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  • 特開-運用支援システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159252
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】運用支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20221006BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20221006BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06 350
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022061419
(22)【出願日】2022-03-31
(31)【優先権主張番号】P 2021062142
(32)【優先日】2021-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】518420813
【氏名又は名称】株式会社Luup
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】岡井 大輝
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB68
5L049CC11
(57)【要約】
【課題】固定料金で乗り物を使用することができるようにする
【解決手段】乗り物の共有サービスの運用を支援するシステムであって、共有サービスにおける利用者の利用履歴を記憶する利用履歴記憶部と、利用履歴に基づいて、サブスクリプションによる利用を提案する提案部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物の共有サービスの運用を支援するシステムであって、
前記共有サービスにおける利用者の利用履歴を記憶する利用履歴記憶部と、
前記利用履歴に基づいて、サブスクリプションによる利用を提案する提案部と、
を備えることを特徴とする運用支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運用支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
自転車等のシェアリングサービスが提供されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-039586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
シェアリングサービスでは時間単位で使用料金が課金されるが、一定の料金で利用したいというニーズがある。
【0005】
本発明はこのような背景を鑑みてなされたものであり、固定料金で乗り物を使用することができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明の主たる発明は、乗り物の共有サービスの運用を支援するシステムであって、前記共有サービスにおける利用者の利用履歴を記憶する利用履歴記憶部と、前記利用履歴に基づいて、サブスクリプションによる利用を提案する提案部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
その他本願が開示する課題やその解決方法については、発明の実施形態の欄及び図面により明らかにされる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、固定料金で乗り物を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態に係る運用支援システムの全体構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<発明の概要>
本発明の実施形態の内容を列記して説明する。本発明は、たとえば、以下のような構成を備える。
[項目1]
乗り物の共有サービスの運用を支援するシステムであって、
前記共有サービスにおける利用者の利用履歴を記憶する利用履歴記憶部と、
前記利用履歴に基づいて、サブスクリプションによる利用を提案する提案部と、
を備えることを特徴とする運用支援システム。
【0011】
