(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159185
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】換気装置
(51)【国際特許分類】
E04D 13/16 20060101AFI20221006BHJP
E04B 1/70 20060101ALI20221006BHJP
E04D 3/40 20060101ALI20221006BHJP
【FI】
E04D13/16 F
E04B1/70 E
E04D3/40 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022057835
(22)【出願日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2021059157
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】592114080
【氏名又は名称】株式会社ハウゼコ
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【氏名又は名称】葛西 さやか
(74)【代理人】
【識別番号】100206195
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 直樹
(72)【発明者】
【氏名】神戸 睦史
【テーマコード(参考)】
2E001
2E108
【Fターム(参考)】
2E001DB02
2E001FA16
2E001FA17
2E001FA71
2E001HB02
2E001HE01
2E001MA02
2E001MA04
2E001MA06
2E001ND26
2E108AA02
2E108AZ02
2E108EE01
2E108ER09
2E108GG09
2E108GG15
2E108GG18
2E108JJ13
2E108JJ18
(57)【要約】
【課題】屋根における漏水の可能性を低減できる換気装置を提供する。
【解決手段】屋根Yの棟部分に形成された換気口Gを覆うように設置される換気装置1は、1対の支持体31及び1対の連結片32を含むベース部材30と、換気口Gに対向する開口41aを有する底板部41及び底板部41から垂下する垂下部42を有する本体部材40と、本体部材40の上方に配置され底板部41との間に通気路Rを形成する天板部61を有するカバー部材60とを備える。本体部材40の垂下部42と支持体31の起立部31bとを重ね合わせた状態で両者を貫通する固定具N2によって本体部材40がベース部材30に取り付けられる。固定具N2の貫通方向が横方向であり、屋根材Jを貫通することがないため、換気棟Mにおける漏水の可能性が低減する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つの傾斜する屋根面を有する屋根の棟部分に形成された換気口を覆うように設置される換気装置であって、
前記2つの屋根面における前記換気口を挟む位置にそれぞれ固定され棟に沿って伸びる1対の支持体と前記1対の支持体をその長手方向に離れた少なくとも2個所において連結する少なくとも2つの連結片とを含み、前記支持体はそれぞれ前記屋根面に固定される固定部と前記固定部の軒側端縁から起立する起立部とを有し、前記連結片は中央部において山形に折れ曲がり且つこの折り曲げ角度を変更可能である、ベース部材と、
前記ベース部材の上に配置され、前記換気口に対向する開口を有する底板部と、前記底板部の対向する端縁それぞれから垂下し前記起立部に重ね合わされる1対の垂下部とを有する本体部材と、
前記本体部材の上方に配置され、前記底板部との間に通気路を形成する天板部を有するカバー部材とを備え、
前記本体部材は、前記垂下部と前記起立部とを重ね合わせた状態で両者を貫通する固定具によって、前記ベース部材に取り付けられる、換気装置。
【請求項2】
前記ベース部材の前記支持体は、長手方向に離れた少なくとも2個所に、前記起立部の上端縁から前記棟へ向かって伸びる連結部を更に有し、前記連結片は両端部が前記連結部に固定される、請求項1記載の換気装置。
【請求項3】
前記換気口における前記棟に沿う方向の、対向する開口縁部それぞれに配置され、互いの間に間隙を有して前記開口縁部よりも上方に突出する水切部を有する1対の捨水切部材と、
1対の前記水切部における前記棟を横切る方向の端縁部それぞれに配置され、前記1対の水切部の前記間隙を覆う遮水面を形成する1対の端部材とを更に備え、
前記端部材は、板状の上部支持片と、前記上部支持片から垂下し互いの間に切れ目を有する1対の遮水片と、前記1対の遮水片それぞれの下端から折り曲げられて形成された1対の固定片とを有し、
前記切れ目に対応する位置で前記上部支持片を前記1対の遮水片が互いに接近するように折り曲げることにより、前記遮水片の一部が重なり合って前記遮水面を形成する、請求項1又は請求項2記載の換気装置。
【請求項4】
前記捨水切部材の前記水切部の上端及び前記端部材の前記上部支持片の上面に取り付けられた止水材を更に含み、
前記止水材は、前記本体部材の底板部の下面に当接する、請求項3記載の換気装置。
【請求項5】
