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特開2022-159547ベッティングアドバイス提供装置、ベッティングアドバイス提供システム、ベッティングアドバイス提供方法及びベッティングアドバイス提供プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159547
(43)【公開日】2022-10-17
(54)【発明の名称】ベッティングアドバイス提供装置、ベッティングアドバイス提供システム、ベッティングアドバイス提供方法及びベッティングアドバイス提供プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/34 20120101AFI20221006BHJP
【FI】
G06Q50/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022131601
(22)【出願日】2022-08-22
(62)【分割の表示】P 2019027445の分割
【原出願日】2019-02-19
(71)【出願人】
【識別番号】518275246
【氏名又は名称】ジャングルX株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002815
【氏名又は名称】IPTech弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】直江 文忠
(57)【要約】
【課題】ユーザの生体情報を取得し、ベッティング情報及び生体情報に基づいてアドバイス情報を提供するベッティングアドバイス提供装置、システム、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】ベッティングアドバイス提供システム1のベッティングアドバイス提供装置100は、その機能として、ベッティングサービスの対象に係る視聴情報を提供する視聴情報提供部131と、ベッティング情報を受信して記憶するベッティング情報受付部132と、ユーザの生体情報を受信して記憶する生体情報受付部133と、ベッティングの履歴情報及び生体情報に基づき、機械学習を行いモデル情報を生成する学習部134と、モデル情報に基づいて所定のアドバイス情報をユーザに対して提供するアドバイス情報提供部135と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザのベッティングに対するアドバイス情報を提供するベッティングアドバイス提供装置であって、
前記ユーザが使用する端末装置から、ベッティングサービスに対するベッティング情報を受け付け、前記ベッティング情報を記憶するベッティング情報受付部と、
前記端末装置から前記ユーザの生体情報を受け付け、前記生体情報を記憶する生体情報受付部と、
記憶された前記ユーザ及び/または他のユーザの前記ベッティング情報及び前記生体情報に基づき、機械学習を行い、ベッティングの結果得られる状態に紐づくモデル情報を生成する学習部と、
前記ユーザの直近の前記ベッティング情報及び/または前記生体情報が、前記モデル情報に基づき、直近のベッティングの結果得られる状態になる可能性が閾値以上であるか判定し、閾値以上であると判定された場合、前記ユーザに対してアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供部と、を備えるベッティングアドバイス提供装置。
【請求項2】
前記端末装置は、前記ユーザの身体に装着されるウェアラブル視聴端末と、前記ユーザに使用されるユーザ端末と、から構成され、
前記ウェアラブル視聴端末は、前記ベッティングサービスに係る視聴情報を受信して提供し、
前記ベッティング情報受付部は、前記ユーザ端末から、前記ユーザが入力する前記ベッティングサービスに対する前記ベッティング情報を受け付け、
前記生体情報受付部は、前記ウェアラブル視聴端末から、前記ウェアラブル視聴端末が前記ユーザの身体から取得する前記ユーザの前記生体情報を受け付ける、請求項1に記載のベッティングアドバイス提供装置。
【請求項3】
前記ウェアラブル視聴端末は、VRゴーグル端末であり、
前記VRゴーグル端末は、前記ベッティングサービスに係る視聴情報を仮想現実として受信して提供し、
前記生体情報受付部は、前記VRゴーグル端末から、前記ユーザの脳波の情報を含む前記生体情報を取得する、請求項2に記載のベッティングアドバイス提供装置。
【請求項4】
前記端末装置は、前記ユーザに使用される視聴端末と、前記ユーザに使用されるユーザ端末と、前記ユーザの身体に装着されるウェアラブル端末と、から構成され、
前記視聴端末は、前記ベッティングサービスに係る視聴情報を受信して提供し、
前記ベッティング情報受付部は、前記ユーザ端末から、前記ユーザが入力する前記ベッティングサービスに対する前記ベッティング情報を受け付け、
前記生体情報受付部は、前記ウェアラブル端末から、前記ウェアラブル端末が前記ユーザの身体から取得する前記ユーザの前記生体情報を受け付ける、請求項1に記載のベッティングアドバイス提供装置。
【請求項5】
前記生体情報受付部は、前記ウェアラブル端末から、前記ユーザの体温、血圧、脈拍の情報のうち少なくとも1つを含む前記生体情報を取得する、請求項4に記載のベッティングアドバイス提供装置。
【請求項6】
前記生体情報受付部は、前記ユーザ端末から、前記ユーザが前記ベッティング情報受付部を操作するときの手の圧力を含む前記生体情報を取得する、請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のベッティングアドバイス提供装置。
【請求項7】
前記モデル情報は、前記ユーザが所定の時間内に、一定額以上の損失を発生させる確率が閾値以上であるか否かを判別するモデルであり、
前記機械学習における教師データは、前記ユーザが過去、所定の時間内に、一定額以上の損失を発生させたときの前記ベッティング情報及び前記生体情報である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のベッティングアドバイス提供装置。
【請求項8】
前記機械学習における教師データは、前記ユーザが過去、所定の時間内に、一定額以上の損失を発生させたときの前記ベッティング情報及び前記生体情報に加えて、他のユーザが過去、所定の時間内に、一定額以上の損失を発生させたときの前記ベッティング情報及び前記生体情報である、請求項7に記載のベッティングアドバイス提供装置。
【請求項9】
前記モデル情報は、前記ユーザがギャンブル依存症になる確率が閾値以上であるか否かを判別するモデルであり、
前記機械学習における教師データは、ギャンブル依存症になった他のユーザによる、過去の所定の期間内における前記ベッティング情報及び前記生体情報である、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のベッティングアドバイス提供装置。
