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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022159590
(43)【公開日】2022-10-18
(54)【発明の名称】管理機制御システム
(51)【国際特許分類】
   A01B 69/00 20060101AFI20221011BHJP
   A01B 33/04 20060101ALI20221011BHJP
   A01D 75/18 20060101ALI20221011BHJP
【FI】
A01B69/00 303Z
A01B33/04
A01D75/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021063867
(22)【出願日】2021-04-05
(71)【出願人】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】100162031
【弁理士】
【氏名又は名称】長田 豊彦
(74)【代理人】
【識別番号】100175721
【弁理士】
【氏名又は名称】高木 秀文
(72)【発明者】
【氏名】瀬崎 恵一
【テーマコード(参考)】
2B033
2B043
2B085
【Fターム(参考)】
2B033AA06
2B033AB01
2B033ED13
2B033ED14
2B033ED20
2B043BA01
2B043EA11
2B043EB08
2B043EB14
2B043EB18
2B043EB30
2B043EC03
2B043ED12
2B043ED15
2B043ED30
2B043EE01
2B043EE05
2B043EE10
2B085AA10
2B085BE42
(57)【要約】
【課題】歩行型管理機の運転の利便性を向上させることができる管理機制御システムを提供する。
【解決手段】歩行型管理機10を運転する作業者の音声を取得可能な音声取得部(マイク34)と、前記音声取得部(マイク34)により取得された作業者の音声に基づいて、前記歩行型管理機10の動作を制御する音声制御S50を実行することができる制御部(制御手段35)と、を具備する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行型管理機を運転する作業者の音声を取得可能な音声取得部と、
前記音声取得部により取得された作業者の音声に基づいて、前記歩行型管理機の動作を制御する音声制御を実行することができる制御部と、
を具備する、
管理機制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、
前記音声制御において、前記音声取得部により第一の音声が取得された場合に、前記歩行型管理機の駆動源の始動を行う制御が可能である、
請求項1に記載の管理機制御システム。
【請求項3】
前記制御部は、
前記音声制御において、前記音声取得部により第二の音声が入力された場合に、前記歩行型管理機の駆動速度の減速又は駆動の停止を行う制御が可能である、
請求項1又は請求項2に記載の管理機制御システム。
【請求項4】
第一の通信部と、
前記歩行型管理機の駆動源に設けられ、前記第一の通信部と無線通信可能な第二の通信部と、を具備し、
前記制御部は、
前記第一の通信部及び前記第二の通信部を介した無線通信を用いて前記音声制御を実行することができる、
請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の管理機制御システム。
【請求項5】
前記音声取得部及び前記第一の通信部を有し、携帯可能な端末と、
前記歩行型管理機に設けられ、前記端末を着脱可能な取付部と、
を具備する、
請求項4に記載の管理機制御システム。
【請求項6】
前記取付部は、
前記歩行型管理機のハンドルに設けられる、
請求項5に記載の管理機制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、歩行型管理機の動作を制御する管理機制御システムの技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、作業者により運転可能な歩行型管理機の技術は公知となっている。例えば、特許文献1に記載の如くである。
【0003】
特許文献1には、操縦用のハンドルを備えた歩行型管理機が開示されている。
【0004】
上記特許文献1に記載された歩行型管理機は、作業者のハンドルを用いた操縦により運転を行うことができる。このような歩行型管理機は、機械の操作に慣れた農業就業者だけでなく、趣味で家庭菜園を行う主婦や高齢者等、年齢や性別を問わずに利用される機会が多い。このような機械の操作に不慣れな利用者のためにも、歩行型管理機の運転の利便性のさらなる向上が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-18243公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、以上の如き状況を鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、歩行型管理機の運転の利便性を向上させることができる管理機制御システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、歩行型管理機を運転する作業者の音声を取得可能な音声取得部と、前記音声取得部により取得された作業者の音声に基づいて、前記歩行型管理機の動作を制御する音声制御を実行することができる制御部と、を具備するものである。
【0009】
請求項2においては、前記制御部は、前記音声制御において、前記音声取得部により第一の音声が取得された場合に、前記歩行型管理機の駆動源の始動を行う制御が可能であるものである。
【0010】
請求項3においては、前記制御部は、前記音声制御において、前記音声取得部により第二の音声が入力された場合に、前記歩行型管理機の駆動速度の減速又は駆動の停止を行う制御が可能であるものである。
【0011】
請求項4においては、第一の通信部と、前記歩行型管理機の駆動源に設けられ、前記第一の通信部と無線通信可能な第二の通信部と、を具備し、前記制御部は、前記第一の通信部及び前記第二の通信部を介した無線通信を用いて前記音声制御を実行することができるものである。
【0012】
請求項5においては、前記音声取得部及び前記第一の通信部を有し、携帯可能な端末と、前記歩行型管理機に設けられ、前記端末を着脱可能な取付部と、を具備するものである。
【0013】
請求項6においては、前記取付部は、前記歩行型管理機のハンドルに設けられるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
【0015】
請求項1においては、歩行型管理機の運転の利便性を向上させることができる。
【0016】
請求項2においては、歩行型管理機の運転の利便性をより向上させることができる。
【0017】
請求項3においては、歩行型管理機の運転の利便性をより向上させることができる。
【0018】
請求項4においては、第一の通信部及び第二の通信部を介して音声制御を実行することができる。
【0019】
請求項5においては、携帯可能な端末を用いて、作業者の音声を入力することができる。
【0020】
請求項6においては、端末を、作業者の音声を入力し易い位置に配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の第一実施形態に係る管理機制御システムを示した側面図。
図2】同じく拡大平面図。
図3】同じくブロック図。
図4】管理機制御システムが実行可能な制御を示したブロック図。
図5】(a)第一の画像制御を示したフローチャート。(b)第二の画像制御を示したフローチャート。