前記本体部材と前記カバー部材との間に配置され、軒棟方向の通気を許容し通水を阻害する邪魔板部を備えた換気部材を更に含む、請求項1~請求項4のいずれかに記載の換気装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、屋根の棟部分に換気棟を構築するための換気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図17は、特許文献1に開示されている従来の換気装置を使用した換気棟を示す断面図である。
【0003】
換気棟mは、2つの傾斜する屋根面fを有する切妻屋根等の山形状の屋根yの棟部分に設けられて、小屋裏の換気を行うためのものである。この従来例では、棟部分に形成した換気口gを覆うように設置した換気装置100によって換気棟mが構築される。
【0004】
換気装置100は、屋根材jの一部を切り欠いて形成した換気口gの開口縁部kから上方へ突出する捨水切部材110と、換気口gに対向する開口121を有する本体部材120と、本体部材120の上面に取り付けられる換気部材130と、換気部材130の端縁部を覆う防水板材(不図示)と、本体部材120の上面を覆うカバー部材140とを備える。
【0005】
捨水切部材110は、換気口gの棟に沿う方向の、対向する開口縁部kそれぞれに配置される1対の部材であり、従って施工状態では互いの間に間隙を有する。各捨水切部材110はそれぞれ下地材hの表面に固定される取着部111と、取着部111の一端から起立して換気口gの上方へ突出する水切部112と、水切部112の上端に取り付けられた止水材113とを有する。取着部111及び水切部112は金属板から成り、棟に沿う方向に延びる長尺物の形態を有し、短手側の側面視形状はほぼL字形である。
【0006】
本体部材120は、その中央部に開口121が形成され、この開口121の縁部から外方へ延びる1対の平坦部122、各平坦部122の外側縁から下方に延びる1対の垂下部123、各垂下部123の下端から外方へ延びるフランジ部124を有する。1対の平坦部122及びフランジ部124は、屋根面fの勾配に沿うような傾斜面に形成される。本体部材120は、金属板のプレス加工によって成形される。
【0007】
換気部材130は、断面が矩形状であり、棟に沿う方向に延びる棒状の形態を有し、軒棟方向に通気性を有するものであり、本体部材120の平坦部122上に、帯状の金属板から成るバンド体131によって固定されている。このバンド体131は、換気部材130の上面に対向する上面部131aに、カバー部材140を取り付けるためのボルト150を螺合させるナット部材(不図示)が設けられている。又、平坦部122及び平坦部122に固定される足部131bには、本体部材120を屋根面fに固定するための固定具160を挿通させる取付孔が形成されている。
【0008】
防水板材(不図示)は、換気部材130の各端縁部に配置される1対の部材であって、2つの換気部材130の間隙を覆う防水板部と、本体部材120の平坦部122にリベット等で固定される基板部とを有する。
【0009】
カバー部材140は、本体部材120の1対の平坦部122が成す角度とほぼ等しい角度で突き合わされた2つの傾斜面を含む天板部141と、天板部141の各端縁それぞれから垂下する垂下部142とを有している。天板部141の適所には、バンド体131に設けたナット部材に螺合させるボルト150を挿通させるための貫通孔が複数形成されている。
【0010】
この換気装置100を用いて換気棟mを構築するには、先ず、屋根yの棟部分において下地材h及びルーフィングiの一部を切り欠いて換気口gを形成する。そして1対の捨水切部材110を、ルーフィングi上の換気口gを挟む位置に釘、ビス等で取り付ける。次いで屋根材jを、捨水切部材110の取着部111を覆うように設置する。続けて、予め換気部材130と防水板材とを平坦部122の上面に固定した本体部材120を取り付ける。これは、本体部材120の取付孔の下方に防水パッキン170を配置し、釘やコーススレッド等の固定具160を、防水パッキン170を挿通させた状態で屋根材に打ち込む作業である。これにより本体部材120が屋根面f上に固定される。引き続き、カバー部材140を本体部材120の上に配置し、カバー部材140の貫通孔に挿通させたボルト150を、バンド体131の上面部に設けたナット部材に螺合させる。これによりカバー部材140が本体部材120を覆う状態に取り付けられる。
【0011】
このように設置された換気装置100は、カバー部材140の天板部141と本体部材120との間に、中央部で換気口gと連通し、途中で換気部材130を通過し、両端部ではカバー部材140の垂下部142と本体部材120のフランジ部124との間に形成される通気口181を通じて外気に開放される通気路180が形成される。従って、換気口gから上昇した空気を、換気部材130を通過させたのち、通気路180の末端の通気口181から外気へ排出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献1に記載の従来の換気装置100にあっては、本体部材120を屋根面fに固定する固定具160が、屋根材jの表面から下地材hの下面まで貫通する構造となっている。このため、固定具160の途中に介在させた防水パッキン170が不良であった場合や、経年変化により防水パッキンが劣化した場合に、雨水等が固定具160を伝って屋根裏に浸入するおそれがあった。