【請求項10】
前記学習部は、前記ユーザの前記ベッティング情報として、ベッティングの対象となる情報、ベッティングを行う時間間隔、ベッティングを行う時間帯、ベッティングを行う回数、ベッティングを行う金額、ベッティングの継続時間のうち少なくとも1つを含む情報に基づき、前記機械学習を行う、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のベッティングアドバイス提供装置。
【請求項11】
前記学習部は、スパースモデリングを用いて前記機械学習を行う、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のベッティングアドバイス提供装置。
【請求項12】
ユーザからのベッティングを受け付ける1または複数の端末装置と、前記ユーザのベッティングに対するアドバイス情報を提供するサーバ装置と、を備えるベッティングアドバイス提供システムであって、
前記端末装置は、
ベッティングサービスに係る視聴情報を受信して提供する視聴情報受信部と、
前記ユーザから、前記ベッティングサービスに対するベッティング情報の入力を受け付け、前記サーバ装置へ送信するベッティング情報入力部と、
前記ユーザの生体情報を取得し、前記サーバ装置へ送信する生体情報送信部と、を備え、
前記サーバ装置は、
前記端末装置から前記ベッティング情報を受信し、前記ベッティング情報を記憶するベッティング情報受付部と、
前記端末装置から前記生体情報を受信し、前記生体情報を記憶する生体情報受付部と、
記憶された前記ユーザ及び/または他のユーザの前記ベッティング情報及び前記生体情報に基づき、機械学習を行い、ベッティングの結果得られる状態に紐づくモデル情報を生成する学習部と、
前記ユーザの直近の前記ベッティング情報及び/または前記生体情報が、前記モデル情報に基づき、直近のベッティングの結果得られる状態になる可能性が閾値以上であるか判定し、閾値以上であると判定された場合、前記ユーザに対してアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供部と、を備えるベッティングアドバイス提供システム。
【請求項13】
ユーザのベッティングに対するアドバイス情報を提供するベッティングアドバイス提供方法であって、
ベッティング情報受付部が行う、前記ユーザが使用する端末装置から、ベッティングサービスに対するベッティング情報を受け付け、前記ベッティング情報を記憶するベッティング情報受付ステップと、
生体情報受付部が行う、前記端末装置から前記ユーザの生体情報を受け付け、前記生体情報を記憶する生体情報受付ステップと、
アドバイス情報提供部が行う、前記ユーザの直近の前記ベッティング情報及び/または前記生体情報が、ベッティングの結果得られる状態に紐づくモデル情報に基づき、直近のベッティングの結果得られる状態になる可能性が閾値以上であるか判定し、閾値以上であると判定された場合、前記ユーザに対してアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供ステップと、
学習部が行う、記憶された前記ユーザ及び/または他のユーザの前記ベッティング情報及び前記生体情報に基づき、機械学習を行い、前記モデル情報を生成する学習ステップと、を備えるベッティングアドバイス提供方法。
【請求項14】
ユーザのベッティングに対するアドバイス情報を提供するベッティングアドバイス提供プログラムであって、
前記ユーザが使用する端末装置から、ベッティングサービスに対するベッティング情報を受け付け、前記ベッティング情報を記憶するベッティング情報受付ステップと、
前記端末装置から前記ユーザの生体情報を受け付け、前記生体情報を記憶する生体情報受付ステップと、
前記ユーザの直近の前記ベッティング情報及び/または前記生体情報が、ベッティングの結果得られる状態に紐づくモデル情報に基づき、直近のベッティングの結果得られる状態になる可能性が閾値以上であるか判定し、閾値以上であると判定された場合、前記ユーザに対してアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供ステップと、
記憶された前記ユーザ及び/または他のユーザの前記ベッティング情報及び前記生体情報に基づき、機械学習を行い、前記モデル情報を生成する学習ステップと、を電子計算機に実行させるための、ベッティングアドバイス提供プログラム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ユーザのベッティングに対するアドバイス情報を提供するベッティングアドバイス提供装置、ベッティングアドバイス提供システム、ベッティングアドバイス提供方法及びベッティングアドバイス提供プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
公の機関が開催し、賭け事が許可されている公営競技には、競馬、競輪、競艇、オートレース等がある。これらの公営競技では、予想の販売を行う予想販売者が存在する。また、予想販売者がネットワークを介して予想情報を販売するシステムが提案されている。例えば、特許文献1には、予想の売買を仲介する公開市場システムが開示されている。このシステムでは、予想販売者(売り手)の予想の「実績」となる的中率、回収率、回収額、販売額等の実績のデータを計算し、それを予想販売者の予想情報と共に予想購入者(買い手)に提供する。このようなシステムでは、ユーザの好みに基づいてユーザが賭けてくれそうな賭けの対象をレコメンドするようになり、ギャンブルを助長する方向に向かう傾向がある。
【0003】
このような状況に対して、ギャンブル行為が習慣化することで、ギャンブルをする本人やその家族に経済的な問題を発生させてしまうケースや、ギャンブル依存症を発生させてしまうケースが存在する。このようなケースは、ギャンブルが盛んな国では社会問題となっている。
【0004】
これに対して、例えば、特許文献2には、パチンコ、パチスロ等の遊技場において、遊技者のギャンブル依存の危険度を判断する方法が開示されている。特許文献2に記載の方法は、遊技場において遊技するために会員認証を必須とし、遊技者が遊技した日時情報と遊技のために投下した資本価値とを記録し、投下資本と回収資本との差分の平均値と分布とに基づいて警告閾値を決定し、遊技中の遊技者がこの閾値を超えたら警告するものである。これにより、ギャンブル依存への傾倒を抑制することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011-043916号公報
【特許文献2】特開2017-191406号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ギャンブルを行うユーザの心理状態は、平常心とは異なる心理状態であることが多いため、生体情報を取得して分析することにより、そのような状態を判定することが可能である。特許文献2に記載された方法は、ギャンブルにおける勝ち負けの情報で警告するものであるが、例えば、負け状態が続いていると、むしろハイリスク・ハイリターンな方向に賭けをする傾向があり、警告がむしろ逆効果になることもある。
