IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ グローブライド株式会社の特許一覧

特開2022-159458釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法
<>
  • 特開-釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法 図1
  • 特開-釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法 図2
  • 特開-釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法 図3
  • 特開-釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法 図4
  • 特開-釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法 図5
  • 特開-釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法 図6
  • 特開-釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法 図7
  • 特開-釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法 図8
  • 特開-釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159458
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】釣糸ガイド、該ガイドを備える釣竿及び釣糸ガイドの成型方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 87/04 20060101AFI20221006BHJP
【FI】
A01K87/04 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022129815
(22)【出願日】2022-08-17
(62)【分割の表示】P 2019140867の分割
【原出願日】2019-07-31
(71)【出願人】
【識別番号】000002495
【氏名又は名称】グローブライド株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】川村 拓司
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 昌幸
(72)【発明者】
【氏名】山本 裕一
(57)【要約】
【課題】 ガイド全体として剛性を確保しつつ軽量化を可能とするだけでなく、釣竿表面に固定し易くかつ釣竿の放出時の糸絡みを防止することが可能な釣糸ガイド、該釣糸ガイドを備えた釣竿、該釣糸ガイドの成型方法を提供することである。
【解決手段】 本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドは、環状のガイドリングを保持する保持部と、釣竿に固定される釣竿固定部と、該保持部と該釣竿固定部とを接続する接続部とを設けたフレームを有し、前記釣竿固定部は、該釣竿固定部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲するように構成される。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のガイドリングを保持する保持部と、釣竿に固定される釣竿固定部と、該保持部と該釣竿固定部とを接続する接続部とを設けたフレームを有する釣糸ガイドであって、
前記釣竿固定部は、該釣竿固定部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲していることを特徴とする釣糸ガイド。
【請求項2】
前記保持部は、該保持部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲している、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項3】
前記フレームは、該釣糸ガイドの長手方向に垂直な方向に湾曲している、請求項1又は2に記載の釣糸ガイド。
【請求項4】
前記接続部は、該接続部の延伸方向に垂直な方向に湾曲している、請求項3に記載の釣糸ガイド。
【請求項5】
前記保持部は、前記釣竿固定部に対して30-90°傾斜している、請求項1から4までのいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
【請求項6】
前記釣竿固定部の円弧状のRは、該釣竿固定部が固定される前記釣竿の外周面のRと同じにされる、請求項1から5までのいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
【請求項7】
前記フレームは、複数の繊維強化樹脂プリプレグ層により形成され、前記釣竿に固定される側の繊維強化樹脂プリプレグ層の繊維方向は、前記フレームの延伸方向と、該延伸方向に垂直な方向とを指向している、請求項1から6までのいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
【請求項8】
前記フレームは、複数の繊維強化樹脂プリプレグ層により形成され、前記釣竿に固定される側とは反対側の繊維強化樹脂プリプレグ層の繊維方向は、前記フレームの延伸方向に対して傾斜した方向と、該傾斜方向に垂直な方向とを指向している、請求項1から7までのいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
【請求項9】
竿管と、
環状のガイドリングを保持する保持部と、釣竿に固定される釣竿固定部と、該保持部と該釣竿固定部とを接続する接続部とを設けたフレームを有する釣糸ガイドと、