【0014】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、屋根における漏水の可能性を低減できる換気装置の提供を目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、2つの傾斜する屋根面を有する屋根の棟部分に形成された換気口を覆うように設置される換気装置であって、2つの屋根面における換気口を挟む位置にそれぞれ固定され棟に沿って伸びる1対の支持体と1対の支持体をその長手方向に離れた少なくとも2個所において連結する少なくとも2つの連結片とを含み、支持体はそれぞれ屋根面に固定される固定部と固定部の軒側端縁から起立する起立部とを有し、連結片は中央部において山形に折れ曲がり且つこの折り曲げ角度を変更可能である、ベース部材と、ベース部材の上に配置され、換気口に対向する開口を有する底板部と、底板部の対向する端縁それぞれから垂下し起立部に重ね合わされる1対の垂下部とを有する本体部材と、本体部材の上方に配置され、底板部との間に通気路を形成する天板部を有するカバー部材とを備え、本体部材は、垂下部と起立部とを重ね合わせた状態で両者を貫通する固定具によって、ベース部材に取り付けられるものである。
【0016】
このように構成すると、ベース部材の連結片の中央部が棟の直上となるように位置合わせして1対の支持体を屋根面における換気口を挟む位置に固定し、本体部材の垂下部をベース部材の起立部に重ね合わせ、この状態で固定具を垂下部及び起立部に貫通させることにより、本体部材がベース部材に取り付けられる。次いでカバー部材を本体部の上方に配置して取り付けることで、底板部と天板部との間に通気路が形成され、換気棟が構築される。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、ベース部材の支持体は、長手方向に離れた少なくとも2個所に、起立部の上端縁から棟へ向かって伸びる連結部を更に有し、連結片は両端部が連結部に固定されるものである。
【0018】
このように構成すると、ベース部材の支持体の連結部において、連結片と支持体とが連結される。
【0019】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、換気口における棟に沿う方向の、対向する開口縁部それぞれに配置され、互いの間に間隙を有して開口縁部よりも上方に突出する水切部を有する1対の捨水切部材と、1対の水切部における棟を横切る方向の端縁部それぞれに配置され、1対の水切部の間隙を覆う遮水面を形成する1対の端部材とを更に備え、端部材は、板状の上部支持片と、上部支持片から垂下し互いの間に切れ目を有する1対の遮水片と、1対の遮水片それぞれの下端から折り曲げられて形成された1対の固定片とを有し、切れ目に対応する位置で上部支持片を1対の遮水片が互いに接近するように折り曲げることにより、遮水片の一部が重なり合って遮水面を形成するものである。
【0020】
このように構成すると、1対の捨水切部材を、換気口における棟に沿う方向の、対向する開口縁部それぞれに配置し、水切部を開口縁部よりも上方へ突出させる。端部材の上部支持片を、屋根の勾配に合わせて折り曲げ、1対の遮水片の一部どうしを重ね合わせた状態とする。そして、この1対の端部材を、各捨水切部材の水切部における棟を横切る方向の、対向する端縁部それぞれに配置し、その固定片を屋根面に固定する。端部材の遮水片は、捨水切部材の水切部の間隙を覆う遮水面を形成し、水切部と共に、換気口から立ち上がる防水壁構造を構築する。
【0021】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、捨水切部材の水切部の上端及び端部材の上部支持片の上面に取り付けられた止水材を更に含み、止水材は、本体部材の底板部の下面に当接するものである。
【0022】
このように構成すると、換気口の開口縁部に1対の捨水切部材及び1対の端部材を配置し、屋根面に固定したベース部材の上に本体部材を配置すると、捨水切部材及び端部材それぞれに取り付けた止水材が本体部材の底板部の下面に当接して、両者間の隙間を閉塞する。
【0023】
請求項5記載の発明は、請求項1~請求項4のいずれかに記載の発明の構成において、本体部材とカバー部材との間に配置され、軒棟方向の通気を許容し通水を阻害する邪魔板部を備えた換気部材を更に含むものである。
【0024】
このように構成すると、軒棟方向の換気を許容し、水の流入を阻止する。
【発明の効果】
【0025】
請求項1記載の発明によれば、本体部材はベース部材を介して屋根面に取り付けられ、本体部材をベース部材に固定する固定具は起立部と垂下部とを横方向に貫通するように構成されているから、従来のように、固定具が屋根材を貫通することがない。そのため、換気棟における漏水の可能性が低減する。ベース部材は、1対の支持体を連結する少なくとも2つの連結片が中央部の折り曲げ角度を変更可能となっているから、ベース部材を屋根面上に配置する際に、支持体を屋根の勾配に合わせた最適な姿勢で屋根面上に保持することができる。