【0007】
そこで、本開示では、ユーザの生体情報を取得し、ベッティング(賭け)情報及び/または生体情報に基づいてアドバイス情報を提供するベッティングアドバイス提供装置、ベッティングアドバイス提供システム、ベッティングアドバイス提供方法及びベッティングアドバイス提供プログラムについて説明する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様におけるベッティングアドバイス提供装置は、ユーザのベッティングに対するアドバイス情報を提供するベッティングアドバイス提供装置であって、ユーザが使用する端末装置から、ベッティングサービスに対するベッティング情報を受け付け、ベッティング情報を記憶するベッティング情報受付部と、端末装置からユーザの生体情報を受け付け、生体情報を記憶する生体情報受付部と、記憶されたユーザ及び/または他のユーザのベッティング情報及び生体情報に基づき、機械学習を行い、ベッティングの結果得られる状態に紐づくモデル情報を生成する学習部と、ユーザの直近のベッティング情報及び/または生体情報が、モデル情報に基づき、直近のベッティングの結果得られる状態になる可能性が閾値以上であるか判定し、閾値以上であると判定された場合、ユーザに対してアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供部と、を備える。
【0009】
本開示の一態様におけるベッティングアドバイス提供システムは、ユーザからのベッティングを受け付ける1または複数の端末装置と、ユーザのベッティングに対するアドバイス情報を提供するサーバ装置と、を備えるベッティングアドバイス提供システムであって、端末装置は、ベッティングサービスに係る視聴情報を受信して提供する視聴情報受信部と、ユーザから、ベッティングサービスに対するベッティング情報の入力を受け付け、サーバ装置へ送信するベッティング情報入力部と、ユーザの生体情報を取得し、サーバ装置へ送信する生体情報送信部と、を備え、サーバ装置は、端末装置からベッティング情報を受信し、ベッティング情報を記憶するベッティング情報受付部と、端末装置から生体情報を受信し、生体情報を記憶する生体情報受付部と、記憶されたユーザ及び/または他のユーザのベッティング情報及び生体情報に基づき、機械学習を行い、ベッティングの結果得られる状態に紐づくモデル情報を生成する学習部と、ユーザの直近のベッティング情報及び/または生体情報が、モデル情報に基づき、直近のベッティングの結果得られる状態になる可能性が閾値以上であるか判定し、閾値以上であると判定された場合、ユーザに対してアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供部と、を備える。
【0010】
本開示の一態様におけるベッティングアドバイス提供方法は、ユーザのベッティングに対するアドバイス情報を提供するベッティングアドバイス提供方法であって、ベッティング情報受付部が行う、ユーザが使用する端末装置からベッティングサービスに対するベッティング情報を受け付け、ベッティング情報を記憶するベッティング情報受付ステップと、生体情報受付部が行う、端末装置からユーザの生体情報を受け付け、生体情報を記憶する生体情報受付ステップと、アドバイス情報提供部が行う、ユーザの直近のベッティング情報及び/または生体情報が、ベッティングの結果得られる状態に紐づくモデル情報に基づき、直近のベッティングの結果得られる状態になる可能性が閾値以上であるか判定し、閾値以上であると判定された場合、ユーザに対してアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供ステップと、学習部が行う、記憶されたユーザ及び/または他のユーザのベッティング情報及び生体情報に基づき、機械学習を行い、モデル情報を生成する学習ステップと、を備える。
【0011】
また、本開示の一態様におけるベッティングアドバイス提供プログラムは、ユーザのベッティングに対するアドバイス情報を提供するベッティングアドバイス提供プログラムであって、ユーザが使用する端末装置から、ベッティングサービスに対するベッティング情報を受け付け、ベッティング情報を記憶するベッティング情報受付ステップと、端末装置からユーザの生体情報を受け付け、生体情報を記憶する生体情報受付ステップと、ユーザの直近のベッティング情報及び/または生体情報が、ベッティングの結果得られる状態に紐づくモデル情報に基づき、直近のベッティングの結果得られる状態になる可能性が閾値以上であるか判定し、閾値以上であると判定された場合、ユーザに対してアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供ステップと、記憶されたユーザ及び/または他のユーザのベッティング情報及び生体情報に基づき、機械学習を行い、モデル情報を生成する学習ステップと、を電子計算機に実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、ユーザからのベッティング情報を受け付けるベッティング情報受付部と、ユーザの生体情報を受け付ける生体情報受付部とを備え、ベッティング情報及び/または生体情報に基づき機械学習を行い、所定の場合にユーザに対してアドバイス情報を提供するので、ユーザの心理状態に適したアドバイスを提供することが可能である。これにより、経済的な問題の発生や、ギャンブル依存症を抑制することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示の一実施形態に係るベッティングアドバイス提供システムを示す機能ブロック構成図である。
図2図1のVRゴーグル端末200を示す機能ブロック構成図である。
図3図2のVRゴーグル端末200の外観を示す斜視図である。
図4図1のユーザ端末300を示す機能ブロック構成図である。
図5図1のベッティングアドバイス提供装置100の動作を示すフローチャートである。
図6図1のベットDB121の格納例を示す模式図である。
図7図3の表示部220に表示されるアドバイス情報の例を示す画面表示図である。
図8図3の表示部220に表示されるアドバイス情報の他の例を示す画面表示図である。
図9】本開示の一実施形態に係るベッティングアドバイス提供システムを示す機能ブロック構成図である。
図10図9のウェアラブル端末400を示す機能ブロック構成図である。
図11図10のウェアラブル端末400の外観を示す平面図である。
図12】本開示の一実施形態に係るコンピュータ700を示す機能ブロック構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また、実施形態に示される構成要素のすべてが、本開示の必須の構成要素であるとは限らない。
【0015】
(実施形態1)
<構成>