該釣糸ガイドの釣竿固定部を前記竿管に固定する釣糸ガイド固定部材と、を備えた釣竿であって、
前記釣竿固定部は、該釣竿固定部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲していることを特徴とする釣竿。
【請求項10】
筒状部材を該筒状部材の長手方向に垂直な方向に湾曲させて配置し、
該筒状部材に1又は複数の繊維強化樹脂プリプレグシートを巻回し、
該1又は複数の繊維強化樹脂プリプレグシートの加熱硬化処理を行い、
該処理後の繊維強化樹脂プリプレグから釣糸ガイドのフレームを切り出す
ことを特徴とする釣糸ガイドの成型方法。
【請求項11】
前記繊維強化樹脂プリプレグシートが複数である場合、最内層の繊維方向は、前記筒状部材の延伸方向と、該延伸方向に垂直な方向とを指向するよう構成する、請求項10に記載の釣糸ガイドの成型方法。
【請求項12】
前記繊維強化樹脂プリプレグシートが複数である場合、最外層の繊維方向は、前記筒状部材の延伸方向に対して傾斜した方向と、該傾斜方向に垂直な方向とを指向するよう構成する、請求項10又は11に記載の釣糸ガイドの成型方法。
【請求項13】
前記筒状部材がマンドレルであり、前記加熱処理後、前記フレームを切り出す前に前記マンドレルを取り外す、請求項10から12までのいずれか1項に記載の釣糸ガイドの成型方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣糸ガイド、該釣糸ガイドを備えた釣竿、並びに該釣糸ガイドの成型方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、釣竿に装着されて釣糸を案内するための種々の釣糸ガイドが知られている。このような釣糸ガイドでは、釣竿の外周面に装着されるフレームと、フレームに止着され釣糸が挿通されるガイドリングとを備えるよう構成される。
【0003】
このような釣糸ガイドとして、特許文献1には、金属製で形成されたフレームに、釣糸を挿通させるガイドリングを保持するためのリング保持部と、釣竿の外表面に装着するための固定部とが一体形成された釣糸ガイドが開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、フレームとフレームに止着され釣糸が挿通されるガイドリングとを備えたフレームを有する釣糸ガイドを繊維強化樹脂で射出成形することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006-340661号公報
【特許文献2】実公平2-14385号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示の釣糸ガイドでは、フレームが金属材料で形成されているために重量が重くなるだけでなく撓み性も悪く、このような釣糸ガイドが装着された釣竿では重量や性能として問題があった。
【0007】
また、特許文献2に開示のような釣糸ガイドでは、金属材料で形成されたフレームに比して軽量化を図ることはできるものの、ガイド全体としての剛性を高めるためにフレームに一定の厚さを持たせる必要があるため重量が重くなってしまい、また変形時に繊維強化樹脂層の層間せん断破壊がしやすいという問題もあった。
【0008】
本発明の実施形態は、上記のような問題点に鑑み、ガイド全体として剛性を確保しつつ軽量化を可能とするだけでなく、釣竿表面に固定し易くかつ釣竿の放出時の糸絡みを防止することが可能な釣糸ガイド、該釣糸ガイドを備えた釣竿、該釣糸ガイドの成型方法を提供することを目的とする。
【0009】
本発明の実施形態の他の目的は、本明細書全体を参照することにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドは、環状のガイドリングを保持する保持部と、釣竿に固定される釣竿固定部と、該保持部と該釣竿固定部とを接続する接続部とを設けたフレームを有し、前記釣竿固定部は、該釣竿固定部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲するよう構成される。
【0011】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記保持部は、該保持部の延伸方向に
垂直な断面でみて円弧状に湾曲するよう構成される。
【0012】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記フレームは、該釣糸ガイドの長手方向に垂直な方向に湾曲するよう構成される。
【0013】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記接続部は、該接続部の延伸方向に垂直な方向に湾曲するよう構成される。
【0014】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記保持部は、前記釣竿固定部に対して30-90°傾斜するよう構成される。
【0015】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記釣竿固定部の円弧状のRは、該釣竿固定部が固定される前記釣竿の外周面のRと同じにされる。
【0016】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記フレームは、複数の繊維強化樹脂プリプレグ層により形成され、前記釣竿に固定される側の繊維強化樹脂プリプレグ層の繊維方向は、前記フレームの延伸方向と、該延伸方向に垂直な方向とを指向している。
【0017】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドにおいて、前記フレームは、複数の繊維強化樹脂プリプレグ層により形成され、前記釣竿に固定される側とは反対側の繊維強化樹脂プリプレグ層の繊維方向は、前記フレームの延伸方向に対して傾斜した方向と、該傾斜方向に垂直な方向とを指向している。