本実施形態では、モビリティ、とくにマイクロモビリティの運用を支援する。マイクロモビリティは、大きさが小さく、所持して移動しやすく、速度が早く、移動する周辺環境に制約が少なく、近距離又は中距離の移動に効果的であり得る乗り物である。本実施形態では、モビリティは、全長1m以下であり、電動機を備える1人乗りのパーソナルモビリティであってよい。モビリティは、電動(自動走行)と電動アシストとを切替可能な自転車やスクーター、スケートボードなどであってよい。モビリティは、一般的に駐車場の確保が必要とされていないものであってよい。モビリティには、例えば、自転車やスクーター(キックボード,キックスケーターとも呼ばれる。)、スケートボード、平行二輪車、二輪倒立振子(セグウェイなど)、自立安定一輪車などが含まれうる。また、モビリティには、原動機付き自転車、自動二輪車が含まれうる。モビリティは、最高時速30km未満に設定されているもの(例えば、原動機付き自転車)、最高時速24km未満のもの(例えば、電動アシスト自転車)、最高時速20km未満のもの(例えば、電動キックボードなどが想定される。)が含まれうる。
【0012】
モビリティの共有サービスを、定額課金で提供するサブスクリプション(以下、サブスクとも略称する。)で提供する。本実施形態の運用支援システムでは、局所的な需要過多によるユーザー利便性低下を防止するべく、各種の施策を打つことができる。例えば、局所的な需要過多を回避するべく、審査制を採用することができる。本実施形態の運用支援システムでは、オープンなサブスクリプションの申込は受け付けず、モビリティの既存の利用者に対して、利用履歴に基づいてサブスクリプションの提案を行う。具体的には、利用履歴に基づいて、利用者ごとに、当該利用者による利用が期待されるエリア(モビリティを駐車するポートにより特定してもよいし、一定の面積を有する地図上の領域として特定してもよい。出発エリア及び目的エリアの組で検討してもよい)、時間帯、頻度など(どのユーザがどの時間帯にどのエリアからどのエリアにどのくらいの確率で移動するか)を推定し、推定したエリア、時間帯、頻度に基づいて、利用可能なモビリティがポートからなくならないように、サブスクリプションに誘引する対象となる利用者を決定することができる。
【0013】
サブスクリプションを招待制及び審査制とすることにより、プレミアム感を演出することができる。
【0014】
図1は、本実施形態に係る運用支援システムの全体構成例を示す図である。本実施形態の運用支援システムは、管理サーバ20を含んで構成され、管理サーバ20は、モビリティ1(機体1とも記載する)が備える通信機11及びユーザが使用する携帯端末13のそれぞれと通信ネットワーク30を介して通信可能に接続される。通信ネットワーク30は、たとえばインターネットであり、公衆電話回線網や携帯電話回線網、無線通信路、イーサネット(登録商標)などにより構築される。
【0015】
ユーザは、携帯端末13を操作して、出発ポート及び目的ポートを指定したモビリティ1の使用要求を管理サーバ20に送信する。管理サーバ20は、機体1の通信機11から機体1の位置を定期的に受信しており、また、機体1が使用されているか否か、機体1が予約されているか否かを管理することができる。管理サーバ20は、携帯端末13からの使用要求に応じて、出発ポートに使用及び予約されていない機体1が駐車されており、かつ、目的ポートに空きがある場合に、使用許可を機体1に通知し、機体1のロックを解除することができる。管理サーバ20は、ユーザによるモビリティ1の利用履歴を記憶する。利用履歴には、出発ポートを特定する情報、目的ポートを特定する情報、出発日時、返却日時などを含めることができる。
【0016】
管理サーバ20は、CPU、メモリ、記憶装置、通信インタフェース、入力装置、出力装置などを備えることができる。記憶装置は、各種のデータやプログラムを記憶する、例えばハードディスクドライブやソリッドステートドライブ、フラッシュメモリなどである。通信インタフェースは、通信ネットワーク30に接続するためのインタフェースであり、例えばイーサネット(登録商標)に接続するためのアダプタ、公衆電話回線網に接続するためのモデム、無線通信を行うための無線通信機、シリアル通信のためのUSB(Universal Serial Bus)コネクタやRS232Cコネクタなどである。入力装置は、データを入力する、例えばキーボードやマウス、タッチパネル、ボタン、マイクロフォンなどである。出力装置は、データを出力する、例えばディスプレイやプリンタ、スピーカなどである。なお、本実施形態で説明する管理サーバ20の各機能はCPUが記憶装置に記憶されているプログラムをメモリに読み出して実行することにより実現され、管理サーバ20の各記憶部はメモリ及び記憶装置が提供する記憶領域の一部として実現されうる。
【0017】
<申込のしやすさ>
モビリティの共有サービスでは、利用者のスマートフォンなどの携帯端末13で実行されるソフトウェア(アプリ)を用いて、利用開始するポート(モビリティ1が駐車される場所)の検索や、行き先となる目的ポートの指定などが行われる。運用支援システムでは、管理サーバ20が、当該アプリに対してサブスクリプションを提案することができる。
