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特開2022-159419幹細胞療法を増強するための方法および組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159419
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】幹細胞療法を増強するための方法および組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 35/12 20150101AFI20221006BHJP
   A61K 35/28 20150101ALI20221006BHJP
   A61K 35/30 20150101ALI20221006BHJP
   A61K 35/545 20150101ALI20221006BHJP
   A61K 9/12 20060101ALI20221006BHJP
   A61K 9/48 20060101ALI20221006BHJP
   A61K 9/51 20060101ALI20221006BHJP
   A61K 9/72 20060101ALI20221006BHJP
   A61K 47/46 20060101ALI20221006BHJP
   A61K 31/352 20060101ALI20221006BHJP
   A61K 31/05 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 7/00 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 15/08 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 17/02 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 21/04 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 25/16 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 37/02 20060101ALI20221006BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20221006BHJP
   C12N 5/10 20060101ALN20221006BHJP
   C12N 5/0735 20100101ALN20221006BHJP
   C12N 5/074 20100101ALN20221006BHJP
【FI】
A61K35/12
A61K35/28
A61K35/30
A61K35/545
A61K9/12
A61K9/48
A61K9/51
A61K9/72
A61K47/46
A61K31/352
A61K31/05
A61P1/02
A61P1/16
A61P3/00
A61P3/10
A61P7/00
A61P9/00
A61P9/10
A61P15/08
A61P17/02
A61P19/08
A61P21/04
A61P25/00
A61P25/16
A61P25/28
A61P27/02
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/02
A61P43/00 105
A61P43/00 121
C12N5/10
C12N5/0735
C12N5/074
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022129291
(22)【出願日】2022-08-15
(62)【分割の表示】P 2018565695の分割
【原出願日】2017-06-15
(31)【優先権主張番号】62/350,708
(32)【優先日】2016-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】517206454
【氏名又は名称】オーハイ エナジェティクス ピービーシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム クライドン
(57)【要約】
【課題】幹細胞治療の機能を増強することができる方法および組成物を提供する。
【解決手段】本開示の一態様は、対象における幹細胞の機能を増強する方法であって、(a)前記対象に前記幹細胞を投与するステップ;(b)前記対象にカプセル化されたカンナビノイド化合物を含む医薬組成物を投与するステップを含み、(b)は、ステップ(a)の前、それと同時、またはその後に行われる、方法を提供する。一部の実施形態において、ステップ(b)は、少なくとも1種のテルペン化合物をさらに含む。一部の実施形態において、ステップ(b)による処置は、ステップ(a)に通常関連する副作用を低減する。一部の実施形態において、ステップ(a)および(b)は、前記対象におけるプロセスに対して相乗効果を示す。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
相互参照
本出願は、2016年6月15日に出願された米国仮出願番号第62/350,708号の利益を主張しており、この仮出願は、参考として本明細書中に全体が援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
幹細胞は、発生中の組織の生成と組織損傷後の再生の両方に関与する。幹細胞は、2つの重要な特性である自己再生する能力およびより特殊化した細胞型を産生する能力を示す。
【0003】
幹細胞に関する研究は、多くの疾患を処置するための見込みを示している。幹細胞治療の最も確立された形態の1つは骨髄移植であり、そこでは、患者の造血幹細胞がドナー幹細胞と置換される。ドナー幹細胞は、患者の骨髄に存在し、造血系を再生する。十分に確立されている別の種類の幹細胞治療は、熱傷患者などの大きな皮膚創傷の処置における上皮幹細胞の使用である。細胞培養上皮自家移植片は、罹患していない皮膚からの小さな移植片を培養中で拡大することを可能にし、広範囲の創傷の被覆を可能にする。幹細胞治療はまた、関節炎、自己免疫疾患、視力および聴覚喪失、糖尿病および整形外科の処置にも成功している。神経疾患における幹細胞の使用は、活発な研究の分野であり、有望な結果が脳卒中および多発性硬化症の疾患モデルにおいて見られている。
【0004】
幹細胞治療には多くの課題が残されている。自家成体幹細胞の使用は、それらの限られた複製可能性によって制限されている。胚性幹細胞の使用は、この懸念を軽減することができるが、ドナー幹細胞は、免疫拒絶を最小限に抑えるために慎重に適合させなければならず、免疫抑制薬がなおも必要とされ得る。幹細胞由来組織は既存の構造と一緒に機能できることが必要であるため、統合は依然として課題である。幹細胞はまた望ましくない増殖を促進する能力を有するため、分化および複製の制御は重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
要旨
幹細胞治療の機能を増強することができる方法および組成物が非常に必要とされている。本開示に記載される発明は、この必要性に対処し、他の関連する利点を同様に提供する。
【0006】
本開示の一態様は、対象における幹細胞の機能を増強する方法であって、(a)前記対象に前記幹細胞を投与するステップ;(b)前記対象にカプセル化されたカンナビノイド化合物を含む医薬組成物を投与するステップを含み、(b)は、ステップ(a)の前、それと同時、またはその後に行われる、方法を提供する。一部の実施形態において、ステップ(b)は、少なくとも1種のテルペン化合物をさらに含む。一部の実施形態において、ステップ(b)による処置は、ステップ(a)に通常関連する副作用を低減する。一部の実施形態において、ステップ(a)および(b)は、前記対象におけるプロセスに対して相乗効果を示す。
【0007】
一部の実施形態において、前記対象は、急性白血病、慢性白血病、およびリンパ腫、遺伝性血小板異常、形質細胞障害、自己免疫疾患、骨髄増殖性障害、リンパ球増殖性障害、食細胞障害、骨髄異形成症候群、組織球性障害、先天性免疫系障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、および多発性硬化症、脳卒中、糖尿病、不妊症、視力喪失または他の眼疾患、リソソーム蓄積症、末梢動脈疾患、虚血性四肢損傷、糖尿病、心疾患、肝疾患、骨疾患、筋ジストロフィー、歯科疾患、および癌の群から選択される疾患に罹っているかまたは罹っていると疑われる。
【0008】
一部の実施形態において、前記対象は、脊柱および脊髄損傷、創傷、熱傷もしくは化学火傷、スポーツ損傷、職業損傷、または脳損傷の群から選択される損傷に罹っている。
【0009】
一部の実施形態において、前記幹細胞は、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞、胎児幹細胞、または成体幹細胞である幹細胞由来である。
【0010】
一部の実施形態において、前記幹細胞は、AA4、AA4.1、P-gp(CD243)、ABCB5、ABCG2(CDw338)、ALDH、アルカリホスファターゼ、アルファ6-インテグリン、WNT2B、アンチトロンビンIII(AT)、アシアロGM1、Bcl-2、ベータ1-インテグリン、ブロモデオキシウリジン、c-kit(CD117)、c-Met、C1qR(p)、END(CD105)、PROM1(CD133)、ALCAM(CD166)、ITGB1(CD29)、TNFRSF8(CD30)、PECAM-1(CD31)、Siglec-3(CD33)、CD34、CD44、NCAM(CD56)、CD73、CD9、CD90、CDCP1、循環抗凝固タンパク質C(PC)、CK19、CLV3、サイクリックCMP、ECMA-7、EDR1、EEC、FGF-4、Flk-2、Flk1(+)、Flt3/Flk2、FMS(CD115)、FORSE-1、Gアルファ16、GDF3、GFPM、Gli2、Gli3、グリア線維性酸性タンパク質、糖タンパク質IB、GSTA1、HAS2遺伝子発現、Her5、hMYADM、HSA、hsp25、Id2、IL-3Rアルファ、インテグリン、インターロイキン-3受容体アルファ鎖、酸化鉄ナノ粒子、KDR、ケラチン15(別名CK15、サイトケラチン15)、ケラチン19(別名CK19、サイトケラチン19、K19)、Kit、L-セレクチン(CD62L)、ラミンA/C、ルイスX抗原(Le(X))、LeX、Lgr5、Lrp4、MCM2、MCSP、メタロチオネイン(MT)陰窩拘束性免疫陽性指数(MTCRII)、モノソミー7、ARXのマウスオルソログ、MRP4、Msi-1、Musashi、Musashi-1、突然変異型BCRP、ネスチン、ニューロフィラメント微小管関連タンパク質2、ニューロングリア抗原2(NG2)、ノッチ1、nrp-1、ヌクレオステミン、OC.3、Oct-4、OST-PTP、P-gp/MDR1、p21、p63、p75、PCLP、PCNA、PECAM、PgP-1、リン酸化-p38、ポドカリキシン、プロカルシトニン(PCT)、PSC、pSV2gpt、PTPRC、精製LRC、ラット肝臓脂肪酸結合タンパク質/ヒト成長ホルモン導入遺伝子(Fabpl/hGH)、RC1抗原、Rex-1、Sca-1、SCF、シアリル-ラクトテトラ、サイドポピュレーション(SP)、SOX10、SOX2、SOX9、SP表現型、SSEA-1、SSEA-3、SSEA-4、Stat3、Stat5、Stella、Stra8、Stro-1、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAcP)、TdT、テロメラーゼ逆転写酵素、ヘモグロビンの電気泳動パターン、トロンボムチン、Thy-1、Tra-1-60、TWIST1、VEGFR-2、ビメンチン、X-スムーズンド、XKrk1、またはZac1のうちの少なくとも1つを発現する。
【0011】
一部の実施形態において、前記幹細胞は、全能性、多能性、二能性または単能性を示す幹細胞由来である。
【0012】
一部の実施形態において、前記幹細胞は、線維芽細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、寒冷感受性一次感覚ニューロン、聴覚内有毛細胞またはコルチ細胞器官、メルケル細胞、光受容体細胞、味蕾細胞、コリン作動性神経細胞、アドレナリン作動性神経細胞、ペプチド作動性神経細胞、肝細胞、脂肪細胞、肝脂肪細胞、腎臓糸球体足細胞、膵管細胞、胆嚢上皮細胞、周皮細胞、角膜線維芽細胞、骨格筋細胞、心筋細胞、プルキンエ線維細胞、赤血球、巨核球、単球、ランゲルハンス細胞、破骨細胞、骨芽細胞、樹状細胞、ミクログリア細胞、好中球顆粒球、ハイブリドーマ細胞、肥満細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、卵母細胞、精子細胞、卵胞細胞、シュワン細胞、衛星グリア細胞、腸グリア細胞、アストロサイト、ニューロン細胞、乏突起膠細胞、前水晶体上皮細胞、クリスタリン含有水晶体線維細胞、成長ホルモン産生細胞、副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、メラニン細胞刺激ホルモン産生細胞、甲状腺細胞、または歯牙細胞を生じる幹細胞由来である。
【0013】
一部の実施形態において、前記幹細胞は、静脈内注入、皮内、骨髄の移植された微小血管床、皮下、経口(例えば、摂取もしくは吸入)、経皮(局所)、経粘膜、直腸投与、操作された単層組織移植、動脈内、筋肉内、気管内、腹腔内、硝子体内、または標的部位への直接注射を介して送達される幹細胞由来である。
【0014】
一部の実施形態において、医薬組成物はナノカプセルを含み、前記ナノカプセルは前記カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む個々のナノカプセルを含む。
【0015】
一部の実施形態において、前記ナノカプセルは幹細胞成長を増加させる。一部の実施形態において、前記ナノカプセルは幹細胞治療の後に投与される。
【0016】
一部の実施形態において、前記ナノカプセルは吸入により前記対象に投与される。一部の実施形態において、前記ナノカプセルは気化される。一部の実施形態において、前記ナノカプセルは噴霧される。一部の実施形態において、前記ナノカプセルは経口投与される。一部の実施形態において、前記ナノカプセルは食品または飲料に組み込まれている。一部の実施形態において、前記ナノカプセルが局所投与される。
【0017】
一部の実施形態において、前記ナノカプセルは水溶性である。
【0018】
一部の実施形態において、前記少なくとも1種のテルペン化合物は、キラヤ(Quillaja saponaria)に由来する。一部の実施形態において、前記カンナビノイド化合物はカンナビジオール(CBD)を含む。一部の実施形態において、前記カンナビノイド化合物は、0.3%またはそれ未満のテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む。一部の実施形態において、前記ナノカプセルは水溶性である。
【0019】
一部の実施形態において、前記対象は疾患または損傷に罹っているかまたは罹っていると疑われ、(b)の後に、前記対象に前記医薬組成物が投与されることに応答して、前記対象が前記疾患または損傷の進行についてモニタリングされる。
【0020】
一部の実施形態において、前記対象は前記疾患に罹っているかまたは罹っていると疑われ、(b)の後に、前記対象に前記医薬組成物が投与されることに応答して、前記対象が前記疾患の進行または退行についてモニタリングされる。
【0021】
別の態様において、本開示は、有効量のカプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物;および幹細胞治療を受けている対象に治療有効量の食品組成物を投与するための指示書を含むキットを提供する。
【0022】
一部の実施形態において、前記組成物は食品組成物である。一部の実施形態において、前記組成物は医薬組成物である。一部の実施形態において、前記組成物はナノカプセルを含み、前記ナノカプセルが前記カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む個々のナノカプセルを含む。一部の実施形態において、ナノカプセル送達デバイスは噴霧器である。一部の実施形態において、ナノカプセル送達デバイスは気化器である。
【0023】
一部の実施形態において、前記ナノカプセルはテルペン化合物を含む。一部の実施形態において、前記テルペン化合物が、キラヤ(Quillaja saponaria)に由来する。
【0024】
特定の実施形態では、例えば以下の項目が提供される:
(項目1)
対象における幹細胞の機能を増強する方法であって、
(a)前記対象に前記幹細胞を投与するステップ;
(b)前記対象にカプセル化されたカンナビノイド化合物を含む医薬組成物を投与するステップ
を含み、(b)は、ステップ(a)の前、それと同時、またはその後に行われる、方法。
(項目2)
ステップ(b)が、少なくとも1種のテルペン化合物をさらに含む、項目1に記載の方法。
(項目3)
ステップ(b)による処置が、ステップ(a)に通常関連する副作用を低減する、項目1に記載の方法。
(項目4)
前記対象が、急性白血病、慢性白血病、およびリンパ腫、遺伝性血小板異常、形質細胞障害、自己免疫疾患、骨髄増殖性障害、リンパ球増殖性障害、食細胞障害、骨髄異形成症候群、組織球性障害、先天性免疫系障害、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、および多発性硬化症、脳卒中、糖尿病、不妊症、視力喪失または他の眼疾患、リソソーム蓄積症、末梢動脈疾患、虚血性四肢損傷、糖尿病、心疾患、肝疾患、骨疾患、筋ジストロフィー、歯科疾患、および癌の群から選択される疾患に罹っているかまたは罹っていると疑われる、項目1に記載の方法。
(項目5)
前記対象が、脊柱および脊髄損傷、創傷、熱傷もしくは化学火傷、スポーツ損傷、職業損傷、または脳損傷の群から選択される損傷に罹っている、項目1に記載の方法。