図1は、本開示の実施形態1に係るベッティングアドバイス提供システム1を示す機能ブロック構成図である。このベッティングアドバイス提供システム1は、例えばオンラインカジノや、スポーツ競技の展開を予測してベット(賭け)をするスポーツベッティング等の分野において、ユーザからのベッティングを受け付けてベッティングサービスを提供するシステムである。本実施形態におけるベッティングアドバイス提供システム1は、ベッティングをするユーザに対して、ベッティング情報及び/または生体情報に基づいて、損失が発生する恐れがある旨等のアドバイス情報を提供するシステムである。
【0016】
ベッティングアドバイス提供システム1は、ベッティングアドバイス提供装置(サーバ装置)100と、VRゴーグル端末(ウェアラブル視聴端末、端末装置)200と、ユーザ端末(端末装置)300と、ネットワークNWとを有している。ベッティングアドバイス提供装置100と、VRゴーグル端末200と、ユーザ端末300とは、ネットワークNWを介して相互に接続される。ネットワークNWは、通信を行うための通信網であり、限定ではなく例として、インターネット、イントラネット、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、ワイヤレスLAN(Wireless LAN:WLAN)、ワイヤレスWAN(Wireless WAN:WWAN)、仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network:VPN)等を含む通信網により構成されている。
【0017】
ベッティングアドバイス提供装置100は、VRゴーグル端末200に対してベッティングの対象であるカジノにおけるゲームやスポーツ競技等の視聴情報を提供すると共に、ユーザの生体情報を受け付け、ユーザ端末300からベッティングの入力を受け付け、ベッティング情報及び/または生体情報に基づいて損失が発生する恐れがある等の所定の場合に、アドバイス情報をVRゴーグル端末200に提供する装置であり、限定ではなく例として、各種Webサービスを提供するコンピュータ(デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)や、サーバ装置を含む装置等により構成されている。なお、サーバ装置は単体で動作するサーバ装置に限られず、ネットワークNWを介して通信を行うことで協調動作する分散型サーバシステムでも良い。
【0018】
VRゴーグル端末200は、仮想世界に現実の人間の動きを反映させるため、ゴーグルを装着したユーザに仮想世界を表示して視聴情報を提供する装置であり、いわゆる仮想現実を体感可能な装置である。また、このVRゴーグル端末200には、装着するユーザの生体情報、限定ではなく例として、ユーザの脳波を取得するセンサ等の装置が組み込まれている。
【0019】
ユーザ端末300は、ユーザが入力するベッティングを受け付ける装置であり、限定ではなく例として、スマートフォンや、携帯端末、コンピュータ(デスクトップ、ラップトップ、タブレットなど)等により構成されている。このユーザ端末300では、ベッティングアドバイス提供システム1のサービスの提供を受けるためのアプリがインストールされ、またはベッティングアドバイス提供装置100にアクセスするためのURL等が設定され、それらをタップまたはダブルクリック等して起動することにより、サービスが開始され、ベッティングが受け付けられる。
【0020】
ベッティングアドバイス提供装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを備える。
【0021】
通信部110は、ネットワークNWを介してVRゴーグル端末200及びユーザ端末300と有線または無線で通信を行うための通信インタフェースであり、互いの通信が実行できるのであればどのような通信プロトコルを用いても良い。この通信部110は、限定ではなく例として、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルにより通信が行われる。
【0022】
記憶部120は、各種制御処理や制御部130内の各機能を実行するためのプログラムや入力データ等を記憶するものであり、限定ではなく例として、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を含むメモリや、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等を含むストレージから構成される。また、記憶部120は、ベットDB121と、生体情報DB122と、学習モデルDB123とを記憶する。さらに、記憶部120は、VRゴーグル端末200及びユーザ端末300との間で通信を行った際のデータや、後述する各処理にて生成されたデータを一時的に記憶する。
【0023】
ベットDB121には、各ユーザがベッティングを行った時の履歴情報が、ユーザごとに格納されている。ベッティングの履歴情報は、具体的には例えば、ベッティングの対象(例として、オンラインカジノであれば〇月〇日のゲーム、スポーツ競技であれば〇月〇日の××チーム対△△チームの試合、競馬等のレースであれば〇月〇日の◇◇競馬場の第□レース、等の情報)、ベッティングを行った日付、時刻、ベットした金額、及び勝敗情報である。これらの情報は、ユーザに紐づけて格納されるが、ユーザの個人情報が特定できない場合には、VRゴーグル端末200やユーザ端末300を識別するデバイスID等に紐づけて格納されても良い。
【0024】
生体情報DB122には、VRゴーグル端末200が取得するユーザの生体情報が格納されている。生体情報とは、本実施形態ではユーザの脳波の情報であるが、これに限られず、ユーザの体温、血圧、脈拍(心拍数を含む)の情報でも良く、ユーザの身体や顔面を撮影した画像及び動画の情報であっても良い。これらの情報は、ユーザに紐づけて格納されるが、ベットDB121と同様、ユーザの個人情報が特定できない場合には、VRゴーグル端末200やユーザ端末300を識別するデバイスID等に紐づけて格納されても良い。
【0025】
学習モデルDB123には、後述する学習部134によって機械学習により生成される、ベッティングの結果得られる状態に紐づくモデル情報が格納されている。ベッティングの結果得られる状態とは、限定ではなく例として、ユーザが所定の時間内に、一定額以上の損失を発生させる状態、または、ユーザがギャンブル依存症になる状態であるが、これに限られず、後述するアドバイス情報提供部135によるアドバイスがなかった場合、ユーザが被っていたとシステムが推測した損失を回避できるという状態でも良い。
【0026】
