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特開2022-159295運動発生プラットフォームアセンブリ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159295
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】運動発生プラットフォームアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A63G 31/04 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A63G31/04
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022114502
(22)【出願日】2022-07-19
(62)【分割の表示】P 2020121232の分割
【原出願日】2018-02-08
(31)【優先権主張番号】62/456,506
(32)【優先日】2017-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511077292
【氏名又は名称】ユニバーサル シティ スタジオズ リミテッド ライアビリティ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ブラム スティーヴン シー
(72)【発明者】
【氏名】キング スティーヴン
(57)【要約】
【課題】本発明は、客の体験を強化する特徴を有する乗り物システム及び方法を提供する。
【解決手段】乗り物システムは、ベースと、乗り物車両と、ベースと乗り物車両間に配置されたプラットフォームアセンブリと、プラットフォームアセンブリに結合され、かつベースと乗り物車両間に配置された拡張機構とを含む。プラットフォームアセンブリは、第1のプラットフォームと、第2のプラットフォームと、第1のプラットフォームと第2のプラットフォーム間を延びる6つの脚とを含み、プラットフォームアセンブリは、6つの脚のうちのどれが作動されるかに基づいて異なる構成で第2のプラットフォームに対して第1のプラットフォームを移動するために6つの脚の各々を作動するように構成される。拡張機構は、乗り物車両を乗り物システムのベースから離れるように及びそれに向けてそれぞれ移動するために拡張及び収縮ように構成される。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物システムであって、
ベースと、
乗り物車両と、
第1のプラットフォームと、第2のプラットフォームと、該第1のプラットフォームと該第2のプラットフォームの間に延びる6つの脚とを有し、前記ベースと前記乗り物車両間に配置され、かつ該6つの脚のうちのどれが作動されるかに基づいて異なる構成で該第2のプラットフォームに対して該第1のプラットフォームを移動するために該6つの脚の各々を作動するように構成されたプラットフォームアセンブリと、
前記ベースと前記乗り物車両間に配置され、前記プラットフォームアセンブリに結合され、かつ該乗り物車両を乗り物システムの該ベースから離れるように及びそれに向けてそれぞれ移動するために拡張及び収縮するように構成された拡張機構と、
を含む、乗り物システム。
【請求項2】
前記プラットフォームアセンブリは、前記ベースと前記拡張機構間に配置される、請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項3】
前記プラットフォームアセンブリは、前記乗り物車両と前記拡張機構間に配置される、請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項4】
前記第1のプラットフォームは、前記6つの脚のうちの第1の対の脚がそれに結合される第1のアンカー位置と、該6つの脚のうちの第2の対の脚がそれに結合される第2のアンカー位置と、該6つの脚のうちの第3の対の脚がそれに結合される第3のアンカー位置とを含み、
前記第2のプラットフォームは、前記第2の対の脚のうちの第1の脚と前記第3の対の脚のうちの第1の脚とがそれに結合される第4のアンカー位置と、前記第1の対の脚のうちの第1の脚と該第3の対の脚のうちの第2の脚とがそれに結合される第5のアンカー位置と、該第1の対の脚のうちの第2の脚と該第2の対の脚のうちの第2の脚とがそれに結合される第6のアンカー位置とを含み、
前記第1のアンカー位置は、前記6つの脚が等しい長さを含む時に前記第4のアンカー位置に位置合わせされ、前記第2のアンカー位置は、該6つの脚が等しい長さを含む時に前記第5のアンカー位置に位置合わせされ、前記第3のアンカー位置は、該6つの脚が等しい長さを含む時に前記第6のアンカー位置に位置合わせされる、
請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項5】
前記6つの脚の各脚が、前記第1のプラットフォームの第1の面と45度以下の第1の角度を作り、
前記6つの脚の各脚が、前記第2のプラットフォームの第2の面と45度以下の第2の角度を作る、
請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項6】
各アクチュエータが、前記6つの脚のうちの対応する脚に結合される又はその一部であり、各アクチュエータが、該対応する脚の長さを増大又は低減するために制御されるように構成される6つのアクチュエータを含む、請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項7】
前記6つの脚を拡張する、該6つの脚を収縮する、又は両方を行うように構成された複数のウインチを含む、請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項8】
前記ベースは、前記乗り物車両がそれに沿って並進するように構成された軌道、又は該乗り物車両が配置された静止ベースを含む、請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項9】
前記乗り物車両は、前記ベースから下に垂れ下がる又はそこから片持ちされる、請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項10】
前記乗り物車両は、前記ベースの上方に配置される、請求項1に記載の乗り物システム。
【請求項11】
乗り物システムであって、
乗り物車両に結合された第1のプラットフォームと、第2のプラットフォームと、該第1のプラットフォームと該第2のプラットフォームの間に延びる6つの脚とを含むプラットフォームアセンブリ、
を含み、
前記第1のプラットフォームは、前記6つの脚のうちの第1の脚及び第2の脚がそれに対して結合される第1のアンカー位置と、該6つの脚のうちの第3の脚及び第4の脚がそれに対して結合される第2のアンカー位置と、該6つの脚のうちの第4の脚及び第5の脚がそれに対して結合される第3のアンカー位置とを含み、
前記第2のプラットフォームは、前記第3の脚及び前記第6の脚がそれに対して結合される第4のアンカー位置と、前記第2の脚及び前記第5の脚がそれに対して結合される第5のアンカー位置と、前記第1の脚及び前記第4の脚がそれに対して結合される第6のアンカー位置とを含み、
前記第1のアンカー位置は、前記6つの脚が等しい長さを含む時に前記第4のアンカー位置に位置合わせされ、前記第2のアンカー位置は、該6つの脚が等しい長さを含む時に前記第5のアンカー位置に位置合わせされ、前記第3のアンカー位置は、該6つの脚が等しい長さを含む時に前記第6のアンカー位置に位置合わせされる、
乗り物システム。
【請求項12】
前記6つの脚の各脚が、前記第1のプラットフォームの第1の面と45度以下の第1の角度を作り、
前記6つの脚の各脚が、前記第2のプラットフォームの第2の面と45度以下の第2の角度を作る、
請求項11に記載の乗り物システム。
【請求項13】
前記6つの脚に対応し、かつ該6つの脚の長さを変えるために制御されるように構成された6つのアクチュエータを含む、請求項11に記載の乗り物システム。
【請求項14】
前記プラットフォームアセンブリに直接的又は間接的に結合された乗り物車両と、
前記プラットフォームアセンブリがそれに直接的又は間接的に結合されたベースと、
前記ベースからの前記乗り物車両の距離を変えるように構成された拡張機構と、
を含む、請求項11に記載の乗り物システム。
【請求項15】
前記第1のプラットフォームの前記第1のアンカー位置、前記第2のアンカー位置、及び前記第3のアンカー位置の近くに配置され、前記6つの脚を拡張する、該6つの脚を収縮する、又はその両方を行うように構成された複数のウインチを含む、請求項11に記載の乗り物システム。
【請求項16】
乗り物システムを作動させる方法であって、
複数のケーブルを通じて前記乗り物システムの軌道の下に乗り物車両を支持する段階と、
コントローラを通じて前記乗り物システム内の力をモニタする段階と、
前記複数のケーブルに対応する複数のモータの前記コントローラによる命令を通じて、前記乗り物システム内の前記モニタされた力に基づいて該複数のモータのトルク出力を調節する段階と、