図6】(a)第一の画像のうち作業者の画像が占める割合が、所定の値を超えている状態を示した模式図。(b)第一の画像のうち作業者の画像が占める割合が、所定の値以下である状態を示した模式図。
図7】(a)画像制御として、作業者の画像の傾きに基づいて優先制御を実行する態様を示した模式図。(b)画像制御として、作業者の画像の表情に基づいて優先制御を実行する態様を示した模式図。
図8】(a)傾き制御を示したフローチャート。(b)加速度制御を示したフローチャート。
図9】(a)第一の音声制御を示したフローチャート。(b)第二の音声制御を示したフローチャート。
図10】(a)心拍数情報制御を示したフローチャート。(b)発汗情報制御を示したフローチャート。
図11】把持力制御を示したフローチャート。
図12】本発明の第二実施形態に係る管理機制御システムを示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下では、図中の矢印U、矢印D、矢印F、矢印B、矢印L及び矢印Rで示した方向を、それぞれ上方向、下方向、前方向、後方向、左方向及び右方向と定義して説明を行う。
【0023】
以下では、図1から図11までを参照して、本発明の第一実施形態に係る管理機制御システム1について説明する。
【0024】
図1から図3までに示す管理機制御システム1は、作業者による操作と、所定の制御とにより、歩行型管理機10の運転を行うことができるものである。より詳細には、管理機制御システム1は、歩行型管理機10の運転に関する情報に基づいて、上記所定の制御として後述する優先制御S10を実行することができる。ここで、「運転に関する情報」とは、運転時の歩行型管理機10や作業者に関するあらゆる情報を指す。管理機制御システム1は、歩行型管理機10、端末30、取付部40及びグリップセンサ50を具備する。
【0025】
図1に示す歩行型管理機10は、機体フレーム11、車輪12、エンジン13、燃料タンク14、ボンネット15、カバー16、ミッションケース17、耕耘爪18、耕耘カバー19、クラッチ機構20、ハンドルフレーム21、ハンドル連結部22及び操縦ハンドル23等を具備する。
【0026】
機体フレーム11は、板材を適宜折り曲げて形成される部材である。機体フレーム11は、左右一対の車輪12に支持される。エンジン13は、機体フレーム11に載置される。なお、エンジン13の詳細な説明は後述する。燃料タンク14は、エンジン13の後方に配置される。当該エンジン13及び燃料タンク14は、ボンネット15によって覆われる。エンジン13の左側方には、エンジン13の動力をミッションケース17に伝達するクラッチ機構20を覆うカバー16が設けられる。
【0027】
ミッションケース17は、エンジン13からの動力を、車輪12や回転軸17bに伝達する変速機構17aを収容するケースである。変速機構17aは、車輪12や回転軸17bの駆動速度の変速を行う操作が可能な変速レバー17cを備える。回転軸17bには、耕耘爪18が固定される。耕耘爪18の上部は、耕耘カバー19で覆われる。
【0028】
クラッチ機構20は、エンジン13から変速機構17a(車輪12や耕耘爪18)への動力の伝達の可否を切り替えるためのものである。本実施形態のクラッチ機構20としては、プーリに巻回されたベルトに張力(テンション)を付与することで動力を伝達可能とする、いわゆるベルトテンションクラッチを想定している。
【0029】
耕耘カバー19の上方には、ハンドルフレーム21が配置される。ハンドルフレーム21は、操縦ハンドル23を支持するためのフレームである。ハンドルフレーム21は、後上方へ延びるように形成される。ハンドルフレーム21の後上端部には、ハンドル連結部22を介して操縦ハンドル23が取り付けられる。
【0030】
以下では、図1及び図2を用いて、操縦ハンドル23について説明する。操縦ハンドル23は、作業者が歩行型管理機10を操縦するためのものである。図2に示すように、操縦ハンドル23は、平面視で略三角形状の枠(フレーム)状に形成される。操縦ハンドル23は、ハンドル連結部22から後上方へ延びるように形成される。操縦ハンドル23は、断面視で略円形状の部材を適宜折り曲げて形成される。操縦ハンドル23は、側部23a、後部23b、横架部23c及びハンドル操作部24を具備する。
【0031】
図2に示す側部23aは、操縦ハンドル23の左右両側部を構成する部分である。側部23aは、ハンドル連結部22から、互いに左右方向に離間するように後方(後上方)へ延びる。
【0032】
後部23bは、操縦ハンドル23の後部を構成する部分である。後部23bは、左右の側部23aの後端部同士を連結するように左右方向に延びる。後部23bは、作業者の手指により把持される。
【0033】
横架部23cは、左右の側部23aの前後方向途中部同士を連結する部分である。横架部23cは、操縦ハンドル23の前後方向中央部よりも後方に位置するように設けられる。横架部23cを設けたことで、操縦ハンドル23を補強することができる。
【0034】
図2及び図3に示すハンドル操作部24は、歩行型管理機10の運転に関する各種の操作を行う部分である。ハンドル操作部24は、操縦ハンドル23に設けられる。ハンドル操作部24は、クラッチレバー24a、エンジンスイッチ24b、始動スイッチ24c及びスロットルレバー24dを具備する。
【0035】
クラッチレバー24aは、クラッチ機構20の作動の操作が可能なレバーである。クラッチレバー24aは、ケーブル(不図示)を介してクラッチ機構20と接続される。クラッチレバー24aは、左右の側部23aの前後方向途中部(横架部23cの後方)の間に設けられる。作業者が、クラッチレバー24aを握るように操作すれば、図1に示すようにクラッチレバー24aは、左右の側部23aに対して左側面視時計回りに回動する。また、クラッチレバー24aは、作業者が手を離せば、自動的に操作前の位置に戻る。
【0036】
エンジンスイッチ24bは、エンジン13を始動可能な状態と、エンジン13を停止する状態と、を切り替える操作が可能なスイッチである。エンジンスイッチ24bは、適宜の回転操作により、エンジン13を始動可能とする運転位置と、エンジン13を停止する停止位置とに切り替えられる。また、エンジンスイッチ24bは、上記回転操作に加えて、押圧操作が可能とされている。エンジンスイッチ24bは、押圧操作がされることで運転位置から停止位置に切り替え可能とされている。また、エンジンスイッチ24bとしては、例えば、特定のキー(鍵)をシリンダーに差し込んだ状態で当該キーを介した操作を行うものを採用可能である。
【0037】
始動スイッチ24cは、エンジン13を始動させるためのスイッチである。始動スイッチ24cとしては、押圧操作が可能なスイッチを採用可能である。
【0038】
スロットルレバー24dは、エンジン13の出力(回転数)制御の操作が可能なレバーである。スロットルレバー24dは、レバーの操作量を検知する適宜のセンサを有する。スロットルレバー24dとしては、適宜の回転操作が可能なレバーを採用可能である。
【0039】
以下では、図3を用いて、エンジン13の詳細について説明する。エンジン13としては、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の燃料を用いて駆動する種々のエンジンを採用可能である。エンジン13は、エンジン制御部13a及び通信部13bを具備する。
【0040】
エンジン制御部13aは、所定の情報に基づいて、エンジン13の始動や停止、駆動速度の変更等の制御が可能なものである。エンジン制御部13aとしては、適宜のエンジンコントロールユニット(エンジンコントロールモジュール)を採用可能である。エンジン制御部13aは、エンジンスイッチ24b、始動スイッチ24c及びスロットルレバー24dと電気的に接続されており、エンジンスイッチ24b、始動スイッチ24c及びスロットルレバー24dの操作に基づいて、エンジン13の動作の制御を行うことができる。エンジン制御部13aは、歩行型管理機10に設けられた適宜のバッテリーまたはオルタネータからの電力を用いて動作可能である。