制御部130は、記憶部120に記憶されているプログラムを実行することにより、ベッティングアドバイス提供装置100の全体の動作を制御するものであり、限定ではなく例として、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、マイクロプロセッサ(Microprocessor)、プロセッサコア(Processor core)、マルチプロセッサ(Multiprocessor)、ASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等を含む装置から構成される。制御部130の機能として、視聴情報提供部131と、ベッティング情報受付部132と、生体情報受付部133と、学習部134と、アドバイス情報提供部135とを備えている。この視聴情報提供部131、ベッティング情報受付部132、生体情報受付部133、学習部134、及びアドバイス情報提供部135は、記憶部120に記憶されているプログラムにより起動されてベッティングアドバイス提供装置100にて実行される。
【0027】
視聴情報提供部131は、ベッティングサービスの対象(例として、オンラインカジノや、スポーツ競技、競馬等のレース)に係る視聴情報(前述の例の場合、カジノにおけるゲームの中継や、スポーツ競技の試合の中継、競馬等のレースの中継)を映像情報として提供する。このとき、この視聴情報をVRゴーグル端末200で視聴可能になるように、仮想現実に対応した映像情報を提供する。
【0028】
なお、この視聴情報の提供は、別の業者による視聴情報の提供であっても良く、その場合、視聴情報提供部131を備えなくても良い。
【0029】
ベッティング情報受付部132は、ユーザ端末300が受け付けたベッティング情報を、通信部110を介して受信し、ベットDB121に記憶する。この情報は、該当のベッティングサービスの精算に利用されるほか、後述する学習部134による機械学習の対象になる情報である。
【0030】
生体情報受付部133は、VRゴーグル端末200が取得したユーザの生体情報を、通信部110を介して受信し、生体情報DB122に記憶する。この情報は、後述する学習部134による機械学習の対象になる情報である。
【0031】
学習部134は、ベットDB121に格納されているベッティングの履歴情報、及び生体情報DB122に格納されている生体情報に基づき、機械学習を行い、ベッティングの結果得られる所定の状態に紐づくモデル情報を生成する。具体的には、限定ではなく例として、当該ユーザの過去のベッティングの履歴情報と、そのときの当該ユーザの生体情報、本実施形態では当該ユーザの脳波の情報から機械学習を行う。そのベッティングの結果、当該ユーザが所定の時間内に、一定額以上の損失を発生させたケースを教師データとし、モデル情報として生成する。この場合、例えば、機械学習を行うベッティングの履歴情報は、同日の複数回のベッティング情報や、数時間以内の複数回のベッティング情報を一連のベッティング情報とする。同日の複数回のベッティングの結果、所定の時間内に、一定額以上の損失を発生させる確率の高いことを判別するためのモデルケースとするためである。
【0032】
このときの教師データは、当該ユーザ自身のベッティングの履歴情報、及び生体情報とは限られず、他のユーザのベッティングの履歴情報、及び生体情報を教師データとしても良い。この場合、他のユーザの情報を取得するために、当該他のユーザから同意を得た場合に限り、情報取得をしても良い。
【0033】
他の例として、ギャンブル依存症になった他のユーザの過去のベッティングの履歴情報と、そのときの当該他のユーザの生体情報(当該他のユーザの脳波の情報)から機械学習を行う。そのベッティングの結果、当該他のユーザがギャンブル依存症になったため、このケースを教師データとし、モデル情報として生成する。この場合、例えば、機械学習を行うベッティングの履歴情報は、例えば数カ月から数年間のベッティング情報を対象とする。ギャンブル依存症になるケースは個人差があり、数日程度のベッティングの履歴情報だけではギャンブル依存症になる確率の高いことを判別するモデル情報の生成は困難であるからである。
【0034】
このように、機械学習を行うベッティングの履歴情報、及び生体情報は、生成しようとするモデル情報により、期間や範囲が異なっても良い。実情を反映したモデル情報を生成するために必要であるからである。
【0035】
また、学習部134による機械学習は、個人のベッティングの履歴情報を扱うため、機械学習を行うために充分な情報量が得られないこともある。そのため、断片的な情報を補完するために情報のスパース性を利用した情報抽出技術である、スパースモデリングを適用しても良い。これにより、少ない情報量から特徴量を抽出することが可能となる。
【0036】
アドバイス情報提供部135は、学習部134によって生成されたモデル情報に基づいて、ユーザの直近、例えば同日や数時間以内の複数回のベッティング情報と、そのときの当該ユーザの生体情報が、ベッティングの結果得られる所定の状態になる可能性が閾値以上であるか判定する。ベッティングの結果得られる所定の状態とは、前述のように、当該ユーザが所定の時間内に、一定額以上の損失を発生させる状態や、ギャンブル依存症になる状態をいう。この可能性が所定の閾値以上であると判定された場合、ユーザに対してアドバイス情報を提供する。
【0037】
具体的には、例えば、学習部134によって生成されたモデル情報が、ベッティングの結果が負けの状態が連続しており、それに従ってベッティングの動作を行う時間間隔が短くなり、脳波に変化が見られ、その結果所定の損失が発生していたとする。当該ユーザが新たにベッティングを開始し、何度か負けの状態が連続し、モデル情報と似たようにベッティングの動作を行う時間間隔が短くなり、脳波に変化が見られたとすると、アドバイス情報提供部135は、負けがさらに積み重なり、所定の損失が発生する可能性が高い状態であると判定する。そして、アドバイス情報提供部135は、ユーザに対してアドバイス情報、例えば「〇〇円の損失が発生する恐れがあります!」のような情報を提供する。
【0038】
また、例えば、学習部134によって生成されたモデル情報が、長期的にベッティングを行っており、その期間間隔が徐々に短くなり、また、ベッティングの金額も大きくなり、その結果、当該ユーザがギャンブル依存症と診断されたものとする。別のユーザが、長期的にベッティングを行っており、その期間間隔が徐々に短くなっており、また、ベッティングの金額も大きくなっていた場合、アドバイス情報提供部135は、当該ユーザはギャンブル依存症になる可能性が高い状態であると判定する。そして、アドバイス情報提供部135は、ユーザに対してアドバイス情報、例えば「ギャンブル依存症の恐れがあります!」のような情報を提供する。
【0039】
図2は、図1のVRゴーグル端末200を示す機能ブロック構成図である。また、図3は、図2のVRゴーグル端末200の外観を示す斜視図である。VRゴーグル端末200は、前述のように仮想現実を体感可能な装置であり、図3に示す本体部201をユーザの目を覆うように装着し、バンド202で頭部に固定することにより、本体部201の内側に設けられた表示部220によって仮想現実に対応した映像情報が表示されるようになっている。VRゴーグル端末200は、図2に示すように、通信部210と、表示部220と、位置情報検知部230と、生体情報検知部240と、記憶部250と、制御部260とを備える。