を含む、方法。
【請求項17】
センサを通じて前記乗り物システム内の前記力を検出する段階を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記センサは、トルクを検出するように構成されたトルクセンサを含み、又は
前記センサは、前記乗り物システム内の力を示す前記乗り物車両の向きを検出するように構成された光センサを含む、
請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記コントローラを通じて前記乗り物システム内の前記力をモニタする段階は、プラットフォームアセンブリによって付与される力をモニタする段階を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記プラットフォームアセンブリは、倒立型スチュワートプラットフォームアセンブリを含む、請求項16に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願への相互参照〕
この出願は、全ての目的に対して本明細書にその全体が引用により組み込まれている2017年2月8日出願の「Inverted Stewart Platform and Flying Reaction Deck(倒立型スチュワートプラットフォーム及び飛行反応デッキ)」という名称の米国特許出願第6の2/456、506号に対する優先権及びその利益を主張するものである。
【0002】
本発明の開示は、一般的に、遊園地の分野に関する。より具体的には、本発明の開示の実施形態は、客の体験を強化する特徴を有する乗り物システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
独特な相互作用的体験、運動体験、及び視覚体験を客に提供するために様々な娯楽乗り物及び展示物が創り出されている。例えば、従来の乗り物は、軌道に沿って進む車両を含むことができる。軌道は、車両上に運動を誘発する(例えば、方向転換、落下)又は車両を作動(起動)する部分を含むことができる。しかし、従来の乗り物車両作動(例えば、湾曲軌道を通じた)は、高価であり、かつ広大な乗り物フットプリントを含む場合がある。更に、従来の乗り物車両作動(例えば、湾曲軌道を通じた)は、ある一定の望ましい運動に関して制限される場合があり、すなわち、乗客にとって望ましい感覚を生成しない場合がある。従って、乗り物車両作動の改善が望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本来主張する主題に鑑みて相応のある一定の実施形態を以下に要約する。これらの実施形態は、本発明の開示の範囲を限定するように意図しておらず、むしろこれらの実施形態は、ある一定の開示する実施形態の簡単な要約を提供することだけを意図している。実際に、本発明の開示は、以下に列挙する実施形態に類似の又は異なる場合がある様々な形態を包含することができる。
【0005】
一実施形態では、乗り物システムは、ベースと、乗り物車両と、ベースと乗り物車両間に配置(位置決め)されたプラットフォームアセンブリと、プラットフォームアセンブリに結合され、かつベースと乗り物車両間に配置された拡張機構とを含む。プラットフォームアセンブリは、第1のプラットフォームと、第2のプラットフォームと、第1のプラットフォームと第2のプラットフォーム間を延びる6つの脚とを含み、プラットフォームアセンブリは、6つの脚のうちのどれが作動されるかに基づいて異なる構成で第2のプラットフォームに対して第1のプラットフォームを移動するために6つの脚の各々を作動させる(起動する)ように構成される。拡張機構は、乗り物車両を乗り物システムのベースから離れるように及びそれに向けてそれぞれ移動するために拡張及び収縮するように構成される。
【0006】
別の実施形態では、乗り物システムは、第1のプラットフォームと、第2のプラットフォームと、第1のプラットフォームと第2のプラットフォーム間を延びる6つの脚とを含むプラットフォームアセンブリを含む。第1のプラットフォームは、6つの脚のうちの第1の脚及び第2の脚がそれに対して結合される第1のアンカー位置(固定位置)と、6つの脚のうちの第3の脚及び第4の脚がそれに対して結合される第2のアンカー位置と、6つの脚のうちの第4の脚及び第5の脚がそれに対して結合される第3のアンカー位置とを含む。第2のプラットフォームは、第3の脚及び第6の脚がそれに対して結合される第4のアンカー位置と、第2の脚及び第5の脚がそれに対して結合される第5のアンカー位置と、第1の脚及び第4の脚がそれに対して結合される第6のアンカー位置とを含む。第1のアンカー位置は、6つの脚が等しい長さのものである時に第4のアンカー位置に位置合わせされ、第2のアンカー位置は、6つの脚が等しい長さのものである時に第5のアンカー位置に位置合わせされ、第3のアンカー位置は、6つの脚が等しい長さのものである時に第6のアンカー位置に位置合わせされる。
【0007】
別の実施形態では、乗り物車両を作動させる方法は、複数のケーブルを通じて乗り物システムの軌道の下で乗り物車両を支持する段階を含む。本方法はまた、コントローラを通じて乗り物システム内の力をモニタする段階を含む。本方法はまた、複数のケーブルに対応する複数のモータのコントローラによる命令を通じて、乗り物システム内でモニタされた力に基づいて複数のモータのトルク出力を調節する段階を含む。
【0008】
本発明の開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図面を通して同じ記号が同じ部分を表す添付図面を参照して以下の詳細説明を読むとより良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の開示の実施形態によるプラットフォームアセンブリ、拡張機構、及びフィードバック制御特徴を有する乗り物システムの実施形態の概略図である。
図2】本発明の開示の実施形態による倒立型スチュワートプラットフォームを備えたプラットフォームアセンブリを有する飛行反応デッキを含む乗り物システムの実施形態の概略側面図である。
図3】本発明の開示の実施形態による倒立型スチュワートプラットフォームを備えた飛行反応デッキを有する図2の乗り物システムの実施形態の概略側面図である。
図4】本発明の開示の実施形態による倒立型スチュワートプラットフォームを備えた飛行反応デッキを有する図2の乗り物システムの実施形態の概略透視図である。
図5】本発明の開示の実施形態による倒立型スチュワートプラットフォームを備えた飛行反応デッキを有する乗り物システムの別の実施形態の概略側面図である。
図6】本発明の開示の実施形態による倒立型スチュワートプラットフォームの実施形態の概略透視図である。
図7】本発明の開示の実施形態による図6の倒立型スチュワートプラットフォームの実施形態の概略透視図である。
図8】本発明の開示の実施形態による図6の倒立型スチュワートプラットフォームの実施形態の概略透視図である。
図9】本発明の開示の実施形態による倒立型スチュワートプラットフォームの別の実施形態の概略斜視図である。
図10】本発明の開示の実施形態による図9の倒立型スチュワートプラットフォームに利用されるアクチュエータの実施形態の概略斜視図である。
図11】本発明の開示の実施形態による倒立型スチュワートプラットフォームを備えた飛行反応デッキを有する乗り物システムの別の実施形態の概略側面図である。
図12】本発明の開示の実施形態による倒立型スチュワートプラットフォームを備えた飛行反応デッキを有する乗り物システムの別の実施形態の概略側面図である。
図13】本発明の開示の実施形態による倒立型スチュワートプラットフォームを備えた飛行反応デッキを有する乗り物システムの別の実施形態の概略側面図である。
図14】本発明の開示の実施形態による倒立型スチュワートプラットフォームを備えたプラットフォームアセンブリを有する飛行反応デッキを制御するための処理の実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の開示の1又は2以上の具体的実施形態を以下に説明する。これらの実施形態の簡潔な説明を提供するために、実際の実施の全ての特徴を本明細書に説明しない場合がある。いずれのそのような実際の実施の開発においても、あらゆる工学又は設計プロジェクトの場合と同様に、実施毎に異なる可能なシステム関連及びビジネス関連の制約の遵守のような開発者の具体的な目標を達成するために実施独特の多くの決定を行う必要があることを認めなければならない。更に、そのような開発努力は複雑で時間が掛かる可能性があるが、それにも関わらず、本発明の開示の利益を受ける当業者にとっては設計、組立、及び製造の日常的な仕事であることを認めなければならない。
【0011】