【0026】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、支持体と連結片とを別部材で構成できるから、支持体は強度を優先させ、連結片は折り曲げ性を優先させることができる。支持体と連結片との連結強度が確保され、連結作業も容易になる。
【0027】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、端部材の上部支持片の折り曲げ角度を調整することにより、1対の固定片それぞれを屋根材表面に適切に沿わせることができ、確実な防水構造とすることができる。
【0028】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、水が屋根面を吹きあがったとしても、捨水切部材及び端部材の止水材によって、換気口への水の浸入を阻止することができる。
【0029】
請求項5記載の発明は、請求項1~請求項4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、水が屋根面を吹きあがったとしても、換気部材の邪魔板部によって、換気口内への水の浸入を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の実施の形態による換気装置を使用して構築した換気棟の全体構造を示す断面図である。
【
図2】
図1に示す換気装置を構成部材に分解して示す断面図である。
【
図3】
図1の換気装置に用いられる捨水切部材を示す図であって、(A)は斜視図であり、(B)は短手側の側面図である。
【
図4】
図1の換気装置に用いられる端部材の使用前の形態を示す図であって、(A)は正面図であり、(B)は側面図であり、(C)は平面図である。
【
図5】
図1の換気装置に用いられる端部材を示す図であって、(A)は使用前の形態を示す斜視図であり、(B)は使用時の形態を示す斜視図である。
【
図6】
図1の換気装置に用いられるベース部材を示す図であって、(A)は斜視図であり、(B)は短手側の側面図であり、(C)は支持体中央の水抜き孔を拡大して示す図である。
【
図7】
図1の換気装置に用いられる本体部材を示す図であって、(A)は斜視図であり、(B)は(A)のX―X線における断面図である。
【
図8】
図1の換気装置に用いられるカバー部材を示す図であって、(A)は斜視図であり、(B)は(A)のY―Y線における断面図である。
【
図9】
図1の換気装置を用いて換気棟を施工する手順を示す図であって、捨水切部材及び端部材を準備する状況を示す斜視図である。
【
図10】
図1の換気装置を用いて換気棟を施工する手順を示す図であって、屋根の棟部分に形成した換気口に合わせて捨水切部材及び端部材を取り付けた状況を示す斜視図である。
【
図11】
図1の換気装置を用いて換気棟を施工する手順を示す図であって、捨水切部材の上に屋根材を配置した状況を示す斜視図である。
【
図12】
図1の換気装置を用いて換気棟を施工する手順を示す図であって、捨水切部材の上にベース部材を配置した状況を示す斜視図である。
【
図13】
図1の換気装置を用いて換気棟を施工する手順を示す図であって、ベース部材の上に本体部材を配置した状況を示す斜視図である。
【
図14】
図1の換気装置を用いて換気棟を施工する手順を示す図であって、本体部材の上にカバー部材を配置した状況を示す斜視図である。
【
図15】本発明の異なる実施の形態による換気装置を使用して構築した換気棟の全体構造を示す断面図である。
【
図16】
図15に示す換気装置を構成部材に分解して示す断面図である。
【
図17】特許文献1に記載される従来の換気装置を用いて構築した換気棟の構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<換気装置の構成>
図1は本発明の実施の形態による換気装置を使用して構築した換気棟の全体構造を示す断面図であり、
図2は
図1に示す換気装置を構成部材に分解して示す断面図であり、
図3は換気装置に用いられる捨水切部材を示す図であり、
図4は換気装置に用いられる端部材の使用前の形態を示す図であり、
図5の(A)は換気装置に用いられる端部材の使用前の形態を示す斜視図、(B)は使用時の形態を示す斜視図であり、
図6は換気装置に用いられるベース部材を示す図であり、
図7は換気装置に用いられる本体部材を示す図であり、
図8は換気装置に用いられるカバー部材を示す図である。
【0032】
本例の換気装置1は、2つの傾斜する屋根面Fを有する屋根Yの棟部分に形成された換気口Gを覆うように設置されて換気棟Mを構築するものであって、換気口Gの棟方向に沿う対向する開口縁部Kそれぞれに配置される1対の捨水切部材10と、1対の捨水切部材10における棟を横切る方向の端縁部それぞれに配置される1対の端部材20と、捨水切部材10の上方に配置されるベース部材30と、ベース部材30上に取り付けられる本体部材40と、本体部材40上に取り付けられるカバー部材60とを備える。
【0033】
図3を参照して、捨水切部材10は、長尺物の形態を有し、長方形の取着部11と、取着部11における施工時に棟側となる端縁から起立する水切部12と、水切部12の上端から取着部11と平行に折り返された上片部13と、上片部13の上面に取り付けられた棒状の止水材14とを有する。取着部11の中央位置には、位置決め用の中心目印線C2が設けられる。