【0018】
本発明の一実施形態に係る釣竿は、竿管と、環状のガイドリングを保持する保持部と、釣竿に固定される釣竿固定部と、該保持部と該釣竿固定部とを接続する接続部とを設けたフレームを有する釣糸ガイドと、該釣糸ガイドの釣竿固定部を前記竿管に固定する釣糸ガイド固定部材と、を備え、前記釣竿固定部は、該釣竿固定部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲するよう構成される。
【0019】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドの成型方法では、筒状部材を該筒状部材の長手方向に垂直な方向に湾曲させて配置し、該筒状部材に1又は複数の繊維強化樹脂プリプレグシートを巻回し、該1又は複数の繊維強化樹脂プリプレグシートの加熱硬化処理を行い、該処理後の繊維強化樹脂プリプレグから釣糸ガイドのフレームを切り出すような各ステップを備える。
【0020】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドの成型方法では、前記繊維強化樹脂プリプレグシートが複数である場合、最内層の繊維方向は、前記筒状部材の延伸方向と、該延伸方向に垂直な方向とを指向するよう構成されている。
【0021】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドの成型方法では、前記繊維強化樹脂プリプレグシートが複数である場合、最外層の繊維方向は、前記筒状部材の延伸方向に対して傾斜した方向と、該傾斜方向に垂直な方向とを指向するよう構成されている。
【0022】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイドの成型方法では、前記筒状部材がマンドレルであり、前記加熱処理後、前記フレームを切り出す前に前記マンドレルを取り外すステップを備える。
【発明の効果】
【0023】
本発明の様々な実施形態により、ガイド全体として剛性を確保しつつ軽量化を可能とするだけでなく、釣竿表面に固定し易くかつ釣竿の放出時の糸絡みを防止することが可能な
釣糸ガイド、該釣糸ガイドを備えた釣竿、該釣糸ガイドの成型方法を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態における釣竿1の一態様を示す図である。
図2】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10の一態様を示す図である。
図3】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10を備える釣竿1の一態様を示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10を備える釣竿1の断面図である。
図5】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10を備える釣竿1の断面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10のフレーム6を示す図である。
図7】(a)は、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10におけるフレーム6の繊維強化樹脂プリプレグ層9を示す図、(b)は、 本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10におけるフレーム6の繊維強化樹脂プリプレグ層11を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10の成型方法を示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10のフレーム6を成型する前の巻回された繊維強化樹脂プリプレグシートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、適宜図面を参照し、本発明の様々な実施形態を説明する。なお、各図面において共通する構成要素に対しては同一の参照符号が付されている。各図面は、説明の便宜上、必ずしも正確な縮尺で記載されているとは限らない。以下、本発明の実施形態について図面に基づき説明する。
【0026】
図1は、本発明に係る釣竿の一実施形態を示す図である。図示のように、本発明の一実施形態による釣竿1は、竿体2と、竿体2にリールシート9を介して取り付けられたリール6と、竿体2に取り付けられた釣糸ガイド10と、を備える。図示の実施形態においては、リールシート9及び釣糸ガイド10の各々が、竿体の外周面に取り付けられる取付部品に該当する。
【0027】
竿体2は、例えば、元竿3、中竿5、及び穂先竿7等を連結することによって構成されている。これらの各竿体は、例えば、並継ぎ式に継合される。元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、振出方式、逆並継方式、インロー方式、又はこれら以外の公知の任意の継合方式により継合され得る。竿体2は、単一の竿体から構成されていても良い。
【0028】
元竿3、中竿5、及び穂先竿7は、例えば、繊維強化樹脂製の管状体で構成されている。この繊維強化樹脂製の管状体は、強化繊維にマトリクス樹脂を含浸させた繊維強化樹脂プリプレグ(プリプレグシート)を芯金に巻回し、このプリプレグシートを加熱して硬化させることにより作成される。このプリプレグシートに含まれる強化繊維として、例えば、炭素繊維、ガラス繊維、及びこれら以外の任意の公知の強化繊維を用いることができる。当該プリプレグシートに含まれるマトリクス樹脂として、例えば、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることができる。このような熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル、フェノール、ビニルエステルが考えられるが、これらに限られない。また、熱可塑樹脂を用いる場合、PES(ポリエーテル サルフォン)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、PC(ポリカーボネード)、PA(ポリアミド:6、12、66等)が考えられるが、これらに限られない。プリプレグシートが硬化された後には、芯金が脱芯される。また、管状体の外表面は、適宜研磨される。各竿体は、中実状に構成されてもよい。