【0018】
■サブスクリプションをアプリ内で自動的に提案する機能
管理サーバ20は、一定の条件(例えば、過去28日以内に、30ライド行い、利用履歴の中で利用された回数の多いポートの上位5ポートがライドの80%を占めており、かつそれらのポートにサブスクの空きがあるなど)を満たすと、そのユーザーにアプリ内でサブスクリプションを提案することができる。
【0019】
■特定の場所にいる人に無料で使える通知
管理サーバ20は、特定の場所にいる人(スマートフォン等がGPSなどを用いて計測した現在位置をアプリを介して取得することができる。)に対して、無料でモビリティを使えることのできる通知を行う機能を備えることができる。また、運用支援システムは、特定の場所にいる人に対して、広告を配信することができる。当該広告は、モビリティに関する広告であってもよいし、モビリティに関連しない広告であってもよい。
【0020】
■歩いている人を計測して、、近くのポート提案
また、管理サーバ20は、アプリにより移動距離や移動速度等に基づいて利用者が歩いていることを検出し、利用者が歩いていることを検出した場合に、近くのポートを提案する機能を備えることができる。この場合に、無料チケットや割引チケットなどを発行するようにしてもよい。
【0021】
<使用範囲の限定>
サブスクリプションの対象となるエリア、ポート、時間帯、モビリティの種類、利用時間、利用距離などに制限を設けることができる。この場合、管理サーバ20は、アプリにおいて出発ポートと目的ポートを指定させ、出発及び目的ポートから、エリア、ポートを特定し、利用距離、利用時間を推定することができる。サブスクリプションの対象を限定することにより、サブスクリプションの料金を低額に抑えることができる。
【0022】
また、管理サーバ20は、サブスクリプションにおける機体1の使用時に、目的ポートを、機体1に給電が可能なポートに限定するように制限を設けることもできる。この場合、管理サーバ20は、例えば、ポートごとに給電可能かどうかを管理しておき、サブスクリプションに加入しているユーザからの使用要求に応じて、目的ポートが給電可能であるか否かを判定し、給電可能でありかつ空きがある場合に使用許可を出すことができる。
【0023】
■サブスクリプションの定額利用の範囲の制限
サブスクリプションによる機体1の利用時に、時間帯、日にち、曜日の制限、機体の種類(キックボードか自転車か否かなど)、最大利用回数、利用時間などの制限を付けることができる。管理サーバ20は、制限を超えたライドについては、利用を不可としてもよいし、従量課金としてもよい。
【0024】
例えば、最大利用回数・時間の制限は、1ヶ月のうち、最大200ライドまで、総ライド時間100時間までのような制限を設けることができる。また、1日5回まで、1日3時間までなどの制限を設けることもできる。
【0025】
■ポート数の制限
サブスクリプションで使えるポートの数を所定数(例えば3-5箇所など)に制限することができる。管理サーバ20は、サブスクリプションごとに、加入したユーザを特定する情報と、当該サブスクリプションで使用可能なポート(指定ポート)を特定する情報とを管理することができる。管理サーバ20は、サブスクリプションのユーザの携帯端末13からの使用要求に指定されている出発ポート及び目的ポートが、サブスクリプションに対応する指定ポートに含まれているか否かに応じて、使用許可を行うことができる。なお、乗降の両方がそのポート指定されたポートでなければならない制限としてもよいし、少なくとも片方が指定されたポートでなければならない制限としてもよい。
【0026】
■エリア内乗り放題のサブスクリプション
サブスクリプションにおけるポートの指定の仕方は、具体的に1つ1つのポートではなく、エリアを指定し、当該エリアに属するポートのように指定してもよい。エリアの指定は、地図上の範囲としてもよいし、駅や施設などのランドマークから所定距離内という指定であってもよい。例えば、「東京」「大阪」「渋谷区」などの中なら乗り放題とすることができる。エリアは複数指定することもできる。
【0027】
■機体の制限
例えば、キックボードは乗れるが自転車は乗れないなどの制限を設けるようにしてもよい。管理サーバ20は、サブスクリプションごとに、当該サブスクリプションにおいて使用可能な機体1の種類を管理するようにする。使用要求には機体1の指定が含まれるようにし、管理サーバ20は、使用要求に含まれる機体1の種類が、サブスクリプションに対応する種類に含まれているか否かに応じて使用可否を判定することができる。
【0028】
<リファラル施策>
管理サーバ20は、ある種類のモビリティ1を利用している利用者に対して、他の種類のモビリティ1を提案することができる。提案は、管理サーバ20が、利用者のスマートフォン等の携帯端末13に対してメッセージ(プッシュ通知などであってもよいし、メールやチャットなどによるメッセージ通信であってもよい。)を送信することにより行うことができる。
