すことができる。
【0099】
(構成5)前記吸気ダクトは、前記エアクリーナーケースから外側に延出する外側ダクト部と、前記エアクリーナーケース内を延びる内側ダクト部とを備え、前記渦生成部は、前記外側ダクト部に配置され、前記内側ダクト部の下流端は、前記エアフィルターに向けて開口することを特徴とする構成3記載の吸気装置。
この構成によれば、吸気ダクトを流れる流速の大きい渦状の流れを、内側ダクト部の下流端からエアフィルターに向けて流すことができる。このため、吸気効率が良い。また、吸気ダクトを長くできるため、吸気音を低減できる。
【0100】
(構成6)前記吸気ダクトは、左右一対設けられ、前記渦生成部は、左右の前記吸気ダクトにそれぞれ配置され、左右の前記渦生成部は、同一方向に吸気の流れを回転させることを特徴とする構成1から5のいずれかに記載の吸気装置。
この構成によれば、左右の吸気ダクトを流れる渦状の吸気の回転が同一方向であるため、渦状の吸気の回転を促進させることができ、吸気効率が良い。
【0101】
(構成7)前記吸気装置は、鞍乗り型車両に搭載され、鞍乗り型車両は、ラジエーターを側方から覆うラジエーターシュラウドを備え、前記ラジエーターシュラウドは、前記吸気開口部を覆う部分を備え、前記渦生成部は、前記ラジエーターシュラウドに一体に設けられることを特徴とする構成2記載の吸気装置。
この構成によれば、ラジエーターシュラウドを利用して簡単な構造で渦生成部を設けることができる。
【0102】
(構成8)前記鞍乗り型車両は、燃料タンクと、前記燃料タンクの少なくとも一部を覆うタンクカバーとを備え、前記タンクカバーは、前記吸気開口部を車両前方及び車幅方向外側から覆い、前記タンクカバーは前方に開口するカバー開口を備え、前記ラジエーターシュラウドは、前記カバー開口の後方且つ前記吸気開口部の前方に仕切り壁を備え、前記仕切り壁は、前記カバー開口からの走行風を後方に通す開口部を備えることを特徴とする構成7記載の吸気装置。
この構成によれば、タンクカバーのカバー開口からタンクカバー内に流入する走行風を、仕切り壁の開口部を通して吸気開口部に流すことができる。
【0103】
(構成9)前記吸気ダクトは、前記開口部よりも上方に位置することを特徴とする構成8記載の吸気装置。
この構成によれば、開口部と吸気ダクトとが上下に離れるため、吸気ダクトに流れる空気量を多くできる。
【0104】
(構成10)前記吸気装置は、鞍乗り型車両に搭載され、前記吸気ダクトは、前記エアクリーナーケースから車幅方向外側に延出し、前記渦生成部は、前記吸気開口部に連通する入口開口と、前記入口開口から前方に延びるガイド部とを備え、前記入口開口は、上方及び下方の一方に向けて開口し、前記ガイド部は、前記入口開口に対し前記一方の側で車両前後方向に延びる第1ガイド壁と、前記第1ガイド壁の後端と前記入口開口の後端部とを繋ぐ第2ガイド壁とを備えることを特徴とする構成2記載の吸気装置。
この構成によれば、第1ガイド壁に沿って後方に流れる吸気は、第2ガイド壁に沿って上下方向に向きを変えられ、入口開口から吸気ダクトに入る。このため、吸気ダクトの軸線を中心に回転する流れを発生させることができる。
【0105】
(構成11)前記第2ガイド壁は、前記吸気ダクトの軸方向視で、前記吸気ダクトの内周に沿う円弧状に形成されていることを特徴とする構成10記載の吸気装置。
この構成によれば、吸気ダクトの内周に沿う円弧状の第2ガイド壁によって、吸気ダクトの軸線を中心に回転する流れを効率良く発生させることができる。
【0106】
(構成12)前記渦生成部は、前記入口開口の下流側に、前記渦生成部によって回転させられた吸気の回転方向に向かうに従って車幅方向内側に位置するように傾斜する斜面部を備えることを特徴とする構成10または11記載の吸気装置。
この構成によれば、斜面部によって、渦状の吸気を吸気ダクトの軸方向であって車幅方向内側に効率良く向かわせることができる。
【0107】
(構成13)前記ガイド部を流れる吸気は、前記吸気ダクトの軸方向視で、前記第1ガイド壁及び第2ガイド壁に沿って流れて70°以上向きを変えられて、前記入口開口に流れることを特徴とする構成10から12のいずれかに記載の吸気装置。
この構成によれば、吸気は、第1ガイド壁及び第2ガイド壁に沿って流れて70°以上向きを変えられて、入口開口に流れるため、渦状の流れを効率良く発生させることができる。
【0108】
(構成14)鞍乗り型車両は、ラジエーターを側方から覆うラジエーターシュラウドを備え、前記ラジエーターシュラウドは、前記吸気開口部を覆う部分を備え、前記渦生成部は、前記ラジエーターシュラウドに一体に設けられ、前記鞍乗り型車両は、燃料タンクと、前記燃料タンクの少なくとも一部を覆うタンクカバーとを備え、前記タンクカバーは、前記吸気開口部を車両前方及び車幅方向外側から覆うとともに、前方に開口するカバー開口を備え、前記ラジエーターシュラウドは、前記カバー開口の後方且つ前記吸気開口部の前方に仕切り壁を備え、前記仕切り壁は、前記カバー開口からの走行風を後方に通す開口部を備え、前記入口開口は、下方に向けて開口し、第1ガイド壁は、前記入口開口に対し下方側で車両前後方向に延び、前記第2ガイド壁は、前記第1ガイド壁から前記入口開口の前記後端部に向けて上方に延び、前記開口部は、前記入口開口の下方且つ前記第1ガイド壁の前方に位置することを特徴とする構成10から13のいずれかに記載の吸気装置。
この構成によれば、仕切り壁の開口部を通る走行風を、第1ガイド壁及び第2ガイド壁によって後方且つ上方にガイドし、効率良く入口開口に流すことができる。
【符号の説明】
【0109】
10 鞍乗り型車両
29 燃料タンク
37 ラジエーター
39 タンクカバー
40 ラジエーターシュラウド
42c カバー開口
50 吸気装置
51,251 エアクリーナーケース
53,54 吸気ダクト
53a,54a 軸線
53b,54b 吸気開口部
55 渦生成部
59,259 エアフィルター
60d,60e ダクト接続開口部
63,73 外側ダクト部
64,74 内側ダクト部
64a,74a 下流端
84 仕切り壁
84a 開口部
86b 側壁部(斜面部)
86c 入口開口
87 ガイド部
87a 第1ガイド壁
87b 第2ガイド壁
253,254 吸気ダクト
253a,254a 軸線
253b,254b 吸気開口部
253c,254c 下流端
255 渦生成部材(渦生成部)
260d,260e ダクト接続開口部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16