【0040】
通信部210は、ネットワークNWを介してベッティングアドバイス提供装置100と有線または無線で通信を行うための通信インタフェースであり、互いの通信が実行できるのであればどのような通信プロトコルを用いても良い。この通信部210は、限定ではなく例として、TCP/IP等の通信プロトコルにより通信が行われる。
【0041】
表示部220は、仮想現実に対応した映像情報を表示するために用いられるユーザインタフェースであり、限定ではなく例として、液晶ディスプレイ等から構成される。この表示部220は、仮想現実に対応した映像情報を表示させるため、人間の視野角と同様の映像情報を提供できるような構成となっている。また、表示部220に表示される視聴情報を人間の目で立体的に視認することが出来るように、立体視レンズが設けられている。
【0042】
位置情報検知部230は、ユーザが身体を動かしたときに、表示部220に表示される視聴映像がその動きに合わせて動くように、ユーザの頭部の向きや動きを検知するための装置である。この位置情報検知部230は、限定ではなく例として、ジャイロセンサや加速度センサ等により構成されている。
【0043】
生体情報検知部240は、ユーザの生体情報を取得する装置であり、限定ではなく例として、ユーザの脳波の情報を取得する脳波センサにより構成されている。この生体情報検知部240は、例えば、図3に示すように、VRゴーグル端末200をユーザが装着した際に、ユーザの頭部に接触するように、本体部201の内側面等に配置されている。
【0044】
記憶部250は、各種制御処理や制御部260内の各機能を実行するためのプログラムや入力データ等を記憶するものであり、限定ではなく例として、RAM、ROM等を含むメモリや、HDD、SSD、フラッシュメモリ等を含むストレージから構成される。また、記憶部250は、ベッティングアドバイス提供装置100と通信を行ったデータや、後述する各処理にて生成されたデータを一時的に記憶する。
【0045】
制御部260は、記憶部250に記憶されているプログラムを実行することにより、VRゴーグル端末200の全体の動作を制御するものであり、限定ではなく例として、CPU、MPU、GPU、マイクロプロセッサ等を含む装置から構成される。制御部260の機能として、視聴情報表示部(視聴情報受信部)261と、生体情報取得部(生体情報送信部)262とを備えている。この視聴情報表示部261及び生体情報取得部262は、記憶部250に記憶されているプログラムにより起動されてVRゴーグル端末200にて実行される。
【0046】
視聴情報表示部261は、ベッティングアドバイス提供装置100の視聴情報提供部131から提供され、通信部210を介して受信した視聴情報を、表示部220に表示させる。
【0047】
生体情報取得部262は、生体情報検知部240から取得したユーザの生体情報、具体的には脳波の情報を受け付け、通信部210を介してベッティングアドバイス提供装置100へ送信する。
【0048】
図4は、図1のユーザ端末300を示す機能ブロック構成図である。ユーザ端末300は、通信部310と、表示操作部320と、記憶部330と、制御部340とを備える。
【0049】
通信部310は、ネットワークNWを介してベッティングアドバイス提供装置100と有線または無線で通信を行うための通信インタフェースであり、互いの通信が実行できるのであればどのような通信プロトコルを用いても良い。この通信部310は、限定ではなく例として、TCP/IP等の通信プロトコルにより通信が行われる。
【0050】
表示操作部320は、ユーザがベッティング情報を入力し、情報表示を行うために用いられるインタフェースであり、限定ではなく例として、タッチパネル等から構成される。
【0051】
記憶部330は、各種制御処理や制御部340内の各機能を実行するためのプログラムや入力データ等を記憶するものであり、限定ではなく例として、RAM、ROM等を含むメモリや、HDD、SSD、フラッシュメモリ等を含むストレージから構成される。また、記憶部330は、ベッティングアドバイス提供装置100と通信を行ったデータや、後述する各処理にて生成されたデータを一時的に記憶する。
【0052】
制御部340は、記憶部330に記憶されているプログラムを実行することにより、ユーザ端末300の全体の動作を制御するものであり、限定ではなく例として、CPU、MPU、GPU、マイクロプロセッサ等を含む装置から構成される。制御部340の機能として、ベッティング情報入力部341を備えている。このベッティング情報入力部341は、記憶部330に記憶されているプログラムにより起動されてユーザ端末300にて実行される。
【0053】
ベッティング情報入力部341は、ベッティングサービスの対象(例として、オンラインカジノや、スポーツ競技、競馬等のレース)に係る、ユーザからのベッティング情報の入力を受け付け、ベッティングアドバイス提供装置100へ送信する。
【0054】
<処理の流れ>
図5を参照しながら、ベッティングアドバイス提供システム1のベッティングアドバイス提供装置100が実行するベッティングアドバイス提供方法の一例の処理の流れについて説明する。図5は、図1のベッティングアドバイス提供装置100の動作を示すフローチャートである。
【0055】
ステップS101の処理として、ユーザがユーザ端末300で所定の認証操作を行い、ベッティングアドバイス提供装置100にログインするので、ベッティングアドバイス提供装置100の視聴情報提供部131では、このユーザに対するベッティングサービスの対象に係る視聴情報が、映像情報として提供される。
【0056】
ステップS102の処理として、ユーザがユーザ端末300でベッティング情報を入力するので、入力されたベッティング情報は通信部110を介して受信される。ベッティングアドバイス提供装置100では、ベッティング情報がベッティング情報受付部132で受け付けられる。
【0057】
ステップS103の処理として、ベッティング情報受付部132では、ステップS102で受け付けられたベッティング情報を、ベットDB121に記憶させる。
【0058】
図6は、図1のベットDB121の格納例を示す模式図である。ベットDB121には、図6に示すデバイスIDに紐づいて、図6に示すベットDB121の列名に対応して、ベッティング情報が含まれる。
【0059】
デバイスIDは、VRゴーグル端末200やユーザ端末300を識別する識別情報である。前述のように、ベッティング情報を格納するベットDB121はユーザの情報に紐づけて格納しても良く、その場合はユーザを識別するユーザ識別情報が格納される。ベッティング情報には、ベッティングを行った日付、時刻、ベッティングの掛け金、及びベッティングの結果である勝敗の情報が格納されている。
【0060】