本発明の開示の実施形態は、遊園地の乗り物及び展示物に向けられる。具体的には、乗り物及び展示物は、別な方法では行うことができないか又は従来の乗り物システムでは著しく減らされる特定の感覚を乗客に知覚させるように設計又は意図することができる運動ベースのシステム及び対応する技術を組み込んでいる。ここに開示する乗り物及び展示物では、乗客の体験は、ある一定の運動ベースのシステム及び技術を使用することで強化することができる。例えば、乗り物システムは、従来の方法(例えば、方向転換、落下)からは通常発生することができない感覚を乗客に提供するために6つまでの自由度を生成する1又は複数のデバイスを組み込むことができる。デバイスは、それらの間を延びる脚を通じて結合された2つのプラットフォームを含むことができる。脚(又は対応する特徴部)が作動された時に2つのプラットフォームを互いに対して移動するように、脚は2つのプラットフォームに沿った特定の位置に2つのプラットフォームに対してある角度で結合される。本発明の開示による脚を通じてプラットフォームを結合することができる1つの方法を本明細書では「倒立型スチュワートプラットフォーム」と呼び、これは従来のスチュワートプラットフォームとは異なる。従来のスチュワードプラットフォームは、脚によって接続した対向するプラットフォームを有し、その脚は2つの対向するプラットフォームそれぞれの3つの拡張領域から対になって延びるものとして説明することができる。倒立型スチュワートプラットフォームは、対向するプラットフォーム間を延びる6つの脚を含み、6つの脚は、対向するプラットフォームに沿った位置から延び、従来のスチュワートプラットフォームとは実質的に異なる方法で、対向するプラットフォーム間で方向付けされる。以下で図面を参照して詳細に説明する倒立型スチュワートプラットフォームの異なる位置/向きは、取りわけ、倒立型スチュワートプラットフォーム及び対応する乗り物構成要素の安定性を高めるように構成される。
【0012】
一般的に、上述の倒立型スチュワートプラットフォームの2つのプラットフォームのうちの第1のものは、遊園地乗り物の車両又は展示物と結合させる(又はそれらに対応する)ことができ、一方で2つのプラットフォームのうちの第2のものは、遊園地乗り物の軌道(又は展示物のベース)と結合させる(又はそれらに対応する)ことができる。一部の実施形態では、拡張機構は、第1のプラットフォームと乗り物車両間、又は第2のプラットフォームと軌道又はベース間に配置することができる。第1及び第2のプラットフォームを結合する脚を制御して(例えば、縮小、拡張、又は他に作動して)第2のプラットフォームに対して第1のプラットフォームを移動することができ、それによって第1のプラットフォームに結合された(又はそれに対応する)乗り物車両を第1のプラットフォームと共に移動させる。上述の拡張機構を有する実施形態では、倒立型スチュワートプラットフォームの上述の脚とは独立に又はそれと協働して拡張機構が作動され、倒立型スチュワートプラットフォームによって付与される移動及び対応する感覚を拡張する、補完する、又はそれらと相互作用することができる。
【0013】
ここで説明する実施形態は、湾曲軌道の使用を必要とせずに広範囲の運動を可能にする。従って、この実施形態による乗り物システムのフットプリントを低減することができる。更に、ここに開示する実施形態は、乗り物車両の運動範囲を拡大することができ、従来の乗り物システムよりも細かく調整された作動を可能にすることができる。例えば、倒立型スチュワートプラットフォームを通じてより広範囲の運動を提供することができ、倒立型スチュワートプラットフォームは乗り物の安定性改善を促進することができる。更に、乗り物車両の乗員が作動源を想像することなく、乗り物車両に作動を付与することができる。そのために、ここに開示する実施形態は、明らかな軌道又はベースのない3次元環境に乗客を没入させることによって乗り物体験を強化することができる。ある一定の実施形態では、乗り物システムの環境は、車両及び/又は軌道から分離した特徴を含むことができ、その場合に、上述のように実際には倒立型スチュワートプラットフォーム及び/又は拡張機構からもたらされる作動を環境的特徴部自体があたかも乗り物車両に付与するかのように見えるように環境的特徴部を位置決めし、方向付けし、又は他に置くことができる。言い換えれば、ここに開示する実施形態は、乗り物車両の乗員が知覚することができない構成要素を通じた作動を容易にすることができる。更に、この実施形態は、乗り物設計者が変位、速度、加速度、及び躍度を伴う模擬体験を提供することを可能にすることができると同時に、乗り物軌道のあらゆる部分において費用及び工学技術の複雑さを低減することができる。更に、開示する実施形態は、乗り物車両の移動に関連付けられた反作用力を検出して管理するように構成される。これら及び他の特徴は、図面を参照して以下に詳細に説明する。
【0014】
上述の観点に加えて、本発明の開示による運動制御軸の配置は、所与の総運動ベースの体積エンベロープに対する従来の手法よりも鋭い作動角度に起因して幾何学的安定性を提供する。好ましい実施形態では、これは、運動ベースの装着平面間の横方向移動を安定させる方向でのより大きい力成分に相当する。更に、以下の図面を参照して詳細に説明するように、作動角度の低減により、より小さいプラットフォームサイズを促進することができる。
【0015】
図1は、軌道12を有する乗り物システム10の実施形態の概略図である。軌道12は、乗り物システム10の乗り物車両14が軌道12の一部分で始まり、最後に軌道12の同じ部分に戻るようなサーキットとすることができる。軌道12は、折返し、上り、又は下りを含むことができ、又はトラック(又はその各部分)は単一方向に延びることができる。ある一定の実施形態では、乗り物車両14は、乗り物の持続時間にわたって又はその各部分にわたって軌道12の下方(すなわち、下)を進むことができる。乗り物車両14は、乗り物車両14内に配置された複数の乗客16を含むことができる。ある一定の実施形態では、乗り物車両14は、乗客16を取り囲むエンクロージャ(例えば、キャビン)を含むことができる。軌道12の一部分(例えば、ドック)で乗客16を乗り物車両14に乗せる又は降ろすことができる。他の実施形態では、軌道12は、乗り物の一部として含まれない又は利用されない場合がある。
【0016】
これに加えて、乗り物車両14はまた、乗り物車両14上で運動を誘発するプラットフォームアセンブリ18を含むことができる。ある一定の実施形態では、プラットフォームアセンブリ18は、軌道12に直接に結合される及び/又は乗り物車両14に直接に結合される場合がある。他の実施形態では、プラットフォームアセンブリ18は、軌道12に間接的に結合される及び/又は乗り物車両14に間接的に結合される場合があり、すなわち、介在部品でプラットフォームアセンブリ18を軌道及び/又は乗り物車両14から切り離すことができる。プラットフォームアセンブリ18は、乗客16の体験を強化するために乗り物車両14に運動(例えば、ロール、ピッチ、ヨー)を誘発することができる。一部の実施形態では、拡張機構19は、プラットフォームアセンブリ18と軌道12間に(図示のように)又はプラットフォームアセンブリ18と乗り物車両14間に配置することができる。プラットフォームアセンブリ18及び拡張機構19は、コントローラ20に通信的に結合することができ、コントローラ20は、プラットフォームアセンブリ18及び/又は拡張機構19に上述の運動を引き起こすように命令することができる。プラットフォームアセンブリ18及び/又は拡張機構19を利用して乗り物車両14にある一定の運動を誘発することにより、そうでなければ費用が掛かって乗り物システム10のフットプリントを増大させる軌道12の特徴部(例えば、形状)を低減する又はなくすことができる。
【0017】
コントローラ20は、乗り物システム10内に(例えば、各乗り物車両14内に又は軌道12上のどこかに)配置することができ、又は乗り物システム10の外部に(例えば、乗り物システム10を遠隔に作動させるために)配置することができる。コントローラ20は、プラットフォームアセンブリ18のような乗り物システム10内の構成要素を制御するために格納された命令を有するメモリ22を含むことができる。これに加えて、コントローラ20は、そのような命令を実行するように構成されたプロセッサ24を含むことができる。例えば、プロセッサ24は、1又は2以上の特定用途向け集積回路(ASIC)、1又は2以上のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、1又は2以上の汎用プロセッサ、又はそれらのいずれかの組合せを含むことができる。これに加えて、メモリ22は、ランダムアクセスメモリ(RAM)のような揮発性メモリ、及び/又は読取専用メモリ(ROM)、光学ドライブ、ハードディスクドライブ、又は半導体ドライブのような不揮発性メモリを含むことができる。
【0018】
プラットフォームアセンブリ18は、倒立型スチュワートプラットフォームを含むことができる。倒立型スチュワートプラットフォームの例は、以下で詳細に説明する少なくとも図6~9に詳細に示されている。一般的に、倒立型スチュワートプラットフォームは、2つのプラットフォームを含み、それらの間に倒立型スチュワートプラットフォームの脚(例えば、6つの脚)が延びる。各プラットフォームは、脚がそこで結合される3つの接触領域(例えば、「アンカー位置(固定位置)」)を含む。一部の実施形態では、プラットフォームの一方の上の各接触領域(例えば、アンカー位置)は、脚を受け入れるように構成された1又は複数のウインチ、又は脚がそのプラットフォームの他の側にある1又は複数のウインチに結合するようにそれを通って延びる開口部を含むことができる。