【0041】
通信部13bは、エンジン13の運転制御に関する情報を無線通信可能なものである。通信部13bは、エンジン13の外部(例えば後述する端末30)から送信された情報を受信することができる。通信部13bによる情報の通信には、例えば「ブルートゥース(Bluetooth)」(登録商標)等の無線通信技術を採用可能である。なお、通信部13bが用いる無線通信技術としては、上述した例に限られず、例えばWi‐Fi(登録商標)等の種々の無線通信技術を採用可能である。通信部13bは、エンジン制御部13aと情報をやりとり可能なように(有線又は無線を問わず)電気的に接続される。
【0042】
エンジン制御部13a及び通信部13bは、エンジン13に一体的に設けられる。本実施形態に係るエンジン13によれば、エンジン13、エンジン制御部13a及び通信部13bを一体的に取り扱うことができ、エンジン13の組付けや交換の際の作業性を向上させることができる。
【0043】
以下では、上述の如く構成された歩行型管理機10の動作について説明する。
【0044】
エンジンスイッチ24bを運転位置にした状態で、始動スイッチ24cが押圧操作された場合、エンジン13の始動の信号がエンジン制御部13aに送信され、エンジン制御部13aが上記信号を検出することができる。エンジン制御部13aは、上記信号を検出した場合、エンジン13に設けられた適宜のセルモーター(不図示)や点火プラグ(不図示)を動作させることで、エンジン13の始動を行う。
【0045】
また、スロットルレバー24dが操作された場合、スロットルレバー24dの操作量に基づく信号がエンジン制御部13aに送信され、エンジン制御部13aが上記信号を検出することができる。エンジン制御部13aは、上記信号を検出した場合、当該信号に基づいてエンジン13に設けられた適宜の燃料噴射装置(インジェクタ)による燃料の噴射量や、スロットルバルブの開度(吸気量)を調節することでエンジン13の出力を制御する。上記燃料噴射装置としては、コモンレールシステム等、適宜の電子制御式のものを採用可能である。これにより、エンジン13(車輪12や耕耘爪18)の駆動速度の加速又は減速を行うことができる。このように、本実施形態に係る歩行型管理機10は、電子制御によりエンジン13の始動や出力の制御を行うことができる。
【0046】
また、作業者が、クラッチレバー24aを握るように操作すれば、前記ベルトに張力が付与されてクラッチ機構20が作動される。これにより、エンジン13からの動力が、変速機構17aを介して車輪12や回転軸17bへと伝達される。これによって、歩行型管理機10は、走行したり、耕耘爪18を回転させて圃場を耕耘することができる。
【0047】
また、歩行型管理機10は、クラッチレバー24aの操作が解除されることで、前記ベルトへの張力の付与が停止され、クラッチ機構20の作動が停止される。これにより、車輪12や耕耘爪18の回転が停止される。クラッチ機構20としては、作業者がクラッチレバー24aを握っている間は作動し、手を離してクラッチレバー24aの操作が解除されればクラッチ機構20が停止する、いわゆるデッドマン式クラッチを採用可能である。
【0048】
また、エンジン制御部13aは、エンジンスイッチ24bが押圧操作された場合に送信されるエンジン13の停止の信号を検出すれば、エンジン13の燃料噴射装置やスロットルバルブ、点火プラグ等を制御し、エンジン13を停止させる。
【0049】
図1から図3までに示す端末30は、各種の情報を入出力可能なものである。端末30は、携帯可能な小型のものを採用可能である。端末30としては、例えばスマートフォン(携帯電話)を採用可能である。また、端末30としては、スマートフォンに限られず、例えばタブレット端末等の種々の端末を採用可能である。端末30は、後述する取付部40を介して、操縦ハンドル23に設けられる。端末30は、図3に示すように、カメラ31、傾きセンサ32、加速度センサ33、マイク34、制御手段35、通信部36、バッテリー37及び表示部38を具備する。
【0050】
カメラ31は、所定のレンズ部(不図示)を介して画像を撮影可能なものである。カメラ31は、例えば、歩行型管理機10を運転している作業者の画像31c(図6参照)を撮影可能である。カメラ31は、前面カメラ31a及び後面カメラ31bを具備する。
【0051】
図2及び図6に示す前面カメラ31aは、端末30の前面(後述する表示部38側の面)に設けられるものである。
【0052】
後面カメラ31bは、端末30の後面(反表示部38側の面)に設けられるものである。
【0053】
傾きセンサ32は、傾きを検知可能なものである。傾きセンサ32としては、適宜のジャイロセンサ等を採用可能である。本実施形態では、傾きセンサ32により、所定の基準方向(例えば鉛直方向)に対する端末30(歩行型管理機10)の傾きを検知可能な構成としている。
【0054】
加速度センサ33は、端末30(歩行型管理機10)の加速度を検知可能なものである。
【0055】
マイク34は、作業者の音声等の所定の音を取得可能なものである。マイク34は、端末30の前面に設けられる。
【0056】
図3に示す制御手段35は、上記カメラ31、傾きセンサ32、加速度センサ33及びマイク34により取得された情報を含む各種の情報が入力されると共に、当該情報に基づいて歩行型管理機10の動作を制御することができるものである。制御手段35は、主としてCPU等の演算処理装置や、RAMやROM、HDD等の記憶装置等により構成される。制御手段35には、カメラ31が撮影した画像、傾きセンサ32が検知した傾き、加速度センサ33が検知した加速度、マイク34が取得した音声等が、情報として入力される。
【0057】
また、制御手段35は、上記入力された情報に基づいて、歩行型管理機10の動作を制御する各種制御(優先制御S10等)を実行可能である。なお、制御手段35が実行する制御の詳細な説明は後述する。
【0058】
通信部36は、制御手段35の制御に関する情報を無線通信可能なものである。通信部36は、エンジン13の通信部13bへ、エンジン13の動作に関する信号を送信することができる。通信部36による情報の通信には、エンジン13の通信部13bと同様、種々の無線通信技術を採用可能である。
【0059】
バッテリー37は、端末30の動作に使用される電力を供給するものである。バッテリー37は、端末30に設けられた適宜のコネクタを介して、充電及び放電が可能である。バッテリー37としては、例えばリチウムイオン電池を採用可能である。
【0060】
表示部38は、所定の画像を表示可能なものである。表示部38は、前面カメラ31a又は後面カメラ31bが撮影した画像を表示可能である(図6を参照)。
【0061】
図1から図3までに示す取付部40は、端末30を取り付け可能なものである。取付部40は、操縦ハンドル23に設けられる。本実施形態では、取付部40を、横架部23cの左右方向中央部に設けた例を示している。取付部40は、端末30を着脱可能に取り付けることができる。取付部40による端末30の取付態様としては、例えば、適宜のアームで端末30の側部を挟むようにして端末30を取り付ける態様を採用可能である。また、例えば、磁石を用いて端末30を取り付ける態様や、適宜のベルト(バンド)等で端末30を取り付ける態様も採用可能である。
【0062】
取付部40は、端末30の前面が後方(後上方)を向いた姿勢で、端末30を取り付けることができる。これにより、取付部40に取り付けられた端末30の表示部38を、歩行型管理機10を運転する作業者の方へ向けることができる。この状態では、後上方を向く前面カメラ31aを用いて作業者(主に上半身)を撮影することができる。また、この状態では、前下方を向く後面カメラ31bを用いて地面を撮影することができる。
【0063】