ステップS104の処理として、ユーザがVRゴーグル端末200を装着してベッティングサービスの対象に係る視聴情報を視聴すると、VRゴーグル端末200の生体情報取得部262では、ユーザの生体情報が取得されてベッティングアドバイス提供装置100へ送信される。ベッティングアドバイス提供装置100では、ユーザの生体情報が通信部110を介して受信され、生体情報受付部133で受け付けられる。
【0061】
ステップS105の処理として、生体情報受付部133では、ステップS104で受け付けられた生体情報を、生体情報DB122に記憶させる。
【0062】
ステップS106の処理として、アドバイス情報提供部135では、過去のベッティングの履歴情報、及び生体情報に基づいて学習部134にて生成されたモデル情報に基づき、ユーザの直近、例えば同日や数時間以内の複数回のベッティング情報と、そのときの当該ユーザの生体情報が、ベッティングの結果得られる所定の状態になる可能性が閾値以上であるか判定される。閾値以上であると判定された場合、ステップS107の処理が行われ、閾値以上でないと判定された場合、ステップS108の処理が行われる。
【0063】
ステップS107の処理として、アドバイス情報提供部135では、ユーザに対して所定のアドバイス情報が提供される。
【0064】
図7は、図3の表示部220に表示されるアドバイス情報の例を示す画面表示図である。図7に示すように、VRゴーグル端末200の表示部220におけるユーザの視界の範囲内、例えば表示部220の下側であるメッセージ表示部221に、ステップS107におけるユーザに対する所定のアドバイス情報が表示される。このアドバイス情報は、点滅して強調して表示しても良く、メッセージ表示部221を右から左方向へスクロールさせて表示しても良い。また、このとき、VRゴーグル端末200の機能である音声出力でもメッセージが表示されていることを報知しても良い。図7では、モデル情報の例である、所定の損失が発生する可能性が高いと判定された場合の例が表示されている。
【0065】
図8は、図3の表示部220に表示されるアドバイス情報の他の例を示す画面表示図である。図7と同様に、表示部220のメッセージ表示部221に、モデル情報の例である、ギャンブル依存症になる可能性が高いと判定された場合の例が表示されている。
【0066】
ステップS108の処理として、学習部134では、新たにベットDB121に格納されたベッティングの履歴情報、及び生体情報DB122に格納された生体情報に基づき、機械学習が行われ、ベッティングの結果得られる所定の状態に紐づくモデル情報が生成される。このときに用いられるベッティングの履歴情報は、ベットDB121に格納されているベッティングの対象、ベッティングを行った日付及び時刻から算出されるベッティングの間隔、回数、継続時間、ベッティングの時間帯、ベッティング金額、及び勝敗情報である。
【0067】
また、機械学習の対象となるベッティングの履歴情報には、ユーザ端末300を操作する際の操作画面を押下する強度が含まれても良い。強度の情報は、ユーザ端末300に圧力センサ等を設けることにより取得可能である。
【0068】
このように、学習部134によって生成される、ユーザの心理状態を反映させる生体情報によるモデル情報に基づき、アドバイス情報提供部135によって所定のアドバイス情報が提供されることで、そのときのユーザの心理状態に適したアドバイスを提供することが出来る。
【0069】
<効果>
以上のように、本実施形態に係るベッティングアドバイス提供装置、ベッティングアドバイス提供システム及びベッティングアドバイス提供方法は、学習部により、ベッティングの履歴情報及び生体情報に基づき、機械学習が行われ、ベッティングの結果得られる所定の状態に紐づくモデル情報が生成され、アドバイス情報提供部により、所定の状態になる可能性が閾値以上であるか判定され、閾値以上であると判定された場合に所定のアドバイス情報が提供される。そのため、ユーザの心理状態を反映させる生体情報により所定のアドバイス情報が提供されるので、そのときのユーザの心理状態に適したアドバイスを提供することが出来る。これにより、経済的な問題の発生や、ギャンブル依存症を抑制することが可能である。
【0070】
また、VRゴーグル端末に設けられた生体情報取得部により、生体情報が取得されて機械学習の対象とされるので、ユーザは自己の生体情報が取得されていることを意識することなくベッティングを行うことが出来る。そのため、恣意的でない生体情報の取得が可能である。
【0071】
(実施形態2)
図9は、本開示の実施形態2に係るベッティングアドバイス提供システム1Aを示す機能ブロック構成図である。このベッティングアドバイス提供システム1Aは、ユーザからのベッティングを受け付けてベッティングサービスを提供するシステムである点において、実施形態1に係るベッティングアドバイス提供システム1と同様であるが、システムの構成として、ウェアラブル端末400を有している点において、実施形態1に係るベッティングアドバイス提供システム1と異なる。その他の構成及び処理の流れについては、実施形態1と同様である。
【0072】
本実施形態では、実施形態1におけるVRゴーグル端末200の生体情報取得部262にて取得される生体情報に加えて、または生体情報取得部262にて取得される生体情報に加えて、ウェアラブル端末400からも生体情報を取得し、機械学習の対象として利用される。生体情報の種類が多くなることで、より正確なモデル情報の生成が可能になるからである。なお、本実施形態において、ウェアラブル端末400から取得する生体情報のみを機械学習の対象として利用しても良く、この場合、VRゴーグル端末200に生体情報検知部240及び生体情報取得部262を備えなくても良い。
【0073】
ウェアラブル端末400は、ユーザの身体に装着されてユーザの生体情報が取得される装置であり、限定ではなく例として、腕時計型のウェアラブル端末等により構成されている。このウェアラブル端末400は、例えばユーザ端末300と連動しており、ユーザ端末300でベッティングサービスのアプリを起動することにより、生体情報の取得が行われる。
【0074】
図10は、図9のウェアラブル端末400を示す機能ブロック構成図である。また、図11は、図10のウェアラブル端末400の外観を示す平面図である。ウェアラブル端末400は、腕時計型のウェアラブル端末であり、図11に示す本体部401をユーザの手首に接触させ、ベルト402でユーザの手首に巻き付けて装着される。ウェアラブル端末400は、図10に示すように、通信部410と、表示操作部420と、生体情報検知部430と、記憶部440と、制御部450とを備える。
【0075】
通信部410は、ネットワークNWを介してベッティングアドバイス提供装置100及びユーザ端末300と有線または無線で通信を行うための通信インタフェースであり、互いの通信が実行できるのであればどのような通信プロトコルを用いても良い。この通信部410は、限定ではなく例として、TCP/IP等の通信プロトコルにより通信が行われる。
【0076】
表示操作部420は、ユーザが各種操作情報を入力し、情報表示を行うために用いられるインタフェースであり、限定ではなく例として、タッチパネル等から構成される。この表示操作部420は、図11に示すように、本体部401の表面側に配置されている。