(項目6)
前記幹細胞が、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞、胎児幹細胞、または成体幹細胞である幹細胞由来である、項目1に記載の方法。
(項目7)
前記幹細胞が、AA4、AA4.1、P-gp(CD243)、ABCB5、ABCG2(CDw338)、ALDH、アルカリホスファターゼ、アルファ6-インテグリン、WNT2B、アンチトロンビンIII(AT)、アシアロGM1、Bcl-2、ベータ1-インテグリン、ブロモデオキシウリジン、c-kit(CD117)、c-Met、C1qR(p)、END(CD105)、PROM1(CD133)、ALCAM(CD166)、ITGB1(CD29)、TNFRSF8(CD30)、PECAM-1(CD31)、Siglec-3(CD33)、CD34、CD44、NCAM(CD56)、CD73、CD9、CD90、CDCP1、循環抗凝固タンパク質C(PC)、CK19、CLV3、サイクリックCMP、ECMA-7、EDR1、EEC、FGF-4、Flk-2、Flk1(+)、Flt3/Flk2、FMS(CD115)、FORSE-1、Gアルファ16、GDF3、GFPM、Gli2、Gli3、グリア線維性酸性タンパク質、糖タンパク質IB、GSTA1、HAS2遺伝子発現、Her5、hMYADM、HSA、hsp25、Id2、IL-3Rアルファ、インテグリン、インターロイキン-3受容体アルファ鎖、酸化鉄ナノ粒子、KDR、ケラチン15(別名CK15、サイトケラチン15)、ケラチン19(別名CK19、サイトケラチン19、K19)、Kit、L-セレクチン(CD62L)、ラミンA/C、ルイスX抗原(Le(X))、LeX、Lgr5、Lrp4、MCM2、MCSP、メタロチオネイン(MT)陰窩拘束性免疫陽性指数(MTCRII)、モノソミー7、ARXのマウスオルソログ、MRP4、Msi-1、Musashi、Musashi-1、突然変異型BCRP、ネスチン、ニューロフィラメント微小管関連タンパク質2、ニューロングリア抗原2(NG2)、ノッチ1、nrp-1、ヌクレオステミン、OC.3、Oct-4、OST-PTP、P-gp/MDR1、p21、p63、p75、PCLP、PCNA、PECAM、PgP-1、リン酸化-p38、ポドカリキシン、プロカルシトニン(PCT)、PSC、pSV2gpt、PTPRC、精製LRC、ラット肝臓脂肪酸結合タンパク質/ヒト成長ホルモン導入遺伝子(Fabpl/hGH)、RC1抗原、Rex-1、Sca-1、SCF、シアリル-ラクトテトラ、サイドポピュレーション(SP)、SOX10、SOX2、SOX9、SP表現型、SSEA-1、SSEA-3、SSEA-4、Stat3、Stat5、Stella、Stra8、Stro-1、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAcP)、TdT、テロメラーゼ逆転写酵素、ヘモグロビンの電気泳動パターン、トロンボムチン、Thy-1、Tra-1-60、TWIST1、VEGFR-2、ビメンチン、X-スムーズンド、XKrk1、またはZac1のうちの少なくとも1つを発現する、項目1に記載の方法。
(項目8)
前記幹細胞が、全能性、多能性、二能性または単能性を示す幹細胞由来である、項目1に記載の方法。
(項目9)
前記幹細胞が、線維芽細胞、ケラチノサイト、メラノサイト、寒冷感受性一次感覚ニューロン、聴覚内有毛細胞またはコルチ器官、メルケル細胞、光受容体細胞、味蕾細胞、コリン作動性神経細胞、アドレナリン作動性神経細胞、ペプチド作動性神経細胞、肝細胞、脂肪細胞、肝脂肪細胞、腎臓糸球体足細胞、膵管細胞、胆嚢上皮細胞、周皮細胞、角膜線維芽細胞、骨格筋細胞、心筋細胞、プルキンエ線維細胞、赤血球、巨核球、単球、ランゲルハンス細胞、破骨細胞、骨芽細胞、樹状細胞、ミクログリア細胞、好中球顆粒球、ハイブリドーマ細胞、肥満細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、卵母細胞、精子細胞、卵胞細胞、シュワン細胞、衛星グリア細胞、腸グリア細胞、アストロサイト、ニューロン細胞、乏突起膠細胞、前水晶体上皮細胞、クリスタリン含有水晶体線維細胞、成長ホルモン産生細胞、副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、メラニン細胞刺激ホルモン産生細胞、甲状腺細胞、または歯牙細胞を生じる幹細胞由来である、項目1に記載の方法。
(項目10)
前記幹細胞が、静脈内注入、皮内、骨髄の移植された微小血管床、皮下、経口(例えば、摂取もしくは吸入)、経皮(局所)、経粘膜、直腸投与、操作された単層組織移植、動脈内、筋肉内、気管内、腹腔内、硝子体内、または標的部位への直接注射を介して送達される幹細胞由来である、項目1に記載の方法。
(項目11)
ステップ(a)および(b)が、前記対象におけるプロセスに対して相乗効果を示す、項目1に記載の方法。
(項目12)
医薬組成物がナノカプセルを含み、前記ナノカプセルが前記カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む個々のナノカプセルを含む、項目1に記載の方法。
(項目13)
前記ナノカプセルが幹細胞成長を増加させる、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記ナノカプセルが幹細胞治療の後に投与される、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記ナノカプセルが吸入により前記対象に投与される、項目12に記載の方法。
(項目16)
前記ナノカプセルが気化される、項目12に記載の方法。
(項目17)
前記ナノカプセルが噴霧される、項目12に記載の方法。
(項目18)
前記ナノカプセルが経口投与される、項目12に記載の方法。
(項目19)
前記ナノカプセルが食品または飲料に組み込まれている、項目12に記載の方法。
(項目20)
前記ナノカプセルが局所投与される、項目12に記載の方法。
(項目21)
前記ナノカプセルが水溶性である、項目12に記載の方法。
(項目22)
前記少なくとも1種のテルペン化合物が、キラヤ(Quillaja saponaria)に由来する、項目2に記載の方法。
(項目23)
前記カンナビノイド化合物がカンナビジオール(CBD)を含む、項目1に記載の方法。
(項目24)
前記カンナビノイド化合物が、0.3%またはそれ未満のテトラヒドロカンナビノール(THC)を含む、項目1に記載の方法。
(項目25)
前記対象が疾患または損傷に罹っているかまたは罹っていると疑われ、(b)の後に、前記対象に前記医薬組成物が投与されることに応答して、前記対象が前記疾患または損傷の進行についてモニタリングされる、項目1に記載の方法。
(項目26)
前記対象が前記疾患に罹っているかまたは罹っていると疑われ、(b)の後に、前記対象に前記医薬組成物が投与されることに応答して、前記対象が前記疾患の進行または退行についてモニタリングされる、項目25に記載の方法。
(項目27)
(a)有効量のカプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物;および
(b)幹細胞治療を受けている対象に治療有効量の食品組成物を投与するための指示書を含むキット。
(項目28)
前記組成物が食品組成物である、項目27に記載のキット。
(項目29)
前記組成物が医薬組成物である、項目27に記載のキット。
(項目30)
前記組成物がナノカプセルを含み、前記ナノカプセルが前記カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む個々のナノカプセルを含む、項目27に記載のキット。
(項目31)
ナノカプセル送達デバイスが噴霧器である、項目30に記載のキット。
(項目32)
ナノカプセル送達デバイスが気化器である、項目30に記載のキット。
(項目33)
前記ナノカプセルがテルペン化合物を含む、項目30に記載のキット。
(項目34)
前記テルペン化合物が、キラヤ(Quillaja saponaria)に由来する、項目33に記載のキット。
本発明の他の目的および利点は、以下の記述および添付図面と併せて考慮したときにさらに認識され理解される。以下の記述は、本発明の特定の実施形態について記述する特定の詳細を含むかもしれないが、これは本発明の範囲を限定すると解釈すべきでなく、好ましい実施形態を例示したものと解釈すべきである。本発明の各態様に関し、当業者に公知の、本明細書に提示されるような多くの変形例が可能である。多様な変更および修正を、本発明の範囲内で、その思想から逸脱することなく、行うことができる。
【0025】
参照による援用
本明細書に挙げられる全ての刊行物、特許、および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願のそれぞれが、参照により組み込まれることを特にかつ個々に示されるのと同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(詳細な説明)
本発明の様々な実施形態について、本明細書で図示し記述しているが、そのような実施形態は単なる例として提示されることが、当業者に明らかである。多数の変形、変更、および置換は、本発明から逸脱することなく、いまや当業者に想起される。本明細書に記載されている本発明の実施形態に対する様々な代替形態を、本発明の実施において採用し得ることを理解するべきである。以下の特許請求の範囲は本発明の範囲を定義し、それによって、これらの特許請求の範囲の範囲内にある方法および構造ならびにそれらの均等物が包含されるものとする。
【0027】
本明細書で使用される「約」または「ほぼ」という用語は、指定される量の+/-10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%以内を指す。
【0028】
本明細書で使用される「治療」、「治療する」、「緩和する」および「寛解する」は、互換的に使用される。これらの用語は、治療的利益および/または予防的利益を含むがこれらに限定されない、有益なまたは所望の結果を得るためのアプローチを指す。治療的利益とは、治療される根本的な障害の根絶または寛解を意味する。また、患者が依然として根本的な障害に悩まされている可能性があるにもかかわらず、改善が患者において観察されるように、根本的な障害に関連する生理学的症状のうちの1つまたは複数の根絶または寛解によって治療的利益が達成される。
【0029】
本明細書で使用される「遊走能」という用語は、治療細胞が病変部位に遊走する遊走能力を指し得る。用語「遊走能」は、培養条件下での幹細胞の遊走能力を指し得る。
【0030】
本開示は、対象における幹細胞の機能を増強する方法であって、(a)前記対象に前記幹細胞を投与するステップ;(b)前記対象にカプセル化されたカンナビノイド化合物を含む医薬組成物を投与するステップを含み、(b)は、ステップ(a)の前、それと同時、またはその後に行われる、方法を提供する。
【0031】
幹細胞
本開示において使用される幹細胞は、人工多能性幹細胞、胚性幹細胞、胎児幹細胞、または成体幹細胞であり得る。胎児幹細胞は、胎児自体に由来する胎児固有幹細胞または胚体外胎児幹細胞のいずれかであり得る。
【0032】
本開示において使用される幹細胞は、1つまたは複数の幹細胞特異的遺伝子の発現を誘導することによって産生される、非多能性細胞、典型的には成体体細胞から人工的に誘導される幹細胞である人工多能性幹細胞(iPSC)であり得る。このような幹細胞特異的遺伝子には、八量体転写因子のファミリー、すなわち、Oct-3、Oct-4;Sox遺伝子のファミリー、すなわち、Sox1、Sox2、Sox3、Sox15およびSox18;Klf遺伝子のファミリー、すなわち、Klf1、Klf2、Klf4およびKlf5;Myc遺伝子のファミリー、すなわち、c-mycおよびL-myc;Nanog遺伝子のファミリー、すなわち、OCT4、NANOGおよびREX1;またはLIN28が挙げられるが、これらに限定されない。iPSCの例は、Takahashi K.ら(2007年)Cell 131巻:861~72頁;Takahashi K.およびYamanaka S.(2006年)Cell 126巻:663~76頁;Okita K.ら(2007年)Nature 448巻:260~262頁;Yu, J.ら(2007年)Science 318巻:1917~20頁;ならびにNakagawa, M.ら(2008年)Nat. Biotechnol. 26巻:101~106頁に記載されている。
【0033】
本明細書に開示される組成物および方法において利用される幹細胞は、様々な方法で誘導することができる。例えば、幹細胞は、それらが処置に使用されている組織から、または他の組織から単離することができる。いくつかの例では、幹細胞は、血液、脳、骨髄、血管、骨格筋、皮膚、歯、心臓、腸、または肝臓組織から単離される。幹細胞は、対象から、対象の近親者から、ドナーから、組織バンクから、または幹細胞バンクから単離することができる。
【0034】
本開示において使用される幹細胞は、血液(すなわち、造血組織)から単離することができる。ヒト造血組織の可能性のある供給源としては、胚性造血組織、胎児造血組織、および出生後の造血組織が挙げられるが、これらに限定されない。胚性造血組織は、卵黄嚢または胚性肝臓であり得る。胎児造血系は、胎児肝臓、胎児骨髄および胎児末梢血から選択することができる。出生後の造血系は、臍帯血、骨髄、正常な末梢血、動員された末梢血、肝臓造血組織、または脾臓造血組織であり得る。
【0035】
利用される幹細胞は、任意の幹細胞マーカーを発現し得る。多くの幹細胞マーカーが当技術分野において公知であり、発現され得る幹細胞マーカーのいくつかの例には、前記幹細胞が、AA4、AA4.1、P-gp(CD243)、ABCB5、ABCG2(CDw338)、ALDH、アルカリホスファターゼ、アルファ6-インテグリン、WNT2B、アンチトロンビンIII(AT)、アシアロGM1、Bcl-2、ベータ1-インテグリン、ブロモデオキシウリジン、c-kit(CD117)、c-Met、C1qR(p)、END(CD105)、PROM1(CD133)、ALCAM(CD166)、ITGB1(CD29)、TNFRSF8(CD30)、PECAM-1(CD31)、Siglec-3(CD33)、CD34、CD44、NCAM(CD56)、CD73、CD9、CD90、CDCP1、循環抗凝固タンパク質C(PC)、CK19、CLV3、サイクリックCMP、ECMA-7、EDR1、EEC、FGF-4、Flk-2、Flk1(+)、Flt3/Flk2、FMS(CD115)、FORSE-1、Gアルファ16、GDF3、GFPM、Gli2、Gli3、グリア線維性酸性タンパク質、糖タンパク質IB、GSTA1、HAS2遺伝子発現、Her5、hMYADM、HSA、hsp25、Id2、IL-3Rアルファ、インテグリン、インターロイキン-3受容体アルファ鎖、酸化鉄ナノ粒子、KDR、ケラチン15(別名CK15、サイトケラチン15)、ケラチン19(別名CK19、サイトケラチン19、K19)、Kit、L-セレクチン(CD62L)、ラミンA/C、ルイスX抗原(Le(X))、LeX、Lgr5、Lrp4、MCM2、MCSP、メタロチオネイン(MT)陰窩拘束性免疫陽性指数(MTCRII)、モノソミー7、ARXのマウスオルソログ、MRP4、Msi-1、Musashi、Musashi-1、突然変異型BCRP、ネスチン、ニューロフィラメント微小管関連タンパク質2、ニューロングリア抗原2(NG2)、ノッチ1、nrp-1、ヌクレオステミン、OC.3、Oct-4、OST-PTP、P-gp/MDR1、p21、p63、p75、PCLP、PCNA、PECAM、PgP-1、リン酸化-p38、ポドカリキシン、プロカルシトニン(PCT)、PSC、pSV2gpt、PTPRC、精製LRC、ラット肝臓脂肪酸結合タンパク質/ヒト成長ホルモン導入遺伝子(Fabpl/hGH)、RC1抗原、Rex-1、Sca-1、SCF、シアリル-ラクトテトラ、サイドポピュレーション(SP)、SOX10、SOX2、SOX9、SP表現型、SSEA-1、SSEA-3、SSEA-4、Stat3、Stat5、Stella、Stra8、Stro-1、酒石酸耐性酸性ホスファターゼ(TRAcP)、TdT、テロメラーゼ逆転写酵素、ヘモグロビンの電気泳動パターン、トロンボムチン、Thy-1、Tra-1-60、TWIST1、VEGFR-2、ビメンチン、X-スムーズンド、XKrk1、およびZac1が含まれるが、これらに限定されない。
【0036】
幹細胞は、任意の単一の幹細胞マーカーを発現し得る。あるいは、幹細胞は、いくつかの幹細胞マーカーを発現し得る。いくつかの場合では、幹細胞は、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、20個、またはそれを超える幹細胞マーカーを発現し得る。
【0037】
いくつかの例では、幹細胞は、カンナビノイド受容体または推定カンナビノイド受容体を発現し得る。幹細胞は、カンナビノイド受容体1型、カンナビノイド受容体2型、または別のカンナビノイド受容体を発現し得る。他のカンナビノイド受容体の例には、GPR18、GPR55、およびGPR119が含まれる。
【0038】
本開示において使用される幹細胞は、当技術分野において公知の任意の方法によって対象に投与する前に培養物中に維持することができる。幹細胞は、フィーダー層の有無にかかわらず、血清含有または無血清培地中で維持することができる。幹細胞は、馴化培地中で維持することができる。
【0039】
幹細胞は、対象への投与前に部分的に分化することができる。幹細胞を混合細胞集団または特定の細胞系統のいずれかに分化させるための多くの方法が当技術分野において公知である。例えば、胚性幹細胞またはiPSCは、胚様体の形成を可能にする条件下で培養することができ、したがって分化を誘発することができる。別の例では、胚性幹細胞またはiPSCは、間質細胞の層上で分化することができる。別の例では、胚性幹細胞またはiPSCは、細胞外マトリックスタンパク質上で分化することができる。
【0040】