【0029】
管理サーバ20は、例えば、自転車のモビリティの利用者に対して、キックボードの無料チケットや割引チケットなどを送付することができる。
【0030】
■サブスクリプション対象エリア違いの利用券
また、管理サーバ20は、サブスクリプションの対象エリアが制限される場合に、対象エリア外でのライドに対する割引券やクーポンを発行することもできる。
【0031】
■提案したライドについての制限の軽減
例えば、モビリティ1の利用にクレジットカードの登録を求めて運用している場合に、無料チケットなどにより提案した利用に関しては、クレジットカードの登録を行わずにライドを可能とするようにしてもよい。
【0032】
■ポート半径で割引
管理サーバ20は、所定のポートを対象に、当該ポートから所定距離内にいる利用者(アプリをインストールしている携帯端末)に対して、当該ポートからの利用に関する割引を提案することができる。利用者が所定のポートから所定距離内にいるかどうかは、例えば、アプリが携帯端末13の位置情報を管理サーバ20に送信し、管理サーバ20が位置情報及び当該所定のポートの位置に基づいて判断することができる。また、ポートにビーコンを設置し、ビーコンからは当該ビーコンを特定するビーコンIDが送信されるようにしてもよい。この場合、管理サーバ20では、ビーコンIDとポートとを紐付けて管理しておき、アプリは、ビーコンからビーコンIDを受信して管理サーバに送信し、管理サーバ20は、アプリ(携帯端末)から送信されるビーコンIDに応じて、当該ユーザがどのポートの近傍にいるかを判定することができる。管理サーバ20は、割引のみでなく、当該携帯端末に対して何らかの特典を与えるクーポンを送信するようにしてもよいし、当該携帯端末に対して広告を配信するようにしてもよい。
【0033】
■つながりの人にもクーポン
管理サーバ20は、割引チケットや無料チケットなどのクーポンをある利用者に発行した場合に、当該利用者につながりのある他のユーザに対して、同じクーポンを発行することができる。例えば、クーポンの発行対象者と一緒に歩いている人を特定し、特定した人にもクーポンを発行するようにすることができる。
【0034】
■2人同時に乗る場合のクーポン
管理サーバ20は、複数人が同時にライドする場合に、割引クーポンを発行することもできる。この場合、使用要求に複数のユーザを指定する情報を含めるようにすることができる。
【0035】
<共同購入>
管理サーバ20は、ユーザが複数人でサブスクリプションに登録した場合に割引を行うことができる。例えば、家族と、ご近所の人と、オフィスで同僚と一緒にサブスクリプションに登録した場合に、割引を行うことができる。
【0036】
■後から人を巻き込んでグループ割引
最初は一人で申し込んだサブスクリプションのユーザが、後から仲間を巻き込んで申し込みをした場合に、管理サーバ20は、グループ割引の対象とすることができる。
【0037】
■人が抜けると高くなる
グループに所属するユーザの数に応じて割引率/割引金額を決定するようにすることもできる。この場合、管理サーバ20は、サブスクリプションから離脱したユーザがいる場合には、離脱したユーザが所属していたグループの割引率/割引金額が下がるように設定することができる。
【0038】
<利便性>
■持ち帰りと組み合わせる。
サブスクリプションでは、モビリティを自宅に持ち帰ることを許可する運用とすることができる。例えば、サブスクリプションにより使用可能と設定される指定ポートの1つを通常のポートでないところ(仮想的なポート)を設定できるようにし、自宅を仮想ポートに設定することで機体の持ち帰りを可能とすることができる。この場合に、機体の持ち帰りを可能とする時間帯を制限することができる。すなわち、管理サーバ20が備える、ポートへの機体の返却を受け付ける手段は、仮想ポートについては、所定の時間帯(例えば夜間など)にのみ返却を受け付けるようにすることができる。なお、仮想ポートについては、他のユーザが使用開始することはできないようにすることができる。管理サーバ20は、仮想ポートに機体1が返却された場合には、例えば翌朝など所定の時刻までに特定のポートまで機体1が移動されていなければ、ユーザに対して何らかのペナルティを与えるようにすることができる。例えば、課金を行うことができる。
【0039】
なお、管理サーバ20は、一軒家あるいは路面の領域を有するユーザに対して、共有サービスに供するシェアポートとすることの提案を行うことができる。
【0040】
■オフィスポートと組み合わせる
法人向けのサブスクリプションプランとして、オフィスにモビリティを持ち帰ることができるようにすることができる。この場合、オフィスが仮想ポートとして機能し、当該仮想ポートは当該オフィスに所属するユーザのみが利用可能であるものと設定することができる。