図2及び図3に示すグリップセンサ50は、作業者の生体情報を取得可能なものである。ここで、生体情報には、作業者の心拍数に関する情報である「心拍数情報」や、作業者の発汗に関する情報である「発汗情報」、作業者が操縦ハンドル23を把持する際の「把持力」が含まれる。図2に示すように、グリップセンサ50は、操縦ハンドル23の後部23bに設けられる。グリップセンサ50は、電力により動作する。グリップセンサ50は、操縦ハンドル23の後部23bを覆うように設けられる。これにより、作業者は、グリップセンサ50を介して操縦ハンドル23を把持することになる。
【0064】
グリップセンサ50は、当該グリップセンサ50を把持する作業者の手指から、生体情報を取得する。グリップセンサ50は、図3に示すように、心拍数センサ51、発汗センサ52、把持力センサ53、ケーブル54を具備する。
【0065】
心拍数センサ51は、心拍数情報を生体情報として取得可能なものである。心拍数情報には、心拍数や、所定の時間あたりの心拍数の変化量等が含まれる。心拍数センサ51は、グリップセンサ50(操縦ハンドル23)を把持する作業者の手指から心拍数情報を取得する。心拍数センサ51としては、例えば、作業者の皮膚に照射した光の変化に基づいて心拍数情報を取得する光電式容積脈波記録法等を用いるものを採用可能である。
【0066】
発汗センサ52は、発汗情報を生体情報として取得可能なものである。発汗情報には、発汗量や、所定の時間あたりの発汗量の変化量等が含まれる。発汗センサ52は、グリップセンサ50(操縦ハンドル23)を把持する作業者の手指から発汗情報を取得する。発汗センサ52としては、作業者の手指の皮膚近傍の湿度(水分量)等に基づいて発汗情報を取得するものを採用可能である。
【0067】
把持力センサ53は、把持力を生体情報として取得可能なものである。把持力センサ53は、作業者により把持されたグリップセンサ50(操縦ハンドル23)に作用する力を取得する。把持力センサ53としては、適宜のひずみゲージや感圧素子を用いたものを採用可能である。
【0068】
図2に示すケーブル54は、グリップセンサ50(心拍数センサ51、発汗センサ52及び把持力センサ53)を動作させるための電力供給源に接続されるものである。ケーブル54は、グリップセンサ50から延びるように設けられる。ケーブル54の先端には、端末30のコネクタに接続可能な端子が設けられる。ケーブル54を端末30に接続することで、端末30のバッテリー37の電力を利用して、グリップセンサ50を動作させることができる。これにより、各センサを動作させるためのバッテリーを歩行型管理機10に別途設置することなく、グリップセンサ50の各センサを動作させることができる。
【0069】
また、ケーブル54は、グリップセンサ50と制御手段35との間の各種の情報の通信に用いることができる。上記心拍数センサ51、発汗センサ52、把持力センサ53により取得された情報は、ケーブル54を介して制御手段35に入力される。
【0070】
本実施形態に係る管理機制御システム1は、ハンドル操作部24を用いた操作だけでなく、制御手段35による制御によっても、歩行型管理機10を動作させることができる。以下では、制御手段35を用いた歩行型管理機10の動作の制御について説明する。
【0071】
制御手段35は、エンジン制御部13aへエンジン13の動作に関する信号を送信することができる。具体的には、制御手段35は、セルモーター(不図示)を動作させる信号や、スロットルバルブの開度(吸気量)を調節する信号、その他エンジン13の燃料噴射装置等を制御する信号を、エンジン制御部13aへ送信することができる。
【0072】
これにより、制御手段35は、エンジンスイッチ24bや始動スイッチ24c、スロットルレバー24dを用いた操作による制御と概ね同様、電子制御によりエンジン13の始動、停止、駆動速度の加速又は減速を行うことができる。
【0073】
上記エンジン制御部13aへの信号の送信は、エンジン13の通信部13b及び端末30の通信部36を介して行われる。これにより、例えば、ワイヤー等を介することなく制御手段35による歩行型管理機10の動作の制御を実行することができる。
【0074】
上述の如き管理機制御システム1は、ハンドル操作部24(エンジンスイッチ24bや始動スイッチ24c、スロットルレバー24d)による操作よりも優先させて、端末30の制御手段35に入力された情報に基づいて歩行型管理機10の動作を制御する「優先制御S10」を実行することができる(図4を参照)。優先制御S10には、画像制御S20、傾き制御S30、加速度制御S40、音声制御S50及び生体情報制御S60が含まれる。各制御の具体的な内容については後述する。
【0075】
優先制御S10は、エンジン制御部13aと制御手段35とが連携することで実行される。具体的には、エンジン制御部13aは、ハンドル操作部24の操作に基づく信号よりも、制御手段35から送信された信号に基づく制御を優先する。すなわち、ハンドル操作部24の操作に基づく信号が、制御手段35から送信された信号によって上書きされる。
【0076】
これによって管理機制御システム1は、各種操作具による操作(エンジンスイッチ24bが運転位置となっていたり、スロットルレバー24dによりエンジン13の回転数が所定の値に設定されている等)に関わらず、エンジン13を停止させたり、エンジン13の回転数を減少させる等の制御を行う。以下、各制御について具体的に説明する。
【0077】
まず、画像制御S20について説明する。画像制御S20は、端末30のカメラ31が撮影した画像に基づいて、ハンドル操作部24による操作より優先して歩行型管理機10の動作を制御する(優先制御S10を実行する)ものである。具体的には、画像制御S20は、端末30のカメラ31が撮影した画像に基づいて、撮影対象と歩行型管理機10の相対的な位置関係が変化したことを検出して、歩行型管理機の駆動速度の減速や駆動の停止等を行う。画像制御S20は、第一の画像制御S21及び第二の画像制御S24を含む。
【0078】
以下では、図5(a)のフローチャートを用いて、第一の画像制御S21について説明する。
【0079】
第一の画像制御S21は、歩行型管理機10を運転する作業者を撮影対象とした第一の画像(図6を参照)に基づいて歩行型管理機10の動作を制御するものである。第一の画像は、前面カメラ31aにより撮影可能である。第一の画像には、作業者の上半身(例えば肩から上の身体等)の画像が含まれる。第一の画像制御S21は、制御手段35により所定の微小時間(例えば0.1秒~1秒)ごとに繰り返し実行される。
【0080】
ステップS22において、制御手段35は、前面カメラ31aにより撮影された第一の画像のうち作業者の画像31cが占める割合が、第一の割合以下であるか否かを判定する。制御手段35は、適宜の画像解析技術により、カメラ31が撮影した画像から作業者の画像31cを抽出可能である。上記作業者の画像31cが占める割合が第一の割合以下である場合には、作業者と歩行型管理機10の相対的な位置関係がある程度変化したことが推定される(図6(b)を参照)。上記第一の割合は、例えば1/2~1/4程度を採用可能である。なお上記第一の割合としては、上記例に限られず、作業者と歩行型管理機10の相対的な位置関係の変化に基づく制御を好適に行う観点から適宜設定可能である。
【0081】
制御手段35は、作業者の画像31cが占める割合が第一の割合以下であると判定した場合、ステップS23の処理へ移行する。一方、制御手段35は、作業者の画像31cが占める割合が第一の割合を超えていると判定した場合、第一の画像制御S21を終了する。
【0082】
ステップS23において、制御手段35は、優先制御S10として、エンジン13の駆動速度の減速又は駆動の停止を行う。すなわち、各種操作具による操作(エンジンスイッチ24bが運転位置となっていたり、スロットルレバー24dによりエンジン13の回転数が所定の値に設定されている等)に関わらず、制御手段35に入力された情報に基づいてエンジン13を停止させたり、エンジン13の回転数を所定の値まで減少させる制御を行う。制御手段35は、ステップS23の処理を実行した後、第一の画像制御S21を終了する。