培地中の増殖因子、血清または小分子の存在は、胚性幹細胞またはiPSCの分化に影響を及ぼし得る。これらの増殖因子には、骨形成タンパク質、コロニー刺激因子、表皮増殖因子、エフリン、線維芽細胞増殖因子、ウシ胎児成長ホルモン、GDNFリガンドファミリー、肝細胞増殖因子、インスリン様増殖因子、インターロイキン、ケラチノサイト増殖因子、遊走刺激因子、マクロファージ刺激タンパク質、ミオスタチン、ニューレグリン、ニューロトロフィン、胎盤増殖因子、血小板由来増殖因子、形質転換増殖因子、腫瘍壊死因子アルファ、血管内皮増殖因子およびWntシグナル伝達経路タンパク質が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
例えば、VEGF、アクチビン、BMP4、StemPro34、グルタミン、アスコルビン酸、bFGFおよびFGF10の存在下でマウス胚性幹細胞を培養することにより、心筋細胞の分化を誘導することができる(Kokkinopoulos, Ioannisら「Cardiomyocyte differentiation from mouse embryonic stem cells using a simple and defined protocol.」Developmental Dynamics 245巻、2号(2016年):157~165頁)。別の例では、ヒトiPSCは、SCF、TPO、FLT3L、VEGF、IL-3、IL-6、およびEPOとともに増殖されて、赤血球細胞への分化を誘導することができる(Dorn, Isabelら「Erythroid differentiation of human induced pluripotent stem cells is independent of donor cell type of origin.」haematologica 100巻、1号(2015年):32~41頁)。
【0042】
本明細書に記載される開示において使用される幹細胞は、任意の数の細胞型に分化することが可能であり得る。例えば、使用される幹細胞は、全能性、多能性、二能性または単能性であり得る。いくつかの好ましい用途では、使用される幹細胞は、多能性または二能性である。
【0043】
本開示において使用される幹細胞は、外胚葉、中胚葉または内胚葉系統のうちの1つまたは複数の細胞に分化することが可能であり得る。外胚葉系統から分化する細胞の例には、表皮細胞、神経原性細胞、および神経膠原性細胞が含まれるが、これらに限定されない。中胚葉系統から分化するかまたは特定の中胚葉細胞を生じさせる細胞の例には、脂肪生成性、平滑筋形成性、軟骨形成性、心臓形成性、皮膚形成性、造血性、血管形成性、筋形成性、腎形成性、尿生殖原性、骨形成性、心膜形成性、または間質の細胞が含まれるが、これらに限定されない。内胚葉系統から分化する細胞の例には、胸膜原性細胞、および肝原性細胞、腸の内層を生じさせる細胞、ならびに膵臓形成細胞および内臓形成細胞を生じる細胞が含まれるが、これらに限定されない。
【0044】
本開示において使用される幹細胞は、任意の種類の成熟細胞または前駆体に分化することが可能であり得る。細胞の種類の選択された例には、自律神経細胞、血液および免疫系細胞、中枢神経系ニューロンおよびグリア細胞、収縮細胞、外分泌性分泌上皮細胞、細胞外マトリックス細胞、生殖細胞、心筋細胞、ホルモン分泌細胞、外皮系、間質細胞、角質化上皮細胞、水晶体細胞、代謝および貯蔵細胞、神経系、ナース細胞、感覚器官および末梢ニューロン支持細胞、感覚トランスデューサー細胞、骨格筋細胞、および湿式成層障壁上皮細胞が含まれる。
【0045】
本開示において使用される幹細胞は、任意の成熟細胞または前駆体に分化することが可能であり得る。細胞の選択された例としては、唾液腺粘液細胞(多糖類に富んだ分泌)、唾液腺ナンバー1細胞(糖タンパク質酵素に富んだ分泌)、舌のフォン・エブネル腺細胞(味蕾を洗浄する)、乳腺細胞(乳汁分泌)、涙腺細胞(涙分泌)、耳の耳道腺細胞(耳垢分泌)、エクリン汗腺暗細胞(糖タンパク質分泌)、エクリン汗腺クリア細胞(小分子分泌)、アポクリン汗腺細胞(臭気分泌、性ホルモン感受性)、まぶたの中のモル(moll)細胞の腺(特殊汗腺)、皮脂腺細胞(脂質に富んだ皮脂分泌)、鼻のボーマン腺細胞(嗅上皮を洗浄する)、十二指腸のブルンナー腺細胞(酵素およびアルカリ性粘液)、精嚢細胞(泳いでいる精子のフルクトースを含む精液成分を分泌する)、前立腺細胞(精液成分を分泌する)、尿道球腺細胞(粘液分泌)、バルトリン腺細胞(膣潤滑剤分泌)、リトル細胞の腺(粘液分泌)、子宮内膜細胞(炭水化物分泌)、呼吸器および消化管の杯細胞(粘液分泌)、胃内壁粘液細胞(粘液分泌)、胃腺酵素原細胞(ペプシノーゲン分泌)、胃腺酸分泌細胞(塩酸分泌)、膵腺房細胞(重炭酸塩および消化酵素分泌)、小腸のパネート細胞(リゾチーム分泌)、肺のII型肺細胞(界面活性剤分泌)、肺のクララ細胞、成長ホルモン産生細胞、プロラクチン産生細胞、甲状腺刺激ホルモン産生細胞、性腺刺激ホルモン産生細胞、副腎皮質刺激ホルモン産生細胞、中間下垂体細胞、大細胞性神経分泌細胞、腸管および呼吸気管細胞、甲状腺細胞、甲状腺上皮細胞、傍濾胞細胞、副甲状腺細胞、副甲状腺主細胞、好酸性細胞、副腎細胞、クロマフィン細胞、テストステロンを分泌する精巣のライディッヒ細胞、エストロゲンを分泌する卵胞の内卵胞膜細胞、プロゲステロンを分泌する破裂した卵胞の黄体細胞、顆粒膜黄体細胞、卵胞膜黄体細胞、傍糸球体細胞(レニン分泌)、腎臓の緻密斑細胞、腎臓の周極細胞、腎臓のメサンギウム細胞、表皮ケラチノサイト(分化表皮細胞)、表皮基底細胞(幹細胞)、指の爪および足指の爪のケラチノサイト、爪床基底細胞(幹細胞)、メラノサイト、髄質毛幹細胞、皮質毛幹細胞、クチクラ毛幹細胞、クチクラ毛根鞘細胞、ハクスレー層の毛根鞘細胞、ヘンレ層の毛根鞘細胞、外部毛根鞘細胞、毛母細胞(幹細胞)、角膜、舌、口腔、食道、肛門管、遠位尿道および膣の重層扁平上皮の表面上皮細胞、角膜、舌、口腔、食道、肛門管、遠位尿道および膣の上皮の基底細胞(幹細胞)、尿路上皮細胞(膀胱および尿管の内壁を覆う)、コルチ器官の聴覚内有毛細胞、コルチ器官の聴覚外有毛細胞、嗅上皮の基底細胞(嗅覚ニューロンの幹細胞)、寒冷感受性一次感覚ニューロン、感熱性一次感覚ニューロン、表皮のメルケル細胞(触覚センサー)、嗅覚受容体ニューロン、疼痛感受性の一次感覚ニューロン(様々なタイプ)、眼の網膜の光受容体細胞、光受容体桿体細胞、眼の光受容体青色感光性の錐体細胞、眼の光受容体緑色感光性の錐体細胞、眼の光受容体赤色感光性の錐体細胞、固有受容性の一次感覚ニューロン(様々なタイプ)、触覚一次感覚ニューロン(様々なタイプ)、I型頸動脈体細胞(血中pHセンサー)、II型頸動脈体細胞(血中pHセンサー)、耳の前庭系のI型有毛細胞(加速度および重力)、耳の前庭系のII型有毛細胞(加速度および重力)、I型味蕾細胞、コリン作動性神経細胞(様々なタイプ)、アドレナリン作動性神経細胞(様々なタイプ)、ペプチド作動性神経細胞(様々なタイプ)、コルチ器官の内柱細胞、コルチ器官の外柱細胞、コルチ器官の内指節細胞、コルチ器官の外指節細胞、コルチ器官の境界細胞、コルチ器官のヘンゼン細胞、前庭器支持細胞、味蕾支持細胞、嗅上皮支持細胞、シュワン細胞、衛星グリア細胞(カプセル化末梢神経細胞体)、腸グリア細胞、アストロサイト(様々なタイプ)、ニューロン細胞(多種多様のタイプ、まだ分類が不十分である)、乏突起膠細胞、紡錘体ニューロン、前水晶体上皮細胞、クリスタリン含有水晶体線維細胞、肝細胞(肝臓細胞)、脂肪細胞(白色脂肪細胞および褐色脂肪細胞)、肝脂肪細胞、腎臓壁細胞、腎臓糸球体足細胞、腎臓近位尿細管刷子縁細胞、ヘンレ係蹄の薄いセグメント細胞、腎臓遠位尿細管細胞、腎臓集合管細胞、主細胞、介在細胞、I型肺細胞(肺細胞の気腔の内表面を覆う)、膵管細胞(腺房中心細胞)、非線条導管細胞(汗腺、唾液腺、乳腺などの)、主細胞、介在細胞、導管細胞(精嚢、前立腺などの)、腸刷子縁細胞(微絨毛を含む)、外分泌腺線条導管細胞、胆嚢上皮細胞、精巣輸出管非線毛細胞、精巣上体主細胞、精巣上体基底細胞、エナメル芽細胞上皮細胞(歯のエナメル分泌)、耳の前庭系の半月面上皮細胞(プロテオグリカン分泌)、コルチ器官の歯間上皮細胞(有毛細胞を覆っている蓋膜を分泌する)、疎性結合組織線維芽細胞、角膜線維芽細胞(角膜実質細胞)、腱線維芽細胞、骨髄細網組織線維芽細胞、他の非上皮線維芽細胞、周皮細胞、椎間板の髄核細胞、セメント芽細胞/セメント細胞(歯根骨様イワン(ewan)細胞分泌)、象牙芽細胞/歯牙細胞(歯象牙質分泌)、硝子軟骨細胞、線維軟骨細胞、弾性軟骨細胞、骨芽細胞/骨細胞、骨前駆細胞(骨芽細胞の幹細胞)、眼の硝子体の硝子体細胞、耳の外リンパ腔の星細胞、肝星細胞(伊東細胞)、膵星細胞、赤色骨格筋細胞(遅筋)、白色骨格筋細胞(速筋)、中間骨格筋細胞、筋紡錘の核袋細胞、筋紡錘の核鎖細胞、衛星細胞(幹細胞)、普通心筋細胞、結節性心筋細胞、プルキンエ線維細胞、平滑筋細胞(様々なタイプ)、虹彩の筋上皮細胞、外分泌線の筋上皮細胞、赤血球(赤血球細胞)、巨核球(血小板前駆体)、単球(白血球細胞)、結合組織マクロファージ(様々なタイプ)、表皮ランゲルハンス細胞、破骨細胞(骨中)、樹状細胞(リンパ組織中)、ミクログリア細胞(中枢神経系中)、好中球顆粒球、好酸球顆粒球、好塩基球顆粒球、ハイブリドーマ細胞、マスト細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、細胞毒性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、網状赤血球、血液系および免疫系のための幹細胞および関連前駆体(様々なタイプ)、卵原細胞/卵母細胞、精細胞、精母細胞、精原細胞(精母細胞のための幹細胞)、精子、卵胞細胞、セルトリ細胞(精巣中)、胸腺上皮細胞、ならびに間質性腎臓細胞が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
使用される幹細胞は、単一タイプの幹細胞、幹細胞の混合集団、または2つもしくはそれより多くの別々の幹細胞集団であり得る。使用される幹細胞は、単一の供給源または複数の供給源に由来し得る。幹細胞は、単一の細胞型にまたはいくつかの異なる細胞型に分化し得る。
【0047】
本開示において使用される幹細胞は、遺伝子改変されていてもよい。例えば、自己細胞から生成されたiPSCは、欠損または突然変異を修正するために修飾され得る。修飾方法は、CRISPR、ジンクフィンガーヌクレアーゼ、Talen、相同組換え、トランスフェクションまたは形質導入を含み得る。この修飾は、遺伝子を停止し、欠陥のある遺伝子を置換し、または遺伝子産物の発現を増加するために使用することができる。
【0048】
本開示の幹細胞は、当技術分野における任意の方法によって送達させることができる。当技術分野において公知である方法には、非経口、例えば、静脈内注入、皮内、移植された骨髄の微小血管床、皮下、経口(例えば、摂取または吸入)、経皮(局所)、経粘膜、直腸投与、または操作された単層組織移植が含まれる。ある特定の態様では、修飾された細胞の集団は、動脈内、筋肉内、皮下、経皮、気管内、腹腔内、硝子体内、鼻腔内からなる群から選択される経路から投与され、標的部位に、例えば骨区画に、心臓にまたは脊髄液に直接注射によって投与される。ある特定の態様では、修飾された細胞の集団は、損傷部位にまたはその近くに投与される。いくつかの実施形態では、細胞は、複数の経路および部位によって同時にまたは連続して投与することができる。
【0049】
幹細胞の送達経路は用途に依存する。例えば、幹細胞は、皮膚の処置のために局所的に送達することができる。幹細胞は、血液疾患の処置のために静脈内に送達することができる。幹細胞は、筋肉疾患の処置のために筋肉内に送達することができる。幹細胞は、脳疾患の処置のために鼻腔内送達を介して脳内に送達することができる。幹細胞は、心疾患の処置のために心筋内注射を介して心臓に送達することができる。幹細胞はまた、いくつかの非血液関連疾患および障害の処置のために静脈内に送達され得る。
【0050】
いくつかの実施形態では、幹細胞は、足場支持体とともに投与することができる。使用することができる足場支持体には、生物活性ガラス、ヒドロゲル、光重合性ポリ(エテン)グリコールヒドロゲル、コラーゲンゲル、マトリゲル(Corning)、または軟骨もしくは結合組織などの脱細胞化組織が含まれる。幹細胞は、それが形成された後に足場に添加することができ、または足場は、幹細胞の周囲に形成することができる。
【0051】
本明細書に記載される開示の幹細胞は、疾患を処置するために使用することができる。処置することができる疾患の種類の例には、血液疾患、癌、免疫疾患、心血管疾患、筋肉疾患、代謝疾患、神経疾患、結合組織疾患、眼疾患が含まれる。幹細胞は、疾患によって喪失および/または損傷を受けた細胞を置換するために使用することができる。幹細胞は、有害な突然変異を有する細胞を置換するために使用することができる。
【0052】
幹細胞治療で処置することができる血液疾患のいくつかの例としては、急性白血病、慢性白血病、リンパ腫、遺伝性血小板異常、形質細胞障害、ループスなどの自己免疫疾患、骨髄増殖性障害、リンパ球増殖性障害、食細胞障害、骨髄異形成症候群、組織球性障害、または先天性免疫系障害が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、白血病は、細胞毒性薬および/または放射線療法を使用して、癌性および非癌性の血液幹細胞を死滅させ、次に、幹細胞をドナー骨髄と置換することによって処置することができる。ドナー骨髄の幹細胞は造血系を再増殖させる。自己免疫疾患に対する幹細胞処置は、成熟自己反応性免疫細胞を細胞毒性薬および/または放射線で死滅させ、次に、造血系を以前に単離された自己血幹細胞で再増殖させることを伴い得る。
【0053】
本開示の方法で処置することができる神経学的疾患の例としては、パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、多発性硬化症、および脳卒中が挙げられるが、これらに限定されない。これらの疾患は、ニューロンおよび/またはグリア細胞の喪失と関連し、幹細胞治療はこれらの細胞を置換することができる可能性がある。
【0054】
心血管疾患および筋肉疾患の処置は、喪失したまたは損傷した筋肉線維を置換するために幹細胞を使用することを伴う。ヒト胚性幹細胞由来の心筋細胞は、モルモットの心臓にうまく統合されることが示されている(Shiba, Yujiら「Human ES-cell-derived cardiomyocytes electrically couple and suppress arrhythmias in injured hearts.」Nature 489巻、7415号(2012年):322~325頁)。
【0055】
本開示の方法で処置することができる疾患の他の例としては、糖尿病、不妊症、リソソーム蓄積症、末梢動脈疾患、糖尿病、心疾患、肝疾患、骨疾患、筋ジストロフィー、歯科疾患、または癌が挙げられるが、これらに限定されない。
【0056】
幹細胞治療は、マウスにおいて歯を再生させるために首尾よく使用されてきた(Ohazama, A.ら「Stem-cell-based tissue engineering of murine teeth.」Journal of Dental Research 83巻、7号(2004年):518~522頁)。聴覚障害のあるニワトリの聴覚を回復させるために、遺伝子編集と組み合わせた幹細胞治療が使用されている(Izumikawa, Masahikoら「Auditory hair cell replacement and hearing improvement by Atoh1 gene therapy in deaf mammals.」Nature medicine 11巻、3号(2005年):271~276頁)。網膜幹細胞を眼に送達させることは、黄斑変性によって引き起こされる失明を処置することができる。胚性幹細胞は、糖尿病を処置するために膵臓に送達することができるインスリン産生ベータ細胞に分化することができる。
【0057】
本明細書に記載される開示の方法はまた、損傷を処置するために使用することができる。幹細胞で潜在的に処置され得る損傷には、脊柱損傷および脊髄傷害、創傷、熱傷または化学火傷、スポーツ損傷、職業損傷、または脳損傷が含まれる。成人では、創傷は、瘢痕組織の形成を通して治癒することが多く、幹細胞を創傷に配置することにより、組織の再生が可能になり、瘢痕組織が形成されることなく治癒が促進され得る。幹細胞は、治癒および運動回復を促進するために脊髄損傷において使用することができる(Cummings, Brian J.ら「Human neural stem cells differentiate and promote locomotor recovery in spinal cord-injured mice.」Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America 102巻、39号(2005年):14069~14074頁)。
【0058】
幹細胞治療の機能は、当技術分野において公知の任意の方法によって測定することができる。幹細胞の機能は、遺伝子発現の分析、幹細胞マーカーの発現、細胞形態、細胞遊走、細胞成長、幹細胞増殖の速度および安定性、自発的分化、誘導された分化、成長因子への応答または系統マーカーの発現を含むが、これらに限定されない、当技術分野において公知の任意の方法によってin vitroで測定され得る。細胞表面抗原および生化学的マーカーは、免疫細胞化学、免疫蛍光、蛍光活性化細胞選別、ELISA、ウェスタンブロッティング、qPCR、RNAseqまたはマイクロアレイによって評価することができる。
【0059】