【0041】
オフィスポートに係るモビリティの利用については、法人に対して利用料を課金することができる。料金を法人が負担し、福利厚生、通勤手段の手当てなどとして利用することができる。
【0042】
■サブスクリプションで使えるポート以外での乗降車をした時に使えるクーポン
管理サーバ20は、サブスクリプションの対象となるポート又はエリアを限定することができる。ここで、対象外のポートを利用した乗降車について、サブスクリプションに加入しているユーザに対してクーポンを発行することもできる。
【0043】
例えば、管理サーバ20は、あるポートにモビリティが駐車されていない場合に、当該ポートを目的ポートとする利用については、サブスクリプションの対象となっていないポートであっても、無料(サブスクリプションの定額料金のみ)又は割引での利用が可能となるようにクーポンを発行することができる。
【0044】
また、サブスクリプションの対象となるポートが廃止された場合にも、管理サーバ20は同様のクーポンを発行することができる。
【0045】
また、サブスクリプションで使用可能なポートの数は、追加料金で増やすことができる。また、サブスクリプションで使用可能なモビリティの機種(自転車、キックボード等)の数や、サブスクリプションの範囲内でライド可能な時間についても、追加料金により増やすことができる。
【0046】
■予約機能
サブスクリプションに加入したユーザは、指定ポートに限り、利用開始の所定時間(例えば30分等)前から、機体を予約することができるようにしてもよい。また、ライド開始の1時間前までは指定ポートに限り、降車する場所を予約できるようにしてもよい。
【0047】
また、サブスクリプションの対象が所定個数の指定エリアである場合(すなわち、指定エリア間での移動が許される場合)には、サブスクリプションに加入したユーザは、出発エリア及び目的エリアを予約することができるようにしてもよい。この場合、管理サーバは、出発エリア内に位置するポートに駐輪されている機体の数が0にならないように、他のユーザによる機体の使用を許可するようにすることができる。
【0048】
■サブスクリプションユーザしか利用できないポート
管理サーバ20は、特定のポートについては、一般ユーザーが利用できないようにし、サブスクリプションに加入しているユーザのみが利用可能なように設定してもよい。また、ブスクリプションに加入しているユーザには優先的に機体を利用可能な設定とすることもできる。
【0049】
<その他>
■サブスクリプションユーザのみが利用できるクーポン
管理サーバ20は、サブスクリプションに加入しているユーザに対しては、優待特典を設定してもよい。例えば、サブスクリプションのパスを店舗に見せると割引になるような施策があってよい。
【0050】
■デリバリーパートナー向け
物品・飲食物等のデリバリを行うギグワーカーに対してサブスクリプションを提供することができる。このギグワーカー向けのサブスクリプションでは、特定のポートから借り、特定ポートに返さないといけないような制限を設けることができる。また、サブスクリプションで指定可能なポートの数は、通常のサブスクリプションユーザよりも少ない数(例えば1,2個等)の制限とすることができる。ギグワーカーには、自宅で充電してもらうように、バッテリーと充電器を貸し出すようにしてもよい。
【0051】
■鉄道やバスなどの定期券との連携
交通機関の定期券を購入したユーザに対しては、モビリティの共有サービスについてもサブスクリプションに加入可能とすることができる。
【0052】
■不動産との連携
特定の不動産に設置されたポートを少なくとも1つ利用対象のポートとして設定したサブスクリプションに、当該不動産の居住者を加入させるようにすることができる。
【0053】
<ダイナミックプライシング>
■選択するポートにより値段を変える
管理サーバ20は、サブスクリプションの対象(制限範囲)とするポート又はエリアによって、サブスクリプションの料金を変更することができる。例えば、人気のあるポート又はエリアは高く設定することができる。
【0054】
例えば、
ベース料金:1,000円
優良ポート:500円
普通ポート:300円
のような値付けとすることができる。
【0055】
また、指定できるポート又はエリアの数によって、値段を変えるようにしてもよい。例えば、ポートは2個から、最大10個まで選べるようにし、ポートの数に応じた金額を設定することができる。
【0056】
また、使える機体の種類の数に応じてサブスクリプションの料金を変更することができる。例えば、キックボードのみの場合と、自転車及びキックボードのいずれも利用可能である場合とで料金が異なるようにすることができる。
【0057】
また、時間帯、時間の制限に応じてサブスクリプションの料金を変更することができる。