【0029】
図示の実施形態において、元竿3、中竿5及び穂先竿7には、リールシート9に装着さ
れるリール6から繰り出される釣糸を案内する複数の釣糸ガイド10(釣糸ガイド10A~10D)が設けられている。より具体的には、元竿3には釣糸ガイド10Aが設けられ、中竿5には釣糸ガイド10Bが設けられ、穂先竿7には釣糸ガイド10Cが設けられている。穂先竿7の先端には、トップガイド10Dが設けられている。
【0030】
次に、図2、3、4を参照して、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10及び該釣糸ガイド10を備える釣竿1についてさらに説明する。図2に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10は、環状のガイドリング12を保持する保持部13と、釣竿1に固定される釣竿固定部14と、該保持部13と該釣竿固定部14とを接続する接続部15とを設けたフレーム16を有し、前記釣竿固定部14は、該釣竿固定部14の延伸方向(A)に垂直な断面(図3に示すA-A’断面)でみて円弧状に湾曲するよう構成される。図4には、釣竿固定部14が該釣竿固定部14の延伸方向(A)に垂直な断面(図3に示すA-A’断面)でみて円弧状に湾曲する様子が示されている。
【0031】
次に、図3に示すように、本発明の一実施形態に係る釣竿1は、竿管17と、環状のガイドリング12を保持する保持部13と、釣竿1に固定される釣竿固定部14と、該保持部13と該釣竿固定部14とを接続する接続部15とを設けたフレーム16を有する釣糸ガイド10と、該釣糸ガイド10の釣竿固定部14を前記竿管17に固定する釣糸ガイド固定部材18と、を備え、前記釣竿固定部14は、該釣竿固定部14の延伸方向(B)に垂直な断面(A-A’断面)でみて円弧状に湾曲するよう構成される。既述の通り、図4に、釣竿固定部14が該釣竿固定部14の延伸方向(A)に垂直な断面(図3に示すA-A’断面)でみて円弧状に湾曲する様子が示されている。
【0032】
本発明のこれらの実施形態により、ガイド全体として剛性を確保しつつ軽量化を可能とするだけでなく、釣竿表面に固定し易くかつ釣竿の放出時の糸絡みを防止することが可能な釣糸ガイド及び該釣糸ガイドを備えた釣竿を提供することが可能となる。
【0033】
図3に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、前記保持部13は、該保持部13の延伸方向(C)に垂直な断面(B-B’断面)でみて円弧状に湾曲するよう構成される。図5には、保持部13が該保持部13の延伸方向(C)に垂直な断面(B-B’断面)でみて円弧状に湾曲する様子が示されている。
【0034】
また、図3に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、前記フレーム16は、該釣糸ガイド10の長手方向(D)に垂直な方向に湾曲するよう構成される。
【0035】
さらに、図3に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、前記接続部15は、該接続部15の延伸方向(E)に垂直な方向に湾曲するよう構成される。
【0036】
次に、図6に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、前記保持部13は、前記釣竿固定部14に対して30-90°傾斜するよう構成される。
【0037】
また、図4に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、前記釣竿固定部14の円弧状のR(R1)は、該釣竿固定部14が固定される前記釣竿1の外周面のR(R2)と同じにされる。
【0038】
次に、図7aに示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、前記フレーム16は、複数の繊維強化樹脂プリプレグ層(図示の例では、2つの繊維強化樹脂プリプレグ層19、21)により形成され、前記釣竿1に固定される側の繊維強化樹脂プリプレグ層19の繊維方向は、前記フレームの延伸方向(F)と、該延伸方向(F)に垂
直な方向(G)とを指向している。このように、フレームの延伸方向(F)の繊維強化樹脂プリプレグ層19により、釣糸ガイド10を倒す方向又は釣糸ガイド10を起こす方向に対して剛性及び強度を発現するように構成することができる。また、該延伸方向(F)に垂直な方向(G)の繊維強化樹脂プリプレグ層19により、釣糸ガイド10を横から潰す方向に対して剛性及び強度を発現するように構成することができる。
【0039】
また、図7bに示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10において、前記フレーム16は、複数の繊維強化樹脂プリプレグ層(図示の例では、2つの繊維強化樹脂プリプレグ層19、21)により形成され、前記釣竿1に固定される側とは反対側の繊維強化樹脂プリプレグ層21の繊維方向(H)は、前記フレーム6の延伸方向(I)に対して傾斜した方向(J)と、該傾斜方向(J)に垂直な方向(K)とを指向している。このように、繊維方向(H)の繊維強化樹脂プリプレグ層21により、ねじる方向に対し、主として剛性及び強度を発現するように構成することができる。
【0040】