【0034】
図4及び
図5を参照して、端部材20は、捨水切部材10の短手側の端縁に配置されるものであり、板状の上部支持片21と、上部支持片21から垂下し互いの間に切れ目23を有する1対の遮水片22と、1対の遮水片22それぞれの下端から折り曲げられて形成された1対の固定片24と、上部支持片21の上面に取り付けられた止水材25とを有する。上部支持片21は、切れ目23に対応する位置で折り曲げ可能であり、1対の遮水片22a、22bが互いに接近するように上部支持片21を折り曲げることにより、遮水片22a、22bの一部どうしが重なり合って遮水面Sを形成するように構成されている。
【0035】
図6を参照して、ベース部材30は、長尺物の形態を有する1対の支持体31と、1対の支持体31を連結する少なくとも2つの連結片32とを含む。支持体31は、細長い長方形状の固定部31aと、固定部31aにおける施工時に軒側となる端縁から起立する起立部31bと、起立部31bの長手方向の両端部において上端縁から固定部31aと同方向に伸びる連結部31cとを有する。従って支持体31は、長手方向に直交する断面が、端縁部ではほぼコ字形であり、その他の大部分ではL字形の形態を有する。固定部31aには、ベース部材30を屋根面に固定する固定具を打ち込む位置を示す貫通孔、バーリング等の固定具案内部31dが設けられる。固定具案内部31dの位置は、屋根を構築する垂木の配置に基づいて設定される。又、固定部31aにおける上面の棟側寄り及び下面の軒側寄りには、それぞれ止水材34、35が設けられる。更に、起立部31bにおける中央部には、位置決め用の目印を兼ねた中央水抜き孔31eが形成されている。
【0036】
連結片32は帯板状の部材から成り、中央部32aにおいて山形に折れ曲がり且つこの折り曲げ角度を変更可能である。両端部32bは、1対の支持体31それぞれの連結部31cにネジやリベット等の固定手段33で固定される。連結片32は、支持体31の固定部31aと平行となるよう設計されている。従って、連結片32の中央部32aの折り曲げ角度を調整することで、支持体31の固定部31aの傾斜を、ベース部材30が設置される屋根の勾配に適合させることができる。
【0037】
本例では、連結片32を支持体31の連結部31cに連結する構造としたので、両者間の連結強度が確保され、連結作業も容易である。又、支持体31と連結片32とが別部材で構成されるから、支持体31には強度を高めるため厚みの大きい部材を用い、連結片32には折り曲げ性を付与するため厚みの薄い部材を用いることができる。具体的には、例えば支持体31を形成する部材の厚みを0.8mm、連結片32を形成する部材の厚みを0.35mmとすればよい。更には、支持体31と連結片32とを異なる材質で形成してもよい。
【0038】
図7を参照して、本体部材40は、中央部に換気口に対向する開口41aを有しベース部材30を覆うように配置される底板部41と、底板部41の上面において開口41aを挟む位置に配置される棒状の1対の換気部材45と、換気部材45の長手方向の両端部それぞれに配置される防水板材47と、開口41aと換気部材45との間に配置される水返し部材48とを備える。
【0039】
底板部41は、頂部41cで山形に折り曲げられ屋根の勾配に沿うような2つの傾斜面41bを有する。更に底板部41は、その長手方向に沿う対向する端縁それぞれから下方に延びる1対の垂下部42と、各垂下部42の下端から外方へ傾斜面41bと平行に延びるフランジ部43とを有する。各垂下部42には、本体部材40をベース部材30に取り付けるためのネジ、ビス等の固定具を挿通させるための取付孔44が適所に設けられている。又、2つの垂下部42の少なくとも一方には、その中央位置に位置決め用の目印となる中央開孔49が形成されている。
【0040】
換気部材45は、断面が矩形の棒状体であり、軒棟方向(長手方向に直交する方向)に通気性を有するものであり、その構造は特許文献1に使用されるものと共通である。即ち換気部材45は、多数の凹凸を有する合成樹脂シートを複数積層し、これを熱融着によって一体化することで、棟側の端面と軒側の端面との間を連通する多数の連通路を形成したものである。連通路の開口寸法を、気体の流通は容易であるが液体の流通は困難となるように設計することによって、換気部材45は、換気口を介した小屋裏の換気を可能とする一方で、雨水の浸入を阻止する防水機能を発揮する。
【0041】
この換気部材45を底板部41に固定する手段は、特許文献1と共通であり、帯状の金属板を凸状に折り曲げて形成したバンド体46が用いられる。即ち、底板部41上の所定位置に配置した換気部材45の上方からバンド体46を被せ、換気部材45の側方に延びるバンド体46の下端側の足部46aをリベット等で底板部41に固定することで、換気部材45が取り付けられる。又、バンド体46における換気部材45の上面に対向する上面部46bには、後述するカバー部材を取り付けるためのボルトを螺合させるナット部材50が設けられている。
【0042】
防水板材47は、換気部材45の長手方向の両端部に配置される1対の部材であって、2つの換気部材45の間隙を覆う防水板部47aと、底板部41にリベット等で固定される基板部47bとを有する。本例では、防水板部47aを2枚の板状部材を一部重ね合わせた構成とした。これにより、底板部41の折り曲げ角度が変更されても、それに追従して2枚の防水板部47aの重なり状態を変化させることで、防水板部47aに隙間が生じるのを防止している。