●使える時間帯
・全時間帯:1,000円
・オフピークのみ:0円
●割引になる時間
・1乗車60分まで:10%増し
・1乗車30分まで:通常
【0058】
管理サーバ20は、例えば、全時間帯に利用可能で、優良ポート2個、普通ポート3個の計5個で、1乗車60分までであれば、(1000円 + 500円*2 + 300円*3 + 1000) * 1.1 = 4,290円のような料金計算とすることができる。
【0059】
また、管理サーバ20は、他の要件に応じてサブスクリプションの料金を変更するようにしてもよい。例えば、一定期間(例えば1日や半日など)における使用(ライド)可能な回数に応じて料金を変更することができる。
【0060】
■毎月の見直し
管理サーバ20は、サブスクリプション金額を一定期間ごと(例えば、毎月、3ヶ月ごとなど)に見直して変更可能とするようにしてもよい。
【0061】
<サブスクリプションの対象を変える>
定期券モデル(乗り放題)だけでなく、割引パスを発行してもよい。例えば、月々1000円支払うことで、全ライドが20%割引になるようにしてもよい。また、例えば、特定のポートから出発する又は特定のポートに返却するライドはただになるが、それ以外は20%割引になるようにしてもよい。また、例えば、最初の所定期間(例えば10分、1時間など)の利用は無料とし、それ以上の利用は従量課金とするようにしてもよい。
【0062】
<連携>
他の交通機関の定期券とのパック販売として、定期券の購入金額の中に、モビリティ1のサブスクリプションの料金もセットして販売するようにすることができる。
【0063】
不動産の家賃にモビリティ1のサブスクリプションの料金を組み入れるようにすることができる。
【0064】
カメラのサブスクリプションと連携し、撮影スポットまでのモビリティの提案を行うことができる。
【0065】
特定ポート限定のサブスクリプションとして、当該ポートに関係する事業者に対してサブスクリプションに係る料金の課金を行うようにしてもよい。
【0066】
<乗りすぎ防止(ライドの機会ロス低減)>
局所的な需要過多によるユーザー利便性低下を防止する施策を打つことができる。
【0067】
■サブスクリプションユーザの審査
ユーザによる過去のモビリティ1のライド履歴に応じて、招待制及び/又は審査制を採用することができる。
【0068】
管理サーバ20は、例えば、ユーザから今後使いたいポート3-5個の指定を受け付け、指定されたポートでの乗車及び降車のみを許可するように制限し、当該ポートを指定したサブスクリプションの数が当該ポートについて予め設定された利用者上限数(例えば、ポートに駐車可能な機体1の上限数又は機体1の駐車上限数の所定割合)まで、当該ポートを利用したユーザにサブスクリプションに招待することができる。管理サーバ20は、ユーザの利用履歴に基づいて、当該ユーザが過去所定期間内に乗車又は返却したポートのうち使用回数の多いポートを所定数(例えば5個、10個など)特定し、特定したポートを選択肢としてユーザに提示し、サブスクリプションの対象となるポートをその選択肢から選択させるようにしてもよい。
【0069】
また、後から審査を行うこともできる。例えば、利用開始してから所定期間経過後に審査を行うようにしてもよい。
【0070】
管理サーバ20は、ユーザがサブスクリプション契約をする場合に、当該ユーザから頻度高く使用する一つ以上のポートの選択を受け付けてもよい。この場合、管理サーバは各ポートに対し、選択を受け付けられるユーザ数の上限の値を設定することができる(例えば、設置できる上限の機体1の数が10台のポートでは、最大7人までサブスクリプション契約を受け付けることができるように設定するなど)。
【0071】
管理サーバ20は、ユーザが機体の使用を開始する時間から所定の時間以上前の時間に、当該ユーザから、機体1を指定の場所、指定の時間に届けるサービスの申込みを受け付けた場合に、指定の場所(例えば、自宅や自宅付近のポートなどを含むがこれらに限定されない)まで、機体1の運搬を支援する機能(例えば、運搬または運搬を手配する担当者やギグワーカーに、運搬対象の機体1の指定、運搬手段の手配や、運搬のための事前準備等の情報を提示する昨日。また、例えばギグワーカー等に提示する運搬の手数料を、運搬の距離や運搬開始までの時間の短さ、また時間帯や時期、天候などに応じてダイナミックプライシングで設定する機能等)を備えるようにしてもよい。また、管理サーバ20は、機体1を搭載した自動運転装置に対して、機体を届ける場所と時間の情報を入力し、当該自動運転装置が機体を配送するようにしてもよい。
【0072】