【0019】
各プラットフォーム、例えば、第1のプラットフォームは、3つの接触領域とそこから延びる6つの脚とを含むので、第1の対の脚は、第1のプラットフォームの第1の接触領域から延び、第2の対の脚は、第1のプラットフォームの第2の接触領域から延び、第3の対の脚は、第1のプラットフォームの第3の接触領域から延びる。6つの脚は、倒立型スチュワートプラットフォームの作動中に6つの脚の長さが変化するように(例えば、上述のウインチにより)作動されるように構成される。例えば、脚は、ある一定の作動モード中に異なる脚が異なる長さを含むように独立に作動される、対になって作動される、又は様々な配置で作動することができる。本発明の開示により、6つ全ての脚が等しい長さを含む時に、2つのプラットフォームは互いに平行である(例えば、倒立型スチュワートプラットフォームの「平行位置」)。更に、全ての6つの脚が等しい長さを含む時に、第1のプラットフォームの3つの接触領域は、第2のプラットフォームの3つの接触領域と周方向に位置合わせされる。言い換えれば、倒立型スチュワートプラットフォームの上方又は下方から見た場合に、第1のプラットフォームの上記3つの接触領域と第2のプラットフォームの3つの接触領域とは、位置合わせされた環状位置に配置されることになる。すなわち、第1及び第2のプラットフォーム上のそれぞれの接触領域は、この配置で一列に並び、ほぼ第1及び第2のプラットフォームの各々の円周に沿って(又は円周から半径方向内側に)分配される。更に、全ての6つの脚が等しい長さを含む時に、本発明の開示の実施形態により、個々の脚とプラットフォームの一方の間に形成される角度は、45度又はそれ未満であるものとすることができる。これらの機能により、従来のプラットフォームと比較して倒立型スチュワートプラットフォームの安定性を改善することができる。
【0020】
図2は、この実施形態による乗り物システム50の別の実施形態を示している。乗り物システム50は、倒立型スチュワートプラットフォーム58と拡張機構60とを含み、「飛行反応デッキ」(又は「飛行反応デッキ」の一部分)と全体として又は個別的に呼ぶことができる。拡張機構60及び/又は倒立型スチュワートプラットフォーム58(又は他のプラットフォームアセンブリ)は、乗り物システム50の軌道52の湾曲を利用することなく乗り物システム50の乗り物車両54に運動を誘発するので、かつ乗客が運動源に気付いていない場合があるので、「飛行反応デッキ」と呼ぶことができることに注意しなければならない。従って、飛行反応デッキは、運動を通じて乗り物車両54の乗客に特定の感覚を付与するように構成される。
【0021】
一例として、拡張機構60(又は飛行反応デッキ又はその一部分)は、単純な軌道を含む乗り物システムに追加の運動複雑性を提供することができる。具体的な例として、直線的な軌道を有する乗り物システムは、拡張機構60を使用して丘、谷、及び/又は湾曲があるかのように感じるように実施することができる。従って、拡張機構60は、広い面積の湾曲軌道を利用することなく乗り物車両54を移動して運動を付与する。軌道52の湾曲(及び従って面積)を低減することにより、従来の実施形態ではより大きい面積を必要とした乗り物システム50の構成要素は、より小さい面積に配置することが可能になり、一方で乗り物車両54の乗客にその感覚を依然として付与することができる。倒立型スチュワートプラットフォーム58はまた、従来の実施形態で軌道によって付与することができる運動(例えば、ロール、ピッチ、ヨー)を付与することができる。同じく、他の実施形態では、上述の倒立型スチュワートプラットフォーム58とは異なるタイプのプラットフォームアセンブリを使用することができることにも注意しなければならない。更に、倒立型スチュワートプラットフォーム58を図2に概略的に示すが、より詳細な例を図6~9に提供している。
【0022】
図2に示す実施形態を続けると、軌道52はマウント56(例えば、ボギー台車)に直接結合されている。ある一定の実施形態では、マウント56は、軌道52上に固定されて転がることができる車輪を使用することができる。マウント56は、上述の拡張機構60を通じて倒立型スチュワートプラットフォーム58に結合させることができる。拡張機構60は、シザーリフト、アクチュエータ(例えば、油圧式又は空気圧式)、又はそれらのいずれかの組合せを使用してマウント56を倒立型スチュワートプラットフォーム58に結合することができる。拡張機構60は、乗り物車両14に1自由度(例えば、方向53の垂直配置)又は2以上の自由度を提供することができる。例えば、乗り物車両54が軌道52に沿って進むと、乗り物車両54は、それに沿って乗り物車両54の持ち上げが望ましい軌道52のセグメントに遭遇する。従って、軌道52の方向53への湾曲を利用して乗り物車両54を方向53に沿って移動する代わりに、拡張機構60は、乗り物車両54を適切な垂直位置に持ち上げるように作動させることができる。このようにして、拡張機構60は、軌道52に小山又は窪みを作ることなく、方向53に沿って乗り物車両54の位置を制御することができ、軌道52を製造する時の費用を節約する。倒立型スチュワートプラットフォーム58がマウント56及び/又は軌道52に直接結合され、拡張機構60は、乗り物車両54と倒立型スチュワートプラットフォーム58との間で乗り物車両54に結合される乗り物システム50の他の実施形態を図3に示している。
【0023】
図4は、図2の乗り物システム50の実施形態をより詳細に示す概略斜視図である。図4に示すように、拡張機構60は、倒立型スチュワートプラットフォーム58の上側プラットフォーム80に結合される。ウインチ82は、ほぼ上側プラットフォーム80の外周に沿って(又はそこから半径方向内側に)配置することができる。倒立型スチュワートプラットフォーム58は、上側プラットフォーム80を下側プラットフォーム86に結合する1組の脚84(例えば、6つの脚)を含む。ある一定の実施形態では、2つのプラットフォーム80、86の間を延びる脚84は、上側プラットフォーム80上のウインチ82に結合されるケーブル又はロープとすることができる。このようにして、ウインチ82は、望ましい運動を達成するために対応する脚84を拡張する及び/又は収縮することができる。ウインチ82の作動を命令することによって脚84が拡張する及び/又は収縮する時を制御するコントローラ20にウインチ82を通信的に結合することができる。例えば、ある一定の実施形態では、コントローラ20をプログラムして、特定の時間間隔で(例えば、軌道サーキットに沿った特定のセグメントで)脚84を拡張する及び/又は収縮するようにウインチ82を作動させることができる。コントローラ20は、脚84を独立に制御する、対で制御する、又は他に制御することができるように、ウインチ82を独立に、対で、又は他に制御することができる。更に、コントローラ20は、倒立型スチュワートプラットフォーム58の脚84に加えられる力をモニタして、誘発された運動が確実に望ましい閾値内に留まるようにすることができる。一部の実施形態では、ウインチ82は、上側プラットフォーム80の代わりに下側プラットフォームに、又は上側プラットフォーム80と下側プラットフォーム86の間で交互に結合させることができることに注意しなければならない。更に他の実施形態では、冗長性及び追加の機能(例えば、拡張及び収縮の速度)を提供するために、単一コード(例えば、ケーブル又はロープ)を通じて互いに結合するウインチの対が存在する場合がある。
【0024】
図示の実施形態では、脚84は、留め具、フック、溶接部、別の適切な結合特徴部、又はそれらのいずれかの組合せを通じて取付点88(又は取り付け領域)で下側プラットフォーム86に結合される。取付点88は、脚84を下側プラットフォーム86に確実に結合する。下側プラットフォーム86は、乗り物車両54に結合される。従って、上側プラットフォーム50に沿ったウインチ82が作動して脚84の長さを変えると、ウインチ82は、下側プラットフォーム86及び取り付けられた乗り物車両54を脚84を通じて上側プラットフォーム50に向けて引っ張る。以上の説明は、各プラットフォームに沿った3つの接触領域(例えば、「アンカー位置」)に言及しているが、各プラットフォームは、実際には対にグループ分けされた6つの接触領域(例えば、アンカー位置)を含むことができ、所与の対の2つの接触領域は、互いの近くに配置されていることに注意しなければならない。
【0025】