【0083】
以下では、図5(b)のフローチャートを用いて、第二の画像制御S24について説明する。
【0084】
第二の画像制御S24は、地面を撮影対象とした第二の画像に基づいて歩行型管理機10の動作を制御するものである。第二の画像は、後面カメラ31bにより撮影可能である。第二の画像制御S24は、制御手段35により所定の微小時間ごとに繰り返し実行される。
【0085】
ステップS25において、制御手段35は、後面カメラ31bにより撮影された第二の画像のうち地面の画像が占める割合が、第二の割合以下であるか否かを判定する。制御手段35は、適宜の画像解析技術により、カメラ31が撮影した画像から地面の画像を抽出可能である。上記地面の画像が占める割合が第二の割合以下である場合には、地面と歩行型管理機10の相対的な位置関係がある程度変化したことが推定される。上記第二の割合は、地面と歩行型管理機10の相対的な位置関係の変化に基づく制御を好適に行う観点から適宜設定可能である。
【0086】
制御手段35は、地面の画像が占める割合が第二の割合以下であると判定した場合、ステップS26の処理へ移行する。一方、制御手段35は、地面の画像が占める割合が第二の割合を超えていると判定した場合、第二の画像制御S24を終了する。
【0087】
ステップS26において、制御手段35は、優先制御S10として、エンジン13の駆動速度の減速又は駆動の停止を行う。制御手段35は、ステップS26の処理を実行した後、第二の画像制御S24を終了する。
【0088】
なお、上述した例では、第二の画像の撮影対象を地面とした例を示したが、このような態様に限られない。例えば、第二の画像の撮影対象を地面以外の風景(例えば空等)や歩行型管理機10の車体の全体や一部などとしてもよい。この場合には、制御手段35は、第二の画像のうち上記風景の画像が占める割合や、風景や地面と上記車体の全体や一部との相対的な位置関係に基づいてステップS25の判定を実行可能である。
【0089】
上述した画像制御S20によれば、端末30のカメラ31が撮影した画像のうち、撮影対象(作業者や地面)が占める割合に基づいて、撮影対象(作業者や地面)と歩行型管理機10の相対的な位置関係が変化したこと(例えば、歩行型管理機10が傾いた等)を検出して、歩行型管理機の駆動速度の減速や駆動の停止等を行うことができる。従って、作業者による駆動速度の減速や駆動の停止のための操作が行われる前に、制御手段35の制御により自動的に減速や停止を行うことができる。これにより、歩行型管理機の運転の利便性を向上させることができる。
【0090】
なお、画像制御S20としては、上述したように、撮影対象の画像が占める割合に基づいて優先制御S10を実行する態様に限られない。例えば、図7(a)に示すように、制御手段35を、適宜の画像解析技術により、第一の画像における作業者の画像31cの傾きを検出可能なものとし、当該作業者の画像31cの傾きに基づいて優先制御S10を実行する構成を採用可能である。具体的には、作業者の画像31cの傾きが所定値以上であれば、優先制御S10として、エンジン13の駆動速度の減速又は駆動の停止を行うようにしてもよい。なお、第一の画像に代えて、第二の画像に基づいて地面や景色の傾きを検出すると共に、当該傾きに基づいて優先制御S10を実行する構成も採用可能である。
【0091】
また、例えば、図7(b)に示すように、制御手段35を、適宜の画像解析技術により、第一の画像における作業者の顔の画像31dの表情を検出可能なものとし、当該顔の画像31dに基づいて優先制御S10を実行する構成を採用可能である。具体的には、作業者の顔の画像31dの表情が通常とは異なる表情であると判定された場合に、優先制御S10として、エンジン13の駆動速度の減速又は駆動の停止を行うようにしてもよい。この場合には、制御手段35が、顔の画像31dを用いて作業者の平常時の顔(表情)を記憶し、当該平常時の顔を基準とした表情の変化量に基づいて優先制御S10を実行するか否かの判断を実行する構成を採用可能である。なお、表情の変化に基づき優先制御S10を実行する態様としては、必ずしも基準となる平常時の顔(表情)を記憶する必要は無く、例えば適宜の表情認識技術により顔の画像31dから驚いた表情等を認識すれば、優先制御S10を実行する構成を採用可能である。
【0092】
次に、図8(a)のフローチャートを用いて、傾き制御S30について説明する。
【0093】
傾き制御S30は、歩行型管理機10(端末30)の傾きに基づいて、優先制御S10として歩行型管理機10の動作を制御するものである。傾き制御S30は、制御手段35により所定の微小時間ごとに繰り返し実行される。
【0094】
ステップS31において、制御手段35は、端末30の傾きセンサ32が検知した角度(傾き)が、所定の基準方向(例えば鉛直方向)に対して所定角度以上であるか否かを判定する。上記傾きセンサ32が検知した傾きが基準方向に対して所定角度以上である場合には、歩行型管理機10が基準方向に対してある程度大きく傾いていると推定される。上記所定角度としては、任意の値を設定可能である。
【0095】
制御手段35は、傾きセンサ32が検知した傾きが基準方向に対して所定角度以上であると判定した場合、ステップS32の処理へ移行する。一方、制御手段35は、傾きセンサ32が検知した傾きが基準方向に対して所定角度未満であると判定した場合、傾き制御S30を終了する。
【0096】
ステップS32において、制御手段35は、優先制御S10として、エンジン13の駆動速度の減速又は駆動の停止を行う。制御手段35は、ステップS32の処理を実行した後、傾き制御S30を終了する。
【0097】
上述した傾き制御S30によれば、歩行型管理機10(端末30)の傾きが所定の傾き以上となった場合に、歩行型管理機10の駆動速度の減速や駆動の停止を行うことができる。従って、作業者による駆動速度の減速や駆動の停止のための操作が行われる前に、制御手段35の制御により自動的に減速や停止を行うことができる。これにより、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。
【0098】
次に、図8(b)のフローチャートを用いて、加速度制御S40について説明する。
【0099】
加速度制御S40は、歩行型管理機10(端末30)の加速度に基づいて、優先制御S10として歩行型管理機10の動作を制御するものである。加速度制御S40は、制御手段35により所定の微小時間ごとに繰り返し実行される。
【0100】
ステップS41において、制御手段35は、端末30の加速度センサ33が検知した加速度が、所定の加速度以上であるか否かを判定する。上記加速度センサ33が検知した加速度が所定の加速度以上である場合には、歩行型管理機10の速度が急に上がったと推定される。上記所定の加速度としては、任意の値を設定可能である。
【0101】
制御手段35は、加速度センサ33が検知した加速度が所定の加速度以上であると判定した場合、ステップS42の処理へ移行する。一方、制御手段35は、加速度センサ33が検知した加速度が所定の加速度未満であると判定した場合、加速度制御S40を終了する。
【0102】
ステップS42において、制御手段35は、優先制御S10として、エンジン13の駆動速度の減速又は駆動の停止を行う。制御手段35は、ステップS42の処理を実行した後、加速度制御S40を終了する。
【0103】
上述した加速度制御S40によれば、歩行型管理機10(端末30)の加速度が所定の加速度以上となった場合に、歩行型管理機10の駆動速度の減速や駆動の停止を行うことができる。従って、作業者による駆動速度の減速や駆動の停止のための操作が行われる前に、制御手段35の制御により自動的に減速や停止を行うことができる。これにより、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。