幹細胞の機能は、in vivoで測定され得る。例えば、幹細胞の機能は、標的組織の生検および移植幹細胞由来組織の分析によって測定することができる。可変数縦列反復(VNTR)遺伝子座のPCR増幅は、ドナーおよびレシピエント細胞を同定するために使用することができる。さらに、これらの細胞は、形態学、細胞表面抗原、生化学的マーカー、遺伝子発現、核型分析、および生物学的活性に関して特徴付けることができる。細胞表面抗原および生化学的マーカーは、免疫細胞化学、免疫蛍光、蛍光活性化細胞選別、ELISA、ウェスタンブロッティング、qPCR、RNAseqまたはマイクロアレイによって評価することができる。治療の有効性は、所望の細胞型についてのマーカーの発現、および所望ではない細胞型についてのマーカーの発現を測定することによってアッセイすることができる。治療の有効性は、標的組織または細胞型の機能を測定することによってアッセイすることができる。例えば、心臓幹細胞処置の有効性は、駆出率(EF)の増加;各心拍で左心室から排出された血液の割合、心電図、心エコー図、運動/核内ストレス試験、ホルターモニタリング、または心臓マーカーの発現もしくは非心臓マーカー、例えば、神経マーカーの発現を測定することによって調べることができる。別の例では、神経由来幹細胞による処置の有効性は、空間記憶、作業記憶、運動協調、MRI、PETスキャン、および生活の質の転帰などの神経機能の変化について試験することによって測定することができる。別の例では、肝細胞幹細胞による処置の有効性は、一般的に、臨床的に使用され、血液中のALTおよびASTなどの肝臓酵素の存在を測定する肝臓酵素試験によって測定することができる。本発明の一態様では、それは幹細胞の遊走能力を向上させ得る。いくつかの例では、対象における幹細胞の機能を増強することは、幹細胞治療の任意の態様を改善することを指し得る。いくつかの非限定的な例には、対象における幹細胞の生存の増加、対象における幹細胞の自己再生の増加、幹細胞に由来するトランジット増幅細胞の複製の増加、対象における所望のニッチへの幹細胞の生着の増加、幹細胞の遊走能力の増加、所望の組織または臓器への幹細胞のホーミングの増加、所望の細胞型または複数の細胞型への幹細胞の分化の増加、対象の不所望のニッチへの幹細胞の生着の減少、不所望の細胞型または複数の細胞型への幹細胞の分化の減少、処置に関連する副作用の減少、幹細胞処置から得られる機能回復の改善、必要な用量の免疫抑制薬の減少、または対象における幹細胞の寿命の延長が含まれる。
【0060】
幹細胞治療の前、それと同時、または後に、カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む医薬組成物を受容している対象は、医薬組成物を受容していない対象と比較して改善された転帰を示し得る。例えば、医薬組成物を受容した対象は、より少ない副作用、より軽度の副作用、またはより短い副作用の期間を経験し得る。対象は、医薬組成物を受容しなかった対象と比較して、より急速な回復を示し得、より強い回復を示し得、回復状態をより長く維持し得、または処置された臓器もしくは臓器系の機能が改善され得る。低減され得る副作用の例には、悪心、嘔吐、疲労、一時的な脱毛、感染、出血、貧血、移植片対宿主病、静脈閉塞性疾患、消化器系の問題、皮膚の問題、疼痛、耳下腺の炎症、生着症候群、肺の問題、腎臓の問題、神経および筋肉の問題、移植不全、移植片拒絶、心臓の問題、眼の問題、甲状腺の問題、発達の問題、膀胱の問題、中枢神経系の問題、受精の問題および癌が挙げられる。
【0061】
幹細胞処置およびカンナビノイド組成物は、同時投与することができる。用語「同時投与」、「~と組み合わせて投与する」、およびそれらの文法上の均等物は、動物への2つまたはそれより多い薬剤の投与を包含し、それにより両方の薬剤および/またはそれらの代謝産物が同時に動物に存在する。同時投与には、別々の組成物での同時投与、別々の組成物での異なる時点での投与、または両方の薬剤が存在する組成物での投与が含まれる。同時投与された薬剤は、同じ製剤中にあり得る。同時投与された薬剤はまた、異なる製剤中にあり得る。
【0062】
本開示の対象は、ヒトならびにその他の動物、例えば、ペット(例えば、犬、猫、鳥、小動物、蛇)および家畜または農業用動物(例えば、牛、豚、馬、羊、鶏)を含むことができる。本開示の組成物は、獣医学の適用例に役立てることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される開示の対象は、ヒトである。
【0063】
対象は、成人期に達している場合がある。いくつかの実施形態では、対象は、成人期に達していない。いくつかの実施形態では、対象は胎児である。
【0064】
対象は、幹細胞による処置に適している疾患を有するヒトまたは動物であり得る。幹細胞を用いて処置することができる疾患の例は、上記で論じられている。対象はまた、幹細胞による処置に適している損傷を有するヒトまたは動物でもあり得る。幹細胞を用いて処置することができる損傷の実例は、上記で論じられている。
【0065】
カンナビノイド組成物
幹細胞の機能を増強するために対象に投与される組成物は、カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む。本明細書に開示される組成物に利用されるカンナビノイドには、カンナビゲロール型(CBG)、カンナビゲロール酸(CBGA)、カンナビゲロール酸モノメチルエーテル(CBGAM)、カンナビゲロールモノメチルエーテル(CBGM)、カンナビクロメン型(CBC)、カンナビクロマノン(CBCN)、カンナビクロメン酸(CBCA)、カンナビクロメバリン型(CBCV)、カンナビクロメバリン酸(CBCVA)、カンナビジオール型(CBD)、テトラヒドロカンナビノール型(THC)、イソ-テトラヒドロカンナビノール型(イソ-THC)、カンナビノール型(CBN)、カンナビノール酸(CBNA)、カンナビノールメチルエーテル(CBNM)、カンナビノール-C(CBN-C)、カンナビノール-C(CBN-C)、カンナビオルコール(CBN-C)、カンナビノジオール(CBND)、カンナビエルソイン型(CBE)、カンナビエルソン酸A(CBEA-A)、カンナビエルソン酸B(CBEA-B)、カンナビシクロール型(CBL)、カンナビシクロール酸(CBLA)、カンナビシクロバリン(CBLV)、カンナビシトラン型(CBT)、カンナビトリオール、カンナビトリオールバリン(CBTV)、エトキシ-カンナビチオールバリン(CBTVE)、カンナビバリン型(CBV)、カンナビノジバリン(CBVD)、テトラヒドロカンナビバリン型(THCV)、カンナビジバリン型(CBDV)、カンナビゲロバリン型(CBGV)、カンナビゲロバリン酸(CBGVA)、カンナビフラン(CBF)、デヒドロカンナビフラン(DCBF)、およびカンナビリプソール(CBR)カンナビノイドが含まれ得るが、これらに限定されない。
【0066】
本開示の組成物および方法に使用されるカンナビノイドは、アサ(例えば、アサの柄、アサの茎、アサの実)、カンナビス(例えば、カンナビスの花、カンナビスの葉、カンナビスの柄、カンナビスの茎、カンナビスの種子)、Echinacea purpurea、Echinacea angustifolia、Echinacea pallida、Acmella oleracea、Helichrysum umbraculigerum、Radula marginata、カバ、黒トリュフ、Syzygium aromaticum(クローブ)、Rosmarinus oficinalis、バジル、オレガノ、黒コショウ、ラベンダー、真シナモン、マラバトルム、cananga odorata、copaifera spp.、およびホップが含まれるが、これらに限定されない様々な供給源から誘導することができる。
【0067】
カプセル化されたカンナビノイドは、カプセル当たり少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビノイドは、カプセル当たり最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビノイドは、カプセル当たり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビノイドは、カプセル当たり約1~約10マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビノイドは、カプセルの少なくとも約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビノイドは、カプセルの最大で約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビノイドは、カプセルの約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%または50重量%の量で含まれ得る。
【0068】
カンナビノイドは、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に配合され得る。カンナビノイドは、最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に配合され得る。カンナビノイドは、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に配合され得る。カンナビノイドは、約50~約150ミリグラムの量で製品、例えば、食品中に配合され得る。カンナビノイドは、製品の少なくとも約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に配合され得る。カンナビノイドは、製品の最大で約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に配合され得る。カンナビノイドは、製品の約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に配合され得る。
【0069】
本明細書に開示される本願方法において利用されるカプセル化されたカンナビノイド化合物のカンナビノイドは、カンナビジオール(CBD)、カンナビジオール酸(CBDA)、カンナビジオールモノメチルエーテル(CBDM)、カンナビジオール-C(CBD-C)、カンナビジバリン(CBDV)、カンナビジバリン酸(CBDVA)、カンナビジオルコール(CBD-C)、およびこれらの組合せを含むがこれらに限定されないカンナビジオールのクラスの化合物を含むことができる。CBDは、デルタ-1-カンナビジオール、デルタ-2-カンナビジオール、デルタ-3-カンナビジオール、デルタ-3,7-カンナビジオール、デルタ-4-カンナビジオール、デルタ-5-カンナビジオール、デルタ-6-カンナビジオール、およびこれらの組合せを含むことができる。
【0070】
カプセル化されたカンナビジオール化合物は、カプセル当たり少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビジオール化合物は、カプセル当たり最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビジオール化合物は、カプセル当たり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビジオール化合物は、カプセル当たり約1~約10マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビジオール化合物は、カプセルの少なくとも約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビジオール化合物は、カプセルの最大で約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。カプセル化されたカンナビジオール化合物は、カプセルの約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。
【0071】
カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物は水溶性であり得る。カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物は、大気の重力が海抜よりも低い場合でさえ、水溶性であり得る。カプセル化されたカンナビノイド化合物は、約6℃~約55℃の範囲の温度で可溶性であり得る。カプセル化されたカンナビノイド化合物は、約1気圧~約5気圧の範囲の圧力で可溶性であり得る。カプセル化されたカンナビノイド化合物は、周囲条件下で可溶性であり得る。周囲条件は、約15℃~約30℃および約1気圧~約3気圧であり得る。例えば、約2.5ミリグラムの組成物は、25ミリリットルの水に可溶性であり得る。
【0072】
カンナビジオール化合物は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。カンナビジオール化合物は、最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。カンナビジオール化合物は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。カンナビジオール化合物は、約50~約150ミリグラムの量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。カンナビジオール化合物は、製品の少なくとも約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。カンナビジオール化合物は、製品の最大で約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。カンナビジオール化合物は、製品の約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。
【0073】
本開示の組成物および方法は、あるタイプのカンナビノイドとしてテトラヒドロカンナビノール(THC)を含むことができる。THCは、デルタ-9-THC、デルタ-8-THC、およびこれらの組合せを含むことができる。THCは、デルタ-6a,7-テトラヒドロカンナビノール、デルタ-7-テトラヒドロカンナビノール、デルタ-8-テトラヒドロカンナビノール、デルタ-9,11-テトラヒドロカンナビノール、デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール、デルタ-10-テトラヒドロカンナビノール、デルタ-6a,10a-テトラヒドロカンナビノール、およびこれらの組合せを含むことができる。デルタ-9-テトラヒドロカンナビノールは、(6aR,10aR)-デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール、(6aS,10aR)-デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール、(6aS,10aS)-デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール、(6aR,10aS)-デルタ-9-テトラヒドロカンナビノール、およびこれらの組合せを含めた立体異性体を含むことができる。
【0074】
一部の実施形態において、カプセルは、THCを含み得る。THC化合物は、カプセル当たり少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたTHC化合物は、カプセル当たり最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたTHC化合物は、カプセル当たり約1~約10マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたTHC化合物は、カプセル当たり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたTHC化合物は、カプセルの少なくとも約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。カプセル化されたTHC化合物は、カプセルの最大で約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。カプセル化されたTHC化合物は、カプセルの約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。
【0075】
THC化合物は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。THC化合物は、最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。THC化合物は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。THC化合物は、約50~約150ミリグラムの量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。THC化合物は、製品の少なくとも約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。THC化合物は、製品の最大で約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。THC化合物は、製品の約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。
【0076】
ある場合には、本開示の組成物は、精神賦活性量のTHCを含有しない。例えば、本開示の組成物におけるカンナビノイドは、カンナビノイド化合物の総量に対して100%、90%、80%、70%、60%、50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%、0.7%、0.5%、0.3%、または0.1%未満のTHCを含み得る。ある場合には、本開示の組成物中の非THCカンナビノイド(例えば、カンナビジオール)とTHCとの比は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、11:1、12:1、13:1、14:1、15:1、16:1、17:1、18:1、19:1、20:1、25:1、30:1、35:1、40:1、45:1、50:1、または100:1よりも大きいかまたはそれらに等しい。ある場合には、本開示の組成物は、0.3%未満のTHCを含有する。