管理サーバ20は、ユーザから取得した予約の情報や、前述した機体運搬の情報をと、これらの情報に関連するポートに置かれている機体1の数の情報をもとに、ユーザが機体1を返却することはできるが、そこから乗ることはできない(そのポートに置かれている機体1を使用することができない)ポートを設定してもよい。この場合、管理サーバ20は、当該ポートから機体1に乗る予約を受け付けなければよいし、ポートの情報として、当該ポートからは現時点で乗ることができないこと、また乗ることができない時間の情報も併せて、ユーザが使用する情報端末に提示してもよい。
【0073】
<不正ライド防止>
管理サーバ20は、不正な乗車を防止することで、不正ライドによる正規顧客のライド機会が毀損されることを防止することができる。管理サーバ20は、例えば、ユーザが利用の申込みができる携帯端末13を、ユーザ一人に付き一台に限定してもよい。この場合、管理サーバ20が携帯端末13を特定する方法は一般的な技術を用いればよく、具体的な説明は割愛する。また、管理サーバ20は、ユーザに対して定期的に、またはランダムなタイミングでユーザ自身の顔写真の撮影を求めてもよい。この場合、管理サーバ20は例えば、事前にユーザの顔写真を取得しておき、また、撮影を求めた際に撮影された顔写真を取得し、顔認識技術を用いてそれぞれの写真を解析し、両画像に写っている人物が同一人物であるか否かを判定すればよい。管理サーバ20は、撮影を求めた際にユーザが自身の顔写真の撮影をしない場合や、当該両写真を分析した結果別人であると判定された場合に、当該ユーザに対して使用の中止を求める情報を提示すればよい。
【0074】
管理サーバ20は、ユーザに対して定期的に、またはランダムなタイミング、または特定のタイミングで、ユーザ自身の顔写真の撮影を求めてもよい。
【0075】
<コストダウン>
■ダイナミックプライシング
管理サーバ20は、利用料を状況に応じて変更してもよい。管理サーバ20は、例えば、所定のポートに配置された機体1の数量が所定の値に満たない場合に、当該ポートに向かうユーザの利用料を下げても良い。また、管理サーバ20は、例えば、ユーザが当該ポートから所定の距離離れた別のポートに移動を予定している場合に、当該別のポートで機体1を返却した場合よりも当該ポートで機体1を返却したほうが利用料が安くなるという情報を当該ユーザの使用する携帯端末13に提示してもよい。なお、当該ユーザは、サブスクリプション契約をしていないユーザであることが望ましい。
【0076】
■再配置に協力したライドをしてくれたらポイント付与
管理サーバ20は、ダイナミックプライシングによる動機づけだけでなく、ユーザに直接的にリワードを与えることと引き換えに、ユーザに行動の依頼や動機づけを提示してもよい。当該リワードは、金銭の代わりに用いることができるポイントや、バッジや役職などの名誉などでよいが、これらに限定されない。また、当該リワードは、例えば、ユーザの契約内容や、当該依頼に応えた回数などによって提供される数や量、性質を変えてもよく、具体的には、例えばサブスクリプション会員であるユーザに対しては、当該依頼に応えた場合に提供されるポイントの数や率を増やすなどの施策を行っても良い。当該行動は、例えば、当該ユーザが使用、またはポートに置かれている特定の機体を、指定されたポートに返還、または移動させることを含むが、これらに限定されない。
【0077】
<ブランディング>
管理サーバ20は、ユーザの利用履歴、利用状況に応じて、定期的にサブスクの加入継続可否を判定するようにしてもよい。管理サーバ20は、例えば、ユーザの保有する携帯端末13や、機体1が有するセンサから情報を取得する。管理サーバ20は、前記センサから取得した情報から、所定の値以上の衝撃や振動(事故または乱暴運転)、急な加速(急発進)、急な減速(急停止)、急な方向転換(急ハンドル)など、センサから取得した情報から事故や危険運転、または機体の乱暴な扱いなどの問題行動を判定する。管理サーバ20は、前記問題行動が当該ユーザが運転する所定の期間内に、所定の回数または頻度で発生した場合に、当該ユーザはサブスクの継続契約ができないと判定すればよい。なお、管理サーバ20は、当該問題行動を、ユーザが返却時に機体1を撮影した画像や、返却した場所の近辺に設置された監視カメラが取得した画像などから判定してもよい。この場合、例えば管理サーバ20は、駐車姿勢の悪さ、駐車位置と駐車を指定場所のずれの程度、機体の汚れ、機体の破損などを判定しても良い。更に、管理サーバは、サブスク契約の継続はできないと判定したユーザに対し、当該ユーザが機体を返却した後に契約継続不可の通知を行ってもよいし、当該ユーザが自身が使用する情報端末から、サブスク更新の手続きをするためのページにアクセスしたタイミングで、当該情報端末に契約継続不可の通知を行ってもよいが、これらのタイミングに限定されない。
【0078】
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10 モビリティ
11 通信機
13 携帯端末
20 管理サーバ
図1