【0104】
なお、上述した例では、歩行型管理機10の速度が急に上がった場合(加速度センサ33が検知した加速度が所定の加速度以上となった場合)に優先制御S10を実行する構成としたが、このような態様に限られない。例えば、歩行型管理機10の速度が急に落ちた場合(加速度センサ33が検知したマイナスの加速度が所定の加速度以下となった場合)に優先制御S10を実行するようにしてもよい。これによれば、例えば歩行型管理機10が障害物等に当たるなどして急に速度が落ちた場合に、エンジン13の停止等を自動で行うことができる。
【0105】
次に、音声制御S50について説明する。図4に示す音声制御S50は、端末30のマイク34が取得した作業者の音声に基づいて、優先制御S10として歩行型管理機10の動作を制御するものである。具体的には、音声制御S50は、マイク34が、特定の音声を取得した場合に、歩行型管理機10の始動や、駆動速度の減速、駆動の停止等を行う。音声制御S50は、第一の音声制御S51及び第二の音声制御S54を含む。
【0106】
以下では、図9(a)のフローチャートを用いて、第一の音声制御S51について説明する。
【0107】
第一の音声制御S51は、端末30のマイク34が取得した第一の音声に基づいて歩行型管理機10の動作を制御するものである。第一の音声は、予め設定された、エンジン13の始動の契機となる音声である。制御手段35は、適宜の音声認識技術により、第一の音声を認識可能である。第一の音声としては、例えば「始動」等の特定の単語やフレーズ(音声コマンド)を採用可能である。第一の音声制御S51は、制御手段35により所定の微小時間ごとに繰り返し実行される。
【0108】
ステップS52において、制御手段35は、第一の音声が入力されたか否かを判定する。制御手段35は、第一の音声が入力されたと判定した場合、ステップS53の処理へ移行する。一方、制御手段35は、第一の音声が入力されていないと判定した場合、第一の音声制御S51を終了する。
【0109】
ステップS53において、制御手段35は、優先制御S10として、エンジン13の始動を行う。すなわち、制御手段35は、エンジンスイッチ24b及び始動スイッチ24cによる操作の信号よりも、当該制御手段35によるエンジン13の始動の信号を優先させる制御を行う。制御手段35は、ステップS53の処理を実行した後、第一の音声制御S51を終了する。なお、エンジン13の始動を行う前に、エンジン13の始動が可能な状態か否かを確認するステップを追加してもよい。つまり、クラッチレバー24aの操作が実行されているか解除されているかを確認するステップや、エンジン13の始動と同時に歩行型管理機10が前進する状態か否かを確認するステップなどを追加してもよい。
【0110】
以下では、図9(b)のフローチャートを用いて、第二の音声制御S54について説明する。
【0111】
第二の音声制御S54は、端末30のマイク34が取得した第二の音声に基づいて歩行型管理機10の動作を制御するものである。第二の音声は、第一の音声とは異なる音声であって、予め設定されたエンジン13の駆動速度の減速や駆動の停止の契機となる音声である。制御手段35は、適宜の音声認識技術により、第二の音声を認識可能である。第二の音声としては、例えば「停止」等の特定の単語やフレーズ(音声コマンド)を採用可能である。第二の音声制御S54は、制御手段35により所定の微小時間ごとに繰り返し実行される。
【0112】
ステップS55において、制御手段35は、第二の音声が入力されたか否かを判定する。制御手段35は、第二の音声が入力されたと判定した場合、ステップS56の処理へ移行する。一方、制御手段35は、第二の音声が入力されていないと判定した場合、第二の音声制御S54を終了する。
【0113】
ステップS56において、制御手段35は、優先制御S10として、エンジン13の駆動速度の減速や駆動の停止を行う。制御手段35は、ステップS56の処理を実行した後、第二の音声制御S54を終了する。
【0114】
上述した音声制御S50によれば、作業者の特定の音声に基づいて、歩行型管理機10(エンジン13)の始動や、歩行型管理機10の駆動速度の減速や駆動の停止を容易に行うことができ、歩行型管理機10の運転の利便性をより向上させることができる。
【0115】
また、本実施形態によれば、取付部40を操縦ハンドル23に設けているので、マイク34を備える端末30を、作業者の音声を入力し易い位置に配置することができる。
【0116】
なお、音声制御S50としては、上述したように、特定の単語やフレーズ(音声コマンド)により優先制御S10を実行する態様に限られない。例えば、制御手段35に所定の大きさ以上の音声が入力された場合に、エンジン13の駆動速度の減速や駆動の停止を行うようにしてもよい。
【0117】
次に、生体情報制御S60について説明する。図4に示す生体情報制御S60は、グリップセンサ50が取得した作業者の生体情報に基づいて、優先制御S10として歩行型管理機10の動作を制御するものである。具体的には、生体情報制御S60は、心拍数情報、発汗情報及び把持力に基づき、歩行型管理機10の駆動速度の減速や駆動の停止等を行う。生体情報制御S60は、心拍数情報制御S61、発汗情報制御S64及び把持力制御S67を含む。
【0118】
以下では、図10(a)のフローチャートを用いて、心拍数情報制御S61について説明する。
【0119】
ステップS62において、制御手段35は、グリップセンサ50の心拍数センサ51が取得した心拍数(心拍数情報)が、所定の心拍数以上であるか否かを判定する。上記心拍数センサ51が取得した心拍数が所定の心拍数以上である場合には、作業者の心拍数がある程度大きいと推定される。上記所定の心拍数としては、任意の値を設定可能である。心拍数情報制御S61は、エンジン制御部13aや制御手段35により所定の微小時間ごとに繰り返し実行される。なお、本実施形態では、心拍数に基づいてステップS62の判定を行ったが、このような例に代えて、例えば所定の時間あたりの心拍数の変化量に基づいてステップS62の判定を行ってもよい。
【0120】
制御手段35は、心拍数センサ51が取得した心拍数が、所定の心拍数以上であると判定した場合、ステップS63の処理へ移行する。一方、制御手段35は、心拍数センサ51が取得した心拍数が、所定の心拍数未満であると判定した場合、心拍数情報制御S61を終了する。
【0121】
ステップS63において、制御手段35は、優先制御S10として、エンジン13の駆動速度の減速又は駆動の停止を行う。制御手段35は、ステップS63の処理を実行した後、心拍数情報制御S61を終了する。
【0122】
以下では、図10(b)のフローチャートを用いて、発汗情報制御S64について説明する。
【0123】
ステップS65において、制御手段35は、グリップセンサ50の発汗センサ52が取得した発汗量(発汗情報)が、所定の発汗量以上であるか否かを判定する。上記発汗センサ52が取得した発汗量が所定の発汗量以上である場合には、作業者の発汗量がある程度大きいと推定される。上記所定の発汗量としては、任意の値を設定可能である。発汗情報制御S64は、エンジン制御部13aや制御手段35により所定の微小時間ごとに繰り返し実行される。なお、本実施形態では、発汗量に基づいてステップS65の判定を行ったが、このような例に代えて、例えば所定の時間あたりの発汗量の変化量に基づいてステップS65の判定を行ってもよい。
【0124】
制御手段35は、発汗センサ52が取得した発汗量が、所定の発汗量以上であると判定した場合、ステップS66の処理へ移行する。一方、制御手段35は、発汗センサ52が取得した発汗量が、所定の発汗量未満であると判定した場合、発汗情報制御S64を終了する。
【0125】
ステップS66において、制御手段35は、優先制御S10として、エンジン13の駆動速度の減速又は駆動の停止を行う。制御手段35は、ステップS66の処理を実行した後、発汗情報制御S64を終了する。