【0043】
水返し部材48は、底板部41の開口aにおける長手方向に沿う開口縁部に沿って配置される断面L字形の長尺物であって、開口41aと換気部材45との間において底板部41上に配置される取付部と、この取付部の一端から起立する水返し部とから成る。本例では、換気部材45を固定するバンド体46と共に、水返し部材48の取付部も底板部41に取り付けられるよう構成される。
【0044】
尚、開口41aと防水板材47との間の位置における底板部41の上面には、止水材51が配置される。更に、底板部41の裏面には、開口41aの長手方向の縁部に沿って止水材52が配置されている。
【0045】
図8を参照して、カバー部材60は、本体部材40の底板部41の形状に合わせた勾配を有する2つの傾斜面61aを含む天板部61と、天板部61の長手方向に沿う端縁から垂下する長辺側垂下部62と、天板部61の短手方向に沿う端縁から垂下する短辺側垂下部63とを有している。天板部61の適所には、バンド体46に設けたナット部材50に螺合させるボルトを挿通させるための貫通孔64が複数形成されている。
【0046】
カバー部材60の天板部61の下面には、結露を防止するための断熱材70が設けられる。更に、天板部61の下面には、カバー部材60を本体部材40上に配置したときに、換気部材45及び防水板材47それぞれの上端部と対応する位置に、止水材71、72が設けられている。
【0047】
換気装置1を構成する上記の捨水切部材10、ベース部材30、本体部材40、及び、カバー部材60の主要部は金属板の折り曲げ加工によって形成される。金属板には、例えばガルバリウム鋼板(登録商標)や、ガルバリウム鋼板に塗装を施したガルバリウムカラー鋼板等が用いられる。止水材は、弾性変形が可能であり不透水性を有する材料で成形され、例えばEPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)等のプラスチックフォームが用いられる。
【0048】
<換気棟の施工手順>
上記のように構成された換気装置を用いて屋根に換気棟を構築する手順について以下に説明する。
【0049】
図9~
図14は
図1の換気装置を用いて換気棟を施工する手順を示す図であって、
図9は捨水切部材及び端部材を準備する状況を示す斜視図であり、
図10は屋根の棟部分に形成した換気口に合わせて捨水切部材及び端部材を取り付けた状況を示す斜視図であり、
図11は捨水切部材の上に屋根材を配置した状況を示す斜視図であり、
図12は捨水切部材の上にベース部材を配置した状況を示す斜視図であり、
図13はベース部材の上に本体部材を配置した状況を示す斜視図であり、
図14は本体部材の上にカバー部材を配置した状況を示す斜視図である。
【0050】
図9を参照して、初めに棟部分において、屋根材を付設する前の下地材H及びルーフィングIの一部を所定寸法だけ切除して、換気口Gを形成する。そして、ルーフィングIの表面に、換気口Gの長手方向(棟に沿う方向)の中心位置を示す目印として、第1の中心墨出し線C1を印しておく。屋根Yに形成する換気口Gの長辺寸法は、使用する捨水切部材10の長さ寸法に一致させる。換気口Gの短辺寸法は、本体部材40の寸法に基づいて設定される。
【0051】
次いで、準備した捨水切部材10と端部材20とを、換気口Gの周囲に取り付ける。1対の捨水切部材10はそれぞれ、水切部12を換気口Gの開口縁部に沿わせると共に、取着部11の表面に印した中心目印線C2を、第1の中心墨出し線C1に一致させてルーフィングI上に位置決めした後、ビスや釘等(不図示)を打ち込んで下地材Hに固定する。1対の端部材20は、上部支持片21をルーフィングIの表面の傾斜に合わせて折り曲げ、2つの遮水片22a、22bを一部重ね合わせて遮水面Sを形成し、この状態で捨水切部材10の長手方向の両端部に当接するように配置して、ビスや釘等で固定する。
【0052】
図10を参照して、換気口Gの周囲に捨水切部材10及び端部材20を取り付けたならば、端部材20の遮水片22a、22bの重なり合う部分にコーキング材等を塗布して防水性を確保する。
【0053】
図11を参照して、換気口Gの周囲に捨水切部材10及び端部材20から成る防水壁構造を構築したならば、ルーフィングIの表面に下葺材L及び屋根材Jを葺く。その際、下葺材L及び屋根材Jの一部を、捨水切部材10及び端部材20に合わせて一部切り欠く。屋根材Jの表面には、捨水切部材10に印した中心目印線C2に合わせて、第2の中心墨出し線C3を描く。尚、下葺材は状況に応じ省略してもよい。
【0054】
図12を参照して、引き続き、1対の支持体31の間に捨水切部材10を挟むようにベース部材30を屋根材Jの表面に取り付ける。その際、ベース部材30の中央水抜き孔31eを屋根材Jの第2の中心墨出し線C3に一致させてベース部材30の位置決めをする。又、連結片32の折り曲げ角度を、屋根面Fの勾配に合わせて調整する。その後、コーススレッドや釘等の固定具N1を固定部31aの固定具案内部31dの位置に打ち込んで、ベース部材30を屋根材Jに固定する。
【0055】