【0077】
いくつかの実施形態では、本開示の組成物は抗酸化剤を含み得る。抗酸化剤は、反応種による酸化を阻害し得る。抗酸化剤は、酸化連鎖反応の開始または伝播を阻害することによって、他の分子の酸化を阻害または遅延させる化合物を指す場合がある。抗酸化剤は、酸化ストレスを引き起こす可能性がある活性酸素種を中和する化合物であり得る。抗酸化剤は、酸素捕捉剤またはキレート剤として作用する化合物であり得る。抗酸化剤は、それ自身の電子の1つを提供することによって、フリーラジカルを中和し得る。抗酸化剤は、酵素的または非酵素的分子であり得る。酵素的抗酸化剤には、活性酸素種などの酸化毒性中間体を代謝する酵素が含まれる。酵素分子には、スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼ、グルタチオンレダクターゼ、カタラーゼおよびアスコルビン酸オキシダーゼなどの酵素が含まれる。非酵素的分子には、グルタチオン、ビタミンC、尿酸、アルブミン、ビリルビン、ビタミンE(α-トコフェロール)、カロテノイド(例えば、β-カロテン)、およびフラボノイドが含まれ得る。
【0078】
本開示の組成物は、モノテルペノイド、セスキテルペノイド、ジテルペノイド、およびトリテルペノイドなどのテルペノイドを含むがこれらに限定されない1種または複数のテルペン化合物を含むことができる。テルペンは、非環式、単環式、または多環式とすることができる。テルペンには、ミルセン、リモネン、リナロール、trans-オシメン、cis-オシメン、アルファ-ピネン、ベータ-ピネン、アルファ-フムレン(アルファ-カリオフィレン)、ベータ-カリオフィレン、デルタ-3-カレン、trans-ガンマ-ビサボレン、cis-ガンマ-ビサボレン、trans-アルファ-ファルネセン、cis-ベータ-ファルネセン、ベータ-フェンコール、ベータ-フェランドレン、グアヨール、アルファ-グアレン、アルファ-オイデスモール、ベータ-オイデスモール、ガンマ-オイデスモール、テルピノレン、アルファ-セリネン、ベータ-セリネン、アルファ-テルピネオール、フェンコン、カンフェン、cis-サビネン水和物、アルファ-trans-ベルガモテン、アルファ-cis-ベルガモテン、ボルネオール、ガンマ-クルクメン、アルファ-ツジェン、エピ-アルファ-ビサボロール、イプスジエノール、アルファ-イルアンゲン、ベータ-エレメン、ガンマ-ムウロレン、アルファ-カジネン、アルファ-ロンギピネン、カリオフィレンオキシド、およびこれらの組合せを含めることができるが、これらに限定されない。
【0079】
カプセル化されたテルペンは、少なくともマイクロカプセル当たり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたテルペンは、カプセル当たり最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたテルペンは、カプセル当たり約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、または50マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたテルペン化合物は、カプセル当たり約1~約10マイクログラムの量で含まれ得る。カプセル化されたテルペンは、カプセルの少なくとも約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。カプセル化されたテルペンは、カプセルの最大で約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。カプセル化されたテルペンは、カプセルの約0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で含まれ得る。
【0080】
テルペン化合物は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。テルペン化合物は、最大で約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。テルペン化合物は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、100、150、200、250、300、350、400、450、または500ミリグラム(mg)の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。テルペン化合物は、約50~約150ミリグラムの量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。テルペン化合物は、製品の少なくとも約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。テルペン化合物は、製品の最大で約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。テルペン化合物は、製品の約0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%、0.1重量%、0.2重量%、0.3重量%、0.4重量%、0.5重量%、0.6重量%、0.7重量%、0.8重量%、0.9重量%、1重量%、2重量%、3重量%、4重量%、5重量%、6重量%、7重量%、8重量%、9重量%、10重量%、11重量%、12重量%、13重量%、14重量%、15重量%、16重量%、17重量%、18重量%、19重量%、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%、45重量%、または50重量%の量で製品、例えば、食品中に含まれ得る。
【0081】
本開示の組成物は、アサ油と比較して、カンナビノイドが富化され得る。例えば、組成物は、アサ油と、抽出物(例えば、アサ抽出物)および精油などの植物源からのカンナビノイドとを含むことができる。組成物は、アサ油と比較して約0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%または1000%高い濃度のカンナビノイドを含み得る。
【0082】
本開示の組成物は、アサ油と比較して、カンナビジオール化合物が富化され得る。例えば、組成物は、アサ油と、抽出物(例えば、アサ抽出物)および精油などの植物源からのカンナビジオール化合物とを含むことができる。組成物は、アサ油と比較して約0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%または1000%高い濃度のカンナビジオール化合物を含み得る。
【0083】
本開示の組成物は、アサ油と比較して、THC化合物が富化され得る。例えば、組成物は、アサ油と、抽出物(例えば、アサ抽出物)および精油などの植物源からのTHC化合物とを含むことができる。組成物は、アサ油と比較して約0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%または1000%高い濃度のTHC化合物を含み得る。
【0084】
本開示の組成物は、アサ油と比較して、テルペンが富化され得る。例えば、組成物は、アサ油と、抽出物(例えば、アサ抽出物)および精油などの植物源からのテルペンとを含むことができる。組成物は、アサ油と比較して約0%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%、200%、300%、400%、500%、600%、700%、800%、900%または1000%高い濃度のテルペンを含み得る。
【0085】
本開示の組成物に含まれるカプセル化されたカンナビノイド化合物は、様々な供給源から派生することができる。化合物源は、植物抽出物または精油などの、天然物であり得る。本開示の組成物中の化合物は、カンナビノイド化合物、THC化合物、およびテルペン化合物を含むアサ油から派生することができる。本開示の組成物中の化合物は、本開示でさらに論じられる精油を含むがこれに限定されない精油から派生することができる。これらの化合物は、カンナビノイド化合物およびテルペン化合物を含むことができる。ある場合には、組成物中の全ての化合物または成分は、天然であるかまたは天然由来である。ある場合には、組成物中の全ての化合物または成分は、ベジタリアン(vegetarian)である。ある場合には、組成物中の全ての化合物または成分は、ビーガン(vegan)である。
【0086】
本開示の組成物中のテルペンおよび/または精油は、特定の状態または対象に利益をもたらすように選択することができる。テルペンおよび/または精油は、互いに組み合わせて、ならびにカンナビノイドと組み合わせて用いられ、例えば、細胞の酸化ストレスを低減し、いくつかの場合には1つまたは複数の健康状態を寛解し得る。例えば、テルピノレン、テルピネオールおよびリナロールまたはラベンダー、バレリアンおよびジャスミン精油は、睡眠補助剤として作用するかまたは睡眠障害を治療するために、カンナビノイドまたはカンナビス抽出物と組み合わせることができる。
【0087】
アルファ-ピネンは、抗炎症剤、抗血管新生剤、抗潰瘍剤、および気管支拡張剤として使用することができる。
【0088】
リナロールは、不安を低減させ、炎症(例えば、肺の炎症)を低減させるため、アルツハイマー病またはその症状を改善するのに、鎮静剤、鎮痛剤、抗微生物剤、抗細菌剤、および抗てんかん剤として使用することができる。
【0089】
ミルセンは、抗細菌剤、神経保護剤、抗侵害受容剤、鎮痛剤として、ならびに神経因性疼痛、消化性潰瘍疾患、および炎症を軽減するのに使用することができる。濃度に応じて、ミルセンは、鎮静剤として(例えば、0.5%を超えるミルセン)またはエネルギーを与える効果を発揮させるのに(例えば、0.5%未満のミルセン)使用することができる。
【0090】
リモネンは、不安およびうつ病を低減させるのに、コレステロール含有胆石を溶解するのに、胃酸を中和し、正常な蠕動を支え、胸焼けおよび胃食道逆流を緩和するのに、免疫機能を改善するのに、ならびに癌に対する化学予防剤として使用することができる。
【0091】
オシメンは、抗真菌剤、抗腫瘍剤、および細胞毒性剤として使用することができる。
【0092】
テルピノレンは、抗酸化剤、気分調節、中枢神経系(CNS)調節、抗炎症、止しゃ、抗フィラリア、抗真菌、抗マラリア、抗アメーバ、抗細菌、細胞毒性、および抗癌効果のために使用することができる。
【0093】
テルピネオールは、対象をリラックスさせ、消化を助け、胃腸障害を改善し、ならびにインフルエンザ、気管支炎、咳、鼻閉、および副鼻腔炎を緩和するのに使用することができる。
【0094】
ベータ-カリオフィレンは、抗炎症剤、抗腫瘍剤、および鎮痛剤として使用することができる。
【0095】
ゲラニオールは、ニューロパチーを低減させまたは予防するのに、抗うつ剤として、血管新生を抑制するのに、抗癌剤の効力を改善するのに、癌細胞(例えば、肺癌)の増殖を抑制するのに、癌に対する化学予防剤として、炎症およびアポトーシス(例えば、肝細胞で)を低減させるのに、酸化ストレスを低減させるのに、抗酸化剤として、および抗微生物剤として使用することができる。
【0096】
アルファ-フムレンは、食欲抑制剤、抗炎症剤、防虫剤、抗細菌剤、抗酸化剤、およびアレロパシー物質として使用することができる。
【0097】
フェランドレンは、抗うつ剤および抗痛覚過敏剤として使用することができる。
【0098】
カレンは、抗酸化剤、抗増殖剤、抗微生物剤として、および涙、粘液、または汗などの過剰な体液生成を低減させるのに使用することができる。
【0099】
テルピネンは、抗酸化剤、抗炎症剤、抗微生物剤、抗増殖剤として、酸化ストレスを低減させるのに、および糖尿病を管理するのに使用することができる。
【0100】
フェンコールは、抗細菌剤、抗マイコバクテリウム剤、抗微生物剤、および抗酸化剤として使用することができる。
【0101】
ボルネオールは、痛覚過敏を軽減するのに、TRPA1阻害剤、抗炎症剤、および抗侵害受容剤として使用することができる。
【0102】
ビサボロールは、白血病でアポトーシスを誘発させるなどの抗癌剤、抗腫瘍剤(例えば、膵臓癌)、および抗遺伝毒性剤として使用することができる。
【0103】
フィトールは、GABAの分解を阻害することなどによって対象をリラックスさせるのに、不安寛解剤として、メナジオン誘発性酸化ストレスを抑えるのに、および抗微生物剤として使用することができる。
【0104】
カンフェンは、疼痛緩和のために、抗酸化剤として、癌細胞(例えば、メラノーマ)のアポトーシスを誘発させるのに、抗腫瘍剤、および抗細菌剤として使用することができる。
【0105】
サビネンは、抗酸化剤、抗微生物剤、抗癌剤(例えば、口腔、肝臓、肺、結腸、メラノーマ、および白血病性の癌)として、肝機能を助け、消化を助け、関節炎を緩和し、皮膚状態を緩和するのに使用することができる。
【0106】
カンファーは、皮膚の治癒(例えば、再構築されたヒトの上皮)を改善するのに、局所麻酔剤、筋弛緩剤、抗病原性剤、および抗微生物剤として使用することができる。
【0107】
イソボルネオールは、抗酸化剤、細胞毒性剤、DNA保護剤として、単純ヘルペスウイルス1型を阻害するのに、およびHIVを阻害するのに使用することができる。
【0108】
メントールは、鎮痛剤として、α3β4ニコチン性アセチルコリン受容体を脱感作するのに、抗侵害受容剤として、および抗炎症剤として使用することができる。
【0109】
ネロリドールは、抗真菌剤、抗微生物剤、抗酸化剤、および抗マラリア剤として使用することができる。
【0110】
グアイオールは、抗微生物剤、抗真菌剤、および抗生剤として使用することができる。
【0111】
イソプレゴールは、胃保護剤、抗炎症剤として、化合物の経皮投与に対する浸透性を高めるのに、および発作の重症度を低減させるのに使用することができる。
【0112】
酢酸ゲラニルは、抗微生物剤、抗細菌剤、および抗酸化剤として使用することができる。
【0113】
シメンは、抗炎症剤、抗痛覚過敏剤、抗酸化剤、抗糖尿病剤として、減量を助けるのに、免疫障害を助けるのに、および急性肺損傷を予防するのに使用することができる。
【0114】
ユーカリプトールは、抗真菌剤として、炎症(例えば、肺の炎症)を軽減するのに、抗酸化剤、および抗癌剤として使用することができる。
【0115】
プレゴンは、皮膚の浸透性を高めるのに、殺虫剤、および抗酸化剤として使用することができる。
【0116】
本開示の組成物は、1種または複数の精油または精油化合物を含見える。精油として、これらに限定されないが、リナロール;B-カリオフィレン;B-ミルセン;D-リモネン;フムレン;a-ピネン;イランイラン(Cananga odorata);セイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium);スミレ(Viola odorata);ベチバー(Vetiveria zizanoides);バニラ(Vanilla plantifolia);チューベローズ(Polianthes tuberosa);タイム(Thymus vulgaris L.);ティーツリー(Melaleuca alternifolia);タンジェリン(Citrus reticulata);クロトウヒ(Picea mariana);トウヒ(Tsuga Canadensis);カンショウコウ(Nardostachys jatamansi);スペアミント(Mentha spicata);ビャクダン(Santalum spicatum);シタン(Aniba rosaeodora);ローズマリーベルベノン(Rosmarinus officinalis);ローズマリー(Rosmarinus officinalis);バラ(Rosa damascena);テンジクアオイ(Pelargonium roseum);ラベンサラ(Ravensara aromatica);プライ(Zingiber cassumunar) マツバ(Pinus sylvestris L.) プチグレン(Citrus aurantium);ペパーミント(Mentha piperita);クロコショウ(Piper nigrum L.);パチョリ(Pogostemon cablin);パロサント(Bursera graveolens);パルマローザ(Cymbopogon martini);モクセイ(Osmanthus fragrans);オレガノ(Origanum vulgare);スイートオレンジ(Citrus sinensis);オークモス(Evernia prunastri);ナツメグ(Myristica fragrans) ニアウリ(Melaleuca viridifloria);ネロリ(別名オレンジブロッサム)(Citrus aurantium);マートル(Myrtus communis);ミルラ(Commiphora myrrha);ミモザ(Acacia decurrens);メリッサ(Melissa officinalis L.);スイートマジョラム(Origanum majorana);マヌカ(Leptospermum scoparium);レッドマンダリン(Citrus deliciosa);マンダリン(Citrus deliciosa);ホワイトロータス(Nelumbo nucifera);ピンクロータス(Nelumbo nucifera);ブルーロータス(Nelumbo nucifera);ライム(Citrus aurantifolia);ユリ(Lilum aurantum);レモングラス(Cymbopogon citratus);レモン(Citrus limonum);ラベンダー(Lavandula angustifolium);ラバンジン(Lavandula hybrida grosso);カヌカ(Kunzea ericoides);ジュニパーベリー(Juniperus cummunis);ジャスミン(Jasminum officinale);ジャスミンAbs(Jasminum sambac);ムギワラギク(Helichrysum italicum);ホワイトグレープフルーツ(Citrus x