図2~4に示す乗り物システムの実施形態は、倒立型スチュワートプラットフォーム58及び拡張機構60が乗り物車両54と共に進むことを可能にする。更に、倒立型スチュワートプラットフォーム58及び拡張機構60を乗り物車両54内に配置された乗客の視界から隠すことができる(例えば、乗り物車両54に配置された窓90の位置によって発生される限定された視野に基づいて)。そのために、乗り物車両54内に配置された乗客は、いつ運動が生じるかを予期することができない場合がある。これは予期しない運動を誘発して、乗客の体験を強化することができる。更に、倒立型スチュワートプラットフォーム58及び拡張機構60が乗り物車両54と共に進むので、運動は軌道52のあらゆる部分で誘発することができ、軌道52上に配置された要素に限定されない。運動を発生する追加の要素(例えば、追加のアクチュエータ又は軌道セグメント)をこれらの特徴で置換することができるので、それにより、運動及び感覚を発生するのにより大きい柔軟性が可能になり、乗り物システム10を製造する時の費用も節約することができる。更に、そうでなければ軌道のフットプリントを増大させることになる軌道の湾曲とは対照的に、拡張機構60及び倒立型スチュワートプラットフォーム58を利用して所定の運動を発生するので、軌道52のサイズを縮小することができる。一部の実施形態では、図示の拡張機構60及び倒立型スチュワートプラットフォーム58は、乗り物を含まない展示物に使用することができる(例えば、図2に示す軌道52及びマウント56が固定された又は限定範囲のベースで置換される場合)。図2~4の各々では、開示する倒立型スチュワートプラットフォーム、拡張機構60、又はその両方は、乗り物システム50の作動時に乗り物車両54の移動に関連付けられた反作用力を管理するように構成される。
【0026】
図4に概略的に示すように、乗り物システム50の他の実施形態では、図2~4の拡張機構60(シザーリフトを使用する)の代わりに、ケーブル110を使用することができる。これらのケーブル110は、作動システムの一部とするか(例えば、ウインチを通じてケーブル110を拡張及び収縮させるように構成される)、又は固定されるものとすることができる。いずれの場合にも、乗り物車両54の運動に関連付けられた反作用力に応じて、ケーブル110の各々及び/又は倒立型スチュワートプラットフォーム58の脚の各々を個別に制御することが望ましい作動モードが生じる可能性がある。例えば、乗り物車両54の一端に他端よりも多い乗客が配置されている場合に、又はプラットフォームアセンブリ58(例えば、倒立型スチュワートプラットフォーム)の作動がその作動の進行中に乗り物車両54の重量を移す場合に、乗り物車両54の運動は少なくとも部分的にサイクル依存になる場合がある。すなわち、乗り物車両54の移動によって引き起こされる反作用力は、作動サイクル毎に異なる場合があり、反作用力に応じてケーブル110及び/又はプラットフォームアセンブリ58の脚(例えば、倒立型スチュワートプラットフォーム)を個々に制御することにより、乗り物システム50の安定性を高めることができる。そのような状況では、制御フィードバックを通じてサイクル依存の反作用力を管理する方法で制御技術を実施することができる。例えば、コントローラ20は、システム50の周りに分散配置されたセンサ111からセンサフィードバックを受け入れることができる。センサ111は、マウント56に、軌道52上に、プラットフォームアセンブリ58に、乗り物車両54上に、又は他所に配置することができる。センサ111は、乗り物車両54のトルクを検出するトルクセンサ又は他の適切なセンサを含むことができる。一部の実施形態では、センサ111は、乗り物車両54のトルク又は捩れを示すことができる乗り物車両54の位置又は向きを検出する光センサ(又は他の適切なセンサ)を含むことができる。例えば、乗り物車両54の位置又は向きは、システム50内の力を示すことができる。
【0027】
コントローラ20は、1又は2以上のセンサ111からのセンサフィードバックを分析することができ、トルク補償アルゴリズムを利用してケーブル110内の張力の制御を開始し、及び/又はモータ(例えば、図4のウインチ82に関連付けられた)又は他のアクチュエータ(例えば、図9及び10に関して示して説明するような)による脚84の拡張/収縮を開始することができる。一部の実施形態では、センサ111の各々は、ケーブル110及び/又はプラットフォームアセンブリ58の脚84(例えば、倒立型スチュワートプラットフォーム)を制御する対応するモータ又は他のアクチュエータの一部とすることができるので、モータ又は他のアクチュエータは、検出されたパラメータの出所でケーブル110及び/又は脚84を制御する。そうすることで、ケーブル110及び/又は脚84が弛むのを防ぐことができる。言い換えれば、トルク補償アルゴリズムは、乗り物システム50内の力をモニタして、弛まないように脚84及び/又はケーブル110の移動を制御するモータ又は他のアクチュエータのトルク出力を調節することができ、それによって乗り物システム50の安定性が高まる。
【0028】
図2~5に示す実施形態はまた、乗り物車両54が(例えば、ウォータージェットによる)外部摂動を受けている間の乗り物車両54の安定性を維持する機能を改善することができ、それを使用して乗り物車両54を経路に沿って案内することができる。実際に、上述のように、乗り物車両54の移動は作動サイクル毎に異なる場合があり、一部の事例では、乗り物システム50に関連付けられたか又は関連しない外部摂動に依存する場合がある。トルク、張力、及び/又は他のフィードバックの実施は、乗り物車両54の位置、向き、及び一般的な運動が乗り物の進行中に又は作動サイクル毎に動的に変化している場合でも、その運動が乗り物システム50の特徴によって生じるのか、乗り物システム50と相互作用する外部の特徴によって生じるのかに関わらず、乗り物車両54の安定性を可能にする。
【0029】
図6は、前の図面に示すものと類似の倒立型スチュワートプラットフォーム150の実施形態の概略図である。倒立型スチュワートプラットフォーム150は、第1のプラットフォーム152(例えば、上側プラットフォーム)と、第2のプラットフォーム154(例えば、下側プラットフォーム)と、上側プラットフォーム152と下側プラットフォーム154の間を延びる6つの脚156、158、160、162、164、166(まとめて「脚84」と呼ぶ)とを含む。6つの脚84は、上側及び下側プラットフォーム152、154の一方又は両方を6つの自由度(すなわち、方向51、方向53、方向57、ロール141、ピッチ143、及びヨー145)のうちのいずれか1つで移動することができるように、独立に及び/又は互いに協働して収縮可能であり、拡張可能であるものとすることができる。ある一定の実施形態では、下側プラットフォーム154は、複数の乗客が配置された乗り物車両54に結合されるか又はそれと一体であるものとすることができる。従って、6つの脚84を作動する(例えば、収縮する/拡張する)と、下側プラットフォーム154及び乗り物車両を6つの自由度のうちのいずれか1つで移動することができる。更に、ある一定の実施形態では、上側プラットフォーム152は、乗り物車両が軌道の下に位置するように乗り物システムの軌道に結合されるか又はそれと一体であるものとすることができる。従って、上側プラットフォーム152が乗り物システムの軌道に沿って摺動する時に、下側プラットフォーム154及び対応する乗り物車両は同じ経路に沿って移動する。他の実施形態では、乗り物車両が軌道の上に延び、下側プラットフォーム154が乗り物車両に結合されるような逆の構成を使用することができる。
【0030】
図示の実施形態では、上側プラットフォーム152は、3つの接触領域152a、152b、152c(例えば、「アンカー位置」)を含み、下側プラットフォーム154は3つの別の接触領域154a、154b、154c(例えば、アンカー位置)を含み、それらは、それぞれの上側及び下側プラットフォーム152、154内で、それぞれの上側及び下側プラットフォーム152、154の周囲に沿って互いに実質的に等しい距離だけ離れて周方向に配置される。上述のように、ウインチは、接触領域152a、152b、152cに、接触領域154a、154b、154cに、又はその両方に配置することができ、脚84を拡張する/収縮する(例えば、ウインチのモータにより、又はウインチに結合されて)ように構成することができる。
【0031】
図示のように、各接触領域152a、152b、152c、154a、154b、154cは、6つの脚84のうちの2つを受け入れる。更に、6つの脚84の全てが等しい長さである(例えば、図示のように、上側及び下側プラットフォーム152、154が互いに平行になるような)場合に、上側プラットフォーム152の3つの接触領域152a、152b、152cは、下側プラットフォーム154の3つの接触領域154a、154b、154cと周方向にほぼ位置合わせされている(例えば、周方向159に沿って位置合わせされている)。これを倒立型スチュワートプラットフォーム150の「平行位置」と呼ぶことができる。従って、平行位置では、プラットフォーム152、154が等しいサイズだとすると、接触領域152aはほぼ接触領域154aの下方に位置合わせされ、接触領域152bはほぼ接触領域154bの下方に位置合わせされ、接触領域152cはほぼ接触領域154cの下方に位置合わせされる。接触領域152aに結合された脚156は接触領域154bに延び、接触領域152aに結合された脚158は接触領域154cに延びる。接触領域152bに結合された脚160は接触領域154aに延び、接触領域152bに結合された脚162は接触領域154cに延びる。接触領域152cに結合された脚164は接触領域154aに延び、接触領域152cに結合された脚166は接触領域154bに延びる。従って、図示の実施形態では、脚84の各々は、最初の接触領域から最初の接触領域の上方又は下方(すなわち、同じx、y位置)にない対向するプラットフォームの接触領域に延びる。
【0032】