図8a‐dに示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10の成型方法では、(a)筒状部材22を該筒状部材22の長手方向(L)に垂直な方向に湾曲させて配置し、(b)該筒状部材22に1又は複数の繊維強化樹脂プリプレグシート23を巻回し、(c)該1又は複数の繊維強化樹脂プリプレグシート23の加熱硬化処理(例えば、80-150℃の温度、0.1-3MPaの圧力下において)を行い、(d)該処理後の繊維強化樹脂プリプレグ24から釣糸ガイド10のフレーム16を切り出すような各ステップを備える。
【0041】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10の成型方法により、ガイド全体として剛性を確保しつつ軽量化を可能とするだけでなく、釣竿表面に固定し易くかつ釣竿の放出時の糸絡みを防止することが可能な釣糸ガイドの成型方法を提供することが可能となる。
【0042】
図9に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10の成型方法では、繊維強化樹脂プリプレグシート23が複数である場合、最内層25の繊維方向は、筒状部材22の延伸方向(L)と、該延伸方向に垂直な方向とを指向するよう構成されている。
【0043】
また、図9に示すように、本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10の成型方法では、繊維強化樹脂プリプレグシート23が複数である場合、最外層26の繊維方向は、前記筒状部材22の延伸方向(L)に対して傾斜した方向(M)と、該傾斜方向(M)に垂直な方向(N)とを指向するよう構成されている。
【0044】
本発明の一実施形態に係る釣糸ガイド10の成型方法では、前記筒状部材22がマンドレルであり、前記加熱処理後、前記フレーム16を切り出す前に前記マンドレルを取り外すステップを備えるよう構成してもよい。
【0045】
本明細書で説明された各構成要素の寸法、材料、及び配置は、実施形態中で明示的に説明されたものに限定されず、この各構成要素は、本発明の範囲に含まれうる任意の寸法、材料、及び配置を有するように変形することができる。また、本明細書において明示的に説明していない構成要素を、説明した実施形態に付加することもできるし、各実施形態において説明した構成要素の一部を省略することもできる。
【符号の説明】
【0046】
1 釣竿
2 竿体
3 元竿
5 中竿
6 リール
7 穂先竿
8 リールシート
10 釣糸ガイド
12 ガイドリング
13 保持部
14 釣竿固定部
15 接続部
16 フレーム
17 竿管
18 釣糸ガイド固定部材
19 繊維強化樹脂プリプレグ層
21 繊維強化樹脂プリプレグ層
22 筒状部材
23 繊維強化樹脂プリプレグシート
24 繊維強化樹脂プリプレグ
25 最内層
26 最外層
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【手続補正書】
【提出日】2022-08-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のガイドリングを保持する保持部と、釣竿に固定される釣竿固定部と、該保持部と
該釣竿固定部とを接続する接続部とを設けたフレームを有する釣糸ガイドであって、
前記釣竿固定部は、該釣竿固定部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲している
ことを特徴とする釣糸ガイド。
【手続補正書】
【提出日】2022-08-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
環状のガイドリングを保持する保持部と、釣竿に固定される釣竿固定部と、該保持部と該釣竿固定部とを接続する接続部とを設けたフレームを有する釣糸ガイドであって、
前記フレームは、複数の繊維強化樹脂プリプレグ層により形成され、
前記釣竿固定部は、該釣竿固定部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲しており、
前記保持部は、前記釣竿固定部に対して30-90°傾斜して形成され、該保持部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲しており、前記接続部は、該接続部の延伸方向に垂直な方向に湾曲していることを特徴とする釣糸ガイド。
【請求項2】
前記釣竿固定部の円弧状のRは、該釣竿固定部が固定される前記釣竿の外周面のRと同じにされる、請求項1に記載の釣糸ガイド。
【請求項3】
前記フレームは、複数の繊維強化樹脂プリプレグ層により形成され、前記釣竿に固定される側の繊維強化樹脂プリプレグ層の繊維方向は、前記フレームの延伸方向と、該延伸方向に垂直な方向とを指向している、請求項1又は2に記載の釣糸ガイド。
【請求項4】
前記フレームは、複数の繊維強化樹脂プリプレグ層により形成され、前記釣竿に固定される側とは反対側の繊維強化樹脂プリプレグ層の繊維方向は、前記フレームの延伸方向に対して傾斜した方向と、該傾斜方向に垂直な方向とを指向している、請求項1からまでのいずれか1項に記載の釣糸ガイド。
【請求項5】
竿管と、
環状のガイドリングを保持する保持部と、釣竿に固定される釣竿固定部と、該保持部と該釣竿固定部とを接続する接続部とを設けたフレームを有する釣糸ガイドと、
該釣糸ガイドの釣竿固定部を前記竿管に固定する釣糸ガイド固定部材と、を備えた釣竿であって、
前記フレームは、複数の繊維強化樹脂プリプレグ層により形成され、
前記釣竿固定部は、該釣竿固定部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲しており、
前記保持部は、前記釣竿固定部に対して30-90°傾斜して形成され、該保持部の延伸方向に垂直な断面でみて円弧状に湾曲しており、前記接続部は、該接続部の延伸方向に垂直な方向に湾曲していることを特徴とする釣竿。