paradisi);ピンクグレープフルーツ(Citrus paradisi);ショウガ(Zingiber officinalis);ゼラニウム(Pelargonium graveolens);ブルボンゼラニウム(Pelargonium graveolens,’Herit);クチナシ(Gardenia jasminoides);ガルバナム(Ferula galbaniflua);フランキンセンス(Boswellia carterii);フランジパニ(Plumeria alba);ファーニードルホワイト(Abies alba);ファーニードルシベリア(Abies siberica);ファーニードルカナダ(Abies balsamea);スイートフェンネル(Foeniculum vulgare);Eucalyptus Smithii、Eucalyptus Radiata、Eucalyptus Globulus、Eucalyptus Citriodora、Eucalyptus Blue Mallee(Eucalyptus polybractea);エレミ(Canarium luzonicum);ディル(Anethum graveolens);ヒノキ(Cupressus sempervirens);クミン(Cuminum cyminum);コリアンダー(Coriandum sativum);ココア(Theobroma cacao);クローブ(Eugenia caryophylatta);クラリーセージ(Salvia sclarea);シスタス(別名Labdanum)(Cistus ladaniferus L.);シナモン(Cinnamomum zeylanicum);ローマンカモミール(Anthemis nobilis);ブルーカモミール(Matricaria chamomilla);セロリの種子(Apium graveolins);ベイスギ(Thuja plicata);シダーウッド、ブラッド(Juniperus virginiana);シダーウッドアトラス(Cedrus atlantica);ニンジンの種子(Daucus carota);カルダモン(Elettaria cardamomum);キャラウェイの種子(Carum carvi);カヤプト(Melaleuca cajuputi);カデ(Juniperus oxycedrus);アメリカシラカバ(Betula alba);アメリカミズメ(Betula lenta);ベルガモット(Citrus bergamia);ゲッケイジュ(Laurus nobilis);バジル(Ocimum basilicum);カミメボウキ(Ocimum sanctum);バジル(Ocimum basilicum);バルサムポプラ(Populus balsamifera);バルサムペルー(Myroxylon balsamum);アンゼリカ(Angelica archangelica L.);およびこれらの組合せが挙げられる。
【0117】
本開示の組成物は、マッシュルームまたはマッシュルーム派生生成物(例えば、霊芝、カバノアナタケ、マイタケ、ヒラタケ、トウチュウカソウ)、マカ(Lepidium meyenii)、ツルドクダミ(he show wuまたはshou wu chihとも呼ぶ)、スーパーフードまたはスーパーフード誘導生成物(例えば、ブルーベリ、アサイーベリー、インカベリー、ゴジベリー、カムカム、ココナツ、ルクマ、ケール、カカオ(例えば、カカオパウダー、カカオバター)、サチャインチ、チア、アマ、アサ、アマランス、キノア、moringa oleifera)、およびこれらの組合せを含むがこれらに限定されない1種または複数の追加の成分を含むことができる。
【0118】
本開示の組成物に使用される化合物は、様々な方法によって抽出することができる。例えば、抽出は、浸軟、注入、煎出、浸出、ソックスレー抽出、加圧溶媒抽出、向流抽出、超音波処理、または超臨界流体(例えば、二酸化炭素)抽出によって行うことができる。
【0119】
ある場合には、本開示の組成物で使用される化合物は、超臨界流体(例えば、二酸化炭素)抽出を介して抽出される。例えば、カンナビノイド化合物は、超臨界二酸化炭素抽出を使用して、アサ(例えば、アサの柄およびアサの茎)から抽出することができる。
【0120】
本開示の組成物は、プレグネノロンを、その誘導体も含めて含むことができる。プレグネノロンは、カンナビス中毒、例えばTHCから対象を保護するのを助けることができる。プレグネノロンまたはその誘導体は、水溶性であるように処方することができる。本開示の組成物は、約1から50ミリグラム(mg)の間のプレグネノロンまたはその誘導体を含むことができる。例えば、本開示の単位投薬量は、約1から50ミリグラム(mg)の間のプレグネノロンを含むことができる。本開示の組成物(例えば、単位投薬量)は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、または50mgのプレグネノロンを含むことができる。本開示の組成物(例えば、単位投薬量)は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、または50mgのプレグネノロンを含むことができる。本開示の組成物(例えば、単位投薬量)は、最大で約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、または50mgのプレグネノロンを含むことができる。プレグネノロンを含む組成物は、エステル、シクロデキストリン錯体、カプセル(例えば、アルギン酸ナトリウムカプセル)、即時放出性製剤、遅延または延長放出性剤、経頬製剤、および舌下製剤を含めた、本明細書に記述される任意のその他の化合物、成分、または製剤と組み合わせて使用することができる。
【0121】
本開示の組成物は、カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む。カプセルは、カンナビノイド化合物などの、本開示で論じられる構成成分を含むことができる。いくつかの実施形態では、テルペン化合物、カンナビジオール、THC、および/または他のものを含む組成物もまたカプセル化され得る。ある場合には、組成物は、リポソームを使用せずにカプセル化することができる。ある場合には、組成物は、ミセルを使用せずにカプセル化することができる。ある場合には、組成物は、リポソームまたはミセルを使用せずにカプセル化することができる。組成物の化合物は、液体、ゲル、半固体、および固体を含むがこれらに限定されない形で存在し、カプセル化することができる。本明細書に開示されるカプセル化された組成物は、固体、粉末、液体、懸濁液、ゲル、錠剤、食品、ローション、化粧品、および本開示で論じられる他の形を含むがこれらに限定されない形に、さらに加工することができる。
【0122】
カプセル化は、マイクロ流体液滴発生またはカプセル化デバイスを含めたカプセル化デバイスで行うことができる。例示的なマイクロカプセル化デバイスは、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第7,482,152号に記載されている。マイクロ流体液滴またはエマルジョンは、不混和性キャリア流体を用いてカプセル化される流体の流れによって、発生させることができる。例えば、カプセル化される油の流体を、水性キャリア流体と共に流すことができ、またはカプセル化される水性流体を、油のキャリア流体と共に流すことができる。空気を流体として使用することもできる。マイクロカプセル化に有用なマイクロ流体液滴発生機は、並行流、交差流(例えば、T接合部での流れ)、流れの集束、穿孔板を通る流れ、およびノズルを通る流れを用いるものを含む。液滴サイズは、デバイスの幾何形状、流体の流れの相対流量、および動作圧力を含めたパラメーターによって、制御することができる。
【0123】
カプセル化されたカンナビノイド組成物を含む、カプセル化された組成物の例は、参照により本明細書に完全に組み込まれるWO2016/094810号に提供されている。
【0124】
カプセル化は、異なる流量または圧力など、所定範囲の動作パラメーターで行うことができる。カプセル化は、少なくとも約10ポンド/平方インチ(psi)、20psi、30psi、40psi、50psi、60psi、70psi、80psi、90psi、100psi、200psi、300psi、400psi、500psi、600psi、700psi、800psi、900psi、1000psi、2000psi、3000psi、4000psi、5000psi、6000psi、7000psi、8000psi、9000psi、10000psi、15000psi、20000psi、25000psi、30000psi、35000psi、40000psi、45000psi、50000psiまたはそれ超の圧力で行うことができる。カプセル化は、最大で約10ポンド/平方インチ(psi)、20psi、30psi、40psi、50psi、60psi、70psi、80psi、90psi、100psi、200psi、300psi、400psi、500psi、600psi、700psi、800psi、900psi、1000psi、2000psi、3000psi、4000psi、5000psi、6000psi、7000psi、8000psi、9000psi、10000psi、15000psi、20000psi、25000psi、30000psi、35000psi、40000psi、45000psi、または50000psiの圧力で行うことができる。マイクロカプセル化は、約10ポンド/平方インチ(psi)、20psi、30psi、40psi、50psi、60psi、70psi、80psi、90psi、100psi、200psi、300psi、400psi、500psi、600psi、700psi、800psi、900psi、1000psi、2000psi、3000psi、4000psi、5000psi、6000psi、7000psi、8000psi、9000psi、10000psi、15000psi、20000psi、25000psi、30000psi、35000psi、40000psi、45000psi、50000psiまたはそれ超の圧力で行うことができる。カプセル化は、少なくとも約1ミリリットル/分(mL/min)、2mL/min、3mL/min、4mL/min、5mL/min、6mL/min、7mL/min、8mL/min、9mL/min、10mL/min、20mL/min、30mL/min、40mL/min、50mL/min、60mL/min、70mL/min、80mL/min、90mL/min、100mL/min、110mL/min、120mL/min、130mL/min、140mL/min、150mL/min、160mL/min、170mL/min、180mL/min、190mL/min、200mL/min、210mL/min、220mL/min、230mL/min、240mL/min、250mL/min、260mL/min、270mL/min、280mL/min、290mL/min、300mL/min、310mL/min、320mL/min、330mL/min、340mL/min、350mL/min、360mL/min、370mL/min、380mL/min、390mL/min、400mL/min、410mL/min、420mL/min、430mL/min、440mL/min、450mL/min、460mL/min、470mL/min、480mL/min、490mL/min、500mL/minまたはそれ超の流速で行うことができる。カプセル化は、最大で約1ミリリットル/分(mL/min)、2mL/min、3mL/min、4mL/min、5mL/min、6mL/min、7mL/min、8mL/min、9mL/min、10mL/min、20mL/min、30mL/min、40mL/min、50mL/min、60mL/min、70mL/min、80mL/min、90mL/min、100mL/min、110mL/min、120mL/min、130mL/min、140mL/min、150mL/min、160mL/min、170mL/min、180mL/min、190mL/min、200mL/min、210mL/min、220mL/min、230mL/min、240mL/min、250mL/min、260mL/min、270mL/min、280mL/min、290mL/min、300mL/min、310mL/min、320mL/min、330mL/min、340mL/min、350mL/min、360mL/min、370mL/min、380mL/min、390mL/min、400mL/min、410mL/min、420mL/min、430mL/min、440mL/min、450mL/min、460mL/min、470mL/min、480mL/min、490mL/min、または500mL/minの流速で行うことができる。カプセル化は、約1ミリリットル/分(mL/min)、2mL/min、3mL/min、4mL/min、5mL/min、6mL/min、7mL/min、8mL/min、9mL/min、10mL/min、20mL/min、30mL/min、40mL/min、50mL/min、60mL/min、70mL/min、80mL/min、90mL/min、100mL/min、110mL/min、120mL/min、130mL/min、140mL/min、150mL/min、160mL/min、170mL/min、180mL/min、190mL/min、200mL/min、210mL/min、220mL/min、230mL/min、240mL/min、250mL/min、260mL/min、270mL/min、280mL/min、290mL/min、300mL/min、310mL/min、320mL/min、330mL/min、340mL/min、350mL/min、360mL/min、370mL/min、380mL/min、390mL/min、400mL/min、410mL/min、420mL/min、430mL/min、440mL/min、450mL/min、460mL/min、470mL/min、480mL/min、490mL/min、500mL/min、またはそれ超の流速で行うことができる。
【0125】
液滴発生機は、多数の並行液滴発生動作を、並行して用いることができる。例えば、液滴発生機(例えば、プレート、チャネルを備えたデバイス)は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、またはそれ超の液滴発生特徴(例えば、穴、チャネル、ノズル)を用いることができる。液滴発生機は、最大で1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100の液滴発生特徴を用いることができる。液滴発生機は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100またはそれ超の液滴発生特徴を用いることができる。
【0126】
カプセル化は、乳化プロセスを介して行うことができる。例えば、組成物は、撹拌機、インペラー、遠心分離混合機、または高剪断混合機などの混合機内で乳化することができる。高剪断混合機は、バッチ式高剪断混合機およびインライン式高剪断混合機(例えば、ローターステーター式混合機)を含むことができる。乳化は、任意選択で1種または複数の乳化剤または界面活性剤の助けを借りて、エマルジョンを形成するのに熱力学的に好まれる流体を組み合わせることにより、混合機なしで実行することもできる。
【0127】
カプセル化プロセスは、1種または複数の乳化剤または界面活性剤の助けを借りて実行することができる。乳化剤および界面活性剤は、サポニン(例えば、Q-NATURALE(登録商標)などのキラヤの木の抽出物、ユッカ抽出物)、レシチン、大豆レシチン、カラシ種子殻抽出物、ステアロイル乳酸ナトリウム、ポリソルベート20、およびこれらの組合せを含むことができるがこれらに限定されない。
【0128】
カプセル化されたカンナビノイド化合物は、カプセルまたはエマルジョンを安定化させるのに使用することができる、1種または複数の安定化剤またはゲル化剤を含むことができる。安定化剤またはゲル化剤は、アルギネート(アルギンまたはアルギン酸でもある)および寒天を含むことができるが、これらに限定されない。アルギネートは、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸カリウム、アルギン酸カルシウム、およびこれらの組合せなどの無機塩を含むがこれらに限定されない、様々な形で使用することができる。アルギネートは、海藻(例えば、Macrocystis pyrifera、Ascophyllum nodosum、Laminaria spp.)または細菌(例えば、Pseudomonas spp.、Azotobacter spp.)などの供給源から派生することができる。架橋剤または溶液、例えば塩化カルシウムは、カプセルを安定化させまたはゲル化するのに使用することができる。
【0129】