上述の倒立型スチュワートプラットフォーム150の構成は、脚84が異なる長さを含む場合(例えば、作動中)でも、従来の実施形態と比較して、脚84の各々と上側及び下側プラットフォーム152、154の各々との間の角度155を低減する。倒立型スチュワートプラットフォーム150の脚84の角度155の減少(例えば、従来の実施形態と比較して)は、脚84により大きい復元力を生成することにより、倒立型スチュワートプラットフォーム150の安定性を高めることができる。例えば、角度155の減少は、倒立型スチュワートプラットフォーム150の全体的な剛性を増加させて、望ましくない移動を低減することができる。更に、従来のスチュワートプラットフォームアセンブリは安定性を与えるために1つの大きいプラットフォームを含む場合があるが、上述の角度155の減少は、より小さいプラットフォームで安定性を促進する。一部の実施形態では、プラットフォーム152、154は等しいサイズでない場合があり、それらの実施形態では、接触領域152a、152b、及び152cは、依然として周方向159に沿ってそれぞれに接触領域154a、154b、及び154cに位置合わせされることになるが、上側プラットフォーム152のサイズが大きいとすると、上側プラットフォーム152の接触領域152a、152b、及び152cを下側プラットフォーム154の接触領域154a、154b、154cの上方に配置することができず、代わりにそこから半径方向外側にそれらに位置合わせされて周方向又は環状に(例えば、方向159に沿って)配置することができるということに注意しなければならない。
【0033】
上述のように、図6に示す配置は、従来のスチュワートプラットフォームと比較して、あらゆる所与の脚84と対応するプラットフォーム152又は154の間の角度155の減少を可能にする。実施形態では、全ての脚156、158、160、162、164、166が等しい長さである場合に、各脚84とプラットフォーム152、154の間に形成される角度155は45度又はそれ未満である。開示する配置は、この実施形態に従って複数の自由度で安定した移動を可能にするコンパクトな構造を生成する。上述のように、従来のスチュワートプラットフォームアセンブリは安定性を与えるために大きいプラットフォームを含む場合があるが、開示する実施形態に関して上述した角度155の減少は、より小さいプラットフォームで安定性を促進する。
【0034】
倒立型スチュワートプラットフォーム150の図示の実施形態では、均一な運動及び力の分配を促進するために、脚84は「外側脚」と「内側脚」の間で互い違いになることができる。言い換えれば、上側プラットフォーム152上の接触領域152aから出発して反時計回りに移動する場合に、接触領域152aの脚156(「内側脚」)は脚160及び164の内側に向けて延び、接触領域152aの脚158(「外側脚」)は脚164の外側に向けて延びる。次に接触領域152cに移動すると、接触領域152cの脚164(「内側脚」)は脚158と162の間を延び、接触領域152cの脚166(「外側脚」)は脚162の外側に延びる。次に接触領域152bに移動すると、脚162(「内側脚」)は脚164と166の間を延び、接触領域152bの脚160(「外側脚」)は脚156の外側に延びる。勿論、外側脚と内側脚の各々を交換することで、同様であるが逆の配置を使用することができる。他の実施形態では、異なる構成を利用することができる。
【0035】
図7は、下側プラットフォーム152の位置/向きが異なる図6の倒立型スチュワートプラットフォーム150の実施形態を示している。図7に示すように、下側プラットフォーム154は、接触領域154aが、図6に関して説明した「平行位置」の場合よりも、方向53に沿って上側プラットフォーム154から遠くなるように移動している。この位置を達成するために、ウインチ180(及びその対応するモータ)によって脚160及び164を延ばし、接触領域154aを方向53に下げることができる。同様に、ウインチ180を利用して脚158及び162を収縮することができる。脚158及び162の長さが十分に収縮された場合に、接触領域154cは、図6に関して説明した「平行位置」の場合よりも方向53に沿って上側プラットフォーム152に近づくように移動することができる。言い換えれば、脚84を調節して、図示の位置を可能にする及び倒立型スチュワートプラットフォーム150の安定性を維持することができる。この位置決めにおいて、倒立型スチュワートプラットフォーム150は、乗り物車両を移動することによって乗客に感覚を誘発することができる。例えば、乗り物車両は、下側プラットフォーム154に結合することができ、図7に示す位置決めは、乗り物車両を傾斜した又は低下した位置に入れることができる。倒立型スチュワートプラットフォーム150は円形配置を含むので、他の接触領域に関して類似の位置を達成することができる。更に、感覚を強化するために、再位置決めは、迅速かつ連続する順序で命令することができる。更に、倒立型スチュワートプラットフォーム150に結合された乗り物車両によってシステムに及ぼされる反作用力を管理又は補償するために、再位置決めを命令することができる。そのために、乗り物車両の乗客は、力のある一定のものを付与するのに軌道の湾曲を使用せずに乗り物車両が「飛んでいる」、又は様々な力に「反応している」と知覚することができ、乗り物車両の運動が望ましい運動とは異なる状況でシステムの安定性を制御することができる。
【0036】
図8は、倒立型スチュワートプラットフォーム150の実施形態の概略図である。図8に示すように、下側プラットフォーム154の位置は、図6に示すよりも方向53に沿って上側プラットフォーム152から離れている。言い換えれば、プラットフォーム152、154間の距離171は、図8では図6よりも大きい。この構成は、例えば、脚156、158、160、162、164、166の全てを同時に延ばすことによって発生することができる。倒立型スチュワートプラットフォーム150が上述の平行位置にない時でも距離171を変えることができる。勿論、別の作動シーケンスでは、脚84を収縮することによってプラットフォーム152、154を互いに引き寄せることができる。いずれのシーケンスでも、新しい位置は乗り物車両の高さを(すなわち、方向53に沿って)調節することができ、それによって乗客の体験を強化することができる。例えば、乗り物車両を下降させて、乗り物車両の外側の要素(例えば、乗り物車両に隣接する展示物又はアトラクションなど)に近づけることができる。更に、乗り物車両が下降する時に、乗客に感覚(すなわち、「落下」感覚)を生じさせて乗り物体験を強化することができる。
【0037】
図7及び8に示すように、倒立型スチュワートプラットフォーム150は乗り物車両にいくつかの異なる運動を誘発することができる。そのために、乗り物車両に運動を誘発するのに利用される軌道の特徴部を低減することができ、それにより、乗り物システムのサイズ及び/又は費用が低減可能である。上述のように、倒立型スチュワートプラットフォーム150と拡張機構(例えば、図2~5の拡張機構60)は連動して機能し、安定性を維持しながら、軌道によって発生される感覚と類似した又は同じ感覚を模倣することができる。例えば、軌道はもはや傾斜した坂を含まない場合があり、これは、倒立型スチュワートプラットフォーム150が拡張機構(例えば、図2~5の拡張機構60)によって誘発される乗り物車両の垂直運動と連動して、傾斜(及び/又は乗り物車両54の垂直持ち上げ)を可能にすることができるからである。それにより、軌道及び乗り物システムを製造する費用を全体として低減することができ、軌道及び乗り物システムのフットプリントを全体として低減することができる。
【0038】
図6~8では、上側プラットフォーム152及び下側プラットフォーム154を円形スラブとして示すが、他の実施形態では、それらはあらゆる適切な形状とすることができる。更に、上側プラットフォーム152と下側プラットフォーム154は、互いに対して異なる形状とすることができる。上述のように、一実施形態では、上側プラットフォーム152は、拡張機構(例えば、図2~5の拡張機構60)又は軌道と結合することができ(例えば、軌道に沿って摺動する介在ボギー台車を通じて)、下側プラットフォーム154は、乗り物車両と結合することができる。この実施形態では、図2及び4に示す(すなわち、乗り物車両及び軌道を説明する)ように、乗り物車両は軌道からぶら下がることができる。
【0039】
図9は、プラットフォームアセンブリ200の別の実施形態を示している。プラットフォームアセンブリ200は、上側プラットフォーム202及び下側プラットフォーム204を含むことができる。この実施形態では、脚202、204、206、208、210、212は、アクチュエータ230によって拡張される及び/又は収縮することができる。そのために、脚はウインチに結合されない又はケーブル又はロープを含まないとすることができるが、ウインチをアクチュエータ230と組み合わせて使用することもできる。
【0040】