図13を参照して、次いで、屋根材Jに固定されたベース部材30を利用して、本体部材40を取り付ける。具体的には、本体部材40をベース部材30の上面に覆い被せ、垂下部42の中央開孔49を、屋根材Jの第2の中心墨出し線C3に一致させて位置決めする。又、底板部41の折り曲げ角度を、屋根面Fの勾配に合わせて調整する。その後、垂下部42に設けた取付孔44及び中央開孔49に板金ビス等の固定具N2をねじ込む。更に、防水板材47における2枚の防水板部47aの重なり合った部分にコーミング材等を塗布して防水性を確保する。この作業の結果、固定具N2によって本体部材40の垂下部42とベース部材30の起立部31bとが接合され、本体部材40がベース部材30を介して屋根面F上に固定される。
【0056】
図14を参照して、最後に、カバー部材60を本体部材40に取り付ける。即ち、カバー部材60を本体部材40の上に配置し、天板部61の折り曲げ角度を屋根面Fの勾配に合わせて調節すると共に、貫通孔64を、本体部材40のバンド体46に設けたナット部材50と位置合わせする。そして、ボルト等の固定具N3を、貫通孔64を介してナット部材50に螺合させることで、カバー部材60の取り付けが完了し、換気棟が構築される。この時、本体部材40の底板部41の一部はカバー部材60に覆われずに露出するが、この露出部分は、棟包部材(不図示)を施工する際に利用することができる。
【0057】
再び
図1を参照して、上記のようにして構築される換気棟Mは、ベース部材30の連結片32の中央部32aが棟の直上となるように位置合わせされて1対の支持体31が屋根面F上の換気口Gを挟む位置に固定され、本体部材40の垂下部42をベース部材30の起立部31bに重ね合わされた状態で、固定具N2を垂下部42及び起立部31bに貫通させることにより、本体部材40がベース部材30に取り付けられるものである。固定具N2を起立部31b及び垂下部42に貫通させる方向は横方向であり、従来のように固定具が屋根材を貫通することがない。そのため、換気棟Mにおける漏水のおそれを低減させることができる。但し、ベース部材30を屋根面F上に取り付けているコーススレッド等の固定具N1は、屋根材Jの表面から、下葺材L、捨水切部材10、ルーフィングI、及び下地材Hを貫通して、垂木Pに達するように設計されており、この貫通部分で防水性が低下するおそれがあると考えられる。しかし本例では、固定具N1の上方を本体部材40の底板部41で覆うと共に、屋根材Jとベース部材30の固定部31aとの間に止水材35を配置して、固定具N1による貫通部分に水が到達しない構造とすることで、この貫通部分で漏水が生じるおそれを無くしている。
【0058】
又、換気口Gの周囲は捨水切部材10及び端部材20で囲むと共に、捨水切部材10及び端部材20の上部に取り付けた止水材14、25を本体部材40の底板部41の下面に当接させている。これにより、本体部材40の姿勢が安定すると共に、本体部材40と捨水切部材10及び端部材20との間に隙間を生じさせない構造となっている。従って、外部から捨水切部材10及び端部材20を越えて換気口G内に雨水が浸入するおそれがなくなっている。
【0059】
この換気棟Mでは、本体部材40の底板部41とカバー部材60の天板部61との間に、換気部材45を通過する通気路Rが形成されている。この通気路Rは、棟位置に相当する中央部で開口41aを介し換気口Gと連通し、軒側の両端部ではフランジ部43と長辺側垂下部62との間で外気に連通している。又、換気部材45は、軒棟方向に気体の流通が可能となっている。従って換気棟Mは、小屋裏の空気を、換気口Gから通気路Rを経由して、外気へ排出する換気機能を発揮する。又、カバー部材60の天板部61の下面に配置した断熱材70により、小屋裏と外気との温度差により天板部61の下面に結露が生じるのを防止している。
【0060】
通気路Rの途中に配置される換気部材45は、その連通路の開口寸法が、気体の流通は容易であるが液体の流通は困難となるように設計されている。又、換気部材45を固定しているバンド体46の上面とカバー部材60の天板部61の下面との間は止水材71によりシールされ、防水板材47と天板部61との間は止水材72によりシールされている。従って、風雨が屋根Yを吹きあがって雨水がカバー部材60の端部側から通気路R内に浸入したとしても、雨水の移動は換気部材45の位置で遮断されるので、雨水を換気口G内へ浸入させるおそれがない。万一、雨水が換気部材45を通過した場合でも、水返し部材48により、換気口G内へ浸入するのを阻止することができる。
【0061】
要するに本例の換気装置1は、屋根における漏水や換気口内への雨水の浸入が生じるおそれが無く、小屋裏の換気を確実に行える換気棟Mを提供するものである。
【0062】
図15は本発明の異なる実施の形態による換気装置を使用して構築した換気棟の全体構造を示す断面図であり、
図16は
図15に示す換気装置を構成部材に分解して示す断面図である。
【0063】