カプセル化されたカンナビノイド化合物は、サイズ(例えば、直径)によって特徴付けることができる。カプセル(例えば、液滴)のサイズは、約0.154マイクロメートルにすることができる。カプセルのサイズは、約0.154マイクロメートル未満またはそれに等しくすることができる。カプセルのサイズは、約0.154マイクロメートルより大きくまたはそれに等しくすることができる。カプセルのサイズは、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、または500マイクロメートルあり得る。カプセルのサイズは、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、もしくは500マイクロメートル未満であるか、またはそれに等しくてよい。カプセルのサイズは、約0.001、0.002、0.003、0.004、0.005、0.006、0.007、0.008、0.009、0.01、0.02、0.03、0.04、0.05、0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、9.5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、150、200、250、300、350、400、450、もしくは500マイクロメートルよりも大きくてもよく、またはそれに等しくてよい。カプセルのサイズは、約0.1~約0.2マイクロメートルであり得る。カプセルのサイズは、約0.05~約0.25マイクロメートルあり得る。カプセルのサイズは、約0.05~約0.55マイクロメートルあり得る。カプセルのサイズは、約0.05~約1マイクロメートルあり得る。カプセルの集団におけるサイズ分布は、均質にまたは実質的に均質であり得る。例えば、カプセルの集団は、約20、19、18、17、16、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4.9、4.8、4.7、4.6、4.5、4.4、4.3、4.2、4.1、4.0、3.9、3.8、3.7、3.6、3.5、3.4、3.3、3.2、3.1、3.0、2.9、2.8、2.7、2.6、2.5、2.4、2.3、2.2、2.1、2.0、1.9、1.8、1.7、1.6、1.5、1.45、1.40、1.35、1.30、1.25、1.20、1.15、1.14、1.13、1.12、1.11、1.10、1.09、1.08、1.07、1.06、1.05、1.04、1.03、1.02、1.01、または1.00未満またはそれに等しい分散度または多分散指数(PDI)で特徴付けられ得る。
【0130】
有効量のカプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物を対象に投与する。「有効量」または「治療有効量」という用語は、幹細胞の機能の増強および/または対象における疾患治療を含むがこれらに限定されない、意図された適用を達成するのに十分な本明細書に記載されるカプセル化されたカンナビノイド化合物の量を指す。治療有効量は、治療される対象および状態、例えば、対象の体重および年齢、疾患状態の重症度、投与方法などに応じて変更し得、これは、当業者によって容易に決定することができる。この用語はまた、標的細胞において特定の応答、例えば、幹細胞マーカーの発現の変化を誘発する用量にも適用する。具体的な用量は、カプセル化されたカンナビノイド化合物の特定の製剤、従うべき投与レジメン、他の化合物と組み合わせて投与されるかどうか、投与のタイミング、投与される組織、投与経路およびそれが運搬される身体の送達システムに応じて変更する。
【0131】
対象の組成物のいずれかを、単位剤形として提供することができる。単位投薬量は、1つの時点でまたはほぼ1つの時点で対象に投与される、単独でまたはその他の構成成分と組み合わせて送達されるカンナビノイド化合物などの化合物の量である。単位投薬量と共に含めることができるその他の成分には、化粧品、食品キャリア、食品バー、ベーク商品、乳製品、油、飲料、固体投薬(例えば、錠剤)、または液体投薬が含まれるが、これらに限定されない。カンナビノイド化合物の単位投薬量は、約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000またはそれ超のミリグラム(mg)であり得る。カンナビノイド化合物の単位投薬量は、少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000またはそれ超のミリグラム(mg)であり得る。カンナビノイド化合物の単位投薬量は、最大で約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000またはそれ超のミリグラム(mg)であり得る。単位投薬量は、1時間当たりの投薬量であることができる。単位投薬量は、1日の投薬量であることができる。単位投薬量は、対象に関する1種または複数のカンナビノイドの1日投薬量の約1/24、1/12、1/8、1/6、1/4、1/3、1/2、または全てを提供することができる。単位投薬量は、錠剤、ゲル、液体、食品、食品バー、定められた体積の液体の容器、または本明細書に記述されるその他の形であって、1回消費または投与のためにパッケージ化された形態であることができる。
【0132】
投与される本発明の方法の組成物の量は、治療される対象、障害または状態の重症度、投与速度、組成物およびカプセル化されたカンナビノイド化合物の性質に依存し得る。投与される組成物の量は、投与される幹細胞のタイプおよび量にも依存し得る。有効投薬量は、1日体重1kgあたり約0.1mg~約2000mgの範囲である。例えば、70kgのヒトの場合、これは約7mg/日~約1.75g/日に達し得る。いくつかの例では、上記範囲の下限を下回る投薬量レベルでは十分すぎるかもしれないが、一方、他の場合では、さらに大きな用量は、例えば、一日を通して、投与のためにこのようなより大きな用量をいくつかの小さな用量に分割することによって、いずれの有害な副作用を引き起こすことなしに用いられ得る。投薬量は、数時間、数日、数週間、または数ヶ月の期間にわたって投与され得る。カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物は、幹細胞の機能の増強をもたらすためにいくつかの方法のうちのいずれかで対象に投与することができる。組成物は、例えば、経口的または経皮的に投与することができる。他の送達経路としては、限定されないが、鼻腔内、舌下、経粘膜、または皮内が挙げられる。組成物の有効量は、必要に応じて、従来の非毒性の生理学的に許容される担体、アジュバント、およびビヒクルを含有する投薬単位製剤中にあり得る。
【0133】
経口投与は、経口剤形を使用して達成され得る。経口剤形は、固体(例えば、錠剤もしくはバルク粉末)または液体(例えば、懸濁液もしくはスラリー)であり得る。錠剤は、錠剤、カプレット、ソフトゼラチンカプセルを含めたカプセル、およびロゼンジを包含することができる。錠剤は、適切な結合剤、潤滑剤、希釈剤、崩壊剤、着色剤、着香剤、流動誘起剤、および融解剤をさらに含むことができる。
【0134】
経口投与用に処方された、カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物は、食品組成物に組み込むことができる。食品組成物は、飲料、固形食品、または半固形食品であり得る。食品組成物は、カプセル化されたカンナビノイド化合物および食品キャリアを含み得る。食品キャリアは、事実上、任意の食品であり得る。食品担体の例としては、限定されないが、食品バー(グラノーラバー、タンパク質バー、キャンディバーなど)、シリアル製品(オートミール、朝食用シリアル、グラノーラなど)、ベーカリー製品(パン、ドーナツ、クラッカー、ベーグル、ペストリー、ケーキなど)、飲料(牛乳ベースの飲料、スポーツ飲料、フルーツジュース、アルコール飲料、ミネラルウォーター)、パスタ、穀物(コメ、トウモロコシ、オート麦、ライ麦、小麦、小麦粉など)、卵製品、スナック(キャンディ、チップス、ガム、チョコレートなど)、肉、果物、および野菜が挙げられる。
【0135】
カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物は、例えばパッチを介して、経皮的に投与することができる。本開示の組成物を静脈内に投与することができる。本開示の組成物を局所的に投与することができる。本開示の組成物は、対象をフロートタンクに浸すことなどの、水溶液への局所曝露によって投与することができる。本開示の組成物は、例えば、対象の浸漬によって、皮膚曝露のために水(例えば浴槽)に溶解または分散させることができるバスソルトまたは液体バス生成物として処方することができる。局所または経皮適用のためのカプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物は、化粧品またはパーソナルケア製品、例えば石鹸(例えば、固形、バー、液体、またはフォーム)、ハンドサニタイザー、ローション、マッサージオイルマスク、メーキャップ、保湿剤、日焼け止め、練り歯磨き、マウスウォッシュ、またはのどスプレーとして提供され得る。
【0136】
幹細胞の機能を増強するために、カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物は、様々な異なる機序を使用して投与することができる。組成物は、噴霧され、加圧パックから、または乾燥粉末吸入器からエアロゾル化されたエアロゾルスプレー調製物で送達され得る。噴霧器で使用することができる適切な噴射剤には、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタンおよび二酸化炭素が含まれる。投薬量は、加圧エアロゾルの場合には、調節された量の化合物を送達するためのバルブを設けることによって決定することができる。
【0137】
組成物は、幹細胞の機能を増強するために対象に様々な形で投与することができる。組成物は、乾燥粉末として投与することができる。例えば、油ベースの組成物(例えば、アサ油)を、シクロデキストリンなどの乾燥または粉末化剤と組み合わせることができる。ある場合には、粉末組成物を、それのみで提供することができる。その他の場合には、粉末組成物を、食品もしくは組成物、化粧品、またはその他の製品などの別の製品もしくは組成物、および本明細書に開示されるような組成物中に提供することができる。
【0138】
カプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物は、液体形態、ゲル形態、半液体(例えば、何らかの固体を含有する粘性液体などの液体)形態、半固体(何らかの液体を含有する固体)形態、または固体形態を含むがこれらに限定されない、任意の適切な形で投与することができる。組成物は、例えば、錠剤形態、カプセル形態、食品形態、咀嚼可能形態、非咀嚼可能形態、経頬形態、舌下形態、低速放出形態、非低速放出形態、持続放出形態、又は非持続放出形態で、提供することができる。
【0139】
吸入または吹送のためのカプセル化されたカンナビノイド化合物を含む組成物は、薬学的に許容される水性溶媒もしくは有機溶媒、またはそれらの混合物中の溶液および懸濁液、ならびに粉末を含む。液体または固体組成物は、上記のように適切な賦形剤を含有し得る。好ましくは、本発明の組成物は局所的または全身的の効果のために経口、鼻腔内または呼吸器経路により投与される。許容される溶媒中の組成物は、不活性ガスの使用によって噴霧され得る。噴霧された溶液は、噴霧デバイスから直接吸入され得、または噴霧デバイスは、フェイスマスク、テントまたは間欠的陽圧呼吸器に取り付けられ得る。溶液、懸濁液または粉末組成物は、適切な方法で製剤を送達するデバイスから経口的にまたは経鼻的に投与され得る。
【0140】
本開示の組成物は、能動的であろうと受動的であろうと、追加の1種または複数の薬剤を含むことができる。そのような薬剤の例には、甘味剤、着香剤、着色剤、充填剤、結合剤、潤滑剤、賦形剤、保存剤、または製造剤が含まれる。追加の、薬学的に許容される賦形剤(医薬の場合)またはその他の添加剤(医薬以外の適用例の場合)を、組成物に添加することができる。例えば、望む場合には、任意の一般に許容される可溶性または不溶性の不活性医薬充填剤(希釈剤)材料を、最終製品(例えば、固体剤形)に含めることができる。そのような不活性医薬充填剤は、単糖、二糖、多価アルコール、無機ホスフェート、スルフェート、またはカーボネート、およびこれらの組合せを含むことができる。適切な不活性医薬充填剤の例には、スクロース、デキストロース、ラクトース、キシリトール、フルクトース、ソルビトール、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、微結晶質セルロース、およびこれらの組合せが含まれる。カルシウムまたはマグネシウム石けんなど、任意の一般に許容される医薬潤滑剤の有効量を添加することができる。
【0141】
関連するが別々の態様では、本開示は、幹細胞の機能を増強するための有効量のカプセル化されたカンナビノイド、および食品キャリアを含む食品組成物を提供する。本明細書に開示されるカプセル化されたカンナビノイドを含む任意の種類、量、または形の組成物が、本明細書に開示される食品組成物を調製するために適用可能である。
【0142】
食品組成物または食品は、グラノーラバー、プロテインバー、キャンディバー、およびエネルギーバーを含むがこれらに限定されない、食品バーを含むことができる。食品組成物または食品は、オートミール、穀粉(例えば、小麦粉、米粉、トウモロコシ粉、大麦粉)、朝食用シリアル、グラノーラ、パン、パスタ、餅、およびポップコーンを含むがこれらに限定されない、穀物製品を含むことができる。食品組成物または食品は、パン、ペストリー、ブラウニー、ケーキ、パイ、ドーナツ、クラッカー、およびマフィンを含むがこれらに限定されない、ベーカリー製品を含むことができる。食品組成物または食品は、ミルク、発酵乳、カード、ホエー、ヨーグルト、クリーム、チーズ、バター、透明バター、ギー、およびアイスクリームを含むがこれらに限定されない乳製品を含むことができる。食品組成物または食品は、ピーナツバター、アーモンドバター、カシューバター、ヘーゼルナッツバター、マカダミアナッツバター、ペカンバター、ピスタチオバター、クルミバター、カボチャ種子バター、ゴマ種子バター、大豆バター、およびヒマワリ種子バターを含むがこれらに限定されない、ナッツバターまたはシードバターを含むことができる。食品組成物または食品は、オリーブ油、ココナツ油、野菜油、キャノーラ油、コーン油、ピーナツ油、ヒマワリ種子油、アーモンド油、アボカド油、コメヌカ油、綿実油、アマ油、アマニ油、ブドウ種子油、アサ油、カラシ油、マカダミア油、パーム油、茶油、クルミ油、マーガリン、ラード、バター、透明バター、ギー、またはタロウを含むがこれらに限定されない油(例えば、調理油)を含むことができる。食品組成物または食品は、エネルギーゲル、スポーツドリンク、エネルギーパウダー、エネルギーバー、エネルギーショット、プロテインパウダー、およびプロテインドリンク(例えば、プロテインシェイク)などの、スポーツ食品を含むことができる。食品組成物または食品は、水、電解質飲料、ソーダ、ココナツウォーター、茶(例えば、ジュンティー、紅茶、緑茶、白茶、ハーブティー)、コーヒー、ソフトドリンク、アルコール飲料(例えば、カクテル、リカー、スピリット、ビール、ワイン、モルト飲料)、水、ジュース(例えば、リンゴジュース、オレンジジュース、トマトジュース、野菜ジュース、クランベリージュース)、スポーツドリンク、電解質が豊富な水、ビタミンが豊富な水、二日酔いを醒ます飲料、ミルク(例えば、乳製品をベースにしたミルク、ココナツミルク、アーモンドミルク、豆乳、ヘンプミルク、ライスミルク、オートミルク、カシューミルク、ヘーゼルナッツミルク)、およびヨーグルトを含むがこれらに限定されない、飲料を含むことができる。食品組成物または食品は、キフィア(ケフィア)、ジュン、アマシ、甘酒、アッパ、アイラン、ドゥーグ、バゴーン、ブルム、チョングッチャン、チチャ、コンブチャ(kombucha)、腐乳、キムチ、ラッシー、味噌、ポイ、ヤクルト、およびヨーグルトを含むがこれらに限定されない、真菌または発酵食品または飲料を含むことができる。
【0143】
本開示の組成物は、動物用食品(例えば、ドッグフード、キャットフード)、トリーツ、および栄養補助食品(例えば、食品または水に適用する液体、スプレー、または粉末)など、ペットまたはその他の動物用製品を含むことができる。これらの組成物は、家庭用またはペット動物(例えば、犬、猫、小動物、鳥)、家畜およびその他の農業用動物(例えば、牛、豚、馬、羊、ヤギ)、動物園の動物、または任意のその他の脊椎動物のために処方しまたは投与することができる。動物に投与するための組成物は、カプセル化されたカンナビノイドに富む油またはカプセル化されていないカンナビノイドに富む油を、単独で、または精油、テルペン、および本明細書に記述されるその他の構成成分と組み合わせて、処方することができる。動物に投与するための組成物は、餌または水に混合することができ、スプレー施用のために(例えば、グリセリンに混合)、静脈内投与のために(例えば、注射器またはIVバッグに入れて)、軟膏、ビタミン、液体ビタミンポンプ、トリーツ、またはその他の形で、調製することができる。
【0144】
カプセル化されたカンナビノイドを含む食品組成物のパッケージは、いくつかの立体構造の形をとり得る。パッケージングは、単一のサービス用に構成され得る。パッケージは使い捨てであり得る。非限定的な例として、パッケージは、パウチ、缶、可撓性容器、または密封管であり得る。食品パッケージは、Mylar(登録商標)、Aclar(登録商標)、ポリエチレン、ホイル、およびアルミニウムを含む様々な材料のうちのいずれかで作製され得る。食品組成物は、蓋、食品調味料パウチ、またはフルパネル引き出し缶を有するレトルトパウチまたは可撓性ボウルにパッケージ化され得る。食品組成物パッケージは、フォーク、スプーン、ナイフ、または鋏などの用具を組み込んでもよい。パッケージは、消費を容易にするために一部が取り除かれるように構成され得る。例えば、パッケージは、再水和または再加熱中に、密封されたままであり得る;消費のために、パッケージの一部は取り除かれ得る。パッケージは、脱水食品組成物粉末の再水和のために構成され得る。例えば、食品および飲料のパッケージは、脱水食品を再水和することを可能にするためにセプタムアダプターをさらに含み得る。食品組成物を含む密封容器は、トレイに固定されるように構成され得る。崩壊し易い乾燥、粉末状のまたは食品は、崩壊を低減させるようにゼラチンにコーティングされ得る。酸素をパッケージから取り出し、窒素ガスと酸素捕捉剤で交換し得る。密封する前にパッケージに窒素ガスを流入させ得る。パッケージは真空シールで密封され得る。パッケージは、約15~約35インチのHg真空で密封され得る。
【0145】
有効量のカプセル化されたカンナビノイド化合物を含む食品組成物をキットに含めることができる。キットは、様々な条件下で対象によって消費されるように構成され得る。
【0146】