【0126】
以下では、図11のフローチャートを用いて、把持力制御S67について説明する。
【0127】
ステップS68において、制御手段35は、グリップセンサ50の把持力センサ53が取得した把持力が、所定の値以上であるか否かを判定する。上記把持力センサ53が取得した把持力が所定の値以上である場合には、作業者がグリップセンサ50(操縦ハンドル23)を握る力がある程度大きいと推定される。上記所定の値としては、任意の値を設定可能である。
【0128】
制御手段35は、把持力センサ53が取得した把持力が、所定の値以上であると判定した場合、ステップS69の処理へ移行する。一方、制御手段35は、把持力センサ53が取得した把持力が、所定の値未満であると判定した場合、把持力制御S67を終了する。
【0129】
ステップS69において、制御手段35は、優先制御S10として、エンジン13の駆動速度の減速又は駆動の停止を行う。制御手段35は、ステップS66の処理を実行した後、把持力制御S67を終了する。
【0130】
上述した生体情報制御S60によれば、グリップセンサ50により取得された作業者の生体情報に基づいて生体情報制御S60(心拍数情報制御S61、発汗情報制御S64及び把持力制御S67)を実行することで、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。具体的には、心拍数や発汗量、把持力がある程度大きくなった場合は、運転中に作業者の予期せぬ出来事が起こった可能性がある。このような場合に、作業者による駆動速度の減速や駆動の停止のための操作が行われる前に、制御手段35の制御により自動的に減速や停止を行うことで、歩行型管理機の運転の利便性をより向上させることができる。
【0131】
また、上記把持力制御S67によれば、作業者が、操縦ハンドル23やクラッチレバー24aを離した場合に歩行型管理機10の動作を停止するデッドマン式クラッチに加えて、操縦ハンドル23を握り過ぎた場合にも、歩行型管理機の減速又は駆動の停止を行うことができる。これにより、歩行型管理機の運転の利便性をより向上させることができる。
【0132】
上述の如き管理機制御システム1によれば、優先制御S10によりエンジン13を制御することで、歩行型管理機10の走行速度や耕耘爪18の回転速度を同時に減速させたり、歩行型管理機10の走行や耕耘爪18の回転を同時に停止させたりすることができる。これにより、歩行型管理機10の運転の利便性を向上させることができる。
【0133】
また、管理機制御システム1によれば、例えば作業者によるハンドル操作部24を介した操作が遅れた場合等でも、優先制御により、制御手段35に入力された運転に関する情報(運転時の歩行型管理機10や作業者に関するあらゆる情報)に基づいて歩行型管理機10の動作を適切に制御することができる。具体的には、端末30により取得される画像や傾き、加速度、音声、グリップセンサ50により取得される生体情報に基づいて歩行型管理機10の動作を適切に制御することができる。
【0134】
また、本実施形態に係る管理機制御システム1は、例えば、既存の歩行型管理機10に、端末30、取付部40及びグリップセンサ50を取り付けることで、容易に形成することができる。
【0135】
また、例えば、既存の歩行型管理機10のエンジンが通信機能を有していない場合でも、後から通信部13bを設け、適宜の配線を用いてエンジン制御部13aと接続することで、管理機制御システム1を実現することができる。
【0136】
また、例えば、既存の歩行型管理機10のエンジンが電子制御ができないものであっても、後からエンジン制御部13aや通信部13bを設け、更に電子制御を実行可能な適宜の機構(スロットルの動作を制御できるアクチュエータ等)を取り付けることで、管理機制御システム1を実現することができる。
【0137】
また、本実施形態によれば、携帯可能な端末30(例えばスマートフォン等)を用いて歩行型管理機の運転に関する情報を入力し、制御手段35による歩行型管理機10の動作の制御を実行することができる。これにより、専用の制御手段35を別途用意せずとも、作業者の所有するスマートフォン等を利用して歩行型管理機10の動作の制御を実行することができる。
【0138】
なお、上述した管理機制御システム1は一例であり、管理機制御システム1としては上述した例に限られず、適宜の変更が可能である。
【0139】
例えば、上述した例では、歩行型管理機10を、スロットルレバー24dの操作量を検知するセンサを用いた電子制御式のスロットルにより、エンジン13の出力の制御等を行う構成としたが、このような構成に限られない。例えば、歩行型管理機10を、スロットルレバー24dがケーブル(不図示)を介してスロットルと接続され、スロットルレバー24dの操作により直接スロットル開度を調整する機械式のスロットルにより、エンジン13の出力の調整を可能な構成としてもよい。この場合には、優先制御S10を行う際に、スロットルレバー24dの操作がスロットルに作用しないように、スロットルレバー24dとスロットルとの接続を切り離し可能な機構を設けるようにしてもよい。
【0140】
また、上述した例では、優先制御S10において、エンジン13の出力の制御等を行うことで歩行型管理機10の駆動速度の減速を行う構成としたが、このような構成に限られない。例えば、変速機構17aによる変速によって歩行型管理機10の駆動速度の減速を行うようにしてもよい。この場合は、歩行型管理機10を、電子制御により変速が可能なものとしてもよい。また、この場合は、変速機構17aとして、プーリに巻回されたベルトを用いたベルト式の変速機構や、HST(Hydraulic Static Transmission)等を採用可能である。
【0141】
これによれば、優先制御S10により変速機構17aを制御することで、変速機構17aを介して伝達される動力に基づく歩行型管理機の駆動速度(走行速度や耕耘爪18の回転速度)等を制御することができる。
【0142】
また、上述した例では、優先制御S10において、エンジン13の停止を行うことで歩行型管理機10の停止を行う構成としたが、このような構成に限られない。例えば、クラッチ機構20により、エンジン13から変速機構17aへの動力の伝達を切ることで、歩行型管理機10の停止を行うようにしてもよい。
【0143】
また、上記管理機制御システム1としては、予め登録された端末30を用いることでしか、セルモーターによるエンジン13の始動を行うことができない構成を採用可能である。この場合は、例えば、作業者の持つスマートフォン等の端末30と、歩行型管理機10(エンジン制御部13a)との間で無線通信を行い、予め登録された端末30であることが認識された場合に、エンジン13の始動を行う構成を採用可能である。
【0144】
なお、本実施形態に係るエンジン13は、駆動源の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るエンジン制御部13aは、制御部の一形態である。
また、本実施形態に係る通信部13bは、第二の通信部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る操縦ハンドル23は、ハンドルの実施の一形態である。
また、本実施形態に係る端末30は、端末及び第一の端末の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るカメラ31は、撮影部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る傾きセンサ32は、傾き検知部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る加速度センサ33は、加速度検知部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るマイク34は、音声取得部の実施の一形態である。