本実施の形態の換気装置の基本的構成及び施工手順は、上記の実施の形態と共通であるため、それとの相違点を中心に説明する。本例では、本体部材40の上面に取り付けられカバー部材60との間に通気路Rを形成するための部材を、いわゆるバッフル構造の換気部材80に変更した。この換気部材80は、金属板等で製作され、長手方向の長さが上記の実施の形態の換気部材45に等しい寸法を有し、実質的に平行に形成された上面部81a、81bと下面部83a、83bとの間に、開口X1~X3を有し且つ軒棟方向と交差する複数の邪魔板部82a~82dを有するものである。本例では、3つの邪魔板部82a、82c、82dを上面部81a、81b及び下面部83a、83bに対し直角に形成し、1つの邪魔板部82bを傾斜させて形成してある。但し、全てを直角又は傾斜させてもよく、直角と傾斜させるものとの割合を変更してもよい。又、邪魔板部の枚数は増減させてもよい。
【0064】
邪魔板部82a~82dに形成される開口X1~X3のうち、開口X1、X3は上方に位置し、開口X2は下方に位置するように設定されている。この構成により、開口X1~X3を通じて軒棟方向の空気の流通を許容する一方で、外部から換気装置1内に水が流入するのを阻害することができる。即ち、換気部材80が、開口X1~X3を有する邪魔板部82a~82dを備えることにより、屋根面を吹きあがった水を換気口G内へ浸入させることなく、換気機能を発揮することが可能となっている。
【0065】
本例の換気部材80は、例えばガルバリウム鋼板等の金属板に予め開口X1~X3を形成しておき、これを折り曲げ加工することにより製作することができる。その他、アルミニウムの押出成形等の異なる手法で製作することも可能である。
【0066】
換気装置1の組みつけにあたっては、換気部材80の上面部81bに、カバー部材60の天板部61を、ビス等の固定具N4によって止め付ける。又、下面部83a、83bは、本体部材40の底板部41に予めロウ付けや接着等で固定される。
【0067】
ところで本例では、本体部材40についても、以下のような変更を加えている。先ず、本体部材40における底板部41と垂下部42との交差部分に、比較的短い第2の水返し部41dを形成した。又、フランジ部43の軒側の端縁部に、山形状に突出する第3の水返し部43aを形成した。更に、底板部41における棟側縁部に沿って形成される水返し部材48の高さ寸法を、上記の実施の形態よりも大きく設定した。このように本例では、水返し構造を増強したので、暴風時に雨水が屋根を吹き上がったとしても、換気装置1の換気部材80を通じて換気口G内に雨水が到達するのを確実に阻止することができる。
【0068】
上記の実施の形態では、ベース部材における1対の支持体を連結する連結片は、支持体の両端部で連結されているが、両端部以外の離れた2個所で連結してもよい。又、連結片は3つ以上であってもよい。又、支持体と連結片とを同一材料で一体形成してもよい。
【0069】
又、上記の各実施の形態では、換気装置の各構成部材は、換気口を挟んで対称に構成されているが、換気口を挟んで非対称な構成としたり、片方の部材群のみで構成する構造としたりしてもよい。
【0070】
カバー部材を取り付けるボルトを螺合させるナット部材は、換気部材を固定するバンド体以外の部分に設けてもよい。
【0071】
換気装置を構成する部材の一部を合成樹脂で形成してもよい。
【0072】
換気装置の平面視形状は、長方形以外の形状であってもよい。
【符号の説明】
【0073】
1…換気装置
10…捨水切部材
11…取着部
12…水切部
13…上片部
14…止水材
20…端部材
21…上部支持片
22…遮水片
22a…遮水片
22b…遮水片
23…切れ目
24…固定片
25…止水材
30…ベース部材
31…支持体
31a…固定部
31b…起立部
31c…連結部
31d…固定具案内部
31e…中央水抜き孔
32…連結片
32a…中央部
32b…両端部
33…固定手段
34…止水材
35…止水材
40…本体部材
41…底板部
41a…開口
41b…傾斜面
41c…頂部
41d…第2の水返し部
42…垂下部
43…フランジ部
43a…第3の水返し部
44…取付孔
45…換気部材
46…バンド体
46a…足部
46b…上面部
47…防水板材
47a…防水板部
47b…基板部
48…水返し部材
49…中央開孔
50…ナット部材
51…止水材
52…止水材
60…カバー部材
61…天板部
61a…傾斜面
62…長辺側垂下部
63…短辺側垂下部
64…貫通孔
70…断熱材
71…止水材
72…止水材
80…換気部材
81a、81b…上面部
82a~82d…邪魔板部
83a、83b…下面部
100…換気装置
110…捨水切部材
111…取着部
112…水切部
113…止水材
120…本体部材
121…開口
122…平坦部
123…垂下部
124…フランジ部
130…換気部材
131…バンド体
131a…上面部
131b…足部
140…カバー部材
141…天板部
142…垂下部
150…ボルト
160…固定具
170…防水パッキン
180…通気路
181…通気口
C1…第1の中心墨出し線
C2…中心目印線
C3…第2の中心墨出し線
F…屋根面
G…換気口
H…下地材
I…ルーフィング
J…屋根材
K…開口縁部
L…下葺材
M…換気棟
N1…固定具
N2…固定具
N3…固定具
N4…固定具
P…垂木
Q…棟木
R…通気路
S…遮水面
X1~X3…開口
Y…屋根
f…屋根面
g…換気口
h…下地材
i…ルーフィング
j…屋根材
k…開口縁部
m…換気棟
y…屋根
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。