脚84のうちの1つのより詳細な外観を提供するために、図10は、プラットフォームアセンブリ200に使用することができるアクチュエータ230の実施形態を示している。図に示すように、アクチュエータ230は、中間セグメント232と、各中間セグメント232の両端に結合された2つの脚セグメント234とを含むことができる。脚セグメント234は、アクチュエータ230との安定した結合を可能にするために金属、炭素繊維、別の適切な材料、又はそれらのいずれかの組合せとすることができる。中間セグメント232は、脚セグメント234を中間セグメント232の内外に拡張及び収縮させてアクチュエータ230を移動する(例えば、対応する脚をそれぞれに拡張及び収縮させる)。
【0041】
プラットフォームアセンブリ及び/又は拡張機構を利用する乗り物システムの追加の実施形態を以下に説明する。例えば、図11は、ベース254の上にかつ介在プラットフォームアセンブリ256(例えば、倒立型スチュワートプラットフォーム)の上に位置するキャビン(客室)252を有するシステム250の実施形態の概略図であり、ここでは、プラットフォームアセンブリ256はキャビン252及びベース254に結合する。従って、キャビン252は軌道254に関して図2に示すものとは異なる方式で向けられる。窓258をキャビン252上に位置決め又は配置して、上述のように、特定の特徴に関してキャビン252内からの視界を可能にする又は遮ることができる。ベース254は、軌道又は展示物又はショーに関連付けられた固定ベースとすることができる。一部の実施形態では、ベース254は、キャビン252及び対応する倒立型スチュワートプラットフォーム256が(例えば、車輪により)移動することができる開いた経路とすることができる。ある一定の実施形態では、キャビン252をショーの要素で置換することができることに注意しなければならない。
【0042】
図12は、システム300の実施形態の概略図であり、システム300のキャビン302はベース304の側面に(例えば、方向51に)配置されている。ここでは、プラットフォームアセンブリ306(例えば、倒立型スチュワートプラットフォーム)は、ベース304から離れて方向51に距離を置いて位置し、キャビン302は、プラットフォームアセンブリ306に結合されて方向51に更に距離を置いて位置する。図11と同様に、窓308をキャビン302上に配置して、キャビン302内からの特定の特徴に関する視界を可能にするか又は遮ることができる。上述のように、ベース304は軌道又は固定構造体とすることができる。更に、図示の実施形態ではキャビン302を示すが、ある一定の実施形態ではキャビン302をショー要素で置換することができる。
【0043】
別の実施形態では、図13に示すように、システム350は、上演ショーを使用して実施されるプラットフォームアセンブリ352(例えば、倒立型スチュワートプラットフォーム)を含むことができる。プラットフォームアセンブリ352の上側プラットフォーム354は、ステージ356に結合することができ、下側プラットフォーム358は、静止要素360(例えば、ステージ356の下の地面又は床)に結合することができる。従って、ステージ356は、1又は2以上の人々(又はショー要素/構成要素)を保持するように構成することができ、静止要素360に対して動くように構成することができる。例えば、1又は2以上の人々は、出し物を上演することができ、プラットフォームアセンブリ352は、ステージ356を移動して上演をより良くすることができる。図11~13に提示するシステムでは、コントローラ(例えば、図1のコントローラ20)はまた、少なくとも図5に関連して上記に含めた説明と同様に、安定性を保証するためにそれぞれの乗り物システム(例えば、各脚)に付与される力をモニタすることができる。
【0044】
図14は、本発明の開示による乗り物システムを制御する方法400の実施形態を示している。方法400は、プラットフォームアセンブリ(又はそのプラットフォーム)の位置決めを命令する信号を(例えば、コントローラで)受信する段階(ブロック402)を含む。例えば、プラットフォームアセンブリに(例えば、プラットフォームアセンブリの下側プラットフォームに)結合された乗り物車両を移動する(例えば、ロール、ピッチ、ヨー、アップ、又はダウン)ために、プラットフォームアセンブリの特定の移動が望ましい場合がある。プラットフォームアセンブリは、倒立型スチュワートプラットフォームアセンブリとすることができ、一部の実施形態では、乗り物システムは、静止ベースが軌道に取って代わるステージ又は他のショー展示物とすることができるということに注意しなければならない。
【0045】
方法400はまた、ブロック402に関して上述した命令に従ってプラットフォームアセンブリ(又はそのプラットフォーム)を移動するために、コントローラによるモータウインチ又は他のアクチュエータの命令を通じてプラットフォームアセンブリの脚のある一定のものを拡張する及び/又は収縮する段階(ブロック404)を含む。上述のように、プラットフォームアセンブリの移動は、システムの乗り物車両又はキャビン(あるいは、ショー又は展示物に関する実施形態ではステージ)を移動することができ、それにより、乗り物車両と軌道間の負荷経路(例えば、拡張ケーブル)に反作用力が生じる場合がある。
【0046】
方法400はまた、乗り物システム内の反作用力(又は力を表すパラメータ)を測定、感知、又は検出する段階(ブロック406)を含む。例えば、上述のように、トルクセンサ、光センサ、又は他のセンサを使用して乗り物システム内の力(又は力を表す乗り物車両の向きのようなパラメータ)を検出することができる。コントローラは、センサフィードバックを受信し、トルク補償アルゴリズムに基づいて乗り物車両の移動が及ぼす反作用荷重/力を管理する最良の方法を決定することができる。
【0047】
方法400はまた、トルク補償アルゴリズムを通じて反作用力を分析するコントローラにより、システムに対する調節を決定する段階(ブロック407)を含む。更に、方法400は、プラットフォームアセンブリの脚及び/又は拡張ケーブルを調節する段階(ブロック408)を含む。上述のように、コントローラは、望ましい調節を決定し、脚及び/又は拡張ケーブルの張力を調節する(例えば、脚及び/又は拡張ケーブルを拡張及び収縮させることにより)ようにモータ又は他のアクチュエータに命令することができ、それにより、脚及び/又は拡張ケーブルの弛みが防止される。
【0048】
上述のシステム及び方法は、拡張機構及び/又はプラットフォームアセンブリ(例えば、倒立型スチュワートプラットフォーム)によって引き起こされる乗り物車両の移動による乗り物システムへの反作用荷重の管理を可能にするように構成される。拡張機構及び/又はプラットフォームアセンブリは、そうでなければ曲線状軌道がより広いスペースを取り、乗り物システムのフットプリントを増大させることになる曲線状軌道を利用せずに車両を移動する。フィードバック制御により、システムは、乗り物車両の運動によって生じる反作用力をモニタし、乗り物システムの安定性を維持するためにシステムを調節することが可能になる。
【0049】
本明細書では本発明の開示のある一定の特徴のみを図示して説明したが、当業者には多くの修正及び変更が想起されるであろう。従って、添付の特許請求の範囲は、本発明の開示の真の精神に該当するような全ての修正及び変更を網羅するように意図していることは理解されるものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【手続補正書】
【提出日】2022-08-16
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
乗り物システムを作動させる方法であって、
コントローラを介して、前記乗り物システムの第1のサイクル中に前記乗り物システムにおける第1の力を決定する段階であって、前記乗り物システムは、ベースと、乗り物車両と、前記ベースと前記乗り物車両との間に配置された拡張機構とを含み、前記拡張機構は、前記乗り物車両を前記ベースに対して移動させるために拡張及び収縮するように構成された複数のケーブルを含む、決定する段階と、
前記コントローラを介して、前記複数のケーブルのうちのケーブルを巻き上げて前記乗り物車両を前記ベースに対して移動させるために、複数のモータのうちのモータに、前記乗り物システムにおける前記第1の力に基づいて第1のトルクを出力させる段階と、
前記コントローラを介して、前記乗り物システムの第2のサイクル中に前記乗り物システムにおける第2の力を決定する段階と、
前記コントローラを介して、前記複数のケーブルのうちのケーブルを巻き上げるために、前記複数のモータのうちのモータに、前記乗り物システムにおける前記第2の力に基づいて第2のトルクを出力させる段階と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記乗り物システムは、第1のプラットフォームと、第2のプラットフォームと、前記第1のプラットフォームと前記第2のプラットフォームとの間に延びる複数の脚とを有するプラットフォームアセンブリを含み、
前記プラットフォームアセンブリは、前記ベースと前記乗り物車両との間に配置され、
前記方法は、前記第1のプラットフォームを前記第2のプラットフォームに対して移動させて前記乗り物車両を前記ベースに対して移動させるために、前記コントローラを介して、前記複数の脚を作動させる段階を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1のサイクル中に前記乗り物システムにおける前記第1の力に基づいて前記複数の脚を第1の位置に調節するように、前記コントローラを介して、前記複数の脚を作動させる段階と、