【0077】
生体情報検知部430は、ユーザの生体情報を取得する装置であり、限定ではなく例として、ユーザの体温、血圧、脈拍の情報を取得する生体情報取得センサにより構成されている。この生体情報検知部430は、例えば、図11に示すように、本体部401の裏面側に配置されている。
【0078】
記憶部440は、各種制御処理や制御部450内の各機能を実行するためのプログラムや入力データ等を記憶するものであり、限定ではなく例として、RAM、ROM等を含むメモリや、HDD、SSD、フラッシュメモリ等を含むストレージから構成される。また、記憶部440は、ベッティングアドバイス提供装置100及びユーザ端末300と通信を行ったデータや、後述する各処理にて生成されたデータを一時的に記憶する。
【0079】
制御部450は、記憶部440に記憶されているプログラムを実行することにより、ウェアラブル端末400の全体の動作を制御するものであり、限定ではなく例として、CPU、MPU、GPU、マイクロプロセッサ等を含む装置から構成される。制御部450の機能として、生体情報取得部451を備えている。この生体情報取得部451は、記憶部440に記憶されているプログラムにより起動されてウェアラブル端末400にて実行される。
【0080】
生体情報取得部451は、生体情報検知部430から取得したユーザの生体情報、具体的には体温、血圧、脈拍の情報を受け付け、通信部410を介してベッティングアドバイス提供装置100へ送信する。
【0081】
本実施形態に係るベッティングアドバイス提供装置100の生体情報受付部133は、VRゴーグル端末200が取得したユーザの生体情報と、ウェアラブル端末400が取得したユーザの生体情報とを、通信部110を介して受信し、生体情報DB122に記憶する。
【0082】
本実施形態に係るベッティングアドバイス提供装置100の学習部134は、生体情報DB122に格納されている生体情報として、ユーザの体温、血圧、脈拍の情報に基づき、機械学習を行い、モデル情報を生成する。より多くの種類の生体情報から、機械学習を行うことで、より正確なモデル情報の生成が可能になる。
【0083】
本実施形態によれば、上記実施形態1の効果に加え、ウェアラブル端末から異なる種類の生体情報を取得し、機械学習を行い、モデル情報を生成する。これにより、より多くの種類の生体情報から機械学習が行われることで、より正確なモデル情報の生成が可能になる。
【0084】
(実施形態3(プログラム))
図12は、コンピュータ(電子計算機)700の構成の例を示す機能ブロック構成図である。コンピュータ700は、CPU701、主記憶装置702、補助記憶装置703、インタフェース704を備える。
【0085】
ここで、実施形態1及び2に係る視聴情報提供部131と、ベッティング情報受付部132と、生体情報受付部133と、学習部134と、アドバイス情報提供部135を構成する各機能を実現するための制御プログラム(ベッティングアドバイス提供プログラム)の詳細について説明する。これらの機能ブロックは、コンピュータ700に実装される。そして、これらの各構成要素の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置703に記憶されている。CPU701は、プログラムを補助記憶装置703から読み出して主記憶装置702に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU701は、プログラムに従って、上述した記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置702に確保する。
【0086】
当該プログラムは、具体的には、コンピュータ700において、ユーザが使用する端末装置から、ベッティングサービスに対するベッティング情報を受け付け、ベッティング情報を記憶するベッティング情報受付ステップと、端末装置からユーザの生体情報を受け付け、生体情報を記憶する生体情報受付ステップと、ユーザの直近のベッティング情報及び/または生体情報が、ベッティングの結果得られる状態に紐づくモデル情報に基づき、直近のベッティングの結果得られる状態になる可能性が閾値以上であるか判定し、閾値以上であると判定された場合、ユーザに対してアドバイス情報を提供するアドバイス情報提供ステップと、記憶されたユーザ及び/または他のユーザのベッティング情報及び生体情報に基づき、機械学習を行い、モデル情報を生成する学習ステップと、をコンピュータによって実現する制御プログラムである。
【0087】
なお、補助記憶装置703は、一時的でない有形の媒体の一例である。一時的でない有形の媒体の他の例としては、インタフェース704を介して接続される磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、DVD-ROM、半導体メモリ等が挙げられる。また、このプログラムがネットワークを介してコンピュータ700に配信される場合、配信を受けたコンピュータ700が当該プログラムを主記憶装置702に展開し、上記処理を実行してもよい。
【0088】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能を補助記憶装置703に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0089】
以上、開示に係る実施形態について説明したが、これらはその他の様々な形態で実施することが可能であり、種々の省略、置換および変更を行なって実施することが出来る。これらの実施形態および変形例ならびに省略、置換および変更を行なったものは、特許請求の範囲の技術的範囲とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0090】
1,1A ベッティングアドバイス提供システム、100 ベッティングアドバイス提供装置(サーバ装置)、110 通信部、120 記憶部、121 ベットDB、122 生体情報DB、123 学習モデルDB、130 制御部、131 視聴情報提供部、132 ベッティング情報受付部、133 生体情報受付部、134 学習部、135 アドバイス情報提供部、200 VRゴーグル端末(ウェアラブル視聴端末、端末装置)、210 通信部、220 表示部、230 位置情報検知部、240 生体情報検知部、250 記憶部、260 制御部、261 視聴情報表示部、262 生体情報取得部、300 ユーザ端末(端末装置)、310 通信部、320 表示操作部、330 記憶部、340 制御部、341 ベッティング情報入力部、400 ウェアラブル端末、410 通信部、420 表示操作部、430 生体情報検知部、440 記憶部、450 制御部、451 生体情報取得部、NW ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図12