幹細胞の機能を増強することに加えて、対象への、本開示の組成物の投与は、1つまたは複数の追加の有益な効果をもたらすことができる。有益な効果には、疼痛緩和、低減した細菌増殖、低減した血糖値、改善した血中脂質およびコレステロールプロファイル、増大した脂肪燃焼、低減した食欲、刺激を受けた食欲、低減した嘔吐または吐き気、低減した発作または痙攣、抗真菌効果、低減した炎症、低減した関節炎(例えば、リウマチ様関節炎)、低減した不眠症または支援される睡眠、低減した動脈閉塞、阻害された癌細胞増殖、改善された乾癬、静穏効果、抗痙攣効果、低減した不安症、骨成長の促進、低減した腸収縮、および神経系保護を含めることができるが、これらに限定されない。
【0147】
本明細書に記述される組成物は、増大した貯蔵安定性、増大したバイオアベイラビリティ、増大した生物活性、および遅延放出を含むがこれらに限定されない、いくつかの利点をもたらすことができる。本明細書に記述される組成物は、対象に投与された場合、様々な放出プロファイル、半減期、代謝特性を有することができる。対象の組成物は、複数のカプセルを含むことができ、複数のうちの個々のカプセルは:(a)少なくとも1種のカンナビノイド化合物のS字形放出プロファイル;(b)カプセル化された形態でない少なくとも1種のカンナビノイド化合物の場合よりも2倍超の、少なくとも1種のカンナビノイド化合物の血漿中半減期;(c)カプセル化された形態でない少なくとも1種のカンナビノイド化合物と比較して、少なくとも50%低減した、少なくとも1種のカンナビノイド化合物の初回通過代謝;d)カプセル化された形態でない少なくとも1種のカンナビノイド化合物と比較して、少なくとも20%低減した、対象の身体からの少なくとも1種のカンナビノイド化合物の排出速度;または(e)カプセル化された形態でない少なくとも1種のカンナビノイド化合物の分解速度の約50%未満である、少なくとも1種のカンナビノイド化合物の、少なくとも20℃の周囲温度での分解速度の、少なくとも1つを示すことによって特徴付けられる。
【0148】
本明細書に記述される組成物は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、240、270、300、330、または360日の貯蔵半減期を有することができる。ある場合には、本明細書に記述される組成物は、少なくとも約1、2、3、4、または5年の貯蔵半減期を有することができる。カプセル化形態の組成物は、非カプセル化カンナビノイド組成物の分解速度より少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%小さい少なくとも20℃の周囲温度でのカンナビノイド分解速度によって特徴付けられ得る。
【0149】
カプセル化形態のカンナビノイド組成物は、非カプセル化カンナビノイド組成物の少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.5、4.0、4.5、または5.0倍の対象における血漿半減期によって特徴付けられ得る。組成物の血漿中半減期は、対象に組成物を投与し、多数の時点で対象から血漿サンプルを採取し、それらの血漿サンプル中の目的の1種または複数の化合物の濃度を測定することによって、実験で決定することができる。目的の1種または複数の化合物の濃度は、血漿中でピーク値に達することになり、次いで1種または複数の化合物が代謝され、分解され、または血流から除外されるにつれて降下することになる。血漿中半減期は、血漿中濃度値が半分になる時間である。
【0150】
カンナビノイド放出プロファイルは、S字形であることができる(例えば、ロジスティック関数などの「S」字曲線を有する)。カンナビノイド放出プロファイルは、非S字形であることができる。カンナビノイド放出プロファイルは、直線状であることができる。カンナビノイド放出プロファイルは、非直線状であることができる。カンナビノイド放出プロファイルは、瞬間放出であることができる。カンナビノイド放出プロファイルは、非瞬間放出であることができる。カンナビノイド放出プロファイルは、遅延放出であることができる。カンナビノイド放出プロファイルは、一定または持続放出であることができる。カンナビノイド放出プロファイルは、可変または非持続放出であることができる。
【0151】
錠剤は、持続放出フォーマットに処方することができる。持続放出錠剤を作製する方法は、当技術分野で公知であり;例えば、米国特許出願公開第2006/0051416号および米国特許出願公開第2007/0065512号を参照されたい。漸進放出錠剤が当技術分野で公知であり;そのような錠剤の例は、例えば米国特許第3,456,049号に記載されている。低速または持続放出形態は、組成物またはその1種もしくは複数の成分の崩壊または吸収を遅延させてもよい。
【0152】
いくつかの事例において、カンナビノイド化合物の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以下が、対象に対する投与の1時間以内にカプセルから放出される。いくつかの事例において、カンナビノイド化合物の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以下が、対象に対する投与の2時間以内にカプセルから放出される。いくつかの事例において、カンナビノイド化合物の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以下が、対象に対する投与の3時間以内にカプセルから放出される。いくつかの事例において、カンナビノイド化合物の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以下が、対象に対する投与の4時間以内にカプセルから放出される。いくつかの事例において、カンナビノイド化合物の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以下が、対象に対する投与の5時間以内にカプセルから放出される。いくつかの事例において、カンナビノイド化合物の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以下が、対象に対する投与の6時間以内にカプセルから放出される。いくつかの事例において、カンナビノイド化合物の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以下が、対象に対する投与の7時間以内にカプセルから放出される。いくつかの事例において、カンナビノイド化合物の5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%以下が、対象に対する投与の8時間以内にカプセルから放出される。
【0153】
放出プロファイルは、時間と、対象に放出される化合物の量または対象内(例えば、血漿中)の化合物の濃度との間の関係である。放出プロファイルは、血漿半減期に類似した手法で測定することができる。組成物は、対象に投与することができ、サンプル(例えば、血漿サンプルまたは血液サンプル)は、多数の時点で対象から採取することができる。目的の1種または複数の化合物の濃度は、そのようなサンプル中で測定することができ、放出プロファイルをプロットすることができる。
【0154】
胃腸系を介して対象に摂取された化合物は、肝臓に輸送され、その後、全身循環に進入することができる。肝臓内で代謝分解を受け易い化合物は、肝臓を通した初回通過代謝によって実質的に低減された、それらの活性を有することができる。化合物のカプセル化(例えば、マイクロカプセル化)は、肝臓内での化合物の初回通過代謝を低減させることができる。カプセル化形態の組成物は、非カプセル化カンナビノイド組成物より少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%少ない対象における初回通過代謝によって特徴付けられ得る。カプセル化形態の組成物は、非カプセル化カンナビノイド組成物より少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、または99%少ない対象からのカンナビノイド排出速度によって特徴付けられ得る。
【0155】
本明細書に記述される組成物は、対象に投与された場合、改善されたバイオアベイラビリティ、生物活性、またはその両方を有することができる。バイオアベイラビリティは、全身循環に到達する、未変化の化合物の、投与される投薬量の割合である。カプセル化形態のカンナビノイド組成物は、非カプセル化カンナビノイド組成物の少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または10.0倍の対象におけるバイオアベイラビリティによって特徴付けられ得る。カプセル化形態のカンナビノイド組成物は、少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、%、98%、99%、または100%の対象におけるバイオアベイラビリティによって特徴付けられ得る。生物活性、または生物学的活性は、組成物中の1種または複数の活性成分によってもたらされた活性である。マイクロカプセル化形態のカンナビノイド組成物は、非カプセル化カンナビノイド組成物の少なくとも1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、6.5、7.0、7.5、8.0、8.5、9.0、9.5、または10.0倍の対象におけるバイオアベイラビリティによって特徴付けられ得る。
【0156】
本明細書に記載される組成物は、段落[0064]に記載される状態を含むが、それらに限定されない疾患を有する対象を処置するために使用することができる。本明細書に記載される組成物は、段落[0064]に記載される状態を含むが、それらに限定されない損傷を有する対象を処置するために使用することができる。
【0157】
本明細書で使用される疾患を処置することは、治療上の利益および/または予防上の利益を包含する。予防効果は、疾患もしくは状態の出現を遅延させるもしくは排除すること、疾患もしくは状態の症状の発症を遅延させるもしくは排除すること、疾患もしくは状態の進行を遅延させる、停止させる、もしくは逆転させること、またはそれらの任意の組合せを含む。
【0158】
本明細書に開示される方法は、相乗効果を生み出すことができる。幹細胞とともにカンナビノイド組成物を使用することは、幹細胞の機能を相乗的に増強することができる。いくつかの例では、幹細胞処置およびカンナビノイド組成物は、治療量以下の量で投与することができる。いくつかの実施形態では、治療量以下の量の幹細胞および/またはカンナビノイド組成物を使用することができる。治療量以下の量の薬剤または治療は、その薬剤または治療の有効量より少ない量であるが、有効量または治療量以下の量の別の薬剤または治療と組み合わせた場合、例えば、結果として生じる有効な効果における相乗効果、または副作用の低減に起因して、医師にとって望ましい結果をもたらすことができる。
【0159】
薬剤または治療の「相乗的に有効な治療量」または「相乗的に有効な量」は、有効量または治療量以下の量の別の薬剤または治療と組み合わせた場合、2つの薬剤のいずれかを単独で使用した場合よりも大きな効果をもたらす量である。いくつかの実施形態では、相乗的に有効な治療量の薬剤または治療は、組み合わせて使用した場合、単独で使用したときの2つの薬剤または治療のそれぞれの相加効果よりも大きな効果をもたらす。本開示のある特定の好ましい実施形態では、幹細胞治療およびカンナビノイド組成物は相乗効果を示す。
【0160】
いくつかの場合では、有効性は、全生存期間の変化、疾患関連症状の改善、無病生存期間、無増悪生存期間、および/または治療失敗までの時間を決定することによって評価することができる。有効性は、遺伝子発現レベルおよびバイオマーカー発現レベルの変化をモニタリングすることを含む、様々な非限定的方法によって決定することができる。
【実施例0161】
(実施例1)
マイクロカプセル化されたカンナビノイドは幹細胞の生着を改善する
カンナビジオールを含めたカンナビノイドを含むアサ油組成物を生成する。組成物を、マイクロ流体ノズルデバイスを介してマイクロカプセル化する。マイクロカプセルを、対象が幹細胞処置を受ける前に対象に投与する。対象が幹細胞処置を受けた後、対象は、カンナビノイドを含有するマイクロカプセルを受容しなかった対照対象と比較して、幹細胞の生着が増加した。
【0162】
(実施例2)
マイクロカプセル化されたカンナビノイドは移植中の幹細胞生存を改善する
カンナビジオールを含めたカンナビノイドを含むアサ油組成物を生成する。組成物を、マイクロ流体ノズルデバイスを介してマイクロカプセル化する。マイクロカプセルを、対象が幹細胞処置を受ける前に対象に投与する。対象が幹細胞処置を受けた後、対象は、カンナビノイドを含有するマイクロカプセルを受容しなかった対照対象と比較して、幹細胞がより生存していた。
【0163】
(実施例3)
マイクロカプセル化されたカンナビノイドは移植された幹細胞に対する免疫活性化を低減させる
カンナビジオールを含めたカンナビノイドを含むアサ油組成物を生成する。組成物を、マイクロ流体ノズルデバイスを介してマイクロカプセル化する。マイクロカプセルを、対象が骨髄移植を受けるのと同時に、対象に投与する。その後、カンナビノイドを含有するマイクロカプセルを受容しなかった対照対象と比較して、移植片拒絶の低減が見られる。移植片拒絶は、骨髄中のドナーおよびレシピエント細胞を同定するために可変数タンデムリピート(VNTR)遺伝子座のPCR増幅を使用することによって決定される。
【0164】
(実施例4)
カンナビノイドはマウス胚性幹細胞の遺伝子発現に影響を与える
マウス胚性幹細胞を、カンナビジオール(1μM、5μM、10μMもしくは50μM)またはビヒクル対照のいずれかで処理された培地中で培養する。サンプルを0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、および10日目に回収し、次世代シーケンシング用にRNAを抽出する。カンナビジオールで処理された細胞において差次的に発現される遺伝子を決定するために、発現分析を、シーケンシングデータに対して行う。幹細胞マーカー、分化マーカー、DNA複製、細胞周期、増殖、アポトーシスおよびカンナビノイド経路遺伝子の差次的発現が、特に目的であり得る。
【0165】
(実施例5)
カンナビノイドはマウス胚性幹細胞の球形成に影響を与える
マウス胚性幹細胞を、カンナビジオール(1μM、5μM、10μMもしくは50μM)またはビヒクル対照のいずれかで10日間処理した培地中で培養する。10日間培養した後、細胞を球体形成アッセイに移す。各処理群は、形成された球の数、形成された球のサイズおよび形状、各球に見出される細胞型、ならびに球が継代され得る回数について採点される。カンナビジオールで処理された幹細胞は、より高い有効性で球を形成し得、ビヒクル処理された細胞によって形成された球よりも多くの神経型細胞を有する球を形成し得、またはビヒクル処理された細胞と比較して、多かれ少なかれ異なる種類の細胞を有する球を形成し得る。
【0166】
(実施例6)
カンナビノイドは尾静脈注射によって送達されたマウス造血幹細胞の生着を増加させる
マウス造血幹細胞を、構成的プロモーターの制御下でGFPを発現するマウスの骨髄から単離する。集団造血幹細胞を枯渇させるに十分な放射線にコンジェニックマウスを曝露することによってレシピエントマウスを調製する。単離された造血幹細胞を、尾静脈注射によってレシピエントマウスに送達する。注射後、マウスは、対照飼料、またはカンナビジオールを含めたカンナビノイドを含むマイクロカプセル化されたアサ油組成物を補給した飼料を投与される。血液サンプルを、4、8、12、16、20、24、28および32週目に両群のマウスから採取し、GFP発現について細胞をスクリーニングすることによってドナー由来細胞の数を決定する。
【0167】
追加の実験を、上記のプロトコールを使用して行い、カンナビノイド受容体を欠失するように遺伝子操作されたマウス(CBヌル)由来の造血幹細胞の、CBヌルレシピエントマウスへの移植の有効性を決定する。
【0168】
(実施例7)
カンナビノイドは脊髄損傷後の幹細胞処置を強化する
構成的プロモーターの制御下で緑色蛍光タンパク質(GFP)を発現するマウス神経幹細胞をカンナビジオール(1μM、5μM、10μMもしくは50μM)またはビヒクル対照のいずれかで10日間処理する。次に、細胞を、脊髄損傷を有するマウスの脊髄に直接移植する。マウスは、対照飼料、またはカンナビジオールを含めたカンナビノイドを含むマイクロカプセル化されたアサ油組成物を細胞培養培地で使用される濃度と同様の濃度で補給した飼料で維持する。マウスは、バッソマウススケール(BMS)スコア、7つの運動カテゴリーの頻度分析に基づく運動評価スケール、およびロータロッドトレッドミル試験に基づいて運動機能の脊髄回復評価の徴候について毎日モニタリングされる。幹細胞処置の2ヶ月後、マウスを屠殺し、脊髄を組織学的に検査する。カンナビノイド処理を受けた幹細胞およびカンナビノイド補給を受けた食物を受容したマウスは、より急速でより強い回復を示す。
【0169】
本発明の好ましい実施形態を本明細書において示し、説明したが、このような実施形態が単なる例として提供されることは当業者には明らかである。本発明が本明細書内で提供される特定の例により限定されることは意図されない。本発明について上述した本明細書を参照して説明したが、本明細書における実施形態の説明および例示は、限定の意味で解釈されることを意図されない。ここで、本発明から逸脱せずに、当業者は多くの変形、変更、および置換を思い付くであろう。さらに、本発明の全ての態様が、多種多様な条件および変数に依存する、本明細書に記載される特定の図、構成または相対的な割合に限定されないことが理解されるものとする。本発明を実施するにあたり、本明細書に記載される本発明の実施形態への様々な代替を用い得ることを理解されたい。したがって、本発明が任意のこのような代替、修正、変形または同等物も包含することが意図される。以下の特許請求の範囲が本発明の範囲を規定し、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにそれらの同等物がそれにより包含されることが意図される。
【外国語明細書】