前記第2のサイクル中に前記乗り物システムにおける前記第2の力に基づいて前記複数の脚を第2の位置に調節するように、前記コントローラを介して、前記複数の脚を作動させる段階と、
を含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記コントローラを介して、前記プラットフォームアセンブリの前記複数の脚の作動によって引き起こされる前記乗り物システムにおける追加の力をモニタする段階と、
前記コントローラを介して、前記複数の脚の作動によって引き起こされる前記乗り物システムにおける前記追加の力に基づいて、前記モータによって出力されるトルクを調節する段階と、
を含む、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記コントローラを介して、前記乗り物システムにおけるトルクを決定するように構成されたトルクセンサ、前記乗り物車両の向きを決定するように構成された光センサ、又はその両方から受信したデータを介して、前記乗り物システムにおける前記第1の力及び前記第2の力を決定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記コントローラを介して、前記乗り物システムにおける前記第1の力及び前記第2の力を決定する段階は、前記乗り物車両の重量分布を決定する段階を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記コントローラを介して、前記複数のモータのうちのモータに、前記第1のトルク、前記第2のトルク、又はその両方を出力させることは、前記複数のケーブルのうちのケーブルの拡張を引き起こし、前記乗り物車両の部分を前記ベースから離れるように移動させる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラを介して、前記複数のモータのうちのモータに、前記第1のトルク、前記第2のトルク、又はその両方を出力させることは、前記複数のケーブルのうちのケーブルの収縮を引き起こし、前記乗り物車両の部分を前記ベースに向かって移動させる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、処理回路によって実行されるとき、前記処理回路に、
乗り物システムの第1のサイクル中に前記乗り物システムにおける第1の力を決定することであって、前記乗り物システムは、ベースと、乗り物車両と、前記ベースと前記乗り物車両との間に配置されたプラットフォームアセンブリとを含み、前記プラットフォームアセンブリは、第1のプラットフォームと、第2のプラットフォームと、前記第1のプラットフォームと前記第2のプラットフォームとの間に延びる複数の脚とを含む、決定することと、
前記乗り物システムにおける前記第1の力に基づいて前記複数の脚を第1の位置に調節するように前記複数の脚のうちの脚を調節することと、
前記乗り物システムの第2のサイクル中に前記乗り物システムにおける第2の力を決定することと、
前記乗り物システムにおける前記第2の力に基づいて前記複数の脚を第2の位置に調節するように前記複数の脚のうちの脚を調節することと、
を行わせるように構成される、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記乗り物システムは、前記ベースと前記乗り物車両との間に配置された拡張機構を含み、前記拡張機構は、複数のケーブルと、前記複数のケーブルを選択的に巻き上げるように構成された複数のモータとを含み、前記命令は、前記処理回路によって実行されるとき、前記処理回路に、
前記複数のモータに、前記第1のサイクル中に前記乗り物システムにおける前記第1の力に基づいて第1のトルクを出力させ、
前記複数のモータに、前記第2のサイクル中に前記乗り物システムにおける前記第2の力に基づいて第2のトルクを出力させる、
ように構成される、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記命令は、前記処理回路によって実行されるとき、前記処理回路に、前記第2のプラットフォームに対する前記第1のプラットフォームの移動を介して前記ベースに対する前記乗り物車両の移動を引き起こすように前記複数の脚のうちの脚を調節させるように構成される、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記命令は、前記処理回路によって実行されるとき、前記処理回路に、前記複数の脚のうちの脚を、前記ベースに対する前記乗り物車両のロール、ピッチ、ヨー、拡張、収縮、又はこれらのいずれかの組み合わせに調節させるように構成される、請求項11に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記命令は、前記処理回路によって実行されるとき、前記処理回路に、前記複数の脚のうちの脚の拡張又は収縮を引き起こすように前記複数の脚のうちの脚を調節させるように構成される、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記複数の脚の各脚は、それぞれのアクチュエータを含み、前記命令は、前記処理回路によって実行されるとき、前記脚を調節するために前記複数の脚のうちの脚のそれぞれのアクチュエータを作動させるように構成される、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項15】
前記プラットフォームアセンブリは、前記複数の脚を移動させるように構成された複数のウインチを含み、前記命令は、前記処理回路によって実行されるとき、前記複数の脚のうちの脚を調節するために前記複数のウインチのうちのウインチを作動させるように構成される、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項16】
方法であって、
コントローラを介して、乗り物システムの第1のサイクル中に前記乗り物システムにおける第1の力を決定する段階であって、前記乗り物システムは、
ベースと、
乗り物車両と、
前記ベースと前記乗り物車両との間に配置され、第1のプラットフォームと、第2のプラットフォームと、前記第1のプラットフォームと前記第2のプラットフォームとの間に延びる複数の脚とを含むプラットフォームアセンブリと、
前記ベースと前記乗り物車両との間に配置され、前記プラットフォームアセンブリに結合された拡張機構であって、前記拡張機構は、前記乗り物車両を前記乗り物システムの前記ベースから離れて、かつ前記ベースに向かって、それぞれ移動させるために拡張及び収縮するように構成された複数のケーブルを含む、拡張機構と、
を含む、決定する段階と、
前記コントローラを介して、前記拡張機構の前記複数のケーブルの張力を制御するために複数のモータに第1のトルクを出力させる段階、又は、前記コントローラを介して、前記乗り物システムにおける前記第1の力に基づいて前記複数の脚を第1の位置に調節して前記第1のプラットフォームを前記第2のプラットフォームに対して移動させるために前記プラットフォームアセンブリの前記複数の脚を作動させる段階と、
前記コントローラを介して、前記乗り物システムの第2のサイクル中に前記乗り物システムにおける第2の力を決定する段階と、
前記コントローラを介して、前記複数のモータに第2のトルクを出力させる段階、又は、前記コントローラを介して、前記乗り物システムにおける前記第2の力に基づいて前記複数の脚を第2の位置に調節するために前記複数の脚を作動させる段階と、
を含む、方法。
【請求項17】
前記コントローラを介して、前記複数のモータにトルクを出力させること、前記プラットフォームアセンブリの前記複数の脚を作動させること、又はその両方の結果として、前記乗り物システムにおける反作用力を決定する段階と、
前記コントローラを介して、前記反作用力に基づいて、前記複数のモータによって出力されるトルク、前記複数の脚の作動、又はその両方を調節する段階と、
を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記コントローラを介して、前記乗り物システムにおける前記第1の力及び前記第2の力を決定する段階は、前記プラットフォームアセンブリによって前記乗り物車両に付与される力をモニタする段階を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記コントローラを介して、前記プラットフォームアセンブリの前記複数の脚を作動させることは、前記複数の脚のうちの第1の脚の拡張及び前記複数の脚のうちの第2の脚の収縮を引き起こす、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記コントローラを介して、前記複数のモータにトルクを出力させることは、前記複数のケーブルのうちの第1のケーブルの拡張及び前記複数のケーブルのうちの第2のケーブルの収縮を引き起こす、請求項16に記載の方法。
【外国語明細書】