なお、本実施形態に係る制御手段35は、情報入力部及び制御部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る通信部36は、第一の通信部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係るバッテリー37は、電力供給源の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る心拍数センサ51は、生体情報取得部及び心拍数情報取得部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る発汗センサ52は、生体情報取得部及び発汗情報取得部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る把持力センサ53は、生体情報取得部及び把持力取得部の実施の一形態である。
【0145】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能である。
【0146】
例えば、本実施形態では、端末30のバッテリー37の電力を利用して、グリップセンサ50を動作させる構成としたが、このような態様に限られない。例えば、歩行型管理機10が備えるバッテリーや適宜の外付けバッテリー、グリップセンサ50に内蔵させたバッテリー等の種々のバッテリーやオルタネータからの電力を利用して、グリップセンサ50を動作させる構成としてもよい。
【0147】
また、本実施形態では、グリップセンサ50を用いて、生体情報制御S60を実行する例を示したが、このような態様に限られない。例えば、図12に示す第二実施形態のように、装着型端末60を用いて生体情報制御S60を実行可能な構成を採用可能である。
【0148】
図12に示す装着型端末60は、作業者の身体に装着可能であって、各種の情報を入出力可能な端末である。本実施形態では、装着型端末60を、作業者の腕に装着可能な腕時計型のものとしている。装着型端末60は、心拍数センサ61、発汗センサ62、制御手段63、通信部64及びバッテリー65を具備する。
【0149】
心拍数センサ61は、グリップセンサ50の心拍数センサ61と概ね同様、心拍数情報を生体情報として取得可能なものである。心拍数センサ61は、作業者の腕から心拍数情報を取得する。
【0150】
発汗センサ62は、グリップセンサ50の発汗センサ52と概ね同様、発汗情報を生体情報として取得可能なものである。発汗センサ62は、作業者の腕から発汗情報を取得する。
【0151】
制御手段63は、端末30の制御手段35と概ね同様、心拍数センサ61や発汗センサ62により取得された情報を含む各種の情報が入力されるものである。
【0152】
通信部64は、端末30の通信部36と概ね同様、制御手段63へ入力された情報を無線通信可能なものである。
【0153】
バッテリー65は、端末30のバッテリー37と概ね同様、装着型端末60の動作に使用される電力を供給するものである。
【0154】
上述の如き装着型端末60によっても、心拍数情報及び発汗情報を取得することができる。また、装着型端末60は、通信部64を介して、心拍数情報及び発汗情報を端末30の制御手段35に送信することができる。これにより、上記第一実施形態と概ね同様、心拍数情報制御S61及び発汗情報制御S64を実行することができる。
【0155】
なお、上述したように端末30を介さずとも、装着型端末60の制御手段63を用いて心拍数情報制御S61及び発汗情報制御S64を実行してもよい。この場合は、装着型端末60の通信部64を用いて、エンジン制御部13aに信号を送信することができる。
【0156】
上記実施形態によれば、装着型端末60を利用して、操縦ハンドル23にグリップセンサ50を取り付けることなく心拍数情報制御S61及び発汗情報制御S64を実行することができる。
【0157】
なお、本実施形態に係る装着型端末60は、第二の端末の一形態である。
また、本実施形態に係る心拍数センサ61は、生体情報取得部及び心拍数情報取得部の実施の一形態である。
また、本実施形態に係る発汗センサ62は、生体情報取得部及び発汗情報取得部の実施の一形態である。
【0158】
また、上記各実施形態では、端末30の制御手段35により優先制御S10を実行する構成としたが、このような態様に限られない。例えば、歩行型管理機10に設けられた適宜の制御手段35により優先制御S10を実行するようにしてもよい。また、例えば、端末30及び歩行型管理機10(エンジン制御部13a)と通信可能な外部の制御手段により優先制御S10を実行するようにしてもよい。
【0159】
また、上記各実施形態では、エンジン制御部13a及び通信部13bを、エンジン13に一体的に設けた例を示したが、このような態様に限られない。例えば、エンジン制御部13a及び通信部13bを、エンジン13と別体に設けるようにしてもよい。
【0160】
また、上記各実施形態では、駆動源を、燃料を用いて駆動するエンジン13とした例を示したが、このような態様に限られない。例えば、駆動源として、電気を用いて駆動するモータを採用してもよい。この場合には、制御手段35は、モータの駆動や駆動の停止、回転数の調節を行うことで優先制御S10を実行することができる。
【0161】
また、上記各実施形態では、管理機制御システム1を、歩行型管理機10の制御に用いられる各種情報を取得するカメラ31、傾きセンサ32、加速度センサ33、マイク34、心拍数センサ51(心拍数センサ61)、発汗センサ52(発汗センサ62)及び把持力センサ53の全てを備える構成としたが、このような態様に限られない。管理機制御システム1としては、上記各種情報を取得するもののうちの一部を備えるものとしてもよい。
【0162】
また、上記各実施形態では、管理機制御システム1の優先制御S10として、画像制御S20、傾き制御S30、加速度制御S40、音声制御S50及び生体情報制御S60の全てを実行可能な構成としたが、このような態様に限られず、上記各制御のうちの一部を優先制御S10として実行するものとしてもよい。
【0163】
また、上記各実施形態では、画像制御S20、傾き制御S30、加速度制御S40、音声制御S50及び生体情報制御S60を、優先制御S10として実行する構成としたが、このような態様に限られない。例えば、上記各制御を、優先制御S10としてではなく、単に制御手段35に入力された運転に関する情報(端末30により取得される画像や傾き、加速度、音声、グリップセンサ50により取得される生体情報)に基づいて歩行型管理機10の動作を制御するものとして実行するようにしてもよい。
【0164】
また、上記各実施形態における歩行型管理機10の態様は限られない。例えば、歩行型の除雪機や芝刈り機などであってもよい。
【0165】
また、上記各実施形態では、取付部40を操縦ハンドル23に設けた例を示したが、このような態様に限定されない。例えば側部23a上に設けてもよいし、エンジン13、燃料タンク14、ボンネット15などに設けてもよい。つまり、マイク34が音声を取得できる位置、または、前面カメラ31a及び後面カメラ31bが対象を撮影できる位置であれば、取付部40を設ける位置は適宜選択することができる。
【0166】
また、上記各実施形態では、通信部13bがエンジン13の外部から送信された情報を受信することができる例を示したが、このような態様に限定されない。通信部13bは、エンジン13の情報を送信することができるものとしてもよい。通信部13bから送信されたエンジン13の情報は、端末30や制御手段35などが受信することができる。これにより、エンジン13の回転数情報や稼働時間情報などのエンジン13の情報を端末30などで管理することが可能となる。
【符号の説明】
【0167】
1 管理機制御システム
10 歩行型管理機
13 エンジン
30 端末
35 制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12